JP5292326B2 - 標準試料作成方法、および標準試料 - Google Patents

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本発明は、荷電粒子線装置およびその像分解能評価用試料に関し、特に、走査電子顕微鏡や走査形イオン顕微鏡などの荷電粒子線顕微鏡における像分解能評価用試料の作製方法及び前記試料を用いて像分解能を客観的に評価した値に基づく荷電粒子線顕微鏡の性能評価に関するものである。
荷電粒子線顕微鏡の分解能評価は一般的に金属蒸着法により、微小な粒子を作製して、顕微鏡観察し、その観察画像上で識別できる粒子2点間のギャップの最小距離により評価するギャップ法を採用している。現在日本における分解能評価はこのギャップ法が標準的である。
しかし、この像分解能評価法には国際基準がない。前記手法は最短距離を判定する際、評価者の主観が入ってしまうため装置実力と分解能スペックの対応がメーカー間で異なることが問題となっている。分解能を評価するには、画像による判断だけでなく、数値による定量的な客観的評価が必要である。このためISO化が推進されており、特許文献1に開示されている手法等の各種評価手法が、「SEMの分解能評価の標準化」として提案されている(非特許文献1)。今後は装置を提供する上で、これらの手法によって像分解能を客観的に評価した荷電粒子線顕微鏡を提供することが必須となる。
ところで、分解能評価のための標準試料にはカーボンや磁気テープ上に金粒子を蒸着した試料等が使用される。従来、分解能試料作製方法は、主に真空中で母材となる基板に金属粒子をスパッタまたは加熱による真空蒸着によって蒸着する方法が用いられている。
スパッタを用いた手法は、蒸着する試料を目的のターゲット金属板付近にセットし、真空中で試料とターゲット間に電圧をかける。電子やイオンが高速移動し、イオンがターゲットに衝突しターゲットの金属粒子をはじき飛ばすことによって削れ、はじき飛ばされた金属の粒子が試料に付着し蒸着される手法である。真空蒸着は真空中で目的の金属を、内部の発熱源の高温によって溶解させ試料の上で金属を飛散させ、蒸着する手法である(非特許文献2)。
特開2003−142021号公報
Microbeam analysis -- Scanning electron microscopy -- Methods for the evaluation of image sharpness , ISO/DIS 24597 走査電子顕微鏡 日本電子顕微鏡学会関東支部 編,128〜133項
前記従来手法で作製された分解能評価用の標準試料は、基板の平滑性が乏しく、また粒状性・間隙の制御は不均一であり、かつ再現性の確保が困難である。客観的手法による像分解能評価を再現性良く実施する試料を提供するには、(1)粒径が一定(2)粒子間の空隙が一定(3)基板が(巨視的に)平滑(4)試料表面が清浄、という条件が揃った試料が望ましい。
本発明は、より理想的な荷電粒子線装置の分解能評価用の標準試料を提供することを目的とする。
本発明では、荷電粒子線装置の試料作成方法であって、基板表面に微細な凹凸を形成するステップと、前記基板にコロイド金属又はイオン液体に分散した金属微粒子を滴下するステップと、前記基板に滴下した溶液を除去するステップと、を有することを特徴とする試料作成方法を提供する。また、荷電粒子線装置の試料作成方法であって、基板表面に微細な凹凸を形成するステップと、前記基板表面にスパッタにより金属微粒子を付着させるステップと、を有することを特徴とする試料作成方法を提供する。
本発明により、粒状性が揃った、コロイドまたはイオン液体中の金属を標準粒子として利用するため、粒状性が揃った粒子が均一に基板上に分散した試料を再現性良く作成可能となる。
また、スパッタにより金属微粒子を付着させたとしても、基板表面に凹凸が形成されていることから、金属微粒が基板全体に均一に分散した試料を再現性良く作成可能となる。
本発明実施例1の標準的分解能評価用試料作製フローチャートの一例。 金属微粒子含コロイドまたはイオン液体を用いた標準的分解能評価用試料作製手順を示す図。 複数の粒径からなる金属微粒子含コロイドまたはイオン液体混合液をピペッターで分散する手法を用いた分解能評価用試料作製手順を示す図。 複数の粒径からなる金属微粒子含コロイドまたはイオン液体をピペッターで段階的に分散する手法を用いた分解能評価用試料作製手順を示す図。 蒸着またはスパッタ法を用い分解能評価用試料作製手順を示す図。 真空蒸着する際、蒸着量は蒸着源と試料との間の距離で決まることを説明する図。 客観的分解能値の評価フローチャート。 走査電子顕微鏡の概略図。 実施例1で観察されたSEM像。 実施例4のCG法により計測された結果。
