JP2011131349A - フェースホブ歯切り用刃具 - Google Patents

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利成 伊藤
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繁和 松井
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洋祐 田村
Yosuke Miyata
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Abstract

【課題】本発明は、高負荷高能率切削を強いられるフェースホブ歯切り用刃具の寿命を向上することが可能な技術を提供することを課題とする。
【解決手段】ワーク2の表面から歯底4、外側歯面5、内側歯面6を含む歯溝3を切削するフェースホブ歯切りに用いる刃具1は、歯底4を切削する先端刃21、及び外側歯面5を切削する切れ刃21を含むアウトサイドブレード20と、歯底4を切削する先端刃31、及び内側歯面6を切削する切れ刃32を含むインサイドブレード30と、を具備する。アウトサイドブレード20は、インサイドブレード30に先行して、歯底4を重点的に切削するとともに、外側歯面5は一部のみを切削するように形成され、かつ、インサイドブレード30は、内側歯面6を重点的に切削するとともに、歯底4は一部のみを切削するように形成される。
【選択図】図10

Description

本発明は、フェースホブ歯切り用刃具に関し、特に、高負荷高能率切削を強いられるフェースホブ歯切り用刃具の寿命を向上するための技術に関する。
従来、刃具とワークとを同期回転させながらスパイラルベベルギア、ハイポイドギア等の歯溝を形成するフェースホブ歯切りに関する技術が広く知られている。
フェースホブ歯切りには、内側歯面を切削する切れ刃を含むインサイドブレードと、外側歯面を切削する切れ刃を含むアウトサイドブレードとを備える刃具、及び、当該刃具を回転駆動しつつ、刃具の回転に同期させてワークを回転駆動する歯切り装置(例えばグリーソン式フェースホブ歯切り盤)が用いられる。
また、歯溝の歯底はインサイドブレード及びアウトサイドブレードの刃先によって切削され、刃具によって、所望の歯面及び歯底を含む歯溝が形成される。
上述のようにインサイドブレード及びアウトサイドブレードの一対のブレードを有するフェースホブ歯切り用刃具(以下、「刃具」)は、高負荷高能率切削を強いられるため、長寿命化が求められる。これに対して、従来はインサイドブレードとアウトサイドブレードとの強度、耐摩耗性のバランスを保つことにより、これら両ブレードのダメージ及び摩耗速度を均一化して刃具寿命を長くする方法が採られていた。
一方で、刃具の設計においては、実加工を施して実際の刃具のダメージ、摩耗、寿命等を見つつ、トライアンドエラーによって刃形状をチューニングする設計方法が一般的である。
また、インサイドブレード及びアウトサイドブレードを備える刃具を用いてフェースホブ歯切りを行う場合には、歯面切削と歯底切削とを同時に行いながら両ブレードの取代バランスを考慮する必要があるため、両ブレードの切れ刃のダメージ及び刃先のダメージを両立させつつ、両ブレードを均一に摩耗させるための制約が多くなり、十分な刃具寿命を実現する技術が未だに確立されていない。
例えば、特許文献1には、アウトサイドブレードの先端刃のポイント幅をインサイドブレードのものよりも小さくし、かつ、アウトサイドブレードの刃先丸み半径をインサイドブレードのものよりも大きくした刃具が記載されている。
しかしながら、アウトサイドブレードの先端刃のポイント幅を小さくする背反として、刃先強度が低くなり、歯底切削時に損傷し易くなるため、先行して切削するアウトサイドブレードのダメージが大きく、インサイドブレードとアウトサイドブレードとの間に寿命差が生じるという課題が残る。
また、特許文献2には、切れ刃のすくい面において中途部ですくい角を大きくし、切粉排出性を向上する技術が開示されている。これにより、反切れ刃側での切粉堆積による不具合の発生を抑制でき、反切れ刃側での損傷に起因する刃具欠損を抑制できる。
