JP2012157957A - エンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】 インペラー等の薄肉部材を高速度で仕上げ加工を行うことができるエンドミルを提供する。
【解決手段】 外周刃4と、外周刃4に接続されたコーナR刃5と、コーナR刃5に接続された底刃6とから構成される切刃を複数枚有するエンドミルである。エンドミルの外周面に形成される外周刃4は、工具軸Oに対したエンドミルの先端側に向かって下り傾斜するように形成され、この下り傾斜する傾斜角度αは、5°以上10°以下である。さらに、各切刃のすくい面は、底刃6のすくい面6aと、底刃6のすくい面6aに接続されたコーナR刃5のすくい面5aと、コーナR刃5のすくい面5aに接続された外周刃4のすくい面4aから構成され、1刃当たりのチップポケットの体積Vを80mm以上120mm以下の範囲に設定している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、タービンや過給機等の回転機械装置に使用される薄肉のインペラーやブレード等を、3軸又は5軸制御の工作機械を用いて切削加工して製造するときに、この工作機械に装着して、インペラー等の素材に対して高速度、高効率で加工を行うことができるように改善したエンドミルに関するものである。
タービン、過給機等の回転機械装置に使用される薄肉のインペラー(羽根車)、ブレード等は、Ni基耐熱合金、例えばインコネル718(「インコネル」はSpecial Metals Corporation社の登録商標)等のNi基耐熱合金製の素材を、工作機械の回転軸上に固定して、エンドミル等の切削工具を回転させながら多軸制御を行って、素材に荒加工、中仕上げ加工、及び仕上げ加工を行う切削加工の工程を経て製造されている。この仕上げ加工においては、素材表面を湾曲した曲面状に仕上げ加工する必要があるため、従来からボールエンドミル、あるいは外周刃とコーナ刃と底刃とから構成される刃部を備えたラジアスエンドミルが使用されている。
なお、以下の説明において、本発明に係るエンドミルが切削加工を行う対象物(被切削材)であって、薄肉でその表面が湾曲した曲面を有するインペラー、ブレード、ベーン等のことを、以下の説明において「インペラー」という名称に統一して説明する。
工作機械にテーパボールエンドミルやラジアスエンドミル等を装着してインペラーの切削加工を行う技術に関しては、例えば、特許文献1(特開2002−36020号公報)、特許文献2(特開2009−226562号公報)、特許文献3(特開2010−17769号公報)に記載の発明が提案されている。
特許文献1には、大型インペラーについてその薄い羽根部に欠けを発生させることなく、精度よく加工する方法に関する発明が提案されている。この特許文献1の段落0013には、インペラーの素材を回転軸上に固定し、回転するテーパボールエンドミルを3軸制御して、羽根部の表面に沿って数値制御して羽根部を切削加工することが記載されている。また、段落0015には、テーパボールエンドミルのリード角を、インペラーのリーディングエッジの方向からずらして設定し、35°にすることが記載されているが、このテーパボールエンドミルの切刃の具体的な構成については記載されていない。
特許文献2(特開2009−226562号公報)には、複雑な3次元曲面形状を有する水車発電装置のランナーベーン等の加工対象物に対し、精度良く加工を行うことができる3次元曲面加工装置および3次元曲面加工方法に関する発明が提案されている。この特許文献2の段落0032〜0035には、この加工対象物に対し、ボールエンドミルで切削加工を行った後に、この切削加工面のカッターマークに沿った研削軌跡に基づいて研削加工用軌跡データを生成し、この研削加工用軌跡データに基づいて時間および研削距離のいずれかに対応させて砥石接触角度、研削送り速度、および砥石押付け力の少なくともいずれか1つを調整する研削加工用NCプログラムを生成して、切削加工面のカッターマークの山部分を、ロボットのアームに把持させた電子グラインダで一定に削除することが記載されている。
従って、特許文献2に記載の3次元曲面加工装置においては、ランナーベーン等を加工するためにボールエンドミルと電子グラインダの2種の加工工具を必要とすることになる。また、特許文献2にはこのボールエンドミルについて、例えば、切刃部の切刃の構成等については開示されていない。
特許文献3(特開2010−17769号公報)には、薄板形状ワークを、短時間で、より高精度に3次元曲面に仕上げ加工等を行うための加工方法に関する発明が提案されている。この加工方法は、薄板形状ワークを加工後の剛性の高さに応じて、加工箇所を複数の加工領域に分割して、NC制御加工機により荒加工から仕上げ加工までを、一つの複合エンドミルを用いて加工する技術である。
この特許文献3の段落0027〜0033、及び図4(A)、図4(B)には、この曲面加工に使用する切削工具として、側面刃Tsと、コーナ刃Tcと、底面部に略球面形状をなす砥石からなる仕上げ刃Ttを備えた複合エンドミルが開示されている。さらに、この複合エンドミルおいて、側面刃Tsまたはコーナ刃Tcは荒加工用の刃として多くの削り代を切削するために設けてあり、仕上げ刃Ttは高精度に表面を仕上げるために仕上げ加工用の刃として設けたものである、と記載されている。また、特許文献3の図4(B)には、このエンドミルが備えている刃数(側面刃Tsとコーナ刃Tcから構成される切刃の刃数)は、4枚とした例が示されている。
近年のNC工作機械の技術進歩に伴って、インペラー等の薄板状で曲面をなす被加工物の切削加工について、高速度、かつ高精度で仕上げの加工を行って、製造コストを低減するというニーズが極めて高くなっている。このような薄板状で曲面をなすインペラーを、高速度、かつ高精度で仕上げ加工を行う切削工具としては、ボールエンドミルよりは切刃を多数備えた多刃のラジアスエンドミルの方が適している。この理由は多刃にすると切削速度を上げることが可能になること、仕上げ面の加工をラジアスエンドミルのコーナR刃を主として使用するように、ラジアスエンドミルの回転とその向きの制御や被切削材の位置とその向きの制御をNC制御プログラムにより行うことにより、高精度な仕上げ加工面を得ることができるからである。
多刃としたラジアスエンドミルに関する技術としては、例えば、特許文献4(DE 20 2009 013 808 U1号公報)に記載の考案が提案されている。特許文献4に記載のラジアスエンドミルは、同文献の図2、図4、図8に示されているように、多数の切刃(図4では刃数を16枚)を備えるとともに外周刃を工具軸方向に傾斜させ、さらに、底刃を形成したラジアスエンドミルの先端部に複数のクーラント穴を設けた構成としたものである。
また、ラジアスエンドミルのコーナR刃を用いて被削材を高速度で切削加工する場合には、コーナR刃の刃先強度を高くすること、及び切屑の排出性を向上させることが重要になる。従来から実用化されているラジアスエンドミルについては、上記したコーナR刃の刃先強度や切屑の排出性を向上させる技術に関する発明が多数提案されている。これらの技術としては、例えば、下記の特許文献5〜特許文献7に記載の発明が提案されている。
特許文献5(特開2003―159610号公報)には、溝切削等の重切削に適するラジアスエンドミルについて、切屑の排出を円滑にして切削性を高め、工具寿命が長く仕上げ切削にも適用可能になるように改善した発明が提案されている。特許文献5の図7及び図8に示されているラジアスエンドミルは、外周にねじれた切れ刃を有し、底刃の外周側に円弧刃(コーナR刃)を有する構成であって、このねじれ切れ刃に直角方向断面における刃溝面形状が、すくい面から刃底、背面を経て隣接する切れ刃の三番面に至る形状曲線が略U字型をなし、さらに、ねじれ切れ刃のすくい面がこの切れ刃から刃径の5%以上内部で、回転中心から放射方向を向く曲面としている。また、円弧刃のすくい面は、この切れ刃端から底刃の端部に至るまで円弧刃の切れ刃に沿って連続した凸面とすることにより、底刃による円滑な切屑の排出を行うようにしたラジアスエンドミルである。
さらに、特許文献5の段落0014には、ねじれ角が大きいエンドミルの場合は、山状の突起が大きくなるため、局部的な切削力を受けて切れ刃損傷が発生しやすいが、円弧刃のすくい面に切れ刃に沿って連続した凸面を形成することにより切れ刃の損傷を防止し、底刃のすかし角を0.5度〜15度と大きくすることにより、底刃における円滑な切屑処理を行うことが記載されている。
特許文献6(特開2004−141975号公報)には、刃先強度およびチップポケットを十分に大きくすることにより、高寿命を図ることができるラジアスエンドミルに関する発明が提案されている。特許文献6には、刃数を4枚としたラジアスエンドミルが示されており、このラジアスエンドミルは、工具本体の先端側に、4つのギャッシュをそれぞれ切りくず排出溝に凹設させた構成にしている。これら4つのギャッシュは、4つの底刃及び4つのコーナR刃による切屑の排出性を高めるための溝であり、その一側のギャッシュ面が底刃とコーナR刃との両すくい面により構成されている。ギャッシュをこのような構成にすることによって、各コーナR刃におけるチップポケットを十分に大きくすることができるので、大量の切屑が発生する場合でも、その切屑の収容量を確保して、切削中の切屑詰まりを確実に防止し、その結果として、切屑詰まりに起因するチッピング等を抑制して、ラジアスエンドミルの高寿命化を図ろうとするものである。
