JP6328904B2 - 車両用内装部品及びその加飾方法 - Google Patents

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本発明は、車両に設置される内装部品であり、ともに絵柄が描画された第1加飾面と第2加飾面とが部品表面にて連続して形成された車両用内装部品及びその加飾方法に関するものである。
自動車の内装部品などでは、デザイン性や品質を高めるために樹脂成形体の表面に装飾を加えるようにした加飾部品(例えば、センタークラスター、インストルメントパネルなど)が実用化されている。また、この種の内装部品では、質感をより高めるために部品表面に光沢を付与した部品も実用化されている。
ところで、センタークラスターやインストルメントパネルなどにおいて、部品表面の艶が高すぎると、光の反射が強くなったり、窓写りが生じたりする。この反射や窓写りが生じると、車両の運転がしづらくなることがある。センタークラスターやインストルメントパネルは、立体的な表面を有する加飾部品である。このため、運転に支障を来たすような反射や窓写りは、部品表面の全体で起こるのではなく、表面の傾斜角度に応じて部分的に生じる。また、反射や窓写りを防止するために、表面全体の艶を落すと、デザイン性や質感が低下してしまう。このような問題を解消するため、部品表面の艶を部分的に落すための技術が必要となっている。
部品表面の艶を落す手法としては、艶消し剤の含んだ塗料を用いて塗装を行う方法が考えられる。この塗装を行う場合、艶を部分的に落すために、部品表面の一部をマスキングした状態で艶の異なる塗装を複数回に分けて行う必要がある。ところが、塗装を複数回に分けて行うと、それら塗装の境界部分に段差が生じ、柄の繋ぎ目に違和感が生じるため、デザイン性や質感が低下してしまう。
また、加飾部品に装飾を加える加飾方法としては、水圧転写が従来から用いられている(例えば特許文献1参照)。この水圧転写を用いて加飾する場合、艶の異なる複数枚の転写フィルムを用意し、部品表面にそれら転写フィルムを転写することで、部品表面の艶を部分的に落すことが可能である。
特開昭54−33115号公報
ところが、水圧転写を複数回に分けて行う場合、製造工程が大幅に増加することに加え、各転写フィルムの位置合わせが困難となる。また、樹脂成形体への絵柄の転写時に、絵柄が伸びたり歪んだりすることが多い。この結果、絵柄を正確に付加することができず、絵柄のバラツキが生じてしまうため、製品の歩留まりが悪化して製造コストが嵩んでしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品表面の艶を部分的に落すとともに、その部品表面の意匠性を十分に確保することができる車両用内装部品を提供することにある。また、別の目的は、上記車両用内装部品を製造するのに好適な車両用内装部品の加飾方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1Aに記載の発明は、ともに絵柄が描画された第1加飾面と第2加飾面とが部品表面にて連続して形成され、車両に設置したときの前記第1加飾面の法線の仰角が前記第2加飾面の法線の仰角よりも大きい車両用内装部品であって、前記第1加飾面には、第1線状レーザ加工溝からなる幾何学的パターンを複数配列することで描画された絵柄が形成されるとともに、前記第2加飾面には、前記第1線状レーザ加工溝からなる前記幾何学的パターンと同形状のパターンを複数配列することで描画された同じ絵柄が形成され、前記第1加飾面の艶の程度が前記第2加飾面の艶の程度よりも低くなるようにすべく、前記第1加飾面及び前記第2加飾面のうち少なくとも前記第1加飾面には、前記幾何学的パターンとはパターン形状が異なる艶低減用の第2線状レーザ加工溝が、前記第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で平行にかつ複数本形成され、前記第1加飾面と前記第2加飾面との境界部分にも、前記第2線状レーザ加工溝が、前記第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で平行にかつ複数本形成され、前記境界部分に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチは、前記第1加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチよりも大きく設定されていることを特徴とする車両用内装部品をその要旨とする
手段1Bに記載の発明は、ともに絵柄が描画された第1加飾面と第2加飾面とが部品表面にて連続して形成され、車両に設置したときの前記第1加飾面の法線の仰角が前記第2加飾面の法線の仰角よりも大きい車両用内装部品であって、前記第1加飾面には、第1線状レーザ加工溝からなる幾何学的パターンを複数配列することで描画された絵柄が形成されるとともに、前記第2加飾面には、前記第1線状レーザ加工溝からなる前記幾何学的パターンと同形状のパターンを複数配列することで描画された同じ絵柄が形成され、前記第1加飾面の艶の程度が前記第2加飾面の艶の程度よりも低くなるようにすべく、前記第1加飾面及び前記第2加飾面のうち少なくとも前記第1加飾面には、前記幾何学的パターンとはパターン形状が異なる艶低減用の第2線状レーザ加工溝が、前記第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で平行にかつ複数本形成され、前記第1加飾面と前記第2加飾面との境界部分にも、前記第2線状レーザ加工溝が、前記第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で平行にかつ複数本形成され、前記第2線状レーザ加工溝の深さは、前記第1線状レーザ加工溝の深さよりも浅く設定され、前記第2線状レーザ加工溝の幅は、前記第1線状レーザ加工溝の幅よりも狭く設定されていることを特徴とする車両用内装部品をその要旨とする。なお、手段1Bにおいて、前記境界部分に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチは、前記第1加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチよりも大きく設定されていてもよい。
