JP6322178B2 - 加熱蒸散装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱蒸散装置に関するものである。
有効成分を加熱して蒸散させ、屋内外で害虫の駆除、芳香物質の放出、除菌や消臭を行う加熱蒸散装置が知られている。
例えば、下記特許文献1および2に開示されたような加熱蒸散装置は、図2に示されるように、自己発熱装置21の形態で使用され、該自己発熱装置21は有底円筒状の外容器22を備えており、その底部から側部にかけて加水発熱剤28が収容されている。外容器22は、底部に複数の通水孔を有し、通水孔は通水性を有する部材、例えば不織布シート23によって塞がれている。また、外容器22の内部は、仕切部材24により2つの空間に区画されている。仕切部材24は、円筒状で底部が略中空半球状を呈しており、その側壁が外容器22の周壁と同心状に配置されている。
加水発熱剤28は、外容器22の周壁、仕切部材24及び不織布シート23とで形成される空間に充填され、仕切部材24の内部である収容部30には有効成分、熱分解してガスを発生させる有機発泡剤その他の添加剤からなる加熱蒸散剤27が収容される。また、外容器22の上部開放面には、仕切部材24の上部開放面に相当する領域に複数の開口部が形成された蓋部材25が被冠されており、更に蓋部材25の開口部は通気孔を有する熱溶融フィルム26によって塞がれている。
加水発熱剤28は水との反応により自己発熱する物質であり、例えば酸化カルシウム(生石灰)が用いられている。従って、使用に際して、自己発熱装置21を水Wが入った容器29に浸漬することにより、水Wが通水孔を通じて外容器22内に流入し、加水発熱剤28と接触し、そのとき発生した反応熱により加熱蒸散剤27が加熱されて有効成分および有機発泡剤の熱分解により発生するガスが共に蒸散し、熱溶融フィルム26の通気孔を通じて外部(室内等)に放出される。また、熱溶融フィルム26は加熱蒸散剤27からの放熱、外容器22の熱並びに蒸散した有効成分との接触により熱溶融するため、蒸散の比較的早い時期から、蒸散した有効成分は蓋部材25の開口部を通じて効率良く外部に放出される。
特開2005−120028号公報 特開2010−246351号公報
加熱蒸散剤27の種類は、加熱蒸散装置の使用目的によって種々変更される。そのため、加熱蒸散剤27を前記収容部に収容した際に、有効成分および有機発泡剤の組み合わせによっては、加熱蒸散装置の使用前の保管中や運搬中に両者が接触等することによって反応や分解が生じ、加熱蒸散剤が不安定となることがある。
そこで本発明の目的は、加熱蒸散剤中に含まれる有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤との反応や分解を抑制し、加熱蒸散剤の種類の選択の自由度を高めるとともに、使用前の安定性に優れる加熱蒸散装置を提供することにある。
本発明は以下のとおりである。
1.少なくとも1つの有効成分と有機発泡剤とを含有する加熱蒸散剤を収容する収容部を備え、前記加熱蒸散剤が加熱されることにより、前記有効成分を揮散させる加熱蒸散装置であって、
前記有効成分のうちの少なくとも1つと前記有機発泡剤が、互いに接触しないように前記収容部に隔離して収容されている加熱蒸散装置。
2.前記有効成分のうちの少なくとも1つおよび前記有機発泡剤のいずれか一方が、袋体もしくはカプセルに封入されている、または包接化合物により包接されていることにより、これらが互いに接触しないように前記収容部に収容されている、前記1に記載の加熱蒸散装置。
3.前記収容部が、少なくとも2つに分けられ、前記有効成分のうちの少なくとも1つと前記有機発泡剤が互いに接触しないように前記収容部にそれぞれ収容されている、前記1に記載の加熱蒸散装置。
本発明の加熱蒸散装置は、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤が、互いに直接接触しないように収容部に隔離して収容されているので、両者の間での反応や分解を抑制することができる。そのため、加熱蒸散剤の種類の選択の自由度を高めるとともに、使用前の安定性に優れる加熱蒸散装置を提供することができる。
本発明の加熱蒸散装置の構造の一実施形態を説明するための断面図である。 従来の加熱蒸散装置の構造を説明するための断面図である。 本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。 本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための断面図である。 本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための断面図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。 本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための断面図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。 