金属微粒子含コロイドまたはイオン液体を塗布する基板の表面が平滑すぎると粒子の付着が不安定になり粒子同士が接着してしまう可能性があるので、イオンビームを照射し表面を荒らし微細な凹凸をつける。また、ポリカチオン処理を施すことで金属微粒子と基板の密着性を高める。
以下、本発明の実施例を図1〜図10により説明する。
図1に本発明の標準的分解能評価用試料作製フローチャートの一例を示す。
本実施例での作成は、(ステップ1)基板表面のクリーニング、(ステップ2)基盤表面を荒らす、(ステップ3)親水化処理、(ステップ4)ポリカチオン処理、(ステップ5)溶液滴下、(ステップ6)溶液除去、の工程からなる。なお、このうちステップ1,3,4は必要に応じて実施すれば良い。
以下、図2を用いて詳細を説明する。
基板に分散する均一な粒子径を保有する金属微粒子10は、基板にコロイド金属またはイオン液体中に分散する金属微粒子1を滴下して作成する。この金属微粒子は、粒径が既知でかつ粒子径の揃ったものを用いる。このような粒子径が揃った金属微粒子を使用することで、多数の試料を複数回に分けて作製する場合にも粒径にばらつきがなく毎回一定粒径の試料作製が可能となる。
金属微粒子を載せる部材としては、平滑かつ導電性がある基板2を用いる。導電性は、電子顕微鏡等の荷電粒子線によってチャージアップしないためである。さらに、比較的軽元素から成り、基板に蒸着する粒子との間に原子番号差を有するものが望ましい。基板と粒子に原子番号差があると、試料像のコントラストがつきやすいためである。
基板の例としては、HOPG(高配向熱分解黒鉛),Si基板が挙げられるが、グラファイトからなるカーボンロッドの表面を研磨して平滑化したものを用いてもよい。
(ステップ1)について
基板の表面は必要に応じてあらかじめ清浄化する(ステップ1)。清浄の方法としては煮沸または真空中での加熱等がある。
(ステップ2)について
疎水性が高く、試料表面が非常に平滑であると、溶液中の分散したい金属微粒子が基板上を滑るなどして試料に被着しない可能性があり均一な分散を実現しづらくなる。対策の一つとして、図2(a)のように、イオンビームあるいはプラズマ照射3により金属微粒子を載せる基板表面にあらかじめ数mmの広域にナノメートルオーダーの微細凹凸4を設ける方法がある(ステップ2)。凹凸は均一であるほうが粒子の均一な分散が実現されやすい。
イオンビームを照射しエッチングにより基板表面に微細な凹凸を設ける原理を説明する。入射イオンと試料表面の構成原子との弾性衝突では、入射イオンの運動エネルギーは表面原子が構成するポテンシャル障壁に比べ十分大きい時にスパッタリングが起こる。原子核衝突によって伝達されるエネルギーが大きく、衝突によってエネルギーを得た固体原子の一部にはその運動方向が入射イオンと異なる方向の成分をもつようになり、表面から離脱する。イオンの運動エネルギーが数百eVを超えると、入射イオン数に対するスパッタリングされる原子の数の比は1より大きくなり、固体が原子単位で削り取られる。一例として、ビーム径1mmほどのブロードイオンビームを偏心かつ回転させた試料に対し、60°の角度で、6kVのアルゴンビームを5分間時間分照射して広範囲にイオンビームを当てると原子レベルの微細な凹凸ができる。
一方プラズマ照射法による微細な凹凸を設ける方法は、ハイドロカーボン系等の有機物を低エネルギー(〜50eV)・高周波O2プラズマによりCO2とH2Oに分解し除去する手法であるが、高いエネルギーのプラズマは、分子の結合を破壊する強度を持つため基板構成原子のスパッタが発生する。イオンエネルギーの実際の値を決める要因は、プラズマチャンバー内の気体圧力,試料の位置,高周波電源出力の設定などである。静電形式のプラズマ生成の場合、100eVオーダーのイオンエネルギーを生成することが可能だが、これらの高エネルギーが基板の性質を大幅に変える。カーボン系の基板なら、約3分程度の照射で基板表面に微細な凹凸を形成することができる。
(ステップ3)(ステップ4)について
もう一つの対策は、基板との被着性を上げるために紫外線照射やポリカチオン処理5によって親水化処理を施す方法である。
(ステップ3)について
親水化処理を施す理由は、金属微粒子を滴下しても、滴下した液体が表面張力によって凝集し、中の金属微粒子も凝集してしまうことになり、金属微粒子の均一な分散が実現できないためである。親水化処理を施すことにより、滴下した液体が凝集せず基板上に均一に分散する。
