JP3338649B2 - タッピンねじ - Google Patents

タッピンねじ

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JP3338649B2
JP3338649B2 JP06455898A JP6455898A JP3338649B2 JP 3338649 B2 JP3338649 B2 JP 3338649B2 JP 06455898 A JP06455898 A JP 06455898A JP 6455898 A JP6455898 A JP 6455898A JP 3338649 B2 JP3338649 B2 JP 3338649B2
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screw
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朝広 中野
真一 濱野
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Nitto Seiko Co Ltd
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Nitto Seiko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークにあらかじ
めあけられたねじなし下穴に雌ねじを形成しながらねじ
込まれるタッピンねじで、特に、ワークに形成されたね
じなし下穴への喰い付きが比較的良好でねじ山を形成し
ながらねじ込まれるタッピンねじに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からこのようなタッピンねじは種々
考えられており、例えば、特公昭39−22637号公
報に示すようなねじがある。これは、頭部に+あるいは
−先端形状のドライバビットに係合可能な係合溝が形成
されており、この頭部座面に連続する脚部は断面が略三
角形状となっており、この脚部にはその外周にねじ山が
形成されたねじである。しかも、この脚部の先端に達す
るにしたがってねじ山の高さは徐々に低くなったいわゆ
る不完全ねじ部となっており、この三角形状のねじ山頂
点は比較的大きな曲率半径の円弧形状となっている。ま
た、この円弧形状の頂点を互いに結ぶねじ山の稜線は脚
部の軸心を中心とする曲率半径の大きい円弧で結ばれて
おり、脚部は全体が断面おにぎり形状となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなねじで、ワ
ークにあらかじめあけられているねじなし下穴に形成さ
れる雌ねじは、その形成初期において、三角形状の頂点
部分で雌ねじの形成が開始されており、このため、この
ねじのねじ込み初期においては、一般に急激なねじ締め
トルクが加わりにくくなっており、近年自動化が進んで
いるねじ締め作業において、好適なねじとなっている。
しかしながら、このようにねじの脚部が全体に三角形状
になっているものにおいては、この脚部先端の三角形状
の頂点は比較的曲率半径の大きい円弧で形成されてお
り、このため、断面円形形状の脚部に形成されたねじ山
を有するねじに比べて、比較的ねじ締め初期トルクは低
いが、最近のように、精度の高いねじ締めトルクが要求
されてくると、ねじ締め初期トルクをできるだけ低くし
なければならないが、この従来のねじでは、低いねじ締
め初期トルクが得られにくく、そのため最終的にはねじ
締め精度の高い締め付けトルクが得られなかった。ま
た、ワークの下穴に対してこのねじを締め付ける場合、
ねじの脚部先端の三角形状の頂点が比較的大きな曲率半
径で形成されているので、その頂点の円弧の接線が形成
する角度が大きくなっており、ワークの下穴への挿入時
において安定したねじの案内ができず、ねじがこの下穴
に対して傾斜することがある。更に、このねじを締め付
けるための駆動力の伝達は頭部の−あるいは+形状の係
合溝を介して伝達されているため、この係合溝の宿命と
してこのねじの締め付け時に大きな推力を加える必要が
あり、ワークの材質によっては、推力が不十分となる等
の課題が生じている。
【0004】本発明の第1の目的は、上記課題を解消す
るとともに比較的ねじ締め低トルクで締め付け可能で且
つワークへの喰い付きのよいタッピンねじの提供であ
り、本発明の第2の目的は、締め付け作業時において、
ねじの脚部が下穴へ進入する時に傾くことなく安定して
ねじ込み可能なタッピンねじの提供である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの目的
は、ドライバビットに係合可能な係合溝4を有する頭部
2とこの頭部2と一体で周面にねじ山11を形成した脚
