JP4549549B2 - ボールねじのねじ軸 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械、産業用ロボット、半導体製造装置等の各種機械の送り運動、動力伝達又は位置決め手段として広く用いられているボールねじのねじ軸に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールねじは、周知のように、ねじ軸のねじ溝が転造加工によって形成される、いわゆる「転造ボールねじ」と、ねじ軸のねじ溝が切削及び研削加工によって形成される、いわゆる「研削ボールねじ」とに大別される。また、一般に、「転造ボールねじ」及び「研削ボールねじ」の精度は、それぞれ、JIS B 1192-1997 (ボールねじ)に規定される「等級C7,C10」及び「等級C0,C1,C3,C5」に準じている。
そして、ボールねじを使用する場合、ねじ軸を片持支持して回転駆動させるときは、一方の軸端(駆動側の軸端)に選定した転がり軸受が嵌入される支持部と部品取付部が形成される。また、ねじ軸を両端支持して回転駆動させるときは、一方の軸端(駆動側の軸端)に支持部と部品取付部が形成され、他方の軸端(反駆動側の軸端)に支持部が形成される(例えば、本出願人発行(1996.4.1)「TSUBAKI NAKASHIMA 総合カタログ 70(以下、「総合カタログ」という。) 」A-12,A-18〜A-19,及びA-197頁参照)。
【0003】
なお、転造ボールねじにおいては、後述の製作工程によって、全長3mのねじ軸が在庫生産されることが多い。この在庫生産されたねじ軸は、砥石等によって旋削時の取りしろを残した所望の長さに切断されて使用される。また、切断されたねじ軸の軸端は所定の長さだけ焼ならし(例えば、アセチレンバーナで加熱後、空気中で徐冷する。)された後、機械加工によって、この軸端に所望の寸法・形状の支持部(及び部品取付部)が形成される(一般に、「軸端追加工」と呼ばれている。)。
【0004】
次に、ボールねじのねじ軸の一般的な製作工程を略述する。
(1)転造ボールねじのねじ軸(以下、「転造ねじ軸」という。)
所定の長さ(上述したように、3mとされることが多い。)に切断された鋼丸棒(素材)を2丸形ダイス押付け式ねじ転造盤に装着された一対のロールダイス間に挟み、通し転造によって外周面にねじ溝を全長に亘って形成する。ねじ溝が形成された外周面を高周波焼入れ又は浸炭焼入れによって表面硬化した後、焼戻しを行う。そして、外周面をバフ仕上げする。
(2)研削ボールねじのねじ軸(以下、「研削ねじ軸」という。)
所定の長さに切断された鋼丸棒(素材)の外周面及び両端面を旋削加工して、仕上げ加工時の取りしろを残した円筒部(ねじ溝が形成された後、「ねじ部」という。)と軸端部を一体形成する。切削加工によって、円筒部の外周面に研削仕上げ時の取りしろを残したねじ溝を形成する(この「ねじ溝切削」は、焼戻し後に行われることも多い。)。ねじ溝が形成されたねじ部の外周面を高周波焼入れ又は浸炭焼入れによって表面硬化した後、焼戻しを行う。ねじ部の外径を研削仕上げする。機械加工によって、軸端部に所望の寸法・形状の支持部(及び部品取付部)を形成する。そして、ねじ溝を研削仕上げする。
【0005】
なお、
▲1▼転造及び熱処理技術の向上によって、近時は、前述の JIS B 1192 に規定される精度等級C3,C5の転造ねじ軸を製作できるようになっている。このため、研削ボールねじに比べて生産性が高く且つ製作コストが廉価な転造ボールねじの需要は、従前以上に増加している。
▲2▼転造ねじ軸及び研削ねじ軸の材質として、高周波焼入れの場合は、一般に、調質炭素鋼S55C又はAISI4150Hが用いられる。また、浸炭焼入れの場合は、一般に、調質クロムモリブデン肌焼鋼SCM415H又はSCM420Hが用いられる。さらに、焼戻し後のねじ溝面の硬さ、すなわち、外周面の硬さはHRC58〜62とされている。
▲3▼研削ねじ軸において、ねじ部を高周波焼入れする場合、ねじ部の軸端部近傍の焼入れが不完全になるから、ねじ部有効長さを所望のナット移動距離より長くしなければならない(すなわち、ねじ軸の全長が長くなる。)。また、ねじ部を浸炭焼入れする場合、軸端部近傍までの完全焼入れは可能であるが、軸端部を防炭処理(浸炭防止剤の塗布、又は銅メッキ)しなければならない。
▲4▼転造ねじ軸及び研削ねじ軸のねじ溝は、一般に、ゴシックアーク形状とされている。
▲5▼転造ボールねじに予圧を付与する場合、転造ねじ軸のバフ仕上げされたねじ溝を研削又はラップ加工することがある。
【0006】
ところで、転造ねじ軸における前述の軸端追加工は、選定した転がり軸受が嵌入される支持部の軸径がねじ溝の谷径より小さく、且つ、転がり軸受に対する支持部の肩の高さを軸受メーカー規定最小値以上に確保できる場合(例えば、前述の「総合カタログ」A-222〜A-225頁参照)に行われている。
なお、肩の高さを十分に確保するため、ねじ軸の外径より大径のカラーが支持部に嵌入又は圧入されることも多い(研削ねじ軸においても、上述の場合は同様である。)。
【0007】
他方、後述の図1に示すように、支持部の軸径がねじ溝の谷径以上になる場合には、軸端追加工を行うことができない。
このような場合には、転造加工によって外周面にねじ溝が全長に亘って形成されたねじ部材の少なくとも一方の端面に延設部材(研削ねじ軸における軸端部に相当。)を摩擦圧接によって接合した後、機械加工によって、この延設部材に所望の寸法・形状の支持部(及び部品取付部)が形成されている。なお、支持部の軸径が、ねじ溝の谷径以上であることは言うまでもない。
【0008】
次に、この延設部材が摩擦圧接によって接合された転造ねじ軸の製作工程を略述する。
