JP4835163B2 - 焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタ - Google Patents

Description

本発明は主としてＡ／Ｔ自動車用遊星歯車機構の焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタに関する。

従来の焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタとしては、例えば特許文献１の図８では、図３に示すものが開示されている。その（ａ）は従来の焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタの１歯部29の斜視図、（ｂ）は（ａ）のカッタ軸を含む断面形状図、（ｃ）は（ａ）の歯面頂部の形状を示す平面図である。歯部29の歯面26に複数の切刃22をもち、歯部29の各端面 22a,22bが軸線の垂線 5にを含む垂直端面 20a,20bで形成される。
特許第３４０１４３０号公報

内歯車、中でも図２（ａ）に示す、歯面仕上げニーズの高い自動車Ａ／Ｔ用遊星減速歯車機構の内歯車 1ではその機能上、図２（ｂ）に示すように、歯車端面部Ｂにスプライン歯31、油溝32などで複雑な段形状30をもつことがある。一方コンベンショナル法のトラバースシェービングではカッタと内歯車の歯幅方向で相対送り運動が繰り返され、カッタが内歯車の歯車端面部Ｂにきたとき、噛み合いの変化によって、より大きな振動を発生し、これが原因となって、ハイス材シェービングカッタといえども、容易にカッタ歯が破損し刃欠け、カッタ破損を招くケースが絶えない。

本発明の課題は、焼入れ前内歯車仕上げ用シェービング加工において、カッタ歯面形状から取り組み、カッタ歯の破損を解消した、焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタ形状を提供することにある。

このため本発明は、焼入れ前内歯車歯面の仕上げ用シェービングカッタであって、歯部に１刃または複数の切刃をもち、前記歯部の各端面が軸線の垂線に対して15゜以上60゜以下の傾斜角αをもつ傾斜端面で形成され、各前記傾斜端面部分の両側に積極的に歯面をもたせ、さらに噛み合いの案内性を高め、噛み合い変動を軽減する目的で各前記歯面は歯幅中央の切刃と同一のインボリュートねじ面上に位置させ、かつ過大食い込み防止のため、各前記歯面には刃幅中央部に設けたような切刃を設けないことを特徴とする焼入れ前内歯車歯面の仕上げ用シェービングカッタを提供することにより上述した本発明の課題を解決した。

本発明の課題をカッタ側からみたとき、歯強度不足と過大食い込みなどが大きな要因として挙げられる。本発明は、かかる構成により、歯部に１刃または複数の切刃をもち、歯部の各端面が軸線の垂線に対して15゜以上60゜以下の傾斜角αをもつ傾斜端面で形成され、すなわち歯の曲げ強度向上のためカッタ軸を含む断面形状を従来の長方形から台形とし、さらに噛み合いの案内性を高めるため端面傾斜歯部に積極的に歯面をもたせ、噛み合い変動を軽減する目的で各前記歯面は歯幅中央の切刃と同一のインボリュートねじ面上に位置させ、かつ過大食い込み防止のため、各前記歯面には刃幅中央部に設けたような切刃を設けないこととしたので、カッタ歯の破損を解消し、かつカッタ歯形の転写性を向上させた、焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタ形状を提供するものとなった。

本発明を実施するための最良の形態の一例を図面を参照して説明する。図１（ａ）は本発明の実施形態の焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタの１歯部の斜視図、（ｂ）は（ａ）のカッタ軸を含む断面形状を示し、（ｃ）は（ａ）の歯面頂部の形状を示す平面図である。

図１に示すように、本発明の実施形態の焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタは、焼入れ前内歯車歯面の仕上げ用シェービングカッタであって、歯部 9に１刃または複数の切刃 2をもち、歯部 9の各端面 12a,12bが軸線の垂線 5に対して15゜以上60゜以下の傾斜角α（図２では約30゜）をもつ傾斜端面 12a,12bで形成され、各傾斜端面 12a,12b部分の両側 13a,13b,13c,13dに積極的に歯面 6をもたせ、さらに噛み合いの案内性を高め、噛み合い変動を軽減する目的で各歯面 6は歯幅中央の切刃 2と同一のインボリュートねじ面 7（図１（ｃ））上に位置させ、かつ過大食い込み防止のため、各歯面 6には刃幅中央部に設けたような切刃 2を設けないこととした。

本発明の課題をカッタ側からみたとき、歯強度不足と過大食い込みなどが大きな要因として挙げられる。本発明の実施形態の焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタは、かかる構成により、歯部に１刃または複数の切刃をもち、歯部の各端面が軸線の垂線に対して15゜以上60゜以下の傾斜角αをもつ傾斜端面で形成され、すなわち歯の曲げ強度向上のためカッタ軸を含む断面形状を図３（ｂ）に示す従来の長方形 3から、図１（ｂ）に示す台形 4とし、さらに噛み合いの案内性を高めるため端面傾斜歯部に積極的に歯面をもたせ、噛み合い変動を軽減する目的で各前記歯面は歯幅中央の切刃と同一のインボリュートねじ面上に位置させ、かつ過大食い込み防止のため、各前記歯面には刃幅中央部に設けたような切刃を設けないこととしたので、カッタ歯の破損を解消し、かつカッタ歯形の転写性を向上させた、焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタ形状を提供するものとなった。

（ａ）は本発明の実施形態の焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタの１歯部の斜視図、（ｂ）は（ａ）のカッタ軸を含む断面形状を示し、（ｃ）は（ａ）の歯面頂部の形状を示す平面図である。 （ａ）は自動車Ａ／Ｔ用遊星減速歯車機構の内歯車 1の斜視図、（ｂ）は（ａ）のＢ部分の要部拡大斜視図である。 （ａ）は従来の焼入れ前内歯車仕上げ用シェービングカッタの１歯部29の斜視図、（ｂ）は（ａ）のカッタ軸を含む断面形状図、（ｃ）は（ａ）の歯面頂部の形状を示す平面図である。

符号の説明

2 ：切刃、6 ：歯面、7 ：切刃と同一のインボリュートねじ面、 9：歯部
12a,12b ：傾斜端面、13a,13b,13c,13d ：傾斜端面部分の両側、 5：軸線の垂線
α：傾斜角

Claims (2)

1. 焼入れ前内歯車歯面の仕上げ用シェービングカッタであって、歯部に１刃または複数の切刃をもち、前記歯部の各端面が軸線の垂線に対して15゜以上60゜以下の傾斜角αをもつ傾斜端面で形成され、各前記傾斜端面部分の両側に積極的に歯面をもたせ、各前記歯面は、噛み合いの案内性を高め、さらに噛み合い変動を軽減する目的で各前記歯面は歯幅中央の切刃と同一のインボリュートねじ面上に位置させ、かつ過大食い込み防止のため、各前記歯面には刃幅中央部に設けたような切刃を設けないことを特徴とする焼入れ前内歯車歯面の仕上げ用シェービングカッタ。
2. 前記歯部の各端面が軸線の垂線に対して約30゜の傾斜角αをもつ傾斜端面で形成されたことを特徴とする請求項１記載の焼入れ前内歯車歯面の仕上げ用シェービングカッタ。
   

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