JP2005144639A - 高精度歯厚上がり仕上げ刃を有するヘリカルブローチ。 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供。
【解決手段】長手方向に延びる切刃 1b,1cの刃すじ3のねじれ角βと、隣接して延びる切刃 1b,1aの刃溝4のねじれ角αは、同じ向き(右上向き、左上向きでもよい)で、かつ各仕上げ刃 1b,1aは鈍角側被削材21と鋭角側被削材22を同時切削するようにした。長手方向に延びる切刃 1b,1cの刃すじ3のねじれ角βと、隣接して延びる切刃 1b,1aの刃溝4のねじれ角αは、同じ向き(右上向き)で、かつ鈍角側被削材21を最初に切削し、次に鋭角側被削材22の切削を行ってもよい。なお鋭角側被削材22を最初に切削し、次に鈍角側被削材21の切削を行っても効果は同様である。
【選択図】図2
【解決手段】長手方向に延びる切刃 1b,1cの刃すじ3のねじれ角βと、隣接して延びる切刃 1b,1aの刃溝4のねじれ角αは、同じ向き(右上向き、左上向きでもよい)で、かつ各仕上げ刃 1b,1aは鈍角側被削材21と鋭角側被削材22を同時切削するようにした。長手方向に延びる切刃 1b,1cの刃すじ3のねじれ角βと、隣接して延びる切刃 1b,1aの刃溝4のねじれ角αは、同じ向き(右上向き)で、かつ鈍角側被削材21を最初に切削し、次に鋭角側被削材22の切削を行ってもよい。なお鋭角側被削材22を最初に切削し、次に鈍角側被削材21の切削を行っても効果は同様である。
【選択図】図2
Description
本願発明は、ヘリカルブローチの改良に関し、特に高精度歯厚上がり仕上げ刃を有するヘリカルブローチに関する。
自動車用トランスミッション等で多用される内はすば歯車は、長手方向の歯筋のねじれに等しいヘリカル状の歯列を備えたヘリカルブローチを用いて加工される。通常ヘリカルブローチは、図4に示すように外径上がり切削で歯形を粗成形する粗刃と歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃とで構成されている。ヘリカルブローチには、軸方向の切刃間に生じる切刃溝が環状にされている軸直刃溝、切刃溝のねじれと歯すじのねじれとが直角にされている歯直刃溝等がある。しかし、軸直刃溝のヘリカルブローチは切刃が軸直角平面に断続的に作用するので、振動が大きく、ドッグレッグと呼ばれる被削歯車に大きい歯すじ誤差を生じさせ、歯すじ精度を大きく悪化させるなどの問題がある。このため、精密なブローチ加工を必要とするときは、歯直(ノルマル)刃溝のヘリカルブローチが使用される。しかしながら、歯直(ノルマル)刃溝では鈍角切刃が被削歯車に喰い付く作用を起こし、歯すじの折れ・歯すじのうねりといった誤差を生じさせ、歯すじ精度を悪化させるなどの課題があった。
特公平8−18181号公報 請求項1、図3
特開2002−96219公報 請求項1、図1
これらの課題を解決するため、特許文献1では、はすば歯車のねじれ方向と切刃溝のねじれ方向を逆方向とし、ねじれ角βが19°<β≦34°の範囲において、切刃溝のねじれ角αを0°<α<38°−βとすることで対策している。通常、軸直刃溝でも歯直刃溝でもないこの刃溝をオフノルマル刃溝と呼ぶ。
図4に示すように、歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃によるヘリカルブローチの切削時においては、ブローチの各切刃の歯幅を順次漸増させて、切刃の両側でワークを切削するので、外径上がり切削でブローチの各切刃の歯高を順次漸増させて、切刃の外径部でワークを切削して歯形を粗成形する粗刃とは異なる課題がある。図5(a)は、従来の歯直(ノルマル)刃溝のヘリカルブローチの仕上げ刃による切削時の概念図を示し、(b)は、特許文献1に開示する従来のオフノルマル刃溝のヘリカルブローチの仕上げ刃による切削時の概念図を示す。図5(b)に示すように従来の歯直(ノルマル)刃溝のヘリカルブローチでは図でみて左側の鋭角切削時には、鋭角側被削材22に与えられる回転分力F2は鋭角側被削材22が切刃1bに喰い込む方向に発生し、鈍角側被削材21が切刃1aに喰い込む方向の力を発生させ、又右側の切刃1aによる鈍角切削時においても鈍角側被削材21に与えられる回転分力F1は鈍角側被削材21を切刃1aに喰い込む方向に発生するため、歯すじ精度を悪化させる。図5(b)に示すような従来のオフノルマル刃溝でも、最終刃付近での荷重減少時に同様な現象、即ち鋭角側被削材22に与えられる回転分力F2は鈍角側被削材21が切刃1aにに喰い込む方向に発生する現象、を引き起こし、歯すじ精度を悪化させる場合があることが実績より判っている。
特許文献2では、内はすば歯車又はスプラインを加工するに用いるヘリカルブローチにおいて、細長本体と、細長本体上に設けられ軸方向に整合されかつ間隔をおいて配置された複数個の切刃と、前記細長本体の軸線のまわりに長手方向にねじれ角βをつけて延びる前記切刃の刃すじと、隣接して周方向にねじれ角αをつけて延びる前記切刃の刃溝と、を有し、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)であることを特徴とするヘリカルブローチが開示されており、かかる構成によって、ねじれ穴にそってブローチを回転させる回転力と軸方向の切削抵抗による周方向に作用する分力によって発生する回転力の方向を逆方向にして、被削材に作用する回転力を減じさせ、被削材を特別なクランプ装置で強くクランプする必要がなく、かつ切削が断続的に行われないヘリカルブローチとしたものである。このものでは、細長本体上に設けられた全部の切刃について、即ち切刃の外径部でワークを切削して歯形を粗成形する粗刃部分と、歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃部分と、の両方について述べているが、ねじれ穴にそってブローチを回転させる回転力と軸方向の切削抵抗による周方向に作用する分力に着目したものであり、歯厚上がり切削でブローチの各切刃の歯幅を順次漸増させて切刃の両側でワークを切削する仕上げ刃によるブローチ加工においても、ブローチの軸方向の切削抵抗による被削材に作用する回転力にのみ着目し、切削抵抗による周方向に作用する分力によって発生する回転力の方向を逆方向にして、被削材に作用する回転力を減じさせ、被削材を特別なクランプ装置で強くクランプする必要をなくしたものであり、仕上げ刃による仕上げ加工の歯すじ精度の課題については何も開示していない。
