JP6330358B2 - 焼き嵌め方法及び焼き嵌め装置 - Google Patents
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Description
「焼き嵌め」では、穴部が形成された第1部材と、第1部材の穴部の内径よりもやや大きな外径の軸部を有する第2部材(なお、第2部材の全体が軸部に相当する場合もある)とを用いて、第1部材を加熱膨張させて内径を大きくした穴部に、加熱していない第2部材の軸部を嵌め入れる。その後、冷却させて第1部材の穴部の内径を元に戻して第2部材の軸部を第1部材の穴部に締結し、溶接やボルト締め等を用いることなく強固に締結する。
例えば特許文献1には、カムシャフトが嵌入される穴部を有する三次元カムを、焼き嵌めにてカムシャフトに組み付ける三次元カムシャフトの製造装置が記載されている。そして特許文献1には、高周波コイルを通じて三次元カムを誘導加熱し、三次元カムの温度を、温度制御装置と温度センサにて厳密に管理して焼き嵌めを行うことが記載されている。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、エネルギーと加熱時間及び冷却時間の無駄をより少なくして効率良く焼き嵌めを行うことができる焼き嵌め方法及び焼き嵌め装置を提供することを課題とする。
本発明の第1の発明は、穴部に軸部を嵌合させる嵌合部における前記穴部を有する第1部材と、前記嵌合部における前記軸部を有する第2部材、あるいは全体が前記軸部である第2部材と、の焼き嵌め方法において、前記第1部材を加熱する加熱手段と、制御手段と、を有する焼き嵌め装置を用い、前記制御手段にて、室温における前記第1部材の前記穴部の内径を前記第1部材毎に測定する、穴部内径測定ステップと、前記制御手段にて、室温における前記第2部材の前記軸部の外径を前記第2部材毎に測定する、軸部外径測定ステップと、前記制御手段にて、前記穴部内径測定ステップにて測定した焼き嵌め対象の第1部材の穴部の内径と、前記軸部外径測定ステップにて測定した焼き嵌め対象の第2部材の軸部の外径と、に基づいて前記焼き嵌め対象の第1部材と前記焼き嵌め対象の第2部材との組み合わせに固有となる固有加熱時間を算出する、固有加熱時間算出ステップと、前記制御手段にて、前記固有加熱時間算出ステップにて算出した前記固有加熱時間にて前記焼き嵌め対象の第1部材を前記加熱手段を用いて加熱する、加熱ステップと、前記制御手段にて、前記加熱手段を用いて加熱した前記焼き嵌め対象の第1部材の穴部に前記焼き嵌め対象の第2部材の軸部を嵌め入れた組立体を冷却する、冷却ステップと、を有し、前記制御手段は、温度に応じた前記第1部材の穴部の内径の膨張特性を示す温度・径特性と、前記加熱手段を用いて加熱する時間である加熱時間に応じた前記第1部材の温度の上昇特性を示す加熱時間・温度特性と、を記憶しており、前記固有加熱時間算出ステップにて、前記温度・径特性に基づいて、前記穴部内径測定ステップにて測定した前記焼き嵌め対象の第1部材の穴部の内径が、前記加熱手段を用いて加熱することで、前記軸部外径測定ステップにて測定した前記焼き嵌め対象の前記第2部材の軸部の外径よりも所定量だけ大きくなる目標温度と、室温と、の差である固有温度上昇幅を求め、前記加熱時間・温度特性に基づいて、前記穴部内径測定ステップにて穴部の内径を測定した前記焼き嵌め対象の第1部材を、室温から前記固有温度上昇幅だけ、前記加熱手段を用いて加熱するのに要する時間である前記固有加熱時間を算出する、焼き嵌め方法である。
従って、エネルギーと加熱時間及び冷却時間の無駄をより少なくして効率良く焼き嵌めを行うことができる。
●[焼き嵌め装置1の全体構成(図1)]
図1において、符号W1は穴部を有する第1部材であり、符号W2は軸部を有する第2部材である。なお図1の例では、第2部材W2の全体が軸部に相当している。また図1の例では、第1部材W1と第2部材W2は、それぞれ円筒状の部材であるが、それぞれを断面で示している。例えば、第1部材W1は、回転電機のハウジングであり、第2部材W2は、回転電機のステータである。
