JP2006297495A - ラジアスエンドミル - Google Patents
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Abstract
【課題】 ラジアスエンドミルによりアルミニウムなどの非鉄金属を切削する際に、コーナ刃が欠損したり、切り屑が溶着したりするのを防止し、高速で高送りの切削等が適切に行えるようにする。
【解決手段】 工具本体10の先端に形成された底刃11と工具本体の外周に形成された外周刃12の先端部との間に円弧状になったコーナ刃13が形成されたラジアスエンドミルにおいて、外周刃におけるねじれ角θを30〜50°の範囲にし、底刃に軸方向すくい角αが0〜15°の範囲になった平面ギャッシュからなるすくい面11aを形成すると共に、コーナ刃に外周刃との接点から底刃との接点に向かって凸曲面になったすくい面13aを形成し、このすくい面のコーナ刃の法線方向における工具本体の軸を含む面に対するすくい角βを5〜15°の範囲にした。
【選択図】 図3
【解決手段】 工具本体10の先端に形成された底刃11と工具本体の外周に形成された外周刃12の先端部との間に円弧状になったコーナ刃13が形成されたラジアスエンドミルにおいて、外周刃におけるねじれ角θを30〜50°の範囲にし、底刃に軸方向すくい角αが0〜15°の範囲になった平面ギャッシュからなるすくい面11aを形成すると共に、コーナ刃に外周刃との接点から底刃との接点に向かって凸曲面になったすくい面13aを形成し、このすくい面のコーナ刃の法線方向における工具本体の軸を含む面に対するすくい角βを5〜15°の範囲にした。
【選択図】 図3
Description
本発明は、工具本体の先端に形成された底刃と工具本体の外周に形成された外周刃の先端部との間に円弧状になったコーナ刃が形成されたラジアスエンドミルに係り、特に、アルミニウムなどの非鉄金属を切削加工する場合においても、優れた切削性能が得られるようにした点に特徴を有するものである。
従来から金属の金型加工等を行うにあたり、底刃と外周刃とを有するエンドミルを回転させながら、このエンドミルを水平方向や軸方向に移動させて切削加工することが行われている。
ここで、上記のようなエンドミルを用いて、高速での高送り切削や三次元の切削を行うようにした場合に、底刃と外周刃とが交差するコーナ部分が欠損しやすくなるという問題があった。
このため、上記のエンドミルとして、図1に示すように、工具本体10の先端において軸心の両側に形成された一対の底刃11と、工具本体10の外周に設けられた一対のねじれ溝14に沿って形成された一対の外周刃12の先端部との間に、それぞれ円弧状になったコーナ刃13を形成したラジアスエンドミルが広く利用されるようになった。
ここで、このようなラジアスエンドミルにおいては、一般に図1及び図2に示すように、上記の底刃11とコーナ刃13とに対して平面ギャッシュを設け、底刃11とコーナ刃13とに同一平面になったすくい面11a,13aを形成するようにしていた。
また、近年においては、上記のようなラジアスエンドミルにより三次元の切削加工を行う場合に、コーナ刃が欠損したりするのを防止するため、上記の円弧状になったコーナ刃のすくい面における半径方向のすくい角や法線方向のすくい角を負角したものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
しかし、このようにコーナ刃のすくい面における半径方向のすくい角や法線方向のすくい角を負角にした場合、このコーナ刃における切削抵抗が大きくなると共に、切り屑も溶着しやすくなり、特に、アルミニウムなどの軟らかくて溶着しやすい非鉄金属材料を切削加工した場合には、切り屑が延びて切り屑の排出性が悪くなり、またこの切り屑が溶着して欠損が生じやすくなる等の問題があった。
さらに、近年においては、上記のようなラジアスエンドミルにおける切削抵抗を低減させるために、底刃のすくい角を19〜21°の範囲にしたものも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、このように底刃のすくい角を大きくすると、この底刃の部分を再研磨した場合に、底刃の位置が大きくずれて軸心の両側における底刃の間隔が広がってしまい、適切な切削が行えなくなるため、実際には再研磨することができなくなったり、再研磨できる回数が制限されるなどの問題があった。
さらに、上記のようなラジアスエンドミルにおいて、切削性を向上させると共に切り屑の排出性を高めるために、上記の外周刃のねじれ角を大きくすることも行われている。
