JP4358592B2 - 工作機械および自動工具交換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械を運転中に工具をホルダに自動的に取り付けて自動工具交換装置に供給することができる自動工具取付装置を備えた工作機械に関する。また、工具をホルダに自動的に取り付けて自動工具交換装置に供給しながら工具を交換する自動工具交換方法に関する。
切削、研削、研磨、あるいは穴あけなど、スピンドルに装着したエンドミルやドリルなどの工具を回転させて金属材料でなる被加工物を加工する工作機械が知られている。このような工作機械の多くは、コンピュータ数値制御装置が設けられている。コンピュータ数値制御装置を備えた工作機械は、長時間の自動運転を可能にしている。
この種の工作機械では、工具を10,000rpm/minないし40,000rpm/minあるいはそれ以上の高速で回転させる。高速で回転する工具で直彫り加工や長時間連続で高精度の加工を行なうときは、工具が摩耗することによる加工精度の低下が生じる。そのため、ある程度の時間加工をした後は、新しい工具に交換することが要求される。また、マシニングセンタのように、何種類かの加工を選択的にあるいは複合的に行なうことのできる工作機械は、工具の摩耗に関わらず、工具を使い分けるためにそれぞれの加工に適合する工具に交換する必要がある。そのため、工作機械を自動運転していくつかの加工を連続で実施する場合は、自動工具交換装置(ATC, Automatically Tool Changer)と自動パレット交換装置(APC, Automatically Pallet Changer)が設けられる。
自動工具交換は、少なくとも、工具の交換を短時間で行なうこと、要求される取付精度を満足すること、および取付強度が加工の負荷と回転の負荷に耐えることが要求される。そのため、工具を直接スピンドルに取り付けずに、工具が取り付けられたホルダをスピンドルに装着する構成が多く採用されている。しかしながら、工具を高速で回転させると、工具やホルダの種類によるが、ある回転数を超えたところから急激にバランスが悪くなる。最近は、100,000rpm/min以上の回転数で工具を回転する工作機械があり、その需要も年々高まってきている。このような“超高速”の回転数で工具を回転させる工作機械においては、十分に対応できなくなってきている。
工具を焼嵌めによってホルダに取り付ける、いわゆる焼嵌め方式の工具取付方法は、従来からよく知られていた工具取付方法の1つである。しかしながら、焼嵌めによって工具をホルダに取り付ける場合、焼嵌め式ホルダを加熱して工具をホルダに取付可能にするために要する時間およびホルダを冷却して工具をホルダに固定取付するために要する時間を必要としている。特に、ホルダの熱が加工ヘッドの変位に影響することから、ホルダは十分に冷却しておかなければならず、ホルダの冷却に多くの時間がかかる。そのため、焼嵌め方式の工具取付方法は、採用が見送られることが多かった。ところが、工具の回転数の高速化が進む中、焼嵌め方式の工具取付方法は、高速回転領域においてダイナミックバランスに優れていることから、焼嵌め方式の工具取付方法が見直されるようになってきている。
このようなことから、例えば、特許文献1に示されるように、比較的加熱に要する時間が短くホルダを局所的に加熱できる高周波加熱方式が提案されている。また、特許文献2は、焼嵌め方式の工具取付方法において、より短時間にホルダを冷却できる手段を開示しており、焼嵌め方式における工具をホルダに取り付ける時間の短縮化を図っている。ただし、現状では、ホルダを冷却する時間を含めて工具を確実に取り付けるまでの時間は、平均的なサイズのステンレス製の焼嵌めホルダで1分程度の時間が必要とされる。
ところで、最近は、長時間の自動運転、特に休日に工作機械を無人運転して稼働率を向上させることが要求されている。1〜2日間以上、例えば、土曜日と日曜日に無人運転して加工を連続的に行なうためには、金曜日の夜間と月曜日の朝を含めて、望ましくは72時間以上の無人運転ができなければならないことになる。そのため、工具の摩耗が大きい加工や異種工具を使い分けて行なう加工のようなケースでは、100本〜300本の工具を自動工具交換装置に装填しておかなければならない。工具を自動で交換するために準備しておかなければならない工具の本数が多数であるときは、相当長い段取り時間が要求される。単純に計算すれば、1人の作業者が工具をホルダに取り付ける作業だけで丸一日費やしている。このようなことから、作業者の負担の軽減と作業効率の向上が望まれている。
作業者の負担を軽減することができる方法として、工具をホルダに取り付ける工程を自動にすることが考えられる。しかしながら、一般に、工具をホルダに取り付けるときは、取付精度をよくするために調整する必要があり、ある程度の熟練度が要求される。このことが、工具をホルダに取り付ける工程を自動化することを難しくしていた。ところが、焼嵌め方式の工具取付方法は、取付時の調整を不要にできるという利点を有している。したがって、焼嵌め方式の工具取付方法によれば、比較的容易に工具をホルダに取り付ける工程を自動化できる可能性がある。
もともと、焼嵌め方式の工具取付方法は、工具を直接スピンドルに取り付ける方式と工具を焼嵌め式ホルダに取り付けてホルダは従来どおりにスピンドルに装着する方式がある。直接工具を自動でスピンドルに取り付ければ、工具をホルダに取り付けておく作業そのものが不要であるはずである。しかしながら、焼嵌めによって工具を取り付ける時間は、現状、分単位の時間を必要としている。自動工具交換はせいぜい十数秒程度で行なわれているから、工具交換を行なう時間としては長くかかりすぎる。また、スピンドルの近くで加熱を行なうと、熱がスピンドルに伝達して加工ヘッドに熱変位が生じ、加工精度が低下する。このようなことから、現状では、直接的に焼嵌めによって工具をスピンドルに取り付ける方式は採用しがたい。
特開2003−25158号公報 実公平7−46404号公報
このように、長時間の無人運転を行なう場合、事前に工具をホルダに取り付けておく工程を必要としている。仮に工具をホルダに取り付ける工程を自動で行えるようにしたとしても、工具を取り付けたホルダを自動工具交換装置に装填する作業は必要であるし、多数の工具をホルダに取り付けるための時間は必要である。したがって、依然として、作業者の負担の軽減と作業効率の向上が望まれている。しかも、焼嵌め方式の工具取付方法であるかどうかに関わらず、自動工具交換装置に100本以上のホルダを装填しておかなければならないとすると、自動工具交換装置が大型化し、相当大きなスペースが要求される。また、100個以上の高精度の焼嵌め式ホルダが要求されることから、ホルダにかかる費用が意外と高くなり、長時間の無人加工の実現によるコストの低減の効果が減衰される。したがって、望ましくは、要求されるスペースを小さくし、ホルダの数を少なくすることが期待されている。
本発明は、工作機械の本機の運転中にホルダに工具を取り付けて自動工具交換装置に工具を供給することができ、長時間の無人運転ができるとともに作業効率を向上させることができる自動工具取付装置を備えた工作機械および自動工具交換方法を提供することを目的とする。その他、本発明の自動工具取付装置を備えた工作機械および自動工具交換方法におけるいくつかの利点は、発明をより具体的に説明するときに、その都度説明される。
