JP6328700B2 - 有機試料の元素分析 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像質量分光法、特に撮像元素質量分光法の分野に関する。特定の態様において、本発明は、元素タグとして試料中に導入されている、または試料中で天然に存在し得る生物学的試料中の特定の元素の分布を分析することに関する。
生物学的試料中の所謂無機元素の分布は、多数の理由から、決定することが重要である。無機元素は、一般に、典型的にはC、H、N、及びOなどの有機材料を形成する元素以外の元素を指す。通常、対象となる無機元素は酸素よりも重く、典型的には金属または半金属元素である。急成長するメタロミクスの分野によって反映されるように、生物学的試料中の無機元素の天然分布は、遺伝子、タンパク質、及び代謝物レベルでの生物学的プロセスについての重要な情報を明らかにする。更に、元素タグ付けと呼ばれるアプローチにおいて、いくつかの所謂元素タグ(マーカとも呼ばれ得る)は、典型的には生物学的システムにおける特定の標的またはプロセスに焦点を合わせるための特定の結合剤(例えば、抗体、アプタマー、代謝標識など)の助けによって、試料中の標的に人工的に付加され得る。放射線、光(例えば、蛍光または吸収)などのようなタグの元素の存在量を測定するために、X線蛍光(XRF)、二次電子分光法(SES)、X線光電子分光測定法(XPS)、電子マイクロプローブ分析(EMPA)、二次イオン質量分光法(SIMS)、レーザープラズマイオン化質量分光法(LPI MS)、及び誘導結合型プラズマ質量分光法(ICP MS)などを含む多くの異なる検出技術が用いられ得る。
SIMSまたはICP MSなどの質量分光測定技術と比較して、蛍光に基づく分析(assay)の場合、技術は高速ではあるが低い感度に悩まされ得、1つの分析当たり1つまたは少数の標的に限定される。
質量分光法技術は、例えば、マルチコレクタ磁気セクター、飛行時間型、OrbitrapまたはFourier変換イオンサイクロトロン共鳴分析器を使用する、元素の高度の並行多重測定を可能にする。しかしながら、例えば、組織の撮像など、空間的に分解された分析が必要とされる場合、低い存在量の元素は、スペクトルが組織からの強力なマトリクスピークによって支配されるようになるため、これら全ての分析器に対して課題を提起する。これらのマトリクスピークは、主要な元素がC、H、N、Oだけではなく、S、P、アルカリ金属(Na、K)などでもある、大部分の組織を構成する多原子種に由来するものであり得る。多原子種は、原理としてはRFのみのガス充填反応セルにおいて排除され得る(例えば、米国第5,767,512号、及び米国第7,230,232号)ものの、そのような反応は分析物に高度に依存し、対象となる金属に影響を与える可能性があり、一般にこれらの対象となるイオンの損失をもたらす。これは、分析物の開始量が最初から限定される撮像用途において、特に顕著である。
レーザーアブレーションによるICP MS(LA/ICPMS)は、多原子種の寄与が無視できることが知られるため、例えば、国際特許出願第2010/133196号、独第DE10354787号、国際特許出願第0151907号、国際特許出願第02054057号、米国第8274735号、国際特許出願第2014/063246号、国際特許出願第2015128490号他に示されるように、組織の元素撮像のための好ましい方法のうちの1つとなった。マイクロメートル(μm)空間分解能での最大数十画素/秒の取得速度が、実証されている。そのような速度をもってしてでさえ、単一の画像の取得のためには依然として数時間が必要とされる。しかしながら、輸送プロセスのほとんどが大気圧及び低い輸送速度で行われるため、取得速度の更なる増加は、表面からICPトーチへの試料プルームの輸送中のその拡散による信号の一時的拡散によって制限される。大気圧は、ICP操作にとって必須である。この拡散に加えて、移動線は、試料材料によって形成されるエアロゾルでコーティングされ得るため、試料導入ユニットのキャリーオーバー及び汚染をもたらす。いかなる臨床的用途によってもより高いスループットが必要とされるため、過剰な汚染は、分析の費用及び保守点検時間を増大させるであろう。
SIMSまたはレーザープラズマイオン化アプローチの当該技術分野において既知である真空へのイオン化プロセスの移動は、作成された対象となるイオンの比較的低い電流のため、非常に長い走査プロセス、しいては長い暴露時間の必要をもたらす。
作成されたイオンのそのような低い電流はしばしば、イオン化剤または二次イオン作成の低い効率によってよりもむしろ、細胞/組織マトリクス中の天然元素またはタグの比較的低い濃度によって引き起こされる。これはまた、SES、マイクロX線蛍光(μXRF)などのマルチチャネル元素撮像の他の方法を利用することを妨げる。別の問題は、真空チャンバ及び有機マトリクス材料を有する分析器構成要素の急速な汚染である。例えば、1つのみの、100mm2の面積の典型的な5μmの厚さの組織片の分析が、感度の必要条件を満たすために分析に完全に利用された場合、機器を完全に汚染し得る。SIMSの場合、しばしば少なくとも3〜5マイクロメートルの厚さである典型的な組織試料の分析を減速させる、比較的遅い速度の試料除去という更なる問題が存在する。
同位体比質量分光法(IRMS)の分野、特に同位体比分析器がガスクロマトグラフィー(GC)または液体クロマトグラフィー(LC)分離ステージにインターフェースで接続される場合において、試料を酸化させて、CO2、NOx、H2Oなどのガスを生成させ、これを分析して、C、N、及び/またはOなどの元素の同位体比を決定する。酸化は、Z.Muccio and G.P.Jackson,Isotope ratio mass spectrometry,Analyst134(2009)213−222によって記載されるように(例えば、GC−IRMSにおいて)燃焼炉内で行われ得るか、またはそれは、C.Osburn and G.St−Jean,Limnology and Oceanography: Methods5(2007)296−308によって記載されるように(例えば、LC−IRMSにおいて)湿潤化学酸化プロセスに関与し得る。例えば、UVオゾンによる「乾燥」酸化はまた、半導体、ガラスなどの表面上の汚染の除去のために日常的に使用される。
本発明は、この背景に対して作製されている。
本発明は、上述の方法のうちのいずれかによる組織試料の分析前に、組織試料を処理するために使用され得るアプローチに関する。組織の厚さは、典型的には必要とされる分析の空間分解能にほとんど匹敵するため、慎重に制御された酸化条件は、より重い元素またはタグの、それらの本来の位置からの拡散を制限しながらの、有機マトリクスの徐々の除去をもたらし得る。結果として、対象となる必要とされる分析物及び撮像情報を送達するのと同時に、よりずっと少ない量の材料が試料採取中に脱着または除去されるであろう。
本発明は、分析される元素(本明細書において対象となる元素または分析物元素と様々に呼ばれ得る)の事前濃縮による有機試料の元素分析に対する、改善されたアプローチを提供する。これらは、典型的には、試料中に天然にまたはタグの導入を通して存在する無機元素である。これは、先行するアプローチにおいて非効果的であった、元素撮像のための様々な方法が使用され得ることを可能にする。
本発明の一態様に従うと、有機試料中の1つ以上の分析物元素を撮像する方法であって、
試料を基板上に層として提供することと、
基板上の試料を反応(好ましくは酸化)させて、試料を離れて気相に入る1つ以上の揮発性生成物を生成する一方で、1つ以上の分析物元素が試料中に残存し、それにより重量による試料の大部分が反応(好ましくは酸化)によって基板から除去され、残存する試料層が1つ以上の分析物元素で富化または濃縮されることと、
撮像元素分析器を使用して、富化または濃縮された試料層中に1つ以上の分析物元素を検出することと、を含む、方法が提供される。
好ましくは、分析物元素は反応によって、撮像分析の空間分解能よりも大きくは空間的に乱されない。いくつかの個々の分析物はこれよりも大きな距離によって乱され得るものの、好ましくは、分析物元素は反応により平均で撮像分析の空間分解能以下で空間的に乱される。
本発明の別の態様に従うと、有機試料中の1つ以上の分析物元素を撮像するための器具であって、
基板上に層として提供された試料を受容するための反応チャンバ(好ましくは酸化チャンバ)であって、
試料を酸化させて、試料を離れて気相に入る1つ以上の揮発性生成物を生成するための1つ以上の化学酸化剤またはイオン性酸化剤をチャンバ内に導入するための、電磁放射源及び/または入口を備える一方で、1つ以上の分析物元素が試料中に残存し、かつ酸化によって空間的に乱され、それにより重量による試料層の大部分が酸化によって基板から除去され、残存する試料層が1つ以上の分析物元素で富化される、反応チャンバと、
富化された試料層中の該1つ以上の分析物元素の空間的分布を検出するための検出チャンバ内の撮像元素分析器と、を備える、器具が提供される。
本発明の更なる一態様に従うと、有機試料中の1つ以上の分析物元素を撮像するための専用の撮像元素分析器であって、
撮像される1つ以上の分析物元素を含有する有機試料を収容するためのチャンバであって、試料の周りのチャンバ内の圧力が10-5〜10-2mbarの範囲内である、チャンバと、
(i)一次イオンの高強度ビームを試料に照射するためのイオン銃であって、一次イオンが1mbar未満の圧力でイオン銃内で形成され、イオン銃が一次イオンビームの焦点を、試料の表面上の局在化スポットに合わせ、スポットを試料の表面上の複数の位置に経時的に移動させるためのものである、イオン銃、(ii)試料の表面上の局在化スポットを照射して、イオンを生成し、スポットを試料の表面上の複数の位置に経時的に移動させるためのレーザー、好ましくは強力レーザーから選択される、少なくとも1つの一次照射手段と、
一次照射に応答して、試料から放出された、分析物元素を含む生成されたイオンを受容するためのガス充填RFイオンガイドであって、分析物元素の質量または質量範囲未満のm/zの全てのイオンの以後の移動を防ぎ、好ましくは生成されたイオンのうちの少なくともいくつかが、該イオンガイド中でイオン分子反応を受ける、RFイオンガイドと、