しかし、このように外周刃のねじれ角を大きくした場合において、上記のコーナ刃に平面ギャッシュからなるすくい面を形成するようにした場合、このコーナ刃を適切な円弧状に形成することができず、このコーナ刃の強度が低下したり、切削面の精度が悪くなる等の問題があった。
特開平11−216609号公報
特開2003−71626号公報
特開2000−716号公報
本発明は、工具本体の先端に形成された底刃と工具本体の外周に形成された外周刃の先端部との間に円弧状になったコーナ刃が形成されたラジアスエンドミルにおける上記のような様々な問題を解決することを課題とするものであり、特に、アルミニウムなどの非鉄金属を切削加工する場合においても、コーナ刃が欠損したり、切り屑が溶着したりするのが防止されて、高速での高送り切削や三次元の切削加工等が適切に行えるようにすることを課題とするものである。
本発明においては、上記のような課題を解決するため、工具本体の先端に形成された底刃と工具本体の外周に形成された外周刃の先端部との間に円弧状になったコーナ刃が形成されてなるラジアスエンドミルにおいて、上記の外周刃におけるねじれ角を30〜50°の範囲にし、上記の底刃に軸方向すくい角が0〜15°の範囲になった平面ギャッシュからなるすくい面を形成すると共に、上記のコーナ刃に外周刃との接点から底刃との接点に向かって凸曲面になったすくい面を形成し、このすくい面のコーナ刃の法線方向における上記の工具本体の軸を含む面に対するすくい角を5〜15°の範囲にした。
また、本発明におけるラジアスエンドミルにおいては、上記の外周刃のすくい面における径方向すくい角を10〜25°の範囲にすることが好ましい。
本発明におけるラジアスエンドミルにおいては、上記の外周刃におけるねじれ角が30〜50°の範囲になるように大きくしたため、外周刃における切削性が向上すると共に切り屑の排出性も向上するようになった。
また、本発明におけるラジアスエンドミルにおいては、底刃の平面ギャッシュからなるすくい面における軸方向すくい角を0〜15°の範囲にしたため、この底刃を再研磨した場合に、底刃の位置が大きくずれて軸心の両側における底刃の間隔が広がるということがなく、再研磨した場合においても適切な切削が行えるようになった。
また、本発明におけるラジアスエンドミルにおいては、コーナ刃に外周刃との接点から底刃との接点に向かって凸曲面になったすくい面を形成するようにしたため、このすくい面における切り屑離れが良くなると共に、コーナ刃の強度を高めることができ、さらに上記のように外周刃におけるねじれ角を30〜50°の範囲になるように大きくした場合においても、このコーナ刃を適切な円弧状に形成できるようになった。また、この凸曲面になったすくい面のコーナ刃の法線方向における工具本体の軸を含む面に対するすくい角を5〜15°の範囲にしたため、このコーナ刃における切削抵抗を小さくすることができた。
この結果、本発明におけるラジアスエンドミルにおいては、アルミニウムなどの非鉄金属を切削加工する場合においても、コーナ刃が欠損したり、切り屑が溶着したりするのが防止されて、高速での高送り切削等が適切に行えるようになった。
さらに、上記の外周刃のすくい面における径方向すくい角を10〜25°の範囲にすると、この外周刃における切削性がさらに向上し、高速での高送り切削等がより適切に行えるようになった。
以下、この発明の実施形態に係るラジアスエンドミルを添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明におけるラジアスエンドミルは、特に下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
この実施形態におけるラジアスエンドミルにおいても、図3に示すように、工具本体10の先端において軸心の両側に形成された一対の底刃11と、工具本体10の外周に設けられた一対のねじれ溝14に沿って形成された一対の外周刃12の先端部との間に、それぞれ円弧状になったコーナ刃13を形成するようにしている。
そして、この実施形態におけるラジアスエンドミルにおいては、上記のねじれ溝14に沿って形成された外周刃12のねじれ角θが30〜50°の範囲になるようにすると共に、図4に示すように、この外周刃12のすくい面12aにおける径方向すくい角γが10〜25°の範囲になるようにしている。
また、この実施形態におけるラジアスエンドミルにおいては、図3及び図5(A),(B)に示すように、上記の底刃11に対して平面ギャシュを形成し、図6に示すように、底刃11に軸方向すくい角αが0〜15°の範囲になったすくい面11aを形成する一方、上記のコーナ刃13に対しては外周刃12との接点から底刃11との接点に向かって凸曲面になったすくい面13aを形成し、図7に示すように、コーナ刃13の法線方向において、このすくい面13aの工具本体10の軸を含む面に対するすくい角βが5〜15°の範囲になるようにしている。