上記課題を解決するために、本発明の工作機械は、工具(15)をホルダ(16)に焼嵌めして取り付ける焼嵌め装置(6)と、複数の工具(15)を準備しておく工具保管手段(7)と、工具(15)が取り付けられているかどうかに関わらず工具保管手段(7)に準備される工具(15)の数よりも少なく自動工具交換装置(2)に装填できる数以上の複数のホルダ(16)を保管可能な複数のホルダ(16)を準備しておくホルダ保管手段(8)と、工具保管手段(7)から所要の工具(15)を取り出して焼嵌め装置(6)に搬送し使用済の工具(15)を焼嵌め装置(6)から工具保管手段(7)に搬送する工具搬送装置(10)と、ホルダ保管手段(8)から所要の工具(15)に適する工具(15)が取り付けられていないホルダ(16)を選択的に取り出して焼嵌め装置(6)に搬送し工具(15)が取り付けられているかどうかに関わらずホルダ(16)を焼嵌め装置(6)からホルダ保管手段(8)のホルダ(16)が元にあった位置に搬送し使用済の工具(15)を取り付けたホルダ(16)を自動工具交換装置(2)から焼嵌め装置(6)に搬送しかつ所要の工具(15)を取り付けたホルダ(16)をホルダ保管手段(8)から自動工具交換装置(2)に搬送するホルダ搬送装置(11)と、を含む自動工具取付装置(4)を備え、工作機械の本機(1)運転中に使用される順番に所要の工具(15)その工具(15)に適するホルダ(16)に組み合わせて取り付けさせて所要の工具(15)を取り付けたホルダ(16)をホルダ保管手段(8)のホルダ(16)が元にあった位置に搬送させ続けるとともに自動工具交換装置(2)において使用済の工具(15)を取り付けたホルダ(16)が受け渡しできる位置に戻ってきたときに使用済の工具(15)を取り付けたホルダを自動工具交換装置(2)から焼嵌め装置(6)に搬送させて回収し使用済の工具(15)を取り付けたホルダ(16)から使用済の工具(15)を取り外させて取り外された工具(15)を工具保管手段(7)に搬送させかつ所要の工具(15)を取り付けたホルダ(16)を使用される順番にホルダ保管手段(8)から自動工具交換装置(2)に供給されるように自動工具取付装置(4)を制御する制御装置(14)を設けた構成とする。
好ましくは、制御装置(14)が、所要の工具(15)を工具保管手段(7)から取り出して焼嵌め装置(6)に搬送させるとともに所要の工具(15)に適するホルダ(16)をホルダ保管手段(8)から選択的に取り出して焼嵌め装置(6)に搬送させ、ホルダ(16)を予め定められた時間加熱させてから所要の工具(15)をホルダ(16)に挿入させて所要の工具(15)をホルダ(16)に取り付けた後、所要の工具(15)を取り付けたホルダ(16)をホルダ保管手段(8)に搬送させ、その後、ホルダ保管手段(8)にある所要の工具(15)を取り付けたホルダ(16)を使用される順番に自動工具交換装置(2)に供給するように自動工具取付装置(4)を制御する構成とする。
また、制御装置(14)が、自動工具交換装置(2)から使用済の工具(15)を取り付けたホルダ(16)を焼嵌め装置(6)に搬送させ、ホルダ(16)を予め定められた時間加熱させてから使用済の工具(15)をホルダ(16)から取り外して工具保管手段(7)に搬送するように自動工具取付装置(4)を制御する構成とする。
また、好ましくは、制御装置(14)が、工具保管手段(7)の工具保管部(40)およびホルダ保管手段(8)のホルダ保管部(42)のそれぞれに与えられた位置情報とその位置情報に対応する工具保管部(40)に保管される工具(15)の工具情報およびホルダ保管部(42)に保管されるホルダ(16)のホルダ情報を含む識別情報を設定する設定手段を設ける。
本発明の自動工具交換方法は、焼嵌めによって工具をホルダに取り付けて工具を取り付けたホルダを自動工具交換装置に供給する工作機械における自動工具供給方法であって、工具保管手段(7)に準備されている複数の工具の中から所要の工具(15)を焼嵌め装置(6)に搬送する第1工程と、工具(15)が取り付けられているかどうかに関わらず工具保管手段(7)に準備される工具(15)の数よりも少なく自動工具交換装置(2)に装填できる数以上の複数のホルダ(16)を保管可能なホルダ保管手段(8)に準備されている複数のホルダの中から所要の工具(15)に適するホルダ(16)を選択的に取り出して焼嵌め装置(6)に搬送する第2工程と、焼嵌め装置(6)でホルダ(16)を加熱してホルダ(16)に所要の工具(15)を取り付ける第3工程と、所要の工具(15)が取り付けられたホルダ(16)をホルダ保管手段(8)のホルダ(16)が元にあった位置に戻す第4工程と、第1工程から第4工程を繰り返して予め設定されている必要な数のホルダ(16)に工具(15)を取り付けた後に所要の工具(15)が取り付けられたホルダ(16)を使用される順番に従ってホルダ保管手段(8)から自動工具交換装置(2)に供給する第5工程と、工作機械の本機(1)を運転中に工具保管手段(7)に工具(15)がなくなるまで第1工程から第4工程までを繰り返す第6工程と、前記自動工具交換装置において前記ホルダが受け渡しできる位置に空きがあるときは使用される順番に従ってホルダ保管手段(8)に準備されている所要の工具(15)が取り付けられたホルダ(16)をホルダ保管手段(8)から自動工具交換装置(2)に搬送して装填する第7工程と、自動工具交換装置(2)において使用済の工具(15)が取り付けられたホルダ(16)が受け渡しできる位置に戻ってきたときに使用済の工具(15)が取り付けられたホルダ(16)を自動工具交換装置(2)から焼嵌め装置(6)に搬送して回収する第8工程と、焼嵌め装置(6)で回収したホルダ(16)を加熱膨張させて使用済の工具(15)を取り外し工具保管手段(7)に搬送する第9工程と、第6工程から第9工程までを繰り返す第10工程と、を含んでなる。
好ましくは、第9工程において使用済の工具(15)を取り外したホルダが次の未使用の工具(15)に適合するかどうかを判別し、使用済の工具(15)を取り外したホルダ(16)が次の未使用の工具(15)に適する場合は第1工程後に第2工程と第3工程を行なわずに使用済の工具(15)を取り外したホルダ(16)に次の未使用の工具(15)を取り付けて第4工程を行なった後第10工程を行ない、使用済の工具(15)を取り外したホルダ(16)が次の未使用の工具(15)に適さないときは使用済の工具(15)を取り外したホルダ(16)をホルダ保管手段(8)のホルダ(16)が元にあった位置に搬送するとともに第10工程を行なうことを特徴とする。なお、上記符号は、便宜上付されたものであり、本発明を図面に示された実施の形態の構成に限定するものではない。
本発明の工作機械は、焼嵌めによって工具を焼嵌め式ホルダに取り付ける構成であるから、工具をホルダに取り付けるときの取付精度の調整が不要である。そして、工作機械の本機が運転している間、例えば、被加工物を加工している間に、所要の工具をその工具に合うホルダと組み合わせて取り付け、自動工具交換装置に新しい工具が取り付けられたホルダを使用される順番に供給する制御装置が設けられている。したがって、工作機械の本機の運転中に、新しい工具を取り付けたホルダを自動工具交換装置に順次自動で供給することができる。その結果、作業者が事前に工具をホルダに取り付けて自動工具交換装置に装填しておく作業をなくし、作業者の負担が軽減される。また、事前に自動工具交換装置に装填しておかなければならない工具を取り付けたホルダの数を減らして段取り時間を短縮することができ、作業効率が大幅に向上するという効果を奏する。
本発明の工作機械は、制御装置が、焼嵌めによって加熱されたホルダをホルダ保管手段に戻してから、使用される順番に自動工具交換装置に搬送するように自動工具取付装置を制御する。したがって、加熱されたホルダがホルダ保管手段で十分冷却されてから自動工具交換装置に搬送されるから、加熱されたホルダによって工作機械の本機が熱変位の影響を受けることが防止される。しかも、工作機械の本機の運転の状態に合わせて使用される順番で所要の工具を取り付けたホルダを自動工具交換装置に供給することができる。
本発明の工作機械は、工作機械の本機が稼働している間に加工で使用された使用済の工具を取り付けたホルダを回収するので、工作機械の本機に取り付けられている自動工具交換装置のポットの数を減らすことができる。そのため、自動工具交換装置のマガジンを小さくして自動工具交換装置をコンパクトにすることができる。その結果、無人運転で使用する工具の数に対して工作機械の本機のサイズと設置面積が小さくできる効果を奏する。また、本発明の工作機械は、ホルダから使用済の工具を取り外すから、ホルダを再使用可能な状態にすることができる。そのため、工具の数に対するホルダの数を減らすことができる。その結果、ホルダに要する費用を削減できるとともに、自動工具取付装置のホルダスタンドを小さくしてコンパクトにするという効果を奏する。
本発明の工作機械は、制御装置が複数の工具が使用される順番、各工具に適するホルダ、各工具およびホルダが準備されている工具保管手段とホルダ保管手段の位置を識別することができる。そのため、工具のサイズと使用する順番が違ってしまう加工毎に工具保管手段を取り替える必要がなく、工具保管手段の製作の負担を少なくすることができる。その結果、作業効率が向上するという効果を奏する。また、複数の工具に対してホルダを共用させることを可能とし、使用する工具の本数に対して必要なホルダの数を減らすことができる。その結果、ホルダに要する費用が軽減する効果を奏するとともに、ホルダ保管手段をより小さくして自動工具取付装置をコンパクトになるという効果を奏する。
