JP6324115B2 - インサートナット、該インサートナットを備える固定機構、該インサートナットあるいは該固定機構を備えるカートリッジ、該インサートナットあるいは該固定機構を備える用紙カセット - Google Patents

インサートナット、該インサートナットを備える固定機構、該インサートナットあるいは該固定機構を備えるカートリッジ、該インサートナットあるいは該固定機構を備える用紙カセット Download PDF

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Description

本発明は、インサートナット、詳しくは、相手プラスチック部材穴部に、雌(メ)ネジ有する金属性ナットをインサートして一体的に成し、ネジ止めできるようにしたインサートナットに関する。もしくは、インサートナットを有する締結ユニット、もしくはこれらを用いたプロセスカートリッジに関するものである。
従来、樹脂に対するネジ締結を行う場合、樹脂用ネジを用いることが知られている。しかしながら、繰り返し樹脂用のネジを着脱していると、樹脂が塑性変形し、雌ネジが破損してしまうことが知られている。そこで、これを防止するために、予め金属製のインサートナットを樹脂部品に装着して、ネジ強度を確保する手段が知られている。
このようなインサートナットの構成として、例えば、特許文献1のような構成がある。特許文献1では、トップ面にフランジを有するインサートナットが知られている。従来、インサートナットにフランジが設けられていた理由は、金属端子をネジ締結してアース等を行う場合に、金属端子がネジとインサートナットに確実に挟持されるようにするために設けられていた。
また、ネジ締結した後にネジが装置の振動等によって緩むことを抑制するために、特許文献2のように、ネジ頭の形状を傘型(皿伏せ形状)のツバ(以下、フランジとも呼ぶ)を有する構成とするものがあり、汎用化されている。
特開2010−48308号公報 特開平11−247817号公報
しかしながら、従来のインサートナットを用いた場合、以下のような課題が判明した。特許文献1のようなフランジ付インサートナットに対して、上述したようなツバ付ネジを用いて被締結部材に対する締結力を高めた場合、締結時にインサートナットが基材からジャッキアップされてしまったり、使用に伴ってネジが緩んでしまう場合があった。これは、インサートナットのフランジ径に対して、ネジ頭直径(フランジ径)との差によって生じる。以下、図6を用いて、説明する。図6は、被締結部材68を従来のインサートナットを用いてネジ締結する様子を説明する図である。(図では、インサートナットのフランジはわかりやすくするために径方向に誇張して大きく表示している。)通常、画像形成装置に用いられるインサートナットのサイズとしては、所定の破断強度を得る為にM3(ネジ外径3mm)以上を用いるのが一般的である。この場合、フランジ付のネジのフランジ径は略8mm程度となる。従来、インサートナットのフランジ径は5.5mm程度であった。このため、従来では図6のように、インサートナット1のフランジ3の外径に対して、ネジ57のフランジの外径の方が大きい関係となっていた。このフランジ径の差によって、ネジを締結した時、インサートナット1が基材から引き抜かれる力(抜去力)が強く作用してしまう。この抜去力がインサートナットと基材との固定力を上回ると、インサートナットが樹脂から引き抜かれてしまったり、ネジが緩んでしまうといった不具合が生じる虞があった。このような課題は、フランジ付ネジに限らず、インサートナットのフランジ径と、ネジの座面が被締結材と接触する領域の外径との差が大きくなるような汎用ネジを用いた場合にも同様に起こりうる。
そこで、本発明の目的は、呼び径が3mmあるいは4mmのネジ締結時にインサートナットが基材から引き抜かれる力が強く作用されることによって生じる不具合を抑制可能なインサートナット、該インサートナットを備える固定機構、該インサートナットあるいは該固定機構を備えるカートリッジ、該インサートナットあるいは該固定機構を備える用紙カセットを提供することである。
上記目的を達成するための本発明のインサートナットは、樹脂を含む基材の面に挿入されて前記基材に固定され、被固定部材を前記基材に固定するために呼び径が3mmのネジが締結されるインサートナットであって、前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジの雄ねじが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に位置した接触部位が設けられており、前記フランジ部の径は、7.2mm以上、12mm以下の大きさであることを特徴とする。また、本発明のインサートナットは、樹脂を含む基材の面に挿入されて前記基材に固定され、被固定部材を前記基材に固定するために呼び径が3mmのネジが締結されるインサートナットであって、前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジの雄ねじが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に位置した接触部位が設けられており、前記フランジ部の径は、前記接触部位の径以上、12mm以下の大きさであることを特徴とする。また、本発明のインサートナットは、樹脂を含む基材の面に挿入されて前記基材に固定され、被固定部材を前記基材に固定するために呼び径が4mmのネジが締結されるインサートナットであって、前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジの雄ねじが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に位置した接触部位が設けられており、前記フランジ部の径は、8.8mm以上、16mm以下の大きさであることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明のインサートナットは、樹脂を含む基材の面に挿入されて前記基材に固定され、被固定部材を前記基材に固定するために呼び径が4mmのネジが締結されるインサートナットであって、前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジの雄ねじが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に位置した接触部位が設けられており、前記フランジ部の径は、8.8mm以上、16mm以下の大きさであることを特徴とする。また、本発明のインサートナットは、樹脂を含む基材の面に挿入されて前記基材に固定され、被固定部材を前記基材に固定するために呼び径が4mmのネジが締結されるインサートナットであって、前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジの雄ねじが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に位置した接触部位が設けられており、前記フランジ部の径は、前記接触部位の径以上、16mm以下の大きさであることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明の固定機構は、樹脂を含む基材と、前記基材の面に挿入されて前記基材に固定されたインサートナットと、前記基材に対して被固定部材を固定するために前記インサートナットに締結される、呼び径が3mmのネジと、を備え、前記インサートナットは、前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に突出した接触部位が設けられ、前記フランジ部の径は、前記ネジの頭部の径の2.4倍以上、4倍以下の大きさであることを特徴とする。また、本発明の固定機構は、樹脂を含む基材と、前記基材の面に挿入されて前記基材に固定されたインサートナットと、前記基材に対して被固定部材を固定するために前記インサートナットに締結される、呼び径が3mmのネジと、を備え、前記インサートナットは、前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に突出した接触部位が設けられ、前記フランジ部の径は、前記接触部位の径以上、前記12mm以下の大きさであることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明の固定機構は、樹脂を含む基材と、前記基材の面に挿入されて前記基材に固定されたインサートナットと、前記基材に対して被固定部材を固定するために前記インサートナットに締結される、呼び径が4mmのネジと、を備え、前記インサートナットは、前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に突出した接触部位が設けられ、前記フランジ部の径は、前記ネジの頭部の径の2.2倍以上、4倍以下の大きさであることを特徴とする。また、本発明の固定機構は、樹脂を含む基材と、前記基材の面に挿入されて前記基材に固定されたインサートナットと、前記基材に対して被固定部材を固定するために前記インサートナットに締結される、呼び径が4mmのネジと、を備え、前記インサートナットは、前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に突出した接触部位が設けられ、前記フランジ部の径は、前記接触部位の径以上、前記16mm以下の大きさであることを特徴とする。
