JP2005246492A - ラジアスエンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】 外周刃、底刃、およびコーナ刃にそれぞれ必要な逃げ角は十分に確保しつつも、コーナ刃の特に底刃外周端側および底刃の切れ味の鈍化や切屑排出性の劣化を防ぐとともに、切刃強度も確保してたとえ高送り加工でも欠けやチッピングが生じることのないラジアスエンドミルを提供する。
【解決手段】 エンドミル本体1の先端部外周に先端側から後端側に向けて延びる外周刃5を形成するとともに、エンドミル本体1の先端には内周側から外周側に延びる底刃9を形成し、これら外周刃5の先端5Aから底刃9の外周端9Aにかけては、エンドミル本体1の先端外周側に凸となるように湾曲するコーナ刃12を形成して、このコーナ刃12に直交する断面におけるコーナ刃12の逃げ角を、外周刃5の先端5Aから底刃9の外周端9Aに向かうに従い漸次減少させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、エンドミル本体先端部外周の外周刃先端からエンドミル本体先端の底刃外周端にかけて、このエンドミル本体の先端外周側に凸曲するコーナ刃が形成されたラジアスエンドミルに関するものである。
ラジアスエンドミルは、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に、該エンドミル本体の先端に開口して、通常このエンドミル本体の回転方向後方側に捩れつつ後端側に延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝の回転方向側を向く壁面の外周側辺稜部に外周刃が、先端側辺稜部には底刃が形成されるとともに、これら底刃と外周刃とが交差するエンドミル本体先端外周側のコーナ部には、外周刃の先端と底刃の外周端においてこれら外周刃と底刃とに滑らかに接してエンドミル本体の先端外周側に凸となるように湾曲するコーナ刃が形成されたものであり、一般にこのコーナ刃は凸円弧状をなすようにされている。
そして、従来この種のラジアスエンドミルにおいては一般に、上記コーナ刃の真の逃げ角(コーナ刃に直交する断面における逃げ角)は、外周端の先端から底刃の外周端に亙って略一定の大きさとされていたが、例えば特許文献1には、コーナ刃の外周刃先端側での強度を確保するとともに、このコーナ刃の外周刃先端側での逃げ角と底刃外周端側での回転方向に沿った逃げ角とを等しくして特に高送り切削における切削性の安定を図るため、コーナ刃の法線方向の逃げ角すなわち上記真の逃げ角を底刃との繋ぎ目付近から外周刃との繋ぎ目付近に向かって小さくしたものが提案されている。
特開2003−165015号公報
ところで、上述のように切屑排出溝がエンドミル本体の先端から後端側に向けて回転方向後方側に捩れるように形成された一般的なラジアスエンドミルでは、この切屑排出溝の捩れ角は30°から50°に及ぶものもあり、さらに強捩れと称されるエンドミルでは捩れ角が60°以上になるものもある。そして、このように捩れた切屑排出溝の上記壁面の先端側辺稜部にそのまま上記底刃とその外周側に上記コーナ刃とを形成したラジアスエンドミルにおいては、この切屑排出溝の捩れ角がそのまま底刃およびコーナ刃の底刃外周端側の軸方向のすくい角となる。
しかしながら、これら底刃およびコーナ刃の底刃外周端側における切刃角(刃先角あるいは刃物角)は、この軸方向のすくい角すなわち切屑排出溝の捩れ角と底刃およびコーナ刃の逃げ角とを直角から差し引いた値となるため、上述のようなラジアスエンドミルにおいて、外周刃に必要な逃げ角を確保したうえで、特許文献1のようにコーナ刃の真の逃げ角を、底刃との繋ぎ目付近から外周刃との繋ぎ目付近に向かって小さくし、言い換えれば外周刃先端側から底刃外周端側に向けて逃げ角を大きくしてゆくと、このコーナ刃の底刃外周端側からこれに連なる底刃において切刃角が小さくなりすぎて切刃の強度を招いてしまう。このため、特に1刃当たりの送り量が大きくて切屑生成量の多い高送り加工では、上述のようにコーナ刃の外周刃先端側および外周刃の切刃強度は確保されても、これらコーナ刃の底刃外周端側や底刃において欠け・チッピングが発生しやすくなってしまい、却って工具寿命の短縮を招く結果となる。