部10とからなるねじ1において、頭部2に連続する
部10はその頭部側が断面円形形状で脚部10の先端に
達するにしたがって断面が正三角形状となっており、し
かも、その三角形状の頂点13は円弧で形成され且つ脚
部10の先端に達するにしたがってこの円弧の曲率半径
が小さくなっており、更に、この脚部先端の三角形状の
頂点13が形成する回転軌跡円はその直径がワーク20
に形成されている下穴21に嵌まるように下穴径より小
径に形成されており、一方、脚部10の三角形状の頂点
を結ぶねじ山11の稜線は脚部10の先端側において曲
率半径が大きくなった略直線状の円弧形状であるととも
に頭部側に達するにしたがって前記曲率半径が徐々に小
さくなった円弧形状で且つねじ山頂部が脚部10の先端
側ほど不完全となった平坦な面形状になっているタッピ
ンねじを提供することで達成される。
【0006】また前記目的は、この構成に加えて、頭部
はその外形形状が多角形形状であって、その下部に末広
がりの円錐テーパ形状の座部5を一体に形成しているタ
ッピンねじを提供することによっても達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1において、1は脚部10より大
径の頭部2を有するタッピンねじであり、頭部2の外周
には六角形状の係合部3が形成されている。この係合部
3はこの実施の形態では、六角形状としているが、この
他に対向二面カット形状でもよく、これ以外の四角、
等の多角形状であってもよい。また、この頭部2の上
面にはねじ1の中心線上にドライバビット(図示せず)
の係合羽根(図示せず)に係合する断面+形状の係合溝
4が形成されており、この六角形状の係合部3と係合溝
4は六角ボックス形状のドライバビットあるいは+形状
のドライバビットのどちらでも締め付けあるいは緩め作
業ができるようになっている。この頭部2の下部には頭
部径より大径で末広がりのテーパ形状の座部5が一体に
形成してあり、この座部5は座面がワーク20に接した
時、弾発力を与えるように構成されている。
【0008】また、この頭部2の座面にはこれに連続し
て脚部10が一体形成してあり、この脚部10の外周に
はねじ山11が形成されている。このねじ山11は頭部
側が断面円形形状の脚部10となるように形成してあ
り、これに連続してこのねじ山11は図2に示すよう
に、脚部10の先端に達するにつれて徐々に脚部10の
断面が正三角形状となっている。これら三角形状を形成
するねじ山11の稜線12はその三頂点13において曲
率半径の小さい第1円弧形状となっており、これら頂点
13を結ぶねじ山11の稜線14は前記円弧より曲率半
径が大きい第2円弧形状となっている。これら三角形状
の頂点13の円弧は頭部側に達するにつれてこれの曲率
半径が徐々に大きくなっており、図3に示すように、脚
部10の先端に達するにしたがって三頂点13は曲率半
径が小さい円弧形状となっている。即ち、先端側の頂点
13の円弧の接線が成す角(α)はこれより頭部側の角
(β)より小さくなっている。そして、これら三頂点1
3の円弧を結ぶ稜線14は脚部10の先端側において曲
率半径の大きい略直線状の円弧形状若しくは直線となっ
ており、一方、頭部側に達するにしたがって曲率半径が
徐々に小さい円弧形状となって、次第に円周全体が円形
形状になっている。しかも、脚部10の先端側のねじ山
11は外径が徐々に細くなっており、この部分のねじ山
11はその頂部に肉が十分に廻らず平坦な面形状とな
り、稜線14が二重となった不完全ねじ部となっている
とともに先端の三頂点13が形成する回転軌跡円はワー
ク20の下穴21に嵌まる程度だけ下穴径より僅か小径
に形成されている。
【0009】このようなタッピンねじ1を図4に示すよ
うに、ワーク20の下穴21に締め付けると、ねじ1は
先端がワーク20の下穴21に嵌まるように下穴径より
小径に形成されているため、この下穴21に僅か入る。
これにより下穴21にねじ1の先端の三頂点13が嵌っ
て三点支持状態となり、ねじ1はワーク20に対して傾
くことなくほぼ垂直状態に保持可能となる。続いてこの
状態で締め付け作業は続けられるので、このねじ1に対
する締め付け初期トルクは徐々に増加し、このねじ山1
1で下穴21に雌ねじを形成しながらねじ込まれること
になる。
【0010】
【発明の効果】本発明は以上説明した実施の形態から明
らかなように、ドライバビットに係合可能な係合溝4を
有する頭部2とこの頭部2と一体で周面にねじ山11を
形成した脚部10とからなるねじ1において、頭部2に
連続する脚部10はその頭部側が断面円形形状で脚部1
0の先端に達するにしたがって断面が正三角形状となっ
ており、しかも、その三角形状の頂点13は円弧で形成
され且つ脚部10の先端に達するにしたがってこの円弧
の曲率半径が小さくなっており、更に、この脚部先端の