呼び径が3mmあるいは4mmのネジ締結時にインサートナットが基材から引き抜かれる力が強く作用されることによって生じる不具合を抑制可能なインサートナット、該インサートナットを備える固定機構、該インサートナットあるいは該固定機構を備えるカートリッジ、該インサートナットあるいは該固定機構を備える用紙カセットを提供することができる。
本実施例のM3インサートナットの部分断面正面図 本実施例のM4インサートナットの部分断面正面図 本実施例のインサートナットの斜視図 従来のインサートナットを装着し使用状態にした平面図と断面図 従来のインサートナットを装着し使用状態にした詳細断面図 従来のインサートナットを装着し薄板に適用した断面図 従来のインサートナットを装着し薄板に適用した抜去状態の断面図 (A)(B)本案実施例のインサートナットを装着し薄板に適用した断面図 インサートナットを治具にセットした縦断面図 インサートナットを熱圧入している状態を示す縦断面図 インサートナット熱圧入後離間している状態を示す縦断面図 加工工程を示すインサートナットを示す斜視図 従来の順送式プレス金型によるプレス工程を示す平面図と側面図 本実施例における順送式プレス金型によるプレス工程を示す図 画像形成装置全体を示す略断面図 画像形成装置に用いるプロセスカートリッジの斜視図 (A)がプロセスカートリッジの側面図であり、(B)が横断面図 プロセスカートリッジ端部の分解斜視図 本発明の本実施形態1におけるインサートナットが装着されているプロセスカートリッジの部分縦断面図 画像形成装置に用いる用紙カセットの斜視図 用紙カセットの平面図と側面図 (A)本発明の第2実施形態におけるネジ締結状態を示す平面図と、(B)その断面図
以下に図面を用いながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下において、特段の記載がない限り、発明の思想の範囲内において、種々の構成を同様な機能を奏する公知の他の構成に置き換えることが可能である。すなわち、特段の記載がない限り、後述する実施形態に記載された構成だけに限定する意図はない。
(実施例1)
[インサートナット]
本実施例のインサートナット1について、図を用いて説明する。本実施例のインサートナット1は、被締結部材56を介して締結するネジ57に用いられる。尚、本実施例では、インサートナット1に締結されるネジとしては、ツバ付きネジを例に説明するが、これに限定されない。本実施例のインサートナットは、画像形成装置等に用いられるインサートナットであり、所定の破断強度を得る為にM3以上(ネジ外径3mm以上)を用いている。
図1はM3(呼び径φ3mmのメートル並目ネジ)ネジ用のフランジ付きインサートナットの構成を示す部分断面正面図である。図2は、同様にM4(呼び径Φ4メートル並目ネジ)ネジ用のフランジ付きインサートナットの構成を示す部分断面正面図である。ここで、ネジの呼び径とは、例えばJISB0101による定義であり、ネジ山の外径の基準寸法を示す称呼寸法である。表現では寸法公差を含まない代表寸法表現であるが、実質的に寸法公差分を含んでる事を意味している。例えばメートル並目ネジM3の場合、呼び径は3mmであるが、外径の寸法公差はメートル並目ネジのピッチ0.5mm6Gの場合、の雄ネジの外形の寸法公差は-0.036乃至-0.142mmとなる。即ちφ3-0.036/-0.142である。
また、図3は、フランジ付きインサートナットの斜視図、を示している。図8は本実施例のインサートナットを用いて、樹脂基材55に対して被締結部材としての薄板68を締結した断面図を示している。
本実施例のインサートナット1は、図1乃至図3中の矢印方向が、インサートナット圧入方向(挿入方向)となっている。インサートナット1は、ネジ挿入方向(ネジ軸線方向)の一端側である、円筒長手方向の一端上部にフランジ3を有している。このフランジ3のトップ面2から、プレス加工により円筒状に搾り出した筒部(圧入部)7と、その先端部に設けられたR形状部8が形成されている。インサートナット1の外側面には、2ヶ所のローレット加工が施されている。1つは、インサートナット圧入方向上流側に位置する第1ローレット部(第1凹凸形状部または第1領域)6である。もう1つは、インサートナット圧入方向下流側に位置する第2ローレット部(第2凹凸形状部または第2領域)11である。凹凸形状部は、インサートナット1の周方向に交互に山部と谷部とを複数有する尾根状の螺旋形状を備えている。このローレット部は、相手方の樹脂体に熱圧入した際に、その表面の凹凸形状の間に樹脂が入り込む事で、相手樹脂部材に装着される。このローレット部は、インサートナット1の装着後、ネジを挿入して回転締結させる際に、ネジ(雄ネジ)と一緒にインサートナットが連れまわる事を防止するためのものである。第1ローレット部6及び第2ローレット部11の外径は、筒部7の外径よりも大きく、フランジ3のフランジ3の外径よりも小さく構成されている。
一方、インサートナット1の内径部には、ネジを誘導するためのネジ誘導部17から、M3或いはM4サイズの雌ネジ5が転造タップ或いは切削タップによって形成されている。インサートナット1の外周には、筒部7、筒部18、筒状部4、逃げ形状27が設けられている。抜け止め手段であるところの筒部7よりも筒部18は一段低くなっていて、加熱圧入により樹脂が回り込むと抜去方向の抜け止めとなる段差が形成されるように構成されている。
更に、ガイド斜面14及び、回転阻止手段である凹凸部であるところの第1ローレット6と、第2ローレット11と、筒状部4と、逃げ形状27によって半溶融状態或いは軟化した樹脂材料と絡まるように構成されている。
ここで、図1乃至図3に示しているローレット部について更に説明を行う。各ローレット部には、山部10と谷部9が交互に隣接するように設けられている。そして、第1ローレット部6と第2ローレット部11は、ねじれ方向(山谷の続く方向)が互いに異なるようにしてある。これは、圧入された後にネジが挿入されて回転される際に、この回転に伴って圧入方向あるいはその逆方向にインサートナットが進むことを防ぐ為である。そして更に、加熱により溶融しながら流れる樹脂がローレットに絡まりながら、隅々まで行き渡るように配慮したものでもある。なお、溶けて流動する樹脂をローレット部に絡ませるべく、ローレット山部10の数や大きさを、適宜最適化すればよい。
本実施例においては、図2のように、第一ローレット6と第二ローレット11には谷部6bと尾根部6aとをR形状(曲率形状)を有するように構成し、樹脂を入り込みやすくした。具体的には、R形状の曲率半径の値を、0.05mm以上0.2mm以下の範囲内とした。R形状の曲率半径の値が0.05mm未満であると、形状が鋭利となるので樹脂が入り込みにくくなってしまう。一方、曲率半径の値が0.2mmを超えると、谷部が浅くなり、インサートナットの固定強度が低下しやすくなってしまう。
本実施例のインサートナット1は、被装着部材である樹脂基材55に設けられた下穴54に、モールドインサート成形、或いは常温圧入、若しくはヒータ加熱、超音波加熱等の加熱手段により加熱圧入される。
次に、段差部としての座グリ17について述べる。図1において、インサートナット1の長手円筒方向のトップ面2側の雌ネジ5穴端部に雌ネジ直径よりも大きな径のストレートな円筒部である段差部(座グリ)17が設けられている。これにより、第1ローレット6、第2ローレット11等のローレット加工の際の偏心振れや変形を防止する加工ガイドとなる。また、段差部(座グリ)17は締結されるネジ足部の根本不完全ネジ部よりも長い逃げ形状となっている。
座グリ部17を設けたことで、内外径で偏心量を最小限に抑制でき、理想的なローレット形状が形成されやすくなる。これにより相手樹脂との接触表面性を最大化させ、締結回りトルクと抜去力の最大化と、ネジ締結時に不完全ネジ部29の重なりによる悪影響を防止でき、正確な締結トルクが得られる。