本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための断面図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の加熱蒸散装置は、少なくとも1つの有効成分と有機発泡剤とを含有する加熱蒸散剤を収容する収容部を備え、前記加熱蒸散剤が加熱されることにより、前記有効成分を揮散させる加熱蒸散装置であって、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤が、互いに接触しないように収容部に隔離して収容されていることを特徴としている。隔離する手段としては、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに接触しないようなものであればとくに制限されないが、以下、本発明の好適な形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の加熱蒸散装置の構造の一実施形態を説明するための断面図である。
図1における本発明の加熱蒸散装置は、図2で示す従来の加熱蒸散装置とほぼ同じ構造を有しており、それらの構造については説明を省略する。図1における本発明の加熱蒸散装置は、図2で示す従来の加熱蒸散装置と比べ、有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤のいずれか一方が、袋体もしくはカプセルBに封入されていることによって、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに直接接触しないようにされている点が異なっている。
袋体もしくはカプセルBに用いるものとして、例えば、加水発熱剤28から発生した反応熱により溶融する樹脂等が挙げられる。該樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルあるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なお、袋体もしくはカプセルBは、該有効成分または該有機発泡剤の種類、ボリュームやサイズによりその種類、サイズを適宜選択することができ、また公知の手法により成形することが可能である。
また上記とは別に本発明では、有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤のいずれか一方が、包接化合物により包接され、両者が互いに直接接触しないようにしてもよい。包接化合物としては、とくに制限されないが、環状オリゴ糖が挙げられ、例えばα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン類がある。包接方法は従来公知の手段を用いることができる。例えば香料を包接する場合は、包接化合物のスラリーまたは水溶液を撹拌しながら、香料を徐々に添加し、濾過する方法がある。
上記態様は、有効成分のうちの少なくとも1つ及び有機発泡剤のいずれか一方が、袋体もしくはカプセルBに封入され、又は包接化合物により包接されていることにより、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに直接接触しない状態を維持するものであるが、収容部内で相互に直接接触しない状態を維持するための両者の位置関係や配置の形態は、特に限定されるものではない。以下、例示的に説明する。
例えば、図1に示すように、有効成分のうちの少なくとも1つが袋体に封入されており、該袋体が収容部30内に収容された有機発泡剤の中に埋没した形態が例示できる。または、該袋体が有機発泡剤の中に埋没せずに、有機発泡剤の上部に載せた状態で配置される形態も例示できる。
さらには、例えば、有機発泡剤を収容した収容部30内において、該袋体を蓋部材25等から任意の方法で吊り下げ、該袋体と有機発泡剤とが非接触の状態を維持する形態とすることもできる。すなわち、有効成分または有機発泡剤等の種類によっては、有効成分を袋体に封入してもなお、有機発泡剤と袋体が接触することによって、有効成分と有機発泡剤同士の反応や分解等が生じることが危惧される場合に、該袋体と有機発泡剤を非接触の状態にすることは有効だからである。該袋体と有機発泡剤とを非接触の状態にする方法は、任意の方法が挙げられ、上記方法に限定されるものではない。
または、例えば、有効成分のうちの少なくとも1つが袋体に封入されている場合、袋体を内層とし、少なくとも一つの有機発泡剤を袋体の外層として取り囲むように、該袋体の外周を有機発泡剤が取り囲むようにして形成される加熱蒸散剤を単体とし、該単体又は該単体が集合した集合体が収容部30内に収容されている形態も挙げられる。このような構成をとることによって、両者が互いに直接接触しない状態を維持することもできる。なお上記袋体は、カプセルBであっても包接化合物であってもよい。この形態の場合、使用時には、例えば、加水発熱剤28から発生した反応熱は、袋体の周囲を取り囲む有機発泡剤を介して袋体にまで熱が伝わり、その結果、袋体の樹脂が溶け、両者が接触することで、有機発泡剤とともに有効成分が揮散する。
