JPH11182566A - 回転体軸支機構及びバニシングバイト - Google Patents

回転体軸支機構及びバニシングバイト

Info

Publication number
JPH11182566A
JPH11182566A JP9365467A JP36546797A JPH11182566A JP H11182566 A JPH11182566 A JP H11182566A JP 9365467 A JP9365467 A JP 9365467A JP 36546797 A JP36546797 A JP 36546797A JP H11182566 A JPH11182566 A JP H11182566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating body
shaft
burnishing
press
knurled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9365467A
Other languages
English (en)
Inventor
Mimasaka Kegi
美作 毛木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP9365467A priority Critical patent/JPH11182566A/ja
Publication of JPH11182566A publication Critical patent/JPH11182566A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業工程数が少なく安価で高精度の回転体軸
支機構と、回転軸のローレット部の山形高さを均一に加
工するためのバニシング加工用バイトを提供する。 【解決手段】 回転体22,55と、回転体の軸孔に挿
通されて回転体を固定的に支持する回転軸21、50a
とを備えた回転体軸支機構において、回転体の軸孔内壁
は、回転軸外周面に形成されたローレット部25,51
に圧入固定され、該ローレット部の手前側の回転軸部に
は回転体の軸孔の挿入をガイドする案内部24,52が
同軸状に設けられており、上記ローレット部は均一なロ
ーレット山形の高さに加工されている。また、ローレッ
ト転造加工を施された上記ローレット部を均一なローレ
ット山形の高さに加工する手段としてバニシングバイト
を用い、このバニシングバイトは複数のR超硬チップ片
41A、41B、41Cを組合わせたR超硬チップ41
と、このR超硬チップを保持するR超硬チップホルダー
41とから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電子写真
式の複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置
に使用される回転体の軸支構造及び回転軸上に設けた回
転体固定用のローレット部のバニシング加工具の改良に
関し、詳細には例えばプーリ、ローラ等の回転体の軸孔
に回転軸を圧入締結して回転軸上に設けたローレット部
により固定する際に、予めローレット部をバニシング加
工するためのバニシングイバイト及び回転体軸支機構に
関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置やその他の各種機械は、駆
動力を伝達したり、紙葉類等の物体を搬送するために、
プーリ、ローラ等の回転体を回転させる機構を備えてい
る。このような回転機構は、例えば非鉄金属材料から成
るプーリ、ローラ等の回転体の軸孔に、金属材料から成
る回転軸の端部もしくは軸中央部等を圧入して締結する
ことにより一体化した上で、回転軸の回転によって回転
体が一体回転するように構成している。また、回転体の
軸孔を回転体上に固定的に支持する方法として、回転体
の外周面適所にローレット加工を施したローレット部を
設け、このローレット部に回転体の軸孔を挿通着座させ
る方法が知られているが、ローレット部の外周面精度
(外形寸法、外形振れ精度)は一定していない為、高い
精度を要求される回転機構においてはローレット部から
成る回転体の軸支構造を採用することは従来できなかっ
た。以下、上記従来技術とその問題点を図面を用いて詳
述する。まず、図8(a) (b) 及び(c) は従来の回転体
(プーリ)の軸支構造を説明する為の図であり、(a) は
回転軸の構成を示す正面図、(b) は回転体を回転軸に挿
入する直前の状態の斜視図、(c) は回転体を軸支した状
態の斜視図である。この回転体の軸支機構は、(b) に示
すように駆動伝達軸(回転軸)1に対して、プーリ(回