図1に示すように、焼き嵌め装置1は、内径測定装置10A、10B、外径測定装置20A、20B、加熱装置30A、冷却装置40A、制御装置50等にて構成されている。
また、符号K1、K2、K3、K4は各工程を示しており、符号K1は穴部内径測定工程、符号K2は軸部外径測定工程、符号K3は加熱工程、符号K4は冷却工程を示している。
そして内径測定装置10A、10Bは、制御装置50からの制御信号に基づいて、所定位置に載置された第1部材W1の穴部W1Aの内周面に向けてレーザ光を出射し、検出信号を制御装置50に出力する。
外径測定装置20A、20B(外径測定手段に相当)は、例えば、対象とする軸部の外周面までの距離を非接触にて測定可能なレーザ測定装置であり、軸部W2Aの外周面に対向する位置に配置されている。
そして外径測定装置20A、20Bは、制御装置50からの制御信号に基づいて、所定位置に載置された第2部材W2の軸部W2Aの外周面(この場合、第2部材W2そのものの外周面)に向けてレーザ光を出射し、検出信号を制御装置50に出力する。
冷却装置40A(冷却手段に相当)は、例えば、冷却ファンであり、制御装置50からの制御信号に基づいて、加熱された第1部材W1の穴部W1Aに第2部材W2の軸部W2Aが嵌め入れられた組立体(この場合、第1部材W1の穴部に第2部材W2の全体が嵌め入れられた組立体)を冷却する。
制御装置50(制御手段に相当)は、例えば、パーソナルコンピュータであり、内径測定装置10A、10B、外径測定装置20A、20Bからの検出信号を取り込み、加熱装置30A、冷却装置40Aに制御信号を出力する。
以下、焼き嵌め装置1の制御装置50を用いて、本発明の焼き嵌め方法を行う処理手順の具体的な例を説明する。
次に図2に示すフローチャートに従って、制御装置50の処理手順を説明する。
例えば制御装置50は、起動されるとステップS10にて焼き嵌め装置が設置されている室内の温度(図1において室内温度検出手段は図示省略している)を検出し、ステップS15に進む。
ステップS15にて制御装置50は、第1部材の穴部の内径の測定準備が完了しているか否かを判定し、測定準備が完了している場合(Yes)はステップS20に進み、測定準備が完了していない場合(No)はステップS10に戻る。
例えば図1において内径測定装置10A、10Bの近傍には、第1部材W1が所定位置に載置されていることを検出する検出手段、あるいは作業者が第1部材W1を所定位置に載置した後で操作する測定実行ボタン、等が設けられており、制御装置50は、前記検出手段からの検出信号、あるいは前記測定実行ボタンからの信号等に基づいて、測定準備が完了したか否かを判定する。
ステップS20に進んだ場合、制御装置50は、内径測定装置10A、10Bに制御信号を出力し、内径測定装置10A、10Bからの検出信号を取り込んで、第1部材の穴部の内径を測定し、ステップS25に進む。
なおステップS20が、室温における第1部材の穴部の内径を第1部材毎に測定する、穴部内径測定ステップに相当する。
例えば図1において外径測定装置20A、20Bの近傍には、第2部材W2が所定位置に載置されていることを検出する検出手段、あるいは作業者が第2部材W2を所定位置に載置した後で操作する測定実行ボタン、等が設けられており、制御装置50は、前記検出手段からの検出信号、あるいは前記測定実行ボタンからの信号等に基づいて、測定準備が完了したか否かを判定する。
ステップS30に進んだ場合、制御装置50は、外径測定装置20A、20Bに制御信号を出力し、外径測定装置20A、20Bからの検出信号を取り込んで、第2部材の軸部の外径を測定し、ステップS35に進む。
なおステップS30が、室温における第2部材の軸部の外径を第2部材毎に測定する、軸部外径測定ステップに相当する。
また、締め代の値が、所定未満の場合は、締め代が不足している旨を示す表示を行って処理を停止するようにしても良い。