しかし、大端と小端との間で歯溝幅に変化があるスパイラルベベルギア、ハイポイドギア等の歯溝を切削する場合には、反切れ刃側が歯面と干渉することによるダメージも確認されている。
また、フェースホブ歯切りは、スパイラルベベルギア、ハイポイドギアに限らず、同様の構成の刃具及び歯切り装置を用いてリングギアの歯溝切削にも用いられる。
ハイポイドギアのドライブピニオンを切削する場合とアウトサイドブレードとインサイドブレードとが反転するような状態で形成されて取り付けられる。この場合、アウトサイドブレードが歯底及び歯面を先行して切削する構成となるため、アウトサイドブレードのダメージがインサイドブレードに比して非常に大きくなる。
以上のように、高負荷高能率切削を強いられるフェースホブ歯切り用刃具では、刃具形状、切削形態、切削条件等によって複雑に損傷部位が異なるため、一般的な設計方法に基づいて設計される刃具では長寿命化が不十分であるのが現状である。
特開平1−228719号公報 特開2001−353622号公報
本発明は、高負荷高能率切削を強いられるフェースホブ歯切り用刃具の寿命を向上することが可能な技術を提供することを課題とする。
本発明のフェースホブ歯切り用刃具は、ワークの表面から歯底、外側歯面、内側歯面を含む歯溝を切削するフェースホブ歯切りに用いる刃具であって、前記歯底を切削する先端刃、及び外側歯面を切削する切れ刃を含むアウトサイドブレードと、前記歯底を切削する先端刃、及び内側歯面を切削する切れ刃を含むインサイドブレードと、を具備し、前記アウトサイドブレードは、前記インサイドブレードに先行して、前記歯底を重点的に切削するとともに、前記外側歯面は一部のみを切削するように形成され、かつ、前記インサイドブレードは、前記内側歯面を重点的に切削するとともに、前記歯底は一部のみを切削するように形成される。
本発明のフェースホブ歯切り用刃具において、前記アウトサイドブレードの先端刃のポイント幅は、前記歯溝の溝幅に対して出来る限り大きい値に設定され、かつ、前記インサイドブレードの先端刃のポイント幅は、前記切れ刃の反対側の面と前記歯溝の外側歯面との間に、当該切れ刃によって切削された切粉が通過するために十分な隙間を形成する程度の値に設定されることが好ましい。
本発明のフェースホブ歯切り用刃具において、前記アウトサイドブレードの先端刃の前記歯底に対するすくい角は、当該先端刃の切れ味を確保しつつ、前記歯底切削によって発生する切粉に起因するすくい面の耐磨耗性を確保できる値より大きく設定され、前記アウトサイドブレードの切れ刃の前記外側歯面に対するすくい角は、前記先端刃による歯底切削によって発生する切粉の流れを妨害しない程度の切れ味を満たす角度より小さく設定され、前記インサイドブレードの切れ刃の前記内側歯面に対するすくい角は、当該切れ刃の切れ味を確保しつつ、前記内側歯面切削によって発生する切粉に起因するすくい面の耐摩耗性を確保できる値より大きく設定され、前記インサイドブレードの先端刃の前記歯底に対するすくい角は、前記切れ刃による内側歯面切削によって発生する切粉の流れを妨害しない程度の切れ味を満たす角度より小さく設定されることが好ましい。
本発明によれば、高負荷高能率切削を強いられるフェースホブ歯切り用刃具の寿命を向上することが可能な技術を提供できる。
刃具、ワーク及び歯溝に係る実施の一形態を示す模式図であり、刃具の回転方向前方側から見た図である。 アウトサイドブレードと歯溝との関係性を示す模式正面図である。 アウトサイドブレードと歯底との関係性を示す模式側面図である。 アウトサイドブレードと歯面との関係性を示す模式平面図である。 アウトサイドブレードの切削によって生じる切粉の流れを示す模式正面図である。 インサイドブレードと歯溝との関係性を示す模式正面図である。 インサイドブレードと歯底との関係性を示す模式側面図である。 インサイドブレードと歯面との関係性を示す模式平面図である。 インサイドブレードの切削によって生じる切粉の流れを示す模式正面図である。 刃具を用いた切削を示す模式図である。 刃具、ワーク及び歯溝に係る実施の別形態を示す模式図であり、刃具の回転方向前方側から見た図である。 刃具を用いた切削を示す模式図である。
