JP6323382B2 - 単結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
坩堝内に形成した原料融液から単結晶を育成する単結晶育成工程と、
前記単結晶育成工程終了後に、前記坩堝を下降、および/または育成した単結晶を支持する引上げ軸を上昇させることで、前記育成した単結晶と、前記原料融液とを切り離す切り離し工程と、を有しており、
前記育成した単結晶と、前記原料融液とを切り離す前に、
前記単結晶育成工程で育成した単結晶の重量を測定する重量測定ステップと、
前記重量測定ステップで測定した、前記育成した単結晶の重量から、切り離しを行った際に前記坩堝内に残留する原料融液の高さを算出する原料融液高さ算出ステップと、
切り離しを行った際に、単結晶側面を伝う原料融液により前記育成した単結晶の底面に形成される滴状の結晶部の高さを算出する滴状結晶部高さ算出ステップと、を実施し、
前記切り離し工程での、前記坩堝の移動距離と前記引上げ軸の移動距離との合計が、前記原料融液高さ算出ステップで算出した切り離しを行った際に前記坩堝内に残留する原料融液の高さと、前記滴状結晶部高さ算出ステップで算出した前記滴状の結晶部の高さとを足し合わせた最低移動距離以上である単結晶の製造方法を提供することができる。
1.単結晶育成装置
本実施形態の単結晶の製造方法において、好適に使用できる単結晶育成装置の一構成例を図1に示す。図1は、単結晶育成装置10内に設置した坩堝11の中心軸を通る面における断面図を模式的に示したものである。
2.単結晶の製造方法
本実施形態の単結晶製造方法においては、引上げ法により単結晶を育成することができる。上述の図1に示した単結晶育成装置10を用いて単結晶を製造する場合を例に、以下に説明する。
(単結晶育成工程)
本実施形態の単結晶の製造方法は、坩堝内に形成した原料融液から単結晶を育成する単結晶育成工程を有することができる。単結晶育成工程は例えば以下のステップを含むことができる。
(1)原料融液形成ステップ
単結晶育成工程を実施するにあたって、まず原料融液を形成する原料融液形成ステップを実施できる。
(2)シーディングステップ、単結晶育成ステップ
原料融液形成ステップにおいて、原料融液を形成した後、引上げ軸17を回転させながら、引上げ軸17に取付けた種結晶を原料融液23に接触させるシーディングステップを実施できる。シーディングステップを実施した後は、引上げ軸17を回転させながら、徐々に引上げる単結晶育成ステップを実施することで単結晶を育成することができる。
(切り離し工程)
単結晶育成工程により充分に単結晶が育成した後、坩堝11を下降および/または育成した単結晶22を支持する引上げ軸17を上昇させることで、育成した単結晶22と原料融液23とを切り離す切り離し工程を行うことができる。
(1)重量測定ステップ
重量測定ステップでは、単結晶育成工程で育成した単結晶22の結晶重量を測定することができる。
(2)原料融液高さ算出ステップ
原料融液高さ算出ステップでは、上記重量測定ステップで測定した、育成した単結晶の重量から、育成した単結晶と原料融液との切り離しを行った際に坩堝内に残留する原料融液の高さを算出できる。
(3)滴状結晶部高さ算出ステップ
滴状結晶部高さ算出ステップでは、育成した単結晶と原料融液との切り離しを行った際に、単結晶側面に付着した原料融液が垂れ、単結晶の側面を伝う原料融液により、育成した単結晶の底面に形成される滴状の結晶部の高さを算出することができる。
(4)切り離しステップ
切り離しステップでは、坩堝11を下降および/または育成した単結晶22を支持する引上げ軸17を上昇させることで、育成した単結晶22を原料融液23から切り離すことができる。