転体)2の軸孔3を矢印A方向(手前側)から挿入する
ことにより、駆動伝達軸1の中間部適所に設けた大径の
圧入部4によって軸孔3の内面を圧接支持する構成とな
っている。つまり、プーリ2は、駆動伝達軸1の中間部
を同心円状かつ大径に構成した円筒状の圧入部4に対し
て圧入固定されている。圧入部4はその外径を高精度に
加工する必要がある。駆動伝達軸1の一端には図示しな
い軸受によって回転自在に支持される回転保持部5があ
り、他端には図示しない駆動源に接続された駆動伝達部
6が設けられ、図示しない回転源からの駆動力により、
任意の回転方向Bに回転駆動される。図8(a) に示すよ
うに、駆動伝達軸1の圧入部4の軸径ΦD2に対して、
その手前側に位置する挿入軸部7の軸径ΦD1は、プー
リ2の軸孔3を滑合状態で容易に挿入できるように小さ
く構成されており、2点鎖線により示した挿入軸部7の
加工範囲を切削加工または研削加工により、外径がΦD
1となるように加工している。具体的には、挿入軸部7
の外径ΦD1を、圧入部4の軸径ΦD2に対して(ΦD
1=ΦD2−0.05mm)となるように設定してい
る。次に、図9(a) 及び(b) はステッピングモータ8に
タイミングプーリ9を組み付ける直前の状態を示す斜視
図、及び組み付け後の状態を示す分解斜視図である(ス
テッピングモータ出力軸とプーリとの軸支構造)。ここ
では、ステッピングモータ8の出力軸8aに止め輪8b
を設けると共に、出力軸8aをタイミングプーリ9の軸
孔9a内に挿入して止め輪8bにて係止した上で、タイ
ミングプーリ9の外周面に90度間隔で貫通形成された
2つのタップ穴12内に2個の止めビス11を挿着して
各ビス11先端を出力軸外周面に係着させることによ
り、タイミングプーリ9を固定している。なお、符号1
2aはタップ穴12の内周縁に形成した面取り部であ
る。タイミングプーリ9に図示しないタイミングベルト
を巻き掛けることにより、ステッピングモータ8からの
回転駆動の伝達が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、図8
に示したプーリを支持する従来の回転体軸支機構にあっ
ては、駆動伝達軸1に圧入部4を形成する際にその軸径
を高精度の研削加工で形成する必要があり、またプーリ
を圧入部4まで挿入するために設けた挿入軸部7の外径
を、圧入部4の軸径よりも小さい外径となるように、切
削加工または研削加工により加工する必要がある。な
お、圧入部4全域をローレット転造加工によってローレ
ット状に加工する工法も考えられるが、ローレット部外
周面の精度(外径寸法、外形疲れ精度)は安定したもの
ではない。即ち、図10は、従来の平目ローレットの山
形の高さ形状(以下、ローレット部の山形高さと呼ぶ)
を示す部分拡大断面図であり、ピッチ線PL上にあるロ
ーレット部の山形13aの高さL11とローレット部の山
形13bの高さL12は、旋削加工時のローレット転造加
工時に不均一となるのが一般的である。このような駆動
伝達軸1に対してプーリ2を圧入する際に、圧入後のプ
ーリの外形(外径)振れ精度を確保するためには、高性
能な圧入治具および圧入設備、圧入しめ代管理が必要と
なる。その結果、加工費、設備費等のコストアップ、製
造手数の増大による生産性の低下等の不具合が発生して
いた。一方、図9に示した従来例において、スッテピン
グモータ8の出力軸8aにプーリ9を止めビス11で固
定する際も、固定後のプーリの外形振れ精度を確保する
ため、出力軸8aの外径とプーリ9の内径との関係は滑
合状態にしなければならず、双方とも高精度の加工が必
要になる。また、プーリに止めビス用のタップ穴12と
面取り部12aを形成する際に高精度の内径にバリが生
じ、内面のバリを取り去るための格別の加工工程が必要
になり、生産性が非常に悪かった。
【0004】また、図9のステッピングモータの軸支構
造においても本来であれば図8の回転体軸支構造の場合
と同様に、ステッピングモータ8の出力軸8aに圧入部
(図8の符号4に相当する大径部)と、小径の挿入軸部
(図8の符号7に相当する)とを設けて、タイミングプ
ーリ9の軸孔9aを圧入部上に圧入で固定する構造を採
用したいところではあるが、ステッピングモータの作動
時には鉄系の金属材料から成る出力軸8aが摂氏80度
以上にまで昇温するため、出力軸8aを構成する材料と
タイミングプーリ9を構成する材料(非鉄金属、例えば
アルミニウム)との間に熱膨張係数の相違が生じた場
合、ステッピングモータの連続作動時にプーリの軸孔が
拡大してプーリの緩みが発生し、重大な欠損が生じてし
まうことになる。このような不具合を解消する手段とし