なお、温度・径特性は、図3に示すような特性であり、温度に応じた第1部材の穴部の内径の膨張特性を示している。第1部材の内径は、個体毎に異なっており、所定のバラツキ範囲WH内において、バラツキ範囲WH内の上限となる特性GHmaxと、バラツキ範囲WH内の下限となる特性GHminとの間で、種々の特性GH(n)がある。記憶手段には、この特性GHmax、特性GHminを含む特性GH(n)が記憶されていてもよいし、傾きΔV/ΔDが記憶されていてもよい。
そして制御装置50は、室温D0上において、ステップS20にて測定した第1部材の穴部の内径の寸法(VH1)に対応する位置P1を特定し、当該位置P1を通る温度・径特性である特性GH(1)を特定する。なお、傾きΔV/ΔDを記憶している場合は、位置P1を通る傾きΔV/ΔDの直線を求め、求めた直線を特性GH(1)とすればよい。
次に制御装置50は、室温D0上において、ステップS30にて測定した第2部材の軸部の外径の寸法(VS1)に対応する位置P2を特定する。なお、符号WSは、軸部の外径のバラツキ範囲を示しており、VSmaxはバラツキ範囲WS内における軸部の外径の最大値を示し、VSminはバラツキ範囲WS内における軸部の外径の最小値を示している。なお、図5におけるSS(=VS1−VH1)が、締め代となる。
次に制御装置50は、室温D0上において、位置P2から所定スキマ代ΔRだけ大きな径となる位置P2´を特定する。軸部の外径の寸法がVS1であるので、穴部の内径の寸法をVS1よりもやや大きなVS1+ΔRまで膨張させる必要がある。
そして制御装置50は、位置P2´を通り横軸に平行な直線L1と、特性GH(1)との交点である位置P3を求め、位置P3に対応する温度D1と、室温D0との温度差を求める。この求めた温度差が、固有温度上昇幅WD1である。なお温度D1は、その第1部材と、その第2部材との組み合わせにおける第1部材の加熱後の目標温度である。
なお、加熱時間・温度特性は、図4に示すような特性であり、加熱時間に応じた第1部材の温度の上昇特性を示している。第1部材の内径の寸法は個体毎に異なっているが、加熱時間に応じた温度上昇は、異なる個体であってもほぼ同じであり、特性GFを示す。記憶手段には、この特性GFが記憶されていてもよいし、傾きΔD/ΔTが記憶されていてもよい。
次に制御装置50は、室温D0から、ステップS40にて求めた固有温度上昇幅WD1だけ高い温度D1の位置を特定し、温度D1を通り横軸に平行な直線M2と特性GFとの交点である位置P12を求める。
そして制御装置50は、位置P12に対応する加熱時間T1と、位置P11に対応する加熱時間T0との差から、固有加熱時間WT1を求める。
なお、ステップS40とステップS45が、ステップS20にて測定した第1部材の穴部の内径の寸法と、ステップS30にて測定した第2部材の軸部の外径の寸法と、温度・径特性と、加熱時間・温度特性と、に基づいて、第1部材と第2部材との組み合わせに固有となる固有加熱時間を算出する、固有加熱時間算出ステップに相当する。
例えば図1において加熱装置30Aの近傍には、加熱装置30Aの収容空間30B内に第1部材W1が収容されていることを検出する検出手段、あるいは作業者が第1部材W1を収容空間30B内に収容した後で操作する加熱実行ボタン、等が設けられており、制御装置50は、前記検出手段からの検出信号、あるいは前記加熱実行ボタンからの信号等に基づいて、加熱準備が完了したか否かを判定する。
ステップS55に進んだ場合、制御装置50は、ステップS45にて求めた固有加熱時間WT1にて、加熱装置30Aを用いて第1部材W1を加熱する。
なおステップS55が、ステップS45にて求めた固有加熱時間にて第1部材を加熱する、加熱ステップに相当する。
そしてステップS65にて制御装置50は、作成した組立体の冷却準備が完了しているか否かを判定し、冷却準備が完了している場合(Yes)はステップS70に進み、冷却準備が完了していない場合(No)はステップS65に戻る。
ステップS70に進んだ場合、制御装置50は、冷却装置40Aを制御して組立体を冷却する。
