JP6205226B2 - 車両用内装部品及びその加飾方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部品表面の加飾面に対するレーザ照射により絵柄が描画された車両用内装部品及びその加飾方法に関するものである。
自動車の内装部品などでは、デザイン性や品質を高めるために樹脂成形体の表面に装飾を加えるようにした加飾部品(例えば、コンソールボックス、インストルメントパネル、アームレストなど)が実用化されている。このような加飾部品に装飾を加える加飾方法として、レーザ描画が提案されている(例えば、特許文献1参照)。レーザ描画は、部品表面の描画領域に沿ってレーザを照射し、レーザによって与えられた熱により部品表面の状態を変化させて、絵柄を描くようにした加飾方法である。特許文献1に開示されている車両用内装部品には、樹脂成形体の表面にカーボン調の絵柄が描画されている。
特開2012−176744号公報
ところで、特許文献1におけるレーザ描画は、樹脂表面を溶融させる、樹脂を発泡させる、樹脂表面を変色させる等によって表面状態を線状に変化させることで絵柄を描画する加工方法であり、デザインのバリエーションが限られていた。具体的には、レーザ描画で描かれた絵柄では、奥行き感のある立体的な視覚効果(立体視効果)を十分に付与することができていなかった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品表面の加飾面に立体視効果がある絵柄を描画して意匠性を高めることができる車両用内装部品を提供することにある。また、別の目的は、上記車両用内装部品を製造するのに好適な車両用内装部品の加飾方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、部品表面の加飾面に対するレーザ照射により絵柄が描画された車両用内装部品であって、並列配置された複数本の第1線状レーザ加工部からなる第1レーザ描画パターンと、前記第1線状レーザ加工部と交差するように並列配置された複数本の第2線状レーザ加工部からなる第2レーザ描画パターンとを備え、前記第1レーザ描画パターンが手前側に見えかつ前記第2レーザ描画パターンが奥側に見えるような立体視効果を付与するべく、前記第1線状レーザ加工部の線幅が前記第2線状レーザ加工部の線幅よりも大きく設定されるとともに、前記第1レーザ描画パターンが前記第2レーザ描画パターンを横切る態様で、前記絵柄が描画されていることを特徴とする車両用内装部品をその要旨とする。
手段1に記載の発明によると、手前側となる第1レーザ描画パターンによって奥側となる第2レーザ描画パターンが隠され、かつ奥側の第2レーザ描画パターンが手前側の第1レーザ描画パターンよりも小さく見える。また、第1線状レーザ加工部の線幅が第2線状レーザ加工部の線幅よりも大きいため、各レーザ加工部の交差部分において第1レーザ描画パターンの輪郭が鮮明に見える。この結果、第1レーザ描画パターンが手前側に見えかつ第2レーザ描画パターンが奥側に見えるような立体視効果を絵柄に付与することができ、車両用内装部品の意匠性を高めることができる。
第1線状レーザ加工部の線間スペースが第2線状レーザ加工部の線間スペースよりも小さく設定されていてもよい。この場合、第1レーザ描画パターンが視覚的により強調された描画パターンとなる。このため、第1レーザ描画パターンが第2レーザ描画パターンよりも手前側に見えるような立体視効果を確実に得ることができる。
金属微粉末を含むメタリック塗料を用いて加飾面に塗膜が形成され、その塗膜に絵柄が描画されていてもよい。このように、メタリック塗料からなる塗膜に絵柄を描画する場合、絵柄の彩度を高めることができ、立体視効果をより確実に表現することができる。
塗膜は黒以外の色に着色された顔料を含むものであり、第1レーザ描画パターンの彩度は第2レーザ描画パターンの彩度よりも高くなっていてもよい。具体的には、レーザ照射による線状レーザ加工部において、アスペクト比が小さくなるように金属微粉末を熱変形させてその表面積を減少させる。この場合、金属微粉末の裏側に隠れていた顔料が部品表面側から見えるようになり顔料の色を強調させることができる。従って、第1線状レーザ加工部の線幅が大きい第1レーザ描画パターンは、その彩度が高くなる。この結果、第1レーザ描画パターンが視覚的に強調されるため、第1レーザ描画パターンが第2レーザ描画パターンよりも手前側に見えるような立体視効果を確実に得ることができる。
手段2に記載の発明は、手段1に記載の車両用内装部品の加飾方法であって、前記第1線状レーザ加工部を加工する際のレーザ出力が前記第2線状レーザ加工部を加工する際のレーザ出力よりも高い第1のレーザ照射条件、及び、前記第1線状レーザ加工部を加工する際のレーザ走査速度が前記第2線状レーザ加工部を加工する際のレーザ走査速度よりも遅い第2のレーザ照射条件のうちの少なくとも一方を設定してレーザを照射することにより、前記絵柄を描画するレーザ描画工程を含むことを特徴とする車両用内装部品の加飾方法をその要旨とする。
手段2に記載の発明によると、レーザ描画工程において、第1のレーザ照射条件及び第2のレーザ照射条件のうちの少なくとも一方のレーザ照射条件で第1線状レーザ加工部が加工される。この場合、第1線状レーザ加工部の積算熱量が第2線状レーザ加工部の積算熱量よりも大きくなる。このため、第1線状レーザ加工部の線幅は、第2線状レーザ加工部の線幅よりも大きくなり、立体視効果のある絵柄を描画することができる。
レーザ描画工程の前に、鱗片状をなす金属微粉末を含むメタリック塗料を用いて加飾面に塗膜を形成する塗膜形成工程を行い、レーザ描画工程において、レーザを照射することにより、塗膜中の金属微粉末を熱変形させて絵柄を描画してもよい。この場合、絵柄の彩度を十分に高めることができ、立体視効果をより確実に表現することができる。
