JP5016737B1 - 多刃エンドミル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数枚の切刃を備えた切刃部3と、工具軸O回りの回転方向に隣接する切刃間に形成された刃溝8を有する多刃エンドミル1において、切刃のすくい面を、工具軸O側からシャンク部2の外周側へかけて底刃6のすくい面6aと、これに隣接し、底刃6のすくい面6aと異なる面を形成するコーナR刃5のすくい面5aと、これに隣接し、コーナR刃5のすくい面5aと異なる面を形成する外周刃4のすくい面4aから構成する。底刃6のすくい面6aと、それに回転方向R前方側に隣接する底刃6の逃げ面6bとの間に、刃溝8に連続する空間を構成するギャッシュ7を形成し、底刃6のすくい面6aにギャッシュ7を構成する一方の面を兼ねさせる。
【選択図】図11
Description
前記切刃のすくい面が、前記工具軸側から前記シャンク部の外周側へかけて前記底刃のすくい面と、前記底刃のすくい面に隣接し、前記底刃のすくい面と異なる面を形成する前記コーナR刃のすくい面と、前記コーナR刃のすくい面に隣接し、前記コーナR刃のすくい面と異なる面を形成する前記外周刃のすくい面から構成され、
前記外周刃のすくい面は前記コーナR刃側の端部において前記コーナR刃のすくい面に隣接すると共に、前記刃溝を構成する一方の刃溝面を兼ね、前記コーナR刃のすくい面は前記工具軸側の端部において前記底刃のすくい面に隣接し、
前記底刃のすくい面と、その底刃に回転方向前方側に隣接する底刃の逃げ面との間には、前記刃溝に連続する空間を構成するギャッシュが形成され、前記底刃のすくい面は前記ギャッシュを構成する一方の面を兼ねていることを特徴とする。
このことを換言すれば、前記刃溝は一方の刃溝面を兼ねる前記外周刃のすくい面と、その外周刃のすくい面に回転方向前方側に対向する刃溝面とから構成され、刃溝面が、工具軸を通る前記一方の半径方向の直線ABを含む前記傾斜した面ABC’D’をなすギャッシュ面に対し、半径方向外周側、もしくは内周側が回転方向後方側へ傾斜角度ζをなすように傾斜した面(GIKL)をなすことである。これにより、ギャッシュ7から刃溝8へ送り込まれる(排出される)切屑を刃溝8内で回転方向R後方側へ回り込ませるように作用させることが可能である。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の多刃エンドミルにおいて、図2に示すように、前記外周刃が、前記シャンク部の工具軸方向に多刃エンドミルの先端部側から中間部側へかけて回転方向後方側へ向かう傾斜(下り傾斜)をなすように形成されて前記コーナR刃に連続すると共に、前記傾斜の工具軸に対する傾斜角度αが5°以上10°以下の範囲に設定されていることを特徴とする。
(特徴1):切刃のすくい面が、底刃6のすくい面6aと、すくい面6aに連続したコーナR刃のすくい面5aと、すくい面5aに連続した外周刃のすくい面4aから構成されるようにしていること。
(特徴2):底刃6のすくい面6aと、その底刃6に回転方向前方側に隣接する底刃6の逃げ面6bとの間に、前記刃溝8に連続する空間を構成するギャッシュ7が形成されていること。
これら2つの特徴1と特徴2により、主として切削加工時に用いられるコーナR刃5より発生する切屑を、隣り合う切刃の間に成形されたギャッシュ7と、このギャッシュ7と連通する刃溝8を介して容易に外部に排出することが可能になる。このため、高送りの切削加工を実施しても切屑詰りを防止することが可能になる。その結果として切刃に損傷の発生が防止できることになる。
図1〜図3は、本発明の一実施形態を示す多刃エンドミル1の構成を説明するための図である。図1は本発明の多刃エンドミル1の一実施形態を示す側面図である。図2は図1に示す多刃エンドミル1の切刃部3の部分拡大図である。図3は図2に示す多刃エンドミル1の切刃部3を端面側から工具軸O方向に見た様子を示した端面図である。