通常、円筒部ネジの端部には面取りが施され、ここを旋盤テーパーチャックした円錐形回転体のセンターで支持した状態で外径部のローレット加工を行う。しかしながら、センターに汚れや切粉などが付着していると面取り面が微妙に振れてしまう事が知られている。更に大きな転造加圧力を加えると、インサートナットの筒状形状が変形してしまい、ネジの精度が著しく阻害されねじ締結に支障を生じる虞が有る。段差部17はこのような課題を解決すべく正確な中心位置を出す役割をも兼ねている。
[ネジ]
また、本実施例のネジは、市販されている日東精工社のRSタイト(登録商標)を用いている。これは、図8で示すように、座付ネジ(ツバ付ネジ)57のような皿状凹部65を有するツバ64を有している。このツバ64の直径及び皿形状は、ねじ締結時に十分な締結強度と緩みトルクを少なくする目的で形成されている。然るにツバの直径が小さい場合ではトルクが弱くなるので締結トルクが不十分である事や、緩みやすいネジになってしまう。また、ツバ64の直径が大きい場合、締結トルクは高くなるが、ネジの破断トルクを大きく超えてしまうので無駄になってしまう。座付ネジ57のような皿状凹部65を有するツバ64を有するネジの場合、ツバの外径は、ネジ外径の概ね2.5倍を有している。
即ち、ネジの破断強度の70%程度が適正締結トルクであるので、これに見合った最適値が有る。破断強度を超えると、ネジの頭が先に破断してしまう事や、ネジの山谷であるタップのネジ山が破損してしまう事で、ネジだけでなく、相手部材にもダメージを与えてしまう。従って、ネジの頭部の外径(ツバ外径)は、ネジの外径の4倍以下に抑えることが好ましい。
[インサートナットのトップ面]
本実施例のインサートナット1のトップ面2、フランジ3は、取り付けられるネジの軸線方向に対して略直角の平面としている。
角度に対しては、被締結部材56が装着される際に、インサートナット1が樹脂基材55から凸になるように設定しているのでインサートナット1のトップ面2に倣ってしまう。よって後述するが、製造時には筒部内径とツバトップ面とが垂直になるようにガイドしながら加工することが好ましい。
なお、インサートナットを樹脂面よりも潜り込む場合、ネジ締結時に被装着部材56が撓む(不図示)ことや、ネジ締結力が抜去力に直接的に作用するので、インサートナットは抜けやすくなりジャッキアップの要因になる。このため、本実施例では、インサートナット1のトップ面は、樹脂基材55の表面と同じ、もしくは、樹脂基材55の表面から若干突出するように設けている。しかしながら、インサートナットを樹脂面よりも潜り込ませて使用しても本発明の効果は得られる。
また、トップ面2の平面度は0.03mm乃至0.05mmとしている。また、フランジ3の板厚は0.6mm乃至1.0mmの間に設定されている。
[インサートナットのフランジ部]
本発明の特徴部分である、インサートナット1のフランジ3の外径について説明する。課題でも述べたように、インサートナット1のフランジ径が、ネジの座面に対して小さい場合、インサートナット1が樹脂基材から引き抜かれる力が強く作用してしまう。そこで、図8に示すように、本実施例では、被締結部材68と、ネジ57の接触部位58が、インサートナット1のフランジ外径近傍になるようにインサートナット1のフランジ3の外径が設定されている。また、接触部位58の直径以上にインサートナット1のフランジ径60を設定している。
尚、インサートナット1のフランジ径は、ネジ57の接触部位58の外径(もしくはネジ57のフランジ径(ネジ頭部の外径))以上であることが好ましいが、僅かな量であれば小さくてもよい。即ち、インサートナット1のフランジ径は、ネジ57のフランジ径に対して90%以上であれば本発明の効果を得ることができる。
汎用される座付ネジ57のような皿状凹部65を有するフランジ64を有するネジの場合、ネジのフランジ外径は、ネジ外径の概ね2.5倍を有している。
従って、インサートナットのフランジ径は、インサートナットに挿入されるネジの呼び径に対して2.5×0.9=2.4倍以上であることが好ましく、より好ましくは2.5倍以上である。
例えば、M3のネジの場合、汎用されるネジのフランジ径は略8mmであるため、インサートナットのフランジ径は、8×0.9=7.2mm以上あることが好ましい。より好ましくは、インサートナットのフランジ径は、ネジフランジ径以上であることが好ましいため、M3以上の場合、インサートナットのフランジ径は、8mm以上あることが好ましい。言い換えれば、インサートナットのフランジ径は、インサートナットに挿入されるネジのネジ外径の8/3以上がより好ましい。
また、M4ネジの場合は、汎用されるネジのフランジ径は10mmであるため、インサートナットのフランジ径は、10×0.9=9mm以上あることが好ましい。より好ましくは、M4以上(ネジ外径が4mm以上)の場合、インサートナットのフランジ径は、10mm以上あることが好ましい。
また、M4の場合は、(汎用ネジフランジ径/ネジ外径)×0.9=(10/4)×0.9=2.25となる。従って、M4以上の場合は、インサートナットのフランジ径は、インサートナットに挿入されるネジのネジ外径に対して(10/4×0.9)=2.2倍以上が好ましく、より好ましくは、(10/4)=2.5倍以上である。
以上、本実施例では、インサートナット1のフランジ径は、装着するネジ57の呼び径の少なくとも2.4倍以上としている。こうすることで、ネジ締結時にインサートナット1が樹脂基材55から引き抜かれる力が強く作用することによって生じる不具合を抑制している。
また、本実施例のようにインサートナット1のフランジ径を設定することにより、インサートナット1の着座面が拡大する。このため、インサートナット1の樹脂基材55への熱圧入時に、インサートナット1が樹脂基材55側へ沈み込むことを抑止できる。また、ネジ締結時において、インサートナット1のトップ面2により挟持される被締結部材の変形を抑制することができる。
具体的には、本実施例では、インサートナット1の雌ネジ部での呼び径がM3の場合は、インサートナット1のフランジ径Φ8mmをとしている。同様に、インサートナット1の雌ネジ部での呼び径がM4の場合は、インサートナット1のフランジ径はφ10mmとしている。
尚、ネジの呼び径に対するインサートナットのフランジ径の比率が、4倍以上となると、インサートナットを製造するにあたり、材料費の無駄が生じ製造コストもアップしてしまうため4倍以下が好ましい。本実施例では、ネジの種類などを勘案して検討した結果、実用的な寸法に合致せしめる最適な大きさの範囲に限定し、最適化しているのである。
図8(A)、(B)は、本実施例であるインサートナット1と、本実施例のネジ57からなる締結ユニットを用いて被締結材58を締結している状態を示す断面図である。インサートナット1は樹脂基材55の広い座面39に当接するように熱圧入され、ローレット等の係止手段によって保持固定されている。
ネジのフランジ64の皿状凹部65の辺縁部の接触部位58は薄板の被締結部材68を挟持するようにフランジ外周部16と合致する。従って、ローレット11、6等の係止手段にかかる荷重はネジ締結力が掛からない。
[比較例]
ここで、比較例について説明する。図4は、比較例のインサートナットを装着し使用状態にした平面図と断面図を示し、図5はその詳細断面図を示している。図6は比較例のインサートナットを装着し薄板に適用した断面図を示している。図7は、比較例のインサートナットを装着し薄板に適用した抜去状態の断面図を示している。
図4及び図5において、樹脂基材55の中央部には下穴54が設けられていて、ここに比較例のインサートナット1が装着された状態を示している。圧入ガイド筒部7にガイドされ、第2ローレット11、第1ローレット6が相手樹脂とオーバーラップして絡まり保持されている。インサートナット1には、フランジ3が樹脂基材55の凹部61(図5参照)入り座面39に当接している。
インサートナット1のトップ面2には被締結部材56が当接するようにネジ57によって締結される。
図4〜7に示している座付ネジ57は、実施例と同様の市販の日東精工社のRSタイトを用いている。ネジ頭部には六角形ボルト状形状のボックスドライバー用形状63と、その中心面にはドライバー用十字穴62が配備されている。
本座付ネジ57はフランジ64が設けられていて、皿状凹部が設けられ、その辺縁に接触部位58がある。被締結部材56の装着用穴66からネジ57が捻じ込まれていくと、図5に示しているように、ネジフランジ64の接触部位58が接触して締結加圧する。図5では被締結部材は板厚が厚いので隙間67を保って、インサートナットのトップ面2と当接する事でネジ締結が完了する。