手段1に記載の発明によると、ともに絵柄が描画された第1加飾面及び第2加飾面のうち少なくとも第1加飾面に、レーザ照射による艶低減加工が施されることにより、その表面に微細な凹凸が付けられる。この結果、第1加飾面の光沢が落されることで、部品表面において、第1加飾面の艶の程度が第2加飾面の艶の程度よりも低くなる。本発明の車両用内装部品において、車両に設置したときの第1加飾面の法線の仰角が第2加飾面の法線の仰角よりも大きいため、第1加飾面には反射や窓写りが生じ易くなるが、第1加飾面の艶を第2加飾面の艶よりも低くすることで、反射や窓写りの問題を回避することができる。また、本発明のようにレーザ照射による艶低減加工を施す場合、従来技術のように艶の異なる領域(第1加飾面及び第2加飾面)間での段差や絵柄の位置ずれが生じない。このため、車両用内装部品の意匠性を十分に確保することができる。
なお、本発明における仰角とは、水平を基準とした上向きの角度である。従って、加飾面が水平面と平行な場合、加飾面の法線の仰角は90°となり、加飾面が垂直面と平行な場合、加飾面の法線の仰角は0°となる。
具体的には、第1加飾面の光沢度を示す第1グロス値は、第2加飾面の光沢度を示す第2グロス値よりも低くなる。このようにすると、第1加飾面における反射や窓写りを回避することができる。
第1加飾面及び第2加飾面には塗膜が設けられ、塗膜には、レーザ照射によって描画された絵柄が形成されていてもよい。また、塗膜には、絵柄を構成する第1線状レーザ加工溝と、艶低減用の第2線状レーザ加工溝とが設けられていてもよい。この場合、絵柄を描画するレーザ加工と艶を落す艶低減加工とを同じレーザ照射装置を用いて行うことができるため、車両用内装部品の加工コストを低く抑えることができる。また、本発明では、従来のように水圧転写で加飾する場合と比較して、製造工程の短縮が可能となる。
第2線状レーザ加工溝は、第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で設けられる。第2線状レーザ加工溝の深さは、第1線状レーザ加工溝の深さよりも浅く設定され、第2線状レーザ加工溝の幅は、第1線状レーザ加工溝の幅よりも狭く設定されることが好ましい。この場合、第1線状レーザ加工溝は、幅が広くかつ深く加工されるので、絵柄を確実に描画することができる。また、第2線状レーザ加工溝は、幅が狭くかつ浅く加工されるので、微細な凹凸を加飾面に形成することができる。この結果、絵柄の輪郭をぼかすことなく、加飾面の艶を確実に低減することができる。
なお、第2線状レーザ加工溝は、第1線状レーザ加工溝とオーバーラップしない状態で形成した場合には艶低減加工におけるレーザの照射制御が複雑となる。このため、艶低減加工にかかる処理時間が長くなり、製造コストが嵩んでしまう。これに対して、第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で第2線状レーザ加工溝を設ける場合には、艶低減加工を比較的容易に行うことができ、製造コストを低減することができる。
第1加飾面と第2加飾面との境界部分には、第2加飾面から第1加飾面に向かって徐々に艶の度合いが低くなるように、第2線状レーザ加工溝が設けられていてもよい。具体的には、第1加飾面と第2加飾面との境界部分には、第2加飾面から第1加飾面に向けて第2線状レーザ加工溝同士の距離が徐々に狭くなるように第2線状レーザ加工溝が形成されていてもよい。また、第1加飾面と第2加飾面との境界部分には、第2加飾面から第1加飾面に向けて徐々に幅が広くなるように第2線状レーザ加工溝が形成されていてもよい。さらに、第1加飾面と第2加飾面との境界部分には、第2加飾面から第1加飾面に向けて徐々に深くなるように第2線状レーザ加工溝が形成されていてもよい。
このように第2線状レーザ加工溝を形成すると、第2加飾面から第1加飾面に向かって艶の程度が徐々に低くなるように表面の艶を落すことができる。この結果、第1加飾面と第2加飾面との境界部分が目立つことなく、部品表面の意匠性を確保することができる。なお、第1加飾面と第2加飾面とは仰角が異なるため、第1加飾面と第2加飾面との境界部分は屈曲部となる。その屈曲部となる境界部分で艶の度合いを徐々に変化させることにより、光沢度の変化に伴う違和感を確実に緩和することができる。
第2線状レーザ加工溝は、第1線状レーザ加工溝に対して傾斜した方向に形成されていてもよい。この場合、第1線状レーザ加工溝と第2線状レーザ加工溝とが平行に重なり合う部分がなくなるため、加飾面の艶を確実に低減することができる。
第1加飾面及び第2加飾面にはそれぞれ平行な複数本の第2線状レーザ加工溝が形成されており、第2加飾面に形成される第2線状レーザ加工溝の線ピッチは、第1加飾面に形成される第2線状レーザ加工溝の線ピッチよりも大きくてもよい。この場合、第1加飾面では、第2線状レーザ加工溝の線ピッチを小さくすることにより凹凸の面積割合が増すため、光が乱反射し易くなり、光沢度を示す第1グロス値が低くなる。一方、第2加飾面では、第2線状レーザ加工溝の線ピッチを大きくすることにより凹凸の面積割合が減るため、光が乱反射し難くなり、光沢度を示す第2グロス値が高くなる。従って、第1加飾面の艶の程度を第2加飾面の艶の程度よりも低くすることができる。