この特徴の一つは、コーナR刃5にすくい面5aを設けたことにある。図19は従来の多刃エンドミルの切刃部に形成されている1枚の切刃を構成する底刃とコーナR刃及び外周刃の関係を示した断面図である。従来、インペラーの切削加工に用いられるエンドミルにおいては、図19に示すように、コーナR刃5にはすくい面を設けることなく、底刃6のすくい面6aを外周刃4のすくい面4aに連続した構成とされていた。このような構成ではインペラーの切削加工において、主に用いられるコーナR刃5の外周部分の角部が鋭角になり易く、折損し易いため、本発明が目的としているような高能率での高送りの切削加工を行った場合に、コーナR刃5の欠損が発生してしまう可能性が高い。
以上のことから、本発明の多刃エンドミル1においては、切刃の刃数は少なくとも6枚以上とし、その上限は30枚以下にすることが望ましい。なお、前記の軸方向切込み量ap、径方向切込み量ae及び1刃当りの送り量fzの特定範囲未満では従来の高送り加工との優位差が認められない。また、前記の軸方向切込み量ap、径方向切込み量ae及び1刃当りの送り量fzの特定範囲を超えると工具寿命の低下が顕著になり実用的でない。
本発明の多刃エンドミル1において、前記刃径L1のより望ましい範囲は15mm〜25mmである。
本発明において、チップポケットCPの体積(V)の望ましい範囲は35mm3〜100mm3であり、更に、チップポケットCPの体積(V)のより望ましい範囲は45mm3〜70mm3である。
図2に示す本発明の多刃エンドミル1の実施形態においては、外周刃4を工具軸O方向に下り傾斜をなすように、すなわち多刃エンドミル1の端面(先端部1a)側からシャンク部2側へかけて回転方向R前方側から後方へ向かう傾斜を付けた例を示している。この外周刃4の傾斜角度α(図2参照)は、5°以上10°以下の範囲に設定することが望ましい。傾斜角度αをこのような角度範囲に設定することが望ましい理由は、次の通りである。
一方、傾斜角度αが10°を超えると、多刃エンドミル1の先端部1a側における切刃部3の径が小さくなるので、コーナR刃5、底刃6等の切刃の長さが短くなる。これにより、これら切刃の刃先強度が低下する。更に、前記した1刃当たりのチップポケットCPの体積(V)が小さくなるので、高送りの切削加工を行った場合には、切屑詰まりが発生し易く、切刃のチッピングや切屑の噛み込みが発生する危険性が生じる。よって、外周刃4の傾斜角度αは、5°以上10°以下の範囲に設定することが望ましい。
従来からNi基超耐熱合金等の難削性合金素材の切削加工においては、切屑の排出が困難なことを予め回避するために、一般に刃数が4枚以下のエンドミルが用いられていた。この事実は、従来においては高送りの切削加工中に発生した多量の切屑の排出が円滑に行えず、高送りの切削加工が行えなかった未解決の問題の存在を示唆するものといえる。この問題に対し、単にエンドミルの刃数を6枚以上にして、送り速度Vfを早くした場合、刃数の増加に伴って切屑を貯めるチップポケットの体積(容積)が小さくなるので、切屑詰りを起こすといった不具合が生じる。特に、インペラーの仕上げ加工においては、エンドミルの工具軸Oを傾けて切削加工を行うため、切削加工の箇所においては切屑が底刃6の工具軸O近傍に溜まることが考えられる。
また、ギャッシュ7の角度βが45°を超えた場合には、チップポケットCPの体積(V)は十分に確保されるが、コーナR刃5の強度が不足するため、高送り加工した場合の切削抵抗に耐えきれずにコーナR刃5にチッピングが発生し易くなる。従って、ギャッシュ7の角度βを45°以下に設定することが望ましく、結局、ギャッシュ7の角度βを15°以上45°以下の範囲に設定することが望ましい。
図3に示すように、多刃エンドミル1を先端部1a側から工具軸O方向に見たときに、底刃6と、底刃6の逃げ面6bにおける回転方向R後方側の稜線(ギャッシュ面7aと底刃6の逃げ面6bの境界線)とがなす角度を底刃6の逃げ面6bの幅の角度aとする。また底刃6の逃げ面6bにおける回転方向R後方側の稜線とこの底刃6の回転方向R後方側に隣接する底刃6の回転方向R前方側の稜線とがなす角度をギャッシュ7の開き角度bとしたとき、ギャッシュ7の開き角度bは底刃6の逃げ面6bの幅の角度aの1.5倍以上3倍以下の範囲となるように、各底刃6と底刃6の逃げ面6bを形成して配置することが望ましい。