なおステップS70が、組立体を冷却する、冷却ステップに相当する。
例えば冷却終了条件は、所定時間経過後、あるいは第1部材(または組立体)の温度が「室温+所定温度」以下に達した場合、等である。
ステップS80に進んだ場合、制御装置50は、次のワーク(第1部材及び第2部材)が有るか否かを判定し、有る場合(Yes、次の焼き嵌めを行う場合)はステップS10に戻り、無い場合(No)は処理を終了する。
次に、従来の焼き嵌め方法では第1部材の加熱時間がどの程度に設定されているか、について説明する。
従来では、個々の第1部材、個々の第2部材、との組み合わせにおいて、最も長い加熱時間となる組み合わせを想定し、この最も長い加熱時間にて加熱することで、いかなるバラツキ範囲内の組み合わせであっても、第1部材の穴部に第2部材の軸部を嵌め入れることができるようにしている。また室温を常に検出しておらず、想定される室温のバラツキ範囲内において最も低い室温(図7及び図8中の室温DZ0(固定))を使用しており、いかなる室温であっても、第1部材の穴部に第2部材の軸部を嵌め入れることができるようにしている。
この組み合わせの場合、図7に示す温度・径特性において、(固定)室温DZ0では、第1部材の穴部の内径の寸法はVHmin(位置PZ1における径)であり、第2部材の軸部の外径の寸法はVSmax(位置PZ2における径)である。そして、加熱後の穴部の内径の目標径は、VSmax+ΔR(所定スキマ代)であり、この位置を位置PZ2´とする。
そして、位置PZ2´を通る横軸と平行な直線LZ1と、特性GHminとの交点である位置PZ3を求め、位置PZ3の温度DZ1を求める。(固定)室温DZ0と温度DZ1との温度差が、(従来)温度上昇幅WDZ1となる。なお、図7中における温度(D0)、(D1)は、図5に示した(本願の)温度(D0)、(D1)の位置を参考として示している。
そして、位置PZ12に対応する加熱時間TZ1と、位置PZ11に対応する加熱時間TZ0との差から、(従来)加熱時間WTZ1を求める。なお図8中における温度(D0)、(D1)は、図5に示した(本願の)温度(D0)、(D1)の位置を参考として示しており、加熱時間(T0)、(T1)は、図6に示した(本願の)加熱時間(T0)、(T1)の位置を参考として示している。
なお、図7及び図8を用いて説明した従来の焼き嵌め方法では、(固定)室温DZ0、温度DZ1、(従来)温度上昇幅WDZ1、加熱時間TZ0、加熱時間TZ1、(従来)加熱時間WTZ1、が全て固定の値となっている。
なお、図5及び図6を用いて説明した本実施の形態の焼き嵌め方法では、室温D0、温度D1、固有温度上昇幅WD1、加熱時間T0、加熱時間T1、固有加熱時間WT1、が全て変動する値であり、その時点の室温及び第1部材と第2部材の組み合わせ毎に、最適な値へと変動する。
また図1に示すように、穴部に軸部を嵌合させる嵌合部における穴部を有する第1部材W1の穴部W1Aの内径を測定する内径測定手段(内径測定装置10A、10B)と、嵌合部における軸部を有する第2部材W2の軸部W2Aの外径を測定する外径測定手段(外径測定装置20A、20B)と、第1部材W1を加熱する加熱手段(加熱装置30A)と、加熱した第1部材W1の穴部に第2部材W2の軸部を嵌め入れた組立体を冷却する冷却手段(冷却装置40A)と、内径測定手段と外径測定手段からの検出信号を取り込み、加熱手段と冷却手段とを制御する制御手段(制御装置50)と、を有し、上記に説明した焼き嵌め方法を用いて、第1部材W1の穴部W1Aに、第2部材W2の軸部W2Aを焼き嵌めする焼き嵌め装置1を実現することも容易である。
また室温D0を基準として固有温度上昇幅WD1、固有加熱時間WT1を求めるので、焼き嵌めを行う現場の国や地域や季節等に関係無く、その時点の現場で最適な固有加熱時間を求めることができる。
また、第1部材と第2部材との組み合わせ毎に最適な固有加熱時間を設定するので、焼き嵌めした第1部材及び第2部材である組立体の品質のバラツキを低減することができる。