図6では、比較例のインサートナットを用いて薄板の被締結部材68が締結された状態を示している。ネジ57の締結動作が進むと、薄板の被締結部材68は接触部位58に押されて変形しながら挟持箇所69まで到り直径差寸法により押され段差寸法71分だけ永久変形する。この状態でネジ57を緩めても薄板68の変形は戻らなくなってしまう。更に、ネジの締結動作をすすめると、接触部位58からの作用でインサートナット1が引き抜かれてしまう。
図7では、比較例のインサートナットを用いた場合における、薄板の被締結部材68を締結した図である。図7では、被締結部材68の装着用の穴66は、インサートナット1のフランジ径よりも、大きい場合の締結状態を示したものである。図6と同様に薄板の被締結部材68は変形する。更に、締結力73により生じる抜去力72に作用されて、インサートナットは樹脂基材55をローレットなどの係止手段(6、11)により破壊しながら引き揚げられながら動いていき、ネジの皿部にフランジ端部16が当接する。
この状態では、ローレット等の係止手段の保持力は無くなり、ネジはインサートナットと薄板の被締結部材68と共に、抜去力による移動方向74方向に容易に脱落する虞が生じるのである。また、M4のインサートナットを、樹脂材料ABSに熱圧入した後、ネジ締結によりそれぞれのトルクにて抜去力を測定し、本実施例と比較例との効果の違いを検討した。被締結部材としての樹脂材料の板厚は2mmとした。
比較例のインサートナット1は、フランジ径を直径6.5mmとし、本実施例のフランジ直径は10mmとし、その他の条件は同一とした。比較例では、ネジ締結トルクが1.80Nm(約18.35kgfcm)では、インサートナットが樹脂基材からジャッキアップされることは無かった。また、ネジ締結トルクが2.0Nm(約20.39kgfcm)の場合には、インサートナットがジャッキアップしたり、ネジが緩んでしまう(ネジ緩みトルクの低下)傾向が見られた。
ネジが緩んでしまう原因は以下のように考えられる。従来の場合、ネジ締結時において、ネジフランジ径とインサートナットのフランジ径との差によって、インサートナットに対して常に抜去力が生じている。この抜去力は、インサートナットが置かれている環境の温度変化が生じた場合、金属のインサートナットと樹脂である基材の接合部で生じる熱収縮差を受けて基材からインサートナットが引き抜かれる方向に僅かなガタを生じさせる。その結果、ネジが被締結材から離れる方向に動きネジが緩んでしまうと考えられる。
他方、本実施例の構成では、2.51Nm(約25.59kgfcm)まで締結してもジャッキアップされることなく、ネジの緩みトルクの低下は見られなかった。ジャッキアップされなかった事による性能向上である。更に、従来に対してインサートナットのフランジが広いためにトップ面の面積が大きくなり、単位面積当たりの荷重が低下する。このため、従来例では丸長穴を施した被締結部材に対して、ネジ締結トルクが1.8Nm(約18.35kgfcm)でも凹み約0.15mmが生じていた。それに対して、本実施例ではネジ締結トルクが1.8Nmから2.51Nmに増加したにも拘らず、被締結部材には全く凹みも生じなくなった。そして、ねじの繰り返し締め直しを行っても、被締結部材が変形してしまうことを抑制できた。
[インサートナット圧入方法]
インサートナット1を樹脂部品に熱圧入により装着する方法の説明を行う。熱圧入とは、インサートナットを高温、つまり、相手樹脂が溶融するに至る温度に設定し、治工具により適度な付勢力を付与して、相手樹脂部品の穴部を熱によって溶融させながら挿入する方法である。すなわち、樹脂からなる基材に対し、熱を加えながら圧入する方法である。
本実施の形態では、インサートナット1の材質は真鍮板を用いている。樹脂基材55の材料はPC−ASの複合材に雲母を入れたもの(帝人化成DN1530B)に採用した。ヒータの設定温度は180℃乃至200℃とし、高速のインサートにも十分耐えることが出来るようにヒータはステンレスで直径25mmのものを用いた。ヒータは200Wで十分な加熱ができるように構成し、且つ温度コントロールにより供給熱量を一定に保てるようにした。
図9乃至図11は、インサートナットを加熱ヒータ20にセットし、相手樹脂部品に熱圧入する状況を示した断面図を示している。図9はセットガイド21にインサートナット1がセットされ熱溶着を行う前の状態を示した縦断面図である。図10は、インサートナットを熱圧入している状態を示す縦断面図である。図11は、インサートナットを熱圧入後にセットガイドが離間している状態を示す縦断面図である。
図9において、インサートナット1は、加熱ヒータ20から円柱状に延伸したセットガイド21に嵌合されていている。セットガイド21には溝部22が設けられ、弾性力を付与されている。インサートナット1は、その内径側の雌ネジ5とセットガイド21とが嵌合され、セットガイド21の弾性力によって保持され、加熱されている。圧入方向には、被挿入部材である樹脂からなる基材(樹脂部品)25であって、装着穴24に向かって、加熱ヒータ20が下降していく。
図10は加熱ヒータ20が下降してインサートナット1が規定の位置に到達した状態を示す。
また、図11において、樹脂部品25内に熱圧入されたインサートナット1は、適宜冷却されたのち、ローレット部が樹脂部品25に噛み込むように融着される。これにより、加熱ヒータ20が上昇する際に、セットガイド21と雌ネジ部5の保持力を、噛み込み力が上回ることで、インサートナット1はセットガイド21から離間する。なお、セットガイド21の先端には、周囲エッジ部をR形状26にしてある。このR形状26と、インサートナット1の雌ネジ部5の上部の段差部(座グリ)17により、インサートナットを治具にセットする場合に、スムーズにガイドされながら装着される。
[インサートナット製造方法]
次に、インサートナットの製造方法について、以下に説明を行う。
ツバ広インサートナットは、従来一般的に丸棒から旋盤切削により製造する事が知られている。しかしながら、本発明に於いてはローレット部と、ツバ外形との間の段差部は切削して除去することになる。このため、ツバが広くなるに従って切削除去量が増大し、加工時間も長くなるので生産性が低下してしまう無駄と材料を無駄に消費してしまうという課題が生じた。そこで、本発明では、無駄が少ない順送式のプレス加工によって形成したインサートナットによって達成させる事ができた。
本実施例のインサートナットは、プレス加工により製造される。まず、プレス加工について、その概略を説明する。
材料はシートコイル材(フープ材)を使用し、アンコイラにより供給される。アンコイラは、金属製品・部品のプレス加工(塑性加工)において用いられるプレス機械の周辺装置の一つである。より詳しくは、プレス加工する材料にコイル材を使用する際、プレス機械にそのコイル材を供給するために、コイル材を心棒で支持して材料を外側から巻きほぐす装置である。
次に、フープ材は、レベラによって歪み矯正し、ロールフィーダ等により連続的に供給される。
レベラフィーダとは、プレス機械の周辺装置の一つで、ロール間に板材を通してひずみを矯正する装置(ローラレベラ)にロールの回転・摩擦力で送り出す機能を一体化した送り装置のことである。
ローラレベラとは、プレス機械の周辺装置の一つで、ロールの間にワーク(板材)をかみこませてロールしながら歪、板材の反りを矯正する装置のことである。材料はコイル材を使用し、シートローダによって送られる。シートローダとは、プレス機械の周辺装置の一種で、プレス加工するための素材(材料)となる板材(シート)を一枚ずつプレスへ送り込む装置のことである。このような、レベラ、ロールフィーダ、レベラフィーダ等、これらの装置によって材料は連続的に供給さる。
供給された材料は、順送式プレス金型を用いたプレス加工手段によりプレス加工が行われる。複数の工程を単一型内に等ピッチ(チャンネル)で順番に配置してある。送り装置でプレス機械1回転毎に1ピッチ(1チャンネル)を送り次の工程へと材料を順送りしていく。材料は連続供給し連続自動運転され多くの場合プレス加工完了品としてラインアウトする。
このプレス工程は、順送式プレス型と呼ばれる多工程を一つの金型に配備したものである。フープ材である帯状のストリップシート材を一定のピッチで送りながら順にプレス加工を進めていき、最終プレス工程でフープ材から切り離され、一つの部品が仕上がり、取り出されるようになっている。従って、従来のように、多数の金型を準備してプレス機械を操作する従来の方法に較べ、安定した自動大量生産に向き、低コストで効率的に生産が可能となる。本方式を採用したことにより、旋盤加工に比べるとプレス加工は材料消費量も少なく、加工時間が短く、掛かる切削油も不要であり、人手による切粉除去作業も不要であるので、製造コスト(部品費)が約半額以下になる。
本実施例のインサートナットも、この順送式プレス加工技術を用いて製造したものであって、最終的にトップ面のフランジをフープ材のチャンネルからプレスで抜き落とすことで仕上がる。