前述の通し転造によって、所望の長さより長いねじ部材を製作する。このねじ部材の端面に、ねじ部材の外径より大径で且つ所望の長さより長い延設部材の端面を摩擦圧接によって接合する。接合後、接合部の周囲に生じたバリを除去する。バリを除去したねじ部材の外周面を高周波焼入れ又は浸炭焼入れによって表面硬化した後、焼戻しを行う。ねじ部材の外周面をバフ仕上げする。その後、機械加工によって、この延設部材に所望の寸法・形状の支持部(及び部品取付部)を形成する。
なお、
▲1▼後述の図1(a)に示すように、その径がねじ部材の外径以上の軸部(9)を設けたい場合にも、上述の製作方法が用いられている。
▲2▼外周面が焼入れ表面硬化されたねじ部材を延設部材に接合できない理由は、摩擦圧接の熱影響によって、ねじ溝面の硬さが低下するとともにリード精度が損なわれるからである。
▲3▼ねじ部材と延設部材の長さをそれぞれ所望の長さより長くする理由は、摩擦圧接によって全体の長さが短くなるからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のねじ部材の端面に延設部材が接合された転造ねじ軸においては、
(1)上述の製作工程を経る必要があるため、製作コストが大幅にアップする。
(2)前述の研削ねじ軸と同様に、高周波焼入れの場合、ねじ部材の延設部材近傍の焼入れが不完全になるから、ねじ部材の有効長さを所望のナット移動距離より長くしなければならない(すなわち、転造ねじ軸の全長が長くなる。)。また、浸炭焼入れの場合、延設部材近傍までの完全焼入れは可能であるが、延設部材を防炭処理しなければならない。
(3)焼入れ表面硬化後、ねじ部材の伸縮等に起因して所望のリード精度を満足しないものがある。リード精度を満足しない場合、バフ仕上げされたねじ溝を研削又はラップ加工しなければならない。
(4)前述の在庫生産された転造ねじ軸を活用できない。
という問題があった。
【0010】
また、従来の研削ねじ軸においても、前述の製作工程によって、軸端部にねじ溝の谷径以上の軸径を有する支持部が形成されたねじ軸、又は軸端部にねじ部の外径より大径の軸部が形成されたねじ軸を製作する場合、鋼丸棒(素材)の径寸法が大きくなる。このため、材料歩留り及び生産性の低下を招来し、製作コストが著しく高くなるという問題があった。
なお、支持部の軸径がねじ溝の谷径以上の転造ねじ軸(延設部材が接合された転造ねじ軸)又は研削ねじ軸においては、選定した転がり軸受に対する肩の高さを確保するため、転造ねじ軸におけるねじ部材又は研削ねじ軸におけるねじ部と支持部との間に、後述の図1(a)に示すような雄ねじ部(6)(この雄ねじ部(6)に、止ねじ付ベアリングナット(前述の「総合カタログ」A-239頁参照) が螺合される。)、又は同図(b)に示すようなカラー相当部(15)が設けられる。
【0011】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、製作コストを従来のものより廉価にすることができる、ねじ部材の少なくとも一方の端面又は端部に延設部材が接合されたボールねじのねじ軸を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るボールねじのねじ軸は、予め外周面にねじ溝が全長に亘って形成されたねじ部材と、該ねじ部材の少なくとも一方の端面に接合された延設部材とからなるボールねじのねじ軸であって、前記ねじ部材と前記延設部材は同一の材質からなり、該延設部材が接合される前に、前記ねじ部材の外周面が高周波焼入れ又は浸炭焼入れによって表面硬化されるとともに仕上げ加工されており、前記ねじ部材の端面に突設された前記ねじ溝の谷径より小径の突出軸に、前記延設部材の端面に穿設された円孔を、前記延設部材の端面が前記ねじ部材の端面に密接するように焼ばめした後、前記延設部材にねじりを与えて該延設部材の前記ねじ部材に対する位相をずらし、該位相をずらすときに生じる摩擦で前記突出軸と前記円孔のはめあい面及び前記ねじ部材と前記延設部材の密接する端面同士を焼付かせることによって前記ねじ部材の端面に前記延設部材が接合されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に係るボールねじのねじ軸は、請求項1記載のボールねじのねじ軸において、前記突出軸と前記円孔は、それぞれ、前記ねじ部材及び前記延設部材の各端面側から互いに対応する小径部と大径部とからなる段付き形状である構成とする。
【0014】
請求項3に係るボールねじのねじ軸は、請求項1記載のボールねじのねじ軸において、前記突出軸と前記円孔は、それぞれ、前記ねじ部材及び前記延設部材の各端面側から互いに対応する大径部と小径の三角ねじ部とからなる段付き形状である構成とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に係るボールねじのねじ軸は、予め外周面にねじ溝が全長に亘って形成されたねじ部材と、該ねじ部材の少なくとも一方の端部に接合された延設部材とからボールねじのねじ軸であって、前記ねじ部材と前記延設部材は同一の材質からなり、該延設部材が接合される前に、前記ねじ部材の外周面が高周波焼入れ又は浸炭焼入れによって表面硬化されるとともに仕上げ加工されており、前記ねじ部材の端部に、前記延設部材の端面に穿設された円孔を、該円孔の底面が前記ねじ部材の端面に密接するように焼ばめした後、前記延設置部材にねじりを与えて該延設部材の前記ねじ部材に対する位相をずらし、該位相をずらすときに生じる摩擦で前記ねじ部材の端部と前記円孔のはめあい面及び密接する前記ねじ部材の端面と前記円孔の底面同士を焼付かせることによって前記ねじ部材の端部に前記延設部材が接合されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に係るボールねじのねじ軸は、請求項4記載のボールねじのねじ軸において、前記円孔に設けた前記ねじ溝と相補う形状の突条が前記ねじ溝に螺合されている構成とする。
【0017】
本発明の請求項1〜5に係るボールねじのねじ軸によれば、