この点、例えば上記一般的なラジアスエンドミルでは、切屑排出溝の上記壁面の先端側にギャッシュ加工を施すことにより、底刃やコーナ刃の上記すくい角を小さくして切刃角を大きくすることもなされているが、そのような場合でも、底刃およびコーナ刃の切れ味と切屑排出性とを考慮すると、底刃のすくい角は0°〜10°程度までにしか小さくすることはできず、特許文献1のように底刃およびコーナ刃の底刃外周端側の逃げ角を大きくすると、切刃強度の低下によって欠けやチッピングが発生しやすくなることが避けられない。また、特許文献1ではこのような切刃の強度低下を防ぐためにコーナ刃のすくい角を法線方向および径方向ともに負角としているが、そのようなラジアスエンドミルでは、このコーナ刃の底刃外周端側および底刃の切れ味が鈍化して切削抵抗の増大を招くとともに、これら底刃およびコーナ刃によって生成された切屑がエンドミル本体の先端側に押し出されるようになるため、切屑排出性が著しく損なわれてしまうことになる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、外周刃、底刃、およびコーナ刃にそれぞれ必要な逃げ角は十分に確保しつつも、コーナ刃の特に底刃外周端側および底刃の切れ味の鈍化や切屑排出性の劣化を防ぐとともに、切刃強度も確保してたとえ高送り加工でも欠けやチッピングが生じることのないラジアスエンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、エンドミル本体の先端部外周に先端側から後端側に向けて延びる外周刃が形成されるとともに、該エンドミル本体の先端には内周側から外周側に延びる底刃が形成され、これら外周刃の先端から底刃の外周端にかけては、上記エンドミル本体の先端外周側に凸となるように湾曲するコーナ刃が形成されていて、このコーナ刃に直交する断面における該コーナ刃の逃げ角が、上記外周刃の先端から底刃の外周端に向かうに従い漸次減少していることを特徴とするものである。
このように構成されたラジアスエンドミルにおいては、コーナ刃に直交する断面におけるコーナ刃の真の逃げ角が、外周刃先端から底刃外周端に向かうに従い漸次減少しているので、この底刃外周端側においてコーナ刃の切刃角を大きくすることができ、これに伴いこのコーナ刃に連なる底刃の切刃角も大きくすることができる。このため、これら底刃およびコーナ刃の底刃外周端側の軸方向すくい角を大きくして切れ味と切屑排出性とを向上させても、切刃強度を確保することができ、たとえ高送り加工でもこれら底刃やコーナ刃に欠けやチッピングが生じるのを防ぐことが可能となって、切削抵抗の増大や切屑排出性の劣化等を防ぎつつ工具寿命の延長を図ることができる。
その一方で、こうして外周刃先端側よりも逃げ角が減少させられたコーナ刃の底刃外周端側および底刃では、逃げ量が不足してヒール当たり(いわゆる、二番当たり)が生じるおそれも懸念されるが、軸線方向に延びる外周刃とコーナ刃のうちでもこれに連なるように底刃側から向きを変える外周刃先端側の部分とでは、その切刃の延びる方向がエンドミル本体の軸線に垂直な方向の成分よりも軸線方向の成分の方が大きくて、切刃がこの軸線を中心とした略円筒状の凹曲面を切削するような形態となり、切削された円筒面と切刃の逃げ面との間隔(逃げ量)が小さくなるためにより大きな逃げ角を確保しなければならないのに対し、エンドミル本体の先端に配されてその内外周方向に延びる底刃とコーナ刃のうちこの底刃外周端側の部分とでは、逆に切刃が軸線に垂直な方向に延びる成分の方が大きくて軸線に直交する平面を切削するような形態に近くなるため、逃げ角が外周刃と同じでも切削された平坦面と逃げ面との間隔を大きく確保することができる。このため、コーナ刃の底刃外周端側で逃げ角が外周刃先端側より減少させられていても、逃げ面幅等を適切に設定したりすることにより、高送り加工の場合にも二番当たりを十分に防ぐことが可能となる。
ここで、上記コーナ刃の逃げ角は、底刃の外周端側において5°〜10°の範囲内とされるのが望ましく、また外周刃の先端側においては10°〜15°の範囲内とされるのが望ましい。すなわち、底刃の外周端側におけるコーナ刃の逃げ角が5°を下回るほど小さいと、絶対的な逃げ量が不足して逃げ面幅等を調整しても二番当たりを防ぐことができなくなって抵抗の増大を招くおそれがある一方、逆にこの底刃外周端側のコーナ刃逃げ角が10°を上回るほど大きいと、この底刃側に十分な軸方向すくい角を与えた場合に切刃角を確保することができなくなって欠損やチッピングを招くおそれが生じる。また、外周刃先端側のコーナ刃逃げ角についても、10°を下回るほど小さいと、上述のように元々逃げ量が小さくなる外周刃側の切削において二番当たりを生じるおそれがある一方、逆に15°を上回るほど大きいと、今度はこの外周刃先端側で切刃角を確保することができなくなって欠けやチッピングが生じやすくなるおそれがある。