RFイオンガイドから、生成されたイオンまたは生成されたイオンの反応生成物を受容するための飛行時間型(TOF)質量分析器であって、少なくとも5kHz、好ましくは50〜100kHzの反復速度を有するように構成される、TOF質量分析器と、を備える、分析器が提供される。
本発明の更なる態様に従うと、試料中の1つ以上の分析物元素を質量分析するため、及び好ましくは撮像するための元素分析器であって、
1つ以上の分析物元素を含有する試料を収容するためのチャンバであって、好ましくは試料の周りのチャンバ内の圧力が10-5〜10-2mbarの範囲内である、チャンバと、
試料の表面上の局在化スポットを照射し、試料中の少なくとも1つ以上の分析物元素をレーザープラズマイオン化させるためのレーザーであって、好ましくはスポットを試料の表面上の複数の位置に経時的に移動させるためのものである、レーザーと、
レーザープラズマイオン化によって生成された1つ以上の分析物元素のイオンを受容するための反応セルであって、イオンが反応セルを通して移動するにつれて組成及びイオンの放出率が変化、好ましくは低減させられる、反応セルと、
反応セルから、1つ以上の分析物元素のイオン及び/または1つ以上の分析物元素の反応生成物のイオンを受容するための質量分析器、好ましくは飛行時間型(TOF)質量分析器であって、好ましくは少なくとも5kHzの反復速度を有するように構成される、TOF質量分析器と、を備える、元素分析器が提供される。
タグなどであり得る、基板上の分析物元素の事前濃縮は、対象となる無機元素を基板上に残存させながら、有機マトリクスまたは試料の材料を、廃棄物として除去される揮発性ガスに変換する酸化反応を可能にすることによって実装される。したがって、好ましくは揮発性生成物は、実質的に分析物元素を含有しない。更に、無機元素種は、最終的に基板上での(すなわち、酸化試料中の)酸化形態になり得る。
その後、残存する試料中の富化された分析物元素は、撮像元素分析器を使用して検出され得る。検出は、酸化に対する異なる時間及び(例えば、異なるチャンバ内での)位置で行われ得る。例えば、検出は、典型的には酸化の後に行われる。検出から、その後、試料中の検出された元素の画像が作成され得る。したがって、撮像元素分析器は、1つ以上の元素の検出から入力を受信し、試料中の1つ以上の元素の画像を作成するデータ取得システムを備え得る。撮像元素分析器は、望ましくは質量分析器またはポリクロメータを備える装置などの、複数の元素を並行して高速撮像することができる装置である。
初期試料は、有機試料であり、すなわち、大部分は有機物質からなり、検出される分析物元素を含む少量または微量の無機物質を含有する。それは、検出されることが所望される、1つ以上の分析物元素が含有される有機マトリクスを含む任意の試料であり得る。有機マトリクスは、試料の質量または重量の大部分を構成する。有機マトリクスは、試料層の少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%、または少なくとも99.9重量%、または少なくとも99.99重量%を構成し得る。
試料は、生物学的試料、すなわち、生物学的起源であり得る。生物学的試料は、生物に由来し得る。生物は、植物または動物または細菌であり得る。本発明の好ましい一用途において、生物学的試料は、組織及び/または個々の細胞である。
分析物元素は一般に、典型的に有機マトリクスを形成する元素(C、H、N、及びO)以外の元素である。典型的には、分析物元素は酸素よりも重い。典型的には、元素は金属または半金属(メタロイド)元素である。元素は、好ましくは質量16よりも重い金属であり得る。元素は、重金属元素であり得る。元素は、希土類元素(ランタニド)もしくは遷移金属もしくは後期遷移金属、またはアルカリ金属、またはアルカリ土類金属、またはメタロイドから選択され得る。元素は、放射性同位元素であり得る。複数の分析物の場合、元素は、上の分類の任意の組み合わせであり得る。1つ以上の分析物元素は、同一の元素の2つ以上の異なる同位元素を含み得る。
1つ以上の分析物元素は、例えば、生物学的試料などの試料中の微量元素として、試料中に天然に存在し得る。そのような元素はまた、改善された定量のための内部標準としても使用され得る。1つ以上の分析物元素は、例えば、当該技術分野において既知である元素タグ付けの方法を使用して、元素タグとして試料中に導入されていてもよい。好ましい元素タグの1つの分類は、希土類元素(特にランタニド)である。タグは、放射線分析器によって検出可能な放射性同位元素であり得る。
1つ以上の元素タグは、例えば、米国第2014/0221241A1号に記載されるように、ナノ粒子、ナノロッド、質量ドット、または量子ドットとして提供され得る。
1つ以上の元素タグは、希土類もしくは他の元素の精製された同位元素、または所定の割合でのそれらの組み合わせとして提供され得る。
1つ以上の元素タグは、試料中の標的に結合する結合メンバーに結合され得る。結合メンバーは、それが試料中の特定の標的に結合するように、特異的であり得る。1つ以上存在する場合、各元素タグ(各質量)は、試料中の特定の標的に対して特異的である、異なる結合メンバーに結合され得る。したがって、複数の異なる標的が存在し得る。好ましくは、各元素タグは、異なる特定の結合メンバーに結合する。1つ以上の元素タグは、直接的または間接的(例えば、リンカーを介して)に結合メンバーに結合し得る。結合メンバーは、染色(例えば、蛍光染色)、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体、アフィボディ、及びアプタマー)、またはSOMAmer(TM)から選択され得る。標的は、試料中の任意の有機分子であり得る。生物学的試料の場合、標的は、生体分子、例えば、タンパク質、多糖、脂質、及び核酸から選択されるものなどの巨大分子、ならびに代謝物及び天然生成物などの小分子であり得る。標的は、抗原であり得る。一例として、元素タグは、それが、抗体が抗原に結合した後に抗体抗原複合体に結合されるように、抗体に結合し得る。その標的、または各標的は、好ましくはバイオマーカである。
いくつかの実施形態において、1つ以上の元素タグは、試料中、例えば、食物または支持培地に代謝的に導入されていてもよい。したがって、元素タグは、代謝標識の一部を形成し得る。
タグ付けはまた、例えば、米国特許出願公開第2014/106976号及びB.Bodenmiller et al.,Nature Biotechnology 30(2012)858−867に記載されるように、バーコード様式で複数の元素を利用し得る。
1つ以上の元素タグは、同一の元素の2つ以上の異なる同位体タグを含み得る。
試料は、基板上に層として調製される。試料は、好ましくは薄層として、より好ましくは(i)20μm、または(ii)10μm、または(iii)5μm、または(iv)3μm以下の厚さで提供される。
基板は、典型的にはスライド、例えば、平面スライドである。基板またはスライドは、金属、ガラス、またはセラミック平板であり得る。いくつかの実施形態において、基板は、二酸化チタンの表面を有し得る。例えば、前述のスライドまたは平板のうちのいずれも、二酸化チタンの表面を有し得る。このために、基板は、好ましくは二酸化チタンフィルムまたは固定化された二酸化チタン粒子の形態の二酸化チタンの層でコーティングされ得る。基板の好ましい実施形態のうちの1つは、当該技術分野において既知である酸化インジウムスズコーティングを有する、標準顕微鏡ガラススライドである。
いくつかの実施形態において、試料は、好ましくはミクロトームによって、好ましくは3〜5μmの厚さに切断された、固定または包埋された組織試料、例えば、ホルマリン固定、パラフィン包埋された(FFPE)組織を含み得る。
いくつかの実施形態において、試料は、例えば、フローサイトメーターまたはハイコンテンツスクリーニング装置から基板上に堆積した個々の細胞を含み得る。細胞は、例えば、格子様パターン(例えば、X及びY方向に50μ毎mまたは30μm毎)で堆積され得る。この場合の典型的な細胞サイズは、最大5μmもしくは最大10μm、または5〜10μmであり得る。格子様試料調製物の一例は、国際特許出願公開第2014/063246号に示される。
いくつかの実施形態において、試料は、増殖培地上の細胞培養物、例えば、アガロースなどの増殖培地の薄層上の微生物または細菌培養物を含み得る。好ましくは、培養物は、最大10μmまたは最大20μmの厚さである。典型的に、増殖培地は、この培養物の厚さよりも厚いであろう。培養物試料は、そのままで(例えば、プラズマエッチングを使用して)酸化され得るが、酸化及びその後の試料採取は、厚層の増殖培地にとってはそれほど効果的ではないであろう。好ましくは、そのような試料は、酸化及び試料採取を改善するために、薄培養物層または薄培養物層に近いものへと切断されるべきである。
いくつかの実施形態において、試料は、(例えば、フローフォーカシング、音響液滴噴出、誘導などの種類の自動試料採取装置を含む)自動試料採取装置によって堆積され得る。
試料は、例えば、自動試料採取装置によって、格子様パターン(例えば、X及びY方向に30〜50μm毎)内もしくはその上の、またはマイクロアレイ内もしくはその上の、またはマルチウェルプレート内の個々の液滴として基板上に堆積され得る。
いくつかの実施形態において、(異なる試料であり得る)複数の試料は、例えば、上述の格子様パターンで基板上の異なる位置で基板上に堆積され得る。
1つ以上の分析物元素での試料のタグ付けは、試料を基板上に提供する前または後、好ましくは後に行われ得る。
本発明の特定の実施形態において、分析物元素は元素タグではなく、試料中に天然に存在する元素(所謂天然元素)である。したがって、特定の実施形態において、試料は、タグ付けされていないという意味で未処理のままである。この種類の方法は、試料中の金属元素などの天然無機元素、特に(例えば、メタロミクスの実験では、金属、例えば、Fe、Zn、Snなどの)より重い天然無機元素の分布を産生するための用途において使用され得る。