また、特許文献7(特開平10−175112号公報)には、チップポケットの大きさを規定することにより、高速切削を行っても耐久性、仕上げ面精度を確保できる高剛性エンドミルに関する発明が提案されている。特許文献7に記載のエンドミルは、刃部の直径が6mm以上、外周切れ刃の刃数が8刃以上であって、かつ、刃溝の深さがエンドミルの刃部の直径を刃数で除した値(ピッチ比)の0.5倍以下、1刃当たりのチップポケットの面積Sを軸直角断面に投影したときに、面積Sを、S≧0.25×π×(ピッチ比)で表されるように構成したエンドミルである。
特開2002−36020号公報 特開2009−226562号公報 特開2010−17769号公報 DE 20 2009 013 808 U1号公報 特開2003―159610号公報 特開2004―141975号公報 特開平10−175112号公報
上記した特許文献1〜特許文献2において、インペラーを切削加工する工具としてはボールエンドミルを使用することが記載されているが、高速度でインペラーの曲面部を切削加工するためのボールエンドミルの切刃部の構成、例えば、切刃の構成、切屑を円滑に排出するためのギャッシュの具体的な構成等については開示されていない。
特許文献3に開示されている複合エンドミルは、刃数が4枚からなる側面刃Tsまたはコーナ刃Tcは荒加工用の刃として多くの削り代を切削するために設け、略球面形状の砥石からなる仕上げ刃Ttは高精度にインペラーの表面を仕上げるための仕上げ加工用の刃として設けたものであるが、エンドミルをこのような複合型の構成にすると、製造工程が複雑になるとともに、一つの複合エンドミルで荒加工から仕上げ加工までを5軸のNC制御加工機により加工する場合、加工領域を複数の領域に分割して加工する等のNC制御プルグラムが複雑になるという欠点が生じる。
特許文献4には、インペラーを切削加工するために多数の切刃を備えたテーパ形のラジアスエンドミルが記載されている。この特許文献4に記載されているラジアスエンドミルは、インペラーの湾曲した曲面を切削加工するために、冷却液を供給するクーラント穴の配置や向きを改善した技術であって、高速切削を行うために、ラジアスエンドミルの底刃、コーナR刃、外周刃及びこれら切刃のすくい面や逃げ面、さらにチップポケットの構成等については記載されていない。
特許文献5に開示されているラジアスエンドミルは、溝の切削を行ったときの底刃による切屑の排出性を改善するために、円弧刃(コーナR刃)のすくい面にこの切れ刃端から底刃の端部に至るまで円弧刃の切れ刃に沿って連続した凸面を形成したものであるが、コーナR刃を使用して切削加工したときの切屑の排出性を改善するためのエンドミルではない。また、特許文献5に開示されているラジアスエンドミルの切刃の刃数は4枚にしたことが記載されているが、例えば、切刃を6枚以上の多刃にして高速度の切削加工を行う場合に、切刃の構成を如何にするかについては開示されていない。
特許文献6に開示されているラジアスエンドミルは、コーナR刃による切屑の排出性を高めるための溝となるギャッシュの一側のギャッシュ面を、底刃とコーナR刃との両すくい面により構成したものであるが、特許文献5と同様に、切刃を6枚以上の多刃にして高速度の切削加工を行う場合に、ギャッシュの構成を如何にするかについては記載されていない。
特許文献7に開示されているエンドミルは、刃部の直径が6mm以上、外周切れ刃の刃数が8刃以上のソリッドエンドミルについて、チップポケットの面積を、軸直角断面に投影したときの面積Sを規定した発明であるが、インペラー等を高速度で切削加工したときの切屑の排出性を改善するためには、さらに、1刃当たりのチップポケットの体積(容積)も重要な課題になる。特許文献7には、このチップポケットの体積については何ら開示されていない。
本発明の目的は、Ni基超耐熱合金製などの薄肉の部材からなり、湾曲した曲面から構成されるインペラー等の表面を、3軸や5軸のNC工作機械を用いて高速度、かつ高送り、例えば軸方向切込み量を1mm以上とするような仕上げの切削加工を行うことを可能とし、さらに、このような高速度、高送りの切削加工を行っても、発生する切屑を良好に排出することができる多刃のエンドミルを提供することにある。
なお、上記した「多刃」とは、工具本体の外周面に形成された外周刃、この外周刃の一端部に接続され、工具本体の端部外周部に形成されたコーナR刃、コーナR刃の他の端部に接続され、工具本体の端面部の工具軸方向に形成された底刃を1単位の切刃(1枚の刃数)とした場合に、この切刃の刃数(枚数)が6枚以上から構成されたエンドミルを示し、このエンドミルは、いわゆる、ラジアスエンドミルを示すものである。
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係るエンドミルは、外周刃と、前記外周刃に接続されたコーナR刃と、前記コーナR刃に接続された底刃とから構成される切刃の複数枚を備えた切刃部と、前記切刃部の外周面に沿って形成された刃溝を有するエンドミルであって、
前記外周刃は、工具軸の方向に下り傾斜をなすように形成されて該コーナR刃に接続されるとともに、前記下り傾斜の傾斜角度αは5°以上10°以下の範囲とされ、
それぞれの前記切刃のすくい面は、前記底刃のすくい面と、前記底刃のすくい面に接続された前記コーナR刃のすくい面と、前記コーナR刃のすくい面に接続された前記外周刃のすくい面から構成されており、
かつ、隣り合う前記切刃の間に成形された空間部と前記刃溝の空間部とを加えた体積を1刃当たりのチップポケットの体積Vとしたときに、前記体積Vを80mm以上120mm以下の範囲にしたことを特徴とするエンドミル。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエンドミルに係り、前記底刃の逃げ面と該底刃に対して前記エンドミルの回転方向の後側に位置する底刃のすくい面との間に、前記工具軸近傍から前記刃溝方向に該刃溝と連通するように形成されたエンドギャッシュを備え、
前記エンドギャッシュの角度βは、15°以上45°以下の範囲としたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のエンドミルに係り、前記切刃部の先端部側から該切刃部を前記工具軸方向に見たときに、前記底刃と該底刃の逃げ面の前記回転方向の後側の稜線とがなす角度を角度a、前記底刃の逃げ面における回転方向の後側の稜線と該底刃に対し回転方向の後側に位置する底刃とがなす角度を角度bとしたとき、
前記角度bは、前記角度aの1.5倍以上3倍以下の範囲となるように前記底刃が配置されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンドミルに係り、前記外周刃と前記コーナR刃の繋ぎ部における軸直角断面のすくい角を3°以上10°以下の範囲としたことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のエンドミルに係り、前記底刃と、前記コーナR刃と、前記外周刃のそれぞれの接線と直交する方向の断面における逃げ角を、前記底刃、前記コーナR刃、外周刃ごとに一定としたことを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のエンドミルに係り、前記切刃部に形成されている前記切刃の刃長を、前記切刃部の先端部側に向けて該切刃部に形成された前記外周刃の形成開始点における刃径の30%以上60%以下の範囲としたことを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載のエンドミルに係り、前記コーナR刃の曲率半径を前記外周刃の形成開始における刃径の10%以上20%以下の範囲としたことを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載のエンドミルに係り、少なくとも前記切刃部の全表面、又は前記エンドミルの全表面にAlCr系の硬質皮膜が被覆されていることを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載のエンドミルに係り、前記エンドミルは超硬合金からなり、前記切刃を6枚以上30枚以下の範囲で有することを特徴としている。
本発明のエンドミルは、切刃の刃数を6枚〜30枚と多刃としたエンドミルとし、さらに、隣り合う切刃の間に成形された空間部と刃溝の空間部とを加えた体積を1刃当たりのチップポケットの体積Vとしたときに、この体積Vを80mm以上120mm以下の範囲に設定したことにより、湾曲した表面を有するインペラーを、高速度、かつ高送りによる仕上げの切削加工を実施しても、コーナR刃に欠損等の不具合が発生しない多刃エンドミルを提供することができる。