なお、本発明の多刃エンドミル1において、例えば、刃径が30mm、切刃の刃数を10とした場合、底刃6の逃げ面6bの幅の角度aは12°、ギャッシュ7の開き角度bは24°程度に設定される。
ギャッシュ7の開き角度bを底刃6の逃げ面6bの幅の角度aの1.5倍未満に設定した場合には、各切刃の刃先剛性を向上させることができるが、切込みや送り速度を上げた高能率加工を実施した際には、チップポケットCPが小さくなる。すなわち、ギャッシュの開き角度bが小さくなるので、切屑を効率良く刃溝8に運ぶことができなくなり、切屑の噛み込みを発生させる。このため、ギャッシュ7の開き角度bは底刃6の逃げ面6bの幅の角度aの1.5倍以上であることが望ましい。
また、ギャッシュ7の開き角度bが底刃6の逃げ面6bの幅の角度aの3倍を超えた場合には、底刃6やコーナR刃5の刃先強度が不足して、特に、インペラーの加工において主な切刃となるコーナR刃5にチッピングが発生する。このため、ギャッシュの開き角度bは底刃の逃げ面の幅の角度aの3倍以下に設定することが望ましい。よって、ギャッシュの開き角度bを、底刃の逃げ面の幅の角度aの1.5倍以上3倍以下に設定することが望ましい。
また、前記すくい角P2sが10°を超えると、切れ味は十分であるが、刃先の強度が不足してチッピングが発生しやすくなる。このため、前記すくい角P2sは10°以下に設定することが望ましい。よって、前記すくい角P2sは、3°以上10°以下の範囲に設定することが望ましい。
続いて、本発明の多刃エンドミル1の製造方法の概要を説明する。本発明の多刃エンドミル1は、WC(炭化タングステン)を主成分とした超硬合金の粉末から、公知の製造方法により製造されたソリッド型のエンドミルである。なお、前記粉末を成形して得られた多刃エンドミル1の成形体は、焼結炉内に装入して所定の温度に加熱する焼結処理を行う。得られた多刃エンドミル1の焼結体は、その切刃部3に所定の数の切刃、すなわち、外周刃4、コーナR刃5、底刃6と、それぞれの切刃のすくい面4a、5a、6a、逃げ面4b、5b、6b、及びギャッシュ面7、刃溝8を、ダイヤモンド砥石等を用いた研削加工装置により研削して形成する。また、多刃エンドミル1(シャンク部2)の内部の工具軸O方向にクーラント孔を穿孔して、先端部1a側に複数のクーラント孔を設ける。
前記したように、本発明の多刃エンドミル1の特徴の一つとして、コーナR刃5に凸状の曲面をなすコーナR刃5のすくい面5aを設けたことにある。実験例1では、コーナR刃5にすくい面5aを設けた本発明例(本発明例1)のエンドミルを試作して、Ni基耐熱合金であるインコネル(登録商標)718のブロック材(時効処理済)を傾斜角度が10°になるように縦型3軸マシニングセンタに取り付けて、このブロック材の傾斜面(傾斜角10°)に対して引上げ加工を行った。切削加工距離の累計が45mに達したときに、切刃の摩耗状況を目視で観察した。
・切削速度Vc :80m/min
・送り速度Vf :1880mm/min
・1刃当りの送り量fz:0.14mm/t
・軸方向切込み量ap :1.0mm
・径方向切込み量ae :1.8mm
・工具突き出し量 :60mm
・切削加工時の冷却方法:水溶性クーラント液を外部から供給
図12において、本発明例1と比較例1の逃げ面の写真は、底刃6の逃げ面6b側から撮影した写真である。図13において、本発明例1と比較例1のすくい面の写真は、本発明例におけるコーナR刃のすくい面5a側から撮影した写真である。また、各写真の右下側に表示している数値「0.25mm/div」等は、この写真のスケール(1目盛当たりの長さ)を示している。
一方、比較例1の多刃エンドミルにおいては、図12に示すようにコーナR刃5の逃げ面5bにチッピングの発生が認められた。上記した実験例1による結果から、多刃エンドミルのコーナR刃5にすくい面5aを形成すると、被削材に対する切れ味が向上し、かつ、切刃へのチッピングの発生を抑制できることが確認できた。