以下では、図面を参照して、本発明に係るフェースホブ歯切り用刃具の実施の一形態である刃具1について説明する。刃具1は、フェースホブ歯切り盤(不図示)に取り付けられ、ワーク2の表面を切削する切削工具である。
上記フェースホブ歯切り盤は、刃具1とワーク2とを同期回転させながら、刃具1を所定の切り込み方向A(図1(a)中の矢印方向)に送ることによって、ワーク2にスパイラルベベルギア、ハイポイドギア等の歯溝3を形成するフェースホブ歯切り装置である。
図1(b)に示すように、歯溝3は、底面として形成される歯底4、並びに、外側歯面5及び内側歯面6により形成される歯面を有する凹部であり、刃具1により所定の溝幅(pw)及び深さにて形成される。
図1に示すように、刃具1は、ブレード対10として設けられるアウトサイドブレード20及びインサイドブレード30を複数対具備する。
アウトサイドブレード20は、ブレード対10のうちインサイドブレード30よりも回転方向に先行した状態で配置されており、歯溝3の歯底4及び外側歯面5を切削する。
インサイドブレード30は、歯溝3の歯底4及び内側歯面6を切削する。
本実施形態では、アウトサイドブレード20は、歯底4を重点的に切削し、外側歯面5に対しては一部のみを切削する、言い換えれば、積極的な切削は行わないように形成されており、インサイドブレード30は、内側歯面6を重点的に切削し、歯底4に対しては一部のみを切削する、言い換えれば、積極的な切削は行わないように形成されている。このように、アウトサイドブレード20及びインサイドブレード30に対して歯溝3の歯底4又は各歯面5・6の切削について明確に役割を分担することによって、各ブレードの寿命延長を図っている。
以下に、図2〜図9を参照して、アウトサイドブレード20及びインサイドブレード30の詳細な構成について説明する。
図2に示すように、アウトサイドブレード20は、先端刃21、切れ刃22、反切れ刃面23を含む。
先端刃21は、アウトサイドブレード20の先端に設けられる刃面であり、切れ刃22は、アウトサイドブレード20の外側側面に設けられる刃面であり、反切れ刃面23は、アウトサイドブレード20の内側側面(切れ刃22と反対側側面)に設けられる面である。
図2に示すように、先端刃21のポイント幅21aは、歯溝3の溝幅pwに対して出来る限り大きい値に設定されている。
この場合、ポイント幅21aは、先端刃21の強度を確保する観点から溝幅pwの90%程度(例えば85%〜97%)に設定されることが好ましい。
一方、外側歯面5を切削する切れ刃22と反対側の側面を形成する反切れ刃面23側からの切粉排出性を確保する観点から、アウトサイドブレード20がワーク2に切り込む際に反切れ刃面23が内側歯面6と大きく干渉しない程度に設定されることが好ましい。ここで「大きく干渉しない程度」とは、例えば、反切れ刃面23側に溝幅pwの数%の隙間が空く程度である。特に、溝幅に変化のあるハイポイドギアの歯溝を切削する場合には、先端刃21のポイント幅21aを最小幅(小端側端部の溝幅)に対して数%の隙間が空く程度に設定することが好ましい。つまり、ポイント幅21aの最小値(例えば溝幅pwの85%)は、先端刃31の刃先強度を確保する観点から決定され、最大値(例えば溝幅pwの97%)は、反切れ刃面23側に干渉を防止する程度の隙間を確保する観点から決定される。
このように、先端刃21のポイント幅21aを出来る限り大きい値に設定することによって、歯底4を主に切削する先端刃21の強度を確保でき、アウトサイドブレード20の先端刃21の寿命を向上できる。
図3に示すように、先端刃21の歯底4に対するすくい角α1は、大きく設定されている。ここで、「すくい角α1を大きく設定する」とは、最大値を、歯底4を切削するときの最大負荷がかかる荒削り加工によるダメージに対して十分な強度を確保できる程度の角度とし、最小値を、歯底4を切削する際の先端刃21の切れ味を確保しつつ、切削によって発生する切粉とすくい面との摩擦に起因するすくい面の耐摩耗性を確保できる程度の角度として、すくい角α1を最大値と最小値との間の範囲内で設定することを示す。