本発明の課題は、前述した問題点に鑑みて、歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供することである。
このため本発明の第1発明は、内はすば歯車又はスプラインを加工するのに用いるヘリカルブローチの歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃部において、軸方向に整合されかつ間隔をおいて配置された複数個の切刃と、本体の軸線のまわりに長手方向にねじれ角βをつけて延びる前記切刃の刃すじと、隣接して周方向にねじれ角αをつけて延びる前記切刃の刃溝と、を有し、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)とし、かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は両側歯面切刃の同時切削で被削材を切削するようにしたことを特徴とするヘリカルブローチを提供することによって上記した従来製品の課題を解決した。
本発明の第2発明は、内はすば歯車又はスプラインを加工するのに用いるヘリカルブローチの歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃部において、軸方向に整合されかつ間隔をおいて配置された複数個の切刃と、前記細長本体の軸線のまわりに長手方向にねじれ角βをつけて延びる前記切刃の刃すじと、隣接して周方向にねじれ角αをつけて延びる前記切刃の刃溝と、を有し、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)とし、かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は片側歯面切刃のみで被削材を切削するようにし、切削しない他側歯面をガイド面としたことを特徴とするヘリカルブローチを提供することによって上記した従来製品の課題を解決した。
本発明の第2発明は、内はすば歯車又はスプラインを加工するのに用いるヘリカルブローチの歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃部において、軸方向に整合されかつ間隔をおいて配置された複数個の切刃と、前記細長本体の軸線のまわりに長手方向にねじれ角βをつけて延びる前記切刃の刃すじと、隣接して周方向にねじれ角αをつけて延びる前記切刃の刃溝と、を有し、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)とし、かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は片側歯面切刃のみで被削材を切削するようにし、切削しない他側歯面をガイド面としたことを特徴とするヘリカルブローチを提供することによって上記した従来製品の課題を解決した。
本発明の第1発明においては、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)としたので、切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角θ1、θ2の方向は逆向きであり、相殺されて被削歯車を回転させようとする力F1、F2を減少させることができ、被削材歯車に各仕上げ刃の両側歯面切刃が喰い付くことが少なく、歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供するものとなった。かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は両側歯面切刃の同時切削で被削材を切削するようにしたので、鋭角・鈍角の側面逃げ角を同一にすると、製作時の歯形研削も両歯面を同時に行うことができるため、より低コストのブローチを提供することできるという効果をも奏するものとなった。
本発明の第2発明においては、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)とし、かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は片側歯面切刃のみで被削材を切削するようにしたので、切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角θ1、θ2の方向は逆向きであり、相殺されて被削歯車を回転させようとする力F1、F2を減少させることができ、被削材歯車に各仕上げ刃の両側歯面切刃が喰い付くことが少なく、歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供するものとなった。
本発明の第2発明においては、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)とし、かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は片側歯面切刃のみで被削材を切削するようにしたので、切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角θ1、θ2の方向は逆向きであり、相殺されて被削歯車を回転させようとする力F1、F2を減少させることができ、被削材歯車に各仕上げ刃の両側歯面切刃が喰い付くことが少なく、歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供するものとなった。