また、第1加飾面及び第2加飾面に形成される第2線状レーザ加工溝の線ピッチは同じであり、第2加飾面に形成される第2線状レーザ加工溝の幅が、第1加飾面に形成される第2線状レーザ加工溝の幅よりも狭く、第2加飾面に形成される第2線状レーザ加工溝の深さが、第1加飾面に形成される第2線状レーザ加工溝の深さよりも浅くなっていてもよい。この場合、レーザ出力やレーザの走査速度を変更することにより、深さや幅の異なる第2線状レーザ加工溝を形成する。このように第2線状レーザ加工溝を形成しても、第1加飾面では、光が乱反射し易くなり、光沢度を示す第1グロス値が低くなるとともに、第2加飾面では、光が乱反射し難くなり、光沢度を示す第2グロス値が高くなる。従って、第1加飾面の艶の程度を第2加飾面の艶の程度よりも低くすることができる。
手段2に記載の発明は、ともに絵柄が描画された第1加飾面と第2加飾面とが部品表面にて連続して形成され、車両に設置したときの前記第1加飾面の法線の仰角が前記第2加飾面の法線の仰角よりも大きい車両用内装部品の加飾方法であって、前記第1加飾面及び前記第2加飾面に設けられた塗膜にレーザ照射によって絵柄を描画する描画工程を行った後、前記塗膜に対してレーザ照射による艶低減加工を施すことにより、前記第1加飾面の艶の程度を前記第2加飾面の艶の程度よりも低くすることを特徴とする車両用内装部品の加飾方法をその要旨とする。
手段2に記載の発明によると、車両用内装部品における絵柄の描画工程後に、塗膜に対してレーザ照射による艶低減加工が施される。この結果、第2加飾面の艶の程度よりも低くなるように第1加飾面の艶の程度が低減される。この車両用内装部品を車両に設置したときの第1加飾面の法線の仰角は第2加飾面の法線の仰角よりも大きい。このため、第1加飾面には反射や窓写りが生じ易くなるが、第1加飾面の艶を第2加飾面よりも低くすることで、反射や窓写りの問題を回避することができる。また、本発明のように、レーザ照射による艶低減加工を施す場合、従来技術のように艶の異なる領域(第1加飾面及び第2加飾面)間での段差や絵柄の位置ずれが生じないため、意匠性を十分に確保することができる。さらに、艶低減加工を施す前に描画工程を行っているので、各加飾面に絵柄を正確に描画することができる。
艶低減加工では、第2加飾面よりも第1加飾面の方が線ピッチが狭くなるように、それぞれ平行に複数本の第2線状レーザ加工溝を形成する。このように、第1加飾面における第2線状レーザ加工溝の線ピッチを小さくすることにより、凹凸の面積割合が増す。このため、第1加飾面では光が乱反射し易くなり、第1加飾面の艶の程度を第2加飾面の艶の程度よりも低くすることができる。
第2線状レーザ加工溝の線ピッチは、50μm以上400μm以下の間隔で形成されることが好ましい。また、第2線状レーザ加工溝を形成する際におけるレーザ照射のエネルギー密度は、20MW/cm以上300MW/cm以下の範囲で設定されることが好ましい。このように、第2線状レーザ加工溝を形成することで、第1加飾面の艶の程度を確実に低減することができる。
以上詳述したように、手段1または2に記載の発明によると、レーザ照射による艶低減加工を施すことで、部品表面の艶を部分的に落すとともに、その部品表面の意匠性を十分に確保することができる。
第1の実施の形態における車両用内装部品の概略構成を示す説明図。 第1加飾面の第1線状レーザ加工溝と直交する方向に切断した断面図。 第1加飾面の第2線状レーザ加工溝と直交する方向に切断した断面図。 第1加飾面と第2加飾面との境界部分において第2線状レーザ加工溝と直交する方向に切断した断面図。 車両用内装部品の車両設置時における各加飾面の法線の仰角を示す説明図。 表面加飾システムを示す概略構成図。 第2の実施の形態における車両用内装部品の概略構成を示す説明図。 別の実施の形態における境界部分を示す拡大図。
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施の形態の車両用内装部品の概略構成を示す説明図であり、図2〜図4は車両用内装部品を示す断面図である。
図1〜図4に示されるように、車両用内装部品1は、立体的形状の樹脂成形体2と、その樹脂成形体2の表面2aを被覆するように形成された塗膜3とを有し、部品表面の塗膜3に絵柄4が描かれている。本実施の形態の車両用内装部品1は、ナビゲーションシステムのモニタを装着するための開口5を有するセンタークラスターであり、車両外部からの入射光が運転席側に反射する部位に装着される。樹脂成形体2は、ABS樹脂を用いて成形された樹脂成形品であり、樹脂成形体2の表面2aを覆う塗膜3は、例えば、高光沢黒色(ピアノブラック)の塗料を用いて形成されている。また、絵柄4は、レーザ照射による加工(具体的には、レーザアブレーション加工)によって塗膜3に描画されている。なお、レーザアブレーション加工とは、レーザを固体に照射し、溶融を経ずに原子、分子、クラスターが直接蒸発して、固体表面が削り取られる現象を利用した非加熱加工である。
図1に示されるように、本実施の形態の絵柄4は、菱形の描画パターンが縦横に規則正しく配列した幾何学的な模様である。車両用内装部品1の樹脂成形体2は、車内に設置した状態で上方に向くように配置される第1加飾面11(上面となる加飾面)と、その第1加飾面11に対してほぼ直角に屈曲して運転席側に対向するように配置される第2加飾面12(正面となる加飾面)とを有する。
図5に示されるように、車両用内装部品1を車内に設置したときの第1加飾面11の法線N1の仰角θ1は第2加飾面12の法線N2の仰角θ2よりも大きくなる。図1に示されるように、樹脂成形体2の表面において、第1加飾面11と第2加飾面12とは連続して形成されており、それら加飾面11,12の塗膜3に、絵柄4が一様に描画されている。なお、本実施の形態の車両用内装部品1において、開口5の周囲には、絵柄4が描画されていない枠部14が数mm程度の幅で形成されている。
絵柄4は、塗膜3の表面に形成された第1線状レーザ加工溝21によって構成される。より詳しくは、絵柄4の描画パターンとなる菱形の領域に、それぞれ並列に配置された複数本の第1線状レーザ加工溝21が形成されている。これら第1線状レーザ加工溝21は、同一方向にかつ直線的に延びる複数の溝部であり、菱形の領域を塗りつぶすように形成されている。そして、第1加飾面11及び第2加飾面12において、各第1線状レーザ加工溝21が形成された菱形の領域が所定の間隔をあけて規則正しく設けられることで絵柄4が描画されている。図2に示されるように、第1線状レーザ加工溝21は、幅W1が50μm程度、深さD1が15μm程度である。
