JP2021074844A - ヘリカルブローチ、ヘリカルブローチのシェル、およびヘリカルブローチ加工方法 - Google Patents

ヘリカルブローチ、ヘリカルブローチのシェル、およびヘリカルブローチ加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱処理を施したワークよりなる被削ヘリカル歯車に対しても、加工効率を損なうことなく高い加工精度で歯溝を形成する。【解決手段】ブローチ本体の外周部に形成された切刃部のうち、ブローチ本体の先端側は粗加工切刃部とされるとともに、ブローチ本体の後端側の仕上げ加工切刃部とされ、仕上げ加工切刃部には、ブローチ本体の後端側に向けて順に、粗加工切刃部によって被削ヘリカル内歯車Wに形成された歯溝Gに挿入される案内刃10と、歯溝Gの互いに対向する両歯面F1、F2を同時に切削する歪み取り刃11と、両歯面F1、F2を仕上げ切削する鋭角切削刃および鈍角切削刃よりなる仕上げ切削刃12とが形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、特に熱処理された被削ヘリカル内歯車に歯溝を形成するのに好適なヘリカルブローチ、ヘリカルブローチのシェル、およびヘリカルブローチ加工方法に関するものである。
このようなヘリカルブローチとして、例えば特許文献1には、軸状のブローチ本体の外周部に、径方向外周側に突出する複数の切刃が列をなして、ブローチ本体の先端側から後端側に向けて該ブローチ本体の軸線回りに捩れる螺旋状に、かつ、上記切刃の列が周方向に間隔をあけて配列され、これらの切刃によりワークの加工穴内周に所定のリードの捩れ溝を形成するヘリカルブローチが記載されている。
この特許文献1に記載されたヘリカルブローチにおいて、複数の上記切刃のうちブローチ本体先端側の複数の切刃は外径上がり刃とされるとともにブローチ本体後端側の複数の切刃は歯厚上がり刃とされている。また、これら複数の歯厚上がり刃のうちブローチ本体後端側の複数の歯厚上がり刃は、ブローチ本体先端側を向くすくい面と上記ブローチ本体の周方向のうちいずれか一方の側を向く側面との交差稜線部に切削刃が形成されるとともに、該切削刃とは反対側の側面と上記すくい面との交差稜線部にガイド刃が形成されている。
さらに、ブローチ本体後端側の複数の歯厚上がり刃のうちの最もブローチ本体後端側に位置する歯厚上がり刃は、上記すくい面とブローチ本体の周方向の一方の側を向く側面との交差稜線部に切削刃に代わってガイド刃が形成されている。なお、特許文献1には、歯厚上がり刃を、ブローチ本体とは別体のシェルに設けて、組立式のヘリカルブローチとすることも記載されている。
このように構成されたヘリカルブローチでは、加工の最終段階において当該ヘリカルブローチがワークから抜け出るときに、最もブローチ本体後端側に位置する歯厚上がり刃の円周上で、それら歯厚上がり刃のワークに作用する枚数が変化し、ヘリカルブローチの挙動が不安定になる場合であっても、最もブローチ本体後端側に位置する歯厚上がり刃に切削を行う機能がないため、ワークを過切削することがなく、精度の優れた歯形を形成することができる。
特開2012−045680号公報
ところで、このようなヘリカルブローチによって熱処理が施されたワークから被削ヘリカル歯車をブローチ加工する場合には、熱処理の際の熱によってワークに熱歪みが発生してしまい、粗加工刃とされる外径上がり刃によって形成された被削ヘリカル歯車の歯溝の互いに対向する両歯面が盛り上がるように変形することがある。そして、このように変形して盛り上がった歯面に歯厚上がり刃のガイド刃が摺接して案内されながら切削刃により反対側の歯面が切削されてしまうと、加工された被削ヘリカル歯車の加工精度が損なわれるおそれがある。
ここで、このように熱処理によって熱歪みが発生したワークに対して、加工精度を損なうことなく歯溝を形成する場合は、スカイビング加工やシェーパ加工によって歯溝を形成することが考えられる。しかしながら、これらのようなスカイビング加工やシェーパ加工はブローチ加工よりも加工時間が長く、多くの被削ヘリカル歯車に歯溝を形成するには非効率的である。