ては、確実な回り止め作用を発揮するスプライン状のロ
ーレット形状部を出力軸8aの端部適所に形成して圧入
締結を行なうことが有効であるが、前述の様にローレッ
ト部を形成する際には、同一軸心上での均一なローレッ
ト山形高さの確保と、生産性の高い圧入締結方法、設備
の併用が必要であり、コストアップ等の不具合が発生し
ていた。なお、ここで生産性の高い圧入締結方法、設備
とは、締結部を構成する両部材の加工精度を高めるため
の高度な加工方法と、それを実施する為の設備、測定装
置等、更には、圧入時の芯合わせを確実に行いながら確
実な圧入を実施する為の設備のことであり、このような
複雑、高価な工程、設備を必要とする締結方法、装置
は、可能な限り回避することが好ましい。また、特開平
5−7970号公報には、回転軸を製造する過程におい
て、切粉を発生させずに素材を加工するために、軸受け
嵌合部にバニシング加工を施しその表面を平滑で精度の
高いものに仕上げると共に、加工硬化した表面にする技
術が開示されているが、これはローレット部にバニシン
グ加工を施す技術では無く、従ってローレット圧入軸に
対して回転体を圧入した場合に発生する上記不具合を解
消するものではない。本発明は上記に鑑みてなされたも
のであり、作業工程数が少なく安価で高精度の回転体軸
支機構と、回転軸のローレット部の山形高さを均一に加
工するためのバニシング加工用バイトを提供することを
目的とする。即ち、プーリ、ローラ等の回転体の軸孔に
回転軸を圧入締結して回転軸上に設けたローレット部に
より固定する際に、予めスプライン状のローレット部を
バニシング加工するためのバニシングイバイトと、この
バイニシングバイトにより山形高さを均一に加工された
ローレット部を備えた回転体軸支機構を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為、
請求項1の発明は、回転体と、回転体の軸孔に挿通され
て回転体を固定的に支持する回転軸とを備えた回転体軸
支機構において、上記回転体の軸孔内壁は、上記回転軸
外周面に形成されたローレット部に圧入固定され、該ロ
ーレット部の手前側の回転軸部には回転体の軸孔の挿入
をガイドする案内部が同軸状に設けられており、上記ロ
ーレット部は均一なローレット山形の高さに加工されて
いることを特徴とする。請求項2の発明は、回転体と、
回転体の軸孔に挿通されて回転体を固定的に支持する回
転軸とを備え、上記回転体の軸孔内壁が上記回転軸外周
面に形成されたローレット部に圧入固定される回転体軸
支機構であって、ローレット転造加工を施された上記ロ
ーレット部を均一なローレット山形の高さに加工する手
段としてバニシングバイトを用い、このバニシングバイ
トは複数のR超硬チップ片を組合わせたR超硬チップ
と、このR超硬チップを保持するR超硬チップホルダー
とから成ることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面を
参照しながら説明する。図1(1)−(a) ,(b) ,(c)
、図1(2)−(a) ,(b) 、及び図1(3)は本発明
の第一の実施の形態を示す回転体軸支機構の構成説明図
であり、(1)−(a) は回転軸(駆動伝達軸)の正面
図、(1)−(b) 及び(1)−(c) は夫々回転軸のE−
E’断面図及びF−F’断面図、(2)−(a) は回転体
としてのプーリを組み付ける直前の斜視図、(2)−
(b) は回転軸のG−G’断面図、(3)は組み付け後の
状態を示す斜視図である。この回転体の軸支機構は、図
1(1)−(b) に示すように駆動伝達軸(回転軸)21
に対して、プーリ(回転体)22の軸孔23を矢印H方
向から挿入することにより、駆動伝達軸21の中間部適
所に設けた案内部24、ローレット部25、加工ニゲ部
26(これらを合わせて回転体支持面という)によって
軸孔23の内面を圧接支持する構成となっている。つま
り、プーリ22は、駆動伝達軸21の中間部を同心円状
かつ大径に構成したローレット部25を含む回転体支持
面に対して圧入固定されている。駆動伝達軸21の一端
には図示しない軸受によって回転自在に支持される回転
保持部27があり、他端には図示しない駆動源に接続さ
れた駆動伝達部28が設けられ、図示しない回転源から
の駆動力により、任意の回転方向に回転駆動される。
【0007】本発明の駆動伝達軸21の特徴的な構成
は、図8に示した従来例の駆動伝達軸1に設けた圧入部
4の代わりに、プーリの案内形状部(以下、単に案内部
と呼ぶ)24と、後述する複数のR超硬チッフを組合わ
せたバイトによりローレット外周部をバニシング加工さ
れたローレット部25と、加工ニゲ部26とを軸方向に
連続して設けた構成にある。この回転体支持面は、合計