本実施の形態では、第1加飾面11における塗膜3の表面に対してレーザ照射による艶低減加工が施されており、第1加飾面11の艶の程度が第2加飾面12の艶の程度よりも低くなるよう設定されている。具体的には、図1〜図3に示されるように、第1加飾面11において、艶低減用の第2線状レーザ加工溝22がそれぞれ平行に複数本形成されている。一方、第2加飾面12には、艶低減用の第2線状レーザ加工溝22が形成されていない。また、本実施の形態では、屈曲部となる第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15に、艶低減用の第2線状レーザ加工溝22がそれぞれ平行に複数本形成されている。
第2線状レーザ加工溝22は、第1線状レーザ加工溝21とオーバーラップした状態で設けられている。また、第2線状レーザ加工溝22は、第1線状レーザ加工溝21に対して傾斜した方向に形成されている。
図3及び図4に示されるように、第1加飾面11及び境界部分15に形成されている第2線状レーザ加工溝22は、幅W2が30μm程度、深さD2が5μm程度である。つまり、第2線状レーザ加工溝22の深さD2は、第1線状レーザ加工溝21の深さD1よりも浅く設定され、第2線状レーザ加工溝22の幅W2は、第1線状レーザ加工溝21の幅W1よりも狭く設定されている。なお、図1の第1加飾面11及び境界部分15には第2線状レーザ加工溝22が表示されているが、実際の加飾面11及び境界部分15における第2線状レーザ加工溝22は目視できない程度の微細な溝部となっている。
第2線状レーザ加工溝22の線ピッチは、要求される光沢度に応じて、50μm〜400μmに設定される。本実施の形態において、第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15に形成される第2線状レーザ加工溝22の線ピッチP2(図4参照)は、第1加飾面11に形成される第2線状レーザ加工溝22の線ピッチP1(図3参照)よりも大きい。つまり、単位面積(例えば、1cm)当たりの第2線状レーザ加工溝22の占める面積割合は、境界部分15よりも第1加飾面11が大きくなり、表面の凹凸度合いは、境界部分15よりも第1加飾面11が大きくなっている。また、第2加飾面12には、第2線状レーザ加工溝22が形成されていないため、その表面の凹凸度合いは、境界部分15や第1加飾面11よりも小さくなっている。
従って、第1加飾面11の光沢度を示す第1グロス値は、第2加飾面12の光沢度を示す第2グロス値よりも低くなる。本実施の形態において、第1加飾面11における第2線状レーザ加工溝22の線ピッチP1は250μm程度であり、境界部分15における第2線状レーザ加工溝22の線ピッチP2は400μm程度である。また、測色計で測定した測定値は、第1加飾面11の第1グロス値が20%程度であり、第2加飾面12の第2グロス値が80%程度である。さらに、境界部分15の第3グロス値は、第1グロス値及び第2グロス値の中間的な値であり、例えば50%程度である。
なお、車両用内装部品1において、開口5の周囲における枠部14は、第1線状レーザ加工溝21及び第2線状レーザ加工溝22が形成されていないレーザ未照射領域であり、その枠部14表面のグロス値は95%程度となっている。つまり、車両用内装部品1では、枠部14表面の艶の程度が最も高くなっている。
次に、車両用内装部品1を製造するための表面加飾システムについて説明する。
図6に示されるように、表面加飾システム30は、レーザ照射装置31、ワーク変位ロボット32及び制御装置33を備えている。レーザ照射装置31は、レーザL1(本実施の形態では、波長1064nmのYAGレーザ)を発生させるレーザ発生部41と、レーザL1を偏向させるレーザ偏向部42と、レーザ発生部41及びレーザ偏向部42を制御するレーザ制御部43とを備えている。レーザ偏向部42は、レンズ44と反射ミラー45とを複合させてなる光学系であり、これらレンズ44及び反射ミラー45の位置を変更することにより、レーザL1の照射位置や焦点を調整するようになっている。レーザ制御部43は、レーザL1の照射時間変調、照射強度変調、照射面積変調などの制御を行う。
また、ワーク変位ロボット32は、ロボットアーム46と、ロボットアーム46の先端に設けられたワーク支持部47とを備えている。ワーク支持部47は、表面に塗膜3が塗装された樹脂成形体2を支持するようになっている。そして、ワーク変位ロボット32は、ロボットアーム46を駆動して樹脂成形体2の位置及び角度を変更することにより、樹脂成形体2の表面に対するレーザL1の照射位置を変更するようになっている。
制御装置33は、CPU50、メモリ51及び入出力ポート52等からなる周知のコンピュータにより構成されている。CPU50は、レーザ照射装置31及びワーク変位ロボット32に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。
なお、メモリ51には、レーザ照射を行うためのレーザ照射データが記憶されている。レーザ照射データは、CADデータを変換することによって得られるデータであり、CADデータは、樹脂成形体2の表面の形状データや絵柄4を示す画像データ等を変換することによって得られるデータである。また、メモリ51には、レーザ照射に用いられるレーザ照射パラメータ(レーザL1の照射位置、焦点、照射角度、照射面積、照射時間、照射強度、照射速度、照射ピッチなど)を示すデータが記憶されている。
次に、車両用内装部品1の加飾方法を説明する。
まず、熱可塑性樹脂(本実施の形態ではABS樹脂)を用いて所定の立体形状に成形した樹脂成形体2を準備する。そして、樹脂成形体2は、作業者によってワーク変位ロボット32のワーク支持部47(図6参照)にセットされる。