しかし、上記式1を満たさない場合、すなわち以下の式2を満たす場合、坩堝11の下降のみでは最低移動距離(L+D)には満たないこととなる。このため、切り離しステップでは坩堝11の下降に加えて、引上げ軸17を上昇させることが好ましい。なお、式2は例えば育成した単結晶の結晶重量(M)が小さく、坩堝11内に残留する原料融液の高さ(L)が大きくなる場合に満たすこととなる。Lが大きい場合、結晶重量(直径)が小さくなるため、切り離しステップや後述する冷却工程中の育成した単結晶22内部の温度差は小さくなる。このため、結晶内の歪みが小さくなるから、引上げ軸17を上昇させて、育成した単結晶を上昇させても問題ないことが本発明の発明者らの検討により分かった。
ただし、式2を満たす場合でも、極力単結晶内に生じる温度勾配を小さくできるように、坩堝11の下降を優先して実施し、最低移動距離(L+D)に満たない分を引上げ軸17の上昇により補うことが好ましい。
なお、式1、式2から明らかな様に、式3においてS>0の場合には育成した単結晶22を原料融液23から切り離すために坩堝11の下降と、引上げ軸17の上昇とをあわせて行うことで最低移動距離を確保することができる。逆にS≦0の場合には引上げ軸17の上昇は行わずに、坩堝11の下降のみで最低移動距離を確保することが好ましい。
[実施例1]
図1に示した単結晶育成装置10を用いて、以下の手順によりサファイア単結晶の製造を行った。
(単結晶育成工程)
(1)原料融液形成ステップ
内径370mmのモリブデン製の坩堝11に4N(99.99%)のAl2O3原料を150kg投入した。その後、チャンバー16内をアルゴンガスで十分に置換した後、側面ヒータ13、およびボトムヒータ14に電力を供給し、Al2O3原料を融解した。
(2)シーディングステップ、単結晶育成ステップ、重量測定ステップ
原料融解後、引上げ軸17に取り付けた種結晶を毎分0.5回転の速度で回転させながら原料融液に接触させ、引上げ速度0.4mm/hで引上げ軸17を上昇させて結晶育成を開始した。結晶育成中に育成した単結晶の結晶重量を重量測定部20により測定する重量測定ステップを30秒間隔で繰り返し実施した。原料融液23からの浮力を受けた状態で育成した単結晶の結晶重量が97kgとなったところで、換算した真の結晶重量が130kgであることを自動計算により算出、確認し、単結晶育成工程を終了した。
(切り離し工程)
(1)原料融液高さ算出ステップ
単結晶育成工程の最後に実施した重量測定ステップで算出した、育成した単結晶についての真の結晶重量から、切り離しを行った際に坩堝11内に残留する原料融液の高さ(L)は、63mmであることを制御部21により算出した。切り離しを行った際に坩堝11内に残留する原料融液の高さ(L)は、予め制御部21に入力しておいた坩堝11の内容積と、上述の重量測定ステップで算出した、育成した単結晶についての真の結晶重量と、を用いて算出している。
(2)滴状結晶部高さ算出ステップ
また、育成した単結晶の結晶重量と、滴状の結晶部の高さDとの関係を予備試験により求めておいたところ、比例関係を示すことが確認された。そこで、予備試験の結果と、上記単結晶育成工程の最後に実施した重量測定ステップで算出した育成した単結晶についての真の結晶重量とから、滴状の結晶部の高さ(D)を算出したところ、40mmと算出された。
(3)切り離しステップ
以上の算出結果を式3(S=L−C+D)に当てはめ、S=63−105+40=−2mmという解を制御部21において算出した。係る結果によるとS≦0の関係を満たしており育成した単結晶と原料融液とを切り離すために引上げ軸の駆動は不要であることが制御部21において自動で判断された。
(冷却工程)
切り離し工程後、制御部21からの指令により自動で冷却工程を開始し、育成した単結晶を室温近くまで冷却し、単結晶育成装置10から育成した単結晶22を取り出した。
[実施例2]
(単結晶育成工程)