トップ面2の裏面側にプレスで絞り出し、バーリングを形成する。次に内側の穴を軸で保持したまま先端部を成形し、更にローレットの加工を行う。次の工程では2種類のローレットをプレスローレットで加工し、第1のローレット11と第2のローレット6を形成する。また、この時点で、ガイド斜面14、筒状部4、座グリ部17も同様に形成する。
次の工程では、金型内に配備されたハイロールタップによりタップ加工を行い、次いでリーマ加工されることで、高精度のネジ部が形成される。更に、フランジ部のマッチング部がプレスで抜き落とされてフレームからインサートナットが切離されて完成となる。
図12及び図14は、本実施例のインサートナットにおいて、前述した順送式プレス金型を用いて加工した場合の、プレス工程を示した図である。
図13は従来のプレス加工によるインサートナット加工を示している。フープ材であるところのシート材31には、第1工程乃至第7工程にいたるステップ送りをするための穴(32〜39)が両端に設けられている。そして、この穴(チャンネル)を基準に各工程を一致させた前提で説明を行う。
他方、本実施の形態のプレス加工状態を図14に示している。フープ材であるところのシート材31には、第1工程乃至第9工程に至るステップ送りをするための穴(32〜40)が両端に設けられている。そして、この穴(チャンネル)を基準に各工程を一致させて順送され、順次加工が進められる。
第1工程では、インサートナットの中心部でバーリングのセンターになる部位に下穴41がプレスによって開けられる。
第2工程では、更に段付きのバーリング加工が行われ深絞りにより筒状形状であるところのバーリング41を形成する。場合によっては、半月ボウル状に大きく膨らませてから、必要な体積分を寄せ集め増肉絞り加工(不図示)によって形成することも可能である。
第3工程では、外周部に溝43を施す。
第4工程では、外周部にローレット44を形成する。一般的にローレット加工はローレット用工具であるところの回転コロの外径部にローレット歯の対を設けて加圧転写する方式のものが市販されている。これに対し、本実施の形態の場合、市販品はスペースと構造的な面でビルトインが困難であった。よって独自に、リング状の工具に内歯車的な二段構成の工具刃物を配備し、これを金型のストロークを利用して回動させ、インサートナット円筒部の外径バーリング部に押し付ける事で可能となった。また、二段の水平ラック状刃物を対向させて配備し、挟持させながら回動させることによっても同様にローレット44を形成させることが可能である。この際、第2工程34同様に、バーリングによる円筒穴の変形を防止するために、内径部にはガイドピンが装備されている。内外径の同軸度を正確に確保するために相手ガイドが中間バメ公差設定されたガイドピンが金型から突出されて正確に位置を規制し、垂直方向にも軸心が触れることを防止している。
第5工程では、バーリング42に対して、座グリ部45をプレス加工により設ける。本実施の形態の場合、図9乃至図11に示しているように加熱ヒータ20のセットガイド21が案内される際に入りやすくする事や、後工程における精度確保の為に設けたものである。
第6工程では第2工程で設けたバーリング41の穴に対してリーマ加工46を施すことによって内径の精度を0、−0.01mm程度に仕上げる。
第7工程では、バーリング41に対して、タップ加工47により雌ネジを形成させる。
但し、プレス金型内部に切削粉を残さないようにするために、転造タップ工具を用いて、塑性変形加工である転造しながらネジを形成させることが好ましい。
また、ネジの下穴寸法がシビアに必要な場合は、第6工程と第7工程を入れ替える事や、或いはまた、第7工程の後にリーマ加工することも可能である。
第8工程では、インサートナット1のフランジ外周部16を半月状にプレス48で打ち抜く。
更に第9工程でフレーム31から、プレス加工によりマッチング部を切り離す外径抜き49加工を行う。これによって、インサートナットは一部品として完成する。
この後、フープ材から切り離されたインサートナットは、必要に応じて、脱脂洗浄等の工程や、メッキ工程、検査工程を経て製品に仕上げられることとなる。
従来例図13と本実施の形態である図14とでは、第1工程乃至第9工程に至るステップ送りをするための穴(32〜40)が両端に設けられている。従来例ではインサートナットの加工中心と両側の穴(チャンネル)とは進行方向に対して、同一位置に配置してステップ順送送りするように成していた。しかしながら、本実施の形態では広いトップ面が必要になるので、フランジ3の直径を大きくすることになった。自ずとその分図14に示しているピッチ寸法50が直径の差分だけ長くなるので、材料取りが低下し、取り個数が少なくなる。そこで、チャンネルピッチ寸法51を半ピッチだけずらすことにした。
また、チャンネルの直径は従来のΦ3mmからΦ2mmに減らして半月形状の打ち抜き後に残る吐出位置で、チャンネル幅寸法52ができるだけ狭くなるように配備した。その結果、フープ材31の幅寸法53を狭くする事が出来たので、結果的に、一定面精器あたりの取り個数を増やすことができるようになった。即ち、フランジの直径が大きくなっても、材料を無駄なく使いきる事ができたので、コストアップの要因とはならない点で大きな効果が得られた。
以上のような工程により形成したインサートナットに、以下のような試験を実施した。なお、ここで用いられたインサートナットは以下のような仕様のものである。材料は真鍮を用いた。圧入方向における寸法は、全長が5mm、第2ローレット部11がL=1.5mm、第1ローレット部6がL=1.0mmとした。そして圧入方向に対する直交方向の長さが、フランジ部3が5.5mm、第2ローレット部11が4.0mm、第1ローレット部6が5.0mmとなっている。そして谷部9の深さが0.60mmとした。そして、第2ローレット部の谷部のR形状の曲率半径を0.10、第1ローレット部の谷部の曲率半径を0.40とした。
このようなインサートナットを熱圧入により、相手プラスチック材料PBTデュポン社クラスティン型番HTI666FRにて、M3ネジ締結トルク試験を実施した。その結果、通常の締結基準力8kgfcmのところ、16kgfcmまで問題なく、最終的に鉄製のネジそのものの頭部首下部が破断するまで耐えることができた。そしてインサートナットと相手プラスチックとの熱圧入部分には、変化が見られなかった。同様にPPE+PS、サビック社の型番ノリルPX2790J、或いはPET、カネカ社型番3406NHにおいても同様の傾向を見ることができた。
一般的に従来のインサートナット1は、快削黄銅棒、快削鋼などを使用しているが、本発明の場合は、プレス加工による形状形成であるので、むしろ冷間鍛造や、転造技術を用いることになる。従って、黄銅板(BSP)、鉄板(SPCC−SD)、ステンレス(SUS304CSP)等の粘性の高い難加工材料を使用することが比較的容易である。また、インサートナットの材質をさらに、アルミニウム(A5052R)を利用することも特徴付けられる。アルミニウム材料を使用するメリットとしては、比熱比が小さく熱伝導性が良好であるので、加熱ヒータ20の熱が容易にインサートナット1に伝導されるため、熱容量が小さく、加熱時間が短縮されるという点がある。また、展延性に優れているので、微細なプレス成形には好適である。更に、加工硬化若しくはアルマイト等の表面硬化処理を施し、ネジ部やローレット部の強度アップを図ることができる。
アルミニウム等の金属の場合、金属に応力を与えると結晶のすべりが生じ、その滑り面に対しての抵抗が徐々に増してくる。その抵抗がある程度の大きさになると、他の面に順次移動していく塑性変形が生じる。冷間加工により変形が進む程、抵抗が大きくなり硬さを増していく。これが加工硬化である。
また、加工硬化は、絞り加工性の目安となる特性値で「n値」と呼ばれる。降伏点以上の塑性域における応力σと、ひずみεとの関係をσ=Cε^nで近似させた時の指数nの事である。このn値が大きいほど、局部収縮発生までの伸びが大きいため絞り性が良くなる。一般的にn値は0.15〜0.45程度である。代表的な柔らかい金属であるアルミニウム0.27に対し、固い金属である18−8ステンレス0.50とその差は相当の違いがある。
本実施例において、雌ネジ5では転造タップにより加工を行い、切削粉の発生しないようにタップを形成していく。このような際にアルミを用いると、同時に加工硬化によりネジ山の強度アップを図ることができる。同様に、外周ローレット部においても加工硬化による素材の強度アップを図ることが可能となった。劃して、ステンレスや黄銅よりも、比重の差を含めて、単位体積当たりコスト面で格安なアルミニウムをプレス加工で行うことにより、効果的に性能を引き出すことが出来る事と成った。また、必要に応じてアルマイト処理、硬質アルマイト等の表面処理を施すことも出来る。よって、表面着色による各種のネジ部に対する順番や使用するネジの種類などを視覚的に示すことができるような使い分けが行える。更には、高剛性が求められるネジ締結、或いは、締結やネジの着脱を繰り返し行う場合にも十分に耐えることが可能なインサートナットの提供ができるようになった。