の軸方向長寸法がL1であり、この寸法L1はプーリ2
2の軸方向長L3と同寸法である。本形態例では、駆動
伝達軸21の素材最大外径寸法ΦD3に対して、その中
間部適所をローレット加工することにより、図1(2)
−(a) に示したローレット部の外径寸法ΦD7が、ΦD
7≧素材外径寸法ΦD3となるため、2点鎖線で示す素
材外径寸法ΦD3の範囲30は、切削加工をおこなわな
くてすむこととなる。次に、プーリを駆動伝達軸21に
組み付ける作業においては、図1(2)−(a) に示した
如く、プーリ22を矢印H方向から挿入ガイド部31
(符号32で示す範囲=プーリ軸孔と遊嵌する)に手作
業で挿入してから、任意の圧入治具で圧入作業をおこな
うが、手作業を容易にするため挿入ガイド部31の断面
F−F’の外径寸法ΦD6は、案内部24の外径寸法Φ
D5よりも小さい外径に加工する。尚、案内部24の外
径寸法ΦD5は、プーリ22の穴径との関係を滑合状態
に保つため研削加工を行った形状とする。
【0008】また、手作業での挿入および圧入作業にお
いて、プーリ22の内面を傷つけないようにするため、
軸孔23の入口側内周縁にテーパ部23aを設けた。し
かしながら、駆動伝達軸21のローレット部25により
支持したプーリ外形(外径)振れ精度とプーリ圧入後の
耐トルク、引抜き力を確保するためには、課題で示すよ
うに安定したローレット外周部の精度(外径寸法ΦD
7、外形振れ精度)と、均一なローレット山形の高さが
必要となる。つまり、ローレット山形の高さに図10に
示した如きバラツキがある限りは、ローレット外周部の
精度を確保して、プーリ外形(外径)振れ精度とプーリ
圧入後の耐トルク、引抜き力を確保することができな
い。つまり、図10において説明した様に、従来は、駆
動伝達軸の素材径のバラツキ、旋削加工でのローレット
転造加工における軸芯振れの影響により、スプライン状
のローレット山形の高さが不均一となっていた。これに
対して本発明では、均一なローレット山形の高さを形成
する上で有効なバニシング加工用のバイトを用いること
により、上記従来の不具合をなくし、ローレット部によ
ってプーリの軸孔を安定して支持することが可能とな
る。即ち、図2(a) 及び(b) は本発明の実施の形態とし
ての、複数のR超硬チップを組合わせたバニシング加工
用のバイト(以下、単にバニシングバイトと呼ぶ)を示
す斜視図及び矢印J方向から見た図である。このバニシ
ングバイト40は、先端をR形状に成形された3つのR
超硬チップ片41A、41B、41CからなるR超硬チ
ップ41を有し、超硬チップホルダー42の先端に設け
た凹形状部の内壁である保持部43によりR超硬チップ
41の側面を保持するとともに、超硬チップホルダー4
2の天井面である保持部44によりR超硬チップ41の
基端部を突き当て保持する。更に、締め付け補強板45
を介して、図2(a) の矢印I方向に止めビス46を係着
することにより固定を完了する。前記3つのR超硬チッ
プ片41A、41B、41Cは、矢印K方向に移動する
ことによりローレト部をバニシング加工する際に、最短
のR超硬チップ片41Aは回転振れ止め(ビビリ除
去)、R超硬チップ片41Bは食い込み中仕上げ、最長
のR超硬チップ片41Cは仕上げ用となる。また、最も
長いR超硬チップ片41Cの寸法L4に対して、他のR
超硬チップ片41B、41Cの長さは、順次段差寸法L
5、L6を有した関係を保って短くなっている。
【0009】本形態例では、ローレット部25を形成す
る為に駆動伝達軸21を図示しない旋盤のホルダにより
保持してローレット加工を施した直後に、旋盤のホルダ
から駆動伝達軸を取りはずすことなく、そのまま連続し
てバニシング加工を行うものである。旋盤のホルダにワ
ークを保持する際には面倒な芯合わせが必須となり、ロ
ーレット加工とバニシング加工とを別工程にするとすれ
ば、その度にワークをホルダから脱着し、ホルダに取り
付ける度に新たに芯合わせ作業を行うことが必要とな
り、作業性が悪化するが、本発明のバニシングバイトを
用いれば、ワークを脱着する必要のない連続した工程が
可能となり、生産性を高めることができる。
【0010】次に、図3(a) 及び(b) は、バニシングバ
イト40を用いたローレット部の加工状態を示す斜視図
であり、同一の加工装置によって同一の駆動伝達軸21
に対して行われる切削加工、ローレット加工後に連続し
て駆動伝達軸21のローレット部25に対するバニシン
グ加工を実施する。バニシングバイト40を用いたロー
レット部25の加工においては、バニシングバイト40
を矢印L方向から進入させ、あらかじめ最長のR超硬チ
ップ片41Cの加工仕上げのあたり量をセッティングし