基板上での試料の調製が終了すると、試料は、酸化ステップのために処理チャンバ(例えば、酸化チャンバ)に移され得る。試料は、その中の水の量を低減するために、この移動の前に任意で凍結乾燥され得る。試料は、それが1つ以上の好ましくは強度の酸化剤に供される、気密性反応チャンバに移され得る。一実施形態において、酸化は、燃焼を引き起こすために、酸素の流れまたは雰囲気内で試料を加熱することを含み得る。分析物元素またはタグが、分析の所望される空間分解能よりも、プロセスによって空間的に乱されない限り、多くの異なる燃焼または酸化プロセスが機能し得る。分析の空間分解能(例えば、1ミクロンまたは3〜5ミクロンの空間分解能が典型的に使用され得る)がより精細であればあるほど、酸化プロセスは穏やかであるはずである。いかなる場合でも、ガス気泡の形成あるいは沸騰は元素の本来の空間的分布を強烈に乱すため、それは許容されない。いくつかの実施形態において、必要とされる空間分解能が約数十ミクロンである場合、より激烈かつ急速な酸化が使用され得る。気相酸化が好ましいものの、元素タグの空間的分布の低い乱れという必要条件が依然として履行される限り、湿潤化学酸化及びRF放出プラズマによるエッチングもまた実装され得る。残存する試料の富化を加速させるために、いくつかの酸化プロセスの組み合わせが使用され得る。
気密封止されたチャンバは、検出または分析が行われる検出チャンバとは別個の反応チャンバであってもよく、それは検出または分析チャンバと同一のチャンバであってもよい。したがって、いくつかの実施形態において、酸化チャンバは検出チャンバと同一のチャンバであり、すなわち、そのような場合、単一の酸化及び検出チャンバが存在する。好ましくは、酸化は、撮像元素分析器が位置する検出チャンバとは異なるチャンバ内で実行される。したがって、酸化された試料は、典型的には反応(すなわち、酸化)チャンバから(撮像元素分析器が位置付けられる)検出/分析チャンバへと移されなくてはならない。したがって、そのような場合、酸化プロセスが終了すると、基板(スライド)は、多数の適用可能な方法のうちのいずれか1つによる元素撮像のために真空チャンバ内へと移される(すなわち、プロセスは全体として、変換/濃縮、その後の真空に基づく撮像分析という2つのステップのプロセスである)。
好ましくは、酸化ステップは、試料を1つ以上の酸化剤に暴露することを含み、任意で、試料は酸化ステップ中に加熱される。したがって、器具、例えば、反応チャンバは、試料を酸化ステップ中に加熱するための加熱器を更に含んでもよい。反応チャンバは、真空チャンバであってもよい。酸化は、チャンバ内で(大気圧を超える)昇圧、大気圧、または減圧(すなわち、大気圧未満)で実行され得る。減圧状態は、100〜1000mbarの間または1〜100mbarの間であり得る。後者の場合、酸化を促進するためにDCまたはRFガス放電が使用されてもよい。1つ以上の酸化剤は、(i)電磁放射、及び/または(ii)1つ以上の気相化学酸化剤、及び/または(iii)イオンもしくは電子、及び/または(iv)1つ以上の液相化学酸化剤から選択され得る。したがって、入口に接続されるのは1つ以上の化学酸化剤源であってもよく、好ましくは1つ以上の酸化剤は、オゾン、過酸化水素、及び液相酸化剤の一例として過硫酸塩(例えば、過硫酸アンモニウム、ナトリウム、またはカリウム)から選択される。後者は、好ましくは触媒、例えば、リン酸及び硝酸銀とともに使用される。剤は、(大気圧未満の)減圧で、ともにまたは連続的にチャンバ内に入れられてもよい。
好ましい使用され得る気相酸化剤としては、オゾン及び過酸化水素が挙げられる。試料は、電磁放射、具体的には光、特に400nm未満の波長を有する光(好ましくはUV光であるが、いくつかの実施形態においてX線)の作用によって酸化され得る。オゾン酸化の例について、UVオゾン酸化チャンバは、湿潤空気または湿潤酸素、及び254nm及び/または185nmのUV光での補助的な活性化を更に供給しながら、当該技術分野において既知である大気圧または昇圧で使用され得る。酸化が光を使用して実行される場合、試料は任意で、光に供される基板の光触媒表面(好ましくは二酸化チタン表面)上に存在する。酸化光は、好ましくは0.1ミリワット/cm2超、もしくは1.0ミリワット/cm2超、もしくは10ミリワット/cm2超、または0.1〜10ミリワット/cm2の範囲の強度で表面を照射する。
したがって、1つ以上の酸化剤は、(i)電磁放射であり得、酸化ステップは、400nm未満の波長の光で試料を照射することを含み、基板が試料を酸化させる光触媒としての役割を果たすか、または(ii)1つ以上の化学酸化剤であり得、酸化ステップは、オゾン及び過酸化水素から選択される1つ以上の化学酸化剤に試料を暴露することを含む。
試料の表面がプラズマからの荷電粒子によって衝撃され、酸化がスパッタリングによって補助されるように、試料を低圧RFまたはDCガス放電と接触させることによって、類似の効果が達成される。このプロセスは典型的には、UVオゾン処理と比較してより高速かつより「摩耗性」であるため、元素のより大きな塊または結晶にとってより好適である。
記載される酸化プロセスは、有機マトリクス原子の急速な酸化、例えば、以下の酸化反応、C→CO、CO2、N→NO、NO2、H→H2Oなどのうちのいずれか1つ以上を引き起こすのに好適である。したがって、1つ以上の揮発性生成物は、好ましくはC、H、及び/またはNの1つ以上の酸化物を含む。任意で、SはSO2または他の硫黄酸化物に変換される。作成された揮発性酸化生成物は、好ましくはポンピング排出され、試料質量のうちの一部、好ましくはほとんどを運び去る。同時に、分析物元素、例えば(Oより重い)より重い元素、及び特に金属元素は揮発性生成物を生成しないため、主に酸化形態で、連続的に薄くなる試料層上に残存する。したがって、試料は、撮像元素分析器による分析の前に1つ以上の分析物元素となるか、またはそれで富化される。好ましくは、基板上の試料中の分析物元素の位置は、反応の結果として(少なくとも著しくまたは実質的には)変化しない。このために、反応速度は、通気または沸騰が生じず、分析物元素の位置が変化しないように制御され得る。より重い元素またはそのような元素のより大きな塊もしくは結晶について、拡散は低いが、反応速度は、拡散の長さをa)1×試料厚さD、b)0.5*D、c)2*D未満に保持するために十分に低く選択されるべきである。それによりそのように決定された試料中の分析物元素の画像は、(反応前の)本来の試料中の分析物元素の分布を表す。
好ましくは、反応ステップは、重量による試料層の大部分を基板から除去する。より好ましくは、好ましい順番で、反応は、試料層の少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%、または少なくとも99.9重量%、または少なくとも99.99重量%を除去する。いくつかの実施形態において、反応ステップは、試料層のうちの90重量%〜99重量%の間、または90重量%〜99.9重量%の間を除去する。
好ましくは、反応ステップは、有機マトリクスのうちのほとんど(最も好ましくは、90重量%超、もしくは95重量%超、もしくは99重量%超)が除去され、かつ典型的にはより重い分析物元素がその後の分析のために十分に濃縮されるように、酸化プロセスが実質的に飽和に到達する、またはそれに近くなるまで継続される。
好ましくは、反応ステップは、(使用される場合は光もしくはイオンを含む)酸化剤の供給及び/または試料の温度を調節することによって酸化プロセスの速度を制御することを含む。いくつかの実施形態において、揮発性生成物及び/またはそれらの気相の濃縮物のうちの少なくとも1つの生成は、例えば、酸化反応を停止(して、所望されない生成物の占有率が最小化されるように酸化の完全性を監視)する時間、または酸化の速度(それが激烈すぎると、元素またはタグの位置を乱し得るため、それが激烈すぎないように)を決定するために、(例えば、1つ以上のガスセンサを使用して)プロセス制御のため、及び例えば、揮発性生成物中の特定の元素またはそれらの同位元素の相対含有量を測定して、試料についての追加の種類の情報(例えば、副生成物、汚染物質など)を得るための診断のために監視され得る。反応チャンバの別の実施形態は、酸化剤(オゾン、過酸化水素、過硫酸塩)がその下の供給から押し通される多孔性無機材料から作製された、試料スライドを使用することを含む。このアプローチは、薄組織片を通したこれらの剤の高速の拡散に依存するため、通気及び沸騰をもたらす可能性がより高い。しかしながら、この場合、別の多孔性スライドは、組織からわずか数マイクロメートル離れて位置付けられて、結果として生じるガス流動によって運び去られるより重い元素の非揮発性酸化物を「捕獲」し得る。この通過アプローチは、気泡が形成された場合でさえ、対象となる分析物のいかなる損失もなく、より高速な酸化プロセスを可能にする。
したがって、いくつかの実施形態において、基板上の試料を反応させるステップは、基板の反対側から試料へと、基板内の細孔を通して1つ以上の酸化剤を通過させて、試料に到達することと、試料に近接しているが、それから離間配置され、かつそれに面する第2の基板が存在することと、それにより1つ以上の酸化剤が試料を通して拡散して、試料から揮発性生成物を生成し、撮像分析器による検出のために非揮発性分析物(より重い)元素及び/またはそれらの酸化物を第2の基板の表面に到達させ、かつその上に残存させることと、を含む。2つの基板間に十分に小さな、例えば、5〜10マイクロメートルの間隙があると、その間隙は、元素が第2の基板へと移された後に、試料中の分析物のより重い元素の空間的分布が実質的に保存されるようなものである。少なくとも好ましくは、平均で第2の基板へと移される分析物元素は、酸化によって、実行されるべき撮像分析の空間分解能以下で空間的に乱される。
撮像元素分析器は、二次電子分光計(SES)、X線光電子分光計(XPS)、X線蛍光(XRF)分光計、エネルギー分散型X線マイクロ分析器、放射線分析器、イオン移動度分析器、及び質量分光計(MS)、好ましくは質量分光計から選択され得る。