このように、先端刃21の歯底4に対するすくい角α1を大きくすることにより、先端刃21にかかる切削抵抗を小さくすることができ、先端刃21の摩耗を低減できる。つまり、先端刃21による切れ味を向上して、耐摩耗性及び寿命を向上できる。
なお、すくい角α1とは、刃具1をフェースホブ歯切り盤に取り付けた状態で、ワーク2を切削する際に先端刃21のすくい面とワーク2の表面との成す角度である。
図4に示すように、切れ刃22の外側歯面5に対するすくい角β1は、小さく設定されることが好ましい。ここで、「すくい角β1を小さく設定する」とは、最小値を、ゼロ、つまり切れ刃22のせん断角を直角とする角度、最大値を、外側歯面5を切削する際に、先端刃21による歯底4の切削によって発生する切粉の流れを妨害しない程度の切れ味を満たす角度として、すくい角β1を最大値と最小値との間の範囲内で設定することを示す。
このように、切れ刃22の外側歯面5に対するすくい角β1を小さくすることにより、切れ刃22のせん断角を大きくし、切れ刃22の強度を確保することができる。また、切削に際する最低限の切削条件として、すくい角β1の最小値をゼロとしているので、切れ刃22での良好な切削をも実現している。
一方、すくい角β1を小さく設定することにより、切れ刃22の切削抵抗は大きくなるが、刃具1においては、切れ刃22による外側歯面5の切削は略行われないため、切削時の摩耗によるダメージを考慮する必要がない。
これにより、切れ刃22の摩耗によるダメージを考慮することなく、切れ刃22の強度を確保でき、切れ刃22の寿命を向上できる。
また、アウトサイドブレード20は、主に歯底4側を切削し、外側歯面5側の切削は積極的には行われないため、外側歯面5側からの切粉が歯底4側からの切粉に比べて少なくなる。アウトサイドブレード20によって発生する切粉全体の流れは、歯底4側からの切粉の流れF1と、外側歯面5側からの切粉の流れF2との合成流れとなるが、歯底4側からの切粉の流れF1が大きいため、歯底4の切削面と直交する方向(図示における上方向)に切粉が排出される(図5参照)。
以上のように、先端刃21のすくい角α1及び切れ刃22のすくい角β1を設定することにより、切れ刃22によって発生する切粉の流れが先端刃21によって発生する切粉の流れを妨害することなく、切粉を良好に排出することが可能となる。従って、切粉の噛み込みによる先端刃21及び切れ刃22のチッピングを抑制できる。
また、図4に示すように、すくい角β1を設定することにより、反切れ刃面23の先端部と刃具1の進行方向とがなす角度γ1は、小さい鈍角となるように設定される。ここで、「角度γ1が小さい鈍角に設定される」とは、最小値を、略直角とし、最大値を、反切れ刃面23の先端部における耐摩耗性が十分に確保できる程度の鈍角とし、角度γ1を最大値と最小値との間の範囲内で設定することになる。
このように、角度γ1を出来る限り小さい鈍角とすることにより、反切れ刃面23の先端部における摩耗の進行を低減することができる。
特に、溝幅に変化のあるハイポイドギア等の歯溝を切削する場合には、反切れ刃面23が溝と干渉することがあるが、角度γ1を上記のように設定することによって、反切れ刃面23の強度を確保し、干渉によるダメージを抑制することが可能である。
図6に示すように、インサイドブレード30は、先端刃31、切れ刃32、反切れ刃面33を含む。
先端刃31は、インサイドブレード30の先端に設けられる刃面であり、切れ刃32は、インサイドブレード30の内側側面に設けられる刃面であり、反切れ刃面33は、インサイドブレード30の外側側面(切れ刃32と反対側側面)に設けられる面である。
図6に示すように、先端刃31のポイント幅31aは、歯溝3の溝幅pwに対して小さく設定されている。