図1ないし図3は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、エンドミル本体1は、超硬合金等の硬質材料により形成されて軸線Oを中心とした概略円柱状をなし、その後端側(図1および図3において右側)が当該エンドミル本体1を工作機械の主軸に装着するためのシャンク部2とされるとともに、先端側(図1および図3において左側)には切刃部3が形成され、上記工作機械によって軸線O回りに図2に符号Tで示す回転方向に回転されつつ送り出されることにより、この切刃部3によってワークに切削加工を施してゆく。
ここで、切刃部3の外周には、その先端から後端側に向けて軸線O回りに回転方向Tの後方側に捩れる2条の切屑排出溝4が周方向に等間隔に軸線Oに関して互いに対称に形成されている。そして、これらの切屑排出溝4の回転方向T側を向く壁面と、その回転方向T後方側に連なる切刃部3の外周面との交差稜線部、すなわち上記壁面の外周側辺稜部には、切屑排出溝4と同じく後端側に向かうに従い軸線O回りに回転方向Tの後方側に捩れる外周刃5が形成されている。従って、切屑排出溝4の上記壁面はこの外周刃5のすくい面とされるとともに、切刃部3の外周面のうちこの外周刃5に連なる部分はその逃げ面(以下、外周逃げ面と称する。)6とされて、この外周逃げ面6には外周刃5の先端5Aから後端側に亙って一定の逃げ角αが与えられている。
また、この切刃部3の先端部すなわちエンドミル本体1の最先端部においては、上記2条の切屑排出溝4の先端側開口部が削り広げられるようにしてギャッシュ7が形成されており、このギャッシュ7により、切屑排出溝4の回転方向T側を向く上記壁面の先端側には、軸線Oに対する傾斜角が0°〜10°と切屑排出溝4の捩れ角よりも僅かに緩やかとされたギャッシュ面8が形成されている。そして、このギャッシュ面8と、その回転方向T後方側に連なるエンドミル本体1の先端面との交差稜線部、すなわち切屑排出溝4の上記壁面の先端側辺稜部には、エンドミル本体1の内周側から外周側に向けて延びる底刃9が形成されている。従って、上記ギャッシュ面8はこの底刃9のすくい面とされるとともに、エンドミル本体1の先端面のうち底刃9に連なる部分はその逃げ面(以下、先端逃げ面と称する。)10とされ、この先端逃げ面10には内周側から該底刃9の外周端9Aに亙ってやはり略一定の逃げ角βが与えられており、この逃げ角βは外周逃げ面6の上記逃げ角αよりも小さくされている。
なお、この底刃9は、図2および図3に示すように直線状とされるとともに、図3に示すようにエンドミル本体1の内周側から外周側に向かうに従い先端側に向かうように僅かに傾斜させられて、すかし角が与えられている。さらに、この図3に示すように、上記ギャッシュ面8は、切屑排出溝4の上記壁面におけるエンドミル本体1先端外周側のコーナ部11、すなわちこの壁面の外周側辺稜部と先端側辺稜部とに形成された上記外周刃5と底刃9とが交差するコーナ部11を含むように、エンドミル本体1内周側の軸線O近傍から切刃部3の外周に至るまでに、またこの外周側では外周刃5の先端5Aよりも後端側に達するように形成されており、従って外周刃5の先端5Aを含む先端側部分はこのギャッシュ面8と外周逃げ面6との交差稜線部に形成されることとなる。
そして、このコーナ部11には、外周刃5の先端5Aから底刃9の外周端9Aにかけて、エンドミル本体1の先端外周側に凸となるように湾曲するコーナ刃12が形成されており、このコーナ刃12に直交する断面における該コーナ刃12の逃げ角は、外周刃5の先端5Aから底刃9の外周端9Aに向かうに従い漸次減少するようにされている。すなわち、このコーナ部11の回転方向T後方側には、上記ギャッシュ面8と交差するようにして、上記外周刃5の外周逃げ面6からエンドミル本体1の先端外周側に凸となる凸曲面を描きつつ底刃9の先端逃げ面10に連なるコーナ刃逃げ面13が形成されており、このコーナ刃逃げ面13とギャッシュ面8との交差稜線部にコーナ刃12が形成されることにより、該コーナ刃12も上述のようにエンドミル本体1先端外周側に凸となる凸曲線状に形成される。そして、さらにコーナ刃12に直交する断面における上記コーナ刃逃げ面13のギャッシュ面8に対する交差角、すなわちコーナ刃12の切刃角が、外周逃げ面6側から先端逃げ面10側に向かうに従い漸次大きくなることにより、逆にコーナ刃12の上記逃げ角が外周刃5の先端5Aから底刃9の外周端9Aに向けて漸次小さくなるようにされている。