好ましくは、1つ以上の元素を検出することは、試料の表面上の局在化スポットに焦点を当てる、イオンまたは光子などの一次粒子ビームで濃縮された試料を照射して、スポットから二次粒子を放出させ、二次粒子を分析して、スポットにおける1つ以上の元素の存在及び任意で量を決定することを含み、スポットは試料の表面上の複数の位置に経時的に移動され、それにより試料中の前記1つ以上の元素の画像を得、試料の表面上のスポットの各位置は画像の画素に対応する。二次イオンのうちの少なくともいくつかは、分析物元素のうちの1つ以上を含むイオンである。二次粒子は、それらが試料表面から放出される(例えば、二次粒子が既に元素イオンもしくはそれらの酸化物イオンであり、かつ分析器が質量分光計である場合、または二次粒子が、そのまたは以上の分析物元素に特有である、1つ以上の分析物元素から放出された光子もしくは電子である場合)か、またはそれらが分析のために別の形態に変換され得る、例えば、(例えば、質量分析器のICPイオン源における)質量分析のために放出された中性もしくはイオン性多原子粒子から単原子元素イオンへと変換される、あるいは質量分析器の上流の反応もしくは衝突セルにおける(イオン分子もしくはイオン−イオン反応を介して)反応生成物へと変換されるにつれて直接的に分析され得る。
したがって、撮像元素分析器は、一次粒子ビームを作成し、ビームの焦点を試料の表面上の局在化スポットに当てて、スポットから二次粒子を放出するための一次粒子源(例えば、イオン銃)または光子源(例えば、レーザー)を備え、二次粒子を分析して、スポットにおける1つ以上の元素の存在及び任意で量を決定するための二次粒子分析器を備え得、一次粒子源は、スポットを試料の表面上の複数の位置に経時的に移動させるように構成され、それにより試料中の1つ以上の元素の画像を得、試料の表面上のスポットの各位置が画像の画素に対応する。撮像元素分析器は、1秒当たり少なくとも100画素、または1秒当たり少なくとも1000画素、または1秒当たり1000〜10000画素の範囲内の速度で前記画像を取得し得る。
好ましくは、一次粒子は、IR、または可視光、またはUV、またはX線光子、または電子、及びイオンから選択される。また好ましくは、二次粒子は、選択された光子(特にX線)、電子、及びイオンである。
好ましくは、一次粒子のエネルギーは1keVを超える。
好ましくは、一次粒子はイオンであり、及びより好ましくは、一次粒子源はイオン銃を備える。好ましくは、一次イオンビームは連続的である。しかしながら、いくつかの実施形態において、一次イオンビームはパルスである。好ましくは、一次粒子は、1mbar未満の圧力で形成されたイオンであり、二次粒子が質量分析器による分析のためのイオンである。したがって、撮像元素分析器は、真空まで排気されるように構成された撮像二次イオン質量分光計(SIMS)であり得、一次粒子は、1mbar未満の圧力で供給源において形成されたイオンであり、二次粒子は、SIMSの質量分析器による分析のためのイオンである。
試料の走査は、イオン銃の操舵プレートによって、及び/または試料もしくは基板が位置付けられるステージを移動させることによって実装され得る。例えば、より薄い試料(例えば、3μm以下の薄さの組織切片厚さ)、及び/または一次ビームのより強力な空間的焦点化、及び/または空間電荷焦点外れを低減するための一次ビーム電流を使用することによって、細胞内及び小器官内分解能のためのより高い空間分解能が達成され得る。
好ましくは、一次イオンビームは、1μmサイズのスポット(すなわち、1μmの直径のスポット)当たり最大100nAの強度を有する。好ましくは、一次イオンビームは、1μmサイズのスポット当たり少なくともa)1pA、またはb)100pA、またはc)1nA、またはd)10nAの強度を有する。
光子が一次粒子として使用される場合、好ましくは、イオン化パルスにおけるフルエンスは、a)5、b)10、c)20、d)50J/cm2を超え、これは、当該技術分野において既知であるように、高密度のプラズマが形成され、高程度のイオン化が達成されることを可能にする。好ましくは、光子源としてレーザー装置が使用される。好ましくは、そのようなレーザーはパルスレーザーであり、好ましくは、パルスは各パルス内に上述のフルエンスを有する。任意のレーザー波長が使用され得るが、好ましくは、必要とされる空間分解能以下であり、好ましくは、a)100nm、b)200nm、またはc)500nm以下の吸光長(すなわち、eの係数(オイラー数)によって減弱されるレーザー強度の長さ)を有する。例えば、好ましくは、照射パルス内のフルエンスはa)5、またはb)10J/cm2(または他の好ましいフルエンス)を超え、500nm以下の吸光長を有する。最も好ましくは、イオン化には、周波数増幅を有する、または有さない(後者は十分に短い吸光長を得ることを必要とされる可能性がある)、Nd:YAGなどの固体レーザーが使用される。
レーザー放出線は、試料を前または後から照明し得る。後者の場合は、レーザービームのより容易な焦点化、レーザー光と試料との直交性を提供するため、スライドの放出線損傷を避けるために、円形スポットではあるが高放出線閾値であるガラスが使用されるべきである。前からの照明の場合、レーザー光は、典型的にはある角度で入射(して、抽出イオン光学素子のより要求の厳しい必要条件を単純化)する一方で、焦点の光学的観察は、ガラススライドを通して後ろ側からなされ得る。
撮像元素分析器が、放出されたイオンまたはそれらの反応生成物のm/zを決定するための質量分析器を備える実施形態において、質量分析器は、飛行時間型(TOF)質量分析器、飛行距離型質量分析器、四重極イオントラップ質量分析器、静電トラップ(EST)質量分析器(軌道EST、例えばOrbitrapなど)、イオンサイクロトロン共鳴質量分析器(FT−ICR)、特に撮像電流検出と、磁気セクター質量分析器と、アレイとを用いるESTもしくはICR、またはこれらの組み合わせから選択され得、より好ましくは、質量分析器はTOF質量分析器を備える。TOF分析器は、直交加速TOF分析器(OA−TOF)、特に、好ましくは無格子直交加速を有し、任意で分析器内で単一または複数のイオンの反射(より好ましくは単一の反射)を提供する1つ以上のイオン鏡を有する、当該技術分野において既知である高反復速度OA−TOFであり得る。好ましくは、質量分析器は、TOF、またはOrbitrap、または軌道静電などのように、幅広い質量範囲のイオンにわたって同時に連続的二次イオンビームを分析することができる。好ましくは、例えば、複数の元素タグからの、分析(撮像)される複数の分析物元素が存在する。より好ましくは、元素分析器によって分析される、少なくとも5個、または少なくとも10個の分析物元素または元素タグが存在する。質量分光計、特にTOF質量分析器は、短いタイムスケールで、容易にそのようなマルチチャネルの分析をすることができる。マルチモデル分析のために、分析器の組み合わせ、例えば、名目質量元素分析のためのTOF質量分析器、及び有機分析または高分解能の干渉のためのOrbitrapなどの画像電流検出を有する静電トラップが使用され得る。
分析物元素(タグ)の二次イオンは、より高い真空よりもむしろ、10-5〜10-2mbarの中間真空圧内に放出され得るため、高真空(例えば、SIMS)機器と比較して、試料乾燥及び移動時間についての必要条件を低減する。したがって、一次イオンで照射される試料を収容するためのチャンバは、10-5〜10-2mbarの範囲内の試料の周りのチャンバ内の圧力を有する。
好ましくは、質量分析器による分析のための二次粒子は、それらが表面から放出され、イオンガイドから質量分析器へと送達された後、RFイオンガイド内に移される。したがって、撮像元素分析器は、好ましくは二次イオンが表面から放出された後、それらを受容し、二次イオンを質量分析器に移すためのRFイオンガイドを備える。使用されるイオンガイドは、好ましくは、例えば、少なくとも10-2mbarの圧力までガス充填され、それにより分析物元素または元素イオンの酸化物が検出される場合、それらの酸化物の質量範囲未満の全てのm/zは排除される。イオンガイドは、それにより反応または衝突セルとして有利に機能し得る。
いくつかの実施形態において、イオンガイドは、(例えば、イオン−分子反応を介して)二次粒子との反応生成物を生成するための反応性ガスを含有してもよく、二次粒子は元素のうちの1つ以上を含むイオンである。例えば、反応性ガスは、分析物元素(例えば、天然金属または希土類元素)のほとんどを、当該技術分野において既知である酸化物へと完全に酸化させるために、NOまたはO2などのガスを含んでもよく(例えば、G.Koyanagi,D.Bohme.J.Phys.Chem.A,105(2001)8964−8968を参照されたい)、したがって、(それらの元素ピークを16amuだけ質量移動させながら、他のピークは移動させないことによって)干渉を低減し、並行して分析されるチャネルの数を増加する。反応性ガスが使用される場合、全ての酸化物及び他の分子干渉は排除され得る。したがって、好ましくは、生成される(二次)イオンのうちの少なくともいくらかが、イオンガイド内でイオン分子反応を受ける。イオンガイドは、イオンがイオンガイドを通して伝達される際に、イオンに対して冷却効果を有してもよい。この方法において、イオンガイドの出力時のイオンのエネルギー分布または放出率は、イオンガイドの入口のイオンと比較して、変更(好ましくは低減)される。したがって、いくつかの実施形態において、イオンガイドの出力時のイオンの組成及び/またはエネルギー分布は、イオンガイドの入口のイオンと比較して、変更され得る。したがって、イオンガイドは、好ましくは反応セルとして構成される。当該技術分野において、N2O、NO2、O2、CO2、NOなどのガスが、多くの金属イオン、特に100超のm/zを有するイオンの酸化を促進することが既知であり、これは同様に1つの同位元素当たりの分析チャネルの数を1つに低減することを可能にする。また、NH3及びNOは、この酸化前に水素化物などの多原子種を取り除くために使用され得る。したがって、反応セルは、反応セル内で1つ以上の反応性ガスとしての役割を果たす1つ以上のそのようなガスで充填され得る。
特定の実施形態において、より重い元素がスライド表面上で濃縮されるにつれて、それらは、分析に影響を与え始め得、低減されたイオン化収率または組織分布関連の影響をもたらす新しい種類のマトリクスを形成し得る。例えば、リン及びリン脂質は、(核膜を含む)細胞膜のまわりに、かつ核内のDNAから濃縮し得る。アルカリ金属(例えば、Na、K)は、膜などの反対側に異なる濃度で出現し得る。したがって、そのような実施形態において、これらの元素(例えば、P、Na、K)のうちの1つ以上もまた、好ましくは監視され、それらの存在量に従って補正が適用されるべきである。例えば、いくつかの実施形態において、そのような一般的な元素(例えば、Na、Kなど)濃縮物が試料中の既知の領域内でそれらの期待される濃度に従わない場合、それらの期待される濃度からの観察された偏差は、分析物(典型的にはより重い)元素の検出された存在量を補正するための基底として使用され得る。