た状態で、図3(b) の矢印M方向の加工送りにより加工
を行う。この加工作業をローレット部25の全周にわた
って実施することにより完了する。前述の様に、ローレ
ット部に最初に接して削る最短のR超硬チップ片41A
は回転振れ止めを行い、R超硬チップ片41Bは中仕上
げを、最長のR超硬チップ片41Cは最終仕上げを行
う。このことによりローレット形状部25の外径ΦD7
精度および外形振れ精度がばらつきなく加工される。即
ち、図4は本発明のバニシングバイト40により加工さ
れた均一な高さL13のローレット山形の部分拡大断面図
である。矢印で示すワークの回転方向Pへバニシングバ
イト40を移動させて加工を施すことにより、ローレッ
ト山形13a,13bは図示の様に倒れた形状となり、
均一なローレット山形の高さL13を有した高精度の形状
を保つことができる。こうしてバニシング加工を受けた
ローレット部25を含む回転体支持面(長さL1)にプ
ーリ22の軸孔23を圧入することにより、プーリを安
定して支持することができる。
【0011】図5(a) (b) は本発明の回転体軸支機構の
第二の形態例としてのステッピングモータの出力軸にお
けるローレット構造を示す図であり、(a) はタイミング
プーリを未装着の状態、(b) はタイミングプーリ装着直
前の状態を示す正面図である。また、図6(a) はタイミ
ングプーリ装着直前の状態を示す斜視図、(b) は装着状
態を示す斜視図である。更に、図7(a) は出力軸の要部
拡大図、(b) はタイミングプーリの外観正面図、(c) は
N−N断面図である。ステッピングモータ50の出力軸
(駆動伝達軸)50aは、ローレット部51と、タイミ
ングプーリ55の軸孔55aをローレット部51まで挿
入するための案内形状部(以下、単に案内部と呼ぶ)5
2と、案内部52の先端部に設けられた角度θ1のテー
パー部53と、を有する。テーパー部53は、タイミン
グプーリ55を出力軸50aに挿入する際にタイミング
プーリ55の軸孔55a内面にキズ、カジリが形成され
ることを防止するために形成されている。
【0012】図7(a) の出力軸50aのプーリ圧入長さ
L7とタイミングプーリ55の軸方向長L9(図7(c)
)とは等しい。また、同様にタイミングプーリ55の
圧入方向側の内面には角度θ2と深さL10の関係を持
つテーパー形状部56があり、キズ、カジリを万全に防
止する形状構成になっている。出力軸50aの案内部5
2の外径寸法ΦD8とタイミングプーリ55の内径寸法
ΦD10とのはめあい関係は、滑合状態で寸法管理され
る。図7(c) のタイミングプーリ55のザグリ形状部5
7は内径寸法ΦD9で加工されているが、これは、フラ
ンジ58をカシメる際にタイミングプーリ55の内径寸
法ΦD10に膨らみの影響を防止するために形成されて
いる。即ち、フランジ58は、予め製造されたプーリ5
5とは別体構造品であり、このフランジ58をカシメ等
によりプーリ端部に固定することにより、タイミングプ
ーリ55の内径寸法の膨らみを防止するものである。以
上のように本形態例では、本発明のバニシングバイトに
よりローレット山形高さを均一化されたローレット部5
1と、その手前側に配置した案内部52とを同軸状に設
けたことにより、タイミングプーリ55を圧入装置によ
りローレット部51まで圧入する際に、ステッピングモ
ータ本体50でのタイミングプーリ外形振れ精度が保た
れ、また、ステッヒングモータ本体50の連続作動時に
出力軸50aが摂氏80度に至った場合であっても、タ
イミングプーリ55の緩みが発生することを確実に防止
でき、高精度の回転体軸支機構を提供できることとな
る。
【0013】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明は、プ
ーリ、ローラ等の回転体が軸端部もしくは軸中央部に取
り付けられ、この回転体に連続的に回転力を伝達し、回
転体材料の熱膨張係数が高い場合でも、確実に緩み止め
機能を提供できる回転体軸支機構において、均一なロー
レット山形の高さに加工されたローレット部と、このロ
ーレット部の手前に同軸状に配置され回転体を圧入締結
する時にガイドする案内部と、を備えたので、高い精度
が要求される回転体と回転軸との軸支構造においてロー
レット部による支持構造を実用化することが可能となっ
た。また、請求項2記載の発明は、回転体の締結部のロ
ーレット部を形成する工程に続いて同じ加工設備を使用
したバニシング加工を行うので、旋盤等に対するワーク
の脱着等による再芯合わせ作業が不要となり、生産性を
高めることができる。また、本発明のバニシングバイト
は、複数のR超硬チップ片を組合わせたものであるの