塗膜に含まれる金属微粉末の形成材料としては、アルミニウム、鉄、金、銀、銅、ニッケル、スズ、ステンレスなどの金属材料を挙げることができる。また、塗膜を形成するメタリック塗料としては、金属微粉末が熱硬化アクリル塗料などの半透明エナメルに含まれる塗料などが挙げられる。
さらに、塗膜は、鱗片状をなす第1の金属微粉末が表面側に浮上しないノンリーフィングタイプのメタリック塗料を用いて形成されることが好ましい。また、塗膜におけるレーザの吸収率が40%以下であることが好ましく、10%以下がより好ましい。このようにすると、塗膜の表面側には第1の金属微粉末が存在せず、その表面側でレーザのエネルギーが殆ど吸収されないため、レーザ描画工程において、塗膜の表面に凹凸が形成されることがない。また、ノンリーフィングタイプのメタリック塗料を用いる場合、塗膜において、鱗片状をなす金属微粉末が一様に分散し塗膜の面方向と平行に配列する。このため、レーザ描画工程において、塗膜の表面側から照射されたレーザが塗膜中の金属微粉末に確実に当たるため、その加工熱によって金属微粉末を熱変形させることができる。
具体的には、金属微粉末は、アルミニウムフレークであり、塗膜中にて0.5重量%以上5.0重量%以下の割合で含まれていることが好ましい。ここで、塗膜中のアルミニウムフレークが0.5重量%よりも少ないと、アルミニウムフレークの熱変形による加飾を十分に得られなくなる場合がある。また、塗膜中のアルミニウムフレークが5.0重量%を超える場合には、アルミニウムフレークの影響が大きくなりすぎて、顔料による着色効果が十分に得られなくなってしまう。従って、アルミニウムフレークからなる金属微粉末を0.5重量%以上5.0重量%以下の割合で含む場合、部品表面の塗膜に絵柄を確実に描画することができる。
また、顔料は、塗膜中にて1.0重量%以上8.5重量%以下の割合で含まれていることが好ましい。このような割合で顔料を含ませることにより、部品表面の塗膜に絵柄を鮮明に描画することができる。
レーザ照射条件として、レーザの波長が1064nmであり、レーザのエネルギー密度が50MW/cm以上900MW/cm以下であることが好ましい。このようにすると、アルミニウムフレークにおいてレーザのエネルギーが吸収され、アルミニウムフレークを確実に熱変形させることができる。
以上詳述したように、手段1または2に記載の発明によると、部品表面の加飾面に立体視効果がある絵柄を描画して意匠性を高めることができる。
第1の実施の形態における車両用内装部品の表面の一部を示す平面図。 車両用内装部品を示す拡大断面図。 レーザ加工熱によるアルミニウムフレークの熱変形を示す説明図。 表面加飾システムを示す概略構成図。 塗膜形成工程を示す説明図。 レーザ描画工程を示す説明図。 第2の実施の形態における車両用内装部品の表面の一部を示す平面図。 図7において点線で示す円の内側を拡大した拡大図。 第3の実施の形態における絵柄を示す平面図。 第4の実施の形態における絵柄を示す平面図。 第5の実施の形態における絵柄を示す平面図。
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、車両用内装部品1の表面の一部を示す平面図であり、図2は、その車両用内装部品1を示す拡大断面図である。
図1及び図2に示されるように、車両用内装部品1は、立体的形状をなす樹脂成形体2と、その樹脂成形体2の表面2a(加飾面)に形成された塗膜3とを有し、塗膜3に絵柄4が描かれている。本実施の形態の車両用内装部品1は、自動車のドアに設けられたアームレストの上面を覆う装飾パネルである。また、樹脂成形体2は、有色の熱可塑性樹脂(例えば茶色に着色されたABS樹脂)を用いて成形された樹脂成形品である。
塗膜3は、例えば青色に着色された顔料6と金属微粉末7a,7bとを含んで形成されている。金属微粉末7a,7bは、アルミニウムからなる金属粉(アルミニウム粉)である。塗膜3の厚さは、例えば5μm以上35μm以下(本実施の形態では15μm)に設定されている。この塗膜3の形成に用いられる塗料は、無色透明の2液型アクリルウレタン樹脂塗料に対して、光透過性を有しないアルミニウムフレーク(鱗片状をなす金属微粉末)7aを含有させてなるメタリック塗料である。なお、本実施の形態では、アルミニウムフレーク7aが表面側に浮上しないノンリーフィングタイプのメタリック塗料が用いられている。
また、メタリック塗料は、アルミニウムフレーク7aを0.5重量%以上5.0重量%以下の割合で含み、顔料6を1.0重量%以上8.5重量%以下の割合で含んでいる。アルミニウムフレーク7aは、アルミニウムの粉末をローラ等で薄く伸ばすことで形成される。なお、アルミニウムフレーク7aの最大粒子径(長径)の平均値は、例えば5μm以上50μm以下(本実施の形態では15μm程度)であり、アルミニウムフレーク7aの厚さの平均値は、例えば0.05μm以上2μm以下(本実施の形態では0.3μm程度)である。また、顔料6のサイズとしては、アルミニウムフレーク7aの粒子径の1/10以下のサイズであり、平均粒子径が数百nm〜数μm程度のものが用いられる。
本実施の形態において、アルミニウムフレーク7aは、最小寸法部位の平均的な値(図3で示される厚さT1の平均値)に対する最大寸法部位の平均的な値(図3で示される長径D1の平均値)の比で示されるアスペクト比A1(=D1/T1)が20以上である。また、球形状のアルミニウム粉7bは、厚さT2の平均値に対する長径D2の平均値の比で示されるアスペクト比A2(=D2/T2)が3以下であり、アルミニウムフレーク7aよりもアスペクト比が小さくなっている。