本発明は、このような背景の下になされたもので、例えば熱処理を施したワークよりなる被削ヘリカル歯車に対しても、加工効率を損なうことなく高い加工精度で歯溝を形成することが可能なヘリカルブローチのシェル、組立式のこのようなヘリカルブローチのシェル、および該ヘリカルブローチによるヘリカルブローチ加工方法を提供することを目的としている。
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のヘリカルブローチは、軸線を中心とした軸状をなすブローチ本体の外周部に、複数の切刃が上記軸線に対する径方向外周側に突出して、上記ブローチ本体の先端側から後端側に向かうに従い上記軸線回りに捩れる螺旋状に配列された切刃列が、該ブローチ本体の周方向に間隔をあけて複数列配設された切刃部が設けられたヘリカルブローチであって、この切刃部のうち、上記ブローチ本体の先端側は粗加工切刃部とされるとともに、この粗加工切刃部よりも上記ブローチ本体の後端側は仕上げ加工切刃部とされ、上記仕上げ加工切刃部には、上記ブローチ本体の後端側に向けて順に、上記粗加工切刃部によって被削ヘリカル内歯車に形成された歯溝に挿入される案内刃と、上記歯溝の互いに対向する両歯面を同時に切削する歪み取り刃と、上記両歯面を仕上げ切削する鋭角切削刃および鈍角切削刃よりなる仕上げ切削刃とが形成されていることを特徴とする。
ここで、上記仕上げ加工切刃部は、上記ブローチ本体の後端部に着脱可能に取り付けられる円筒状のシェルに形成されていてもよく、本発明のヘリカルブローチのシェルは、このようなヘリカルブローチにおける上記ブローチ本体の後端部に着脱可能に取り付けられる円筒状のヘリカルブローチのシェルであって、外周部に、上記ブローチ本体の後端側に向けて順に、上記粗加工切刃部によって被削ヘリカル内歯車に形成された歯溝に挿入される案内刃と、上記歯溝の互いに対向する両歯面を同時に切削する歪み取り刃と、上記両歯面を仕上げ切削する鋭角切削刃および鈍角切削刃よりなる仕上げ切削刃とが形成された上記仕上げ加工切刃部を備えていることを特徴とする。
また、本発明のヘリカルブローチ加工方法は、上述のようなヘリカルブローチにより、熱処理されたワークに歯溝を形成するヘリカルブローチ加工方法であって、上記仕上げ加工切刃部においては、上記ワークから上記粗加工切刃部によって上記被削ヘリカル歯車に形成された歯溝に上記案内刃を挿入することにより上記被削ヘリカル歯車に対して上記ブローチ本体を相対的に案内し、次いで上記歪み取り刃によって上記歯溝の互いに対向する両歯面を同時に切削した後、上記仕上げ切削刃の上記鋭角切削刃および鈍角切削刃によって上記両歯面を仕上げ切削することを特徴とする。
このように構成されたヘリカルブローチ、ヘリカルブローチのシェル、およびヘリカルブローチ加工方法では、ヘリカルブローチの仕上げ加工切刃部において、ブローチ本体の後端側に向けて順に、粗加工切刃部によって被削ヘリカル内歯車に形成された歯溝に挿入される案内刃と、この歯溝の互いに対向する両歯面を同時に切削する歪み取り刃と、これら被削ヘリカル歯車の両歯面を仕上げ切削する鋭角切削刃および鈍角切削刃よりなる仕上げ切削刃とが形成されており、案内刃によって歯溝に挿入された仕上げ加工切刃部においては、仕上げ切削刃により仕上げ切削が行われる前に、歪み取り刃によって歯溝の両歯面が同時切削される。
このため、熱処理による熱歪みによって被削ヘリカル歯車の歯溝の両歯面が盛り上がってしまっていても、仕上げ切削刃により仕上げ切削される歯溝の両歯面を、歪み取り刃によって所定の位置に配設することができ、これにより高い加工精度で歯溝を形成することが可能となる。そして、このような歯溝を形成するヘリカルブローチ加工は、ワークに対してヘリカルブローチを挿入して引き抜くことで可能であるので、スカイビング加工やシェーパ加工に対して、多くの被削ヘリカル歯車に歯溝を形成する場合でも高い加工効率を確保することができる。
ここで、上記歪み取り刃の上記両歯面に対する取り代は、10μm〜100μmの範囲内であることが望ましい。歪み取り刃の両歯面に対する取り代が10μm未満である場合には歪み取り刃を設ける必要性が乏しく、逆に歪み取り刃の両歯面に対する取り代が100μmを上回る場合には、歪み取り刃の数を多くしなければならなくなり、仕上げ加工切刃部がブローチ本体の後端部に取り付けられるシェルに形成された組立式のヘリカルブローチの場合も含めて、ブローチ本体の長さが長くなってブローチ盤も大型化するおそれがある。