ここで、コーナ刃逃げ面13は外周逃げ面6と先端逃げ面10とに滑らかに接するように形成されており、これに伴いコーナ刃12も、上記先端5Aにおいて外周刃5と、また上記外周端9Aにおいて底刃9と、それぞれ滑らかに接して連続するように形成されるとともに、この外周刃5の先端5Aにおけるコーナ刃12の上記逃げ角は外周逃げ面6の逃げ角αと、底刃9の外周端9Aにおける上記逃げ角は先端逃げ面10の逃げ角βと、それぞれ等しくされ、すなわちこのコーナ刃12の逃げ角は上記逃げ角αから逃げ角βへと漸次減少させられることとなる。なお、底刃9の外周端9Aにおけるコーナ刃12の逃げ角すなわち上記逃げ角βは5°〜10°の範囲内とされ、外周刃5の先端5Aにおけるコーナ刃12の逃げ角すなわち上記逃げ角αは10°〜15°の範囲内とされている。また、エンドミル本体1の先端外周側に凸となるコーナ刃12は、略円弧状をなすように湾曲形成されている。
従って、このように構成されたラジアスエンドミルにおいては、こうしてコーナ刃12に直交する断面における該コーナ刃12の逃げ角すなわちこのコーナ刃12の真の逃げ角が、外周刃5の先端5A側から底刃9の外周端9A側に向かうに従い漸次減少していて、このコーナ刃12のすくい面となる上記ギャッシュ面8に対するコーナ刃逃げ面13の交差角は外周逃げ面6から先端逃げ面10に向けて漸次増大することになるので、このコーナ刃12の上記外周端9A側から底刃9にかけては、そのすくい面としてのギャッシュ面8の軸線Oに対する傾斜角すなわち軸方向すくい角を大きくしても、上記交差角すなわちコーナ刃12および底刃9の切刃角を十分に確保することができる。このため、高送り加工の場合のように1刃当たりの送り量が大きくて切屑生成量が多く、すなわち切刃への負担が大きくなる場合でも、これらコーナ刃12や底刃9について、すくい角を大きくすることにより切れ味や切屑排出性の向上を図りながらも、十分な切刃強度を与えることができて欠けやチッピングの発生を抑えることが可能となり、工具寿命の延長を図って安定した切削を促すことができる。
ところで、このようにコーナ刃12の逃げ角を底刃9の外周端9Aに向けて減少させると、この外周端9A側のコーナ刃12や底刃9において切削された加工面とコーナ刃逃げ面13や底刃9の先端逃げ面10との間の逃げ量も小さくなるため、これらの逃げ面10,13が加工面と接触する二番当たりが生じることが懸念される。この点、エンドミル本体1の軸線O方向に延びる外周刃5やその先端5Aに連なるコーナ刃12の外周側部分は、図2に示すようにこの軸線O回りのエンドミル本体1の回転に伴い凹円筒面状の加工面Pを形成しながら該軸線Oに交差する方向に送り出されて切削を行うために、この凹円筒面状の加工面Pと外周逃げ面6やこれに連なる外周側のコーナ刃逃げ面13との間隔(逃げ量)は小さくなりがちとなり、これらの逃げ面6,10と加工面Pとの接触を防ぐのにより大きな逃げ角αが必要とされる。
ところが、これに対して、エンドミル本体1の内周側から外周側に向けて軸線Oに対する径方向に延びる底刃9やその外周端9A側のコーナ刃12部分では、図1に示すようにこの軸線Oに直交する平面に概ね沿った加工面Qを形成しながら切削を行うこととなるため、上記外周刃5やその先端5A側のコーナ刃12部分に比べて逃げ角βが小さくても、逃げ量は比較的大きく確保することが可能となる。従って、例えばこれら底刃9の先端逃げ面10やコーナ刃12の外周端9A側のコーナ刃逃げ面13の幅(二番幅)を適切に設定したりすることにより、上述のように外周刃5やその先端5A側のコーナ刃12部分の逃げ角αより小さな逃げ角βでもこれらの逃げ面10,13と加工面Qとの接触による二番当たりを十分に防ぐことができ、かかる二番当たりによる切削抵抗の増大や逃げ面10,13の摩耗による工具寿命の短縮を防止することができるのである。