本発明に係るエンドミルについて、その一実施形態を示す平面図である。 図1に示すエンドミルの切刃部について、その構成を説明するための拡大平面図である。 図2に示すエンドミルの切刃部を、エンドミルの工具軸方向から見たときの側面図である。 図2に示すエンドミルの切刃部に形成されている1枚の切刃となる底刃とコーナR刃及び外周刃について、その構成を説明するための平面図である。 外周刃とコーナR刃との繋ぎ部P2における軸直角断面を示す断面図である。 底刃上における接線と直交する方向の断面を示す断面図である。 コーナR刃上の任意の点における接線と直交する方向の断面を示す断面図である。 外周刃上の任意の点における接線と直交する方向の断面を示す断面図である。 本発明に係るエンドミルについて、切刃を10枚形成したエンドミルの切刃部を、工具軸方向から見たときの側面図である。 本発明に係るエンドミルについて、切刃を15枚形成したエンドミルの切刃部を、工具軸方向から見たときの側面図である。 本発明のエンドミルにおいて、チップポケットの位置を説明するためのエンドミルの切刃部の斜視図である。 実験例1による切削加工実験を実施した後の結果を示す写真であって、本発明例と比較例のエンドミルの切刃の状況を示す写真である。 実験例2による切削加工実験を実施した後の結果を示す写真であって、本発明例と比較例のエンドミルの切刃の状況を示す写真である。 刃数を6枚としたエンドミルについて、実験例3による切削加工実験を行ったときに、1刃当たりのチップポケットの体積Vと、エンドギャッシュの角度β、底刃の逃げ面の幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度bとの関係を示す線図と、実験結果を示す図である。 同じく、刃数を8枚としたエンドミルについて、実験例3による切削加工実験を行ったときに、1刃当たりのチップポケットの体積Vと、エンドギャッシュの角度β、底刃の逃げ面の幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度bとの関係を示す線図と、実験結果を示す図である。 同じく、刃数を10枚としたエンドミルについて、実験例3による切削加工実験を行ったときに、1刃当たりのチップポケットの体積Vと、エンドギャッシュの角度β、底刃の逃げ面の幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度bとの関係を示す線図と、実験結果を示す図である。 同じく、刃数を12枚としたエンドミルについて、実験例3による切削加工実験を行ったときに、1刃当たりのチップポケットの体積Vと、エンドギャッシュの角度β、底刃の逃げ面の幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度bとの関係を示す線図と、実験結果を示す図である。 同じく、刃数を15枚としたエンドミルについて、実験例3による切削加工実験を行ったときに、1刃当たりのチップポケットの体積Vと、エンドギャッシュの角度β、底刃の逃げ面の幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度bとの関係を示す線図と、実験結果を示す図である。 同じく、刃数を20枚としたエンドミルについて、実験例3による切削加工実験を行ったときに、1刃当たりのチップポケットの体積Vと、エンドギャッシュの角度β、底刃の逃げ面の幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度bとの関係を示す線図と、実験結果を示す図である。 同じく、刃数を24枚としたエンドミルについて、実験例3による切削加工実験を行ったときに、1刃当たりのチップポケットの体積Vと、エンドギャッシュの角度β、底刃の逃げ面の幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度bとの関係を示す線図と、実験結果を示す図である。 同じく、刃数を30枚としたエンドミルについて、実験例3による切削加工実験を行ったときに、1刃当たりのチップポケットの体積Vと、エンドギャッシュの角度β、底刃の逃げ面の幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度bとの関係を示す線図と、実験結果を示す図である。 実験例3による実験結果を、エンドミルの刃数と1刃当たりのチップポケットの体積Vと対応付けして示した図である。 従来のエンドミルについて、その切刃部に形成されている1枚の切刃となる底刃とコーナR刃及び外周刃について、その構成を示す平面図である。
本発明のエンドミルは、湾曲した曲面から構成されるインペラー等の表面を3軸や5軸のNC工作機械を用いて高速度の切削加工を可能とする多刃のエンドミルについて、さらに高送りの切削加工を行っても、切屑を良好に排出させるための切刃部の構成の改善、例えば、底刃、コーナR刃及び外周刃から構成される各切刃の構造の改善と、隣り合う切刃の間に形成されるギャッシュや刃溝の空間部から構成される1刃当たりのチップポケットの体積の大きさに着目してなされたものである。
以下、本発明に係るエンドミルの実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施形態を示すエンドミル1について、その構成を説明するための図である。図1はエンドミル1の平面図、図2は図1に示すエンドミル1の切刃部3についてその構成を説明するための部分拡大正面図、図3は図2に示す切刃部3を工具軸O方向から見たときの側面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態を示すエンドミル1は、工具軸(回転中心軸)O方向に所定の長さを有する円柱状をなすシャンク部2と、シャンク部2の一方の端部(先端部側1a)に形成した切刃部3を備えている。切刃部3には、図2に示すように、外周刃4と、外周刃4の一方の端部であってシャンク部2の先端部側1aの端部に接続され、略円弧もしくは凸曲線状(R形状)に形状されたコーナR刃5と、コーナR刃5の他方の端部に接続された底刃6とから構成される切刃を1単位(1枚)として、複数枚の切刃が形成されている。コーナR刃5は、切刃部3の先端部側1aの周辺部にR形状をなす切刃として配置されている。また、底刃4は、コーナR刃5の他方の端部に接続されて、工具軸O近傍まで直線状に形成されている。従って、エンドミル1はラジアスエンドミルの一種とみなすことができる。なお、シャンク部2の先端部側1aに対向する側の端部は工作機械に把持される部分になる。
続いて、切刃部3の構成を図2及び図3に基づいて詳細に説明する。外周刃4は、シャンク部2の先端部側1aであって、シャンク部2の外周面上のP1点(図2参照)からシャンク部2の先端部側1a方向に、工具軸Oに対する角度α(図2参照)をなして下り傾斜するように形成されている。以下の説明において、この角度αを外周刃4の「傾斜角度α」と記載する。また、P1点は、外周刃4をエンドミル1(シャンク部2)の外周面から先端部側1a方向に形成した、形成の開始点(以下、「形成開始点」という)になる。以下の説明において、P1点のことを「外周刃の形成開始点」と記載する。
P1点から傾斜角度αで下り傾斜している外周刃4は、図2に示すように、その端部となるP2点においてコーナR刃5に接続されている。従って、P2点は、外周刃4とコーナR刃5とを繋ぐ繋ぎ点(繋ぎ部)となる。コーナR刃5は、エンドミル1の正面視において、繋ぎ部P2から先端部側1a方向に向かって所定の曲率半径(r1)を有するR形状、又は凸状の曲線をなすように形成されている。
外周刃4の切刃となる稜線部は、図2に示すように直線状、もしくは凸形状をなすように形成され、傾斜角度αをなして傾斜して繋ぎ部P2においてコーナR刃5に接続されている。コーナR刃5に接続された底刃6は、先端部側1aにおける外周部近傍から工具軸O方向に向かって、工具軸Oの近傍まで直線状に形成されている。なお、図2に示す4aは外周刃4のすくい面、4bは外周刃4の逃げ面、5aはコーナR刃5のすくい面、5bはコーナR刃5の逃げ面、6aは底刃6のすくい面、7はエンドギャッシュ面、8は刃溝を示している。
本発明に係るエンドミル1は、上記したように、外周刃4と、外周刃4に接続されたコーナR刃5と、コーナR刃5に接続された底刃6とを一つの切刃とし、さらに、これら切刃ごとにすくい面4a、5a、6a及び逃げ面4b、5b、6bを備えている。そして、これら接続された外周刃4とコーナR刃5と底刃6を一つ(1枚)の切刃の単位として、少なくとも6枚、又は6枚以上30枚以下の多刃からなる切刃を備えていることに特徴がある。