続いて、刃数と、底刃6の逃げ面6bの幅の角度aと、ギャッシュ7の開き角度bが異なる多刃エンドミル、すなわち、1刃当たりのチップポケットCPの体積(V)が異なる本発明例2と比較例2の超硬合金製の多刃エンドミルを試作した。そして、試作した多刃エンドミルを縦型3軸マシニングセンタに取り付けて高送りの切削加工を行い、切刃の摩耗状況とチッピングの発生状況を確認する切削加工実験を行った。この実験例2に用いた本発明例2と比較例2の多刃エンドミルの仕様を表2に示す。なお、比較例2は特許文献3に開示されている多刃エンドミルに類似した切刃構成を有するエンドミルである。また、試作した本発明例2と比較例2の多刃エンドミルにはクーラント孔を設けず、水溶性クーラント液を外部から供給した。
なお、比較例2における角度ψに関しては、図21に示すように、底刃のすくい面6aとギャッシュ面7aが平行になるようにギャッシュ7が形成されていたため、角度ψを測定することができなかった。
実験例2において、比較例2の送り速度を本発明例2よりも高く設定した理由は、比較例2の多刃エンドミルの刃数は15枚と本発明例2より多く設定したので、1刃当りの送り量fzを等しく設定した切削加工を行ったときの切刃の摩耗状況を観察するためである。
図14において、本発明例2と比較例2の逃げ面の写真は、底刃の逃げ面6b側から撮影した写真である。図15において、本発明例2と比較例2のすくい面の写真は、本発明例におけるコーナR刃のすくい面5a側から撮影した写真である。また、各写真の右下側に表示している数値「0.250mm/div」等は、この写真のスケール(1目盛当たりの長さ)を示している。
これに対し、比較例2の多刃エンドミルでは、図14及び図15に示すように、コーナR刃5(欠損により無くなっている。)において、切屑の噛み込みが原因と考えられる欠損の発生が認められた。この欠損により、比較例2の多刃エンドミルにおけるコーナR刃5はほぼ全て無くなっており、本発明例2の多刃エンドミルに比べて非常に短寿命であることが分かった。
特許文献3の多刃エンドミルに類似した構成とした比較例2は、刃数を15枚と本発明例2より多く、更に、1刃当たりのチップポケットCPの体積(V)も本発明例2より大きく設定して、本発明例2により高い送り速度Vfの切削加工を行ったことが原因と推定される、切屑の噛み込みと考えられる欠損が発生した。比較例2において、このような欠損の発生は、下記の(1)及び(2)に記載した事項によるものと推測することができる。
1a:多刃エンドミルの先端部
2:シャンク部
3:切刃部
4:外周刃
4a:外周刃のすくい面
4b:外周刃の逃げ面
4n:外周刃の刃直断面における逃げ角
4s:外周刃の刃直断面におけるすくい角
5:コーナR刃
5a:コーナR刃のすくい面
5b:コーナR刃の逃げ面
5n:コーナR刃の刃直断面における逃げ角
5s:コーナR刃の刃直断面におけるすくい角
6:底刃
6a:底刃のすくい面
6b:底刃の逃げ面
6n:底刃の刃直断面における逃げ角
7:ギャッシュ
7a:ギャッシュ面
8:刃溝
8a:刃溝面、
9:底刃のすくい面とギャッシュ面との境界線
10:段差部、
11:10枚刃の多刃エンドミル
12:15枚刃の多刃エンドミル
13:特許文献3に記載のエンドミル
14:ギャッシュ底面
O:工具軸(回転軸心)
R:回転方向
CP:チップポケット
a:底刃の逃げ面の幅の角度
b:ギャッシュの開き角度
h:溝長
r1:コーナR刃のR形状部の曲率半径
L1:外周刃の形成開始点における多刃エンドミルの刃径
L2:外周刃とコーナR刃との繋ぎ部における多刃エンドミルの刃径
L3:刃長
P1:外周刃の形成開始点
P2:外周刃とコーナR刃との繋ぎ部
P2n:繋ぎ部P2における軸直角断面の逃げ角
P2s:繋ぎ部P2における軸直角断面のすくい角
w1、w2:ギャッシュ底面の幅
α:傾斜角度
β:ギャッシュの角度
θ:ねじれ角