本発明の工具交換方法は、工具保管手段に無人運転による加工に必要な本数の工具が準備され、所要の工具とそれに合うホルダを選択的に取り出して焼嵌めによって工具をホルダに取り付ける。そして、工作機械の本機の運転中に順次新しい工具を取り付けたホルダを準備して自動工具交換装置に供給するから、加工とホルダへの工具の取付けが並行して行なわれる。したがって、作業者が事前にホルダに工具を取り付けておく必要がない。また、工具を取り付ける時間中に加工が中断することがない。その結果、焼嵌め式ホルダを使用して長時間の無人運転を可能にし、作業者の負担が軽減され、かつ作業効率を向上させる優れた効果を奏する。
本発明の工具交換方法は、使用済の工具が取り付けられたホルダを回収する工程を含んでなる。したがって、新しい工具を取り付けたホルダを自動工具交換装置に供給されながら、順次使用済の工具が取り付けられたホルダを回収する。その結果、必要な工具の数に対して自動工具交換装置を小さくすることができ、無人運転をより行ないやすくする効果を奏する。
本発明の工具交換方法は、回収したホルダから使用済の工具を取り外して工具保管手段に搬送してそこから新しい工具を取り出して、そのまま工具を取り外したホルダに取り付けるか、そのホルダが新しい工具に適さないときは、ホルダ保管手段からその工具に適するホルダを選択的に取り出して加熱して工具を取り付けるようにする。したがって、可能な限り回収してきたホルダを直ぐに新しい工具を取り付けて再使用するので、工具の数に対するホルダの数を減らしてホルダに要する費用を軽減するとともに、工具を取り付ける工程をより短縮して作業効率を向上させる効果を奏する。
図1に、本発明の工作機械の概略構成が示される。図1に示される数値制御工作機械は、縦型マシニングセンタの本機1の右側上部に自動工具交換装置2を備え、本機1の左側に自動パレット交換装置3を備える。自動工具取付装置4は、自動工具交換装置2のマガジン5のポット20に隣接するように設置される。実施の形態のマガジン5は、16個のポット20を備えている。本機1の構造は、自動工具交換装置2と自動工具取付装置4との間でホルダを受け渡しできる構成である限り限定されない。
図2および図3に、工作機械の自動工具取付装置の具体的な実施の形態が示される。また、図4に、工具と焼嵌め式ホルダの構成の一例が示される。自動工具取付装置4は、焼嵌め装置6と、工具保管手段である工具パレット7と、ホルダ保管手段であるホルダスタンド8と、工具搬送装置10と、ホルダ搬送装置11と、挿脱装置12と、ホルダ装着装置13と、制御装置14とを含んでなる。なお、モータ、ボールねじ、エアシリンダなどのアクチュエータ、エンコーダ、制御線や配線については、具体的な説明および図示省略している。工具15は、所望の加工に適する材質と形状を有する。ホルダ16は、ステンレスやオーステナイト鋼のような工具15に対して熱膨張率の高い材料で形成された焼嵌め式ホルダである。
焼嵌め装置6は、焼嵌め式ホルダ16を加熱する加熱手段30を有する。焼嵌め装置6は、加熱手段30によって工具15をホルダ16に焼嵌めして取り付ける。加熱手段30は、ホルダ16を加熱して膨張させることによって、図4に示されるようなホルダ16の工具取付穴22を大きくして工具15が挿入できる状態にする。加熱手段30は、ヒータやバーナが利用される。実施の形態の加熱手段30は、加熱コイル32と高周波電源34とからなる高周波誘導加熱装置である。高周波電源34は、円環状に形成された加熱コイル32から離れた位置にあり、図示しないリード線を通して加熱コイル32に高周波誘導電流を供給する。
焼嵌め装置6の加熱手段30は、制御装置14の指令に従って予め設定されている時間、高周波電源34をオンして、加熱コイル32に高周波誘導電流を供給する。加熱時間は、加熱手段30の加熱能力に依存する。実施の形態は、ホルダ16の外径や肉厚と無関係に、材質に応じて5秒〜30秒程度の間に設定している。加熱手段30は、ホルダ16の温度が約400℃程度になるまで加熱する。高周波誘導加熱によってホルダ16を局部加熱するので、工具15がホルダ16に比べて加熱されにくく、より短時間で工具15を取付可能な状態にする。
焼嵌め装置6の冷却手段44は、加圧された空気を供給するコンプレッサ、エアドライヤ、エアレギュレータ、複数の電磁弁、好ましくはクーラなどを含んでなるものであるが、図示省略されているとともに具体的な説明は省略される。冷却手段44は、ノズルからホルダ16にエアを噴射してホルダを冷却する。ホルダ冷却用の圧縮空気を噴出するノズルは、加熱コイル32の近傍に設けられる。冷却手段44は、好ましくは、1分以下の短時間でホルダ16の温度を50℃以下に冷却するように設計される。
工具保管手段である工具パレット7は、工具15を立てておく複数の工具保管穴40を有する。工具保管部である工具保管穴40は、それぞれ使用する工具15のシャンク径に合わせた穴径に形成される。工具パレット7に設けられる工具保管穴40の数と各工具保管穴40の穴径は、所望の加工の計画に基づき使用する工具に合うように任意に設計製作される。図5に示されるように、複数の工具15は、先端が上側になるように工具保管穴40に配置される。
図2に示される実施の形態は、工具パレット7に56個の工具保管穴40が穿設され、4つの工具パレット7が取り外し可能に設置されている。したがって、工具保管手段に最大224本の工具を準備しておくことができる。工具パレット7は、位置決め穴46を図示しない自動工具取付装置4の本体台上に立設された位置決めピンに嵌め合わせて据え置くことで、本体台上に位置決め設置される。実施の形態の工具パレット7は、4つの位置決め穴46が設けられている。
図2および図5に示されるように、ホルダ保管手段であるホルダスタンド8は、複数のホルダ16を嵌め込むためのボス42が配列されている。ホルダ保管部であるボス42に、図4に示されるホルダ16のボス挿入穴23を嵌め合わせて、ホルダ16を載置する。したがって、ホルダスタンド8は、ホルダ16に工具15が取り付けられているかどうかに関わらず、複数のホルダ16を保管することができる。
ホルダ16のボス挿入穴23は、図4に示されるように、工具15のシャンク径に対応する工具取付穴22の穴径や深さと関係なく同じサイズであるから、ホルダスタンド8は、使用する工具15の種類で異なるホルダ16を任意のボス42に準備しておくことができる。実施の形態のホルダ保管手段は、1つのホルダスタンド8に12個のボス42が設けられ、3つのホルダスタンド8が並設されている。したがって、ホルダ保管手段に最大36個のホルダ16を準備しておくことができる。このように、実施の形態の工作機械は、工具保管手段がポットの数よりも多い工具保管部を有し、ホルダ保管手段は工具保管部よりも少なくかつポットの数以上のホルダ保管部を有する構成である。
工具搬送装置10は、焼嵌め装置6と工具パレット7との間で工具15を搬送する。工具搬送装置10は、直動移動装置50と、ビーム52と、アーム54と、ハンド56を有する。直動移動装置50は、少なくとも、図示しないモータ、ボールねじ、エンコーダ、ガイドレールを含む。ビーム52は、直動移動装置50によって1軸方向に移動する。アーム54は、ビーム52に沿って図示しない移動手段により上記1軸方向と直交する1軸方向に移動する。また、アーム54は、鉛直方向に往復移動する。したがって、ハンド56は、制御装置14によって開閉制御されるとともに同時3軸方向に移動制御される。
工具搬送装置10が位置決めされる直動移動装置50、アーム54、ハンド56の移動位置は、図2に示される工具搬送装置10の位置を原点として、全て3軸方向の座標値で制御装置14に予め記憶されている。したがって、工具搬送装置10は、工具パレット7に準備されている工具15を焼嵌め装置6の待機位置36まで搬送することができ、待機位置36にある使用済の工具15を工具パレット7の工具保管穴40に搬送することができる。なお、任意で設計製作される工具パレット7の工具保管穴22で工具15を把持可能にする移動位置は、各工具保管穴22の座標値から換算して工具パレット7毎に設定し直されなければならない。