次に、樹脂成形体2の表面2aを覆う塗膜3を形成する。詳述すると、CPU50は、塗膜形成用の駆動信号を生成し、生成した塗膜形成用の駆動信号を塗装機(図示略)に出力する。そして、塗装機は、CPU50から出力された塗膜形成用の駆動信号に基づいて、樹脂成形体2の表面2a上に塗料を塗装することにより塗膜3を形成する。
その後、レーザ照射装置31を駆動することで、樹脂成形体2の表面の塗膜3にレーザL1を照射し、第1加飾面11、第2加飾面12及び境界部分15の塗膜3上に絵柄4を描画する(描画工程)。具体的に言うと、CPU50は、レーザ照射を行うためのレーザ照射データをメモリ51から読み出す。そして、CPU50は、レーザ照射データに基づいて駆動信号を生成し、生成した駆動信号をレーザ照射装置31に出力する。レーザ照射装置31は、CPU50から出力された駆動信号に基づいて、樹脂成形体2の表面に形成された塗膜3にレーザL1を照射する。なお、レーザ照射装置31のレーザ制御部43は、レーザ発生部41からレーザL1を照射させ、第1加飾面11、第2加飾面12及び境界部分15における画像データのパターンに応じてレーザ偏向部42を制御する。この制御によって、レーザL1の照射位置及び焦点位置が決定される。またここでは、塗膜3に照射されるレーザL1のエネルギー密度は、170MW/cmに決定される。この場合、レーザL1の熱が表層部分に集中して熱量が多くなるため、塗膜3の表層部分が昇華することにより、塗膜3の表面上に凹状の加工部が形成される。そして、画像データのパターンに応じてレーザL1の照射位置を走査することにより、第1加飾面11、第2加飾面12及び境界部分15において絵柄4に応じた第1線状レーザ加工溝21が形成される。
なお、第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15や、第1加飾面11から第2加飾面12にレーザL1の照射位置を変更する際には、ワーク変位ロボット32によって樹脂成形体2の位置及び角度が変更される。具体的に言うと、CPU50は、メモリ51に記憶されているレーザ照射データに基づいて、駆動信号をワーク変位ロボット32に出力する。ワーク変位ロボット32は、CPU50から出力された駆動信号に基づき、ロボットアーム46を駆動してワーク支持部47に支持された樹脂成形体2の位置及び角度を変更することにより、樹脂成形体2の第1加飾面11から第2加飾面12にレーザL1の照射位置を変更する。このように描画工程を行うことで、樹脂成形体2の第1加飾面11、第2加飾面12及び境界部分15の塗膜3に、レーザ照射によって絵柄4が描画される。
描画工程の後、レーザ照射装置31を駆動することで、樹脂成形体2の表面の塗膜3に対してレーザ照射による艶低減加工を施す。艶低減加工では、部品表面の塗膜3にレーザL1を照射し、レーザL1の照射位置を走査することにより、第1加飾面11や境界部分15に第2線状レーザ加工溝22を形成する。なおここで、塗膜3に照射されるレーザL1のエネルギー密度は、50MW/cmに決定される。
具体的には、艶低減加工において、先ず、第1加飾面11にレーザL1を照射して第2線状レーザ加工溝22を形成する。この後、ワーク変位ロボット32によって樹脂成形体2の位置及び角度を変更しつつ、レーザ照射装置31からレーザL1を照射する。この結果、第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15に第2線状レーザ加工溝22を形成する。ここでは、境界部分15よりも第1加飾面11の方が線ピッチP1が狭くなるように、それぞれ平行に複数本の第2線状レーザ加工溝22を形成する。このように艶低減加工を施すことにより、第1加飾面11の艶の程度を第2加飾面12の艶の程度よりも低くする。以上の工程によって、図1に示す車両用内装部品1が完成する。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の車両用内装部品1では、絵柄4が描画された第1加飾面11に、レーザ照射による艶低減加工が施されることにより、その表面に微細な凹凸が付けられる。具体的には、第1加飾面11にそれぞれ平行な複数本の第2線状レーザ加工溝22が形成されるとともに、第2加飾面12には第2線状レーザ加工溝22が形成されていない。この場合、第1加飾面11では、第2線状レーザ加工溝22の凹凸によって光が乱反射し易くなり、光沢度を示す第1グロス値が低くなる。一方、第2加飾面12では、第2線状レーザ加工溝22の凹凸がないため、光が乱反射し難く、光沢度を示す第2グロス値が高くなる。このように、第2加飾面12よりも第1加飾面11の光沢が落されることで、第1加飾面11の艶の程度が第2加飾面12の艶の程度よりも低くなる。本実施の形態では、車両用内装部品1を車両に設置したとき、第1加飾面11の法線N1の仰角θ1が第2加飾面12の法線N2の仰角θ2よりも大きくなる(図5参照)。このため、第1加飾面11には反射や窓写りが生じ易くなるが、第1加飾面11の艶を第2加飾面12よりも低くすることで、反射や窓写りの問題を回避することができる。また、レーザ照射による艶低減加工を施す場合、従来技術のように艶の異なる領域(第1加飾面11及び第2加飾面12)間での段差や絵柄4の位置ずれが生じない。このため、車両用内装部品1の意匠性を十分に確保することができる。
(2)本実施の形態の車両用内装部品1において、第1加飾面11及び第2加飾面12には塗膜3が設けられ、その塗膜3には、絵柄4を構成する第1線状レーザ加工溝21が設けられるとともに、第1加飾面11には艶低減用の第2線状レーザ加工溝22が設けられている。この場合、絵柄4を描画するレーザ加工と艶を落す艶低減加工とを同じレーザ照射装置31を用いて行うことができるため、車両用内装部品1の加工コストを低く抑えることができる。また、本実施の形態では、従来のように水圧転写で加飾する場合と比較して、製造工程の短縮が可能となる。