球形状のアルミニウム粉7bは、レーザL1の加工熱によってアルミニウムフレーク7aを熱変形(凝縮)させることで形成されており、アルミニウムフレーク7aよりも表面積が小さくなっている。つまり、図2に示されるように、塗膜3において、レーザL1の照射によってレーザ加工が施されたレーザ加工部11は、球形状のアルミニウム粉7bを主として含む。一方、塗膜3においてレーザ加工が施されていない未加工部12は、アルミニウムフレーク7aが未変形のまま残される。従って、レーザ加工部11とその周囲の未加工部12とでは、塗膜3中に含まれるアルミニウム粉7a,7bの表面積が異なるため、光反射率や光透過率に差をつけることができる。そして、レーザ加工部11と未加工部12とにおける光反射率や光透過率の違いによって絵柄4が描画されている。
具体的には、図1に示されるように、絵柄4は、並列配置された複数本(本実施の形態では4本)の線状レーザ加工部11(11a,11b,11c)からなるレーザ描画パターン21(21a,21b,21c)を複数備えている。本実施の形態の絵柄4は、立体的な視覚効果(立体視効果)が付与されるように、第1レーザ描画パターン21a、第2レーザ描画パターン21b及び第3レーザ描画パターン21cの3種類の描画パターンによって描画されている。
詳しくは、第1レーザ描画パターン21aは、線幅が最も大きい第1線状レーザ加工部11aからなり、図1の絵柄4において下側に2つ設けられている。また、第2レーザ描画パターン21bは、線幅が中間的な大きさの第2線状レーザ加工部11bからなり、絵柄4の上下方向の中央部に2つ設けられている。さらに、第3レーザ描画パターン21cは、線幅が最も小さい第3線状レーザ加工部11cからなり、絵柄4の上側に2つ設けられている。
第1レーザ描画パターン21aを形成する複数本の第1線状レーザ加工部11aは互いに平行な直線群であり、第2レーザ描画パターン21bを形成する複数本の第2線状レーザ加工部11bも互いに平行な直線群である。また、第3レーザ描画パターン21cを形成する複数本の第3線状レーザ加工部11cも互いに平行な直線群である。そして、隣接する2つのレーザ描画パターン21a〜21cにおいて、それら描画パターンを構成する複数本の線状レーザ加工部11a〜11cがそれぞれ交差するように絵柄4が描かれている。
絵柄4では、下側に配置されるレーザ描画パターン21がその上側に配置されるレーザ描画パターン21を横切る形態で描画されている。つまり、第1レーザ描画パターン21aが第2レーザ描画パターン21bを横切る形態で描画される。また、第2レーザ描画パターン21bが第3レーザ描画パターン21cを横切る形態で描画される。従って、各第1線状レーザ加工部11aと各第2線状レーザ加工部11bとの交差部分では、第2線状レーザ加工部11bよりも線幅が大きい第1線状レーザ加工部11aが優先して形成されている。さらに、各第2線状レーザ加工部11bと各第3線状レーザ加工部11cとの交差部分では、第3線状レーザ加工部11cよりも線幅が大きい第2線状レーザ加工部11bが優先して形成されている。
さらに、第1レーザ描画パターン21aにおける第1線状レーザ加工部11aの線間スペースは、第2レーザ描画パターン21bにおける第2線状レーザ加工部11bの線間スペースよりも小さく設定される。また、第2レーザ描画パターン21bにおける第2線状レーザ加工部11bの線間スペースは、第3レーザ描画パターン21cにおける第3線状レーザ加工部11cの線間スペースよりも小さく設定される。なおここで、線間スペースとは、レーザ描画パターン21において隣接する2つの線状レーザ加工部11間に配置する未加工部12のスペース(図1では白色で表示される線状のスペース)のことを言う。
この場合、第1レーザ描画パターン21aにおいて各第1線状レーザ加工部11aの占める面積割合は、第2レーザ描画パターン21bにおいて各第2線状レーザ加工部11bの占める面積割合よりも多くなる。このため、第2レーザ描画パターン21bよりも第1レーザ描画パターン21aの方が、塗膜3中に含まれるアルミニウム粉7a,7bの表面積が小さくなる。また、第2レーザ描画パターン21bにおいて各第2線状レーザ加工部11bの占める面積割合は、第3レーザ描画パターン21cにおいて各第3線状レーザ加工部11cの占める面積割合よりも多くなる。このため、第3レーザ描画パターン21cよりも第2レーザ描画パターン21bの方が、塗膜3中に含まれるアルミニウム粉7a,7bの表面積が小さくなる。
従って、第2レーザ描画パターン21bと比較して第1レーザ描画パターン21aでは、アルミニウムフレーク7aの裏側に隠れていた顔料6が部品表面側から見えるようになり顔料6の青色が強調される。同様に、第3レーザ描画パターン21cと比較して第2レーザ描画パターン21bでは、顔料6の青色が強調される。このため、第1レーザ描画パターン21aの彩度は第2レーザ描画パターン21bの彩度よりも高く、第2レーザ描画パターン21bの彩度は第3レーザ描画パターン21cの彩度よりも高くなる。
このように各レーザ描画パターン21a〜21cを描画すると、絵柄4において、第1レーザ描画パターン21aが第2レーザ描画パターン21bの手前側に見え、第3レーザ描画パターン21cが第2レーザ描画パターン21bの奥側に見えるといった立体視効果が得られる。
図2に示されるように、本実施の形態の車両用内装部品1では、塗膜3の表面側にはアルミニウム粉7a,7bが存在しておらず、塗膜3の表面からアルミニウム粉7a,7bが露出していない。また、塗膜3におけるレーザ加工部11とその周囲の未加工部12とでは同じ表面状態になっている。つまり、塗膜3の表面には絵柄4に応じた凹凸が形成されておらず、塗膜3の表面は平坦面になっている。
次に、車両用内装部品1を製造するための表面加飾システムについて説明する。