ホルダ搬送装置11は、焼嵌め装置6とホルダスタンド8との間および自動工具交換装置2と焼嵌め装置6またはホルダスタンド8との間で、ホルダ16を搬送する。具体的には、ホルダ搬送装置11は、ホルダスタンド8のホルダ16の1つを待機位置38に搬送することができる。また、ホルダ搬送装置11は、工具15が取り付けられているかどうかに関わらず、待機位置38にあるホルダ16をホルダスタンド8の元にあったボス42に搬送することができる。また、ホルダ搬送装置11は、後述するホルダ装着装置13を介在させて、自動工具交換装置2からホルダ16を待機位置38またはホルダスタンド8の元のあったボス42に搬送し、もしくは自動工具交換装置2へホルダ16を搬送することができる。
ホルダ搬送装置11は、直動移動装置60と、ビーム62と、アーム64と、ハンド66を有する。直動移動装置60は、少なくとも、図示しないモータ、ボールねじ、エンコーダ、ガイドレールを含む。ビーム62は、直動移動装置60によって1軸方向に移動する。アーム64は、ビーム62に沿って図示しない移動手段により上記1軸方向と直交する1軸方向に移動する。また、アーム64は、鉛直方向に往復移動する。ハンド66は、鉛直方向の1平面に沿って回転することができ、ホルダ16の上下を反転させることができる。なお、ハンド66を回転させるための構成は、従来から知られている直線運動を回転運動に変換する機構を適用することで達成され、詳細な説明は省略される。
ホルダ搬送装置11が位置決めされる直動移動装置60、アーム64、ハンド66の移動位置は、工具搬送装置10と同じように、図2に示されるホルダ搬送装置11の位置を原点として、全て3軸方向の座標値で制御装置14に初期設定されている。したがって、ホルダ搬送装置11は、制御装置14によって、ハンド66を開閉するとともに同時3軸方向に移動することができ、ホルダスタンド8から所要の工具15に適するホルダ16を選択的に取り出して焼嵌め装置6に搬送することができる。
挿脱装置12は、焼嵌め装置6における工具15とホルダ16の取付けのために設けられる。挿脱装置12は、熱膨張したホルダ16の隙間が小さい工具取付穴22に工具15を確実に挿入することを助ける。挿脱装置12は、加熱手段30による熱の影響を受けにくい。挿脱装置12は、焼嵌め装置6の待機位置36にある工具15と待機位置38にあるホルダ16とを相対向させて、加熱手段30によって加熱されたホルダ16に所定の工具15を挿入する。また、挿脱装置12は、使用済の工具15をホルダ16から取り外して焼嵌め装置6の待機位置36に工具15を戻すとともに、工具15が取り外されたホルダ16を待機位置38に戻す。ホルダ搬送装置11が、例えばロボット腕のように直接ホルダ16を加熱手段30に導入できる構成であるときは、挿脱手段12を必要とはしない。
挿脱装置12は、具体的には、焼嵌め装置6の中に設けられるホルダ導入手段70と工具導入手段80とでなる。ホルダ導入手段70は、焼嵌め装置6の加熱手段30と待機位置38との間を往復してホルダ16を移送し、加熱手段30の加熱位置にホルダ16を導入する。工具導入手段80は、焼嵌め装置6の加熱手段30と待機位置36との間を往復して工具15を移送する。工具導入手段80は、加熱されたホルダ16の中に工具15を自由落下させて挿入し、またはホルダ16から工具15を抜き出す。
ホルダ導入手段70は、図3に示されるように、昇降するボス72と、ボス72を待機位置38と加熱コイル32との間で往復移動させる移動体74とを含んでなる。ホルダ導入手段70は、ホルダ搬送装置11が待機位置38あるボス72にホルダ16を載置した後、ボス72ごとホルダ16を移動体74によって加熱コイル32の直下まで移動させる。そして、ホルダ導入手段70は、図4に示されるように、ボス72を上昇させて加熱コイル32の環内の加熱位置にホルダ16を挿入位置決めする。ホルダ導入手段70は、ホルダ16から使用済の工具15を取り外したときは、逆の動作によってホルダ16を待機位置38に戻す。
工具導入手段80は、図3に示されるように、少なくとも工具15を把持するハンド82と、ハンド82を待機位置36と加熱コイル32との間で往復移動させる移動体84と、図示しないハンド82を昇降させる手段を有する。ハンド82は、工具搬送装置10のハンド56から新しい工具15を受け取り、またはハンド56に加工に使用された使用済の工具15を渡す。工具導入手段80は、ホルダ導入手段70で加熱コイル32の中に導入されたホルダ16が加熱手段30によって十分加熱されてから、待機位置36にある工具15をホルダ16に対向配置するように加熱手段30の直上に移送する。そして、ハンド82を工具取付穴22の開口に下降させて開放し、工具15を自由落下させてホルダ16に挿入する。工具導入手段80は、ホルダ16から使用済の工具15を取り外すときは、逆の動作によって、加熱されているホルダ16から工具15を抜き取り、待機位置36に戻す。
ホルダ装着装置13は、マガジン5に隣接して配置される。ホルダ装着装置13は、工具15が取り付けられたホルダ16をホルダ搬送装置11から受け取って自動工具交換装置2に供給する。ホルダ装着装置13は、ホルダ16をフィンガ90に引っかけてアーム92を旋回させるとともにアーム92を延伸させてマガジン5のポット20にホルダ16を装填する。また、ホルダ装着装置13は、ポット20から使用済の工具15が取り付けられているホルダ16を受け取って、アーム92を旋回させてホルダ搬送装置11に受け渡しする。ホルダ装着装置13は、自動工具交換装置2と自動工具取付装置4との間のホルダ16の受け渡しを確実に行なうことを助ける。なお、ホルダ搬送装置11が、例えばロボット腕のように直接ホルダ16をポット20に装填できる構成であるときは、ホルダ装着装置13を必要とはしない。
制御装置14は、実施の形態は、数値制御装置である。したがって、実施の形態の制御装置14は、NCプログラムやその他の制御プログラムに基づくシーケンスに従って自動で工作機械の本機1を運転させ加工を制御することができる。また、制御装置14は、自動工具交換装置2、自動パレット交換装置3、自動工具取付装置4の動作を制御することができる。制御装置14は、工作機械の本機1を制御して運転させている間、所要の工具15がその工具15に適するホルダ16に組み合わされて取り付けられ使用される順番に自動工具交換装置2に供給されるように自動工具取付装置4を制御する。また、制御装置14は、工作機械の本機1を運転中に、使用済の工具15を取り付けたホルダ16を自動工具交換装置2から回収するように制御する。
制御装置14は、識別情報を設定する図示しない設定手段を有する。設定手段は、例えば、キーやスイッチなどの入力装置と、記憶装置と、表示装置からなり、構成装置は、他の手段と共有することができる。識別情報は、少なくとも、複数の工具保管穴40とボス42のそれぞれに与えられた位置情報とそれらの位置情報に対応するように与えられる工具情報およびホルダ情報とを含む。また、識別情報は、工具15の使用する順番(以下、工具スケジュールという)を含む。また、識別情報は、ホルダ16に取付済みの工具15と工具15がすでに取り付けられたホルダ16に与える「チェックデータ」を含む。チェックデータによって、制御装置14は、使用中の工具15とホルダ16とその現在の場所を認識することができる。各識別情報は、関連付けられて記憶装置に記憶される。
位置情報は、識別コードであり、例えば図5で示されるように、識別番号で与えられる。位置情報は、工具パレット7とホルダスタンド8の構成に合わせて設定される。制御装置14の表示装置は、工具保管穴40の配置を識別番号と一緒に表示することができる。工具情報は、工具パレット7にセットした工具15の種類、材質、径、長さ、シャンク長のような工具に関する情報である。ホルダ情報は、ホルダスタンド8にセットしたホルダ16の種類、外径のようなホルダに関する情報である。工具スケジュールは、数字を入力するだけで設定することができる。識別情報は、表形式で制御装置14の表示装置に表示させることができる。なお、識別情報の設定が正しく行なわれたかどうかを確認する機能は、適宜設けられ、具体的な説明は省略する。