(3)本実施の形態の車両用内装部品1において、第2線状レーザ加工溝22は、第1線状レーザ加工溝21とオーバーラップした状態で設けられる。また、第2線状レーザ加工溝22の深さD2は、第1線状レーザ加工溝21の深さD1よりも浅く設定され、第2線状レーザ加工溝22の幅W2は、第1線状レーザ加工溝21の幅W1よりも狭く設定される。この場合、第1線状レーザ加工溝21は、幅W1が広くかつ深く加工されるので、絵柄4を確実に描画することができる。また、第2線状レーザ加工溝22は、幅W2が狭くかつ浅く加工されるので、微細な凹凸を第1加飾面11に形成することができる。この結果、絵柄4の輪郭をぼかすことなく、第1加飾面11の艶を確実に低減することができる。
(4)本実施の形態の車両用内装部品1において、第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15にも、それぞれ平行な複数本の第2線状レーザ加工溝22が形成されている。そして、境界部分15に形成される第2線状レーザ加工溝22の線ピッチP2は、第1加飾面11に形成される第2線状レーザ加工溝22の線ピッチP1よりも大きくなっている。この場合、第2線状レーザ加工溝22による凹凸の面積割合は、第1加飾面11よりも境界部分15の方が小さくなる。このため、境界部分15の光沢度を示す第3グロス値は、第1加飾面11の第1グロス値よりも大きくなる。また、境界部分15の第3グロス値は、第2線状レーザ加工溝22による凹凸がない第2加飾面12の第2グロス値よりも小さくなる。つまり、境界部分15の第3グロス値は、第1加飾面11の第1グロス値と第2加飾面12の第2グロス値との中間的な値となっている。このように第2線状レーザ加工溝22を形成すると、第2加飾面12から第1加飾面11に向かって艶の程度が低くなるように表面の艶を段階的に落すことができる。この結果、第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15が目立つことなく、部品表面の意匠性を十分に確保することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図7に基づき説明する。本実施の形態の車両用内装部品1は、第2加飾面12にレーザ照射による艶低減加工が施されている点が上記第1の実施の形態と異なる。車両用内装部品1における他の構成は、上記第1の実施の形態と同じである。
詳述すると、図7に示されるように、車両用内装部品1における第1加飾面11、第2加飾面12及び境界部分15にはそれぞれ平行な複数本の第2線状レーザ加工溝22が形成されている。第2加飾面12に形成される複数本の第2線状レーザ加工溝22も第1加飾面11や境界部分15と同様に第1線状レーザ加工溝に対して傾斜した方向に形成されている。
第2加飾面12に形成される第2線状レーザ加工溝22の線ピッチは、第1加飾面11に形成される第2線状レーザ加工溝22の線ピッチP1(図3参照)や境界部分15に形成される第2線状レーザ加工溝22の線ピッチP2(図4参照)よりも大きい。本実施の形態において、第2線状レーザ加工溝22の線ピッチは、第1加飾面11、境界部分15、第2加飾面12の順に大きくなっている。
つまり、単位面積(例えば、1cm)当たりの第2線状レーザ加工溝22の占める面積割合は、第2加飾面12よりも境界部分15が大きく、かつ境界部分15よりも第1加飾面11が大きくなっている。従って、塗膜3表面の凹凸度合いは、第2加飾面12、境界部分15、第1加飾面11の順に大きくなっている。
本実施の形態の車両用内装部品1において、第2加飾面12では、第2線状レーザ加工溝22の線ピッチを大きくすることにより、第1加飾面11よりも光が乱反射し難くなり、光沢度を示す第2グロス値が第1加飾面11の第1グロス値よりも高くなる。従って、第1加飾面11の艶の程度を第2加飾面12の艶の程度よりも低くすることができる。
また、本実施の形態でも、レーザ照射による艶低減加工を施しているため、艶の異なる第1加飾面11及び第2加飾面12間での段差や絵柄4の位置ずれが生じない。さらに、第2線状レーザ加工溝22の線ピッチは、第1加飾面11、境界部分15、第2加飾面12の順に大きくなっているため、第2加飾面12、境界部分15、第1加飾面11の順に艶の程度が段階的に低くなる。この結果、第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15が目立つことなく、部品表面の意匠性を十分に確保することができる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施の形態では、車両用内装部品1において、屈曲部となる第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15に、それぞれ平行な複数本の第2線状レーザ加工溝22が形成されていたが、これに限定されるものではない。図8に示されるように、第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15において、第2線状レーザ加工溝22同士の距離(線ピッチ)が第2加飾面12から第1加飾面11に向けて徐々に狭くなるように第2線状レーザ加工溝22を形成してもよい。このように第2線状レーザ加工溝22を形成すると、第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15において、艶の程度が徐々に変化する。第1加飾面11と第2加飾面12との境界部分15は屈曲部であるが、その屈曲部で艶の度合いを徐々に変化させることにより、光沢度の変化に伴う違和感を確実に緩和することができる。