(1)ねじ部材は在庫生産された転造ねじ軸又は研削ねじ軸を切断したものであるから、製作コストを従来のものより廉価にすることができる。
(2)焼ばめ後、はめあい面及び密接面同士を焼付かせるようにしたので、ねじ部材と延設部材(機械加工後は、支持部等からなる延設部材)の接合をより強固にすることができる。このため、ねじ軸が駆動手段によって回転駆動される際、作用するねじりモーメント又は反転時の衝撃によって、支持部等からなる延設部材に対するねじ部材の位相がずれる虞はない。
また、本発明の請求項2,3及び5に係るボールねじのねじ軸によれば、突出軸と円孔(請求項2,3)、または、ねじ溝と円孔(請求項5)を係合させるようにしたので、ねじ部材から延設部材(機械加工後は、支持部等からなる延設部材)が抜脱する虞はない。特に、請求項3に係るボールねじのねじ軸によれば、ねじ軸に予張力を付与することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、
(1)後述のねじ部材は、同様に後述の延設部材が接合される前に、その外周面にねじ溝が全長に亘って形成され、且つ、この外周面が高周波焼入れ又は浸炭焼入れによって表面硬化されるとともに仕上げ加工をされている。すなわち、ねじ部材は、前述の在庫生産された転造ねじ軸、又は前述の製作工程に準じて(但し、軸端部は設けない。)在庫生産された研削ねじ軸を、砥石等によって機械加工時の取りしろを残した所望の長さに切断したものである。
(2)ねじ部材と延設部材は、同一の材質からなる。材質を同一にする理由は、後述の線膨張係数が同じ値になるという観点もあるが、「同じ材質同士の摩擦では、互いに溶け合いやすく、焼付きを起こしやすい。」という性質を利用するためである。すなわち、後述するように、ねじ部材に延設部材を焼ばめ後、延設部材にねじりを与えて延設部材のねじ部材に対する位相をずらし、この位相をずらすときに生じる摩擦で、はめあい面及び密接面同士を焼付かせるためである。
【0019】
図1は、本発明におけるボールねじのねじ軸を示す。
同図(a)のねじ軸1は、ねじ部材2の両端面にねじ部材2の外径Aより大径の延設部材3,7が接合された後、機械加工によって、延設部材3にねじ溝(図示せず。)の谷径Bより大径の支持部4、ねじ溝の谷径Bより小径の部品取付部5及びねじ部材2の外径Aより大径の雄ねじ部6が形成されるとともに、延設部材7にねじ溝の谷径Bより小径の支持部8及びねじ部材2の外径Aと同径の軸部9が形成されたねじ軸である。
また、同図(b)のねじ軸10は、ねじ部材11の一方の端部にねじ部材11の外径Pより大径の延設部材12が接合された後、機械加工によって、この延設部材12にねじ部材11の外径P(ねじ溝(後述の図7(b)参照)の谷径Q)より大径の支持部13、部品取付部14及びカラー相当部15が形成されたねじ軸である。
なお、符号2A,11Aは、それぞれ、ねじ部材2,11のねじ溝を含む外周面を示す。また、同図(b)のねじ軸10のような形態は、外径Pが4〜12mmの、いわゆる、ミニチュアボールねじに適用される。
【0020】
次に、図1(a)のねじ部材2の端面に延設部材3を接合する方法(実施の形態)について説明する。なお、ねじ部材2の端面に延設部材7を接合する方法は、延設部材3の場合と同様であるので、その説明は省略する。また、同図(b)のねじ部材11の端部に延設部材12を接合する方法は後述する。
図2(a)に示すように、ねじ部材2には、その端面17に軸径C(B>C)及び軸長L1の突出軸16が突設されている。この軸径Cと軸長L1は、突出軸16と後述の焼ばめされる円孔18の接触面積を大きくする観点から、L1=(1.5〜2.5)*C の関係を満足するように形成されている。また、突出軸16と端面17との境界は、応力集中を緩和する観点から、円弧状に形成されている。さらに、突出軸16の先端には、円孔18を焼ばめしやすくする観点から、30〜45°の面取りが形成されている。
なお、突出軸16の軸径Cは、突出軸16と支持部4との間の肉厚を考慮しなければならないが、曲げモーメントに対する強度の観点から、できるだけ大きくなるように設定されている。
【0021】
突出軸16の形成方法を説明する。
ねじ部材2は、前述したように、在庫生産された転造ねじ軸又は研削ねじ軸を砥石等によって所定の長さよりL3だけ長く切断したものである(但し、ねじ部材2の一方の端面にのみ、延設部材3が接合されるものとする。)。そして、このねじ部材2の軸端が長さL3だけ焼ならしされた後、機械加工によって、この軸端に突出軸16が形成される。
なお、ねじ部材2の軸線(図示せず。)に対する突出軸16の同軸度及び端面17の直角度を、できるだけ小さくすることが好ましい。また、突出軸16と端面17を一回のチャッキングで研削仕上げすることが好ましい。
【0022】
図2(b)に示すように、外径D(A<D)の延設部材3には、その端面19に孔径E及び深さL2の円孔18が穿設されている。この孔径Eは、上述の突出軸16の軸径Cに対して C=E+δ(式中、δは焼ばめしろ)の関係を満足するように形成されている(研削又はラップ仕上げが好ましい。)。また、深さL2は、突出軸16の端面17に延設部材3の端面19を密接させる観点から、突出軸16の軸長L1に対して L1<L2 の関係を満足するように形成されている。さらに、円孔18の口元は、突出軸16に対応した円弧状に形成されている。
なお、後述の他の実施の形態においても同様であるが、延設部材3の外周面と円孔18との間に空気抜け孔(図示せず。)を設けてもよい(焼ばめ後、空気抜け孔はピンで閉塞される。)。また、円孔18の穿設及び端面19の機械加工に際して、延設部材3の軸線(図示せず。)に対する円孔18の同軸度及び端面19の直角度を、できるだけ小さくすることが好ましい。さらに、端面19を研削仕上げすることが好ましい。
【0023】
ここで、上述の焼ばめしろδ、及びこの焼ばめしろδを得るために必要な突出軸16と延設部材3間の温度差tの算出式を示す(但し、後述の実施の形態の説明の都合から一般式で示す。)。