以上、袋体を例にとって種々の形態を説明したが、有効成分のうちの少なくとも1つが封入又は包接されるものは袋体に限定されるものではなく、上記カプセルBに封入されていてもよいし、包接化合物により包接されていてもよい。さらに、袋体に封入されているものが、少なくとも1つ有効成分である場合について説明したが、袋体に封入されているものは有機発泡剤であってもよく、すなわち、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤は、その位置関係が逆になっていても構わない。
以上のように、有効成分のうちの少なくとも1つおよび前記有機発泡剤のいずれか一方が、袋体もしくはカプセルに封入されている、または包接化合物により包接されていることにより、これらが互いに接触しないように収容部に収容されている形態によれば、有効成分の蒸気圧が高い場合、例えば、香料を仕様する場合など、加熱蒸散装置の使用前に該有効成分が揮発することを防止することができる。
またこれらの形態によれば、例えば、加熱蒸散装置の使用前の保管中や運搬中に、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに接触することがなく、両者の間での反応や分解が抑制され、加熱蒸散剤の種類の選択の自由度が高まる。また、使用前の安定性にも優れる。
本発明で使用される有効成分としては、加熱蒸散剤の用途に応じて適宜採用すればよく、例えば、有効成分が殺虫剤である場合は、天然ピレトリン、ピレトリン、ビフェントリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、プラレトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、モンフルオロトリン、イミプロトリン、エンペントリン、エトフェンプロックス等のピレスロイド系化合物;プロポクサー、カルバリル等のカーバメイト系化合物;フェニトロチオン、DDVP等の有機リン系化合物;メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物;フィプロニル等のフェニルピラゾール系化合物;アミドフルメト等のスルホンアミド系化合物;ジノテフラン、イミダクロプリド等のネオニコチノイド等、メトプレン、ハイドロプレン等の昆虫幼若ホルモン剤、プレコセン等の抗幼若ホルモン剤、エクダイソン等の脱皮ホルモン剤等のホルモン剤;フィットンチッド、ハッカ油、オレンジ油、桂皮油、ベンジルアルコール、丁子油等の精油類などが挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記殺虫剤以外にも、例えば、IBTA、IBTE、四級アンモニウム塩、サリチル酸ベンジル等の殺虫・殺ダニ剤;ロテノン、p−メンタン−3,8−ジオール、ジエチルメタトルアミド、ジ−n−ブチルサクシネート、ヒドロキシアニソール等の忌避剤;PCMX、IPBC、TBZ、硝酸銀、銀担持ゼオライト、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等のグアニジン系殺菌剤等の殺菌剤;ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトネート、カテキン等の消臭剤;バラ油、ラベンダー油、ハッカ油等の精油;ピネン、リモネン、リナロール、メントール、オイゲノール等の香料等を用いることができる。
本発明で使用される有機発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジニトロソペンタンメチレンテトラジン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド、トリヒドラジノトリアジン、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビスシアノバレリックアシッド、t−ブチルアゾホルムアミド、2,4−ビス−(アゾスルホニル)トルエン、2,2’−アゾビスイソブチロアミド、メチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、1,1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
必要に応じて添加されるその他の添加剤としては、例えば、造粒の際に用いる結合剤や溶剤が挙げられ、結合剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類;デンプン、スターチ等のデンプン系、アラビアゴム等の天然系高分子化合物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成高分子化合物等が挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、流動パラフィン、n−パラフィン等のパラフィン類、ブチルジグリコール等のエーテル類、ミリスチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル、サリチル酸ベンジル等のエステル類、グリセリン、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、炭酸プロピレン等が挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、公知の崩壊剤、防錆剤、安定化剤等を用いることもできる。