・上記各実施の形態の絵柄4は、黒色の塗膜3に形成されていたが、他の有色の塗膜3に形成されるものでもよい。さらに、塗膜3を省略して樹脂成形体2の表面に絵柄4を直接描画してもよい。この場合、樹脂成形体2の表面に第2線状レーザ加工溝22を形成し、部品表面の艶を落すように構成してもよい。また、樹脂成形体2の表面において、塗膜3を保護するクリアコート層を形成し、そのクリアコート層に第2線状レーザ加工溝22を形成してもよい。さらに、塗膜3にレーザ描画によって絵柄4を描画するものであったが、これに限定されるものではない。水圧転写によって、絵柄を有する印刷層を樹脂成形体2の表面2aに転写することで、その表面2aに絵柄を形成してもよい。この場合、第1加飾面11の印刷層に第2線状レーザ加工溝22を形成して部品表面の艶を低下させてもよい。さらに、印刷層を保護するクリアコート層が形成される場合には、そのクリアコート層に第2線状レーザ加工溝22を形成して部品表面の艶を低下させてもよい。
・上記各実施の形態では、レーザ照射によって凹状の線状レーザ加工溝21,22を形成することにより、絵柄4の描画や艶低減加工を行うものであったが、レーザ照射によって塗膜3の加飾面11,12を凸状に膨らませたレーザ加工部を形成して絵柄4の描画や艶低減加工を行ってもよい。さらに、艶低減用の第2線状レーザ加工溝22は、線状の加工部であったが、これに限定されるものではなく、スポット状のレーザ加工部であってもよい。
・上記各実施の形態では、菱形のパターンの絵柄4であったが、これに限定されるものではない。円形、楕円形、三角形などのパターンやそれらが組み合わされた絵柄に具体化してもよい。
・上記各実施の形態において、波長1064nmのYAGレーザを用いてレーザ描画工程や艶低減加工を行うものであったが、これに限定されるものではなく、YAGレーザ以外のレーザを用いて描画工程や艶低減加工を行ってもよい。
・上記各実施の形態の車両用内装部品1では、ナビゲーションシステムのモニタを装着するためのセンタークラスターに具体化したが、ダッシュボードの装飾パネルなどの他の車両用内装部品に具体化してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段1において、前記第1加飾面及び前記第2加飾面には塗膜が設けられ、前記塗膜には、前記絵柄を構成する第1線状レーザ加工溝と、艶低減用の第2線状レーザ加工溝とが設けられており、前記第1加飾面と前記第2加飾面との境界部分には、前記第2加飾面から前記第1加飾面に向けて前記第2線状レーザ加工溝同士の距離が徐々に狭くなるように前記第2線状レーザ加工溝が形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
(2)手段1において、前記第1加飾面及び前記第2加飾面には塗膜が設けられ、前記塗膜には、前記絵柄を構成する第1線状レーザ加工溝と、艶低減用の第2線状レーザ加工溝とが設けられており、前記第1加飾面と前記第2加飾面との境界部分には、前記第2加飾面から前記第1加飾面に向けて徐々に幅が広くなるように前記第2線状レーザ加工溝が形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
(3)手段1において、前記第1加飾面及び前記第2加飾面には塗膜が設けられ、前記塗膜には、前記絵柄を構成する第1線状レーザ加工溝と、艶低減用の第2線状レーザ加工溝とが設けられており、前記第1加飾面と前記第2加飾面との境界部分には、前記第2加飾面から前記第1加飾面に向けて徐々に深くなるように前記第2線状レーザ加工溝が形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
(4)手段1において、前記第1加飾面及び前記第2加飾面には塗膜が設けられ、前記塗膜には、前記絵柄を構成する第1線状レーザ加工溝と、艶低減用の第2線状レーザ加工溝とが設けられており、前記第2線状レーザ加工溝は、前記第1線状レーザ加工溝に対して傾斜した方向に形成されていることを特徴とする車両用内装部品。
(5)手段1において、前記第1加飾面及び前記第2加飾面には塗膜が設けられ、前記塗膜には、前記絵柄を構成する第1線状レーザ加工溝と、艶低減用の第2線状レーザ加工溝とが設けられており、前記第1加飾面及び前記第2加飾面にはそれぞれ平行な複数本の前記第2線状レーザ加工溝が形成されており、前記第2加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチは、前記第1加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチよりも大きいことを特徴とする車両用内装部品。
(6)手段1において、前記第1加飾面及び前記第2加飾面には塗膜が設けられ、前記塗膜には、前記絵柄を構成する第1線状レーザ加工溝と、艶低減用の第2線状レーザ加工溝とが設けられており、前記第1加飾面及び前記第2加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチは同じであり、前記第2加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の幅が、前記第1加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の幅よりも狭く、前記第2加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の深さが、前記第1加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の深さよりも浅いことを特徴とする車両用内装部品。
(7)手段1において、前記車両内において、窓写りが生じる部位に装着されることを特徴とする車両用内装部品。
(8)手段1において、前記車両内において、車両外部2 からの入射光が運転席側に反射する部位に装着されることを特徴とする車両用内装部品。
(9)手段1において、前記絵柄は、前記第1加飾面及び前記第2加飾面の全体に一様に描画される幾何学的な模様であることを特徴とする車両用内装部品。