[第1実施形態]
次に本実施例のインサートナットを適用した画像形成装置の説明を行う。
[画像形成装置]
図15は、画像形成装置全体を示す略断面図であって、本実施例のインサートナットを用いたプロセスカートリッジと、用紙カセット、及びそれを備えた画像形成装置を説明する。
図15は、画像形成装置100の構成の概略を説明する断面図である。図15において、110a・110b・110c・110dは、イエロー・マゼンダ・シアン・ブラックの4色に対応する像担持体としての感光ドラムである。感光ドラム110aの周囲には、感光ドラムの表面を均一に帯電させる帯電装置120a、感光ドラムの帯電面に記録すべき画像情報に基づいて変調したレーザー光を投射する露光装置130が設けられている。また、露光装置130から投射されたレーザー光により感光ドラム表面に形成された画像潜像を現像する現像装置140a、感光ドラム110aの表面に残留したトナーを清掃し回収する現像装置クリーニング装置150aが配置されている。110a以外の感光ドラム110b・110c・110dの周囲も、使用されるトナーの色と露光装置130の照射位置が異なる以外は110aと同様の構成になっている。感光ドラム110、帯電装置120、現像装置140、クリーニング装置150は、各色毎に一体となっておりプロセスカートリッジPa〜Pdを構成している。
感光ドラム110の上部には、感光ドラム110上のトナー像が転写される中間転写ベルト160が配置されている。転写ベルト160内には感光ドラム各々に対向する位置に1次転写ローラ170a・170b・170c・170dが配置される。転写ベルト160の周囲には中間転写ベルト160の表面に残留したトナーを回収する中間転写ベルトクリーニング装置180が配置されている。
転写ベルト160を挿んで中間転写ベルトクリーニング装置180の反対側、中間転写ベルト160に対向する位置には、2次転写ローラ190が配置されている。給紙装置200から給紙された記録媒体Pが中間転写ベルト160と2次転写ローラ190との間の転写位置に搬送されるように構成されている。転写位置よりも搬送方向下流側には、定着装置210、排紙トレイ220が配置されている。
以上説明した画像形成装置100の動作はコントローラ230により制御される。クリーニング装置150及び中間転写ベルトクリーニング装置180で回収されたトナーは、画像形成装置の前面に配置された回収トナーボックス300へと排出される。
[画像形成プロセス]
次に、画像形成装置の動作の概略を説明する。感光ドラム110は、図示しない駆動装置により矢印A方向に一定速度で回転する。帯電装置120により均一に帯電された感光ドラム110の表面には、露光装置130から記録すべき画像情報に基づいて変調されたレーザー光が投射され、画像潜像が形成される。感光ドラム110上の画像潜像は現像装置140の内部に装填されているトナーにより現像され、トナー像が形成される。
感光ドラム110の矢印A方向の回転により、感光ドラム110上のトナー像が中間転写ベルト160への1次転写位置にくると、1次転写ローラ170の作用によりトナー像が中間転写ベルト160に転写される。1次転写位置で転写されなかった感光ドラム110上の残留トナーはクリーニング装置150により回収される。感光ドラム110の表面は清掃されて次の画像形成に備える。回収されたトナーは回収トナーボックス300へと排出される。
中間転写ベルト160は、図示しない駆動装置により矢印B方向に一定速度で回転する。この回転により中間転写ベルト160上のトナーが2次転写位置にくるタイミングに合わせて、給紙装置20から記録媒体が給紙される。2次転写位置では2次転写ローラ190の作用によりトナー像が記録媒体に転写される。2次転写位置で転写されなかった中間転写ベルト160上の残留トナーは中間転写ベルトクリーニング装置180により回収され、中間転写ベルト160の表面は清掃されて次の画像形成に備える。回収されたトナーは回収トナーボックス300へと排出される。
トナーが転写された記録媒体は、定着装置210により定着処理され、排出トレイ220に排出される。
[プロセスカートリッジ]
本実施例に係るプロセスカートリッジは、図15に示す電子写真方式の画像形成装置100の画像形成部をカートリッジ筺体に収め、装置から着脱可能に構成したものである。ここでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のプロセスカートリッジPa乃至Pdが転写ベルト160に対して並べて配置された中間転写方式を例に挙げている。各色のプロセスカートリッジは、感光体110a乃至110dを有する。また、プロセス手段である、帯電装置120a乃至120d、クリーナ装置150a乃至150d、現像装置140a乃至140dを備えている。なお、ここでは、現像装置まで含めた一体型カートリッジとしたが、感光体もしくは、任意のプロセス手段のいずれか1つを着脱可能にしたカートリッジであってもよい。例えば、現像装置を含まない形態のカートリッジでも構わない。
図16乃至図19は画像形成装置に用いるプロセスカートリッジを示している。
図16は、画像形成装置に用いるプロセスカートリッジ200の斜視図である。外観には上ハウジング104と、下ハウジング109の長手端部にトナー補給部103が配備される。画像形成装置に脱着される際にシャッタ102が開閉するように成されている。長手側面には像担持体としての感光ドラム110がドラム軸107によって軸支されて回転するように成されている。回転は、画像形成装置本体の駆動手段からカップリング108によって一定のプロセス速度で回転する。なお、駆動力はギヤトレイン105によって伝達され現像ローラ軸106にも伝えられる。
図17は、プロセスカートリッジの図であり、(A)が側面図、(B)が横断面図である。
現像装置の内部に配置されたスクリュー113、114は、現像剤であるキャリアとトナーを撹拌する。撹拌された現像剤は現像剤担持体としての現像スリーブ112に送られてDブレード115によって現像剤の量を規制され、感光ドラム110に形成された潜像にトナーを送り、顕像化させる。
帯電ローラ116により帯電された感光ドラム110表面は、レーザースキャナからの光によって潜像が形成される。
現像装置により現像されたトナー像は、中間転写ベルトに転写される。感光ドラム110表面上には、クリーニングブレード118が当接され、感光ドラム110表面に残留する転写残トナーがクリーニングされる。クリーニングされたトナーは回収トナースクリュー117によって、回収トナーボトルへと送り出される。
感光ドラム110と現像ローラ112との間は、高精度且つ狭いギャップを設けている。このギャップ間でプラス帯電したトナーが感光ドラムのマイナス電位に吸着される。この隙間はS−Dギャップ133と言われ、0.3乃至0.5mm程度の隙間に設定されている。画像品質のため、SDギャップの公差は、0.03乃至0.05mmの精度に保つ必要が有る。
図17乃至図18は、プロセスカートリッジの断面図、側面図及び分解斜視図である。感光ドラム110と現像ローラ112は、ともにベアリング120によってなめらかな回転が得られるように回転可能に支持されている。さらに、S−Dギャップの位置を調整するためにベアリング120を保持する現像ローラ軸受け支持部材134と、その両側にはネジ119、132とが配備されている。
本プロセスカートリッジは手作業による組み立てと自動機による組み立ての両方に対応している。下ハウジング109には下穴123、124が設けられ、ここに本実施例1のインサートナット125、126が加熱圧入される。その後、現像ローラ軸受け支持部材134の両側の調整固定穴125、128と位置合わせをしつつ、現像ローラ軸106にベアリング120を通して、ネジ119、132、により仮固定してEリング132により保持させる。ネジ119、132は、本実施例1で説明したネジと同様のものを用いている。
この状態で、S−Dギャップをゲージやレーザー光線などを用いて測定し、ネジ119、132の直径よりも大きな穴径の調整固定穴127、128の隙間の範囲で規定のSDギャップ133となるように調整する。