本発明では、前記有効成分のうちの少なくとも1つと前記有機発泡剤が、互いに接触しないように収容部30に収容されるが、該有効成分と該有機発泡剤との組み合わせは、加熱蒸散剤の用途、保存時に想定される雰囲気条件、運搬時に想定される各種条件等を考慮し、両者の間での反応や分解を抑制できるように適宜決定すればよい。
なお本発明で言う加熱蒸散剤とは、有効成分、有機発泡剤および必要に応じて添加されるその他の添加剤の全体、すなわち収容部30に収容される成分全体を指し、加熱により蒸散する成分以外のものを含み得るものである。
図3は、本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。なお図3(b)は外容器22および収容部30のみを示した概略図である。
図3における本発明の加熱蒸散装置は、図2で示す従来の加熱蒸散装置と比べ、隔離部材12によって収容部30が2つの収容部に区分けされ、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに接触しないようにされている点が異なっている。また図3(b)に示されるように、収容部30を上方向から見て、該収容部30が該隔離部材12によって左右に、左室Lおよび右室Rの2つの収容部に区分けされ、左室Lおよび右室Rに有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤がそれぞれ収容される。
この形態によれば、例えば加熱蒸散装置の使用前の保管中や運搬中に、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに接触することがなく、両者の間での反応や抑制止され、加熱蒸散剤の種類の選択の自由度が高まる。また、使用前の安定性にも優れる。
また、隔離部材12によって収容部30が、図3に示すような左室Lおよび右室Rの2つの収容部に区分けされているので、加水発熱剤28と水Wとの反応熱を、左室Lおよび右室Rともにほぼ均等に伝えることができる。したがって、例えば、加熱蒸散剤の有効成分を左室Lおよび右室Rに分けて収容した場合であっても、それぞれの有効成分にほぼ均等に熱が伝わるため、有効成分の蒸散のバラツキを抑制することができる。
隔離部材12としては、加熱により溶融する部材または加熱により溶融しない部材であることができる。隔離部材12が加熱により溶融しない部材である場合は、図2の従来技術の加熱蒸散装置の仕切部材24と同様に、加水発熱剤28と水Wとの反応熱に対し、その形状および構造を維持できる部材から適宜選択することができる。
隔離部材12が、加熱により溶融しない部材である場合、本発明の加熱蒸散装置の使用時は、上記のように、加水発熱剤28が水Wと反応し、その反応熱によって、左室Lおよび右室Rから有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤の熱分解により発生するガスが蒸散し、熱溶融フィルム26の通気孔の部分で一緒になって、効率良く外部に放出される。この際に、有機発泡剤の熱分解により発生するガスが、該有効成分のキャリアとしての役割を果たす。
隔離部材12が、加熱により溶融する部材、例えば加熱により溶融するフィルムである場合、本発明の加熱蒸散装置の使用時は、上記のように、加水発熱剤28が水Wと反応し、その反応熱によって、加熱により溶融するフィルムが溶融し、左室Lおよび右室Rに収容された有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤が互いに接触するとともに、両者が蒸散し、熱溶融フィルム26の通気孔を通じて外部に放出される。有機発泡剤の熱分解により発生するガスは、該有効成分のキャリアとしての役割を果たし、該有効成分は蓋部材25の開口部を通じて効率良く外部に放出される。
加熱により溶融するフィルムとしては、加水発熱剤28から発生した反応熱により溶融するフィルムであればとくに制限されず、例えば、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルムあるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリビニルアルコール等の水溶性フィルム等が挙げられる。
図4は、本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための断面図である。
図4における本発明の加熱蒸散装置は、図2で示す従来の加熱蒸散装置と比べ、蓋部材25aが収容部30内に湾曲しており、湾曲することにより生じた蓋部材25aの上部の窪みに少なくとも1つの有効成分31が配置され、収容部30内に有機発泡剤を収容することによって、少なくとも1つの有効成分31と有機発泡剤とが互いに直接接触しないように維持されている点が異なっている。
上記形態の場合、加熱蒸散装置の使用時は、上記のように、加水発熱剤28が水Wと反応し、その反応熱によって、収容部30に収容された有機発泡剤の熱分解により発生するガスが蒸散し、そのガスが熱溶融フィルム26の通気孔の部分で蓋部材25aの上部に配置された有効成分のキャリアとしての役割を果たす。これにより、該有効成分31は効率良く外部に放出される。