更に、例えば、イオン化を改良し、マトリクス効果を補償するための追加のマトリクスの適用などの更なる処理が試料に対して適用され得る。例えば、イオン化を助けるための1つ以上の元素を含む均一なコーティングが、試料に適用され得る(例えば、酸素は金属の二次イオンの収率を増加させることが既知である)。また、レーザーによる照射及び/またはイオン化の場合、有機光吸収層が試料に添加され得る。
好ましくは、質量分析器はTOF質量分析器、特にOA−TOFであり、TOF質量分析器の反復速度は少なくとも(a)5kHz、もしくは(b)20kHz、もしくは(c)50kHz、もしくは(d)100kHzであるか、またはそれよりも高い。反復速度は、例えば、50〜100kHzであり得る。本明細書において、反復速度は、それらの質量対電荷割合(m/z)によるイオンの分離のための、TOF分析器内へのパルスイオンの速度を指す。検出されたイオン信号(強度対m/z)は、TOF分析器内へのイオンの各パルスから得られる。試料表面上の所与のスポットでの、TOF分析器内へのイオンの各パルスからの検出信号の合計は、元素分布の画像の対応する画素を作成するために使用され得る。好ましくは、元素分布の画像は、1秒当たり少なくとも100画素、または1秒当たり少なくとも1000画素、または1秒当たり100〜1000画素の範囲内の速度で取得される。好ましくは、質量分析器は、元素または元素の酸化物を検出するように構成される。
好ましくは、TOF質量分析器を使用した各スポットの分析は、TOF分析器の(a)2、または(b)5、または(c)10パルス以下のパルスを要する。各スポットの分析時間は、好ましくは十分もしくは望ましい信号対ノイズ割合、または画像の画素における使用のための感度の質量スペクトルを取得する時間である。
本発明は、以下のいずれにおいても用途を見出し得る。
i.組織撮像、例えば、固定パラフィン包埋組織ならびにヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色との組み合わせを含む、解剖学的症状、特に癌に適用されるもの、
ii.ハイコンテンツ細胞スクリーニング、
iii.臨床関連疾患のバイオマーカのためのマイクロアレイに基づく標的化アッセイ、
iv.高スループット医薬、化学、及び臨床分析、
v.(培地の薄層上の培養物での)細菌特定及び感受性試験、
vi.オフラインフローサイトメトリーを含むサイトメトリー。
試料が生物学的試料、特に臨床関連試料である場合、本方法は、試料中の1つ以上の元素の画像を使用して、生物学的試料が由来する生物における生理的状態決定する、または疾患状態を診断することを更に含み得る。
本発明の試料事前濃縮アプローチは、画素取得速度の増加、及びそれゆえの元素撮像のスループットの増加;機器汚染の低減;拡大した範囲の元素撮像技術との適用性;ならびに酸化表面上における酸化元素イオン種の存在によるイオン化効率の増加などの多数の利点を提供し得る。
本発明に従う、有機試料中の1つ以上の元素を撮像するための器具の一実施形態を模式的に示す。 本発明に従う、有機試料中の1つ以上の元素を撮像するための器具の別の実施形態を模式的に示す。 反対のスライド上への対象となる分析物の移動を有する通過実施形態を模式的に示す。
本発明のより詳細な理解を可能にするために、添付の図面を参照しながら、多数の実施形態がこれより例示として記載される。
図1を参照すると、有機試料中の1つ以上の元素を撮像するための器具が模式的に示される。分析される試料の薄層が、スライド(2)上に堆積される。試料は、スライド上にマイクロアレイとして配置され得る。スライドは、典型的にはITOコーティングを有する平坦なガラススライドである。あるいは、それは、金属プレートであり得る。
試料は、例えば、組織試料または細胞株などの生物(有機)試料である。しかしながら、一般に、試料は、所与の種類に限定されない。試料は、以下のいずれかを含み得る。
−生物学的または化学的(有機であるが、非生物学的)試料
−固定包埋組織、例えば、好ましくは3〜5μmの厚さに切断された、固定または包埋された組織試料、例えば、ホルマリン固定、パラフィン包埋された(FFPE)組織
−例えば、フローサイトメーターまたはハイコンテンツスクリーニング装置からスライド上に、例えば、格子様パターン(例えば、最大5〜10μmの典型的な細胞サイズについて、X及びY方向に50μm毎に堆積した)に堆積した個々の細胞。典型的には、1個以下の生物学的細胞が、各格子細胞または方形を専有する。格子状の細胞は(例えば、異なる試料または実験から)全て異なっていてもよく、または格子状の細胞の少なくともいくつか、任意で全ては、その試料または集団内の変異を決定するために、1つの試料または集団からのものであってもよい
−増殖培地上の細胞培養物、例えば、アガロースなどの増殖培地の薄層上の微生物または細菌培養物(好ましくは、培養物は、最大10μmまたは20μmの厚さである)
−例えば、(流動焦点化、音響液滴噴出、誘導などによるものを含む)任意の既知の種類の自動試料採取装置などによってスライド上に堆積された、非細胞試料などの試料。試料は、格子様パターン(例えば、X及びY方向に50μm毎)またはマイクロアレイ上に個々の液滴として堆積され得る。
以下に更に記載される理由のため、いくつかの実施形態において、スライドは、例えば、フィルムまたは固定化された粒子の形態の二酸化チタンの層でコーティングされる。
いくつかの実施形態において、スライド上の試料は、そのまま(すなわち、未処理、タグ付けされない)で分析されて、より重い天然無機元素(メタロミクスの実験では、例えば、Fe、Zn、Snなど)の分布を決定し得る。他の実施形態において、試料は、好ましくは試料にとって非天然である1つ以上の元素(本明細書において非天然元素)でタグ付けされ得る。希土類元素は、1つの当該技術分野において既知の分類の元素タグである。1つ以上のタグは、典型的には試料中の1つ以上の異なるそれぞれの標的に対して選択的である。タグは、試料がスライド上に堆積される前または後に試料に適用され得るが、好ましくは後に適用される。タグ付けの特異性は、抗体、アプタマー、ソママー(Somamer)、代謝標識付けなどの結合メンバーの助け、及び他の既知の方法によって達成され得る。タグは、ポリマー鎖、(米国第8,679,858号に示される)ナノ粒子、量子ドットなどを含み得る。タグ付けはまた、米国特許出願公開第2014/106976号及びB.Bodenmiller et al.,Nature Biotechnology 30(2012)858−867に提示されるように、バーコード様式で複数の元素を利用し得る。
試料を分析する方法における次のステップは、(タグ付けされた)試料を含有するスライドを反応または酸化チャンバ(10)内に置くことを含み、酸化反応を実行して、有機マトリクスのほとんどの除去によって試料の質量を低減させ、それにより対象となる分析物元素を含有する試料を典型的には酸化物として残す。酸化に対する2つのアプローチのうちの1つまたは両方が用いられ得る。第1のアプローチは、UV光(12)などの400nm未満の波長の光を使用して、好ましくは0.1〜10ミリワット/cm2以上の強度及び400nm未満の波長で、(例えば、当該技術分野において既知であるガス放電源から)スライド及びその試料を照射することを含む。UV光に供されるスライド上に、二酸化チタンのコーティングまたは他の光触媒を含むことが好ましい実施形態が存在する。二酸化チタンは、マトリクス原子の急速な酸化をもたらす非常に強い光触媒特性を呈する。あるいは、またはそれに加えて、化学酸化体、好ましくはオゾンまたは過酸化水素蒸気が、入口(14)を介して酸化チャンバ(10)内に入れられ、出口(16)を通してそこから排出される。当該技術分野において既知であるように、試料をスライド上で加熱して、酸化プロセスを援助してもよい。
UV光及び/または酸化体の影響下で、マトリクス原子の急速な酸化、例えば、C→CO2、N→NO、NO2、H→H2Oが発生する。揮発性生成物は、チャンバに接続された真空ポンプ(図示せず)によってポンピング排気され、こうして試料質量のうちのほとんどを運び去る。同時に、タグの分析物元素またはより重い天然元素を含むより重い原子は、揮発性生成物を形成しないため、主に酸化形態で試料の薄層上に残存する。プロセスが飽和に到達し、有機マトリクスのほとんどが除去(好ましくは90重量%超または99重量%超、例えば、90〜99重量%が除去)されると、より重い原子は、その後の分析のために十分濃縮されている。酸化プロセスの速度は、酸化体もしくは照射光力の供給、及び/または試料の温度の制御によって調節され得る。望まれずに高速すぎる酸化は、ガス気泡が、対象となるより重い原子を運び去ることをもたらし得る。したがって、酸化の速度は、反応チャンバ内の試料生成に対して慎重に釣り合わされるべきである。揮発性生成物は(例えば、酸化を停止する時間を決定するために)プロセス制御のため、及び/または(例えば、元素またはそれらの同位元素の相対含有量を測定して、追加の種類の情報を得るための)診断のために使用され得る。例えば、揮発性生成物の元素は監視され得る。例えば、監視されるC対Oの割合が1:1である場合、これは不完全な酸化を示すが、C対Oの割合が1:2である場合、これはCO2への完全な酸化を示す。別の例において、同位体比、例えば、C12/C13をプロセス指標として使用してもよい。例えば、この割合は、プロセスが細菌培養物を酸化し終わったときと、培地を酸化し始めたとき(細菌に対してC12/C13の異なる割合を有し得る)とを区別するために使用することができる。