制御装置14は、具体的には、工具パレット7にある複数の工具15の中から工具スケジュールに従いそのときに必要な工具15を取り出して焼嵌め装置に搬送させる。また、ホルダ情報に基づき所要の工具15に適するホルダ16をホルダスタンド8から選択的に取り出して焼嵌め装置6に搬送させる。工具15が取り付けられていない所要の工具15に適するホルダ16が複数あるときは、識別番号が小さいボス42に設置されているホルダ16を選択する。制御装置14は、焼嵌め装置6に搬送されたホルダ16を予め定められた時間加熱させてから所要の工具15をホルダ16に挿入させて取り付ける。制御装置14は、工具15を取り付けたホルダ16を一旦ホルダスタンド8に戻し、使用される順番に工具15を取り付けたホルダ16を順次自動工具交換装置2に供給する。
制御装置14は、回収された使用済の工具15を工具パレット7に戻すとき、識別情報で認識できる元に工具15が置いてあった工具保管穴40に工具15が戻されるように制御する。制御装置14は、予め作業者によって回収した使用済の工具を戻す工具保管穴40が識別番号で設定されている場合は、設定されている工具保管穴40に使用済の工具15が戻されるように制御する。また、制御装置14は、ホルダ16をホルダスタンド8に戻すとき、ホルダ16の状態に関わらず、識別番号で認識できる元にホルダ16が置いてあったボス42に戻すように制御する。
図6に、本発明の自動工具交換の制御プロセスの一例が示されている。以下、図6に基づいて自動工具交換方法の好ましい実施の形態を説明する。自動工具取付装置は、制御装置によって制御される。制御装置は、設置場所と形態は限定されない。例えば、制御装置を数値制御装置の中に設けることができる。また、自動工具取付装置の下側空きスペースに設置することができる。あるいは工作機械から遠く離れた位置にあるパーソナルコンピュータに設けることができる。また、複数の制御装置によって役割を分担して自動工具取付装置を制御するようにできる。
作業者は、工具パレット7とホルダスタンド8に、予め必要な工具15とホルダ16をセットしておく。ホルダ16は、複数の種類の工具15の全てに対応できる種類準備する。また、作業者は、自動パレット交換装置3に必要な被加工物をセットしておく。具体的に、以下の例では、112本の工具15と、32個のホルダ16と、16個の被加工物をセットする。同一の加工工程による同一の形状が要求され、1つの被加工物につき7本の工具を用いて1つの金型を製作し、16個の同一の形状の金型を製作するものとする。工具の種類は、7本中の2本を工具径がφ4mm、刃長4mm、シャンク径6mmの焼嵌め用ボールエンドミルとし、7本中の5本を工具径がφ0.4mm、刃長0.4mm、シャンク径4mmの焼嵌め用ボールエンドミルとする。そして、異なる種類の工具の割合に合わせて、φ4mm工具用の焼嵌め式ホルダが10個、φ0.4mm用の焼嵌め式ホルダが22個準備される。
次に、作業者は、制御装置14の設定手段を通して、工具情報とホルダ情報を識別番号に対応させて入力設定する。また、作業者は、加工計画に従って、工具スケジュールを番号で入力する。制御装置14の表示装置は、識別情報を工具スケジュールの順番に並び替えて表形式で表示する。作業者が工具スケジュールを入力設定しない場合は、初期設定として、工具スケジュールは識別番号順に設定される。したがって、工具パレット7が加工計画に合わせて設計製作しているものであるときは、工具スケジュールの入力作業が不要になる。一方、既存の工具パレット7を再利用したり、工具パレット7に汎用性をもたせているときは、工具パレット7の設計製作と制御装置14に多数の工具保管穴40に対する位置決めのための座標値を再設定する作業が不要になる。
無人運転を開始すると、制御装置14は、工作機械の本機1を運転して加工を開始する前に、ポット20に最初に加工前に準備しておかなければならない所要の工具15を各工具15に合うホルダ16に取り付ける。このとき、工具搬送装置10とホルダ搬送装置11は、図2に示される、作業者の作業の邪魔にならない初期の位置に配置されている。最初にポット20に装填しておくホルダ16の数は任意での数以上準備しておくことが好ましい。以下の例では、図1および図2に示される自あるが、加工を中断させるリスクを小さくするため、1つの加工で必要になる工具動工具交換装置2と自動工具取付装置4の構成から9個のホルダを自動工具交換装置2に供給し、さらに加工中に少なくとも1個ホルダスタンド8に置いておくことを考えて、加工前に工具15を取り付けておくホルダ16の数を11個として説明する。
制御装置14は、工具スケジュールに従って工具パレット7から所要の工具15を取り出して待機位置36まで搬送する(S3)。例えば、加工で使用する順番に合わせて識別番号順に工具パレット7に工具15が準備されているので、制御装置14は、最初に、工具搬送装置10によって識別番号01の工具保管穴401から工具151を取り出し、図7に示される位置に移動して、焼嵌め装置6の待機位置36にある工具導入手段80のハンド82に工具15を渡す。挿脱装置12は、ハンド82を閉じて待機位置36で工具151を把持しておく。
次に、制御装置14は、ホルダ搬送装置11に、ホルダスタンド8から工具15に合う適するホルダ16を焼嵌め装置6の待機位置38に搬送させ、挿脱装置12によって加熱コイル32の所定の加熱位置にそのホルダ16を配置する(S4)。必要な工具15に合う適するホルダ16とその保管場所のボス42は、設定されている識別情報で判別される。したがって、例えば、最初に必要な工具151に適するホルダ16は、ホルダ搬送装置11によってホルダスタンド8の図5に示されるような識別番号01のボス421から、図7に示されるように、ホルダ導入手段70のボス72の直上に搬送される。そして、ホルダ搬送装置11が初期の位置に戻る間に、制御装置14は、ホルダ161を待機位置38から加熱コイル32の中に導入して加熱位置に位置決めする。このとき、自動工具取付装置4が挿脱装置12がない構成の場合は、ホルダ搬送装置11によって、ホルダ16をホルダスタンド8から直接加熱コイル32に導入する。
次に、加熱手段30を作動させてホルダ16を加熱する(S5)。具体的には、高周波電源34をオンして加熱コイル32に高周波電流を流し、ホルダ16を局部的に急速加熱する。例えば、5秒〜30秒程度加熱してから高周波電源34をオフする。ホルダ16を加熱させたところで、焼嵌め装置6の待機位置36に位置していた工具導入手段80を動作させて、ハンド82を加熱コイル32の直上に移動させる。そして、ハンド82をホルダ16の工具取付穴22の開口まで下降してからハンド82を開放して、工具15を自由落下させる(S6)。工具15は、ホルダ16の工具取付穴22の底面で落下が停止する。このとき、自動工具取付装置4が挿脱装置12がない構成の場合は、工具搬送装置10で直接工具15をホルダ16に挿入する。
直後に、冷却手段44を作動してホルダ16に向けてエアを30秒〜1分間程度噴射して、ホルダ16を冷却する(S7)。この例では、安全な50℃以下にホルダを冷却している。ホルダ16の温度が下がると収縮して、工具15が工具取付穴22に締付け固定される。制御装置14は、ボス72を下降させてから移動体74をスライドさせて待機位置38に移動させる。そして、ホルダ搬送装置11によってホルダ16をホルダスタンド8に搬送して、ホルダ16が最初に設置されていた元の位置に載置する(S8)。例えば、最初の工具151が取り付けられたホルダ161は、識別番号01のボス421の上に戻される。
このように、加熱直後のホルダは、加工ヘッドのスピンドルに装着される前に、ホルダスタンドで待機されている。そのため、工具が加工で使用されるときまでにはホルダが自然に環境温度まで冷却される。したがって、焼嵌めで工具をホルダに取り付けてから加工ヘッドが熱変位を生じない温度までホルダを冷却しておくための時間が実質的に必要がなくなり、ホルダを冷却する工程にかかる時間が短縮される。結果的に、熱変位の問題を起こしやすい焼嵌め式の工具取付方法でも高速の自動工具交換が可能になっている。特に、実施の形態は、工作機械の本機から離れたホルダスタンドで待機させるので、工作機械の本機の熱変位がより確実に防止される。
