JPH09208379A - 単結晶引き上げ方法 - Google Patents

単結晶引き上げ方法

Info

Publication number
JPH09208379A
JPH09208379A JP3296296A JP3296296A JPH09208379A JP H09208379 A JPH09208379 A JP H09208379A JP 3296296 A JP3296296 A JP 3296296A JP 3296296 A JP3296296 A JP 3296296A JP H09208379 A JPH09208379 A JP H09208379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
pulling
melt
pulled
dislocation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3296296A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Okui
正彦 奥井
Tadashi Kanda
忠 神田
Tadami Tanaka
忠美 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Sitix Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Sitix Corp filed Critical Sumitomo Sitix Corp
Priority to JP3296296A priority Critical patent/JPH09208379A/ja
Publication of JPH09208379A publication Critical patent/JPH09208379A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単結晶のテイルを形成する際のテイル絞りの
制御が難しく、しばしばボディ部の有転位化を引き起こ
す。 【解決手段】 CZ法により単結晶9を融液8から引き
上げ成長させる際に、所定の長さのボディ部を引き上げ
た後に、引き上げた単結晶9を無転位状態で融液8から
切り離して、テイル絞りを行なわない。切り離す前に単
結晶の引き上げを一旦停止するか、または、切り離す前
に引き上げ速度を一定時間遅くして、無転位状態を確実
に得る。切り離した単結晶を高速度で上昇させて急冷し
て、結晶欠陥の発生を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料として
使用されるシリコン単結晶等の単結晶を成長させながら
引き上げる単結晶引き上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶等の単結晶の成長方法と
してはCZ法(チョクラルスキー法)が広く知られてい
る。このCZ法は、坩堝内に充填した単結晶原料をヒー
タにて加熱溶融せしめた後、この融液中に引き上げ軸に
吊るした種結晶を浸し、これを回転させつつ上方に引き
上げて種結晶の下端に単結晶を成長せしめる方法であ
る。
【0003】図7は、CZ法における単結晶の引き上げ
過程を示す模式図である。坩堝3内の単結晶原料の融液
8から単結晶9を成長させていくと、ネック部,ショル
ダ部と移行してその後ボディ部の引き上げとなる(図7
(a),(b))。所定長のボディ部を引き上げた後、
単結晶9を無転位で成長させるためにボディ部の最後か
らはボディ部で保持した直径を除々に小さくしていくテ
イル絞りを行ない、ボディ部に転位が入らないように引
き上げを行う(図7(c)〜(f))。
【0004】このように引き上げられる単結晶のトップ
は、ショルダ部の形成領域であってボディ部の先端の数
十mmは引き上げ速度が安定しないことによる酸素析出
異常が生じ、取り込まれる酸素濃度が許容範囲から外れ
る、及び、ボディ部とは異なり結晶の直径が一定でない
という理由により、ウェーハ加工時には切り落とされて
しまう不要の部位となる。また、そのテイルも、テイル
絞りによるテイル形成領域であって引き上げ速度等の引
き上げ条件が安定しないことによる酸素析出異常が生
じ、取り込まれる酸素濃度,ドーパント濃度が許容範囲
から外れる、及び、ボディ部とは異なり結晶の直径が一
定でないという理由により、ウェーハ加工時には切り落
とされてしまう不要の部位となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ボディ部中で有転位化
した場合、固液界面から転位がボディ部を斜め上に貫い
ていき、ほぼ結晶の直径ぐらいの融液直上のボディ部が
有転位化してしまう。これを防ぐために、ボディ部のボ
トムから除々に結晶の直径を小さくして途中で有転位化
してもボディ部への転位の侵入を極力抑えようとするの