本発明のエンドミル1は、上記したように多刃の切刃から構成された切刃部3を備えており、3軸や5軸のNC工作機械を用いて、インペラー等を主としてコーナR刃5を用いて高速度で、かつ高送りで仕上げの切削加工を行っても、コーナR刃5の耐摩耗性の向上とチッピング等の欠損発生の抑制、及び切屑が良好に排出されるように、切刃部3に種々の改善を施したことに特徴がある。
以下、この特徴ある構成について説明する。
この特徴の一つは、コーナR刃5にすくい面5aを設けたことにある。従来、インペラーの切削加工に用いられるエンドミルにおいては、図23に示すように、コーナR刃5にはすくい面を設けることなく、底刃6のすくい面6aを外周刃4のすくい面4aに接続した構成とされていた。このような構成ではインペラー等の切削加工において、主に用いられるコーナR刃の剛性が低くなり、本発明が目的としているような高能率での切削加工を行った場合に、コーナR刃の欠損が発生してしまう。
図3は、本発明に係るエンドミル1を、工具軸O方向からみたときの切刃部3の先端部側1aの構成を示す図であって、エンドミル1に12枚の切刃を設けた例を示している。 また、図3は、外周刃4の逃げ面4b、コーナR刃5、コーナR刃5の逃げ面5b、底刃6、底刃6の逃げ面6b、エンドギャッシュ面7、及び刃溝8の配置を平面図で示している。なお、図3に示す符号「R」は、切削加工を行うときのエンドミル1の回転方向を示す。
図3に示す、12枚の切刃を構成するそれぞれの外周刃4、コーナR刃5、底刃6は、工具軸Oを中心にして等間隔に形成されている。さらに、回転方向Rに対して隣り合う底刃6の逃げ面6bとすくい面6aとの間にはエンドギャッシュ面7が形成されている。なお、底刃6のすくい面6aは、回転方向Rに対して所定の角度ほど後退した平面をなすように形成されているので、図3には図示していない。また、図3においては、エンドギャッシュ面7は工具軸Oの近傍から外周方向に向かってその幅が拡張する平面として示されているが、実際のエンドミル1においては、逃げ面6bの端部から隣り(回転方向Rと逆方向)の底刃6のすくい面6aの下端部に向かって回転方向Rの逆方向に20°〜30°ほど傾斜した平面状に形成されている。
そして、このエンドギャッシュ面7と、底刃6のすくい面6aとにより形成される略V字状の空間部は、切屑を排出するためのギャッシュを形成しており、このギャッシュは刃溝8に連通している。
以下の本発明の説明において、上記したエンドギャッシュ面7と底刃6のすくい面6aとにより形成される略V字状の空間部、すなわち隣り合う切刃の間に成形されている空間部と溝部8の空間部とを加えた空間部のことを、「1刃当たりチップポケット」(CP)と記載する。このチップポケット(CP)は、例えば、図11において斜線で示される略V字状の空間部分を示す。なお、図11では1刃当たりチップポケットの箇所は斜線で示される1ケ所のみ示しているが、1刃当たりのチップポケットに相当する箇所は切刃の刃数ほど存在することになる。
そして、本発明においてその特徴の一つは、この1刃当たりのチップポケット(CP)の体積(V)を、80mm以上120mm以下の範囲に設定していることに特徴がある。
さらに、本発明のエンドミル1が備えている構成上の他の特徴について説明する。
本発明に係るエンドミル1において、外周刃4の傾斜角度α(図2参照)は、5°以上10°以下の範囲に設定することが望ましい。傾斜角度αをこのような角度範囲に設定することが望ましい理由は、次の通りである。
外周刃4の傾斜角度αを5°未満に設定した場合には、湾曲した表面を有しているインペラーを、エンドミル1の工具軸Oを傾けながら3軸又は5軸のNC工作機械で加工する際に、特にインペラー表面の凹部面を切削加工する際には、NC工作機械に把持されたエンドミル1の傾きを制御しながら加工を行うが、エンドミルの傾きによっては外周刃4とインペラーとの干渉が発生して、インペラーの表面部に外周刃4の食い込み(削りすぎ)が生じる可能性が生じる。
一方、傾斜角度αが10°を超えると、エンドミル1の先端部側1aにおける切刃部3の径が小さくなるので、コーナR刃5、底刃6等の切刃の長さが短くなる。これにより、これら切刃の刃先強度が低下し、さらに、前記した1刃当たりのチップポケット(CP)の体積が小さくなるので、高速度で高送りの切削加工を行った場合には、切屑詰まりが発生して、切刃のチッピングや切屑の噛み込みが発生する危険性が生じる。よって、外周刃4の傾斜角度αは、5°以上10°以下の範囲に設定することが望ましい。
上記したように、外周刃4は、工具軸Oに対してエンドミル1の先端部側1a方向に向かって、下り傾斜する傾斜角度αを5°以上10°以下の範囲に設定しているので、図2に示すように、外周刃4とコーナR刃5との繋ぎ部P2における刃径L2は、外周刃4の形成開始点P1における刃径L1より小さくなっている。
続いて、本発明のエンドミル1の特徴の一つであって、底刃6のすくい面6aと、コーナR刃5のすくい面5aと、外周刃4のすくい面4aとの位置関係を、図4を参照して説明する。
図4は、図2に示す切刃部3に形成されている1枚の切刃を構成する外周刃4とコーナR刃5と底刃6について、その位置関係を説明するための平面図である。なお、他の切刃を構成する外周刃4とコーナR刃5及び底刃6の位置関係も、図4に示すようになる。
図4に示すように、底刃6には、その切刃稜線が回転方向Rに向かう面には、工具軸O近傍から外周刃4方向に向かって底刃6のすくい面6aが形成されている。底刃6のすくい面6aは平面状に形成されているとともに、前記したように、回転方向Rに対して所定の角度ほど後退した平面状をなすように形成しているので、前記したチップポケット(CP)の体積を大きくすることができる。
コーナR刃5の切刃稜線が回転方向Rに向く面には、緩やかな凸状の曲面をなすコーナR刃5のすくい面5aが形成されている。凸状の曲面をなすコーナR刃5のすくい面5aは、コーナR刃5の切刃稜線に向けて若干下り傾斜をなすように湾曲させて形成されている。また、底刃6のすくい面6aの外周刃4側の端部の一部は、このコーナR刃5のすくい面5aに接続している。このように凸状の曲面をなしているすくい面5aを備えたコーナR刃5は、図23に示すコーナR刃5にすくい面を設けていない従来のエンドミルと比較して、刃先強度が向上するのでコーナR刃5の摩耗やチッピング発生を抑制することができるようになる。
さらに、外周刃4の切刃稜線が回転方向Rに向く面には、外周刃4のすくい面4aを形成している。このすくい面4aは、緩やかな凸状の曲面をなすように形成することが望ましい。図4に示すように、外周刃4のすくい面4aの底刃6側の端部は、コーナR刃5のすくい面5aに接続しているとともに、工具軸O側の端部は底刃6のすくい面6aに接続した構成にし、さらに、外周刃4のすくい面4aは、外周刃4の形成開始部P1を超えてシャンク部2の外周部まで形成している。そして、シャンク部2の外周部まで形成した外周刃4のすくい面4aは、刃溝8を形成する刃溝面に接続している。図4に示す符号「9」は、底刃6のすくい面6aとエンドギャッシュ面7(図2参照)との境界線を示している。境界線9は、工具軸O近傍から外周方向に向かって所定の角度ほど下り傾斜するように形成されている。
前記したように、エンドギャッシュ面7と底刃6のすくい面6aとの間に略V字状の空間部が形成され、この略V字状の空間部と刃溝8の空間部とは、切屑を円滑に排出するためのチップポケット(CP)を形成している。さらに、境界線9は、工具軸O近傍から外周方向に向かって所定の角度ほど下り傾斜するように底刃6のすくい面6aを形成しているので、1刃当たりのチップポケット(CP)の体積(V)を大きくする効果を奏している。
本発明のエンドミルにおいては、上記したように、底刃6のすくい面6aは平面状をなすように形成され、コーナR刃5のすくい面5a及び外周刃4のすくい面4aは緩やかな凸状の曲面をなすように形成するとともに、平面視において、コーナR刃5のすくい面5aと外周刃4のすくい面4aは、底刃6のすくい面6aに対して低くなるように段差部10を介してすくい面6aと接続する構成とすることが重要である。
このような構成に対して、コーナR刃5のすくい面5aと外周刃4のすくい面4aが、底刃6のすくい面6aより高くなるように形成すると、コーナR刃5もしくは底刃6にて切削した切屑の流れは底刃6のすくい面6a側へ向かっていき、工具軸O近傍に切屑が集まり、切屑の噛み込み、切刃のチッピングを発生させてしまう。従って、上記したように、平面視においてコーナR刃5のすくい面5aと外周刃4のすくい面4aは、底刃6のすくい面6aより低くなるようにすくい面6aの端部から段差部10を介して設けることにより、切屑がチップポケット(CP)から刃溝8方向への排出の流れが極めてスムーズになるという効果を得ることができる。
なお、上記したように、底刃6のすくい面6aとエンドギャッシュ面7とがなす略V字形状の空間部は、工具軸Oの近傍から切刃部3の外周方向に形成されたギャッシュ(エンドギャッシュ)を構成する。本発明に係るエンドミル1においては、このエンドギャッシュの角度β、すなわち、図4に示す切刃部3の先端部側1aが工具軸Oと直交する直線と、上記した底刃6のすくい面6aとエンドギャッシュ面7との境界線9とがなす角度β(エンドギャッシュの角度β)を、15°以上45°以下の範囲に設定することが望ましい。