で、ローレット外周部の山形を均一高さにならすバニシ
ング加工を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(1)−(a) ,(b) ,(c) 、図1(2)−
(a) ,(b) 、及び図1(3)は本発明の第一の実施の形
態の回転体軸支機構の構成説明図であり、(1)−(a)
は回転軸(駆動伝達軸)の正面図、(1)−(b) 及び
(1)−(c) は夫々回転軸のE−E’断面図及びF−
F’断面図、(2)−(a) は回転体としてのプーリを組
み付ける直前の斜視図、(2)−(b) は回転軸のG−
G’断面図、(3)は組み付け後の状態を示す斜視図で
ある。
【図2】(a) 及び(b) は本発明の実施の形態としての複
数のR超硬チップを組合わせたバニシング加工用のバイ
ト(バニシングバイト)を示す斜視図及び矢印J方向か
ら見た図である。
【図3】(a) 及び(b) は本発明の一形態例のバニシング
バイトによる加工手順を示す図である。
【図4】本発明のバニシングバイトにより均一高さに加
工されたローレット部の山形の状態を示す拡大図。
【図5】(a) 及び(b) は本発明の第二の形態例の回転体
の軸支構造を説明する為の正面図である。
【図6】(a) 及び(b) は図5の形態例において回転体を
回転軸に装着する寸前の状態を示す斜視図、及び装着後
の状態を示す斜視図である。
【図7】(a) は本発明の第二の形態例の回転軸の要部拡
大図、(b) は回転体の正面図、(c) はN−N断面図であ
る。
【図8】(a) (b) 及び(c) は従来の回転体(プーリ)の
軸支構造を説明する為の図であり、(a) は回転軸の構成
を示す正面図、(b) は回転体を回転軸に挿入する直前の
状態の斜視図、(c) は回転体を軸支した状態の斜視図で
ある。
【図9】(a) 及び(b) はステッピングモータにタイミン
グプーリを組み付ける直前の状態を示す斜視図、及び組
み付け後の状態を示す分解斜視図である。
【図10】従来の平目ローレットの山形の高さ形状(山
形高さ)を示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 駆動伝達軸(回転軸)、2 プーリ(回転体)、3
軸孔、4 圧入部、5 回転保持部、6 駆動伝達
部、7 挿入軸部、8 ステッピングモータ、8a 出
力軸、8b 止め輪、9 タイミングプーリ、21 駆
動伝達軸(回転軸)、22 プーリ(回転体)、23
軸孔、24 案内部、25 ローレット部、26 加工
ニゲ部、27 回転保持部、28 駆動伝達部、30
素材外径寸法ΦD3の範囲、31 挿入ガイド部、40
バニシングバイト、41A、41B、41C R超硬
チップ片、42 超硬チップホルダー、43 保持部、
44 保持部、45 締め付け補強板、46ビス、50
ステッピングモータ、50a 出力軸(駆動伝達
軸),51 ローレット部,52 案内部、53 テー
パー部、55 タイミングプーリ、55a 軸孔、56
テーパー形状部、57 ザグリ形状部、58 フラン
ジ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体と、回転体の軸孔に挿通されて回
    転体を固定的に支持する回転軸とを備えた回転体軸支機
    構において、 上記回転体の軸孔内壁は、上記回転軸外周面に形成され
    たローレット部に圧入固定され、該ローレット部の手前
    側の回転軸部には回転体の軸孔の挿入をガイドする案内
    部が同軸状に設けられており、 上記ローレット部は均一なローレット山形の高さに加工
    されていることを特徴とする回転体軸支機構。
  2. 【請求項2】 回転体と、回転体の軸孔に挿通されて回
    転体を固定的に支持する回転軸とを備え、上記回転体の
    軸孔内壁が上記回転軸外周面に形成されたローレット部
    に圧入固定される回転体軸支機構であって、 ローレット転造加工を施された上記ローレット部を均一
    なローレット山形の高さに加工する手段としてバニシン
    グバイトを用い、 このバニシングバイトは複数のR超硬チップ片を組合わ
    せたR超硬チップと、このR超硬チップを保持するR超
    硬チップホルダーとから成ることを特徴とするバニシン
    グバイト。