がテイル絞りの目的である。
【0006】単結晶を一定の直径で引き上げているより
も、テイル絞りではその直径を小さくしていくので、除
々に引き上げ速度を大きくしていくか、ヒータのパワー
を大きくしていく必要がある。但し、どちらかを大きく
しすぎた場合、もう一方を小さくすることによって単結
晶の直径の減縮速度があまり大きく変わらないようにす
ることもある。この場合、ヒータのパワーの上げすぎに
よる径の食い込みが生じることがあるが、その場合は食
い込みを抑えるように対処する。
【0007】このテイル絞りの通常の制御は、はじめ僅
かに引き上げ速度とヒータパワーとを上げて直径が小さ
くなるようにして、しばらくそのままにして直径が除々
に小さくなるようにする。その後、再び除々に引き上げ
速度とヒータパワーとを上げていき、直径が小さくなる
ようにする。この際、直径の細り具合が早い場合または
遅い場合には手動で対処しながらテイルを絞って、最終
的には直径が非常に細くなり融液8から単結晶9が切り
離れる(図7(e),(f))。この間すべて無転位状
態であり、またはテイルの後半で有転位化してもボディ
部への転位の侵入はない。図8に無転位状態のテイルを
表すX線トポグラフ写真を示す。また図9に有転位状態
のテイルを表すX線トポグラフ写真を示す。
【0008】ところで、引き上げ後半のテイル絞りは、
引き上げる単結晶9の直径が大きくなるほど長期の処理
時間を要する。また、テイル絞りは制御が難しく、しば
しば融液8の温度上昇を大きくしすぎたり、引き上げ速
度を大きくしすぎることによって、充分に細くならずに
融液8から単結晶9が切り離れてしまって有転位化す
る。逆に融液8の温度が下がりすぎると融液8表面での
結晶化が始まり、単結晶9の引き上げを続行できなくな
ることもある。さらに、テイル絞り工程では単結晶9の
径変動が著しいので有転位化しやすい。そして、テイル
絞り工程では引き上げ速度,ヒータのパワー,坩堝3の
回転等が複雑に変化するため、引き上げ時の熱履歴が一
定せず、引き上げ単結晶の結晶欠陥の均一性を悪化させ
る。
【0009】以上のように、テイル絞りは単結晶9のボ
ディを無転位で引き上げるために必要な処理であるが、
その制御は難しく、またその処理時間も長いという問題
がある。特に直径が8インチ以上の大口径の単結晶9の
場合のテイル絞り中に有転位化すると非常に大量の単結
晶が有転位化してしまうことになり、しかも大口径のテ
イル絞りは非常に時間がかかるため生産にかかる時間に
対する割合も大きい。また、テイル前半での有転位化に
よって有転位化して使用できなくなったボディ部の領
域、及び、ウェーハ加工時には切り落とすテイルに消費
される原料のコストも非常に高価なものとなる。
【0010】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、CZ法において引き上げる単結晶に対して融液
からの無転位状態での切り離しを行なうことにより、テ
イル絞り工程がない単結晶引き上げ方法を提供すること
を目的とする。
【0011】本発明の他の目的は、テイル絞り工程が不
要であるので、従来例に比べて、無駄な原材料の消費減
少によるコストの低減、及び、引き上げ時間の短縮を図
ることができる単結晶引き上げ方法を提供することにあ
る。
【0012】本発明の更に他の目的は、融液からの無転
位状態での単結晶の切り離しを精度良く行なえる単結晶
引き上げ方法を提供することにある。
【0013】本発明の更に他の目的は、特定の結晶欠陥
が形成されることなく、融液からの無転位状態での単結
晶の切り離しを行なえる単結晶引き上げ方法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る単結晶引
き上げ方法は、単結晶原料を溶融させた融液から単結晶
を成長させながら引き上げる方法において、単結晶を前
記融液から引き上げる工程と、引き上げた単結晶をその
位置に所定時間以上停止させる工程と、引き上げた単結
晶を前記融液から無転位状態にて切り離す工程とを有す
ることを特徴とする。
【0015】請求項2に係る単結晶引き上げ方法は、単
結晶原料を溶融させた融液から単結晶を成長させながら
引き上げる方法において、第1引き上げ速度にて単結晶
を前記融液から引き上げる第1工程と、第1引き上げ速
度より遅い第2引き上げ速度にて単結晶を前記融液から
引き上げる第2工程と、第1及び第2工程にて引き上げ
た単結晶を前記融液から無転位状態にて切り離す第3工
程とを有することを特徴とする。
【0016】請求項3に係る単結晶引き上げ方法は、単
結晶原料を溶融させた融液から単結晶を成長させながら
引き上げる方法において、単結晶を前記融液から引き上
げる工程と、引き上げた単結晶を前記融液から無転位状
態にて切り離す工程と、切り離した単結晶を上昇させる
工程とを有することを特徴とする。
【0017】請求項4に係る単結晶引き上げ方法は、請