無機物表面は短波長紫外線を照射すると表面改質し、親水化する。その後に被着物を付けると照射前より被着性が上がる。これは基板表面に一定エネルギー以上の光を照射すると基板内の電子が励起放出され、この放出があると内殻に空孔が生じ、イオンは正イオン化されるためである。
(ステップ4)について
更に親水性を高めるためにポリカチオン処理を行ってもよい。ポリカチオン処理とは試料の表面がプラスに帯電するように、プラスの荷電をもつ物質(ポリカチオン)の被膜6を試料表面に作成するものである。
一例として、ポリ−L−リジンの0.1%水溶液(ないし0.1Mリン酸衝液)を調整し、ガラス容器に入れて、冷蔵庫内に保存しておく。使用時に洗浄したガラス小片(カバーガラスかスライドガラスを小さく切ったもの)の上に、ポリ−L−リジン液を数滴滴下し、室温で数分間静置したのちに蒸留水で洗浄し、余分なポリカチオンを取り除く。上記処理により、基板清浄処理を実施した後も粒子の付着が安定し、金属微粒子の均等に分散し、粒子間隙が一定になる。なお、このケースでは、(ステップ5)の溶液滴下においては、ポリカチオン処理した基板への金属微粒子の被着性を高めるため、カチオン処理されたコロイド金属を用いてもよい。使用例としてはCationic Colloidal Gold 20nm(Conjugated to Poly-L-Lysine)(粒子径20nm)等がある。
(ステップ5)について
図2(c)にあるように作成した基板上にコロイド金属またはイオン液体中の金属微粒子を滴下する。滴下する溶液中の金属微粒子の分散は、濃度が高い場合には、滴下後粒子同士が凝集してしまう可能性がある。凝集すると客観的評価手法による評価結果のばらつきにつながる。粒子間の空隙が一定とならない場合には、コロイド金属またはイオン液体の濃度調整を行い希釈したものを滴下する。濃度は、粒子間の空隙と、電子顕微鏡等で観察したときに分解能評価を行うための一画像中に必要な粒子数とのバランスを見て決める。
滴下する際には、一定量を滴下するためにピペッター7を使用するとよい。また、スピンコーター等を使用すると均一に分散して付きやすい。その後、真空中または大気中に放置または加熱して、乾燥するまで待つ。
(ステップ6)について
金属微粒子や金属粒子を載せた基板の表面は、コロイド,イオン液体,ポリカチオン剤,溶媒等の有機物8で覆われている。SEM観察ではこれらの有機物が観察の障害になり、像分解能を劣化させる原因となる。このため、図2(d)のようにプラズマやイオンビームや紫外線照射9を実施し、有機物を除去し、試料の清浄性を確保しなければならない。
有機物の除去には、酸素プラズマが有効である。プラズマによって生成され解離した酸素は、表面上に存在する有機物と化学反応し、CO,CO2、およびH2Oに変化し、それらは真空システムの排気システムによって排出される。適切なプラズマ処理パラメータを設定するとイオンは低電圧空間電荷層で処理される対象物方向に加速され、10eV〜15eVのエネルギーを得る。この空間電荷層は、プラズマをチャンバー壁,基板,試料ホルダに導く薄い正に帯電した層である。有機物の除去の場合、10eV〜15eVの誘導結合エネルギーが必要である。このイオンエネルギーでは、スパッタは発生せず有機物だけが化学的に除去される。一例として、約3分程度の照射により表面に付着している有機物の共有結合をプラズマエネルギーで切り解離させることが可能である。
有機物を低エネルギーで短時間のイオンビーム照射によって除去する手法では、イオンが基板表面に衝突することにより、試料表面の原子がはじき出されるスパッタリング現象を利用して有機物を除去する。一例として、アルゴンイオンなら5kV,3分程度の照射でよい。高いエネルギーで長時間照射すると金属粒子が飛んでしまうので注意する。
紫外線照射によって有機物を除去する原理を説明する。短波長の紫外線から照射される184.9nmはエネルギーが高く、ほとんどの分子の主鎖,側鎖を切断するエネルギーを持っている。大気中で紫外線を照射すると184.9nmの高エネルギーにより有機物の分子の切断と同時に酸素分子O2の分解を行う。O2が分解され活性単分子のOが発生し、まだ残っているO2と結合しO3を生成する。生成されたO3は253.7nmのエネルギーを吸収し、O2,Oに分解し、さえあに活性単分子のOを生成する。このOは分子が切断され活性化している有機物の表面に付き酸化を行う。活性単分子のOが付き、酸化された有機物はCO2,H2Oなどの揮発性の物質に変化し除去される。