例えば、内径測定装置や外径測定装置はレーザ測定装置でなくてもよいし、加熱装置は高周波コイルを備えていない加熱装置であってもよい。
また本実施の形態の説明では、第1部材として回転電機のハウジング、第2部材として回転電機のステータ、を用いた焼き嵌めを例として説明したが、第1部材及び第2部材は、これらに限定されるものではない。
また温度・径特性、及び加熱時間・温度特性は、本実施の形態にて説明した特性に限定されるものではない。
10A、10B 内径測定装置(内径測定手段)
20A、20B 外径測定装置(外径測定手段)
30A 加熱装置(加熱手段)
30C 高周波コイル
40A 冷却装置(冷却手段)
50 制御装置(制御手段)
W1 第1部材
W1A 穴部
W2 第2部材
W2A 軸部
WD1 固有温度上昇幅
WT1 固有加熱時間
Claims (2)
- 穴部に軸部を嵌合させる嵌合部における前記穴部を有する第1部材と、
前記嵌合部における前記軸部を有する第2部材、あるいは全体が前記軸部である第2部材と、の焼き嵌め方法において、
前記第1部材を加熱する加熱手段と、制御手段と、を有する焼き嵌め装置を用い、
前記制御手段にて、室温における前記第1部材の前記穴部の内径を前記第1部材毎に測定する、穴部内径測定ステップと、
前記制御手段にて、室温における前記第2部材の前記軸部の外径を前記第2部材毎に測定する、軸部外径測定ステップと、
前記制御手段にて、前記穴部内径測定ステップにて測定した焼き嵌め対象の第1部材の穴部の内径と、前記軸部外径測定ステップにて測定した焼き嵌め対象の第2部材の軸部の外径と、に基づいて前記焼き嵌め対象の第1部材と前記焼き嵌め対象の第2部材との組み合わせに固有となる固有加熱時間を算出する、固有加熱時間算出ステップと、
前記制御手段にて、前記固有加熱時間算出ステップにて算出した前記固有加熱時間にて前記焼き嵌め対象の第1部材を前記加熱手段を用いて加熱する、加熱ステップと、
前記制御手段にて、前記加熱手段を用いて加熱した前記焼き嵌め対象の第1部材の穴部に前記焼き嵌め対象の第2部材の軸部を嵌め入れた組立体を冷却する、冷却ステップと、を有し、
前記制御手段は、
温度に応じた前記第1部材の穴部の内径の膨張特性を示す温度・径特性と、前記加熱手段を用いて加熱する時間である加熱時間に応じた前記第1部材の温度の上昇特性を示す加熱時間・温度特性と、を記憶しており、
前記固有加熱時間算出ステップにて、前記温度・径特性に基づいて、前記穴部内径測定ステップにて測定した前記焼き嵌め対象の第1部材の穴部の内径が、前記加熱手段を用いて加熱することで、前記軸部外径測定ステップにて測定した前記焼き嵌め対象の前記第2部材の軸部の外径よりも所定量だけ大きくなる目標温度と、室温と、の差である固有温度上昇幅を求め、
前記加熱時間・温度特性に基づいて、前記穴部内径測定ステップにて穴部の内径を測定した前記焼き嵌め対象の第1部材を、室温から前記固有温度上昇幅だけ、前記加熱手段を用いて加熱するのに要する時間である前記固有加熱時間を算出する、
焼き嵌め方法。 - 請求項1に記載の焼き嵌め方法を用いて、前記第1部材の前記穴部に、前記第2部材の前記軸部を焼き嵌めする焼き嵌め装置であって、
穴部に軸部を嵌合させる嵌合部における前記穴部を有する第1部材の前記穴部の内周面に向けてレーザ光を出射して前記穴部の内径を測定する内径測定手段と、
前記嵌合部における前記軸部を有する第2部材の前記軸部の外周面に向けてレーザ光を出射して前記軸部の外径を測定する外径測定手段と、
前記第1部材を高周波コイルにより誘導加熱する前記加熱手段と、
加熱した前記第1部材の前記穴部に前記第2部材の前記軸部を嵌め入れた組立体を冷却ファンにより冷却する冷却手段と、
前記内径測定手段と前記外径測定手段からの検出信号を取り込み、前記加熱手段と前記冷却手段とを制御する前記制御手段と、を有する、
焼き嵌め装置。
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