以上説明したように、本発明によれば、熱処理を施されたワークから被削ヘリカル歯車を加工するような場合でも、加工効率を損なうことなく、熱処理の熱歪みによって変形が生じた粗加工されたワークに対して高い加工精度でヘリカルブローチ加工を行うことが可能となる。
本発明のヘリカルブローチの一実施形態を示す側面図である。 図1に示す実施形態における仕上げ加工切刃部の先端側の切刃(案内刃、歪み取り刃、仕上げ切削刃)を示す概略図である。
図1および図2は、本発明のヘリカルブローチの一実施形態を示すものである。本実施形態のヘリカルブローチにおいて、ブローチ本体1は、高速度工具鋼等の硬質材料によって軸線Oを中心とする長尺の軸状に形成されていて、このブローチ本体1の先端部(図1および図2における下側部分)には前掴み部2が形成されるとともに、後端部(図1および図2における上側部分)には後掴み部3が形成されており、これら前掴み部2と後掴み部3との間に切刃部4が形成されている。
このようなヘリカルブローチは、ブローチ本体1が円環状のワークの内周に先端側(図1および図2における下側。)から挿通された上で前掴み部2と後掴み部3とが把持されることによりブローチ盤に支持される。そして、ワークに対して相対的に軸線O方向先端側に送り出されて挿入されるとともに軸線O回りに回転させられて、上記切刃部4によりワークWの内周に複数条の螺旋状の歯溝Gを切削加工し、これらの歯溝Gの間に歯形を形成してヘリカル歯車を製造する。
切刃部4には、ブローチ本体1の外周に突出する複数(多数)の切刃5が、ブローチ本体1の軸線O方向(長手方向)と周方向に間隔をあけて配設されている。これらの切刃5は、ブローチ本体1の周方向にはワークの内周に形成される上記歯溝Gの間隔に合わせて等間隔に配設されるとともに、軸線O方向には歯溝Gがなす螺旋に対応して該軸線O回りに捩れたリード(弦巻線)Lに沿って間隔をあけて配列された切刃列を形成するように形成されている。
これらの切刃5が配設された切刃部4においては、軸線O方向先端側から後端側に向けて順に、切刃5の軸線Oからの外径が後端側に向けて順次大きくなる外径上がり部6と、この外径上がり部6の後端の切刃5からブローチ本体1の周方向における切刃5の厚さが後端側に向けて順次大きくなる歯厚上がり部7とが備えられている。外径上がり部6は粗加工切刃部とされ、歯厚上がり部7は仕上げ加工切刃部とされる。
なお、歯厚上がり部7は、外径上がり部6とともにブローチ本体1と一体に形成されていてもよいが、本実施形態ではブローチ本体1とは別体に形成されてブローチ本体1の後端部に着脱可能とされた円筒状のシェル8に形成されている。このシェル8は、ブローチ本体1における外径上がり部6の後端側に形成された軸部1Aが内周部に嵌め入れられるとともに、先端部に形成されたキー溝8Aが軸部1Aの根元に形成されたキー1Bに嵌め合わされた上で、軸部1Aの後端側から挿入されるロックナット9によって先端側に押し付けられてブローチ本体1に着脱可能に取り付けられる。
そして、仕上げ加工切刃部である歯厚上がり部7には、ブローチ本体1の後端側に向けて順に、図2に示すように粗加工切刃部である外径上がり部6によってワークから被削ヘリカル内歯車Wに形成された歯溝Gに挿入される案内刃10と、歯溝Gの互いに対向する両歯面F1、F2を同時に切削する歪み取り刃11と、こうして歪み取り刃11によって切削された両歯面F1、F2を仕上げ切削する鋭角切削刃および鈍角切削刃よりなる仕上げ切削刃12とが形成されている。
案内刃10は、外径上がり部6によって形成された歯溝G内に挿入可能な刃幅とされており、案内刃10のブローチ本体1の先端側を向く端面と周方向両側を向く2つの側面との交差稜線部には面取り部10Aが形成されていて、被削ヘリカル歯車Wに対してブローチ本体1を相対的に案内するだけで、切削を行うことはない。