図19は、インサートナットが装着されているプロセスカートリッジの部分縦断面図であって、図17で示したB−B断面を示している。現像ローラは同軸上にマグネット130、スリーブ131を含むローラであり、端部はベアリング120により軸支している。被締結部材としての現像ローラ軸受け支持部材134は、ガラス繊維などにより強化した硬質の樹脂であり、真鍮製のインサートナット125、126に締結される。ネジ締結時の被締結部材の曲がりによるジャッキアップを抑制するためには、被締結材の曲げ強度は、650kgf/cm2以上が好ましい。曲げ強度は、ISO178で測定することができる。インサートナットのフランジ径の範囲が、本発明で既定した範囲であれば、本発明の効果を得ることができる。
特に自動機の場合は自動的にS−Dギャップ133を計測して同時にロボットハンドにより位置調整し、ネジ締結する事を行う。しかし、ネジ締結後に規格内に入っていない場合は、そのずれ量を測定しネジ119、132を緩めて再度締結するというフィードバック制御により最終的に規格内になるようにする。従って、高速でネジを締結と緩めを繰り返すことになる。
下ハウジング109に直接タッピンネジなどを用いてネジ締結を繰り返すと樹脂のネジ山が破壊されネジバカになるのでインサートナットを用いることが好適である。そして、本実施例のインサートナットを用いることで、インサートナットに引き抜き力が強く作用することがなくなり、それによる不具合を抑制できた。更に、本実施例1のインサートナット1を用いることで、現像ローラ軸受け支持部材134の受け面が広くなる。このため、樹脂部の変形や破壊を防止する事が可能となる。この結果、従来のインサートナットでは40回程度の繰り返し作業が必要だったが、本実施例のインサートナット用いることで10回以内に改善される効果が得られた。この理由は、インサートナット125、126のフランジ径が広いので単位面積当たりの面圧が下がり、現像ローラ軸受け支持部材に締結跡が付かなくなったために平面が保たれ微小なミクロンオーダーの位置調整が容易になるためである。この影響で生産効率が改善できた。
[実施形態2]
図20乃至図22は、本実施例のM4インサートナットを画像形成装置の用紙カセットに適用した場合を示している。
図20は、画像形成装置に用いる用紙カセットの斜視図、図21(A)は、用紙カセットの平面図と図21(B)は、側面図である。図22(A)は、本実施例のネジ締結状態を示す平面図であり、図22(B)は、その断面図を示している。図22は、図21のA−A断面を示している。
図20及び図21は用紙カセット140の全体を示していて、用紙カセット140はベースとなる箱型のカセットオケ141である。カセットオケ141には右レール142と、左レール143とが一体的に成形され配備されている。これらのレールは画像形成装置本体の給紙部に適合するように出し入れ自在に成し、用紙の補給を行う。用紙を補給充てんする際に給紙の位置と正確に合致させるために用紙の姿勢を規制するサイド規制板114、145が配備されている。更に用紙の後端部を規制する後端規制板146が設けられ、各種の用紙サイズに合致するように規制板をスライドして調整可能にしてある。
画像形成装置では、画像書き込み位置中心線と用紙中心線とを一致させるために、用紙カセット140は横レジ調整機構を設けているものが知られている。特に多段の用紙カセットを配備した画像形成装置に於いて、各カセット段毎に各給紙ユニットの位置に合致させるように個別に横レジ調整を行う。すると、外観面である前カバー147に凹凸が生じて見苦しくなる。そこで、前カバー147をカセットオケ141と分離して前カバー147の位置をネジ締結によって調整できるようにしている。
本実施例では、前カバー147の左右に締結箇所を設けてあり、右調整固定ネジ148と左調整固定ネジ149とにより前カバーの位置を調整するようにしている。
図22は、インサートナット157により前カバー147が締結された状態を説明する図である。図に於いて、円筒状当接面153にインサートナット157を熱圧入し、上面にフランジ158が広がるように配置している。ここに前カバー147の前カバーU字形溝150が当接し、取付ネジ149によって締結させる。
インサートナット157の広いフランジ158によって十分な当接面積を確保するので、単位面積あたりの荷重は減り、U溝被締結部152の変形が抑えられる。これと共に、ネジ締結トルクをアップしても変形が生じなくなり、本発明の課題で述べたジャッキアップ等の不具合も抑制できた。被締結材である樹脂の変形が無くなったので前カバーの微調整が容易になった効果も得られた。
1 インサートナット
2 トップ面
3 フランジ、鍔(ツバ)
4 筒状部
5 雌ネジ
6 第1ローレット
6a 尾根部
6b 谷部
7 圧入ガイド、筒部
8 面取り
9 ローレット谷部、谷部R形状
10 ローレット山部
11 第2ローレット
14 ガイド斜面
15 裏面エッジ
16 フランジ外周部
17 ネジ誘導部、段差部(座グリ)
18 筒部
19 面取り
20 加熱ヒータ
21 セットガイド
22 溝部
24 装着穴
25 基材(樹脂部品)
26 R形状
27 逃げ形状
28 斜めローレット
29 不完全ネジ部
31 シート材、フレーム
32 第1工程
34 第2工程
35 第3工程
36 第4工程
37 第5工程
38 第6工程
39 座面
40 下穴
41 バーリング
43 溝
44 ローレット
45 座グリ部
46 リーマ加工
46 タップ加工
47 外形抜き
50 ピッチ寸法
51 チャンネルピッチ寸法
52 チャンネル幅寸法
53 幅寸法
54 下穴
55 樹脂基材
56 被締結部材
57 ネジ
58 接触部位
59 外径
60 鍔直径端部
61 凹部
62 ドライバー用十字穴
63 ボックスドライバー用形状
64 フランジ
65 皿状凹部
66 装着用穴
67 隙間
68 薄板の被締結部材
69 挟持箇所
70 直径差
71 段差寸法
72 抜去力
73 締結力
74 移動方向
100 プロセスカートリッジ
102 シャッタ
103 トナー補給口
104 上ハウジング
105 ギヤトレイン
106 現像ローラ軸
107 ドラム軸
108 カップリング
109 下ハウジング
110 感光ドラム
111 シール材
112 現像ローラ
113 スクリュウ
114 スクリュウ
115 Dブレード
116 帯電ローラ
117 回収トナースクリュウ
118 クリーニングブレード
133 S−Dギャップ
119 ネジ
120 ベアリング
121 ベアリング
122 Eリング
134 現像ローラ軸受支持部材
123、124 下穴
125 インサートナット
126 インサートナット
127、128 調整固定穴
130 マグネット
131 スリーブ
132 ネジ
140 用紙カセット
141 カセットオケ
142 右レール
143 左レール
144 前サイド規制板
145 奥サイド規制板
146 後端規制板
147 前カバー
148 右調整用ネジ
129 調整目盛
150 前カバーU字形溝
151 スプリングワッシャ
152 U溝被締結部
153 円筒状当接座面
154 ネジ用下穴
155 平ワッシャ
156 取付ネジ
157 インサートナット
158 ツバ部

Claims (12)

  1. 樹脂を含む基材の面に挿入されて前記基材に固定され、被固定部材を前記基材に固定するために呼び径が3mmのネジが締結されるインサートナットであって、
    前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、
    前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジの雄ねじが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、
    前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、
    前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に位置した接触部位が設けられており、
    前記フランジ部の径は、7.2mm以上、12mm以下の大きさであることを特徴とするインサートナット。
  2. 樹脂を含む基材の面に挿入されて前記基材に固定され、被固定部材を前記基材に固定するために呼び径が3mmのネジが締結されるインサートナットであって、
    前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、
    前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジの雄ねじが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、
    前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、