三角形状の頂点13が形成する回転軌跡円はその直径が
ワーク20に形成されている下穴21に嵌まるように下
穴径より小径に形成されており、一方、脚部10の三角
形状の頂点を結ぶねじ山11の稜線は脚部10の先端側
において曲率半径が大きくなった直線状の円弧形状であ
るとともに頭部側に達するにしたがって前記曲率半径が
徐々に小さくなった円弧形状で且つねじ山頂部が脚部1
0の先端側ほど不完全となった平坦な面形状のタッピン
ねじである。
【0011】このため、最近のように、精度の高いねじ
締めトルクが要求されても、ねじ締め初期トルクをでき
るだけ低く設定することができ、最終的なねじ締めトル
クのばらつきが減少するとともに精度の高い締め付けト
ルクが得られる。また、ワークの下穴にこのねじを締め
付ける場合、ねじの脚部先端の三角形状の頂点が小さい
曲率半径で形成されているので、その頂点の接線が形成
する角度(α)即ち、正三角形のそれぞれの内角に相当
する角度である60度に近づくことになり、ワークに対
しこのねじを締め付けた時に三頂点の点接触状態から始
まるから、急激な抵抗が加わらない。このため、ねじ自
体あるいはねじ締め機を損傷することもない。更に、ワ
ークの下穴への挿入ねじ締め開始時において、安定した
ねじの案内が可能になり、ねじがこの下穴に対して傾斜
することが減少する。しかも、脚部の頂点を結ぶ稜線は
脚部の先端側において曲率半径の大きい円弧形状である
とともに頭部側に達するにしたがって曲率半径が徐々に
小さい円弧形状で且つねじ山頂部が脚部の先端側ほど不
完全となった平坦な面形状になっているので、締め付け
初期のワークの下穴への喰い付きがよく、この喰い付き
時には三頂点以外では雌ねじが形成されないので、衝撃
を生じることなく円滑に雌ねじを形成できる。
【0012】その上、ねじを締め付けるための駆動力の
伝達は多角形状の駆動部を介して伝達されるので、ドラ
イバビットに多大な推力を加える必要がなく、作業者に
よる締め付け作業時に、作業者に障害が発生することも
少ない。また、ねじ締め後にワークとの間で頭部座面に
弾発力が生ずるので、ワークに対するねじの緩み止め効
果も高い等の特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す一部断面正面図であ
る。
【図2】図1の底面図である。
【図3】脚部の先端とそれより頭部側の頂点の関係を示
す図である。
【図4】本発明でのねじ締め開始状態を示す一部断面正
面図である。
【符号の説明】
1 タッピンねじ 2 頭部 3 係合部 4 係合溝 5 座部 10 脚部 11 ねじ山 12 稜線 13 頂点 14 稜線 20 ワーク 21 下穴
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−87654(JP,A) 特開 平3−168408(JP,A) 特開 昭60−72631(JP,A) 実開 昭58−42409(JP,U) 実開 昭55−166913(JP,U) 実開 平2−56908(JP,U) 米国特許5044855(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 25/06 F16B 25/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライバビットに係合可能な係合溝4を
    有する頭部2とこの頭部2と一体で周面にねじ山11を
    形成した脚部10とからなるねじ1において、 頭部2に連続する脚部10はその頭部側が断面円形形状
    で脚部10の先端に達するにしたがって断面が正三角形
    となっており、しかも、その三角形状の頂点13は円
    弧で形成され且つ脚部10の先端に達するにしたがって
    この円弧の曲率半径が小さくなっており、更に、この脚
    部先端の三角形状の頂点13が形成する回転軌跡円は
    の直径がワーク20に形成されている下穴21に嵌まる
    ように下穴径より小径に形成されており、一方、脚部1
    0の三角形状の頂点を結ぶねじ山11の稜線は脚部10
    の先端側において曲率半径が大きくなった略直線状の円
    弧形状であるとともに頭部側に達するにしたがって前記
    曲率半径が徐々に小さくなった円弧形状で且つねじ山頂
    部が脚部10の先端側ほど不完全となった平坦な面形状
    になっていることを特徴とするタッピンねじ。
  2. 【請求項2】 頭部はその外形形状が多角形形状であっ
    て、その下部に末広がりの円錐テーパ形状の座部5を一
    体に形成していることを特徴とする請求項1に記載のタ
    ッピンねじ。
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