JP7086313B1 - ラジアスエンドミル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンドミル10は、端面部24と丸コーナ部25とを有するラジアス刃12aと、ラジアス刃12aをなすすくい面13aとを備える。ラジアス刃12aは、端面部24のなかの境界点23から丸コーナ部25のなかの所定の位置までの範囲に後退部22を有する。後退部22は、外周に近づくほどエンドミル10の回転方向に対して逆方向に後退し、エンドミル10の軸方向から見て、回転方向へ向けて膨らんだ凸曲線状である。すくい面13aは、後退部22をなす凸曲面状の後退すくい面32と、中心部21をなす略平面状の中心すくい面31を有する。後退すくい面32と中心すくい面31との間の境界線33は、軸方向先端側へ向けて膨らんだ凸曲線である。
【選択図】図5
Description
この発明は、例えばこのような課題を解決することを目的とする。
前記後退すくい面は、鏡面研磨されていてもよい。
前記後退すくい面のすくい角は、負角であり、前記中心すくい面のすくい角と比較して、絶対値が大きくてもよい。
エンドミル10は、多刃ラジアルエンドミルであり、三枚の切れ刃を有する。切れ刃は、±Z方向に延びるエンドミル10の中心軸を中心として約120度間隔で周方向に略当間隔に配置されている。切れ刃は、外周刃11a~11cと、外周刃11a~11cから連続したラジアス刃12a~12cとを有する。
ラジアス刃12aは、すくい面13aと逃げ面14aとの交線に形成されている。同様に、ラジアス刃12bは、すくい面13bと逃げ面14bとの交線に形成され、ラジアス刃12cは、すくい面13cと逃げ面14cとの交線に形成されている。
ラジアス刃12aは、端面部24と、丸コーナ部25とを有する。端面部24は、端面部24は、エンドミル10の-Z方向の先端に設けられ、エンドミル10の中心軸付近から境界点26まで、略±Y方向に沿って延びている。丸コーナ部25は、-Z方向の先端から外周にかけて設けられ、境界点26から、外周刃11aとの境界点まで、曲線状に延びている。
後退部22は、外周に近づくほどエンドミル10の回転方向に対して逆方向に後退している。後退部22は、-Z方向から見て、エンドミル10の回転方向へ向けて膨らんだ凸曲線状である。
中心すくい面31は、逃げ面14aとの間にラジアス刃12aの中心部21をなす。中心すくい面31は、略平面状であり、すくい角は、負角(例えば-5度)である。
後退すくい面32は、逃げ面14aとの間にラジアス刃12aの後退部22をなす。後退すくい面32は、凸曲面状であり、すくい角は、負角(例えば-30度)であって、中心すくい面31よりも絶対値が大きい。また、後退すくい面32は、鏡面研磨されている。
中心すくい面31と後退すくい面32との間の境界線33は、ラジアス刃12aの中心部21と後退部22との間の境界点23から、エンドミル10の径方向外側かつ+Z方向へ向けて斜めに延びる曲線状であり、-Z方向に膨らんだ凸曲線である。
切り屑80は、図に示すように、薄い板状の小片が連続した形状となる。この形状は、従来のエンドミルによる加工で発生する切り屑とはまったく異なる。従来のエンドミルによる加工では、このように細かく分かれた薄い切り屑ではなく、ひとかたまりの厚い切り屑が発生する。
このような形状の切り屑80が発生することにより、切削抵抗が小さくなり、切れ刃の破損を防止することができる。
後退すくい面32のすくい角が絶対値の大きい負角なので、後退部22で切り出された切り屑は、+Y方向(エンドミル10の径方向外側)に横滑りしながら除去される。これにより、このような形状の切り屑80が発生すると考えられる。
[原子マイクロ理論によるラジアスエンドミル]
金型加工ではφ12~φ0.5mmの超硬材小径工具。金型材硬度40~70HRCの荒、中加工の需要が増えている。高速高送り加工が採用されているが、切削工具を高速NCマシンを使用。しかし、高熱発生、ビビリ振動、深彫困難、切削工具短寿命、切削抵抗大、工具突出長比率L/D=5を超えると、放電加工使用が増える。⇒大消費電力、等の問題が発生。生産性阻害要因。
これ等の切削加工の切屑除去プロセスを理論的に確立した(古川博士理論)[金属の結晶構造転位理論]を採用。
金属の原子粒と境界に外部応力を与えると、隣接原子粒境界に沿ってドミノ的連続転位が発生する。切屑にまで成長する。このプロセスに億円近い超精密NCマシンが製造されシリコンIC産業等に貢献している。
この高価な機構を単純化。φ12mm以下のラジアスエンドミル化に成功し現状の高速高送り加工の諸問題点の改善と低価格化ができるため特許申請する。
2.金型材料も単結晶体が可能ならば宜しいが、現時点では多結晶金属である。
3.金型加工用の工具は、材料の開発は行われてきたが、形状に関しては全くの新規性がない。
4.上記3は、高精度工作機械を用いて、多結晶金属を金型に加工する場合、切削工具材料は開発されてきたが、金型加工用の工具形状に関する抜本的方針は全く変わっていない。
5.本提案は、上記4に対する提案を行うものである。
6.従来の金型工具形状では、荒加工で2~3mm削る場合も、仕上げ加工で数十μm削る場合も、いきなり最終の仕上がりに必要な切り込みを直接与える方式である。
7.それに対して本提案は、荒加工であろうと仕上げ加工であろうと、最終的な切り込み設定は従来方式と同様である。しかし工具が被削材に切り込んで行くときの初期の切削過程が全く異なる。
8.具体的には、設定した切り込みに対して、実際の工具切り込みがゼロからスタートし、最終切込みに至る形状に工具形体を新規提案している。
9.すなわち、工具形体を添付図のように、工具回転方向に対して特別な螺旋状にし、結果として、工具の切削は、常に切り込みゼロからスタートし、最終切込みに至る方式である。
10.この新工具形体によって、従来の金型加工機を用いて、従来の金型材料を金型に加工する場合、仕上がり精度が従来加工法に比して数段向上すること、また金型加工工程も全体で2工程程度に短縮可能なこと、等の利点がある。
Claims (3)
- 端面部と丸コーナ部とを有するラジアス刃と、前記ラジアス刃をなすすくい面とを備えるラジアスエンドミルにおいて、
前記ラジアス刃は、前記端面部と前記丸コーナ部との間の境界点よりも中心寄りの所定の位置から前記丸コーナ部のなかの所定の位置までの範囲に後退部を有し、
前記後退部は、外周に近づくほど前記ラジアスエンドミルの回転方向に対して逆方向に後退し、前記ラジアスエンドミルの軸方向から見て、前記回転方向へ向けて膨らんだ凸曲線状であり、
前記すくい面は、前記後退部をなす凸曲面状の後退すくい面と、前記後退部よりも中心側の端面部をなす略平面状の中心すくい面を有し、
前記後退すくい面と、前記中心すくい面との間の境界線が、軸方向先端側へ向けて膨らんだ凸曲線である、
ラジアスエンドミル。 - 前記後退すくい面は、鏡面研磨されている、請求項1のラジアスエンドミル。
- 前記後退すくい面のすくい角は、負角であり、前記中心すくい面のすくい角と比較して、絶対値が大きい、請求項1又は2のラジアスエンドミル。
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