また、逆に言い換えれば、上記構成のラジアスエンドミルでは、コーナ刃12の逃げ角が外周刃5の先端5Aに向けて漸次増大させられることとなるので、この外周刃5やその先端5A側のコーナ刃12には上述のように必要とされる大きな逃げ角αを与えることが可能となる。従って、このようなラジアスエンドミルによれば、たとえ高送り加工の場合でも、外周刃5の外周逃げ面6やこれに連なる上記先端5A側のコーナ刃逃げ面13と上記加工面Pとの接触による二番当たりを確実に防ぐことができ、やはりこの二番当たりによる切削抵抗の増大やこれらの逃げ面6,13の摩耗等に伴う工具寿命の短縮を防いで、一層の安定した切削を図ることが可能となる。
ただし、上述のようにして底刃9の外周端9A側に向けて漸次減少させられるコーナ刃12の逃げ角がこの外周端9Aにおいて小さくなりすぎると、如何にこの外周端9Aにおける逃げ角βを小さくすることができるといっても、絶対的な逃げ量が不足して二番当たりの発生が免れなくなるおそれがある。その一方で、この逃げ角βが大きすぎると、特に底刃9やコーナ刃12の上記外周端9A側の部分の切れ味や切屑排出性を向上させるために上記軸方向すくい角を大きくした場合、上記切刃角が小さくなって欠けやチッピングが発生しやすくなってしまうおそれがあるので、この底刃12の外周端9A側におけるコーナ刃12の逃げ角βは上述のように5°〜10°の範囲に設定されるのが望ましい。
一方、これとは反対側のコーナ刃12の外周刃5の先端5A側における逃げ角αも、これが小さすぎると、上述のように加工面Pに対する逃げ量が小さくなりがちとなる外周逃げ面6や上記先端5A側のコーナ刃逃げ面13部分で二番当たりが避けられなくなるおそれがあり、逆にこの逃げ角αが大きすぎても、外周刃5やその先端5A先端側のコーナ刃12部分で切刃角が不足して欠けやチッピング等の損傷を生じるおそれがある。従って、この外周刃5の先端5A側におけるコーナ刃12の逃げ角αについても、やはり上述のように10°〜15°の範囲内に設定されるのが望ましい。
なお、コーナ刃12の上記先端5A側の逃げ角や上記外周端9A側の逃げ角を、これら先端5Aにおける外周刃5の逃げ角αや外周端9Aにおける底刃9の逃げ角βと異なる大きさとしてもよいが、その場合にはコーナ刃逃げ面13と外周逃げ面6および先端逃げ面10との間に段差が生じたりするおそれがあるので、本実施形態のようにコーナ刃12の両端における逃げ角を上記逃げ角α,βとそれぞれ等しくして、これらコーナ刃逃げ面13と外周逃げ面6および先端逃げ面10とが滑らかに連続するように形成するのが望ましい。また、本実施形態は説明のため、エンドミル本体1の先端部外周に2つずつの外周刃5、底刃9、およびコーナ刃12が形成された2枚刃のラジアスエンドミルとなっているが、3枚刃以上の多刃のラジアスエンドミルに本発明を適用しても、上記と同様の効果を奏することができる。
本発明の一実施形態を示すエンドミル本体1先端部の側面図である。 図1に示すエンドミル本体1の正面図である。 図1に示すエンドミル本体1先端部の平面図である。
符号の説明
1 エンドミル本体
3 切刃部
4 切屑排出溝
5 外周刃
5A 外周刃5の先端
6 外周逃げ面
7 ギャッシュ
8 ギャッシュ面
9 底刃
9A 底刃9の外周端
10 先端逃げ面
11 コーナ部
12 コーナ刃
13 コーナ刃逃げ面
O エンドミル本体1の軸線
T エンドミル本体1の回転方向
α 外周刃5の逃げ角(外周刃5の先端5A側におけるコーナ刃12の逃げ角)
β 底刃9の逃げ角(底刃9の外周端9A側におけるコーナ刃12の逃げ角)

Claims (3)

  1. エンドミル本体の先端部外周に先端側から後端側に向けて延びる外周刃が形成されるとともに、該エンドミル本体の先端には内周側から外周側に延びる底刃が形成され、これら外周刃の先端から底刃の外周端にかけては、上記エンドミル本体の先端外周側に凸となるように湾曲するコーナ刃が形成されていて、このコーナ刃に直交する断面における該コーナ刃の逃げ角が、上記外周刃の先端から底刃の外周端に向かうに従い漸次減少していることを特徴とするラジアスエンドミル。
  2. 上記コーナ刃の逃げ角が、上記底刃の外周端側において5°〜10°の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載のラジアスエンドミル。
  3. 上記コーナ刃の逃げ角が、上記外周刃の先端側において10°〜15°の範囲内とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラジアスエンドミル。
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