本発明に係るエンドミル1の特徴の一つとして、上記したエンドギャッシュの角度βを15°以上45°以下の範囲に設定することが望ましい理由は、次の通りである。
従来からNi基超耐熱合金の切削加工においては、一般に刃数が4枚以下のエンドミルが用いられていた。このため、切削加工中の切屑の排出性などは余り問題視されていなかった。しかし、エンドミルの刃数を6枚以上にして、送り速度を早くした場合、刃数の増加に伴って切屑を貯めるチップポケットの体積(容積)が小さくなるので、切屑詰りを起こすといった不具合が生じる。特に、インペラーの仕上げ加工においては、エンドミルの工具軸Oを傾けて切削加工を行うため、切削加工の箇所においては切屑が底刃6の工具軸O近傍に溜まることが考えられる。
このため、上記したインペラーの仕上げ切削加工において、エンドギャッシュの角度βを15°未満に設定した場合には、チップポケットの体積が小さくなり、エンドミルの工具軸O近傍に流れた切屑が噛み込みを起こして、切刃のチッピングが発生する可能性が生じるため、エンドギャッシュの角度βは15°以上に設定することが望ましい。
また、エンドギャッシュの角度βが45°を超えた場合には、チップポケットの体積は十分に確保できるが、コーナR刃5の強度が不足する。そのため、高速加工した場合の切削抵抗に耐えきれずにコーナR刃5にチッピングが発生するために、エンドギャッシュの角度βは45°以下に設定することが望ましい。よって、エンドギャッシュの角度βを15°以上45°以下の範囲に設定することが望ましい。
続いて、さらに本発明に係るエンドミル1が備えている他の特徴を、図3を参照して説明する。
図3に示すように、エンドミル1を切刃部3の先端部側1aから工具軸O方向に見たときに、面視で、底刃6と、この底刃6の回転方向Rの後側における逃げ面6bの稜線(エンドギャッシュ面7との境界線)とがなす角度を角度aとし、底刃6の逃げ面6bにおける回転方向Rの後側の稜線とこの底刃に対し回転方向Rの後側であって次に(隣り)位置する底刃6とがなす角度を角度bとしたとき、角度bは角度aの1.5倍以上3倍以下の範囲となるように、各底刃6とその逃げ面6bを形成して配置することが望ましい。
なお、上記した角度aは、底刃6の工具軸Oからの逃げ面6bの平面視における幅の角度(以下、「底刃6の逃げ面6bの幅の角度」と記載する場合がある)を示し、上記角度bは、前記したエンドギャッシュの工具軸Oからの開き角度(以下、「ギャッシュの開き角度b」と記載する場合がある)を示すことになる。例えば、本発明に係るエンドミルにおいて、刃径が30mm、切刃の枚数を10とした場合、角度a、及び角度bは、それぞれ12°、24°程度に設定するようにする。
上記した角度bを、角度aの1.5倍以上3倍以下に設定することが望ましい理由は、次の通りである。
角度bを角度aの1.5倍未満に設定した場合には、各切刃の刃先剛性を向上させることができるが、切込みや送り速度を上げた高能率加工を実施した際には、チップポケットが小さくなる、すなわち、底刃6の逃げ面6bの幅の角度bが小さくなるので、切屑の噛み込みを発生させる可能性が生じる。このため、角度bは角度aの1.5倍以上であることが望ましい。
また、角度bが角度aの3倍を超えた場合には、底刃6やコーナR刃5の刃先強度が不足して、特に、主切刃となるコーナR刃5にチッピングが発生する可能性が生じるため、角度bは角度aの3倍以下に設定することが望ましい。よって、角度bを、角度aの2倍以上5倍以下に設定することが望ましい。
続いて、さらに本発明のエンドミルが備えている他の特徴を、図5を参照して説明する。図5は、外周刃4とコーナR刃5との繋ぎ部P2における軸直角断面(図4に示すC−C線断面)を示している。なお、軸直角断面とは、工具軸Oに垂直な方向に切断したときの断面を示す。図5において、P2sは繋ぎ部P2におけるすくい角の角度、P2nは繋ぎ部P2における逃げ角の角度を示している。本発明のエンドミルにおいては、この繋ぎ部P2における軸直角断面のすくい角P2sを3°以上10°以下の範囲となるように設定することが望ましい。
繋ぎ部P2における軸直角断面のすくい角P2sを3°以上10°以下の範囲となるように設定することが望ましい理由は、次の通りである。
一般に、Ni基超耐熱合金を切削加工する場合には、前記したように溶着が大きな問題になるため、仕上げ加工において主切刃となるコーナR刃については、切れ味を重視した切刃の形状(刃形)を採用することが実施されている。繋ぎ部P2における軸直角断面のすくい角P2sを3°未満にした場合には、切れ味不足により切刃の刃先に溶着が発生し、次のコーナR刃5で被削材を切削加工した際に噛み込みを起こすためチッピングが多く発生していた。また、Ni基超耐熱合金は加工硬化しやすく、繋ぎ部P2にて切削する際に被削材に高いせん断応力が作用するため、被削材はより加工硬化を起こし易くなってしまう。このため、切れ味不足であると切削抵抗が過大になりチッピングを起こすため、すくい角P2sを3°以上に設定することが望ましい。また、すくい角P2sが10°を超えると、切れ味は十分であるが、刃先の強度が不足してチッピングが発生しやすくなるため、すくい角P2sは10°以下に設定することが望ましい。よって、繋ぎ部P2における軸直角断面のすくい角P2sは、3°以上10°以下の範囲に設定することが望ましい。
続いて、さらに本発明のエンドミルが備えている他の特徴について説明する。この特徴は、底刃6、コーナR刃5、及び外周刃4上の任意の点におけるそれぞれの接線と直交する方向の断面(刃直断面)における逃げ角を、底刃6、コーナR刃5、外周刃4ごとに一定となるように設定することが望ましいことである。上記した刃直断面とは、それぞれの切刃上の任意の点において、この任意の点を通る接線を引いたときに、その接線と垂直となる方向に切断したときの断面を示すものとして定義したものである。
図6は、底刃6上における接線と直交する方向の断面(図4に示すA−A線断面)における底刃6の逃げ角6nを示しており、図7はコーナR刃5上の任意の点における接線と直交する方向の断面(図4に示すB−B線断面)におけるコーナ刃5の逃げ角5nとすくい角5sを示しており、さらに、図8は外周刃4上の任意の点における接線と直交する方向の断面(図4に示すD−D線断面)における外周刃4の逃げ角4nとすくい角4sを示している。本発明に係るエンドミル1においては、これら逃げ角4n、5n、6nの値をそれぞれ一定に設定している。例えば、逃げ角4n、5n、6nは、全て同一の6°に設定する。
上記した逃げ角に係る特徴、すなわち、外周刃4、コーナR刃5及び底刃6上の任意の点におけるそれぞれの接線と直交する方向の断面(刃直断面)における逃げ角を、全て一定となるように設定する理由は、次の通りである。
インペラーの仕上げ加工を3軸又は5軸のNC工作機械で行う場合には、エンドミルの工具軸Oや被削材が同時に動くようにNCプログラムにより制御して加工効率の向上をるために、コーナR刃5を主切刃として、底刃6や外周刃4も使用される。その際に、底刃6とコーナR刃5の繋ぎ部、また、コーナR刃5と外周刃4の逃げ角が変化していると、そこに段差が生じて、被削材の仕上げ面に悪影響を及ぼすことが考えられる。このため、外周刃4、コーナR刃5、底刃6の刃直断面の逃げ角4n、5n、6nを、全て一定にしておくことが望ましいからである。
続いて、さらに本発明のエンドミルが備えている他の特徴について説明する。この特徴は、図2(図1)に示すエンドミル1の切刃部3の先端部側1aから、回転軸O方向へ形成されている切刃の長さ、すなわち、切刃部3の先端部側1aから外周刃4の形成開始点P1までの回転軸O方向に対する長さL3、すなわち、刃長L3を、外周刃4の形成開始点P1におけるエンドミル1の刃径L1の30%以上60%以下の範囲に設定することが望ましいことにある。
上記した特徴において、刃長L3を、外周刃4の形成開始点P1における刃径L1の30%以上60%以下に設定することが望ましい理由は、次の通りである。
湾曲した表面を有するインペラーを3軸又は5軸のNC加工機により仕上げ加工を行う場合には、エンドミル1の工具軸Oや被削材を同時に動かすNC制御を行うため、外周刃4に被削材と干渉する部分が発生する危険性が生じる。また、インペラーの仕上げ加工においては、主にエンドミル1のコーナR刃5を使用する切削加工となるので、刃長L3が外周刃4の形成開始点P1における刃径L1の30%未満であると、刃長L3の長さが短くなるので、切刃が形成されていないシャンク部2が被削材と干渉を起こす場合がある。このため、刃長L3は外周刃4の形成開始点P1における刃径L1の30%以上に設定することが望ましい。