加工前に、段取りとして、最初にホルダ16をポット20に供給する工程であるときは(S9)、その時点でマガジン5には1つのホルダ16も装填されていないから、まず、工具15を取り付けた必要数のホルダ16を自動工具交換装置2に供給する(S10)。制御装置14は、予め設定されている数の工具15を取り付けたホルダ16をホルダスタンド8にストックするように、ステップS3からステップS8までのプロセスを繰り返して、工具スケジュールの順番に新しい工具15をそれぞれその工具15に合うホルダ16に取り付ける。この例では、識別番号順に工具15を取り付けた11個ホルダ16を準備する。
工具とホルダを取り出して工具をホルダに取り付け、ホルダスタンドに準備するまでのプロセスに要する時間は、実施の形態の自動工具取付装置の場合、実測でおよそ2分40秒であった。このことから、例えば、最初に準備しておくホルダが11個であるときは、最初のホルダを準備するためにかかる時間は35分程度である。したがって、従来、仮に自動でホルダに工具を取り付けたとしても、事前に100本以上の工具を準備するために殆ど1日かかっていたことに比べて作業時間は大幅に短縮されている。また、この間の人手を必要とする作業は、工具とホルダを工具パレットまたはホルダスタンドに配置する作業と、設定手段を通して制御装置に識別情報を入力する作業であるので、段取りにおける作業者の負担が軽減される。
予め設定されている必要な数のホルダ16に工具15が取り付けられたら(S10)、制御装置14は、ホルダ搬送装置11を動作させて、工具15が取り付けられたホルダ16を工具スケジュールに従って使用される順番にポット20に装填する(S11)。同時に、制御装置14は、自動工具交換装置2を動作させマガジン5を回動させて、次のホルダ16が装填されるポット20をホルダ16が受け渡し可能な位置に配置する(S12)。
具体的には、例えば、ホルダ搬送装置11を識別番号01のボス421に移動させて工具151を取り付けたホルダ161を把持させる。そして、ハンド66を反転させながら移動し、図8に示されるように、ホルダ装着装置13のフィンガ90に位置決めし、ハンド66を開放してホルダ161をフィンガ90に渡す。ホルダ装着装置13は、ホルダ搬送装置11が後退すると同時にホルダ161を吊り下げたフィンガ90をアーム92を180度旋回させ、ポット201の手前まで搬送する。この間、ホルダ搬送装置11は、次に装着されるべき識別番号02にあるホルダ162を取りにホルダスタンド8に向かう。ホルダ装着装置13は、アーム92を延伸してホルダ161をポット201に装填する。そして、再びアーム92を後退させてから180度旋回させ初期の位置に戻す。制御装置14は、マガジン5を1段回転させて、空きのポット202をホルダ16の受渡しが可能な位置に移動させる。
最初にマガジン5に装填しておく必要のある数のホルダ16が全て装填されるまで、ステップS11からステップS12のプロセスを繰り返す(S13)。ポット20に必要な数のホルダ16が吊架されたら、制御装置14は、自動パレット交換装置3を作動して最初の被加工物を本機1に設置する。そして、自動工具交換装置2を動作させて、ホルダ161を加工ヘッドのスピンドルに装着する(S14)。制御装置14は、NCプログラムに従って一連の加工を開始し、位置決めを行なってから最初の工具151を使用して被加工物を切削する(S15)。この後、マガジン5を回動させて、次の工具152を準備しておく(S16)。そして、工具スケジュールに従って次のホルダ16をホルダスタンド8から搬送し(S17)、ポット20に装填する(S18)。
制御装置14は、位置決めの工程を含めて被加工物の加工中(S1)、ホルダスタンド8に準備されている全てのホルダ16のうち、工具の種類に応じて使用できる空きのホルダがある間は、次の「工具取付命令」を出す(S2)。工具取付命令が出されている間、ステップS3からステップS8のプロセスを繰り返して、残りのホルダ16に、工具スケジュールに従って使用される順番に所要の工具15を取り付けるように自動工具取付装置4を制御する。したがって、加工前に装填しておくホルダ16が全て自動工具交換装置2に供給されて加工が開始された後でも、自動工具取付装置4では、使用される順番に順次所要の工具15がそれに適するホルダ16に取り付けられ続けている。
制御装置14は、予め設定されている識別情報に基づいて工具15を取り付けずにホルダ16を残すかどうかを判断する。この例の場合は、φ4mm工具用のホルダが10個、φ0.4mm用のホルダが22個準備されており、1つの加工でφ4mmの工具が2本、φ0.4mmの工具が5本で合計7本の工具が使用されるので、4回の加工に必要な28本の工具15をホルダ16に取り付けてホルダスタンド8に用意し、残りの4個は、適合するホルダがなくなることがないように、φ4mm工具用のホルダとφ0.4mm用のホルダをそれぞれ2個ずつ予備として残すようにする。ホルダ16が全て同じ種類のものであるときは、ホルダ16を残しておく必要がないので、制御装置14は、工具15が取り付けられていないホルダ16がなくなるまで、「工具取付命令」を出し続ける。
予め設定されている加工時間または加工長さ加工に使用された工具15は、自動工具交換装置2によって新しい工具15に交換される。工具15の交換によって加工が中断されたときは、工具15が取り付けられていないホルダ16が残っていても工具15をホルダ16に取り付ける作業を中断する(S1)。制御装置14は、自動工具交換装置2を作動させ、使用済の工具15を取り付けたホルダ16をツールポット20に戻して、次の工具15を取り付けたホルダ16をスピンドルに装着する。そして、マガジン5を1段回動させて、次の新しい工具15を取り付けたホルダ16が吊架されたポット20を工具交換可能な位置に位置させる(S20)。なお、使用済の工具15を戻すツールポット20の位置およびマガジン5を回動させるタイミングは、自動工具交換装置2の構成に依存する。
例えば、制御装置14は、工具151が交換時期に達したときに自動工具交換装置2を動作させてホルダ161を加工ヘッドのスピンドルから取り外し、新しい工具152を取り付けたホルダ162をポット202から取り出すとともにホルダ161を空いたポット202に戻す。そして、工具152をスピンドルに装着するとともに、マガジン5を回動して、次の新しい工具153を工具交換が可能な位置に移動させる。
新しい工具15を装着した工作機械の本機1は、次の加工の位置決めを行なって一連の加工を再開する(S21)。この間に、制御装置14は、ステップS11からステップS12のプロセスと同じようにして、ホルダ搬送装置11に、すでに使用される順番に従ってホルダスタンド8に準備されている所要の工具15を取り付けたホルダ16をホルダ装着装置13まで搬送させて(S34)、巡回してくる空きのポット20に装填する(S35)。そして、制御装置14は、工具取付命令を再度出して、工具15をホルダ16に取り付けるプロセスを再開する(S2)。
工具15を順番に交換しながらいくつかの工程の加工を終えて、使用済の工具15を取り付けたホルダ16が装填されているポット20がホルダ装着装置13とホルダ16を受け渡しできる位置に戻ってきたとき、制御装置14は、このホルダ16を自動工具交換装置2から自動工具取付装置4に回収する。そして、使用済の工具15を取り外し、工具15を工具パレット7に回収するように自動工具取付装置4を制御する(S22)。
この例では、自動工具交換装置2がマガジン5に16個のホルダ16を装填することができ、最初に9個のホルダ16がマガジン5に装填されている。したがって、ステップS20で8本目の工具15が9本目の工具15に交換されてマガジン5が回動したときに、最初のホルダ161がホルダ16を受け渡しできる上記位置に戻ってくる。制御装置14は、識別情報に基づいて工具15とホルダ16が使用されている状態を識別することができるので、使用済の工具15を取り付けたホルダ16が上記位置に戻ってきたことを判別したときに(S22)、ポット20からホルダ16を取り外し、待機位置38まで搬送させて、加熱コイル32の加熱位置に配置させる(S23)。
より具体的には、ホルダ装着装置13を作動してポット201に吊架されたホルダ161をポット201から抜き取る。そして、ホルダ装着装置13は、使用済の工具151を取り付けたホルダ161をホルダ搬送装置11に渡す。ホルダ搬送装置11は、アーム64を上昇させ、ハンド66を回転させて工具151が上向きになるようにホルダ161を反転させて、保持しているホルダ161を焼嵌め装置6の待機位置38に移送する。挿脱装置12は、待機位置38にあるホルダ161を焼嵌め装置6の加熱手段30の加熱コイル32の中に導入する。