上記のステップを経ることにより、(1)粒径が一定(2)粒子間の空隙が一定(3)基板が(巨視的に)平滑(4)試料表面が清浄の条件を満たす標準試料を作成することができる。
上記作製フローを用い、分解能評価用の標準試料を作製した。コロイド金属粒子10には、Cationic Colloidal Gold 20nm(Conjugated to Poly-L-Lysine)を使用した。粒子を載せる部材として、Si基板を用いた。Si基板は、真空中で加熱しクリーニングを行った(ステップ1)。基板表面に微細な凹凸を設けるため、プラズマ照射法を用いた(ステップ2)。その後、ポリLリジンを用いてポリカチオン処理を行い表面の親水性を高めたのち(ステップ3,ステップ4)、コロイド金属溶液をピペッターで滴下した(ステップ5)。滴下した基板は、コロイド金とポリLリジンを十分結合させるため数時間放置したのち、余分なコロイド金属溶液を取り除いた。金属粒子や金属粒子をのせた基板の表面を覆っている有機物をプラズマ照射法により除去し、清浄化した(ステップ6)。作製した試料のSEM像を図9に示す。20nmの金属粒子が適当に分散され、SEM測定倍率50万倍でコントラスト良く確認されている。
複数の粒径からなる分解能評価用試料作製方法を図3により説明する。
複数装置を複数の条件(加速電圧,プローブ電流等)で像分解能を評価したい場合は、粒径が異なる金属微粒子を1個の試料上で分散して作製する。平滑基板を作製するまでは実施例1と同様である。異なる粒径の金属微粒子が分散した溶液を混合後、ピペッター7から滴下すると、図3(d)にあるように1個の試料上で異なる粒子径が実現する。例えば、粒径5nmと20nmの2種類の金属微粒子で作製する場合、それら粒径の金属微粒子を含んだコロイド金属またはイオン液体を混合し、1つの試料上に塗布する。または、図4のように段階的に滴下してもよい。それぞれの粒径においてはバラツキがなく、均一な粒径の粒子分散であることが必須条件である。2種類の粒径のみが基板上に均一に分布して存在することになるので、異なる像分解能条件における装置評価が可能になる。また、1つの試料で異なる分解能の装置あるいは測定条件を評価することが可能となるため複数の試料を保持しなくてよい。本手法も、実施例1と同様、表面のコロイド,イオン液体,ポリカチオン剤,溶媒などの有機物8を図3(d)のようにプラズマやイオンビームまたは紫外線照射9を実施し除去する。
蒸着またはスパッタ法を用いた分解能評価用試料作製方法を図5により説明する。
実施例1では金属微粒子として、溶媒中のコロイド金属を使ったが、蒸着またはスパッタ法11を用いて基板にそのまま被着させてもよい。平滑基板を作製するまでは実施例1,2と同様である。その後、金属微粒子を付着するため、図5(c)にあるように蒸着またはスパッタ法11を用いて基板上に分散させる。この場合、基板に対する粒子の密着性が不安定であるため、表面を荒らす基板作製が特に重要である。金属微粒子を蒸着またはスパッタで付着させる前に、基板表面を清浄にし、イオンビーム,プラズマ照射3で荒らし基板に均一にしっかり凹凸をつける。その後、目的の金属を蒸着やスパッタによって金属微粒子を付着させる。
図6にあるように、真空蒸着する際、蒸着量は蒸着源12と試料13との距離14で決まる。蒸着量は蒸着させた金属の体積をVとし、蒸着源から試料までの距離をLとすると、蒸着された金属膜の厚さtはt=V/4πL2で決まる。マグネトロン電極を利用したイオンスパッタ装置であれば、ガス圧,真空度,放電電流,時間,試料とターゲットの距離が関係する。金属付着量や付着条件を厳密に制御することにより粒径の再現性を確保する。
実施例1〜3では、微細な凹凸を設ける処理を実施したが、基板に元々ナノメートルオーダーの凹凸がある場合、金粒子が良好に分散する場合には基板の処理は必要ない。
本手法で作製した分解能評価用試料を用いて、像分解能の客観的な値付けを行う。その評価フローチャートを図7に、走査電子顕微鏡の概略図を図8に示す。フローチャートに沿って詳細を以下に説明する。まず、上記手順で作製した試料の画像を走査型電子顕微鏡にて取得する。その画像を元に例としてCG法のアルゴリズムと分解能判定機能が搭載した走査型電子顕微鏡で客観的分解能評価を行う。測定された分解能値は記録され、その値が一定値以下なら終了し、一定値以上なら性能劣化のメッセージが表示される。このような機能を搭載した電子顕微鏡であれば常に分解能が保証された状態で測定可能な装置を提供できる。また、定期的に本評価を実施することにより、装置性能の経時変化を捉えることができる。