図4に示されるように、表面加飾システム30は、レーザ照射装置31、ワーク変位ロボット32及び制御装置33を備えている。レーザ照射装置31は、レーザL1(本実施の形態では、波長1064nmのYAGレーザ)を発生させるレーザ発生部41と、レーザL1を偏向させるレーザ偏向部42と、レーザ発生部41及びレーザ偏向部42を制御するレーザ制御部43とを備えている。レーザ偏向部42は、レンズ44と反射ミラー45とを複合させてなる光学系であり、これらレンズ44及び反射ミラー45の位置を変更することにより、レーザL1の照射位置や焦点を調整するようになっている。レーザ制御部43は、レーザL1の照射時間変調、照射強度変調、照射面積変調などの制御を行う。
また、ワーク変位ロボット32は、ロボットアーム46と、ロボットアーム46の先端に設けられたワーク支持部47とを備えている。ワーク支持部47は、表面に塗膜3が塗装された樹脂成形体2を支持するようになっている。そして、ワーク変位ロボット32は、ロボットアーム46を駆動して樹脂成形体2の位置及び角度を変更することにより、樹脂成形体2の表面に対するレーザL1の照射位置を変更するようになっている。
制御装置33は、CPU50、メモリ51及び入出力ポート52等からなる周知のコンピュータにより構成されている。CPU50は、レーザ照射装置31及びワーク変位ロボット32に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。
なお、メモリ51には、レーザ照射を行うためのレーザ照射データが記憶されている。レーザ照射データは、CADデータを変換することによって得られるデータであり、CADデータは、樹脂成形体2の表面の形状データや絵柄4を示す画像データ等を変換することによって得られるデータである。また、メモリ51には、レーザ照射に用いられるレーザ照射パラメータ(レーザL1の照射位置、焦点、照射角度、照射面積、照射時間、照射強度、照射速度、照射ピッチなど)を示すデータが記憶されている。
次に、車両用内装部品1の加飾方法を説明する。
まず、熱可塑性樹脂(本実施の形態ではABS樹脂)を用いて所定の立体形状に成形した樹脂成形体2を準備する。そして、樹脂成形体2は、作業者によってワーク変位ロボット32のワーク支持部47(図4参照)にセットされる。
その後、塗膜形成工程を行い、青色に着色された顔料6及びアルミニウムフレーク7a(鱗片状をなす金属微粉末)を含有するメタリック塗料を用いて、樹脂成形体2の表面2a(加飾面)に塗膜3を形成する(図5参照)。詳述すると、CPU50は、塗膜形成用の駆動信号を生成し、生成した塗膜形成用の駆動信号を塗装装置(図示略)に出力する。そして、塗装装置は、CPU50から出力された塗膜形成用の駆動信号に基づいて、塗装機61による塗膜3の塗装を開始させる。
ここでは、樹脂成形体2の表面上に、塗装機61を用いてメタリック塗料を塗装することにより塗膜3を形成する。この塗装直後からの時間経過に伴って塗膜3が硬化するときには、塗膜3中においてアルミニウムフレーク7aが自重により徐々に沈み込むとともに、各アルミニウムフレーク7aは一様に分散し塗膜3の面方向に平行に配列する。この結果、塗膜3の表面側にはアルミニウムフレーク7aが存在しない領域が形成され、塗膜3中のアルミニウムフレーク7aは非露出状態となる。なお、この塗膜3に含まれる顔料6は青色に着色されており、塗膜3におけるレーザL1のエネルギー吸収率は40%以下となっている。
続くレーザ描画工程では、樹脂成形体2の表面2aの塗膜3にレーザL1を照射しレーザL1の加工熱により、塗膜3内にてアルミニウムフレーク7aを熱変形させて絵柄4を描画する。具体的に言うと、CPU50は、樹脂成形体2表面の形状データや絵柄4に応じたレーザ照射パラメータに基づいて、レーザ照射を行うためのレーザ照射データを生成し、あらかじめメモリ51に記憶しておく。表1には、本実施の形態におけるレーザ照射パラメータの具体例を示している。
表1に示されるように、手前側となる第1線状レーザ加工部11a(第1レーザ描画パターン21a)では、レーザ出力が10.4(W)、走査速度が1000mm/sの照射条件が設定される。また、中間となる第2線状レーザ加工部11b(第2レーザ描画パターン21b)では、レーザ出力が9.1(W)、走査速度が4000mm/sの照射条件が設定される。さらに、奥側となる第3線状レーザ加工部11c(第3レーザ描画パターン21c)では、レーザ出力が7.8(W)、走査速度が8000mm/sの照射条件が設定される。これら照射条件を設定した場合、各加工部11a〜11cにおける積算熱量は、手前側となる第1線状レーザ加工部11aが最も大きくなる。具体的には、第1線状レーザ加工部11aの積算熱量を1.0とした場合、第1線状レーザ加工部11aに対する第2線状レーザ加工部11bの積算熱量の比は0.2となり、第3線状レーザ加工部11cの積算熱量の比は0.1となる。
そして、CPU50は、メモリ51に記憶されているレーザ照射データに基づいてレーザ照射を行う。具体的には、CPU50は、メモリ51に記憶されているレーザ照射データを読み出し、読み出したレーザ照射データに基づいて駆動信号を生成し、生成した駆動信号をレーザ照射装置31に出力する。レーザ照射装置31は、CPU50から出力された駆動信号に基づいて、樹脂成形体2の表面に形成された塗膜3にレーザL1を照射する(図6参照)。なお、レーザ照射装置31のレーザ制御部43は、レーザ発生部41からレーザL1を照射させ、画像データのパターンに応じてレーザ偏向部42を制御する。この制御により、レーザL1の照射位置が決定される。
そして、CPU50は、メモリ51に記憶されているレーザ照射データに基づいて、部品表面にレーザL1を照射する。このとき、表1に示されるように、第1線状レーザ加工部11aを加工する際のレーザ出力が第2線状レーザ加工部11bを加工する際のレーザ出力よりも高い第1のレーザ照射条件が設定される。さらに、第1線状レーザ加工部11aを加工する際のレーザ走査速度が第2線状レーザ加工部11bを加工する際のレーザ走査速度よりも遅い第2のレーザ照射条件が設定される。また、第2線状レーザ加工部11bを加工する際のレーザ出力が第3線状レーザ加工部11cを加工する際のレーザ出力よりも高い第1のレーザ照射条件が設定される。さらに、第2線状レーザ加工部11bを加工する際のレーザ走査速度が第3線状レーザ加工部11cを加工する際のレーザ走査速度よりも遅い第2のレーザ照射条件が設定される。