次に、制御装置14は、加熱手段30を作動してホルダ16を加熱膨張させる(S24)。この例では、高周波電源34をオンしてホルダ161を加熱膨張させる。このとき、高周波加熱であると、局部的な冷却が他の加熱手段に比べて優れているので、工具が加熱されにくく、工具をホルダから取り外しやすい。制御装置14は、予め定められた時間後に高周波電源34をオフする。
そして、制御装置14は、工具15をホルダ16から抜き取らせて、工具パレット7の工具15が元にあった工具保管穴40に戻すように制御する(S25)。具体的には、例えば、工具導入手段80を作動させて、ハンド82によって最初の使用済の工具151を把持し、図示しないアームを上昇させて使用済の工具151をホルダ16から抜き取る。抜き取られた使用済の工具151は、工具導入手段80によって待機位置36へ移送される。工具搬送装置10は、制御装置14の指令に従って待機位置36までハンド56を移動し、ハンド82とハンド56との間で工具151を掴み替える。工具151は、ハンド82に把持され、工具パレット7の工具保管穴401に戻される。
加工に使用された工具15を戻す工具保管穴40は任意であるが、制御装置14は、基本的に識別情報に基づいてその工具15が最初に設置された工具保管穴40に搬送させる。例えば、工具152を戻すときは、工具保管穴402に搬送する。しかしながら、作業者が工具スケジュールを設定するときに使用済の工具を戻す位置を設定したときは、設定された工具保管穴に搬送する。例えば、工具パレット7に残っている工具15とハンド56が干渉する場合に、空きのパレット7に識別番号の最も大きい工具保管穴40から逆の順番で戻すようにすることによって、上記干渉が生じる工具パレット7であっても使用可能にすることができる。
引き続き、制御装置14は、工具搬送装置10を動作させて、工具スケジュールに従って次の未使用の工具15を工具パレット7から取り出して待機位置36に搬送する(S26)。この間に、制御装置14は、識別情報に基づいて加熱コイル32の中に残されているホルダ16が新しい工具15に適合するものであるかどうかを判別する(S27)。加熱コイル32の中に残されているホルダ16が新しい工具15に適する場合は、この時点で使用済の工具15を取り外してから十数秒程度しか経っていないので、再度ホルダ16を加熱膨張させる必要がないから、新しい工具15を加熱コイル32の直上まで移送して、ホルダ16の工具取付穴22新しい工具15を挿入させる(S31)。
加熱コイル32の中に残されているホルダ16が工具15に合わないものであるときは、ホルダ搬送装置11を動作させて、ホルダスタンド8の元に配置されていた位置に戻す(S28)。例えば、最初のホルダ161は、識別番号01のボス421に置かれる。そして、制御装置14は、識別情報に基づいて、ホルダスタンド8にある工具15が取り付けられていない適するホルダ16を選択して、ホルダ搬送装置11に待機位置38まで搬送させ、ホルダ導入手段70によって加熱コイル32の加熱位置に配置する(S29)。この例の場合は、少なくとも2種類のホルダ16が合計4つ残されているはずである。次に、高周波電源34をオンして所定時間そのホルダ16を加熱する(S30)。その後、新しい工具15を加熱コイル32の直上に移送してハンド82を下降させてから開放し、ホルダ16の工具取付穴22に挿入させる(S31)。
新しい工具15がホルダ16に挿入されたらホルダ16を冷却手段44で冷却して保持させる(S32)。そして、ホルダ導入手段70を動作させて新しい工具15を取り付けたホルダ16を待機位置38に戻す。新しい工具15を取り付けたホルダ16は、ホルダ搬送手段11によって待機位置38からホルダスタンド8の元にあった識別番号のボス42の位置に戻される(S33)。
ホルダ搬送装置11が新しい工具15を取り付けたホルダ16をホルダスタンド8に戻したら、制御装置14は、識別情報に基づいて、ホルダ搬送装置11にすでに次の所要の工具15が取り付けられホルダスタンド8に準備されているホルダ16をホルダ装着装置13まで移送させる(S34)。そして、ホルダ16が回収されて空きになっているポット20に新しい工具15が取り付けられたホルダ16を装填する(S35)。
それ以後は、1つの工程が終了して工具15を交換する毎にマガジン5が回動されて、マガジン5に残っている工具15の中では一番先に使用された使用済の工具15が取り付けられているホルダ16がホルダ装着装置13に受け渡しすることができる位置に戻ってくる(S20)。したがって、プログラムされた予定の全て加工が終了するまで(S19)、ステップS23からステップ35までのプロセスを繰り返して、マガジン5に残る常に使用済の工具を取り付けたホルダ16を回収するとともに、次の所要の工具15を取り付けたホルダ16を自動工具交換装置2に供給する。工作機械の本機の運転中は(S1)、自動工具取付装置4を動作して、工具取付命令がなくなるまで、工具スケジュールに従って次々に工具15にホルダ16を取り付けていく(S2)。なお、自動パレット交換装置3は、この間、1つの被加工物に対する加工が終了する毎に被加工物を交換している。
このとき、一連の加工で使用される工具15が工具パレット7からなくなった以後は、ステップS23ないしステップS35までの新しい工具15を取り付けて自動工具交換装置2に供給するプロセスに代えて、制御装置14は、戻って来るホルダ16から使用済の工具15を取り外した後、工具搬送装置10には、工具パレット7に工具15を戻すのみの動作をさせ、ホルダ搬送装置11には、冷却手段で冷却された後のホルダ16をホルダスタンド8のそのホルダ16があった元の位置に搬送させる。
予定された一連の加工が全て終了したら(S19)、マガジン5に残るホルダ16を順次回収する。ホルダ16が、1個ずつポット20から回収され、焼嵌め装置6に搬送され、使用済の工具15が取り外される。なお、加工中に異常が発生したときでも、必ずしも計画された全ての一連の加工を停止させる必要のない異常の場合は、制御装置14は、不可能になった加工だけをスキップするように、工作機械の本機1、自動工具交換装置2、自動パレット交換装置3、自動工具取付装置4の全ての装置を制御して、無人加工を継続する。
自動工具交換装置2からホルダ16を回収して、使用済の工具15を取り外して新しい工具15を取り付け、ホルダスタンド8から次に必要な工具15を取り付けたホルダ16を自動工具交換装置2に供給するまでに要する時間は、図1に示される実施の形態の工作機械で、概ね3分程度である。この時間は、1つの工具15で位置決めないし加工を行なう時間に比べて十分短い。また、この間に、自動パレット交換装置3によって被加工物が交換される工程が含まれる。したがって、加工中に次の所要の工具15をホルダ16に取り付けて準備しておくことができる。そのため、ホルダ16の供給が中断することがない。
なお、何らかの理由によって、新しい工具15が取り付けられた次にマガジン5に供給されるべきホルダ16がホルダスタンド8に残っていない場合は、新しい工具15を取り付けたホルダ16を待機位置38からそのままホルダ搬送装置11によってホルダ装着装置13に移送し、空きのポット20に装填するようにするなど、可能な限り工作機械の運転を休止させないように、適宜プロセスを変更することができる。
以上に説明されるように、実施の形態の工作機械および自動工具交換方法は、加工中にホルダに工具を自動で取り付けて使用される順番に順次自動工具交換装置のマガジンに供給することができる。そのため、人手による作業が減って作業の負担が軽減され、かつ事前に工具を取り付けてマガジンに装填しておくホルダの数が少なく作業効率が向上する。そして、100本以上の工具を使用する加工でも無人で連続して行なうことができる。また、同数の工具を交換することができる大型の自動工具交換装置を設けたときに比べて、自動工具交換装置の設置面積を小さくすることができる。