代替的なアプローチが図3に図示され、より高速の反応を可能にし、これは、原理としては試料の更なる沸騰及び通気を可能にする。この場合、1つ以上の酸化剤(オゾン、過酸化水素、過硫酸塩)は、試料(104)、例えば、薄組織の試料を支持するスライド(102)の下の供給源(図示せず)から押される(101)。この実施形態において、離間配置されるが、接近して分離される2つの試料スライド(102、106)が存在し、これらはそれぞれ多孔性無機材料(例えば、ガラス、セラミック、ITOなど)から作製される。1つ以上の酸化剤は、接近して分離される2つの試料スライドを押し通される。これらの剤は、途中で光ガス(すなわち、揮発性生成物)を生成する薄組織片を通して急速に拡散する。この混合物は、試料スライド(102)から反対のスライド(106)へと、及び後者を通って、5〜10マイクロメートルの間隙を通って流動し続ける。試料が十分に凍結乾燥される場合、それは反対のスライド(106)と直接接触し得る。反対のスライドの細孔のサイズは、より重い非揮発性元素及びそれらの酸化物が細孔内に入ることができず、その後の分析のために反対のスライドの表面上に残存するような方法で(好ましくは、1〜10nmの範囲で)選択される。したがって、本明細書に記載される場合、撮像分析は、反対のスライド上で実行され得る。スライド間に十分に小さな間隙があると、試料中のより重い元素の空間的分布は、実質的に保たれる。この通過アプローチは、気泡が形成された場合でさえ、対象となる分析物のいかなる損失もなく、より高速な酸化プロセスを可能にする。好ましくは、反対のスライドは、UV範囲において透明であり、UV源(108)からのUV放出線によって援助される、オゾン形成及び二酸化チタン反応(例えば、試料基板が二酸化チタン表面を含む場合)を可能にする。これは、酸化プロセスを促進し得る。
反応は、表面にわたってラスターされた焦点化レーザーによってもまた促進され得る。一種の実施形態において、レーザーの力は、有機物の分解及び酸化の速度を加速する局所的加熱を生み出すために、十分に高くあり得る。
複数の試料スライドが、酸化チャンバ内で同時に処理され得ることが理解されるべきである。
その後の分析のために、試料を、反応チャンバから取り出し、好ましくは、100画素/秒超または1000画素/秒超(例えば、100〜1000画素/秒または2000画素/秒)の取得速度で、複数の元素を並行して急速撮像することができる装置へと移す。いくつかの場合、速度は最大105画素/秒であり得る。そのような取得速度の画素サイズは、10μm以下、または5μm以下、または2μm以下、または理想的には1μm以下(例えば、0.5〜1.0μm)の細胞内分解能である。反応チャンバは、撮像装置に代替的に統合され得、これは例えば、酸化を加速させるために、レーザー内のいくつかの手段(例えば、イオンもしくは電子銃、または撮像分析器のX線銃)が使用される場合には好ましいことに留意されたい。
二次イオン質量分光計(SIMS)またはLPI(レーザープラズマイオン化)質量分光計の形態の、好ましい撮像装置を、図1に示す。それは、試料からイオンを生成するための照射手段としての高輝度レーザーまたはイオン銃(20)を備える。図1と同一の特徴の多くを共有する図2を参照すると、試料を照射するための一次イオン源としてのイオン銃(20)の更なる詳細が示される。イオン銃は、イオン化チャンバ(22)と、レンズシステム(24)と、任意でコリメーターシステム(26)と、イオンビームの焦点を試料表面上の小さなスポットに合わせるための焦点化光学素子(28)と、試料にわたってイオンスポットを走査するためのラスター電極プレート(30)とを含む。一次イオンビームは、元素タグまたは対象となるより重い天然元素をイオン化し、それらを表面から放出させる。レーザーアブレーション(LA)またはレーザープラズマイオン化(LPI)が、好ましくは分子結合の解離及び元素のイオンの放出を促進するための1−10ジュール/cm2超の高フルエンスで、代替的に使用されてもよい。連続的一次ビーム(イオンまたはレーザービーム)の走査は、試料支持体の機械動作が可能にするよりも高速に撮像することを可能にする。典型的には、0.5×0.5または1×1mmの面積にわたる偏向プレートによるラスターの組み合わせは、例えば、50×100または100×200mmなどのより大きな距離にわたる機械ラスターと組み合わせられ得る。
一般に、1μmのスポットにおいて最大100nAの連続的高強度一次イオンビーム(36)が、作成される。例えば、好適なイオン源は、N.S.Smith,Appl.Surf.Science,255(2008)1606−1609)に記載されるRF気相イオン源を使用して作成された酸素イオンビームである。これは、試料を収容するチャンバ内、10-5〜10-2mbarの中間真空圧で、元素タグを含む試料表面から二次イオン(38)を生み出すため、典型的なSIMS機器と比較して、試料乾燥及び移動時間に対する任意の必要条件を低減する。一般に、SIMSまたはLPIによって試料から生成されたイオンは、試料を収容するチャンバ内、10-5〜10-2mbarの中間真空圧で生成される。
生成されたイオン(38)(一次イオンを使用して試料を照射する場合は二次イオン)は、タグの質量範囲未満のm/zの全てのイオン(及びそれらの酸化物)が排除される昇圧(典型的には10-2mbar超)で、短いガス充填高周波(RF)駆動イオンガイドまたは衝突セル(40)を通して加速される。イオンがガイドを通過するにつれて、イオンビームの放出率もまた低減される。RFイオンガイドは、典型的にはガス充填エンクロージャ(44)内に位置付けられる四重極(42)などの多重極を含む。米国特許第7,910,882号とは異なり、RFイオンガイドまたは衝突セル内のそのような昇圧は、当該技術分野において既知であるように、イオンガイド内で任意の反応性ガス(特に、例えばNO、O2などの酸化ガス)を使用して、金属イオンのほとんどを酸化物に実質的に酸化させることを可能にする(例えば、G.Koyanagi,D.Bohme.J.Phys.Chem.A,105(2001)8964−8968、S.Tanner,V.Baranov,D.Bandura,Spectrochimica Acta B,57(2002)1361−1452を参照されたい)ため、元素またはタグの酸化物を監視することによって干渉を低減し、並行して分析されるチャネルの数を増加させる。したがって、特定の実施形態において、イオンガイドは、反応セルとして構成される。好ましくは、RFイオンガイドは、イオンの輸送を加速させ、制御するためのDC勾配を有する。
RFイオンガイド(40)を通過した後、元素タグまたは天然元素の生成されたイオン(38)を、当該技術分野において既知であるが、50〜100kHzの反復速度で作動(すなわち、イオン化される試料の1スポット(画素)当たりに複数のMS走査が存在するように)する、高速直交加速(OA)TOF質量分光計(50)を使用して質量分析する。好ましくは、図1に示すように、このTOF−MSは、国際特許出願公開第01/11660号に記載される無格子の直交加速器(52)と、単一ステージイオン鏡(54)と、例えば、米国特許第6,940,066号、米国特許第6,864,479号、または米国特許第2013/264474号他のうちのいずれかに記載される電子増倍器を備える高ダイナミックレンジ検出器(56)とを有する。生成されたイオン(38)は、これによりそれらのm/zによって分離され、示されるように検出される。TOF分析器は、幅広い質量範囲のイオンが同時に分析されることを可能にする。好ましくは、分析(撮像)される複数の分析物元素が存在する。
試料表面の走査は、イオン銃の(ラスター)プレートを操舵すること、またはレーザーの場合は移動鏡を使用すること、及び/または試料ステージを(例えば、x及び/またはy方向に)移動することによって実装される。より薄い試料(例えば、3μm以下の薄さの組織切片厚さ)、及び/または一次イオンビームのより強力な空間的焦点化、及び空間電荷焦点外れを低減するための一次ビーム電流を使用することによって、細胞内及び小器官内分解能のためのより高い空間分解能が達成され得る。
上述の高一次イオン電流または強力なレーザーの使用のため、分析物元素のイオン(またはタグ)は電流の有意な比率を占めて、生成されたイオンからの二次イオン電流は、最大数百ピコアンペア(pA)(例えば、最大100、200、500、もしくは1000ピコアンペア、またはそれ以上)に到達し得る。これは、全画素がたった1TOF MSパルスで分析され得、いくつかの用途(例えば、脳切片における鉄の分析)において取得速度が105画素/秒に接近することを可能にすることを意味する。したがって、全スライドは1分以内に分析されるため、分析当たりの費用を大いに低減し得る。組織学的画像に好適である、500×500画素以上の画像が生成され得る。画像は、(例えば、1μmの画素サイズを有する)試料の500×500μm領域であり得る。従来のタグ付けされた試料の蛍光検出と比較すると、本発明の方法は、単色測定に匹敵する速度で、最大数十〜100色またはチャネルに等しい読み取りを提供する。
上の記述及び図1から、様々な好ましい撮像配置を使用して、反応または酸化された試料中の元素を撮像し得ることが理解され得る。一配置において、レーザープラズマイオン化を使用して、反応セルの下流に進入させられる(生成されたイオンの組成及び放出率が、好ましくはより小さな変異へと変化される)ため、質量分析器、好ましくはTOF質量分析器に進入させられる試料からイオンを生成し得る。レーザープラズマイオン化を試料にわたって走査して、試料の元素画像が得られることを可能にし得る。別の配置において、一次イオンのビームを使用して、反応セルの下流に進入させられる(生成されたイオンの組成及び放出率が、好ましくはより小さな変異へと変化される)ため、質量分析器、好ましくはTOF質量分析器に進入させられる試料から二次イオンを生成する、SIMSシステムを使用し得る。一次イオンのビームを試料にわたって走査して、試料の元素画像が得られることを可能にし得る。
記載されるこの方法はまた、当該技術分野において既知であるように、酸化表面上の酸化分析物元素原子の存在によるイオン収率の増加のため、分析物元素検出アプローチのより高い絶対感度を提供し得る。0.1〜1%のイオン化効率及び真空条件下での低損失輸送によって、SIMSまたはLPI法は、例えば、LA/ICP−MSに対して、後者の方法におけるLA/ICP−MSの輸送中の高損失(典型的に1×104〜1×105倍の損失をもたらす)のため、桁違いの利点を提供し得る。他方、試料処理の提案される方法はLA/ICP−MSとも完全に適合し、それは、試料汚染及びキャリーオーバーをもまた低減し得る。