そして、第1のレーザ照射条件及び第2のレーザ照射条件でレーザL1が照射されることで、積算熱量の差が生じて線幅の異なる線状レーザ加工部11a〜11cが形成される。ここで、線幅が最も大きい複数本の第1線状レーザ加工部11aが形成されることで第1レーザ描画パターン21aが描画される。また、線幅が中間的な大きさの複数本の第2線状レーザ加工部11bが形成されることで第2レーザ描画パターン21bが描画される。さらに、線幅が最も小さい複数本の第3線状レーザ加工部11cが形成されることで第3レーザ描画パターン21cが描画される。このようにして、樹脂成形体2の塗膜3に絵柄4が描画され、図1及び図2に示す車両用内装部品1が完成する。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の車両用内装部品1では、加飾面となる樹脂成形体2の表面2aに塗膜3が形成される。そして、塗膜3には、第1レーザ描画パターン21aを形成する第1線状レーザ加工部11aの線幅が第2レーザ描画パターン21bを形成する第2線状レーザ加工部11bの線幅よりも大きく、第1レーザ描画パターン21aが第2レーザ描画パターン21bを横切る態様で描画される。この場合、手前側となる第1レーザ描画パターン21aによって奥側となる第2レーザ描画パターン21bが隠され、かつ奥側の第2レーザ描画パターン21bが手前側の第1レーザ描画パターン21aよりも小さく見える。また、第1線状レーザ加工部11aの線幅が第2線状レーザ加工部11bの線幅よりも大きいため、各レーザ加工部11a,11bの交差部分において第1レーザ描画パターン21aの輪郭が鮮明に見える。さらに、塗膜3には、第2レーザ描画パターン21bの第2線状レーザ加工部11bの線幅が第3レーザ描画パターン21cの第3線状レーザ加工部11cの線幅よりも大きく、第2レーザ描画パターン21bが第3レーザ描画パターン21cを横切る態様で描画される。この場合、手前側の第2レーザ描画パターン21bによって奥側の第3レーザ描画パターン21cが隠され、かつ奥側の第3レーザ描画パターン21cが手前側の第2レーザ描画パターン21bよりも小さく見える。また、第2線状レーザ加工部11bの線幅が第3線状レーザ加工部11cの線幅よりも大きいため、各レーザ加工部11b、11cの交差部分において第2レーザ描画パターン21bの輪郭が鮮明に見える。この結果、第1レーザ描画パターン21aが最も手前側に見え、第2レーザ描画パターン21bや第3レーザ描画パターン21cが奥側に見えるような立体視効果を絵柄4に付与することができ、車両用内装部品1の意匠性を高めることができる。
(2)本実施の形態の車両用内装部品1では、絵柄4において、第1線状レーザ加工部11aの線間スペースが第2線状レーザ加工部11bの線間スペースよりも小さく設定され、第2線状レーザ加工部11bの線間スペースが第3線状レーザ加工部11cの線間スペースよりも小さく設定されている。この場合、第1レーザ描画パターン21aが第2レーザ描画パターン21bよりも視覚的に強調され、第2レーザ描画パターン21bが第3レーザ描画パターン21cよりも視覚的に強調される。このため、第1レーザ描画パターン21aが第2レーザ描画パターン21bよりも手前側に見え、第2レーザ描画パターン21bが第3レーザ描画パターン21cよりも手前側に見えるような立体視効果を確実に得ることができる。
(3)本実施の形態の車両用内装部品1では、青色に着色された顔料6とアルミニウムフレーク7aとを含むメタリック塗料を用いて塗膜3が形成され、その塗膜3に絵柄4が描画されている。また、絵柄4において、第1レーザ描画パターン21aの彩度は第2レーザ描画パターン21bの彩度よりも高く、第2レーザ描画パターン21bの彩度は第3レーザ描画パターン21cの彩度よりも高くなっている。具体的には、レーザ照射による線状レーザ加工部11において、アスペクト比が小さくなるようにアルミニウムフレーク7aを熱変形させてその表面積を減少させる。この場合、アルミニウムフレーク7aの裏側に隠れていた顔料6が部品表面側から見えるようになり顔料6の青色を強調させることができる。従って、第1線状レーザ加工部11aの線幅が大きい第1レーザ描画パターン21aは、彩度が最も高くなる。この結果、第1レーザ描画パターン21aが視覚的に強調されるため、第1レーザ描画パターン21aが手前側に見えるような立体視効果を確実に得ることができる。
(4)本実施の形態の車両用内装部品1において、第1線状レーザ加工部11aを加工する際のレーザ出力が第2線状レーザ加工部11bを加工する際のレーザ出力よりも高く、第2線状レーザ加工部11bを加工する際のレーザ出力が第3線状レーザ加工部11cを加工する際のレーザ出力よりも高い第1のレーザ照射条件が設定される。また、第1線状レーザ加工部11aを加工する際のレーザ走査速度が第2線状レーザ加工部11bを加工する際のレーザ走査速度よりも遅く、第2線状レーザ加工部11bを加工する際のレーザ走査速度が第3線状レーザ加工部11cを加工する際のレーザ走査速度よりも遅い第2のレーザ照射条件が設定される。そして、第1のレーザ照射条件及び第2のレーザ照射条件で各線状レーザ加工部11a〜11cが加工される。この場合、第1線状レーザ加工部11aの積算熱量が第2線状レーザ加工部11bの積算熱量よりも大きく、第2線状レーザ加工部11bの積算熱量が第3線状レーザ加工部11cの積算熱量よりも大きくなる。このため、各線状レーザ加工部11a〜11cの線幅は、第3線状レーザ加工部11c、第2線状レーザ加工部11b及び第1線状レーザ加工部11aの順に大きくなり、立体視効果のある絵柄4を描画することができる。