この場合、ポイント幅31aは、切れ刃32によって切削された切粉が良好に通過するように、かつ、反切れ刃面33と外側歯面5との干渉を出来る限り回避するように、先端刃31の外側側部(反切れ刃面33側)と歯溝3の外側歯面6との間に十分な隙間が形成されるように、溝幅pwの70%程度(例えば65%〜75%)に設定されることが好ましい。
ここで、インサイドブレード30の先端刃31によって歯底4を少ないながらも切削するため、最低限の刃先強度を確保する必要がある。つまり、ポイント幅31aの最小値(例えば溝幅pwの65%)は、先端刃31の刃先強度を確保する観点から決定され、最大値(例えば溝幅pwの75%)は、反切れ刃面33と外側歯面5との干渉を防止する観点、及び反切れ刃面33側からの切粉排出性を確保する観点から決定される。
上述のように先端刃31のポイント幅31aを設定することによって、歯底4を切削する際の強度を確保できるとともに、反切れ刃面33の干渉によるダメージを防止し、切れ刃32の切削により発生する切粉の排出性を向上できる。
図7に示すように、先端刃31の歯底4に対するすくい角α2は、小さく設定されている。ここで、「すくい角α2を小さく設定する」とは、最小値を、ゼロ、つまり先端刃31のせん断角を直角とする角度、最大値を、歯底4を切削する際に、切れ刃32による内側歯面6の切削によって発生する切粉の流れを妨害しない程度の切れ味を満たす角度として、すくい角α2を最大値と最小値との間の範囲内で設定することを示す。
このように、先端刃31の歯底4に対するすくい角α2を小さくすることにより、先端刃31のせん断角を大きくし、先端刃31の強度を確保することができる。また、切削に際する最低限の切削条件として、すくい角α2の最小値をゼロとしているので、先端刃31での良好な切削をも実現している。
一方、すくい角α2を小さく設定することにより、先端刃31の切削抵抗は大きくなるが、刃具1においては、先端刃31による歯底4の切削は略行われないため、切削時の摩耗によるダメージを考慮する必要がない。
これにより、先端刃31の摩耗によるダメージを考慮することなく、先端刃31の強度を確保でき、先端刃31の寿命を向上できる。
図8に示すように、切れ刃32の内側歯面6に対するすくい角β2は、大きく設定されることが好ましい。ここで、「すくい角β2を大きく設定する」とは、最大値を、内側歯面6を切削するときの最大負荷がかかる荒削り加工によるダメージに対して十分な強度を確保できる程度の角度とし、最小値を、切れ刃32の切れ味を確保しつつ、内側歯面6を切削する際に発生する切粉に起因するすくい面の耐摩耗性を確保できる程度の角度として、すくい角β2を最大値と最小値との間の範囲内で設定することを示す。
このように、切れ刃32の内側歯面6に対するすくい角β2を大きくすることにより、切れ刃32にかかる切削抵抗を小さくすることができ、切れ刃32の摩耗を低減できる。つまり、切れ刃32による切れ味を向上して、耐摩耗性及び寿命を向上できる。
また、インサイドブレード30は、主に内側歯面6側を切削し、歯底4側の切削は積極的には行われないため、歯底4側からの切粉が内側歯面6側からの切粉に比べて少なくなる。インサイドブレード30によって発生する切粉全体の流れは、内側歯面6側からの切粉の流れF3と、歯底4側からの切粉の流れF4との合成流れとなるが、内側歯面6側からの切粉の流れF3が大きいため、内側歯面6の切削面と直交する方向(図示における左斜め上方向)に切粉が排出される(図9参照)。
以上のように、先端刃31のすくい角α2及び切れ刃32のすくい角β2を設定することにより、先端刃31によって発生する切粉の流れが切れ刃32によって発生する切粉の流れを妨害することなく、切粉を良好に排出することが可能となる。従って、切粉の噛み込みによる先端刃31及び切れ刃32のチッピングを抑制できる。
また、先端刃31の側方(反切れ刃面33側)には、十分な隙間が形成されているため、上述のように発生する切粉が良好に排出される。
また、図8に示すように、すくい角β2を設定することにより、反切れ刃面33の先端部と刃具1の進行方向とがなす角度γ2は、大きい鈍角となる。しかし、インサイドブレード30は歯底4側の切削は積極的には行わず、また、先端刃31のポイント幅31aが小さいため、干渉によるダメージを考慮する必要がない。