本発明を適用した走査電子顕微鏡の概略を説明する。図8の電子光学系は荷電粒子である電子を放出する荷電粒子源15から発せられる荷電粒子線16をレンズ23により試料17上に集束させて任意の順序で走査することができる。電子線の照射により試料17の表面において発生する二次荷電粒子18は検出器19により、検出され、画像データとして画像演算制御の機能も持たせた制御装置20に入力される。試料17はX−Y−Zステージ21により3次元方向全ての方向に移動可能である。制御装置20は荷電粒子源15,レンズ23,二次粒子検出系19,X−Y−Zステージ21、および画像表示装置22の制御も行う。電子線16は、図示しない走査コイルで試料17上を二次元的に走査する。二次粒子検出系19内の二次電子検出器で検出された信号は、制御系20内の信号増幅器で増幅された後、画像メモリに転送されて画像表示装置22に試料像として表示・記録される。
実施例1により得られた画像(図9)のCG法による分解能評価を行った。結果を図10に示す。0.6nmのResolution(分解能)が得られた。
1 コロイド金属またはイオン液体に分散する金属粒子
2 HOPGやSi等の平滑かつ導電性のある基板
3 イオンビームまたはプラズマ照射
4 微細凹凸
5 紫外線照射やポリカチオン処理
6 ポリカチオン被膜
7 ピペッター
8 有機物
9 プラズマやイオンビームや紫外線照射
10 金属微粒子
11 蒸着またはスパッタ法
12 蒸着源
13,17 試料
14 蒸着源と試料との距離
15,16 荷電粒子線
18 二次荷電粒子
19 検出器
20 制御装置
21 X−Y−Zステージ
22 画像表示装置

Claims (11)

  1. 荷電粒子線装置の標準試料作成方法であって、
    平滑かつ導電性がある基板表面に、金属微粒子の粒径よりも小さい微細な凹凸を形成するステップと、
    前記基板に、標準粒子として利用するための粒径が既知の金属微粒子を、コロイド金属として又はイオン液体に分散させた状態で滴下するステップと、
    前記基板に滴下した溶液を除去するステップと、
    前記基板表面の有機物を除去するステップと、
    を有することを特徴とする標準試料作成方法。
  2. 請求項1の標準試料作成方法において、
    前記基板表面に微細な凹凸を形成するステップは、前記基板にイオンビーム又はプラズマ照射をすることによることを特徴とする標準試料作成方法。
  3. 請求項1の標準試料作成方法において、
    前記基板表面の有機物を除去するステップは、前記基板にプラズマ又はイオンビーム又は紫外線照射を行うことによることを特徴とする標準試料作成方法。
  4. 請求項1の標準試料作成方法において、
    前記金属微粒子を滴下するステップの前に、
    前記基板表面に親水化処理を施すステップを有することを特徴とする標準試料作成方法。
  5. 請求項1の標準試料作成方法において、
    前記金属微粒子を滴下するステップの前に、
    前記基板表面にポリカチオン処理を施すステップを有することを特徴とする標準試料作成方法。
  6. 請求項1の標準試料作成方法において、
    コロイド金属又はイオン液体中の金属微粒子の濃度調整を行い、粒子間の空隙が一定となるようにすることを特徴とする標準試料作成方法。
  7. 請求項1の標準試料作成方法において、
    前記基板と前記金属微粒子の原子番号が異なることを特徴とする標準試料作成方法。
  8. 請求項1の標準試料作成方法において、
    前記金属微粒子を滴下するステップにおける金属微粒子は、異なる粒径の金属微粒子が含まれることを特徴とする標準試料作成方法。
  9. 平滑かつ導電性がある基板表面に、金属微粒子の粒径よりも小さい微細な凹凸を形成し、
    前記基板に、標準粒子として利用するための粒径が既知の金属微粒子を、コロイド金属として又はイオン液体に分散させた状態で滴下し、
    前記基板に滴下した溶液を除去した後に前記基板表面の有機物を除去することにより作成された、
    粒径が一定で、粒子間の空隙が一定で、基板が平滑で、試料表面が清浄な標準試料。
  10. 請求項9の標準試料において、
    前記基板と前記金属微粒子の原子番号が異なることを特徴とする標準試料。
  11. 請求項9の標準試料において、
    前記金属微粒子は、異なる粒径の金属微粒子が含まれることを特徴とする標準試料。
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