分析の結果は、(例えば、好ましくはマトリクス効果を考慮に入れて、元素もしくはタグのうちのどれほどが濃度として存在するのかを決定する)アナログもしくは定量様式で、または(例えば、元素もしくはタグが存在するか否かを決定する)デジタルもしくは定性様式で提示され得る。結果は、ソフトウェアによって画像、例えば、元素分布(及びしたがって元素が試料中の標的にタグ付けされる標的分布)の画像に組み立てられ得る。
本発明を適用するワークフローの一例として、以下のステップが与えられる。
1)試料、例えば、組織試料を調製すること、
2)光触媒による光、及び/または化学酸化剤で試料を酸化させて、有機マトリクスのうちのほとんど全てを除去すること、
3)試料が表面からイオンとして放出される構成物元素に破壊されるような強度で、0.5〜10μmの空間分解能を有する、連続電流イオン銃または焦点化レーザーパルスによって、酸化された試料表面を照射することであって、照射スポットが、分析することが望ましい試料表面の面積にわたって走査される、照射すること、
4)各照射スポット及び照射スポット毎に並行して(マルチチャネル検出)、元素のイオンからの質量分光計検出信号を使用すること、
5)質量分光測定情報に基づいて、試料中の元素の空間的分布の存在または不在を決定すること。
そのようなワークフローに対する変異は、上の記述に従ってなされ得、例えば、元素分布は、元素タグとして使用される場合、対応する抗原の代わりとして使用され得る。
上述の図2のSIMS撮像分析器のイオン化の一次イオン法に対する代替形態として、レーザープラズマイオン化、またはレーザー後イオン化を有するレーザーアブレーションなどの質量分光測定分析に有用である真空での他のイオン化法が使用され得る。レーザー放出線がスライドの背面から代替的に送達されるため、その透明性を利用し、光学的システムを単純化し得ることが留意されるべきである。
試料表面から作成されたイオンの質量分析に対する代替形態として、他の、例えば、元素撮像の非破壊的方法、例えば、
−大気圧条件での分析を可能にするマイクロX線蛍光(μXRF)、好ましくは複数元素検出器を使用して、検出の並行化を可能にするもの
−X線光電子分光測定法(XPS)
−電子マイクロプローブ分析器(EMPA)、特に電子顕微鏡と統合されるもの
−二次電子分光法(SES)
−好ましくはシリコンドリフト検出器を使用する、エネルギー分散型X線マイクロ分析もまた、元素タグの撮像のために使用され得る。
元素撮像技術のうちのいずれも、他の試料撮像様式(例えば、光学的撮像)と組み合わせられ得る。そのような光学的撮像は、改善された試料の定量のための内部標準として使用され得る。
上の記述から、本発明は、有機マトリクス、例えば、C、H、N、O、Sを、気相に入り、試料中に主により重い無機元素を特に酸化形態で残す、揮発性種に変換する酸化プロセスに供される(生物)有機試料の薄層を有する、基板または表面を提供することを含むことが理解され得る。結果として得られる試料を、真空で、質量分光法または他の技術による残存するより重い元素の高速撮像分析に供して、試料中の元素の空間的分布を測定する。
実施形態において、本発明は、より一層高いスループット及び1分析当たりの低い費用での高度な多重試料読み取りとの組み合わせで、細胞内側方分解能を送達することができる元素撮像質量分光計を可能にする。本発明は、好ましくは、飛行時間型質量分析(図1)での、真空の二次イオンまたはレーザープラズマ質量分光法に基づく。
本発明は、
−例えば、解剖学的症状、特に癌に適用される組織撮像、
−既知の臨床関連疾患バイオマーカまたはバイオマーカパネルのため、ならびに生命科学研究及び開発における使用のための、マイクロアレイに基づく標的化アッセイ、
−ハイコンテンツ細胞スクリーニング、
−ハイスループット医薬及び臨床分析、
−細菌特定及び抗生物質感受性試験などの、多くの今日の高成長市場において用途を見出す。
本発明の前述の実施形態への変形がなされ得る一方、依然として本発明の範囲内にあることが理解されるであろう。本明細書に開示された各特徴は、別段述べられない限り、同じ、同等の、または類似の目的に適う代替の特徴と置換されてもよい。したがって、別段述べられない限り、開示された各特徴は、一般的な一連の同等または類似の特徴のみの一実施例である。
本明細書に提供される、任意の及び全ての例または例示的な言語(「例として」、「など」、「例えば」、「例」、及び同様の言葉)の使用は、より良好に本発明を説明することを意図するものにすぎず、別段言及されない限り、本発明の範囲への制限を示すものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実践に対して必須である任意の請求されない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
特許請求の範囲を含めて、本明細書において使用される場合、文脈が別段示さない限り、本明細書における用語の単数形は複数形を含むものとして、また逆の場合も同様のものとして解釈される。例えば、文脈が示さない限り、特許請求の範囲を含めて、本明細書における単数形の言及は、「1つ以上」を意味する。
本明細書の記述及び特許請求の範囲の全体を通して、「備える」、「含む」、「有する」、及び「含有する」という語、ならびに、例えば「備えている(comprising)」、「備える(comprises)」などのその語の変異形は、「含むが、これに限定されない」ことを意味し、他の構成要素を除外することは意図しされない(除外しない)。
本明細書に記載されるあらゆるステップは、別段述べられるか、または文脈が別段必要としない限り、任意の順序でまたは同時に実行されてもよい。
本明細書に開示された特徴の全ては、そのような特徴及び/またはステップのうちの少なくともいくつかが相互排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明の全ての態様に適用可能であり、任意の組み合わせで使用されてもよい。同様に、非本質的な組み合わせにおいて記載される特徴が、別個で(組み合わせではなく)使用されてもよい。

Claims (42)

  1. 有機試料中の1つ以上の分析物元素を撮像する速度及び/又は検出感度を改善する方法であって、
    前記試料を基板上に層として提供するステップと、
    前記基板上の前記試料を反応させるステップであって、前記試料を離れて気相に入る1つ以上の揮発性生成物を生成する一方で、前記1つ以上の分析物元素が前記試料中に残存し、かつ平均して撮像分析の空間分解能以下で前記反応によって空間的に乱され、それにより重量において試料層の大部分が前記反応によって前記基板から除去され、残存する試料層が前記1つ以上の分析物元素で富化される、反応させるステップと、その後、
    撮像元素分析器を使用して、真空下における富化された試料層中の前記1つ以上の分析物元素を検出及び撮像するステップと、を含む方法。
  2. 前記試料が、組織、細胞、細菌培養物、及び生物有機溶液から選択される生物学的試料である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記1つ以上の元素が、前記試料中に天然に存在し、及び/又は、元素タグとして前記試料中に導入される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記1つ以上の元素タグが、1つ以上の希土類元素、重金属元素、及び/又は、放射性同位元素を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記1つ以上の元素タグが、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体、アフィボディ、及びアプタマーから選択される結合メンバーに結合され、前記結合メンバーが前記試料中の標的に結合する、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記1つ以上の元素が、金属または半金属である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記層が、薄膜であり、特に(i)20μm、または(ii)10μm、または(ii)5μm以下の厚さである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記反応が、前記試料層の少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%、または少なくとも99.9重量%、または少なくとも99.99重量%を除去する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記反応が、前記試料を1つ以上の酸化剤に暴露するステップを含み、任意で、前記試料が前記酸化ステップ中に加熱される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記1つ以上の酸化剤が、(i)電磁放射、及び/又は、(ii)ガス放電によって生成されたイオン性励起種、及び/又は、(iii)1つ以上の化学酸化剤から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記1つ以上の酸化剤が、(i)電磁放射であり、前記酸化ステップが、400nm未満の波長の光で前記試料を照射するステップを含み、前記基板が前記試料を酸化させる光触媒としての役割を果たすか、または(ii)1つ以上の化学酸化剤であり、前記酸化ステップが、オゾン、過硫酸塩、及び過酸化水素から選択される1つ以上の化学酸化剤に前記試料を暴露するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記基板が、平面スライド、特に金属、コーティングされたもしくはコーティングされていないガラス、又は、コーティングされたもしくはコーティングされていないセラミック平板、又は、二酸化チタンの表面を有する基板である、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記基板上の前記試料を反応させる前記ステップが、前記基板の反対側から前記試料へと前記基板の細孔を通して前記試料に到達するように、1つ以上の酸化剤を通過させるステップを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記試料に近接しているが、前記試料から離間配置され、かつ前記試料に面する第2の基板が存在し、それにより前記1つ以上の酸化剤が前記試料を通して拡散して、前記試料から揮発性生成物を生成し、前記撮像分析器による検出のために非揮発性分析物元素及び/又は非揮発性分析物元素の酸化物を前記第2の基板の表面に到達させ、かつその上に残存させ、前記基板間の間隙が、前記第2の基板に移される前記分析物元素の空間的分布が、前記撮像分析器によって実行される撮像分析の空間分解能以下で平均して前記酸化によって乱されるようなものである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記試料中の検出された元素の画像を作成するステップを更に含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記撮像元素分析器が、二次電子分光計、X線光電子分光計、X線蛍光分光計、エネルギー分散型X線マイクロ分析器、イオン移動度分析器、放射線分析器、及び質量分光計から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記1つ以上の元素を検出するステップが、