JP9365467A 1997-12-19 1997-12-19 回転体軸支機構及びバニシングバイト Pending JPH11182566A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9365467A JPH11182566A (ja) 1997-12-19 1997-12-19 回転体軸支機構及びバニシングバイト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9365467A JPH11182566A (ja) 1997-12-19 1997-12-19 回転体軸支機構及びバニシングバイト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11182566A true JPH11182566A (ja) 1999-07-06

Family

ID=18484339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9365467A Pending JPH11182566A (ja) 1997-12-19 1997-12-19 回転体軸支機構及びバニシングバイト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11182566A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19954969A1 (de) * 1999-11-16 2001-06-07 Bosch Gmbh Robert Vorrichtung zum Verbinden einer Welle mit einem Ring
CN104196901A (zh) * 2014-07-29 2014-12-10 惠州市华阳多媒体电子有限公司 一种齿轮同步机构

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19954969A1 (de) * 1999-11-16 2001-06-07 Bosch Gmbh Robert Vorrichtung zum Verbinden einer Welle mit einem Ring
CN104196901A (zh) * 2014-07-29 2014-12-10 惠州市华阳多媒体电子有限公司 一种齿轮同步机构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0966401A (ja) 円筒部材およびその製造方法ならびに製造装置
EP0752543B1 (en) Eccentric orbiting type planetary gear device, and its manufacturing method
EP1197280B1 (en) Bar material supporting device for automatic lathe
JPH11182566A (ja) 回転体軸支機構及びバニシングバイト
US6666109B2 (en) Indexing apparatus and method of assembling the same
JP4227745B2 (ja) 案内シャンクを備えたリーマ仕上げ工具
EP0971806A1 (en) Precision center with an interchangeable double-arcuate floating collet
JP2572190B2 (ja) 管材用テーパねじ転造機
JP4549549B2 (ja) ボールねじのねじ軸
JP2001162404A (ja) 旋盤用治具、円筒状基体の製造方法、および、円筒状基体
JP2939196B2 (ja) 搬送ローラ
JP2021079523A (ja) 工作機械の主軸装置
JP4896489B2 (ja) プーリ装置
JP2000107947A (ja) 円筒面加工装置、軸受内径加工装置及び円筒穴付構造体
JP2002224905A (ja) 薄肉芯金加工用中子及び薄肉芯金加工装置
US4212571A (en) Automatic transmissions
US4223960A (en) Automatic transmission
JP3160871B2 (ja) 回転磁気ヘッド装置
JPH05126116A (ja) キ ー
JPH058032Y2 (ja)
JPH10212046A (ja) 搬送ローラ
JP2536294Y2 (ja) 薄肉円筒材用ロ−ラ・バニシング装置
JP2008025689A (ja) 等速ジョイント用スパイダの保持治具
JPH06315807A (ja) 軸状部材の連結装置
JPH10291673A (ja) 搬送ローラ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050624

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051107