以上のように、本実施形態の刃具1は、アウトサイドブレード20とインサイドブレード30とに対して、アウトサイドブレード20は主に歯底4を切削し、インサイドブレード30は主に内側歯面6を切削することとするように、明確に役割を分担することによって、各ブレード寿命、ひいては刃具1の寿命を向上している。
なお、上述のように各ブレード20・30の先端刃21・31のポイント幅21a・31a及びすくい角α1・α2、切れ刃22・32のすくい角β1・β2、反切れ刃面23・33の角度γ1・γ2以外に、刃具1の設計要素として、これらの刃面の逃げ角、フェースホブ歯切り盤の切削条件(送り速度、切削速度)等が挙げられるが、逃げ角の設定、切削条件の設定は、刃具1の寿命に大きく貢献するものではないため、本実施形態の刃具1における他の部位の設計については簡易な微修正にて十分に対応可能なものとなる。
以下に、図10を参照して、刃具1を用いたワーク2の切削の形態について詳細に説明する。刃具1によるワーク2の切削は、アウトサイドブレード20による切削(1)、及びインサイドブレード30による切削(2)を繰り返すことによって行われる。
(1)図10(a)に示すように、アウトサイドブレード20がワーク2に切り込む際、先端刃21によってワーク2の表面から歯底4側(切り込み方向A)に向かって切削し、歯底4aを含む歯溝3aを形成する。このとき、切れ刃21は、外側歯面5側には略接触しない(ただし、若干の接触は生じるものとする)。つまり、歯底4aの形状によって外側歯面5aの略全域が切削されている。
このとき、上述のように、先端刃21により発生する切粉は、歯底4aの切削面と直交する方向に良好に排出される。
(2)図10(b)に示すように、インサイドブレード30の切れ刃32によって歯溝3aの内側歯面6側を切削し、内側歯面6aを形成する。切れ刃32によって切削される内側歯面6aは、歯底4aとの境界付近にまで及んでいるため、インサイドブレード30の先端刃31は、歯底4側には略接触しない(ただし、若干の接触は生じるものとする)。つまり、歯底4aの形状と内側歯面6aの形状とによって歯溝3aの略全域が形成されている。
このとき、上述のように、切れ刃32により発生する切粉は、内側歯面6aの切削面と直交する方向に良好に排出される。
これにより、図10(c)に示すように、歯底4a、及び外側歯面5a、内側歯面6aを含む歯溝3aが形成される。
刃具1を切り込み方向Aに向かって送りつつ、上記(1)〜(2)を繰り返すことによって、ワーク2を表面から徐々に切削し、歯底4、各歯面5・6を有する歯溝3がワーク2に形成される。
以上のように、本実施形態の刃具1を用いてワーク2を切削し歯溝3を形成する際に、良好な切削形態を実現できるとともに、刃具1の寿命を向上することが可能となっている。
以下では、図11及び図12を参照して、本発明に係るフェースホブ歯切り用刃具の実施の別形態である刃具101について説明する。刃具101は、刃具1と同様にフェースホブ歯切り盤(不図示)に取り付けられ、ワーク102の表面を切削する切削工具である。
上記フェースホブ歯切り盤は、刃具101とワーク102とを同期回転させながら、刃具101を所定の切り込み方向B(図11中の矢印方向)に送ることによって、ワーク102にリングギア等の歯溝103を形成するフェースホブ歯切り装置である。
図11に示すように、歯溝103は、底面として形成される歯底104、並びに、外側歯面105及び内側歯面106により形成される歯面を有する凹部であり、刃具101により所定の溝幅(pw)及び深さにて形成される。
図11に示すように、刃具101は、ブレード対110として設けられるアウトサイドブレード120及びインサイドブレード130を複数対具備する。
本実施形態の刃具101は、刃具1と同様の思想により設計されているものであり、アウトサイドブレード120及びインサイドブレード130それぞれに対して、歯溝103切削時の役割を分担することにより、両ブレード120・130の寿命を向上するとともに、同程度のものとしている。