求項3において、切り離した単結晶を上昇させる際の速
度を10mm/分以上とすることを特徴とする。
【0018】請求項5に係る単結晶引き上げ方法は、請
求項3において、切り離した単結晶を上昇させる際の速
度を第1速度と該第1速度より速い第2速度との2段階
にて交互に変えていくことを特徴とする。
【0019】請求項6に係る単結晶引き上げ方法は、請
求項5において、前記第1速度を10mm/分以上とし、
前記第2速度を300 mm/分以上とすることを特徴とす
る。
【0020】請求項7に係る単結晶引き上げ方法は、請
求項1〜6の何れかにおいて、引き上げた単結晶を前記
融液から切り離す際に、単結晶の切り離し速度を300 m
m/分以上とし、単結晶の融液からの切り離し距離を20
mm以上とすることを特徴とする。
【0021】本発明は、CZ法を用いて単結晶シリコン
等の単結晶を成長させながら引き上げる際に、所定の長
さのボディ部を引き上げた後に、引き上げた単結晶を無
転位状態で融液から切り離して、テイル絞りを行なわな
い。単結晶の引き上げ時において、その単結晶が無転位
状態で引き上がっている場合、融液から単結晶を急激な
切り離し速度で切り離すと結晶のボトム側で有転位化す
ることがない。従って、ボディ部のボトム側は無転位状
態となり、テイル絞りを行なわなくとも、無転位状態で
単結晶を融液から切り離すことができる。
【0022】ところで、引き上げ速度が大きくなった場
合(0.8 mm/分程度以上)には、固液界面形状が上に
凸の状態となる。図10は、単結晶の引き上げ速度と固液
界面形状との関係を示す模式図、図11は、単結晶の引き
上げ速度と結晶中心での固液界面の高さとの関係を示す
グラフである。図10,図11から理解されるように、固液
界面は、引き上げ速度が大きいと上に凸の状態となり、
引き上げ速度が小さいと下に凸の状態となる。固液界面
形状が上に凸の状態となる引き上げ速度が大きい場合
に、その引き上げ速度から急激に単結晶の融液からの切
り離しを行なうと有転位化する場合があり、無転位状態
での切り離しが困難である。これは、固液界面が上に凸
となると、結晶が融液から離れる際の融液の跳ね返りが
大きくなっは跳ねが付きやすく、跳ねが付くと有転位化
しやすくなるからである。
【0023】よって、本発明では、引き上げた単結晶を
所定時間(数分程度)以上停止させ、その後に引き上げ
た単結晶の融液からの切り離しを行なう(請求項1)。
または、切り離しを行なう少し前から単結晶の引き上げ
速度をそれまでの引き上げ速度より遅くし、暫くの間
(数分間程度)その低速の引き上げ速度にて単結晶を引
き上げた後に、引き上げた単結晶の融液からの切り離し
を行なう(請求項2)。
【0024】図12は、引き上げ速度1.4 mm/分として
単結晶を引き上げた後、引き上げた単結晶を種々の条件
にて融液から切り離した場合における無転位切り離しの
成功率を示すグラフである。グラフにおいて、(a)は
引き上げ後直ちに切り離し速度200 mm/分にて切り離
した場合、(b)は引き上げ後直ちに切り離し速度500
mm/分にて切り離した場合、(c)は引き上げ後直ち
に切り離し速度1000mm/分にて切り離した場合、
(d)は引き上げ後一旦停止させその後切り離し速度60
0 mm/分にて切り離した場合、(e)は引き上げ終了
前に一旦引き上げ速度を0.4 mm/分に減速しその後切
り離し速度600 mm/分にて切り離した場合を示してい
る。引き上げた後に比較的低速にて単結晶を切り離す場
合((a),(b))には、十分な成果が得られていな
い。これに反して、切り離し前に停止させた場合
((d))、及び、切り離し前に引き上げ速度を低速化
した場合((e))では、無転位状態での引き上げが完
全に実現されている。
【0025】このように、引き上げた単結晶を一旦停止
するか、または、切り離し直前に引き上げ速度を低速化
すると、固液界面形状が平坦または下に凸の状態にな
り、その後に引き上げた単結晶を融液から切り離すと、
その単結晶のボトム側でも無転位状態となり、完全な無
転位状態で切り離せる。
【0026】また、通常の引き上げ速度(1.0 mm/分
程度またはそれ以下)で単結晶を引き上げている場合に
は、引き上げ熱履歴の高温部をすべて通過し、また引き
上げられた単結晶の冷却速度も遅くなるので、ウェーハ
の品質低下につながる結晶欠陥(無転位な単結晶中に生
成される欠陥)が生成されて成長する。
【0027】よって、本発明では、引き上げられた単結
晶を融液から切り離した後に、その切り離した単結晶を
高速度で上昇させることにより急冷する(請求項3〜
6)。この結果、結晶欠陥が形成される温度より高い部
位の引き上げ単結晶には、結晶欠陥が存在しない。十分
な急冷効果を得るためには、切り離した単結晶を10mm
/分以上の速度で上昇させる必要がある。
【0028】但し、切り離した単結晶を極端に速く上昇
させて急冷しすぎると、単結晶内に残留応力が残って、