今、図3に示すように、中実軸100(外半径をR1とする。)に外筒102 (内半径をR2,外半径をRdとする。)が焼ばめされたとして、はめあい面の半径をRとする。また、中実軸100と外筒102の縦弾性係数及びポアソン比が等しいとする。
そうすると、材料力学(例えば、(株)裳華房発行 鵜戸口英善代表「材料力学下巻」第11版(昭47.1.15)第379〜382頁及び第385〜386頁参照)から、はめあい面に生じる焼ばめ圧力p〔N/mm2〕、焼ばめしろδ〔mm〕、及び焼ばめしろδを得るために必要な中実軸100と外筒102間の温度差t〔℃〕は、次式から求められる(但し、R1≒R2≒Rと近似する。)。
【0024】
【数1】
Figure 0004549549
【0025】
図2に戻って、上式(1),(2)及び(3)に、それぞれ、R≒C/2≒E/2,及びRd=F/2(符号Fは支持部4の軸径を示す。)を代入すれば、突出軸16と円孔18のはめあい面(符号を付さず。)に生じる焼ばめ圧力p、焼ばめしろδ、及び焼ばめしろδを得るために必要な突出軸16と延設部材3間の温度差tを求めることができる。
次に、具体的な数値を挙げて例示する。
C=E+δ=20mm+δ,E=20mm,F=30mmとし、ねじ部材2及び延設部材3の材質を調質炭素鋼S55Cとする。
そして、炭素鋼S55Cの許容せん断応力(最大せん断応力)τmax、縦弾性係数E、及び線膨張係数αを、それぞれ、τmax=9.6×9.8N/mm2,E=2.1×9.8×104N/mm2,及びα=1.1×10-5/℃ とすれば、p≒5.3×9.8N/mm2,δ≒18×10-3mm,及びt≒83℃ になる。
なお、
▲1▼Rd=D/2としない理由は、機械加工後、支持部4の半径F/2がRdの最小値、すなわち、δの最小値になるからである。
▲2▼ねじ部材2(1条ねじとする。)の諸元を、A=32mm,B=28.4mmとし、リード及びボール径をそれぞれ8mm及び4.763mmとする(図示せず。)。また、L1=50mm,D=38.5mmとする。
【0026】
しかし、突出軸16の軸径Cを20+18×10-3mmとし、且つ、突出軸16と延設部材3間の温度差tを83℃ とすると、「はめあい」における寸法許容差は零になるから、突出軸16に円孔18を焼ばめしにくい。
そこで、突出軸16に円孔18を焼ばめする際、円孔18の孔径Eを温度差t=83℃ における膨張寸法20+18×10-3mmより20×10-3mm大きくなるようにする。すなわち、前述の式(3)のδに(18+20)×10-3mmを代入して得られる値173℃ を、突出軸16と延設部材3間の温度差tとする。そして、図2(c)に示すように、延設部材3の端面19がねじ部材2の端面17に密接するように焼ばめする。
【0027】
なお、
▲1▼室温(20℃ とする。)に上述の温度差173℃ を加えても200℃ を 越えないので(調質の際の焼戻し温度以下)、延設部材3の素地硬さ及びミクロ組織に悪影響を及ぼさないと考えられる。
▲2▼延設部材3は、例えば、20+173℃ になるように温度制御された熱風 加熱装置(図示せず。)によって加熱されながら焼ばめされる。このとき、延設部材3の温度が20+173℃ に上昇するまで時間を要するので、予め延設部 材3を所定の温度に加熱しておけば(例えば、150℃ に温度制御された恒温 槽内に保温しておく。)、焼ばめ作業を迅速に行うことができる。
▲3▼上述の20×10-3mmという値は、JIS B 0401(寸法公差及びはめあい)に規定される「穴の公差域クラス」すきまばめH7に準じている。
【0028】
焼ばめ後、延設部材3にねじりを与えて延設部材3のねじ部材2に対する位相をずらし、この位相をずらすときに生じる摩擦で突出軸16と円孔18のはめあい面及び密接する端面17,19同士を焼付かせることによって、ねじ部材2の端面17に延設部材3が接合される。
その後、機械加工によって、延設部材3に支持部4、部品取付部5及び雄ねじ部6が形成される(図1(a)参照)。
なお、後述の他の実施の形態においても同様であるが、延設部材3にねじりを与える手段として、公知のねじり試験機(例えば、共立出版(株)発行 川田雄一、松浦佑次、水野正夫、宮川松男共編「材料試験」初版第6刷(昭46.7.5)第63〜64頁参照)とほぼ同様な構造のねじり装置(図示せず。)が用いられる。但し、このねじり装置は、ねじ部材2の端面17近傍(延設部材3近傍)をチャックで把持して、ねじ部材2にねじりモーメントが作用しない構造になっている。
また、延設部材3のできるだけ端面19近傍(ねじ部材2近傍)をチャックで把持して、延設部材3がねじりモーメントによって塑性変形しないようにすることが好ましい。
【0029】
この実施の形態によれば、ねじ部材2は在庫生産された転造ねじ軸又は研削ねじ軸を切断したものであるから、製作コストを従来のものより廉価にすることができる。
また、突出軸16に円孔18を、延設部材3の端面19がねじ部材2の端面17に密接するように焼ばめした後、延設部材3にねじりを与えて延設部材3のねじ部材2に対する位相をずらし、この位相をずらすときに生じる摩擦で突出軸16と延設部材3のはめあい面及びねじ部材2と延設部材3の密接する端面17,19同士を焼付かせるようにしたので、ねじ部材2と延設部材3(機械加工後は、支持部4、部品取付部5及び雄ねじ部6からなる延設部材)の接合をより強固にすることができる。このため、図1(a)のねじ軸1が駆動手段(図示せず。
)によって回転駆動される際、作用するねじりモーメント又は反転時の衝撃によって、支持部4、部品取付部5及び雄ねじ部6からなる延設部材に対するねじ部材2の位相、すなわち、円孔18に対する突出軸16の位相がずれる虞はない。
【0030】
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態は、上述の第1の実施の形態の変形態様である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