好ましくは、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角をβ、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角をαとして、βが15°<β≦30°でαが0°<α<34°−βの範囲であることが好ましい。はすば歯車の長手方向ねじれ角をβを15°<β≦30°、隣接して延びる切刃の刃溝のねじれ角αをO°<α<34°−βの範囲と限定した理由は下記の通りである。15°≧βでは、本願発明のブローチで仕上げられた被削歯車は、最も製作が容易な軸直刃溝のブローチで仕上げられた被削歯車と比べ、ブローチの製作加工の困難性を凌ほどの性能上の優位性がみられず本発明の経済的効果が少ないからである。β>30°である場合は0°<α<4°となり、1条もしくは2条のブローチとならざるを得ず、切削のアンバランスにより他の精度低下を引き起こすためである。
本発明を実施するための最良の形態の一例を図1乃至図3を参照して説明する。図1は本発明の第1発明及び第2発明のヘリカルブローチの歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃部であるシェル(シェルでなく、ブローチ本体に外径上がり切削で歯形を粗成形する粗刃と歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃部を一体的に形成してもよい)の概略斜視図を示し、内はすば歯車又はスプラインを加工するのに用いるヘリカルブローチの歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃部10において、軸方向に整合されかつ間隔をおいて配置された複数個の切刃12と、本体の軸線11のまわりに長手方向にねじれ角βをつけて延びる切刃12の刃すじ3と、隣接して周方向にねじれ角αをつけて延びる切刃12の刃溝4と、を有し、長手方向に延びる切刃の刃すじ3のねじれ角βと、隣接して延びる切刃の刃溝4のねじれ角αは、同じ向き(右上向き、左上向きでもよい)としたものである。
図2は本発明の第1発明のヘリカルブローチの仕上げ刃による切削時の概念図を示し、長手方向に延びる切刃 1b,1cの刃すじ3のねじれ角βと、隣接して延びる切刃 1b,1aの刃溝4のねじれ角αは、同じ向き(右上向き)で、かつ各仕上げ刃 1b,1aは鋭角側被削材21と鈍角側被削材22を同時切削する時の概念図で、図3は本発明の第2発明のヘリカルブローチの仕上げ刃による切削時の概念図を示し、長手方向に延びる切刃 1b,1cの刃すじ3のねじれ角βと、隣接して延びる切刃 1b,1aの刃溝4のねじれ角αは、同じ向き(右上向き)で、かつ鈍角側被削材22を最初に切削し、次に鋭角側被削材21の切削を行った時の概念図である(鋭角側被削材21を最初に切削し、次に鈍角側被削材22の切削を行っても同じ効果を奏する)。図2、図3において、θは切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角を示し、θ1は鈍角側の作用角、θ2は鋭角側の作用角を表している。本発明においては、θ1・θ2ともに軸心に対して加工面方向に向いており、即ち被削歯車を逃がす方向に力が働いている。図2の両歯面切削においては、θ1とθ2が同時に作用するが、それらの方向は逆向きであり、相殺されて被削歯車を回転させようとする力F1とF2を減少させることができ、被削歯車に各仕上げ刃の両側歯面切刃が喰い付くことが少なく、歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供するものとなった。
図3の片歯面切削においては、θ1が作用する鈍角側の切削時には、鋭角側はガイド刃とすべく側面2番角をゼロ以下のガイド面にすると良い。これにより、鈍角側の切削時には鋭角側が被削歯車に押しつけられる作用を及ぼすが、切削に寄与しないガイド面となるため、安定した切削を行うことができる。逆に鋭角側切削時には鈍角側をガイド面とすることで、同様の効果を得ることができる。なお鋭角側を最初に切削し、次に鈍角側の切削を行うようにしても効果は同様である。図3の片歯面切削においても、θ1とθ2が同時に作用するが、それらの方向は逆向きであり、相殺されて被削歯車を回転させようとする力F1とF2を減少させることができ、被削材歯車に各仕上げ刃の両側歯面切刃が喰い付くことが少なく、歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供するものとなった。
図2の両歯面切削においては、同時切削で被削材を切削するようにしたので、鋭角・鈍角の側面逃げ角を同一にすると、製作時の歯形研削も両歯面を同時に行うことができるため、より低コストのブローチを提供することできるという効果をも奏するものとなった。〔本発明の最良の実施形態の効果〕
本発明の第1発明の最良の実施形態においては、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)としたので、切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角θ1、θ2の方向は逆向きであり、相殺されて被削歯車を回転させようとする力F1、F2を減少させることができ、被削材歯車に各仕上げ刃の両側歯面切刃が喰い付くことが少なく、歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供するものとなった。かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は両側歯面切刃の同時切削で被削材を切削するようにしたので、鋭角・鈍角の側面逃げ角を同一にすると、製作時の歯形研削も両歯面を同時に行うことができるため、より低コストのブローチを提供することできるという効果をも奏するものとなった。