蓋部材25aとしては、蓋部材25a上に配置された有効成分31に熱を効率よく伝えることができる部材(金属等)であることが好ましい。蓋部材25aが熱を効率よく伝えることができる部材であることで、加水発熱剤28により発生した反応熱により蓋部材25aが加熱され、蓋部材25a上に配置された有効成分31が、蓋部材25aを介して間接的に加熱されるため、効率よく有効成分31を揮散させることができる。
なお、蓋部材25bは、単に蓋部材25a上に配置された少なくとも1つの有効成分31を、加熱蒸散装置上からの落下等を防止するために設けられる蓋である。加熱蒸散装置の使用時には、効率よく有効成分を揮散させるために、蓋部材25bを人為的に取り外してもよいし、使用時に熱により消失するよう加熱により溶融する部材としてもよい。
なお、上記形態を、図4を用いて説明したが、本形態は図4に示す形態に制限されず、蓋部材25aの上部に少なくとも一つの有効成分が配置され、収容部30内に有機発泡剤が収容され、蓋部材25a上に配置された少なくとも1つの有効成分31を、加熱蒸散装置上からの落下等を防止するために設けられる蓋部材25bが設けられていれば、任意の形態をとることができる。
本形態によれば、例えば加熱蒸散装置の使用前の保管中や運搬中に、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに接触することがなく、両者の間での反応や分解が防止され、加熱蒸散剤の種類の選択の自由度が高まる。また、使用前の安定性にも優れる。
つづいて、図5は、本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための断面図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。なお図5は外容器22および収容部30のみを示した概略図である。
図5の加熱蒸散装置は、収容部30を上方向から見て、収容部30が隔離部材12によって、コア部Cとシース部Sの2つの収容部に区分けされ、コア部Cおよびシース部Sに有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤がそれぞれ収容される。隔離部材12は、図3の隔離部材と同様に、加熱により溶融する部材または加熱により溶融しない部材であることができる。
この形態によれば、例えば加熱蒸散装置の使用前の保管中や運搬中に、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに接触することがなく、両者の間での反応や分解が抑制され、加熱蒸散剤の種類の選択の自由度が高まる。また、使用前の安定性にも優れる。
隔離部材12が、加熱により溶融しない部材である場合、本発明の加熱蒸散装置の使用時は、上記のように、加水発熱剤28が水Wと反応し、その反応熱によって、コア部Cおよびシース部S内の有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤の熱分解により発生するガスがそれぞれ蒸散し、熱溶融フィルム26の通気孔の部分で有機発泡剤の熱分解により発生するガスが、該有効成分のキャリアとしての役割を果たす。これにより、該有効成分は効率良く外部に放出される。または、例えば、コア部C内に有効成分のうちの少なくとも1つを収容させ、シース部S内に有機発泡剤を収容させた場合、隔離部材12のいずれかの箇所に孔を設けておけば、シース部S内の有機発泡剤の熱分解により発生するガスが蒸散するとともに、蒸散したガスが該孔を通ってコア部Cに入り込み、コア部C内の有効成分とともに熱溶融フィルム26の通気孔を通じて効率良く外部に放出される。なお、上記とは逆に、コア部C内に有機発泡剤を収容させ、シース部S内に有効成分のうちの少なくとも1つを収容させて使用することも可能である。
隔離部材12が、加熱により溶融する部材、例えば、加熱により溶融するフィルムである場合、本発明の加熱蒸散装置の使用時は、上記のように、加水発熱剤28が水Wと反応し、その反応熱によって、加熱により溶融するフィルムが溶融し、コア部Cおよびシース部Sに収容された有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤が互いに接触するとともに、両者が蒸散し、熱溶融フィルム26の通気孔を通じて外部(室内等)に放出される。有機発泡剤の熱分解により発生するガスは、該有効成分のキャリアとしての役割を果たし、該有効成分は蓋部材25の開口部を通じて効率良く外部に放出される。
加熱により溶融するフィルムとしては、図3に示す加熱蒸散装置で使用できるものと同じものを使用できる。
図6は、本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための断面図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。なお図5は外容器22および収容部30のみを示した概略図である。
図6の加熱蒸散装置は、収容部30を上方向から見て、収容部30が隔離部材12によって、コア部Cとシース部Sの2つの収容部に区分けされ、コア部Cおよびシース部Sに有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤がそれぞれ収容される。隔離部材12は、図3の隔離部材と同様に、加熱により溶融する部材または加熱により溶融しない部材であることができる。本形態は、図5に示す形態と異なり、コア部Cの底面は仕切部材24と接触している形態である。