同図(a)に示すように、ねじ部材2の端面17に突設された軸長L1の突出軸16は、端面17側から、軸径C(B>C)及び軸長L4の小径軸部16Aと、軸径G(B>G>C)及び軸長L5の大径軸部16Bとからなる段付き形状とされている。
また、同図(b)に示すように、延設部材3の端面19に穿設された深さL2の円孔18は、突出軸16と同様に、端面19側から、孔径E及び深さL6の小径孔部18Aと、孔径H(E<H)及び深さL7の大径孔部18Bとからなる段付き形状とされている。この小径孔部18A及び大径孔部18Bは、それぞれ、小径軸部16A及び大径軸部16Bに対応している。
さらに、突出軸16に円孔18を焼ばめする際、ねじ部材2の端面17に延設部材3の端面19を密接させる観点から、軸長L4と深さL6及び軸長L5と深さL7は、それぞれ、L4>L6及びL5<L7の関係を満足するように形成されている。
なお、第1の実施の形態と同様に、小径軸部16Aと端面17との境界は円弧状に形成されるとともに、小径孔部18Aの口元は小径軸部16Aに対応した円弧状に形成されている。また、大径軸部16Bの先端には、30〜45°の面取りが形成されている。
【0031】
次に、第1の実施の形態と同様に具体的な数値を挙げて、小径軸部16Aと小径孔部18A、及び大径軸部16Bと大径孔部18Bのそれぞれのはめあい面(符号を付さず。)に生じる焼ばめ圧力p、焼ばめしろδ、及び焼ばめしろδを得るために必要な突出軸16と延設部材3間の温度差tを例示する。
C=E+δ=20mm+δ,G=C+20×10-3mm,E=20mm,H=E+20×10-3mm,F=30mmとし、ねじ部材2及び延設部材3の材質を調質炭素鋼S55Cとする。
そして、炭素鋼S55Cの許容せん断応力τmax、縦弾性係数E及び線膨張係数αをそれぞれ第1の実施の形態における値とすれば、前述の式(1),(2)及び(3)から、p≒5.3×9.8N/mm2,δ≒18×10-3mm,及びt≒83℃ になる。
なお、
▲1▼ねじ部材2(1条ねじとする。)の諸元を、第1の実施の形態と同様に、A=32mm,B=28.4mmとし、リード及びボール径をそれぞれ8mm及び4.763mmとする(図示せず。)。また、L1=50mm,D=38.5m mとする。
▲2▼上述の条件では、小径軸部16Aと小径孔部18Aのはめあい面、及び大径軸部16Bと大径孔部18Bのはめあい面におけるp,δ及びtは、ほぼ同じ値になる。
【0032】
しかし、突出軸16と延設部材3間の温度差tを83℃ とした場合、軸径Gは(20+18×10-3)+20×10-3mmであるのに対して、孔径Eの膨張寸法は20+18×10-3mmであるから、大径軸部16Bを小径孔部18Aに嵌入できない。
そこで、突出軸16に円孔18を焼ばめする際、孔径Eの膨張寸法が軸径Gと同じ値になる173℃ を、突出軸16と延設部材3間の温度差tとする。そして、図4(c)に示すように、延設部材3の端面19がねじ部材2の端面17に密接するように焼ばめする。
なお、
▲1▼前述の条件では、G>C+20×10-3mm,及びH>E+20×10-3mmとすると、室温(20℃ とする。)に温度差tを加えた値が200℃ を越えるから好ましくない。
▲2▼温度差tを173℃ にした場合、軸径Gと孔径Eの「はめあい」における 寸法許容差は零になる。このため、延設部材3の反接合側の端面(図示せず。)をプレス等によって押圧して、突出軸16に円孔18を焼ばめする。
【0033】
焼ばめ後、第1の実施の形態と同様に、延設部材3にねじりを与えて延設部材3のねじ部材2に対する位相をずらし、この位相をずらすときに生じる摩擦で突出軸16と円孔18のはめあい面(小径軸部16Aと小径孔部18A、及び大径軸部16Bと大径孔部18Bのそれぞれのはめあい面)、並びに、密接する端面17,19同士を焼付かせることによって、ねじ部材2の端面17に延設部材3が接合される。
その後、機械加工によって、延設部材3に支持部4、部品取付部5及び雄ねじ部6が形成される(図1(a)参照)。
【0034】
この第2の実施の形態によれば、その軸方向の位置が万一ずれたとしても、小径軸部16Aと大径軸部16B間の段差(符号を付さず。)が小径孔部18Aと大径孔部18B間の段差(符号を付さず。)に係合するようになっているから、ねじ部材2から延設部材3(機械加工後は、支持部4、部品取付部5及び雄ねじ部6からなる延設部材)が抜脱する虞はない。
その他の作用は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0035】
図5は、本発明の第3の実施の形態を示す。この第3の実施の形態も、前述の第1の実施の形態の変形態様である。なお、上述の第2の実施の形態と同様に、第1の実施の形態と同一又は相当部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
同図(a)に示すように、ねじ部材2の端面17に突設された軸長L1の突出軸16は、端面17側から、軸径C(B>C)及び軸長L8の大径軸部16Cと、外径I(C>I)及びねじ長L9の小径の三角雄ねじ部16Dとからなる段付き形状とされている。
また、同図(b)に示すように、延設部材3の端面19に穿設された深さL2の円孔18は、突出軸16と同様に、端面19側から、孔径E及び深さL10の大径孔部18Cと、谷径J(E>J)及びねじ深さL11の小径の三角雌ねじ部18Dとからなる段付き形状とされている。この大径孔部18C及び小径の三角雌ねじ部18Dは、それぞれ、大径軸部16C及び小径の三角雄ねじ部16Dに対応している。
さらに、突出軸16に円孔18を焼ばめする際、ねじ部材2の端面17に延設部材3の端面19を密接させる観点から、軸長L8と深さL10、及びねじ長L9とねじ深さL11は、それぞれ、L8<L10及びL9<L11の関係を満足するように形成されている。