本発明の第2発明最良の実施形態においては、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)とし、かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は片側歯面切刃のみで被削材を切削するようにしたので、切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角θ1、θ2の方向は逆向きであり、相殺されて被削歯車を回転させようとする力F1、F2を減少させることができ、被削材歯車に各仕上げ刃の両側歯面切刃が喰い付くことが少なく、歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供するものとなった。
本発明の第2発明最良の実施形態においては、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)とし、かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は片側歯面切刃のみで被削材を切削するようにしたので、切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角θ1、θ2の方向は逆向きであり、相殺されて被削歯車を回転させようとする力F1、F2を減少させることができ、被削材歯車に各仕上げ刃の両側歯面切刃が喰い付くことが少なく、歯すじ精度を向上させるヘリカルブローチを提供するものとなった。
好ましくは、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角をβ、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角をαとして、βが15°<β≦30°でαが0°<α<34°−βの範囲であることが好ましい。はすば歯車の長手方向ねじれ角をβを15°<β≦30°、隣接して延びる切刃の刃溝のねじれ角αをO°<α<34°−βの範囲と限定した理由は下記の通りである。15°≧βでは、本願発明のブローチで仕上げられた被削歯車は、最も製作が容易な軸直刃溝のブローチで仕上げられた被削歯車と比べ、ブローチの製作加工の困難性を凌ほどの性能上の優位性がみられず本発明の経済的効果が少ないからである。β>30°である場合は0°<α<4°となり、1条もしくは2条のブローチとならざるを得ず、切削のアンバランスにより他の精度低下を引き起こすためである。
1a,1b 隣接して延びる切刃
1b,1c 長手方向に延びる切刃
3 長手方向に延びる切刃の刃すじ
4 隣接して延びる切刃の刃溝
5a,5b ガイド面
10 仕上げ刃部
11 本体の軸線
12 切刃
21 鈍角側被削材
22 鋭角側被削材
α 隣接して延びる切刃の刃溝
β 長手方向に延びる切刃の刃すじ
θ1 鈍角側の切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角
θ2 鋭角側の切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角
F1 鈍角側被削材に与えられる回転分力
F2 鋭角側側被削材に与えられる回転分力
1b,1c 長手方向に延びる切刃
3 長手方向に延びる切刃の刃すじ
4 隣接して延びる切刃の刃溝
5a,5b ガイド面
10 仕上げ刃部
11 本体の軸線
12 切刃
21 鈍角側被削材
22 鋭角側被削材
α 隣接して延びる切刃の刃溝
β 長手方向に延びる切刃の刃すじ
θ1 鈍角側の切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角
θ2 鋭角側の切削に伴って発生する合成力と軸心との作用角
F1 鈍角側被削材に与えられる回転分力
F2 鋭角側側被削材に与えられる回転分力
Claims (3)
- 内はすば歯車又はスプラインを加工するのに用いるヘリカルブローチの歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃部において、軸方向に整合されかつ間隔をおいて配置された複数個の切刃と、本体の軸線のまわりに長手方向にねじれ角βをつけて延びる前記切刃の刃すじと、隣接して周方向にねじれ角αをつけて延びる前記切刃の刃溝と、を有し、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)とし、かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は両側歯面切刃の同時切削で被削材を切削するようにしたことを特徴とするヘリカルブローチ。
- 内はすば歯車又はスプラインを加工するのに用いるヘリカルブローチの歯厚上がり切削で歯形を仕上げる仕上げ刃部において、軸方向に整合されかつ間隔をおいて配置された複数個の切刃と、前記細長本体の軸線のまわりに長手方向にねじれ角βをつけて延びる前記切刃の刃すじと、隣接して周方向にねじれ角αをつけて延びる前記切刃の刃溝と、を有し、前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角βと、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角αは、同じ向き(右上向き又は左上向き)とし、かつ歯厚上がり切削で歯形を仕上げる各仕上げ刃は片側歯面切刃のみで被削材を切削するようにし、切削しない他側歯面をガイド面としたことを特徴とするヘリカルブローチ。
- 前記長手方向に延びる前記切刃の刃すじのねじれ角をβ、前記隣接して延びる前記切刃の刃溝のねじれ角をαとして、βが15°<β≦30°でαが0°<α<34°−βの範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のヘリカルブローチ。
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