この形態によれば、例えば加熱蒸散装置の使用前の保管中や運搬中に、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに接触することがなく、両者の間での反応や分解が抑制され、加熱蒸散剤の種類の選択の自由度が高まる。また、使用前の安定性にも優れる。
図7は、本発明の加熱蒸散装置の構造の別の実施形態を説明するための断面図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。なお図7は外容器22および収容部30のみを示した概略図である。
図7の加熱蒸散装置は、収容部30が、2つの収容部30aおよび30bからなっている。2つの収容部30aおよび30bは、加熱により溶融しない部材であることができる。
収容部30aおよび30bに有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤がそれぞれ収容される。
本発明の加熱蒸散装置の使用時は、上記のように、加水発熱剤28が水Wと反応し、その反応熱によって、収容部30aおよび30bにそれぞれ収容された有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤の熱分解により発生するガスがそれぞれ蒸散し、熱溶融フィルム26の通気孔の部分で有機発泡剤の熱分解により発生するガスが、該有効成分のキャリアとしての役割を果たす。これにより、該有効成分は効率良く外部に放出される。
この形態によれば、例えば加熱蒸散装置の使用前の保管中や運搬中に、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤とが互いに接触することがなく、両者の間での反応や分解が防止され、加熱蒸散剤の種類の選択の自由度が高まる。また、使用前の安定性にも優れる。
以上、本発明の好適な形態について、図面を参照しながら説明してきたが、図3〜図7に示す形態以外にも、収容部を少なくとも2つに分けることで、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤を隔離する形態は種々多様である。以下に例示的に説明する。
例えば、加熱蒸散装置の収容部内において複数の隔離部材を層状に複数形成し、隔離部材と隔離部材の間の空間に、少なくとも1つの有効成分又は有機発泡剤を配置することによって、両者が互いに直接接触しないように維持することができる。この場合、隔離部材により形成される層の配置方向は特に限定されず、自己発熱装置の高さ方向(自己発熱装置の蓋部材から装置の底部に向かう方向)であってもよいし、該高さ方向と垂直方向であってもよい。すなわち、隔離部材を多層状に形成されることによって、有効成分と有機発泡剤が非接触の状態となっていればよく、その形態に制限はない。
隔離部材は、加熱により溶融する部材、例えば加熱により溶融するフィルムである場合、本発明の加熱蒸散装置の使用時は、上記のように、加水発熱剤が水と反応し、その反応熱によって、加熱により溶融するフィルムが溶融し、隔離部材の層間に収容された有効成分のうちの少なくとも1つおよび有機発泡剤が互いに接触するとともに、両者が蒸散し、熱溶融フィルムの通気孔を通じて外部に放出される。有機発泡剤の熱分解により発生するガスは、該有効成分のキャリアとしての役割を果たし、該有効成分は蓋部材の開口部を通じて効率良く外部に放出される。
または、別の形態として、例えば、収容部が、隔離部材により3つの収容部(第1の収容部〜第3の収容部)に分けられ、少なくとも1つの有効成分が第1の収容部、有機発泡剤が第2の収容部に収容されている状態において、使用時に任意の方法で第1の収容部に収容されている有効成分のうちの少なくとも1つを第3の収容部へ移動させ、第2の収容部に収容されている有機発泡剤を第3の収容部へ移動させることによって、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤を直接接触させる態様も例示される。
さらには、別の形態として、収容部に隔離部材を設けず、有効成分のうちの少なくとも1つと、有機発泡剤をそれぞれ独立に収容部内に非接触の状態で配置し、使用時に任意の方法で両者を直接接触させることによって、有効成分の蒸散を可能にする方法も挙げられる。
例えば、収容部の底部に有機発泡剤を配置し、有効成分のうちの少なくとも1つを、有機発泡剤と接触しないように、収容部の側壁に任意の方法で接着させておく方法が挙げられる。収容部の側面に少なくとも1つの有効成分を接着させる手段としては、例えば、熱で溶融する接着剤等が好適に用いられる。熱で溶融する接着剤を使用することによって、加熱蒸散装置の使用時に発生した熱により、接着剤が溶け、収容部の側面に接着していた有効成分が、収容部の底部へと重力によって移動し、有機発泡剤と直接接触することで、有効成分の蒸散が可能となる。
また、有効成分のうちの少なくとも1つを、例えば加熱により溶融する部材でコーティングすることにより、少なくとも1つの有効成分と有機発泡剤を非接触の状態とする方法も挙げられる。この場合、加熱蒸散装置の使用時に発生する熱により前記コーティングが溶融することで、少なくとも1つの有効成分と有機発泡剤とが直接接触することが可能となり、有効成分が有機発泡剤とともに蒸散する。