なお、第1及び第2の実施の形態と同様に、大径軸部16Cと端面17との境界は円弧状に形成されるとともに、大径孔部18Cの口元は大径軸部16Cに対応した円弧状に形成されている。
【0036】
次に、第1の実施の形態において例示した数値を援用して、この第3の実施の形態における焼ばめ仕様を説明する。
C=E+δ=20+18×10-3mm,E=20mm,F=30mm,とし、ねじ部材2及び延設部材3の材質を調質炭素鋼S55Cとする。また、三角雄ねじ部16D及び三角雌ねじ部18Dを、有効径が16.376mmのメートル細目ねじM18×1.5とする。但し、三角雄ねじ部16Dの有効径は、後述の計算値から、16.376mm+δ´=16.376+15×10-3mmとする(I>J)。さらに、前述の「はめあい」の観点から、突出軸16に円孔18を焼ばめする際、ねじ部材2と延設部材3間の温度差tを173℃ とする。
そして、図4(c)に示すように、三角雌ねじ部18Dを三角雄ねじ部16Dに手動で螺合させながら、延設部材3の端面19が突出軸16の端面17に密接するように焼ばめする。
【0037】
なお、
▲1▼ねじ部材2(1条ねじとする。)の諸元を、第1の実施の形態と同様に、A=32mm,B=28.4mmとし、リード及びボール径をそれぞれ8mm及び4.763mmとする(図示せず。)。また,L1=50mm,D=38.5m mとする。
▲2▼三角雄ねじ部16D及び三角雌ねじ部18Dをメートル細目ねじとする理由は、メートル並目ねじより引張強さが大きいためである。
▲3▼三角雄ねじ部16Dと三角雌ねじ部18Dの螺接面に生じる焼ばめ圧力p´、焼ばめしろδ´、及び温度差t´は、前述の式(1),(2)及び(3)から(但し、R=16.376mm/2,Rd=30mm/2とする。)、それぞれ 、p´≒6.7×9.8N/mm2,δ´≒15×10-3mm,及びt´≒83 ℃ になる。
【0038】
焼ばめ後、螺合する三角ねじ部16D,18Dをねじ込む方向のねじりを延設部材3に与えて延設部材3のねじ部材2に対する位相をずらし、この位相をずらすときに生じる摩擦で大径軸部16Cと大径孔部18Cのはめあい面(符号を付さず。)、三角ねじ部16D,18Dの螺接面、及び密接する端面17,19同士を焼付かせることによって、ねじ部材2の端面17に延設部材3が接合される。
その後、機械加工によって、延設部材3に支持部4、部品取付部5及び雄ねじ部6が形成される(図1(a)参照)。
【0039】
この第3の実施の形態によれば、三角ねじ部16D,18Dが螺合しているから、前述の第2の実施の形態と同様に、ねじ部材2から延設部材3(機械加工後は、支持部4、部品取付部5及び雄ねじ部6からなる延設部材)が抜脱する虞はない。
また、図1(a)に示す延設部材7にも第3の実施の形態を適用すれば、ねじ軸1に予張力を付与することができる。
その他の作用は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0040】
上述の第1、第2及び第3の実施の形態では、ねじ部材2の端面17に突設された突出軸16に、延設部材3の端面19に穿設された円孔18を焼ばめした後、突出軸16と円孔18のはめあい面及び密接する端面17,19同士を焼付かせることによって、ねじ部材2の端面17に延設部材3(機械加工後は、支持部4、部品取付部5及び雄ねじ部6からなる延設部材)が接合されたボールねじのねじ軸1を説示した(図1(a)参照)。
しかし、同図(b)に示すねじ軸10のように、ねじ部材11の外径Pが4〜12mmの、いわゆる、ミニチュアボールねじのねじ軸では、強度上の問題があって、ねじ部材11の端面11C(後述の図6(a)参照)に上述のような突出軸を突設させることはできない。
後述の第4及び第5の実施の形態は、このような場合に適用される。
【0041】
図6は、本発明の第4の実施の形態を示す。
同図(a)のねじ部材11は、前述したように、在庫生産された転造ねじ軸又は研削ねじ軸を砥石等によって端面加工時の取りしろを残した所望の長さに切断したものである。そして、このねじ部材11は、その両端面(一方の端面11Cのみ図示する。)が機械加工(研削仕上げが好ましい。)されて、所定の長さになっている。
なお、
▲1▼ねじ部材11が転造ねじ軸からなる場合、ねじ部材11の端部11Bの外径、すなわち、端面11Cから長さL12の範囲の外径は、研削加工によって寸法S(P>S)に仕上げられている。
▲2▼ねじ部材11が研削ねじ軸からなる場合、予めその外径が所定の寸法精度に研削仕上げされているので(P=S)、端部11Bを再加工する必要はない。
▲3▼端面11Cの機械加工に際して、ねじ部材11の軸線(図示せず。)に対する端面11Cの直角度を、できるだけ小さくすることが好ましい。
【0042】
図6(b)に示すように、外径U(P<U)の延設部材12には、その端面21に孔径T及び深さL13の円孔20が穿設されている。この孔径Tは、上述の端部11Bの外径Sに対して T=S−δ(式中、δは焼ばめしろ)の関係を満足するように形成されている(研削又はラップ仕上げが好ましい。)。また、深さL13は、ねじ部材11の端面11Cに底面22を密接させる観点から、端部11Bの長さL12に対して L12>L13 の関係を満足するように形成されている。
なお、円孔20の穿設に際して、延設部材12の軸線(図示せず。)に対する円孔20の同軸度及び底面22の直角度を、できるだけ小さくすることが好ましい。また、底面22を研削又はラップ仕上げすることが好ましい。
【0043】
次に、前述の第1、第2及び第3の実施の形態と同様に具体的な数値を挙げて、端部11Bと円孔20のはめあい面(符号を付さず。)に生じる焼ばめ圧力p、焼ばめしろδ、及び焼ばめしろδを得るために必要なねじ部材11と延設部材12間の温度差tを例示する。