また、実施の形態の工作機械および自動工具交換方法は、加工中に使用済の工具を回収して工具を付け替えて再度供給することができ、工具パレットがポットの数よりも多い100本以上の工具を保管しておくことができる一方、ホルダの数を工具の数よりも十分減らすことができ、ホルダスタンドがポットの数以上かつ工具パレットに保管される工具の数よりも大幅に少ないホルダを保管する構成とすることができる。そのため、ホルダを保管するために要求されるスペースがより小さく自動工具取付装置をさらにコンパクトにすることができ、かつ必要なホルダを減らしてコストを削減することができる。
以上に説明された制御プロセスの具体的な例は、多様な加工の一例を示したものである。本発明における制御プロセスにとって必要なことは、工作機械の本機の運転中、特に位置決め動作を含む加工中に、バックグラウンドで次に必要な工具を使用する順番通りに自動的にホルダに取り付けて自動工具交換装置に事前に次々とセットされ続けるように、自動工具交換装置および自動工具取付装置が制御されることである。したがって、自動工具交換装置および自動工具取付装置の構成や必要となる工具の種類などによって、不要となる工程は取り除かれ、必要となる工程は加えられるべきものであり、本発明は、このような変形された制御プロセスを包含する。
以上に説明される本発明の自動工具取付装置を備えた工作機械および自動工具交換方法は、最良の実施の形態を示したものであるが、具体的かつ詳細な各装置部材およびプロセスは、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、変形、組合せ、置換、付加などによって応用が可能であり、実施の形態に限定されるものではない。例えば、いくつかのセンサを付加的に設けて自動工具交換装置の動作をより正確に行えるようにすることができる。あるいは、制御プロセスの中に正しく取り付けられているかどうかを確認するプロセスを設けたりすることができる。そして、このような変形に関わらず、本発明の効果は十分に達成される。
本発明は、工具をホルダに取り付けてホルダを加工ヘッドのスピンドルに装着し、ホルダを回転させることにより工具を回転させて金属材料でなる被加工物を加工する工作機械に適用される。具体的には、切削機械、研削機械、研磨機械、穴あけ機械、マシニングセンタのようなコンピュータ数値制御装置を具備する工作機械に適用される。本発明は、本発明の技術思想に基づき発明の詳細な説明に開示される手段を用いて実現される。本発明は、工作機械における作業効率が向上するなど多くの利点を有する。
本発明の工作機械の実施の形態の全体の概容を示す平面図である。 本発明の工作機械の実施の形態の自動工具取付装置および自動工具交換装置の部分を示す平面図である。 本発明の工作機械の実施の形態の自動工具取付装置の詳細な構成を示す右側面図である。 本発明の工作機械に用いられる工具および焼嵌め式ホルダの一例を示す断面図である。 本発明の工作機械の実施の形態の自動工具取付装置に用いられる工具パレットおよびホルダスタンドをそれぞれ示す平面図である。 本発明の自動工具交換方法の制御プロセスの一例を示すフローチャートである。 図2に示す自動工具取付装置における工具搬送装置の動作状況を示す平面図である。 図2に示す自動工具取付装置におけるホルダ搬送装置の動作状況を示す平面図である。
符号の説明
2 自動工具交換装置
4 自動工具取付装置
5 マガジン
6 焼嵌め装置
7 工具パレット(工具保管手段)
8 ホルダスタンド(ホルダ保管手段)
10 工具搬送装置
11 ホルダ搬送装置
12 挿脱装置
13 ホルダ装着装置
14 制御装置
15 工具
16 ホルダ
20 ポット
30 加熱手段
32 加熱コイル
40 工具保管穴(工具保管部)
42 ボス(ホルダ保管部
50,60 直動移動装置
52,62 ビーム
54,64 アーム
56,66 ハンド
70 ホルダ導入手段
72 ボス
80 工具導入手段
82 ハンド

Claims (3)

  1. 自動工具交換装置を備えた工作機械において、工具をホルダに焼嵌めして取り付ける焼嵌め装置と、複数の工具を準備しておく工具保管手段と、工具が取り付けられているかどうかに関わらず前記工具保管手段に準備される工具の数よりも少なく前記自動工具交換装置に装填できる数以上の複数のホルダを保管可能な複数のホルダを準備しておくホルダ保管手段と、前記工具保管手段から所要の工具を取り出して前記焼嵌め装置に搬送し使用済の工具を前記焼嵌め装置から前記工具保管手段に搬送する工具搬送装置と、前記ホルダ保管手段から前記所要の工具に適する工具が取り付けられていないホルダを選択的に取り出して前記焼嵌め装置に搬送し工具が取り付けられているかどうかに関わらず前記ホルダを前記焼嵌め装置から前記ホルダ保管手段の前記ホルダが元にあった位置に搬送し前記使用済の工具を取り付けたホルダを前記自動工具交換装置から前記焼嵌め装置に搬送しかつ前記所要の工具を取り付けたホルダを前記ホルダ保管手段から前記自動工具交換装置に搬送するホルダ搬送装置と、を含む自動工具取付装置を備え、工作機械の本機の運転中に使用される順番に前記所要の工具その工具に適するホルダに組み合わせて取り付けさせて前記所要の工具を取り付けたホルダを前記ホルダ保管手段の前記ホルダが元にあった位置に搬送させ続けるとともに前記自動工具交換装置において前記使用済の工具を取り付けたホルダが受け渡しできる位置に戻ってきたときに前記使用済の工具を取り付けたホルダを前記自動工具交換装置から前記焼嵌め装置に搬送させて回収し前記使用済の工具を取り付けたホルダから前記使用済の工具を取り外させて前記取り外された工具を前記工具保管手段に搬送させかつ前記所要の工具を取り付けたホルダを使用される順番に前記ホルダ保管手段から前記自動工具交換装置に供給されるように前記自動工具取付装置を制御する制御装置を備えた工作機械。
  2. 焼嵌めによって工具をホルダに取り付けて前記工具を取り付けたホルダを自動工具交換装置に供給する工作機械における自動工具供給方法であって、工具保管手段に準備されている複数の工具の中から所要の工具を焼嵌め装置に搬送する第1工程と、工具が取り付けられているかどうかに関わらず前記工具保管手段に準備される工具の数よりも少なく前記自動工具交換装置に装填できる数以上の複数のホルダを保管可能なホルダ保管手段に準備されている複数のホルダの中から前記所要の工具に適するホルダを選択的に取り出して前記焼嵌め装置に搬送する第2工程と、前記焼嵌め装置で前記ホルダを加熱して前記ホルダに前記所要の工具を取り付ける第3工程と、前記所要の工具が取り付けられたホルダを前記ホルダ保管手段の前記ホルダが元にあった位置に戻す第4工程と、前記第1工程から前記第4工程を繰り返して予め設定されている必要な数のホルダに前記工具を取り付けた後に前記所要の工具が取り付けられたホルダを使用される順番に従って前記ホルダ保管手段から前記自動工具交換装置に供給する第5工程と、工作機械の本機を運転中に前記工具保管手段に工具がなくなるまで前記第1工程から前記第4工程までを繰り返す第6工程と、前記自動工具交換装置において前記ホルダが受け渡しできる位置に空きがあるときは使用される順番に従って前記ホルダ保管手段に準備されている前記所要の工具が取り付けられたホルダを前記ホルダ保管手段から前記自動工具交換装置に搬送して装填する第7工程と、前記自動工具交換装置において前記使用済の工具が取り付けられたホルダが受け渡しできる位置に戻ってきたときに前記使用済の工具が取り付けられたホルダを前記自動工具交換装置から前記焼嵌め装置に搬送して回収する第8工程と、前記焼嵌め装置で前記回収したホルダを加熱膨張させて前記使用済の工具を取り外し前記工具保管手段に搬送する第9工程と、前記第6工程から前記第9工程までを繰り返す第10工程と、を含んでなる自動工具交換方法。
  3. 前記第9工程において前記使用済の工具を取り外したホルダが次の未使用の工具に適合するかどうかを判別し、前記使用済の工具を取り外したホルダが前記次の未使用の工具に適する場合は前記第1工程後に前記第2工程と前記第3工程を行なわずに前記使用済の工具を取り外したホルダに前記次の未使用の工具を取り付けて前記第4工程を行なった後前記第10工程を行ない、前記使用済の工具を取り外したホルダが前記次の未使用の工具に適さないときは前記使用済の工具を取り外したホルダを前記ホルダ保管手段の前記ホルダが元にあった位置に搬送するとともに前記第10工程を行なうことを特徴とする請求項2に記載の自動工具交換方法。
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