一方、刃長L3が外周刃4の形成開始点P1における刃径L1の60%を超えると、シャンク部2と比較して、エンドギャッシュやこのエンドギャッシュと連通する刃溝8等を形成している切刃部3は空間部が大きくなるので、切刃部3の剛性が低くなり、高速の切削加工を行うとビビリが発生するという不具合が生じる。このため、刃長L3は外周刃4の形成開始点P1における刃径の60%以下に設定することが望ましい。
続いて、さらに本発明のエンドミルが備えている他の特徴について説明する。この特徴は、コーナR刃5のR形状部の曲率半径r1(図4参照)を、外周刃4の形成開始点P1におけるエンドミルの刃径L1の10%以上20%以下の範囲に設定することが望ましいことにある。コーナR刃5の曲率半径r1の範囲を、このように設定することが望ましい理由は、次の通りである。
インペラーを3軸又は5軸のNC工作機械により仕上げの切削加工を行う場合には、主にコーナR刃5を使用することになるが、さらに、高能率、すなわち、高速度で高送りの切削加工を行うためにはコーナR刃5の刃先強度が課題となる。コーナR刃の曲率半径r1を大きくしたほうが、刃先強度が高く、さらに、高い切込みでの切削加工が可能となる。コーナR刃の曲率半径r1が、外周刃4の形成開始点P1におけるエンドミルの刃径L1の10%未満に設定すると、高い切込みでの加工を実施した際には、刃先強度が不足するためにコーナR刃5にチッピングを発生させてしまう。
一方、曲率半径r1が外周刃4の形成開始点P1におけるエンドミルの刃径L1の20%を超えた場合には、コーナR刃5のR形状が大きくなり過ぎる。このため、被削材を切削するときにコーナR刃5が被削材と接触する切刃の長さが大きくなって切削抵抗が増大して、切刃にチッピングを起こしてしまう。よって、コーナR刃5のR形状部の曲率半径r1は、外周刃4の形成開始点P1におけるエンドミルの刃径L1の10%以上20%以下の範囲に設定することが望ましい。
本発明のエンドミルは、切刃を少なくとも6枚備え、この多刃のエンドミルにより3軸又は5軸のNC工作機により、湾曲した表面を有するインペラーを高速度で、かつ高送りで切削加工するためのエンドミルである。また、この切刃の枚数の上限は、刃径L1が30mmとしたエンドミルでは、30枚程度にすることが望ましい。
本発明のエンドミルにおいて、切刃の枚数を6枚以上30枚以下の範囲に設定することが望ましい理由は、次の通りである。
エンドミルを用いて、インペラーに高能率加工を実施するためには送り速度を上げるか、切込み量を上げた高送り加工を行う必要がある。そこで、送り速度を上げるためには、1刃当りの送り量fz[mm/t]を上げるか、切削速度Vc[m/min]を上げる必要がある。しかし、インコネル718(「インコネル」はSpecial Metals Corporation社の登録商標)のようなNi基の超耐熱合金の切削加工を行う場合、切削時に発生する温度上昇が問題となる。この切削温度は主軸の回転数(工具の切削速度)が速くなるほど高くなり、切削温度の上昇は工具表面のコーティング膜にダメージを与え、工具の寿命時間も短くなるため、それほど切削速度を上げることが出来ない (Vc=80m/分程度が限界)。
また、1刃送り量fzを上げすぎると工具刃先に掛かる負担が大きくなるため、1刃送り量fzをあまり大きくすることができない。よって、高能率加工を実現させるためには切刃の刃数を増やす必要が有り、少なくとも6枚以上の刃数を有するエンドミルを使用しないと、従来の2枚刃、あるいは4枚刃のエンドミルと比較して、高能率加工を実施することは難しい。また、刃数が30枚を超えるような多刃のエンドミルを使用する場合には、チップポケットが小さくなり過ぎるため、切屑が工具軸O付近やエンドギャッシュ内に詰まり易くなり、この詰まった切屑を噛み込んで切刃にチッピングが発生してしまう。以上のことから、本発明のエンドミルにおいては、切刃の刃数は少なくとも6枚以上とし、その上限は30枚以下にすることが望ましい。
図9は、本発明に係るエンドミルについて、切刃を10枚設けた、いわゆる10枚刃のエンドミル11としたときに、工具軸O方向からみた切刃部3の構成を示す側面図、図10は同じく15枚刃のエンドミル12としたときに、工具軸O方向からみた切刃部3の構成を示す側面図である。これらエンドミル11、12においても、各切刃は工具軸Oを中心にして配置されている。
続いて、本発明に係るエンドミル1の製造方法の概要について説明する。エンドミル1は、WC(炭化タングステン)を主成分とした超硬合金の粉末から、公知の粉末成形により製造されたソリッド型のエンドミルである。なお、粉末成形により成形されたエンドミル1の成形体は、焼結炉内に装入して所定の温度に加熱する焼結処理を行う。焼結処理が完了したエンドミル1の成形体は、その切刃部3に所定の数の切刃、すなわち、外周刃4、コーナR刃5、底刃6と、それぞれの切刃のすくい面4a、5a、6a、逃げ面4b、5b、6b、及びギャッシュ面7、刃溝8部を、ダイヤモンド砥石等を用いた研削加工装置により形成する。
研削加工装置により切刃部3に外周刃4、コーナR刃5、底刃6等の加工処理が完了したエンドミル1には、少なくとも切刃部3の全表面に、厚さ3μm程度の硬質皮膜(コーティング膜)を、例えば、PVD法により被覆する。本発明に係るエンドミル1に施す硬質皮膜としては、AlCr系の皮膜が適している。この理由は次の通りである。
一般に、Ni基耐熱合金からなる被削材を切削加工するときには、切屑の切刃への溶着等が大きな問題になる。切削加工により発生した切屑が切刃等に溶着しないようにするためには、できるだけ摩擦係数の低いコーティング膜を切刃等に被覆する必要がある。また、Ni基耐熱合金を切削加工した場合には、通常の合金鋼より高い切削熱が発生するために、耐熱性に優れたコーティング膜を被覆する必要がある。さらに、インペラーの切削加工は断続切削であるため、衝撃に強いコーティング膜を被覆する必要がある。
エンドミル等の切削工具へ施すコーティング膜としては、従来からTiAl系のコーティング膜が採用されているが、TiAl系のコーティング膜は耐熱性が低く、摩耗係数も高いため、安定性に乏しく、耐熱性は問題ないが摩擦係数が高いため切屑が溶着しやすいという問題点があった。一方、AlCr系のコーティング膜は耐熱性もあり、摩擦係数も低いため、安定した切削加工が可能になる。このため、本発明に係るエンドミル1には、少なくとも切刃部3の全表面にAlCr系のコーティング膜、例えば、Al−Cr−Si−Nからなるコーティング膜を厚さ3μm程度被覆するとよい。
[実験例]
続いて、本発明に係る超硬合金製のエンドミルを試作して、被削材について切削加工を実施し、加工後のエンドミルの切刃の摩耗やチッピングの発生状況を確認する観察する切削加工実験を行った。以下、この切削加工の実験例1〜実験例3について説明する。
(実験例1)
前記したように、本発明に係るエンドミルの特徴の一つとして、コーナR刃5に凸状の曲面をなすすくい面5aを設けたことにある。実験例1では、コーナR刃5にすくい面5aを設けた本発明例(本発明例1)のエンドミルを試作して、Ni基耐熱合金であるインコネル718(「インコネル」はSpecial Metals Corporation社の登録商標)のブロック材(時効処理済)を傾斜角度が10°になるように縦型3軸マシニングセンタに取り付けて、このブロック材の傾斜面(傾斜角10°)について引上げ加工を行った。そして、切削加工距離の累計が45mに達したときに、切刃の摩耗状況を目視で観察した。
なお、前記したように、本発明例1において、コーナR刃5のすくい面5a及び外周刃4のすくい面4aは、緩やかな凸状の曲面をなすように形成し、さらに、平面視において、コーナR刃5のすくい面5aと外周刃4のすくい面4aは、底刃6のすくい面6aに対して低くなるように段差部10を介してすくい面6aと接続した構成とした(図4参照)。また、本発明例のエンドミルと比較するために、図23に示すようにコーナR刃5にすくい面を設けないで、外周刃4のすくい面6aをコーナR刃5のすくい面とした超硬合金製のエンドミル(比較例1)を試作した。
実験例1を実施するために試作した本発明例1と比較例1のエンドミルの寸法は、工具軸O方向の全長を125mm、刃径(図2に示すL2)を19mm、シャンク径(図2に示すL1)を20mmと同一にした。また、試作した本発明例1と比較例1のエンドミルの切刃部の全表面に、Al−Cr−Si−Nからなる厚さ3μmのコーティング膜をPVDにより被覆した。試作した本発明例1と比較例1に係るエンドミルの寸法とコーティング膜以外の仕様を表1に示す。なお、表1に示す溝長hとは、図4に示すように、切刃部3の先端部側1aから刃溝8の端部までの長さ、すなわち、工具軸Oと平行する直線の長さを示し、各刃溝8についてこの溝長hは同一になる。
Figure 2012157957
















縦型3軸マシニングセンタを用いた被削材の切削加工において、設定した切削条件は、本発明例1及び比較例1に係るエンドミルともに、次の通りとした。
・切削速度(Vc) :80m/min
・送り速度(Vf) :1880mm/min
・軸方向切込み量(ap) :1.0mm
・径方向切込み量(ae) :1.8mm
・工具突き出し量 :60mm