Claims (6)
- シャンク部の先端部側に形成され、工具軸側から前記シャンク部の半径方向外周側へかけて底刃と、底刃に連続するコーナR刃と、コーナR刃に連続する外周刃とから構成される複数枚の切刃を備えた切刃部と、前記工具軸回りの回転方向に隣接する前記切刃間に形成された刃溝を有する多刃エンドミルであって、
前記切刃のすくい面は、前記工具軸側から前記シャンク部の外周側へかけて前記底刃のすくい面と、前記底刃のすくい面に隣接し、前記底刃のすくい面と異なる面を形成する前記コーナR刃のすくい面と、前記コーナR刃のすくい面に隣接し、前記コーナR刃のすくい面と異なる面を形成する前記外周刃のすくい面から構成され、
前記外周刃のすくい面は前記コーナR刃側の端部において前記コーナR刃のすくい面に隣接すると共に、前記刃溝を構成する一方の刃溝面を兼ね、前記コーナR刃のすくい面は前記工具軸側の端部において前記底刃のすくい面に隣接し、
前記底刃のすくい面と、その底刃に回転方向前方側に隣接する底刃の逃げ面との間には、前記刃溝に連続する空間を構成するギャッシュが形成され、前記底刃のすくい面は前記ギャッシュを構成する一方の面を兼ね、
前記ギャッシュを構成する底刃のすくい面とそれに回転方向前方側に対向するギャッシュ面は、前記工具軸Oに直交する断面S1における前記工具軸Oを通り、互いに交わる半径方向の異なる直線をそれぞれ含み、互いに前記工具軸上で回転方向に角度ψをなして交わる面をなし、
少なくとも前記ギャッシュ面は前記工具軸を通る前記一方の半径方向の直線を含む平面に対し、前記シャンク部の先端側から中間部側へかけて回転方向後方側へ傾斜した面をなし、
前記刃溝は一方の刃溝面を兼ねる前記外周刃のすくい面と、その外周刃のすくい面に前記回転方向前方側に対向する刃溝面とから構成され、
前記外周刃のすくい面に対向する刃溝面は前記ギャッシュ面に対し、前記切刃部の半径方向内周側から半径方向外周側へかけて前記回転方向前方側へ傾斜すると共に、前記切刃部の先端部側から中間部側へかけて前記回転方向後方側へ傾斜していることを特徴とする多刃エンドミル。 - 前記刃溝の一方の刃溝面を兼ねる前記外周刃のすくい面は前記底刃のすくい面に対し、半径方向外周側、もしくは内周側が回転方向後方側へ傾斜角度ηをなすように傾斜した面をなしていることを特徴とする請求項1に記載の多刃エンドミル。
- 前記ギャッシュは前記シャンク部を前記工具軸O方向に見たとき、中心角を持った扇形の形状に形成されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の多刃エンドミル。
- 前記刃溝と前記ギャッシュの体積の和は、外周刃の形成開始点における多刃エンドミルの刃径が10mm〜30mm、前記切刃の刃数が6枚〜30枚のときに、25mm3〜120mm3の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の多刃エンドミル。
- 前記外周刃は、前記シャンク部の工具軸方向に多刃エンドミルの先端部側から中間部側へかけて回転方向後方側へ向かう傾斜をなすように形成されて前記コーナR刃に連続し、前記傾斜の工具軸に対する傾斜角度αが5°以上10°以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の多刃エンドミル。
- 外周刃の形成開始点における多刃エンドミルの刃径が10mm〜30mm、前記切刃の刃数が6枚〜30枚のときに、前記刃溝と前記ギャッシュの体積の和が25mm3〜120mm3の範囲にあり、前記外周刃が前記シャンク部の工具軸方向に多刃エンドミルの先端部側から中間部側へかけて回転方向後方側へ向かう傾斜をなすように形成されて前記コーナR刃に連続し、前記傾斜の工具軸に対する傾斜角度αが5°以上10°以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の多刃エンドミル。
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