S=4.0mm,T=S−δ=4.0mm−δ,V=9.5mm(符号Vはカラー相当部15の外径を示す。)とし、ねじ部材11及び延設部材12の材質を調質炭素鋼S55Cとする。
そして、炭素鋼S55Cの許容せん断応力τmax、縦弾性係数E、及び線膨張係数αを、それぞれ、τmax=9.6×9.8N/mm2,E=2.1×9.8×104N/mm2,及びα=1.1×10-5/℃ とすれば、前述の式(1),(2)及び(3)から、p≒7.9×9.8N/mm2,δ≒4×10-3mm,及びt≒83℃ になる。
なお、ねじ部材11(1条ねじとする。)の諸元を、P=S=4.0mm(ねじ部材11が研削ねじ軸の場合),Q=3.3mmとし、リード及びボール径をそれぞれ1mm及び0.8mmとする(図示せず。)。また、L13=7mmとする。
【0044】
しかし、端部11Bの外径Sを S=4.0mmとし、且つ、ねじ部材11と延設部材12間の温度差tを83℃ とすると、「はめあい」における寸法許容差が零になるから、端部11Bに円孔20を焼ばめしにくい。
そこで、端部11Bを円孔20に焼ばめする際、円孔20の孔径Tが温度差t=83℃ における膨張寸法4.0mmより4×10-3mm大きくなる温度、すなわち、室温(20℃ とする。)を加えた値が200℃ になる180℃ を、ねじ部材11と延設部材12間の温度差tとする。そして、図6(c)に示すように、円孔20の底面22がねじ部材11の端面11Cに密接するように焼ばめする。
【0045】
焼ばめ後、延設部材12にねじりを与えて延設部材12のねじ部材11に対する位相をずらし、この位相をずらすときに生じる摩擦で端部11Bと円孔20のはめあい面及び密接する端面11Cと底面22同士を焼付かせることによって、ねじ部材11の端部11Bに延設部材12が接合される。
その後、機械加工によって、延設部材12に支持部13、部品取付部14及びカラー相当部15が形成される(図1(b)参照)。
【0046】
この第4の実施の形態によれば、ねじ部材11は在庫生産された転造ねじ軸又は研削ねじ軸を切断したものであるから、製作コストを従来のものより廉価にすることができる。
また、ねじ部材11の端部11Bに円孔20を、円孔20の底面22がねじ部材11の端面11Cに密接するように焼ばめした後、延設部材12にねじりを与えて延設部材12のねじ部材11に対する位相をずらし、この位相をずらすときに生じる摩擦で端部11Bと円孔20のはめあい面及び密接するねじ部材11の端面11Cと円孔20の底面22同士を焼付かせるようにしたので、ねじ部材11と延設部材12(機械加工後は、支持部13、部品取付部14及びカラー相当部15からなる延設部材)の接合をより強固にすることができる。このため、図1(b)のねじ軸10が駆動手段(図示せず。)によって回転駆動される際、作用するねじりモーメント又は反転時の衝撃によって、支持部13、部品取付部14及びカラー相当部15からなる延設部材に対するねじ部材11の位相、すなわち、円孔20に対する端部11Bの位相がずれる虞はない。
【0047】
図7は、本発明の第5の実施の形態を示す。この第5の実施の形態は、上述の第4の実施の形態の変形態様である。なお、第4の実施の形態と同一又は相当部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
同図(a)及び(b)に示すように、延設部材12の端面21に穿設された深さL13の円孔20の内周面には、端部11Bのねじ溝11Dと相補う形状の突条23が螺刻されている(研削又はラップ仕上げが好ましい。)。
そして、この突条23のボールピッチ円径Yは、ねじ溝11Dのボールピッチ円径Wに対して Y=W−δ(式中、δは焼ばめしろ)の関係を満足するように形成されている。
なお、この第5の実施の形態では、ねじ溝11Dと突条23の螺接面がはめあい面となるので、ねじ部材11が転造ねじ軸であっても端部11Bの外径を再加工する必要はない。また、符号24は、突条23を螺刻するための中ぐり逃げ孔を示す。
【0048】
次に、第4の実施の形態と同様に具体的な数値を挙げて、この第5の実施の形態における焼ばめ仕様を説明する。
W=4.2mm,Y=W−δ=4.2mm−δ,V=9.5mmとし、ねじ部材11及び延設部材12の材質を調質炭素鋼S55Cとする。
また、炭素鋼S55Cの許容せん断応力τmax、縦弾性係数E及び線膨張係数αをそれぞれ第4の実施の形態における値とすれば、前述の式(1),(2)及び(3)から、p≒7.7×9.8N/mm2,δ≒4×10-3mm,及びt≒83℃ になる。そこで、第4の実施の形態と同様に、ねじ部材11と延設部材12間の温度差tを180℃ とする。
そして、図7(c)に示すように、突条23を端部11Bのねじ溝11Dに手動で螺合させながら、円孔20の底面22がねじ部材11の端面11Cに密接するように焼ばめする。
なお、ねじ部材11(1条ねじとする。)の諸元を、第4の実施の形態と同様に、P=S=4.0mm,Q=3.3mmとし、リード及びボール径をそれぞれ1mm及び0.8mmとする。また、L13=7mmとする。
【0049】
焼ばめ後、螺合する突条22とねじ溝11Dをねじ込む方向のねじりを延設部材12に与えて延設部材12のねじ部材11に対する位相をずらし、この位相をずらすときに生じる摩擦で突条22とねじ溝11Dの螺接面、及び密接する端面11Cと底面22同士を焼付かせることによって、ねじ部材11の端部11Bに延設部材12が接合される。
その後、機械加工によって、延設部材12に支持部13、部品取付部14及びカラー相当部15が形成される(図1(b)参照)。
【0050】
この第5の実施の形態によれば、突条22とねじ溝11Dが螺合しているから、第4の実施の形態より接合が強固になる。また、ねじ部材11から延設部材12(機械加工後は、支持部13、部品取付部14及びカラー相当部15からなる延設部材)が抜脱する虞はない。
その他の作用は第4の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0051】