・切削加工時の冷却方法 :水溶性クーラント液を外部から供給
実験例1による切削加工実験の結果を図12に示す。図12は、本発明例1と比較例1のコーナR刃の逃げ面とすくい面(比較例1のすくい面は外周刃のすくい面になる)の摩耗状況を示す写真である。
図12から明らかなように、コーナR刃にすくい面を設けた本発明例1においては、コーナR刃の逃げ面及びすくい面の平均摩耗幅(VB値)は0.056mmであり、加工精度に影響を与える摩耗は認められなかった。一方、比較例1のエンドミルにおいては、図12に示すようにコーナR刃の逃げ面にチッピングの発生が認められた。実験例1による結果から、エンドミルのコーナR刃にすくい面を形成すると、被削材の切れ味が向上し、かつ、チッピングの発生を抑制できることが確認できた。
(実験例2)
続いて、刃数と、底刃の逃げ面の幅の角度aと、エンドギャッシュの開き角度bが異なる、すなわち、1刃当たりのチップポケットの体積Vが異なる本発明例2と比較例2に係る超硬合金製のエンドミルを試作した。そして、試作したエンドミルを縦型3軸マシニングセンタに取り付けて切削加工を行い、切刃の摩耗状況とチッピングの発生状況を確認する切削加工実験を行った。この実験例2に用いた本発明例2と比較例2に係るエンドミルの仕様を表2に示す。なお、比較例2は前記した特許文献4に開示されている多刃エンドミルに類似した切刃構成を有しているエンドミルである。
表2に示すように、本発明例2のエンドミルについては、切刃の刃数は12枚、1刃当たりのチップポケットの体積Vは90mmになるように設定した。一方、比較例2については、特許文献4の図4に開示されている多刃エンドミルに類似した切刃構成としたため、切刃の刃数は15枚と本発明例2より多く、また、1刃当たりのチップポケットの体積Vは、本発明例2より少ない60mmであった。なお、このチップポケットの体積Vは、エンドミルごとに、主として上記した角度aと角度bの値を変えることにより変化させることができる。チップポケットの体積Vの求め方については後述する。
Figure 2012157957















実験例2に用いた被削材は、実験例1と同様に、Ni基超耐熱合金のブロック材(時効処理済)を傾斜角度が10°になるように縦型3軸マシニングセンタに取り付けて、このブロック材の傾斜面(傾斜角10°)の引上げ加工を行った。そして、本発明例2については切削加工距離の累計が5.5mに達したときに、比較例2については切削加工距離の累計が4mに達したときに、切刃の摩耗状況等を観察した。なお、縦型3軸マシニングセンタを用いた被削材の切削加工において、設定した切削条件は、本発明例2の送り速度は1608mm/min、比較例2の送り速度を2010mm/minに設定した以外は、実験例1と同じ条件に設定した。
実験例2において、比較例2の送り速度を本発明例2よりも高く設定した理由は、比較例2のエンドミルの刃数は15枚と本発明例2より多く設定したので、比較例2の送り速度を本発明例2よりも高く設定した切削加工を行ったときの切刃の摩耗状況を観察するためである。
実験例2に用いたエンドミルの寸法は、本発明例2と比較例2について、全長が125mm、刃径(図2に示すL2)が19mm、シャンク径(図2に示すL1)が20mmと実験例1と同一にし、コーティング膜も前記した実験例1と同一にした。
実験例2による切削加工実験の結果を図13に示す。図13は、コーナR刃の逃げ面とすくい面の摩耗状況を示す写真である。
図13から明らかなように、コーナR刃にすくい面を設け、さらに、1刃当たりのチップポケットの体積Vを100mmと従来例2より多く設定した本発明例2は、コーナR刃のすくい面は安定した摩耗状態を示していた。また、比較例2のエンドミルは、図13に示すようにコーナR刃のすくい面と逃げ面には、切屑の噛み込みが原因と考えられる欠損の発生が認められた。
上記した実験例2の結果から、次のことが判明した。
従来品の多刃エンドミルに類似した構成とした比較例2は、刃数を15枚と本発明例2より多く、さらに、1刃当たりのチップポケットの体積Vも本発明例2より大きく設定して、本発明例2により高い高速度の切削加工を行ったことが原因と推定される、切屑の噛み込みと考えられる欠損が発生した。比較例2において、このような欠損の発生は、下記の1)及び2)に記載した事項よるものと推測することができる。
1)通常、エンドミルの1刃の切削負荷が同等となるように、本発明例2と比較例2について、1刃当たりの軸方向切込み量(ap)を同一とした場合に、刃数を増やすとさらに送り速度を上げて加工することが理論上は可能となる。しかし、実験例2においては、比較例2のエンドミルのエンドギャッシュの角度βを7°と、本発明例2より非常に小さい値に設定したためチップポケットの体積が小さくなった。このため、比較例2においては、加工の際に発生した切屑が溜まり易く、切屑が外周側へ排出される前に、切屑の噛み込みが発生して、コーナR刃にチッピング等の欠損が発生したものと推測される。
2)上記1)から、多刃のエンドミルにおいて、その刃数に応じて、底刃の逃げ面の幅の角度aとエンドギャッシュの開き角度b、及びエンドギャッシュの角度βの値を適切に設定して1刃当たりのチップポケットの体積Vを適切に設定したエンドミルすることにより、高速度及び高送りの切削加工を行っても、コーナR刃にチッピングや欠損が発生することを抑制して安定した切削加工が可能になると推測することができた。
(実験例3)
実験例2による切削加工の結果に基づいて、多刃エンドミルについてその刃数ごとに、1刃当たりのチップポケットの体積Vを変化させたときに、切削加工に与える影響について確認する実験(実験例3)を行った。
実験例3を実施するために、工具軸O方向の全長が125mm、外周刃4とコーナR刃5との繋ぎ部P2における刃径L2を30mmとした超硬合金製であって、刃数を6枚、8枚、10枚、12枚、15枚、20枚、24枚、30枚を有する8種のエンドミルを試作した。この試作に当たっては、各刃数のエンドミルについて、1刃当りのチップポケットの体積V(mm)が、それぞれ60mm、70mm、80mm、90mm、100mm、110mm、120mm、130mm、140mmの9種なるように設定するとともに、この9種の体積Vを決定するためのエンドミルの仕様(パラメータ)となるエンドギャッシュの角度β、底刃6の逃げ面6aの幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度a等を決定した。
上記した9種の体積Vを決定するためのエンドミルの仕様(パラメータ)となる、エンドギャッシュの角度β、底刃6の逃げ面6aの幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度a等は、3次元CADソフトウエアを使用して求めた。このパラメータを求める方法は、次の手順を採用した。
1)まず、刃数nを有するエンドミルについて、一当たりのチップポケットの体積(V)を求める計算式(Vp)を作成した。そして、この体積(V)を求める計算式(Vp)をプログラム化して、3次元CADシステムを利用して体積(V)を求めることができるようにした。
2)3次元CADソフトウエアを使用して、刃数nと上記した9種の体積Vの何れかを入力すると、上記したパラメータである角度β、角度a、角度bが対話式で求めることができるようにした。そして、体積刃数ごとに対話方式で求めた数組のパラメータの組み合わせについて、製造時の製造可能性等を評価して上記した体積Vごとに、試作するための上記したパラメータの値を決定した。
なお、エンドミルを試作するための仕様のうち、コーナR刃5の曲率半径r1は2mm、溝長h(図4参照)は8mmと一定値に設定した。さらに、試作したエンドミルの切刃部の全表面にはAl−Cr−Si−Nからなるコーティング膜を厚さ3μmほど被覆した。
このエンドミルの試作においてその刃数は、NC制御の研削加工装置により、刃数ごとにダイヤモンド砥石による研削加工を実施して刃数を決める加工と、刃溝8を形成する加工と、さらに、エンドギャッシュの角度β、底刃6の逃げ面6aの幅の角度a、エンドギャッシュの開き角度aを決める加工を行った。そして、刃数ごとに、体積Vを含むパラメータを変えた9種のエンドミルを製作した。
なお、実験例3の実施に先立って、1刃当りのチップポケットの体積Vを下記の簡易計算式(Vp)を作成してプログラム化し、3次元CADシステムを用いて体積Vを算出した。
Figure 2012157957













上記した1刃当りのチップポケットの体積Vを算出する計算式(Vp)において、右辺の左側に示す[(L23×π×tanβ×β×b)/720×n×(a+b)]は、底刃6のすくい面6a、エンドギャッシュ面7にて構成される空間部の体積を簡易的に求める計算式を示し、同じく右側に示す[(π×L2×r1×h)/3×n×(a+b)]は、刃溝8の体積を簡易的に求める計算式を示している。
この実施例3に切削加工実験を行ったときの切削条件は下記のようにした。
・切削速度 :80m/min