    前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に位置した接触部位が設けられており、
    前記フランジ部の径は、前記接触部位の径以上、12mm以下の大きさであることを特徴とするインサートナット。
  3. 樹脂を含む基材の面に挿入されて前記基材に固定され、被固定部材を前記基材に固定するために呼び径が4mmのネジが締結されるインサートナットであって、
    前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、
    前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジの雄ねじが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、
    前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、
    前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に位置した接触部位が設けられており、
    前記フランジ部の径は、8.8mm以上、16mm以下の大きさであることを特徴とするインサートナット。
  4. 樹脂を含む基材の面に挿入されて前記基材に固定され、被固定部材を前記基材に固定するために呼び径が4mmのネジが締結されるインサートナットであって、
    前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、
    前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジの雄ねじが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、
    前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、
    前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に位置した接触部位が設けられており、
    前記フランジ部の径は、前記接触部位の径以上、16mm以下の大きさであることを特徴とするインサートナット。
  5. 樹脂を含む基材と、
    前記基材の面に挿入されて前記基材に固定されたインサートナットと、
    前記基材に対して被固定部材を固定するために前記インサートナットに締結される、呼び径が3mmのネジと、を備え、
    前記インサートナットは、
    前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、
    前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、
    前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、
    前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に突出した接触部位が設けられ、
    前記フランジ部の径は、前記ネジの頭部の径の2.4倍以上、4倍以下の大きさであることを特徴とする固定機構。
  6. 樹脂を含む基材と、
    前記基材の面に挿入されて前記基材に固定されたインサートナットと、
    前記基材に対して被固定部材を固定するために前記インサートナットに締結される、呼び径が3mmのネジと、を備え、
    前記インサートナットは、
    前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、
    前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、
    前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、
    前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に突出した接触部位が設けられ、
    前記フランジ部の径は、前記接触部位の径以上、前記12mm以下の大きさであることを特徴とする固定機構。
  7. 樹脂を含む基材と、
    前記基材の面に挿入されて前記基材に固定されたインサートナットと、
    前記基材に対して被固定部材を固定するために前記インサートナットに締結される、呼び径が4mmのネジと、を備え、
    前記インサートナットは、
    前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、
    前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、
    前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、
    前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に突出した接触部位が設けられ、
    前記フランジ部の径は、前記ネジの頭部の径の2.2倍以上、4倍以下の大きさであることを特徴とする固定機構。
  8. 樹脂を含む基材と、
    前記基材の面に挿入されて前記基材に固定されたインサートナットと、
    前記基材に対して被固定部材を固定するために前記インサートナットに締結される、呼び径が4mmのネジと、を備え、
    前記インサートナットは、
    前記ネジが挿入可能な挿入口が形成されたフランジ部と、
    前記フランジ部に対して前記インサートナットの前記基材への挿入方向下流側に配置され、前記基材に囲まれて接触する外周にローレット部が形成され、内周に前記挿入口から挿入される前記ネジが噛み合う雌ネジが形成された筒部と、を備え、
    前記インサートナットは、前記フランジ部の前記挿入方向上流側の面が前記基材の面から露出するように前記基材に固定されており、
    前記ネジの頭部には、前記フランジ部側に前記ネジの軸部を囲むように設けられて前記被固定部材に接触して当該被固定部材を前記フランジ部に向けて押圧する接触部位であって、前記ネジの軸部と前記ネジの頭部の境界部よりも前記ネジの挿入方向における前記ネジの先端側に突出した接触部位が設けられ、
    前記フランジ部の径は、前記接触部位の径以上、前記16mm以下の大きさであることを特徴とする固定機構。
  9. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のインサートナットを有し、画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
    感光ドラム表面にトナーを供給するためにトナーを担持する現像ローラと、前記現像ローラを回転可能に軸支する軸受と、前記軸受を支持する前記被固定部材としての支持部材と、前記基材としての枠体と、を含み、
    前記支持部材には前記ネジの呼びが挿通される、前記ネジの挿入方向と垂直な平面方向における前記ネジの軸部の断面積よりも大きい貫通穴が形成されており、
    前記支持部材は、前記貫通穴を通して前記インサートナットに締結された前記ネジの前記接触部位に押圧されることによって前記枠体に固定されていることを特徴とするカートリッジ。
  10. 請求項5乃至8の何れか1項に記載の固定機構を有し、画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
    感光ドラム表面にトナーを供給するためにトナーを担持する現像ローラと、前記現像ローラを回転可能に軸支する軸受と、前記軸受を支持する前記被固定部材としての支持部材と、前記基材としての枠体と、を含み、
    前記支持部材には前記ネジの呼びが挿通される、前記ネジの挿入方向と垂直な平面方向における前記ネジの軸部の断面積よりも大きい貫通穴が形成されており、
    前記支持部材は、前記貫通穴を通して前記インサートナットに締結された前記ネジの前記接触部位に押圧されることによって前記枠体に固定されていることを特徴とするカートリッジ。
  11. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のインサートナットを有し、画像形成装置に取り付けられ、用紙を収納する用紙カセット。
  12. 請求項5乃至8の何れか1項に記載の固定機構を有し、画像形成装置に取り付けられ、用紙を収納する用紙カセット。
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