坩堝の可動距離(C)が95mmである点を除いて、実施例1と同様の構成の単結晶育成装置を用い、実施例1の場合と同様にして単結晶育成工程を行った。そして、原料融液の浮力を受けた状態の結晶重量が85kg、換算した真の結晶重量が120kgであることを自動計算により算出、確認し、単結晶育成工程を終了した。
(切り離し工程)
単結晶育成工程の最後に実施した重量測定ステップで算出した、育成した単結晶についての真の結晶重量から、切り離しを行った際に坩堝11内に残留する原料融液の高さ(L)は、66mmであることを実施例1の場合と同様にして制御部21により算出した。
[比較例1]
実施例2において、切り離しを行った際に坩堝11内に残留する原料融液の高さ(L)、及び滴状の結晶部の高さ(D)の算出を行わなかった。そして、切り離し工程において坩堝の可動距離(C)の95mm分だけ坩堝11を下降させ、引上げ軸17は上昇させなかった。以上の点以外は実施例2同様にしてサファイア単結晶の製造を行った。
21 原料融液
Claims (5)
- 引上げ法による単結晶の製造方法であって、
坩堝内に形成した原料融液から単結晶を育成する単結晶育成工程と、
前記単結晶育成工程終了後に、前記坩堝を下降、および/または育成した単結晶を支持する引上げ軸を上昇させることで、前記育成した単結晶と、前記原料融液とを切り離す切り離し工程と、を有しており、
前記育成した単結晶と、前記原料融液とを切り離す前に、
前記単結晶育成工程で育成した単結晶の重量を測定する重量測定ステップと、
前記重量測定ステップで測定した、前記育成した単結晶の重量から、切り離しを行った際に前記坩堝内に残留する原料融液の高さを算出する原料融液高さ算出ステップと、
切り離しを行った際に、単結晶側面を伝う原料融液により前記育成した単結晶の底面に形成される滴状の結晶部の高さを算出する滴状結晶部高さ算出ステップと、を実施し、
前記切り離し工程での、前記坩堝の移動距離と前記引上げ軸の移動距離との合計が、前記原料融液高さ算出ステップで算出した切り離しを行った際に前記坩堝内に残留する原料融液の高さと、前記滴状結晶部高さ算出ステップで算出した前記滴状の結晶部の高さとを足し合わせた最低移動距離以上である単結晶の製造方法。 - 前記切り離し工程において、前記坩堝の下降できる距離の最大値が、前記最低移動距離未満の場合に、前記引上げ軸も上昇させる請求項1に記載の単結晶の製造方法。
- 前記滴状結晶部高さ算出ステップにおいて、前記重量測定ステップで測定した前記育成した単結晶の重量から、前記滴状の結晶部の高さを算出する請求項1または2に記載の単結晶の製造方法。
- 前記坩堝を支持する坩堝軸を駆動し、前記坩堝の位置を変位させる坩堝位置変位手段と、
前記引上げ軸の位置を変位させる引上げ軸位置変位手段と、
前記育成した単結晶の重量を測定する重量測定手段と、
前記坩堝位置変位手段と、前記引上げ軸位置変位手段と、前記重量測定手段と接続された制御部と、を有する単結晶育成装置を用いた単結晶の製造方法であって、
前記制御部は、前記重量測定手段からの信号に基づいて前記単結晶育成工程の終了を判断した後、
前記重量測定ステップ、前記原料融液高さ算出ステップ、及び前記滴状結晶部高さ算出ステップを実施し、
前記坩堝の移動距離と、前記引上げ軸の移動距離との合計が、前記最低移動距離以上となるように前記坩堝位置変位手段と、前記引上げ軸位置変位手段とを制御して前記切り離し工程を実施する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の単結晶の製造方法。 - 前記切り離し工程を実施した後、育成した単結晶を冷却する冷却工程を開始する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の単結晶の製造方法。
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