・軸方向切込み量 :1.5mm
・径方向切込み量 :2.7mm
・送り速度 :1019mm/min
なお、実施例3においては、被削材を50m切削加工したときに、エンドミルの各切刃について異常発生の有無について、目視で観察した。
図14〜図21は、上記した刃数が6〜30枚の8種のエンドミルについて、その刃数ごとに、9種の1刃当りのチップポケットの体積V(mm)を横軸(X軸)に、角度(度)を縦軸(Y軸)にして、試作したエンドミルのエンドギャッシュの角度β、底刃6の逃げ面6aの幅の角度a、及びエンドギャッシュの開き角度aの各値を、チップポケットの体積Vと対応付けしてグラフ表示したものである。また、図14〜図21の上方部には、この実験例3を実施した結果の状況となる、コーナR刃5への欠損発生の有無を表示している。
さらに、図22は、この実験例3を実施した結果を纏めて表示した図であって、コーナR刃5への欠損発生の有無を、刃数と1刃当りのチップポケットの体積Vとを関連付けして表示している。図22において、「○」印はコーナR刃5に欠損が発生しなくて安定した切削加工を実施することができた場合、「×」印はコーナR刃5にチッピングあるいは欠損等の不具合が発生した場合を示している。
実験例3による切削加工の実験結果から下記の事項1)〜4)が明らかになった。
1)図23から明らかなように、刃数を6枚〜30枚と多刃にしたエンドミルにおいて、1刃当りのチップポケットの体積Vを80mm、90mm、100mm、110mm、120mmに設定した場合には、コーナR刃には欠損等の不具合が発生することなく、安定した切削加工ができた。
これに対して、刃数が6枚〜20枚で、1刃当たりのチップポケットの体積Vを60mm、70mmと少なめに設定した場合には、コーナR刃に欠損等の不具合が発生した。この原因はチップポケットの体積Vが60mm、70mmと少なく設定したために、切屑詰まりが生じて欠損等が発生したためと推測される。
また、刃数が10枚〜30枚で、チップポケットの体積Vを130mm、140mmと大きく設定した場合にも、コーナR刃に欠損等の不具合が発生した。この原因はチップポケットの体積Vを130mm、140mmと大きく設定したために、コーナR刃の剛性(刃先強度)が低下したためにコーナR刃に欠損等の不具合が発生したと推測される。
2)上記(1)に記載の実験例3の結果から、刃数を6枚〜30枚有するエンドミルにおいては、チップポケットの体積Vは80mm以上120mm以下の範囲に設定することが望ましいと言える。
3)図14〜21に示す実験結果等から、チップポケットの体積Vは80mm以上120mm以下の範囲に設定し、さらにエンドギャッシュの角度を15°〜45°程度の範囲に設定すると、コーナR刃に欠損等の不具合が発生しない。
4)図14〜21に示す実験結果等から、チップポケットの体積Vは80mm以上120mm以下の範囲に設定し、エンドギャッシュの角度βを15°〜45°の範囲に設定し、さらに、(エンドギャッシュの開き角度b)/(底刃の逃げ面の幅の角度a)、すなわち、角度b/角度aを1.5〜3の範囲に設定すると、コーナR刃に欠損等の不具合が発生しない。
実験例3で試作して切削加工を行った多刃エンドミルの刃径(L2)は30mmとしたが、刃径L2が18mm〜28mmであって上記した各種の仕様(パラメータ)を設定した多刃エンドミルについても、上記した実験例3と同等の実験結果が得られると推測することができる。
従って、湾曲した表面を有するインペラーを高速度で、かつ高送りで仕上げ加工を実施するために3軸又は5軸制御の工作機械に装着する多刃エンドミルについて、その刃数を6枚〜30枚の範囲にし、刃径L2を18mm〜28mmとした場合には、このエンドミルには1刃当たりのチップポケットの体積Vを、80mm以上120mm以下の範囲に設定することが望ましいと言える。
さらに、エンドギャッシュの角度βは15°〜45°の範囲に設定し、(エンドギャッシュの開き角度b)/(底刃の逃げ面の幅の角度a)は1.5〜3の範囲に設定することが望ましいと言える。
1:エンドミル、1a:エンドミル(切刃部3)の先端部側
2:シャンク部
3:切刃部
4:外周刃、4a:外周刃のすくい面、4b:外周刃の逃げ面、
4n:外周刃の刃直断面における逃げ角、4s:外周刃の刃直断面におけるすくい角
5:コーナR刃、5a:コーナR刃のすくい面、5b:コーナR刃の逃げ面、
5n:コーナR刃の刃直断面における逃げ角、
5s:コーナR刃の刃直断面におけるすくい角
6:底刃、6a:底刃のすくい面、6b:底刃の逃げ面、
6n:底刃の刃直断面における逃げ角
7:エンドギャッシュ面
8:刃溝
9:底刃のすくい面とエンドギャッシュ面との境界線
10:段差部
11:エンドミル(切刃の刃数が10枚)
12:エンドミル(切刃の刃数が15枚)
a:底刃の逃げ面の幅の角度
b:エンドギャッシュの開き角度
CP:チップポケット
L1:外周刃の開始部におけるエンドミルの刃径
L2:外周刃とコーナR刃との繋ぎ部におけるエンドミルの刃径
L3:刃長さ
O:工具軸(回転軸心)
P1:外周刃の形成開始点
P2:外周刃とコーナR刃との繋ぎ部
P2n:繋ぎ部P2における軸直角断面の逃げ角
P2s:繋ぎ部P2における軸直角断面のすくい角
R:エンドミルの回転方向
r1:コーナR刃のR形状部の曲率半径

Claims (9)

  1. 外周刃と、前記外周刃に接続されたコーナR刃と、前記コーナR刃に接続された底刃とから構成される切刃の複数枚を備えた切刃部と、前記切刃部の外周面に沿って形成された刃溝を有するエンドミルであって、
    前記外周刃は、工具軸の方向に下り傾斜をなすように形成されて該コーナR刃に接続されるとともに、前記下り傾斜の傾斜角度αは5°以上10°以下の範囲とされ、
    それぞれの前記切刃のすくい面は、前記底刃のすくい面と、前記底刃のすくい面に接続された前記コーナR刃のすくい面と、前記コーナR刃のすくい面に接続された前記外周刃のすくい面から構成されており、
    かつ、隣り合う前記切刃の間に成形された空間部と前記刃溝の空間部とを加えた体積を1刃当たりのチップポケットの体積Vとしたときに、前記体積Vを80mm以上120mm以下の範囲にしたことを特徴とするエンドミル。
  2. 請求項1に記載のエンドミルにおいて、前記底刃の逃げ面と該底刃に対して前記エンドミルの回転方向の後側に位置する底刃のすくい面との間に、前記工具軸近傍から前記刃溝方向に該刃溝と連通するように形成されたエンドギャッシュを備え、
    前記エンドギャッシュの角度βは、15°以上45°以下の範囲としたことを特徴とするエンドミル。
  3. 請求項2に記載のエンドミルにおいて、前記切刃部の先端部側から該切刃部を前記工具軸方向に見たときに、前記底刃と該底刃の逃げ面の前記回転方向の後側の稜線とがなす角度を角度a、前記底刃の逃げ面における回転方向の後側の稜線と該底刃に対し回転方向の後側に位置する底刃とがなす角度を角度bとしたとき、
    前記角度bは、前記角度aの1.5倍以上3倍以下の範囲となるように前記底刃が配置されていることを特徴とするエンドミル。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエンドミルにおいて、前記外周刃と前記コーナR刃の繋ぎ部における軸直角断面のすくい角を3°以上10°以下の範囲としたことを特徴とするエンドミル。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエンドミルにおいて、前記底刃と、前記コーナR刃と、前記外周刃のそれぞれの接線と直交する方向の断面における逃げ角を、前記底刃、前記コーナR刃、前記外周刃ごとに一定としたことを特徴とするエンドミル。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のエンドミルにおいて、前記切刃部に形成されている前記切刃の刃長を、前記切刃部の先端部側に向けて該切刃部に形成された前記外周刃の形成開始点における刃径の30%以上60%以下の範囲としたことを特徴とするエンドミル。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のエンドミルにおいて、前記コーナR刃の曲率半径を前記外周刃の形成開始点における刃径の10%以上20%以下の範囲としたことを特徴とするエンドミル。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のエンドミルにおいて、少なくとも前記切刃部の全表面、又は前記エンドミルの全表面にAlCr系の硬質皮膜が被覆されていることを特徴とするエンドミル。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のエンドミルにおいて、前記エンドミルは超硬合金からなり、前記切刃を6枚以上30枚以下の範囲で有することを特徴とするエンドミル。
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