なお、本発明の加熱蒸散装置は、図3〜図7に示す形態や、その他種々の形態のいずれを有していても、有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤を仕切部材等で分けて収容部に収容することができるので、分けて収容されたそれぞれの剤型は、それぞれ同一形態とすることも、異種形態とすることもできる。例えば、仕切部材等で分けられた有効成分のうちの少なくとも1つと有機発泡剤の両方が顆粒状であるような同一形態である場合、または、一方が顆粒状であり他方が液状である場合や一方が顆粒状であり他方がジェル状、ペースト状もしくは液状等であるような異種形態である場合のように、有効成分のうちの少なくとも1つ又は有機発泡剤の剤型は種々選択することができる。
さらに、有効成分のうちの少なくとも1つ又は有機発泡剤は、その安定性や加熱による蒸散性を考慮して、上記した図1の加熱蒸散装置で使用できる袋体もしくはカプセルに封入した上で、収容部に収容することもできる。
また、上記加熱蒸散装置の形態のうち、有効成分の少なくとも1つと有機発泡剤が接触するためには、隔離部材が熱溶融することだけには限定されず、例えば、隔離部材を任意の方法で取りはずしたり、隔離部材の全体又は一部を破壊したり、隔離部材を移動したりずらしたりすることよって、有効成分の少なくとも1つと有機発泡剤を接触させ、有効成分を蒸散させることが可能である。
なお、本発明の加熱蒸散装置は、上記のような自己発熱装置21の形態に限るものではなく、加水発熱剤と水との反応による発熱システムにかえて、例えば、ニクロム線等の電熱線、平板状やリング状、さらに半導体を利用した加熱ヒーター等を用いた電気加熱システム;鉄粉と塩素酸アンモニウム等の酸化剤とを混合する、金属と該金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物又は酸化剤とを混合する、鉄と硫酸カリウム、硫酸鉄、金属塩化物、硫化鉄等の混合物を水や酸素と接触させる、鉄よりイオン化傾向が大きい金属と鉄よりイオン化傾向が小さい金属のハロゲン化物との混合物を水と接触させる、金属と重硫酸塩との混合物を水と接触させる、アルミニウムとアルカリ金属硝酸塩との混合物に水を加える、等の酸化反応により発熱するシステム;硫酸ソーダと炭化鉄との混合物を酸素と接触させる金属硫化物の酸化反応を利用して発熱するシステム等を用いてもよい。
[顆粒状の有機発泡剤の作製]
表1に記載の配合成分において、各成分を混合し、造粒、乾燥し、顆粒状の有機発泡剤を作製した。有機発泡剤1粒あたりの粒径は約3mm、長さは約5mmである。
Figure 0006322178
表1中の配合成分としては以下のものを使用した。
有機発泡剤:アゾジカルボンアミド(商品名:ユニフォームAZ ウルトラ♯1067−1(大塚化学株式会社製))
結合剤:α化デンプン
試験例1 有機発泡剤とアルカリ性物質との反応評価
<参考例1>
作製した顆粒状の有機発泡剤10gを50mlビーカーに量りとった。その後、表2に記載したアルカリ性物質2gをそれぞれポリエチレン製容器(SP醤油M(魚型)容器スタイル製)に封入したものを、ビーカー内の有機発泡剤上に10分間静置した。静置開始後の有機発泡剤の様子をそれぞれ表2に示す。
<参考例2>
次に、表2に記載のそれぞれのアルカリ性物質2gをポリエチレン製容器に封入せず、有機発泡剤上に均一に添加したことを除いて、参考例1を繰り返した。有機発泡剤の添加後の有機発泡剤の様子を表2に示す。
Figure 0006322178
試験例2 アルカリ性物質による有機発泡剤の発煙への影響の評価
上記試験例1の参考例2において、アルカリ性物質として0.1%アンモニア水を使用した場合においては、該アンモニア水をポリエチレン製容器に封入せず、有機発泡剤に均一に添加した場合でも、有機発泡剤の崩壊は見られなかった。そこで、自己発熱装置を用いて、0.1%アンモニア水と接触させた有機発泡剤を発煙させることで、0.1%アンモニア水による有機発泡剤の発煙への影響を調べた。
[自己発熱装置の作製]
自己発熱装置は、図2に示す直径53mm、高さ63mm、深さ40mmの有底円筒状の外容器22を備え、加水発熱物質28として酸化カルシウム65gを収容した。外容器22は、底部に複数の通水孔を有し、通水孔は通水性を有する不織布シート23によって塞いだ。また、外容器22の内部は、仕切部材24により2つの空間に区画した。仕切部材24は、円筒状で底部が略中空半球状を呈しており、その側壁を外容器22の周壁と同心状に配置した。
加水発熱物質28は、外容器22の周壁、仕切部材24及び不織布シート23とで形成される空間に充填した。また、外容器22の上部開放面には、仕切部材24の上部開放面に相当する領域に0.8cmの開口部を7個形成した蓋部材25を被せ、更に蓋部材25の開口部は通気孔を有する熱溶融フィルム26によって塞ぎ、自己発熱装置を作製した。
[発煙開始時間の評価]
<参考例3>