また、歪み取り刃11には、ブローチ本体1の先端側を向く端面(すくい面11A)と周方向両側を向く2つの側面(逃げ面11B)との交差稜線部にそれぞれ切刃11Cが形成されており、2つの逃げ面11Bには歯溝Gの両歯面F1、F2に対して逃げ角が与えられている。なお、図2には1つの歪み取り刃11しか示されていないが、次述する歪み取り刃11の歯溝Gに対する取り代が大きい場合などには、ブローチ本体1の後端側に向けて刃幅が漸次大きくなる複数の歪み取り刃11が上記リードLに沿って配設されていてもよい。
さらに、これらの切刃11Cの間の歪み取り刃11の刃幅は、歯溝Gの幅よりも僅かに大きくされている。これらの切刃11Cの刃幅と歯溝Gの溝幅との差、すなわち歪み取り刃11の歯溝Gに対する取り代は、本実施形態では10μm〜100μmの範囲内とされており、2つの歯面F1、F2のそれぞれに対する各切刃11Cの取り代は5μm〜50μmの範囲内とされている。
さらにまた、仕上げ切削刃12においては、図2に示すようにブローチ本体1の先端側を向くすくい面12Aと、周方向を向く2つの側面12Bのうち一方の側面12Bとの交差稜線部に切刃12Cが形成されるとともに、上記すくい面12Aと他方の側面12Bとの交差稜線部にはガイド刃12Dが形成されている。このガイド刃12Dは、切刃5の切刃列が配列されたリードLに沿って配列される。
なお、図2には、ブローチ本体1の最先端の仕上げ切削刃12だけが示されており、この最先端の仕上げ切削刃12は、歯溝Gの2つの歯面F1、F2のうち鋭角側の歯面F1を切削する鋭角切削刃とされていて、この鋭角切削刃のガイド刃12Dは鈍角側の歯面F2に摺接して仕上げ切削刃12を案内する。また、この最先端の鋭角切削刃のブローチ本体1後端側には、最先端の鋭角切削刃のガイド刃12Dが位置するリードL上にガイド刃12Dが位置して、刃幅が漸次大きくなる複数の鋭角切削刃が配設される。
さらに、これら複数の鋭角切削刃のブローチ本体1後端側には、最後端の鋭角切削刃の切刃12Cが位置するリードL上にガイド刃12Dが位置して、刃幅が漸次大きくなる複数の鈍角切削刃が配設され、これら複数の鈍角切削刃は、ガイド刃12Dが仕上げ切削された鋭角側の歯面F1に摺接して仕上げ切削刃12を案内しつつ、鈍角側の歯面F2を仕上げ切削する。なお、歯厚上がり部7中や歯厚上がり部7の後端側には、被削ヘリカル歯車Wの上記歯形の頂部を切削する丸刃が備えられていてもよい。
このように構成されたヘリカルブローチ、およびヘリカルブローチのシェル8によって熱処理されたワークWに歯溝Gを形成する本発明のヘリカルブローチ加工方法の一実施形態において、仕上げ加工切刃部である歯厚上がり部7では、ワークから外径上がり部6によって被削ヘリカル歯車Wに形成された歯溝Gに案内刃10を挿入することにより被削ヘリカル歯車Wに対してブローチ本体1を相対的に案内しつつ、歪み取り刃11によって歯溝Gの互いに対向する両歯面F1、F2を同時に切削することにより、熱処理による熱歪みによって歯面F1、F2が盛り上がるように変形して歯溝Gの溝幅が小さくなっている場合には、この盛り上がった部分を除去する。
しかる後、こうして歯面F1、F2の盛り上がりが除去されて所定の溝幅となった歯溝Gの鈍角側の歯面F2に鋭角切削刃である仕上げ切削刃12のガイド刃12Dを摺接させて案内しつつ、切刃12Cによって鋭角側の歯面F1を歯厚方向に徐々に切り込んで仕上げ切削し、次いでこうして仕上げ切削された鋭角側の歯面F1に鈍角切削刃である仕上げ切削刃12のガイド刃12Dを摺接させて案内しつつ、切刃12Cによって鈍角側の歯面F2を歯厚方向に徐々に切り込むことにより、両歯面F1、F2を仕上げ切削することを特徴とする。
このように構成されたヘリカルブローチ、ヘリカルブローチのシェル、およびヘリカルブローチ加工方法では、案内刃10によって歯溝Gに挿入された仕上げ加工切刃部においては、仕上げ切削刃12により仕上げ切削が行われる前に、歪み取り刃11によって歯溝Gの両歯面F1、F2が同時切削される。このため、ワークの熱処理による熱歪みによって被削ヘリカル歯車Wの歯溝Gの両歯面F1、F2が盛り上がるように変形していても、仕上げ切削刃12により仕上げ切削される歯溝の両歯面を、歪み取り刃によって所定の位置に配設することができる。