(5)本実施の形態の車両用内装部品1において、塗膜3は、アルミニウムフレーク7aが表面側に浮上しないノンリーフィングタイプのメタリック塗料を用いて形成されている。また、塗膜3におけるレーザの吸収率が40%以下となっている。このメタリック塗料を用いると、塗膜3の表面側にはアルミニウムフレーク7aが存在せず、その塗膜3の表面側ではレーザL1のエネルギーが殆ど吸収されない。このため、塗膜3の表面に絵柄4に応じた凹凸が形成されることがなく、その表面の艶が好適な状態に維持される。また、塗膜3において、アルミニウムフレーク7aが一様に分散し塗膜3の面方向と平行に配列する。このため、塗膜3の表面側から照射されたレーザL1が塗膜3中のアルミニウムフレーク7aに確実に当たるため、その加工熱によってアルミニウムフレーク7aを鱗片状から球形状に熱変形させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図7及び図8に基づき説明する。図7は、本実施の形態における車両用内装部品1Aの表面の一部を示す平面図であり、図8は、図7において点線で示される円の内側を示す拡大図である。本実施の形態の車両用内装部品1Aは、樹脂成形体2の塗膜3にレーザ描画される絵柄71が上記第1の実施の形態と異なる。なお、絵柄71以外の構成は、上記第1の実施の形態と同じである。
図7及び図8に示されるように、絵柄71は、曲線で囲まれた異なる形状及びサイズを有する複数のレーザ描画パターン72(72a,72b,72c)を備えている。本実施の形態の各レーザ描画パターン72(72a,72b,72c)も、上記第1の実施の形態と同様に、並列配置された複数本の線状レーザ加工部73(73a,73b,73c)からなる。具体的には、絵柄71は、最も色の濃いパターンである第1レーザ描画パターン72a、中間的な色の濃さのパターンである第2レーザ描画パターン72b、色の薄いパターンである第3レーザ描画パターン72cとを備えている。また、最も色の薄い(白い)部位は、レーザL1の未加工部12である。これらのレーザ描画パターン72と未加工部12との形状及び色の濃淡によって絵柄71が描画されている。なお、図7の絵柄71では、白黒の濃淡で示されているが、実際の絵柄71は、青色の濃淡で描画されている。
図8に示されるように、第1レーザ描画パターン72aは、線幅が最も大きい第1線状レーザ加工部73aからなり、第2レーザ描画パターン72bは、線幅が中間的な大きさの第2線状レーザ加工部73bからなる。また、第3レーザ描画パターン72cは、線幅が最も小さい第3線状レーザ加工部73cからなる。第1レーザ描画パターン72aを形成する複数本の第1線状レーザ加工部73aは互いに平行な直線群であり、第2レーザ描画パターン72bを形成する複数本の第2線状レーザ加工部73bも互いに平行な直線群である。さらに、第3レーザ描画パターン72cを形成する複数本の第3線状レーザ加工部73cも互いに平行な直線群である。
隣接する2つのレーザ描画パターン72a〜72cにおいて、それら描画パターン72a〜72cを構成する複数本の線状レーザ加工部73a〜73cがそれぞれ交差するように絵柄71が描かれている。なお、上記第1の実施の形態の絵柄4では各レーザ加工部11a〜11cの交差部分が直線的であったが、本実施の形態の絵柄71では各レーザ加工部73a〜73cの交差部分は曲線的になっている。これにより、各レーザ描画パターン72a〜72cが曲線的なパターンとなる。
また、本実施の形態の絵柄71では、第1レーザ描画パターン72aが第2レーザ描画パターン72b及び第3レーザ描画パターン72cを横切る形態で描画され、第2レーザ描画パターン72bが第3レーザ描画パターン72cを横切る形態で描画される。さらに、第1レーザ描画パターン72aにおける第1線状レーザ加工部73aの線間スペースは、第2レーザ描画パターン72bにおける第2線状レーザ加工部73bの線間スペースよりも小さく設定される。また、第2レーザ描画パターン72bにおける第2線状レーザ加工部73bの線間スペースは、第3レーザ描画パターン72cにおける第3線状レーザ加工部73cの線間スペースよりも小さく設定される。
このように各レーザ描画パターン72a〜72cを描画すると、絵柄71において、第1レーザ描画パターン72aが第2レーザ描画パターン72bの手前側に見え、第3レーザ描画パターン72cが第2レーザ描画パターン72bの奥側に見える。従って、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様に立体視効果が得られるため、車両用内装部品1Aの意匠性を高めることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第3の実施の形態を図9に基づき説明する。本実施の形態では、樹脂成形体2の塗膜3にレーザ描画される絵柄75が上記第1の実施の形態と異なる。なお、絵柄75以外の構成は、上記第1の実施の形態の車両用内装部品1と同じである。
図9に示されるように、本実施の形態の絵柄75でも、第1の実施の形態と同様に、第1レーザ描画パターン21a、第2レーザ描画パターン21b及び第3レーザ描画パターン21cを備える。第1の実施の形態の絵柄4では、隣接する2つのレーザ描画パターン21(21a,21b,21c)の線状レーザ加工部11(11a,11b,11c)が交差していたが、本実施の形態の絵柄では、3つのレーザ描画パターン21a,21b,21cの線状レーザ加工部11a,11b,11cが同一箇所で交差している。また、各第2線状レーザ加工部11bと各第3線状レーザ加工部11cとの交差部分を各第1線状レーザ加工部11aが横切る形態で絵柄75が描画されている。つまり、各線状レーザ加工部11の交差部分では、各第2線状レーザ加工部11bと各第3線状レーザ加工部11cを分断するかたちで各第1線状レーザ加工部11aが優先して形成されている。