    富化された試料の表面上の局在化スポットに焦点を合わせた一次粒子のビームで、富化された試料を照射して、前記スポットから二次粒子を放出するステップと、
    前記二次粒子を分析して、前記スポットにおける前記1つ以上の元素の存在及び任意で量を決定するステップと、を含み、
    前記スポットが前記試料の表面上の複数の位置に経時的に移動し、それにより前記試料中の前記1つ以上の元素の画像を得、前記試料の表面上の前記スポットの各位置が前記画像の画素に対応する、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記画像が、1秒当たり少なくとも100画素、または1秒当たり少なくとも1000画素、または1秒当たり1000〜10000画素の範囲内の速度で取得される、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記一次粒子が、X線光子、電子、及びイオンから選択され、前記二次粒子が、光子、電子、及びイオンから選択される、請求項17または18に記載の方法。
  20. 前記一次粒子のエネルギーが、1keVを超える、請求項17〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記一次粒子が1mbar未満の圧力で形成されたイオンであり、前記二次粒子が質量分析器による分析のためのイオンである、請求項17〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記一次粒子のビームが、一次イオンのビームを含み、1μmの直径のスポット当たり1〜100nAの強度を有する、請求項17〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記一次粒子のビームが、各パルス中に、a)5、またはb)10、またはc)20、またはd)50J/cm2を超え、a)100nm、またはb)200nm、またはc)500nm以下の前記試料中の吸光長を有するフルエンスを有するパルスレーザーからの光子ビームを含む、請求項17〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 二次粒子がイオンであり、撮像元素分析器が質量分析器を含み、
    前記質量分析器が、飛行時間型(TOF)質量分析器、飛行距離型質量分析器、四重極イオントラップ質量分析器、静電トラップ質量分析器、イオンサイクロトロン共鳴質量分析器、及び磁気セクター質量分析器、またはこれらのアレイもしくは組み合わせから選択される、請求項17〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記質量分析器による分析のための前記二次粒子が、それらが前記表面から放出され、RFイオンガイドから前記質量分析器へと送達された後、前記イオンガイド中に移される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記イオンガイドが前記二次粒子との反応生成物を生成するための反応性ガスを含有し、
    前記二次粒子が前記元素のうちの1つ以上を含むイオンであり、
    前記イオンガイドの出力時の前記イオンの組成及び/又はエネルギー分布が、前記イオンガイドの入口でのイオンに対して変更される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記質量分析器がTOF質量分析器であり、前記TOF質量分析器の反復速度が少なくとも(a)5kHz以上、もしくは(b)20kHz以上、もしくは(c)50kHz以上、もしくは(d)100kHz以上であるか、任意で、前記TOF質量分析器を使用する各スポットの前記分析が、TOF分析器の(a)2、または(b)5、または(c)10パルスよりも多いパルスを要さない、請求項24〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 有機試料中の1つ以上の分析物元素を撮像する速度及び/又は検出感度を改善するための器具であって、
    基板上に層として提供される試料を受容するための反応チャンバを備え、
    前記反応チャンバは、前記試料を酸化させて、前記試料を離れて気相に入る1つ以上の揮発性生成物を生成する一方で、前記1つ以上の分析物元素が前記試料中に残存し、かつ平均して撮像分析の空間分解能以下で前記酸化によって空間的に乱され、それにより重量において前記試料層の大部分が前記酸化によって前記基板から除去され、残存する試料層が前記1つ以上の元素で濃縮されるための、電磁放射源及び/又は1つ以上の化学酸化剤またはイオン性酸化剤を前記チャンバ内に導入するための入口を備え、
    更に、真空下における濃縮された試料層中の前記1つ以上の元素の空間的分布を検出及び撮像するための検出チャンバ内の撮像元素分析器を備える、器具。
  29. 前記撮像元素分析器が、前記1つ以上の元素の前記検出からの入力を受信するデータ取得システムを備え、濃縮された試料中の前記1つ以上の元素の画像を作成する、請求項28に記載の器具。
  30. 前記試料が組織、細菌、及び細胞から選択される生物学的試料であり、前記1つ以上の元素が試料中に天然に存在する、及び/又は、元素タグとして前記試料中に導入される、請求項28または29に記載の器具。
  31. 前記酸化が、前記試料層の少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%、または少なくとも99.9重量%、または少なくとも99.99重量%、または90重量%〜99重量%の間、または90重量%〜99.9重量%の間を除去する、請求項28〜30のいずれかに記載の器具。
  32. 前記放射源が、紫外光源またはX線光源を備える、請求項28〜31のいずれかに記載の器具。
  33. 前記入口に1つ以上の化学酸化剤の供給源が接続されており、前記1つ以上の酸化剤が、オゾン、過硫酸塩、及び過酸化水素から選択される、請求項28〜32のいずれかに記載の器具。
  34. 前記撮像元素分析器が、二次電子分光計、X線光電子分光計、X線蛍光分光計、放射線分析器、及び質量分光計から選択される、請求項28〜33のいずれかに記載の器具。
  35. 前記撮像元素分析器が、一次粒子のビームを作成し、前記ビームを前記試料の表面上の局在化スポットに焦点合わせして、前記スポットから二次粒子を放出するための一次粒子源と、前記二次粒子を分析して、前記スポットにおける前記1つ以上の元素の存在及び任意で量を決定するための二次粒子分析器と、を備え、前記一次粒子源が、前記スポットを前記試料の表面上の複数の位置に経時的に移動させるように構成され、それにより前記試料中の前記1つ以上の元素の画像が得られ、前記試料の表面上の前記スポットの各位置が前記画像の画素に対応する、請求項28〜34のいずれかに記載の器具。
  36. 前記撮像元素分析器が、1秒当たり少なくとも100画素、または1秒当たり少なくとも1000画素、または1秒当たり1000〜10000画素の範囲内の速度で前記画像を取得し得る、請求項28〜35のいずれかに記載の器具。
  37. 前記一次粒子が光子、電子、及びイオンから選択され、前記二次粒子が光子、電子、及びイオンから選択され、かつ前記一次粒子のエネルギーが1keVを超える、請求項35または36に記載の器具。
  38. 前記撮像元素分析器が、真空まで排気されるように構成された撮像二次イオン質量分光計(SIMS)であり、前記一次粒子が、1mbar未満の圧力で前記源において形成されたイオンであり、前記二次粒子が、前記SIMSの質量分析器による分析のためのイオンである、請求項35〜37のいずれかに記載の器具。
  39. 前記一次粒子及び二次粒子がイオンであり、前記撮像元素分析器が質量分析器を含み、前記質量分析器が、飛行時間型(TOF)質量分析器、飛行距離型質量分析器、四重極イオントラップ質量分析器、静電トラップ質量分析器、イオンサイクロトロン共鳴質量分析器、及び磁気セクター質量分析器、またはこれらのアレイもしくは組み合わせから選択される、請求項35〜38のいずれかに記載の器具。
  40. 前記撮像元素分析器が、前記二次イオンが前記表面から放出された後、それらを受容し、前記二次イオンを前記質量分析器に移すためのRFイオンガイドを備える、請求項35〜39のいずれかに記載の器具。
  41. 前記イオンガイドが、前記イオンガイドを充填して、前記二次イオンとの反応生成物を生成する反応性ガスを受容するように構成され、前記二次イオンが、前記元素のうちの1つ以上を含むイオンである、請求項40に記載の器具。
  42. 前記質量分析器がTOF質量分析器であり、前記TOF質量分析器の反復速度が少なくとも(a)5kHz以上、もしくは(b)20kHz以上、もしくは(c)50kHz以上、もしくは(d)100kHz以上である、請求項39〜41のいずれかに記載の器具。
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