破断が生じたり、内部にスリップが生じてしまい、有転
位化してしまう。特に、1100〜800 ℃の温度領域を極端
に急冷しすぎると、このような現象が著明である。例え
ば、引き上げた単結晶を25〜30mm切り離した後、それ
を冷却する際に、その上昇速度を一定の600 mm/分と
した例と、その上昇速度を600 mm/分と10mm/分と
を交互に繰り返した例とについて、無転位切り離しの成
功率を求めた。前者の例ではすべて有転位化したが、後
者の例ではすべて無転位の状態での切り離し急冷を実現
できた。
【0029】従って、切り離した単結晶の上昇速度を、
10mm/分以上とするか(請求項4)、または、これよ
り高速急冷を行なうべく、10mm/分以上及び300 mm
/分以上の2段階を交互に変えていく(請求項5,
6)。このような上昇速度に設定すると、単結晶内には
残留応力が残らず、破断はなく、有転位化の原因となる
スリップも生じない。
【0030】以上により、引き上げ単結晶の融液からの
無転位状態での切り離しを確実に行なえ、しかも特定の
結晶欠陥が形成されていない単結晶を成長できる。即
ち、結晶欠陥が生成する温度以上の部位で急冷された引
き上げ単結晶の領域では、結晶欠陥を生ずることなく無
欠陥にすることができる。
【0031】ところで、上述した請求項4〜6の高速急
冷手法は、切り離した単結晶を上昇させる場合にのみ使
用されるわけではなく、引き上げた単結晶の他の急冷時
にも適用可能である。
【0032】なお、引き上げた単結晶を融液から切り離
す際の条件は、切り離し速度を300mm/分以上とし、
融液からの切り離し距離を20mm以上とすることが好ま
しい(請求項7)。切り離し速度を300 mm/分より小
さくすると、無転位状態での切り離しを行なえない。ま
た、切り離し距離を20mmより小さくすると、切り離さ
れた単結晶のボトム側での中心付近で急激な融液からの
切り離し時に突起状のテイルが生じ、それが融液から離
れなければその部位から有転位化してしまう。更に、急
激な切り離しによって単結晶が融液から離れる際に、融
液からの跳ねが切り離した単結晶のボトムに付着すると
その部位から転位が入り、有転位化してしまう。このた
め融液からの跳ねが単結晶に戻らないようにするために
も、切り離し速度を大きくして(300 mm/分以上)、
単結晶の融液からの切り離し直後の切り離し距離を大き
く(20mm以上)取ることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0034】図1は単結晶引き上げ装置の模式的縦断面
図であり、図中1はメインチャンバを示している。メイ
ンチャンバ1は、円筒形状の真空容器であり、メインチ
ャンバ1の中央位置には坩堝3が配設されている。坩堝
3は、有底円筒形状の石英製の内層保持容器3aとこの内
層保持容器3aの外側に嵌合された同じく有底円筒形状の
黒鉛製の外層保持容器3bとから構成されている。
【0035】本例では、例えば直径が18インチ、高さが
12インチの内層保持容器3aを用いている。この坩堝3の
外層保持容器3bの底部には、坩堝3を回転及び昇降させ
る軸10が設けられており、坩堝3の外周には、例えば30
0 mm程度の発熱長を有するヒータ4が同心円筒状に配
設されている。また、ヒータ4の外側には保温筒5が周
設されている。
【0036】一方、坩堝3の上方にはメインチャンバ1
の上部に連設形成された小型の円筒形状のプルチャンバ
2を通して、引き上げ軸11が回転及び昇降可能に垂設さ
れており、引き上げ軸11の下端には種結晶6がシードチ
ャック7に着脱可能に装着されている。そして、この種
結晶6の下端を融液8中に浸漬した後、種結晶6及び坩
堝3を回転させつつ上昇させることにより、種結晶6の
下端から単結晶9を成長させていくようになっている。
【0037】このように構成された単結晶引き上げ装置
を用いて単結晶9を成長させる場合は、坩堝3内に結晶
用原料として45kgのシリコン多結晶を充填し、単結晶
9中の電気抵抗率が10Ωcm程度になるように、その中
にp型ドーパントのボロンを添加する。そして、メイン
チャンバ1及びプルチャンバ2内を10TorrのAr雰
囲気にした後、ヒータ4のパワーを65kW程度にして全
ての結晶用原料を溶融する。
【0038】次に、ヒータ4のパワーを50kW程度に
し、ヒータ4の位置を調整する。この後、種結晶6の下
端を融液8に浸漬し、坩堝3及び引き上げ軸11を、坩堝
3の回転/引き上げ軸11の回転=12rpm/20rpmの
比で回転させつつ単結晶9を引き上げる。単結晶9の引
き上げがネック部,ショルダ部と移行し、ボディ部へ移
った後にヒータ4のパワー及び引き上げ速度を調整し、
一定の引き上げ速度で、引き上げ結晶の直径154 mmが
維持されるようにヒータ4のパワーを調整しながら、所
定の結晶長の単結晶9を引き上げる。
【0039】その後、引き上げた単結晶9を融液8から