このように各レーザ描画パターン21a〜21cを描画すると、手前側から奥側に向けて第1レーザ描画パターン21a、第2レーザ描画パターン21b、第3レーザ描画パターン21cの順に各パターン21が配置するように絵柄75が見える。従って、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様に立体視効果が得られるため、車両用内装部品の意匠性を高めることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第4の実施の形態を図10に基づき説明する。本実施の形態では、樹脂成形体2の塗膜3にレーザ描画される絵柄81が上記第1の実施の形態と異なる。なお、絵柄81以外の構成は、上記第1の実施の形態の車両用内装部品1と同じである。
図10に示されるように、本実施の形態の絵柄81は、並列配置された複数本の線状レーザ加工部82(82a,82b,82c)からなるレーザ描画パターン83(83a,83b,83c)を複数備えている。絵柄81において、第1レーザ描画パターン83aは、線幅が最も大きい第1線状レーザ加工部82aからなり、第2レーザ描画パターン83bは、線幅が中間的な大きさの第2線状レーザ加工部82bからなる。また、絵柄81における第3レーザ描画パターン83cは、線幅が最も小さい第3線状レーザ加工部82cからなる。
本実施の形態において、複数本の第1線状レーザ加工部82aは互いに同心円状に配置された円弧群であり、複数本の第2線状レーザ加工部82bも互いに同心円状に配置された円弧群である。また、複数本の第3線状レーザ加工部82cも互いに同心円状に配置された円弧群である。これら円弧群は、第1線状レーザ加工部82a、第2線状レーザ加工部82b、第3線状レーザ加工部82cの順にサイズが小さくなっている。
絵柄81では、第1レーザ描画パターン83aが第2レーザ描画パターン83bを横切る形態で描画され、第2レーザ描画パターン83bが第3レーザ描画パターン83cを横切る形態で描画される。このような各レーザ描画パターン83a〜83cからなる絵柄81を描画しても、第1レーザ描画パターン83aが手前に見えかつ第2レーザ描画パターン83bが奥側に見える。さらに、第3レーザ描画パターン83cがそれら描画パターン83a,83bの奥側に見える。従って、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様に立体視効果が得られるため、車両用内装部品の意匠性を高めることができる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第5の実施の形態を図11に基づき説明する。本実施の形態では、樹脂成形体2の塗膜3にレーザ描画される絵柄91が上記第1の実施の形態と異なる。なお、絵柄91以外の構成は、上記第1の実施の形態の車両用内装部品1と同じである。
図11に示されるように、本実施の形態の絵柄91は、第1レーザ描画パターン92a、第2レーザ描画パターン92b、第3レーザ描画パターン92c及び第4レーザ描画パターン92dによって描画されている。各レーザ描画パターン92(92a〜92d)は菱形を取り囲むように菱形の各辺に対応する位置に配置されている。第1レーザ描画パターン92aは、並列配置された複数本の第1線状レーザ加工部93aからなり、第2レーザ描画パターン92bは、並列配置された複数本の第2線状レーザ加工部93bからなる。第3レーザ描画パターン92cは、並列配置された複数本の第3線状レーザ加工部93cからなり、第4レーザ描画パターン92dは、並列配置された複数本の第4線状レーザ加工部93dからなる。
複数本の各線状レーザ加工部93(93a〜93d)は、互いに平行な直線群である。各線状レーザ加工部93において第1線状レーザ加工部93aの線幅が最も大きく、第2線状レーザ加工部93b、第3線状レーザ加工部93c、第4線状レーザ加工部93dの順に線幅が小さくなっている。そして、第1レーザ描画パターン92aは、第2レーザ描画パターン92b及び第4レーザ描画パターン92dを横切る形態で描画され、第2レーザ描画パターン92bは第3レーザ描画パターン92cを横切る形態で描画される。さらに、第3レーザ描画パターン92cは第4レーザ描画パターン92dを横切る形態で描画されている。
このような各レーザ描画パターン92a〜92dからなる絵柄91を描画すると、第1レーザ描画パターン92aが最も手前側に見え、第2レーザ描画パターン92b、第3レーザ描画パターン92c、第4レーザ描画パターン92dの順に奥側に見える。従って、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様に立体視効果が得られるため、車両用内装部品の意匠性を高めることができる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、線幅の異なる3種類の第1線状レーザ加工部11a,73a,82a〜第3線状レーザ加工部11c,73c,82cからなる絵柄4,71,75,81が描画され、第5の実施の形態では、線幅の異なる4種類の第1線状レーザ加工部93a〜第4線状レーザ加工部93dからなる絵柄91が描画されるものであったが、これに限定されるものではない。本発明は、線幅の異なる少なくとも2種類の第1線状レーザ加工部(第1レーザ描画パターン)及び第2線状レーザ加工部(第2レーザ描画パターン)により描画される絵柄に具体化するものであればよい。
・上記第3の実施の形態において、複数本の線状レーザ加工部82a〜82cは、互いに平行な円弧群であったが、円弧群以外の曲線群により描画される描画パターンで絵柄を描画してもよい。