有機発泡剤に0.1%アンモニア水を均一に添加した後、25℃で3日間静置し風乾させた有機発泡剤を、自己発熱装置の収容部30内に収容し、該自己発熱装置を22mLの水Wを入れた容器29に浸けることにより加熱を開始した。その結果加熱開始後から発煙開始までの時間を計測したところ83秒であった。この結果を表3に示す。
<参考例4>
一方、0.1%アンモニア水2gをポリエチレン製容器に封入して行ったことを除いて、参考例3を繰り返した。加熱開始後から発煙開始までの時間を計測したところ21秒であった。この結果を表3に示す。
Figure 0006322178
アンモニア水をポリエチレン製容器に封入した参考例4においては加熱開始後から発煙開始までの時間が21秒であり、発煙開始時間として適正であった。一方、アンモニア水を有機発泡剤に添加した参考例3においては、加熱開始後から発煙開始までの時間が83秒であり、参考例4と比較して発煙開始時間が顕著に長かった。以上の結果より、アルカリ性物質をポリエチレン製容器に封入し、有機発泡剤と接触させないことにより、アルカリ性物質の有機発泡剤への影響を抑制することができることが分かった。
試験例3 有機発泡剤と香料との安定性評価
<実施例1>
上記で作製した有機発泡剤5gを、自己発熱装置の収容部30内に収容した。その後、香料のD−リモネン50μlを、3cm×3cmの袋状にしたPVAフィルム(ハイセロンC−200AX、日本合成化学社製)に封入して、顆粒状の有機発泡剤の上に静置した。その後、自己発熱装置を密封し、室温40度の環境下で2週間の保管を行った。2週間保管後の自己発熱装置について、浴室(2畳空間)にて、22mLの水Wを入れた容器29に浸けることにより加熱を開始した。加熱を開始してからしばらくしてPVAフィルムが溶融し、封入されていた香料が有機発泡剤と接触した。発煙が開始してから1分後の香り強度を以下のように評価した。この試験は計2回行った。
[評価]
専門のパネラー6人を評価者とし、以下の基準で評価を行った。
4点:よく香った
3点:香った
2点:あまり香らなかった
1点:全く香らなかった
計2回の専門のパネラー6人の評価の平均点を下記の表4に示す。
<比較例1>
実施例1において、香料のD−リモネンを3cm×3cmの袋状にしたPVAフィルムに封入せず、直接、顆粒状の有機発泡剤上に滴下し、3cm×3cmの袋状にした空のPVAフィルムを顆粒状の有機発泡剤上に静置したことを除いては、実施例1を繰り返した。専門のパネラー6人の評価の平均点を下記の表4に示す。
Figure 0006322178
表4の結果からもわかるように、香料をポリエチレン製容器に封入し、有機発泡剤と接触させないことにより、有機発泡剤による香料への影響を抑制することができ、その結果、香り強度を弱めずに、香料を揮散できることが分かった。
12 隔離部材
21 自己発熱装置
22 外容器
23 不織布シート
24 仕切部材
25,25a,25b 蓋部材
26 熱溶融フィルム
27 加熱蒸散剤
28 加水発熱剤
30,30a,30b 収容部
31 有効成分
B 袋体またはカプセル
L 左室
R 右室
C コア部
S シース部
W 水

Claims (3)

  1. 外容器と、前記外容器の内部に設けられる仕切部材により外容器の内部に形成される収容部とを備え、
    前記収容部は、少なくとも1つの有効成分と有機発泡剤とを含有する加熱蒸散剤を収容し、
    前記外容器は、前記収容部に収容された加熱蒸散剤を加熱可能な加熱手段を備えており、
    前記加熱蒸散剤が前記加熱手段で加熱されることにより、前記有効成分を揮散させる加熱蒸散装置(但し、酸が突き刺された孔を通って発泡剤と接触し発熱する場合を除く)であって、
    前記有効成分のうちの少なくとも1つおよび前記有機発泡剤のいずれか一方が、加熱により溶融する樹脂を用いた袋体もしくはカプセルに封入されている、または加熱により溶融する包接化合物により包接されていることにより、これらが互いに接触しないように前記収容部に収容されている加熱蒸散装置。
  2. 外容器と、前記外容器の内部に設けられる仕切部材により外容器の内部に形成される収容部とを備え、
    前記収容部は、少なくとも1つの有効成分と有機発泡剤とを含有する加熱蒸散剤を収容し、
    前記外容器は、前記収容部に収容された加熱蒸散剤を加熱可能な加熱手段を備えており、
    前記加熱蒸散剤が前記加熱手段で加熱されることにより、前記有効成分を揮散させる加熱蒸散装置であって、
    前記収容部が、少なくとも2つに分けられ、前記有効成分のうちの少なくとも1つと前記有機発泡剤が互いに接触しないように前記収容部にそれぞれ収容されている加熱蒸散装置。
  3. 外容器と、前記外容器の内部に設けられる仕切部材により外容器の内部に形成される収容部と、前記収容部に設けられる蓋部材とを備え、
    前記収容部が有機発泡剤を収容し、前記外容器が前記収容部に収容された有機発泡剤を加熱可能な加熱手段を備え、かつ、前記蓋部材がその上部に少なくとも1つの有効成分が配置されていることによって、前記有効成分のうちの少なくとも1つと前記有機発泡剤が互いに接触しないようにそれぞれ設置されており、
    前記有機発泡剤が前記加熱手段で加熱されて発生するガスにより、前記蓋部材の上部に配置された前記有効成分を揮散させる、加熱蒸散装置。
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