また、図11に示すように、本実施形態の刃具101のアウトサイドブレード120及びインサイドブレード130は、刃具1のアウトサイドブレード20及びインサイドブレード30を反転したような形態を有し、これらの刃具寿命に貢献する各部位(先端刃121・131、切れ刃122・132、反切れ刃面123・133)は、刃具1のアウトサイドブレード20及びインサイドブレード30の各部位(先端刃21・31、切れ刃22・32、反切れ刃面23・33)と同様に構成されているため、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、図11に示すように、刃具101を切り込み方向Bに向けて送り込むことによって、アウトサイドブレード120により歯底104側を切削し、インサイドブレード130により内側歯面106側を切削することによって歯溝103切削時の役割を分担している。ここで、切り込み方向Bは、外側歯面105の歯面に沿う方向である。
このため、図12に示すように、刃具101が切り込み方向Bに沿って送り込まれることによって、刃具1の場合と同様に、アウトサイドブレード120による外側歯面105側の切削量を小さくするとともに、歯底104側の切削が重点的に行われる(図12(a)参照)。また、インサイドブレード130による切削では、歯底104側の切削は略行われず、内側歯面106側の切削が重点的に行われる(図12(b)参照)。
以上のように、刃具101においても、刃具1と同様にアウトサイドブレード120とインサイドブレード130との間に明確な役割分担を施すことによって、同様の作用効果を奏するものである。
1 刃具(フェースホブ歯切り用刃具)
2 ワーク
3 歯溝
4 歯底
5 外側歯面
6 内側歯面
20 アウトサイドブレード
21 先端刃
22 切れ刃
23 反切れ刃面
30 インサイドブレード
31 先端刃
32 切れ刃
33 反切れ刃面

Claims (3)

  1. ワークの表面から歯底、外側歯面、内側歯面を含む歯溝を切削するフェースホブ歯切りに用いる刃具であって、
    前記歯底を切削する先端刃、及び外側歯面を切削する切れ刃を含むアウトサイドブレードと、
    前記歯底を切削する先端刃、及び内側歯面を切削する切れ刃を含むインサイドブレードと、を具備し、
    前記アウトサイドブレードは、前記インサイドブレードに先行して、前記歯底を重点的に切削するとともに、前記外側歯面は一部のみを切削するように形成され、かつ、
    前記インサイドブレードは、前記内側歯面を重点的に切削するとともに、前記歯底は一部のみを切削するように形成されるフェースホブ歯切り用刃具。
  2. 前記アウトサイドブレードの先端刃のポイント幅は、前記歯溝の溝幅に対して出来る限り大きい値に設定され、かつ、
    前記インサイドブレードの先端刃のポイント幅は、前記切れ刃の反対側の面と前記歯溝の外側歯面との間に、当該切れ刃によって切削された切粉が通過するために十分な隙間を形成する程度の値に設定される請求項1に記載のフェースホブ歯切り用刃具。
  3. 前記アウトサイドブレードの先端刃の前記歯底に対するすくい角は、当該先端刃の切れ味を確保しつつ、前記歯底切削によって発生する切粉に起因するすくい面の耐磨耗性を確保できる値より大きく設定され、
    前記アウトサイドブレードの切れ刃の前記外側歯面に対するすくい角は、前記先端刃による歯底切削によって発生する切粉の流れを妨害しない程度の切れ味を満たす角度より小さく設定され、
    前記インサイドブレードの切れ刃の前記内側歯面に対するすくい角は、当該切れ刃の切れ味を確保しつつ、前記内側歯面切削によって発生する切粉に起因するすくい面の耐摩耗性を確保できる値より大きく設定され、
    前記インサイドブレードの先端刃の前記歯底に対するすくい角は、前記切れ刃による内側歯面切削によって発生する切粉の流れを妨害しない程度の切れ味を満たす角度より小さく設定される請求項1又は2に記載のフェースホブ歯切り用刃具。
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