・上記各実施の形態の絵柄4は、メタリック塗料からなる塗膜3に形成されていたが、他の有色の塗膜3に形成されるものでもよい。具体的には、絵柄4は、レーザの加工熱によって塗膜3中に含まれるアルミニウムフレーク7aを熱変形させることで形成したが、これに限定されるものではなく、レーザ加工によって塗膜の表面状態を変化させて絵柄を描画してもよい。つまり、レーザ加工を施して、塗膜を溶融させる、塗膜を発泡させる、塗膜を変色させるなどの表面状態を変化させることにより、塗膜の表面に絵柄を描画してもよい。なお、塗膜を溶融させる場合には線状レーザ加工部は凹状となり、塗膜を発泡させる場合には線状レーザ加工部は凸状となる。さらに、塗膜3を省略して樹脂成形体2の表面にレーザ加工を施すことによって絵柄4を直接描画してもよい。
・上記実施の形態において、波長1064nmのYAGレーザを用いてレーザ描画工程を行うものであったが、これに限定されるものではない。塗膜3や金属微粉末7の種類に応じて、YAGレーザ以外のレーザを用いてレーザ描画工程を行ってもよい。
・上記実施の形態は、自動車用加飾部品1をドアのアームレストに具体化するものであったが、これ以外に、コンソールボックス、インストルメントパネルなどの他の部品に具体化してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段1において、金属微粉末を含むメタリック塗料を用いて前記加飾面に塗膜が形成され、前記塗膜の表面には、前記絵柄に応じた凹凸が形成されていないことを特徴とする車両用内装部品。
(2)手段1において、金属微粉末を含むメタリック塗料を用いて前記加飾面に塗膜が形成され、前記メタリック塗料は、鱗片状をなす前記金属微粉末が表面側に浮上しないノンリーフィングタイプの塗料であることを特徴とする車両用内装部品。
(3)手段1において、金属微粉末を含むメタリック塗料を用いて前記加飾面に塗膜が形成され、前記金属微粉末は、アルミニウムフレークであり、前記塗膜中にて0.5重量%以上5.0重量%以下の割合で含まれていることを特徴とする車両用内装部品。
(4)手段1において、複数本の前記第1線状レーザ加工部は互いに平行な直線群であり、前記複数の前記第2線状レーザ加工部は互いに平行な直線群であることを特徴とする車両用内装部品。
(5)手段1において、複数本の前記第1線状レーザ加工部は互いに平行な曲線群であり、前記複数の前記第2線状レーザ加工部は互いに平行な曲線群であることを特徴とする車両用内装部品。
(6)手段1において、複数本の前記第1線状レーザ加工部は互いに同心円状に配置された円弧群であり、前記複数の前記第2線状レーザ加工部は互いに同心円状に配置された円弧群であることを特徴とする車両用内装部品。
1,1A…車両用内装部品
2a…加飾面としての表面
3…塗膜
4,71,75,81,91…絵柄
6…顔料
7a,7b…金属微粉末としてのアルミニウム粉
11a,73a,82a,93a…第1線状レーザ加工部
11b,73b,82b,93b…第2線状レーザ加工部
21a,72a,83a,92a…第1レーザ描画パターン
21b,72b,83b,92b…第2レーザ描画パターン
L1…レーザ

Claims (6)

  1. 部品表面の加飾面に対するレーザ照射により絵柄が描画された車両用内装部品であって、
    並列配置された複数本の第1線状レーザ加工部からなる第1レーザ描画パターンと、前記第1線状レーザ加工部と交差するように並列配置された複数本の第2線状レーザ加工部からなる第2レーザ描画パターンとを備え、
    前記第1レーザ描画パターンが手前側に見えかつ前記第2レーザ描画パターンが奥側に見えるような立体視効果を付与するべく、
    前記第1線状レーザ加工部の線幅が前記第2線状レーザ加工部の線幅よりも大きく設定されるとともに、前記第1レーザ描画パターンが前記第2レーザ描画パターンを横切る態様で、前記絵柄が描画されている
    ことを特徴とする車両用内装部品。
  2. 前記第1線状レーザ加工部の線間スペースが前記第2線状レーザ加工部の線間スペースよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装部品。
  3. 金属微粉末を含むメタリック塗料を用いて前記加飾面に塗膜が形成され、その塗膜に前記絵柄が描画されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用内装部品。
  4. 前記塗膜は黒以外の色に着色された顔料を含むものであり、前記第1レーザ描画パターンの彩度は前記第2レーザ描画パターンの彩度よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の車両用内装部品。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用内装部品の加飾方法であって、
    前記第1線状レーザ加工部を加工する際のレーザ出力が前記第2線状レーザ加工部を加工する際のレーザ出力よりも高い第1のレーザ照射条件、及び、前記第1線状レーザ加工部を加工する際のレーザ走査速度が前記第2線状レーザ加工部を加工する際のレーザ走査速度よりも遅い第2のレーザ照射条件のうちの少なくとも一方を設定してレーザを照射することにより、前記絵柄を描画するレーザ描画工程を含む
    ことを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
  6. 前記レーザ描画工程の前に、鱗片状をなす金属微粉末を含むメタリック塗料を用いて前記加飾面に塗膜を形成する塗膜形成工程を行い、
    前記レーザ描画工程において、前記レーザを照射することにより、前記塗膜中の前記金属微粉末を熱変形させて前記絵柄を描画することを特徴とする請求項5に記載の車両用内装部品の加飾方法。
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