なお、この実施形態におけるラジアスエンドミルにおいては、底刃11全体に平面ギャシュによるすくい面11aが形成されると共に、コーナ刃13全体に凸曲面になったすくい面13aだけが形成されるようになっているが、上記の工具本体10の径が大きくなった場合等においては、図8に示すように、底刃11全体には平面ギャシュによるすくい面11aが形成されずに、コーナ刃13側の部分においてねじれ溝14の溝底部が現れると共に、上記のコーナ刃13全体には凸曲面になったすくい面13aが形成されずに、コーナ刃13における底刃11側の部分に、上記の底刃11に対する平面ギャシュによるすくい面11aの形成と同時に平面になったすくい面13bが形成されることがある。
次に、この発明の実施例に係るラジアスエンドミルにおいては、アルミニウムを高速で高送り切削した場合においても、切り屑が溶着したりするのが防止されることを、比較例を挙げて明らかにする。
実施例のラジアスエンドミルにおいては、前記の図8に示す実施形態のラジアスエンドミルにおいて、直径が16.0mmになったK種の超硬合金で構成された工具本体10を用い、上記の外周刃12のねじれ角θを45°、この外周刃12のすくい面12aにおける径方向すくい角γを20°、上記の円弧状になったコーナ刃13の半径を1.0mm、上記の底刃11の平面ギャシュからなるすくい面11aの軸方向のすくい角αを10°にすると共に、上記のコーナ刃13に対して外周刃12との接点から底刃11との接点に向かって凸曲面になったすくい面13aを形成し、コーナ刃13の法線方向におけるこのすくい面13aの工具本体10の軸を含む面に対するすくい角βを10°にした。
比較例のラジアスエンドミルにおいては、図1に示す従来のラジアスエンドミルのように、底刃11とコーナ刃13とに対して平面ギャッシュを設け、底刃11とコーナ刃13とに軸方向のすくい角が10°になった同一平面からなるすくい面11a,13aを形成するようにし、それ以外は、上記の実施例のラジアスエンドミルと同様にした。
そして、上記の実施例及び比較例のラジアスエンドミルを使用し、アルミニウム(A5056)からなる被削材に対して、切削速度600m/min、送り0.3mm/rev、切り込み15mm、切削幅1.0mmの切削条件で1時間の肩削り切削を行った。
この結果、比較例のラジアスエンドミルにおいては、コーナ刃13の付近におけるすくい面13aに切り屑の溶着が発生していたが、実施例のラジアスエンドミルにおいては、何れの部分にも切り屑の溶着がなかった。
10 工具本体
11 底刃
11a 底刃のすくい面
12 外周刃
12a 外周刃のすくい面
13 コーナ刃
13a コーナ刃の凸曲面になったすくい面
13b コーナ刃の平面になったすくい面
14 ねじれ溝
θ 外周刃のねじれ角
α 底刃の軸方向すくい角
β 工具本体の軸を含む面に対するコーナ刃の法線方向のすくい角
γ 外周刃の径方向すくい角
11 底刃
11a 底刃のすくい面
12 外周刃
12a 外周刃のすくい面
13 コーナ刃
13a コーナ刃の凸曲面になったすくい面
13b コーナ刃の平面になったすくい面
14 ねじれ溝
θ 外周刃のねじれ角
α 底刃の軸方向すくい角
β 工具本体の軸を含む面に対するコーナ刃の法線方向のすくい角
γ 外周刃の径方向すくい角
Claims (2)
- 工具本体の先端に形成された底刃と工具本体の外周に形成された外周刃の先端部との間に円弧状になったコーナ刃が形成されてなるラジアスエンドミルにおいて、上記の外周刃におけるねじれ角が30〜50°の範囲になっており、上記の底刃に軸方向すくい角が0〜15°の範囲になった平面ギャッシュからなるすくい面が形成されると共に、上記のコーナ刃に外周刃との接点から底刃との接点に向かって凸曲面になったすくい面が形成され、このすくい面のコーナ刃の法線方向における上記の工具本体の軸を含む面に対するすくい角が5〜15°の範囲になっていることを特徴とするラジアスエンドミル。
- 上記の外周刃のすくい面における径方向すくい角が10〜25°の範囲になっていることを特徴とする請求項1に記載のラジアスエンドミル。
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---|---|---|---|
JP2005118430A JP2006297495A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | ラジアスエンドミル |
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