切り離し、切り離した単結晶9を引き上げ軸11にて上昇
させて、プルチャンバ2から取り出す。
【0040】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0041】実施例1.一定の引き上げ速度を1.2 mm
/分として単結晶9を引き上げ、そのボディ部が所定の
長さに達したところで、引き上げた単結晶9を5分間停
止した。その後、引き上げ軸11の上昇速度を600 mm/
分にして25mmだけその速度で、引き上げた単結晶9を
融液8から切り離した。そして、その切り離した単結晶
9を早送りで上昇させてプルチャンバ2から取り出した
結果、得られた単結晶9のボトム側は無転位であった。
【0042】実施例2.一定の引き上げ速度を1.2 mm
/分として単結晶9を引き上げ、そのボディ部が所定の
長さに達したところで、引き上げ速度を0.6 mm/分に
低速化して更に10分間だけ単結晶9の引き上げを継続し
た。その後、引き上げ軸11の上昇速度を600 mm/分に
して25mmだけその速度で、引き上げた単結晶9を融液
8から切り離した。そして、その切り離した単結晶9を
早送りで上昇させてプルチャンバ2から取り出した結
果、得られた単結晶9のボトム側は無転位であった。
【0043】実施例3.一定の引き上げ速度として、具
体的には1.0 mm/分,0.7 mm/分,0.4 mm/分,
0.35mm/分,0.3 mm/分の5種類の場合について、
上述のような単結晶9の引き上げ成長を行ない、それぞ
れの場合においてボディ部が所定の長さに達したところ
で、引き上げ軸11の上昇速度を600 mm/分にして25m
mだけその速度で、引き上げた単結晶9を融液8から切
り離した。その後、その切り離した単結晶9を引き上げ
速度20mm/分にて上昇させてプルチャンバ2から取り
出した結果、得られた単結晶9のボトム側は無転位であ
った。
【0044】実施例4.実施例3と同様に、一定の引き
上げ速度として、具体的には1.0 mm/分,0.7 mm/
分,0.4 mm/分,0.35mm/分,0.3 mm/分の5種
類の場合について、上述のような単結晶9の引き上げ成
長を行ない、それぞれの場合においてボディ部が所定の
長さに達したところで、引き上げ軸11の上昇速度を600
mm/分にして25mmだけその速度で、引き上げた単結
晶9を融液8から切り離した。その後、その切り離した
単結晶9を、引き上げ速度10mm/分と600 mm/分と
を交互に変えながら上昇させて、プルチャンバ2から取
り出した結果、実施例4では実施例3に比べて、切り離
した単結晶9の更なる急冷化を図ることができた。
【0045】図2〜図6は、実施例4における5種類の
場合において得られた単結晶9のボトム側の部位を1000
℃で16時間熱処理した後に撮影したX線トポグラフ写真
である。写真における温度は、切り離し直前で融液8と
つながっていたときの単結晶9の各部の温度である。何
れの単結晶9についても、無転位状態で融液8からの切
り離し急冷が成功していることを確認できる。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明では、シリコン単結
晶等の単結晶引き上げ成長において、引き上げ単結晶の
ボトム側を無転位状態のままで融液から切り離すので、
テイル絞りを行なわなくても無転位状態の単結晶の引き
上げ成長が可能となる。この結果、テイル絞りが不要で
あるので、テイルに要する分だけ原材料費を削減でき、
テイル絞り工程に要する分だけ引き上げプロセス時間を
短縮できる。
【0047】また、引き上げ速度が大きくなった場合に
固液界面形状が上に凸の状態となり、その状態で急激に
単結晶を融液から切り離すと有転位化することがある
が、本発明では、切り離す前に単結晶の引き上げを一旦
停止するか、または、切り離す前に引き上げ速度を一定
時間遅くするので、固液界面形状を平坦または下に凸の
状態にした後に融液からの単結晶の切り離しを行なえる
ようになり、テイル絞りを行なうことなく、無転位状態
の単結晶を確実に得ることができる。
【0048】更に、本発明では、引き上げ単結晶の融液
からの無転位状態での切り離しを行なった後、切り離し
た単結晶を高速度で引き上げて急冷するので、テイル絞
りを行なうことなく、特定の結晶欠陥が形成されていな
い無転位状態の単結晶を成長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶引き上げ装置の模式的縦断面図である。
【図2】本発明の方法を用いて引き上げた(引き上げ速
度:1.0 mm/分)単結晶のボトム側の無転位状態を示
すX線トポグラフ写真である。
【図3】本発明の方法を用いて引き上げた(引き上げ速
度:0.7 mm/分)単結晶のボトム側の無転位状態を示
すX線トポグラフ写真である。
【図4】本発明の方法を用いて引き上げた(引き上げ速
度:0.4 mm/分)単結晶のボトム側の無転位状態を示