(10)手段2において、前記艶低減加工では、前記第2加飾面よりも前記第1加飾面の方が線ピッチが狭くなるように、それぞれ平行に複数本の第2線状レーザ加工溝を形成することを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
(11)技術的思想(10)において、前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチは、50μm以上400μm以下であることを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
(12)技術的思想(10)または(11)において、前記第2線状レーザ加工溝を形成する際におけるレーザ照射のエネルギー密度は、20MW/cm以上300MW/cm以下であることを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
1…車両用内装部品
2a…部品表面
3…塗膜
4…絵柄
11…第1加飾面
12…第2加飾面
15…境界部分
21…第1線状レーザ加工溝
22…第2線状レーザ加工溝
D1…第1線状レーザ加工溝の深さ
D2…第2線状レーザ加工溝の深さ
N1…第1加飾面の法線
N2…第2加飾面の法線
W1…第1線状レーザ加工溝の幅
W2…第2線状レーザ加工溝の幅
θ1…第1加飾面の法線の仰角
θ2…第2加飾面の法線の仰角

Claims (6)

  1. ともに絵柄が描画された第1加飾面と第2加飾面とが部品表面にて連続して形成され、車両に設置したときの前記第1加飾面の法線の仰角が前記第2加飾面の法線の仰角よりも大きい車両用内装部品であって、
    前記第1加飾面には、第1線状レーザ加工溝からなる幾何学的パターンを複数配列することで描画された絵柄が形成されるとともに、前記第2加飾面には、前記第1線状レーザ加工溝からなる前記幾何学的パターンと同形状のパターンを複数配列することで描画された同じ絵柄が形成され、
    前記第1加飾面の艶の程度が前記第2加飾面の艶の程度よりも低くなるようにすべく、前記第1加飾面及び前記第2加飾面のうち少なくとも前記第1加飾面には、前記幾何学的パターンとはパターン形状が異なる艶低減用の第2線状レーザ加工溝が、前記第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で平行にかつ複数本形成され、
    前記第1加飾面と前記第2加飾面との境界部分にも、前記第2線状レーザ加工溝が、前記第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で平行にかつ複数本形成され、
    前記境界部分に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチは、前記第1加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチよりも大きく設定されている
    ことを特徴とする車両用内装部品。
  2. ともに絵柄が描画された第1加飾面と第2加飾面とが部品表面にて連続して形成され、車両に設置したときの前記第1加飾面の法線の仰角が前記第2加飾面の法線の仰角よりも大きい車両用内装部品であって、
    前記第1加飾面には、第1線状レーザ加工溝からなる幾何学的パターンを複数配列することで描画された絵柄が形成されるとともに、前記第2加飾面には、前記第1線状レーザ加工溝からなる前記幾何学的パターンと同形状のパターンを複数配列することで描画された同じ絵柄が形成され、
    前記第1加飾面の艶の程度が前記第2加飾面の艶の程度よりも低くなるようにすべく、前記第1加飾面及び前記第2加飾面のうち少なくとも前記第1加飾面には、前記幾何学的パターンとはパターン形状が異なる艶低減用の第2線状レーザ加工溝が、前記第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で平行にかつ複数本形成され、
    前記第1加飾面と前記第2加飾面との境界部分にも、前記第2線状レーザ加工溝が、前記第1線状レーザ加工溝とオーバーラップした状態で平行にかつ複数本形成され、
    前記第2線状レーザ加工溝の深さは、前記第1線状レーザ加工溝の深さよりも浅く設定され、前記第2線状レーザ加工溝の幅は、前記第1線状レーザ加工溝の幅よりも狭く設定されている
    ことを特徴とする車両用内装部品。
  3. 前記境界部分に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチは、前記第1加飾面に形成される前記第2線状レーザ加工溝の線ピッチよりも大きく設定されていることを特徴とする請求項に記載の車両用内装部品。
  4. 前記第1加飾面の光沢度を示す第1グロス値は、前記第2加飾面の光沢度を示す第2グロス値よりも低いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用内装部品。
  5. 前記第1グロス値は、前記第2グロス値よりも60%以上低いことを特徴とする請求項4に記載の車両用内装部品。
  6. ともに絵柄が描画された第1加飾面と第2加飾面とが部品表面にて連続して形成され、車両に設置したときの前記第1加飾面の法線の仰角が前記第2加飾面の法線の仰角よりも大きい請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用内装部品の加飾方法であって、
    前記第1加飾面及び前記第2加飾面に設けられた塗膜にレーザ照射によって絵柄を描画する描画工程を行った後、前記塗膜に対してレーザ照射による艶低減加工を施すことにより、前記第1加飾面の艶の程度を前記第2加飾面の艶の程度よりも低くする
    ことを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
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