なお、上述の実施の形態では、ねじ部材に延設部材を接合後、機械加工によって、この延設部材に支持部等を形成したボールねじのねじ軸を例示したが、ねじ部材に予め支持部等が形成された延設部材を接合することもできる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の請求項1〜5に係るボールねじのねじ軸によれば、
(1)ねじ部材は在庫生産された転造ねじ軸又は研削ねじ軸を切断したものであるから、製作コストを従来のものより廉価にすることができる。
(2)焼ばめ後、はめあい面及び密接面同士を焼付かせるようにしたので、ねじ部材と延設部材(機械加工後は、支持部等からなる延設部材)の接合をより強固にすることができる。このため、ねじ軸が駆動手段によって回転駆動される際、作用するねじりモーメント又は反転時の衝撃によって、支持部等からなる延設部材に対するねじ部材の位相がずれる虞はない。
また、本発明の請求項2,3及び5に係るボールねじのねじ軸によれば、突出軸と円孔(請求項2,3)、または、ねじ溝と円孔(請求項5)を係合させるようにしたので、ねじ部材から延設部材(機械加工後は、支持部等からなる延設部材)が抜脱する虞はない。特に、請求項3に係るボールねじのねじ軸によれば、ねじ軸に予張力を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるボールねじのねじ軸を示す正面図であり、同図(a)及び(b)は、それぞれ、ねじ部材の端面に延設部材が接合されたねじ軸、及びねじ部材の端部に延設部材が接合されたねじ軸の正面図。
【図2】 本発明の第1の実施の形態を示す要部断面図であり、同図(a),(b)及び(c)は、それぞれ、ねじ部材の要部、延設部材の要部、及びねじ部材と延設部材の接合要部の断面図。
【図3】 焼ばめしろ、及び焼ばめしろを得るために必要な温度差の算出式の説明図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態を示す要部断面図であり、同図(a),(b)及び(c)は、それぞれ、ねじ部材の要部、延設部材の要部、及びねじ部材と延設部材の接合要部の断面図。
【図5】 本発明の第3の実施の形態を示す要部断面図であり、同図(a),(b)及び(c)は、それぞれ、ねじ部材の要部、延設部材の要部、及びねじ部材と延設部材の接合要部の断面図。
【図6】 本発明の第4の実施の形態を示す要部断面図であり、同図(a),(b)及び(c)は、それぞれ、ねじ部材の要部、延設部材の要部、及びねじ部材と延設部材の接合要部の断面図。
【図7】 本発明の第5の実施の形態を示す要部断面図であり、同図(a)及び(b)は、それぞれ、延設部材の要部、及びねじ部材と延設部材の接合要部の拡大断面図。
【符号の説明】
1,10 ねじ軸
2,11 ねじ部材
2A,11A ねじ部材の外周面
3,7,12 延設部材
11B ねじ部材の端部
11C,17 ねじ部材の端面
11D ねじ溝
16 突出軸
16A 突出軸の小径部
16B 突出軸の大径部
16C 突出軸の大径部
16D 突出軸の小径の三角雄ねじ部
11C,17 ねじ部材の端面
18,20 円孔
18A 円孔の小径部
18B 円孔の大径部
18C 円孔の大径部
18D 円孔の小径の三角雌ねじ部
19 延設部材の端面
22 円孔の底面

Claims (5)

  1. 予め外周面にねじ溝が全長に亘って形成されたねじ部材と、該ねじ部材の少なくとも一方の端面に接合された延設部材とからなるボールねじのねじ軸であって、
    前記ねじ部材と前記延設部材は同一の材質からなり、該延設部材が接合される前に、前記ねじ部材の外周面が高周波焼入れ又は浸炭焼入れによって表面硬化されるとともに仕上げ加工されており、
    前記ねじ部材の端面に突設された前記ねじ溝の谷径より小径の突出軸に、前記延設部材の端面に穿設された円孔を、前記延設部材の端面が前記ねじ部材の端面に密接するように焼ばめした後、前記延設部材にねじりを与えて該延設部材の前記ねじ部材に対する位相をずらし、該位相をずらすときに生じる摩擦で前記突出軸と前記円孔のはめあい面及び前記ねじ部材と前記延設部材の密接する端面同士を焼付かせることによって前記ねじ部材の端面に前記延設部材が接合されていることを特徴とする、
    ボールねじのねじ軸。
  2. 前記突出軸と前記円孔は、それぞれ、前記ねじ部材及び前記延設部材の各端面側から互いに対応する小径部と大径部とからなる段付き形状である、請求項1のボールねじのねじ軸。
  3. 前記突出軸と前記円孔は、それぞれ、前記ねじ部材及び前記延設部材の各端面側から互いに対応する大径部と小径の三角ねじ部とからなる段付き形状である、請求項1のボールねじのねじ軸。
  4. 予め外周面にねじ溝が全長に亘って形成されたねじ部材と、該ねじ部材の少なくとも一方の端部に接合された延設部材とからなるボールねじのねじ軸であって、
    前記ねじ部材と前記延設部材は同一の材質からなり、該延設部材が接合される前に、前記ねじ部材の外周面が高周波焼入れ又は浸炭焼入れによって表面硬化されるとともに仕上げ加工されており、
    前記ねじ部材の端部に、前記延設部材の端面に穿設された円孔を、該円孔の底面が前記ねじ部材の端面に密接するように焼ばめした後、前記延設部材にねじりを与えて該延設部材の前記ねじ部材に対する位相をずらし、該位相をずらすときに生じる摩擦で前記ねじ部材の端部と前記円孔のはめあい面及び密接する前記ねじ部材の端面と前記円孔の底面同士を焼付かせることによって前記ねじ部材の端部に前記延設部材が接合されていることを特徴とする、
    ボールねじのねじ軸。
  5. 前記円孔に設けた前記ねじ溝と相補う形状の突条が前記ねじ溝に螺合されている、請求項4のボールねじのねじ軸。
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