すX線トポグラフ写真である。
【図5】本発明の方法を用いて引き上げた(引き上げ速
度:0.35mm/分)単結晶のボトム側の無転位状態を示
すX線トポグラフ写真である。
【図6】本発明の方法を用いて引き上げた(引き上げ速
度:0.3 mm/分)単結晶のボトム側の無転位状態を示
すX線トポグラフ写真である。
【図7】CZ法における単結晶の引き上げ過程を示す模
式図である。
【図8】無転位状態の単結晶のテイルを表すX線トポグ
ラフ写真である。
【図9】有転位状態の単結晶のテイルを表すX線トポグ
ラフ写真である。
【図10】単結晶の引き上げ速度と固液界面形状との関
係を示す模式図である。
【図11】単結晶の引き上げ速度と結晶中心での固液界
面の高さとの関係を示すグラフである。
【図12】引き上げた単結晶を種々の条件にて融液から
切り離した場合における無転位切り離しの成功率を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 メインチャンバ 2 プルチャンバ 3 坩堝 4 ヒータ 5 保温筒 6 種結晶 7 シードチャック 8 融液 9 単結晶 10 軸 11 引き上げ軸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶原料を溶融させた融液から単結晶
    を成長させながら引き上げる方法において、単結晶を前
    記融液から引き上げる工程と、引き上げた単結晶をその
    位置に所定時間以上停止させる工程と、引き上げた単結
    晶を前記融液から無転位状態にて切り離す工程とを有す
    ることを特徴とする単結晶引き上げ方法。
  2. 【請求項2】 単結晶原料を溶融させた融液から単結晶
    を成長させながら引き上げる方法において、第1引き上
    げ速度にて単結晶を前記融液から引き上げる第1工程
    と、第1引き上げ速度より遅い第2引き上げ速度にて単
    結晶を前記融液から引き上げる第2工程と、第1及び第
    2工程にて引き上げた単結晶を前記融液から無転位状態
    にて切り離す第3工程とを有することを特徴とする単結
    晶引き上げ方法。
  3. 【請求項3】 単結晶原料を溶融させた融液から単結晶
    を成長させながら引き上げる方法において、単結晶を前
    記融液から引き上げる工程と、引き上げた単結晶を前記
    融液から無転位状態にて切り離す工程と、切り離した単
    結晶を上昇させる工程とを有することを特徴とする単結
    晶引き上げ方法。
  4. 【請求項4】 切り離した単結晶を上昇させる際の速度
    を10mm/分以上とすることを特徴とする請求項3記載
    の単結晶引き上げ方法。
  5. 【請求項5】 切り離した単結晶を上昇させる際の速度
    を第1速度と該第1速度より速い第2速度との2段階に
    て交互に変えていくことを特徴とする請求項3記載の単
    結晶引き上げ方法。
  6. 【請求項6】 前記第1速度を10mm/分以上とし、前
    記第2速度を300 mm/分以上とすることを特徴とする
    請求項5記載の単結晶引き上げ方法。
  7. 【請求項7】 引き上げた単結晶を前記融液から切り離
    す際に、単結晶の切り離し速度を300 mm/分以上と
    し、単結晶の融液からの切り離し距離を20mm以上とす
    ることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の単結
    晶引き上げ方法。
JP3296296A 1996-01-26 1996-01-26 単結晶引き上げ方法 Pending JPH09208379A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3296296A JPH09208379A (ja) 1996-01-26 1996-01-26 単結晶引き上げ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3296296A JPH09208379A (ja) 1996-01-26 1996-01-26 単結晶引き上げ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09208379A true JPH09208379A (ja) 1997-08-12

Family

ID=12373552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3296296A Pending JPH09208379A (ja) 1996-01-26 1996-01-26 単結晶引き上げ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09208379A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350347A (ja) * 2004-06-07 2005-12-22 Memc Electron Materials Inc 軸方向長さの関数としてメルト−固体界面形状を制御することによってシリコン結晶を成長させる装置及び方法