そして、このような歯溝Gを形成するヘリカルブローチ加工は、ワークに対してヘリカルブローチを挿入して引き抜くことで可能であるので、スカイビング加工やシェーパ加工に対して、多くの被削ヘリカル歯車Wに歯溝Gを形成する場合でも短時間で加工を行うことができる。従って、上記構成のヘリカルブローチ、ヘリカルブローチのシェル、およびヘリカルブローチ加工方法によれば、高い加工精度で効率的に歯溝Gの形成を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、歪み取り刃11の両歯面F1、F2に対する取り代が、10μm〜100μmの範囲内とされている。この取り代が10μm未満である場合には、熱歪みによる変形が小さく、歪み取り刃11を設ける必要性が乏しい。また、逆に歪み取り刃11の両歯面F1、F2に対する取り代が100μmを上回る場合には、多くの歪み取り刃11を設けなければならず、本実施形態のように仕上げ加工切刃部がブローチ本体1の後端部に取り付けられるシェル8に形成された組立式のヘリカルブローチである場合も含めて、ブローチ本体1の長さが長くなってブローチ盤も大型化するおそれがある。
1 ブローチ本体
4 切刃部
5 切刃
6 外径上がり部(粗加工切刃部)
7 歯厚上がり部(仕上げ加工切刃部)
8 シェル
9 ロックナット
10 案内刃
11 歪み取り刃
11C 歪み取り刃11の切刃
12 仕上げ切削刃
O ブローチ本体1の軸線
W 被削ヘリカル歯車
G 歯溝
F1、F2 歯溝の歯面

Claims (5)

  1. 軸線を中心とした軸状をなすブローチ本体の外周部に、複数の切刃が上記軸線に対する径方向外周側に突出して、上記ブローチ本体の先端側から後端側に向かうに従い上記軸線回りに捩れる螺旋状に配列された切刃列が、該ブローチ本体の周方向に間隔をあけて複数列配設された切刃部が設けられたヘリカルブローチであって、
    この切刃部のうち、上記ブローチ本体の先端側は粗加工切刃部とされるとともに、この粗加工切刃部よりも上記ブローチ本体の後端側の切刃部は仕上げ加工切刃部とされ、
    上記仕上げ加工切刃部には、上記ブローチ本体の後端側に向けて順に、上記粗加工切刃部によって被削ヘリカル内歯車に形成された歯溝に挿入される案内刃と、上記歯溝の互いに対向する両歯面を同時に切削する歪み取り刃と、上記両歯面を仕上げ切削する鋭角切削刃および鈍角切削刃よりなる仕上げ切削刃とが形成されていることを特徴とするヘリカルブローチ。
  2. 上記歪み取り刃の上記両歯面に対する取り代が、10μm〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のヘリカルブローチ。
  3. 上記仕上げ加工切刃部は、上記ブローチ本体の後端部に着脱可能に取り付けられる円筒状のシェルに形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘリカルブローチ。
  4. 請求項3に記載のヘリカルブローチにおける上記ブローチ本体の後端部に着脱可能に取り付けられる円筒状のヘリカルブローチのシェルであって、
    外周部に、上記ブローチ本体の後端側に向けて順に、上記粗加工切刃部によって被削ヘリカル内歯車に形成された歯溝に挿入される案内刃と、上記歯溝の互いに対向する両歯面を同時に切削する歪み取り刃と、上記両歯面を仕上げ切削する鋭角切削刃および鈍角切削刃よりなる仕上げ切削刃とが形成された上記仕上げ加工切刃部を備えていることを特徴とするヘリカルブローチのシェル。
  5. 請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のヘリカルブローチにより、熱処理されたワークに歯溝を形成するヘリカルブローチ加工方法であって、
    上記仕上げ加工切刃部においては、上記ワークから上記粗加工切刃部によって被削ヘリカル歯車に形成された歯溝に上記案内刃を挿入することにより上記被削ヘリカル歯車に対して上記ブローチ本体を相対的に案内し、次いで上記歪み取り刃によって上記歯溝の互いに対向する両歯面を同時に切削した後、上記仕上げ切削刃の上記鋭角切削刃および鈍角切削刃によって上記両歯面を仕上げ切削することを特徴とするヘリカルブローチ加工方法。
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