JP2007176761A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Siltronic Japan Corp シリコン単結晶の製造方法および製造装置
JP2007290907A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Sumco Corp シリコン単結晶及びシリコン単結晶の製造方法
CN106676621A (zh) * 2017-02-21 2017-05-17 宁夏协鑫晶体科技发展有限公司 直拉硅单晶的收尾方法及直拉硅单晶的制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350347A (ja) * 2004-06-07 2005-12-22 Memc Electron Materials Inc 軸方向長さの関数としてメルト−固体界面形状を制御することによってシリコン結晶を成長させる装置及び方法
JP2007176761A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Siltronic Japan Corp シリコン単結晶の製造方法および製造装置
JP2007290907A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Sumco Corp シリコン単結晶及びシリコン単結晶の製造方法
CN106676621A (zh) * 2017-02-21 2017-05-17 宁夏协鑫晶体科技发展有限公司 直拉硅单晶的收尾方法及直拉硅单晶的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1095698A (ja) チョクラルスキー成長型シリコンの熱履歴を制御する方法
JPH11189495A (ja) シリコン単結晶及びその製造方法
US5607507A (en) System for oxygen precipitation control in silicon crystals
KR20180101586A (ko) 실리콘 단결정의 제조 방법
JP3841863B2 (ja) シリコン単結晶の引き上げ方法
US20090293804A1 (en) Method of shoulder formation in growing silicon single crystals
WO2003089697A1 (fr) Procede de production de silicium monocristallin, procede de production de tranches de silicium monocristallin, cristal germe destine a la production de silicium monocristallin, lingot de silicium monocristallin, et tranche de silicium monocristallin
US5762704A (en) Method of fabricating a silicon single-crystal ingot
JPH09208379A (ja) 単結晶引き上げ方法
JP5417735B2 (ja) シリコン単結晶の育成方法
JPH07267776A (ja) 結晶成長方法
JP4013324B2 (ja) 単結晶成長方法
US5820672A (en) OISF control in czochralski-grown crystals
JP4080657B2 (ja) シリコン単結晶インゴットの製造方法
JPH0524969A (ja) 結晶成長装置
JPH09208376A (ja) 単結晶引き上げ方法
JPH07277875A (ja) 結晶成長方法
JP3885245B2 (ja) 単結晶引上方法
JP2004269335A (ja) 単結晶の製造方法
JPH11199380A (ja) シリコンウエーハ及び結晶育成方法
JP7247949B2 (ja) シリコン単結晶を製造する方法
JP2011225408A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JPH09309791A (ja) 半導体単結晶の製造方法
JP2531875B2 (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法
JP4413055B2 (ja) シリコン単結晶製造方法