JP2003246701A - ゲル状防虫剤 - Google Patents

ゲル状防虫剤

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JP2003246701A
JP2003246701A JP2002138573A JP2002138573A JP2003246701A JP 2003246701 A JP2003246701 A JP 2003246701A JP 2002138573 A JP2002138573 A JP 2002138573A JP 2002138573 A JP2002138573 A JP 2002138573A JP 2003246701 A JP2003246701 A JP 2003246701A
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Japan
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container
insect repellent
gel
opening
weight
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JP2002138573A
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Shusaku Tsutsumi
周作 堤
Akimasa Matsubara
明政 松原
Shinnosuke Nakamura
慎之助 中村
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Earth Corp
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも少ない防虫成分量で、長期間にわ
たり防虫効果を持続することができる、ゲル状の新規な
防虫剤を提供する。 【解決手段】 揮散性防虫成分を含むO/Wエマルショ
ンをゲル化したことを特徴とするゲル状防虫剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来よりも少ない
防虫成分量で、長期間にわたり防虫効果を持続すること
ができる新規なゲル状防虫剤、揮散性防虫成分を含むゲ
ル状防虫剤用の容器、外装容器及びO/Wエマルション
系ゲル用収縮調整剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、害虫から衣類を守るためにパ
ラジクロロベンゼン等を有効成分とした防虫剤が使用さ
れている。これらの防虫剤、とりわけパラジクロロベン
ゼンは揮散スピードが速く、短期間のうちに多量に揮散
する。そのためタンス、引き出し等で使用した場合には
防虫効果が無くなるのが早く、長期間にわたり使用する
には適していなかった。
【0003】このような問題を解決するため、製剤量を
増やして使用期間を延ばした商品(120gで3ケ月間
使用できる)が開発されているが、短期間に必要以上の
有効成分が揮散するので無駄であり、また衣類に付着す
る臭いが気になるという欠点がある。ところが上記の欠
点を解決するための有効な手段については知られていな
いのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な現状を鑑みてなされたものであり、従来よりも少ない
防虫成分量で、長期間にわたり防虫効果を持続すること
ができる、揮散性防虫成分を有効成分としたゲル状の、
新規な防虫剤、揮散性防虫成分を含むゲル状防虫剤用の
容器、外装容器及びO/Wエマルション系ゲル用収縮調
整剤を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、有効成分として揮散性防虫成分を用い、O/W
エマルションとし、O/Wエマルションをゲル化したゲ
ル状製剤とすることで、防虫成分の使用量を従来に比べ
て半分以下としても、持続して防虫効果を得ることがで
き、上記の課題を満足することを見出し本発明に至っ
た。本発明はさらに、内装容器や外装容器にも着目した
ものである。すなわち本発明は、以下のとおりのもので
ある。 (1) 揮散性防虫成分を含むO/Wエマルションをゲ
ル化したことを特徴とするゲル状防虫剤。 (2) 炭素数が6以下の多価アルコール及びHLB10
以上の常温で液状の界面活性剤からなる群から選ばれる
少なくとも1種を存在させることを特徴とする(1)に
記載のゲル状防虫剤。 (3) 包装材料に収納し、揮散性防虫成分の揮散量を
0.01〜0.5g/日としたことを特徴とする(1)
又は(2)に記載のゲル状防虫剤。 (4) 揮散性防虫成分がパラジクロロベンゼンである
ことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の
ゲル状防虫剤。 (5) 実質的に容器底部平面に対して垂直な内壁をも
つ容器であって、その容器の垂直内壁面の底部平面に対
する角度が90±1°以内であることを特徴とする揮散
性防虫成分を含むゲル状防虫剤用の容器。 (6) 実質的に容器底部平面に対して垂直な内壁をも
つ容器であって、その容器の垂直内壁面の底部平面に対
する角度が90±1°以内であることを特徴とする
(1)乃至(4)のいずれかに記載のゲル状防虫剤用の
容器。 (7) 外装容器の開口部を、内装容器である揮散性防
虫成分を含むゲル状防虫剤用の容器における、開口部の
直上に位置する天面の部分に重点的に設けたことを特徴
とする外装容器。 (8) 外装容器の開口部を、内装容器である(1)乃
至(4)のいずれかに記載のゲル状防虫剤用の容器にお
ける、開口部の直上に位置する天面の部分に重点的に設
けたことを特徴とする外装容器。 (9) 外装容器の開口部を、内装容器である(6)に
記載の容器における、開口部の直上に位置する天面の部
分に重点的に設けたことを特徴とする、内装容器を内包
した外装容器。 (10) 炭素数が6以下の多価アルコール及びHLB1
0以上の常温で液状の界面活性剤からなる群から選ばれ
る少なくとも1種からなるO/Wエマルション系ゲル用
収縮調整剤。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のゲル状防虫剤を得るに
は、例えば揮散性防虫成分(パラジクロロベンゼン)を
有機溶剤(炭化水素系溶剤等)に溶解して溶液とし、該溶
液を界面活性剤(HLB10以上の常温で液状の界面活性剤
が好ましい)と共に水に加えてO/Wエマルション(水
中油滴型エマルション)とし、このO/Wエマルション
にゲル化剤を添加してゲル状防虫剤とする。なお上記の
方法は一つの例示であって、本発明のゲル状防虫剤が得
られる限り、その製造方法は上記のものに限定されるも
のではない。
【0007】本発明のゲル状防虫剤は、有効成分を一定
に安定して揮散させるために、揮散しているゲル面(揮
散面)の面積を一定に保つようにすることができる。す
なわち、本発明のゲル状防虫剤を包装材料に収納して用
いることで、縦方向の収縮がスムーズにみられるように
なる。これは本発明のゲル状防虫剤を包装材料に収納し
て用いることで、収縮に際し設置面に対して防虫剤の上
面が水平を維持したまま減少し、しかも防虫剤が包装材
料の内面に密着した状態を維持するようにできることに
よる。かくして本発明によれば、外観がよく商品価値の
高いゲル状防虫剤が提供される。また、本発明のゲル状
防虫剤を包装材料に収納して用いることで、縦方向の収
縮が経時的に起こると、ゲル状防虫剤の残存量のインジ
ケーターとなる。防虫剤の上面水平維持、包装材料内面
密着は、インジケーターの正確を期す上で好ましい。
【0008】ところで包装材料への揮散性防虫成分を含
むゲル状防虫剤の収納の典型としては、ゲル状防虫剤
(以下、単に「ゲル」ということがある。)の容器への充
填が挙げられ、その場合容器はゲルを直接充填する内装
容器とその内装容器を収納する外装容器とを包含する。
図1は包装容器に収納されたゲル状防虫剤の外観の説明
図(正面図)であり、1は包装容器(外装容器)本体、2
は開口部を示す。ここには示されていないが、この中に
内装容器が入れられる。図2は他のタイプの容器に収納
されたゲル状防虫剤の外観の説明図であり、Aは斜視
図、BはAのB−Bで切断した正面断面図である。内装
容器と外装容器とを包含することがわかるようになって
いる。3は外装容器、4は内装容器、5は外装容器の開
口部を示す。
【0009】しかして、ゲルを充填する容器(内装容器)
の形状によりゲル状防虫剤の揮散に伴って収縮する形状
が異なり、実質的に容器底部平面に対して垂直な内壁を
もつ容器であって、その容器の垂直内壁面の底部平面に
対する角度が90±1°以内であるものが好ましいこと
がわかった。ここに実質的に容器底部平面に対して垂直
な内壁をもつというのは、垂直といっても90°のみを
意味せず90±1°程度のものを包含するということを
意味する。よってここで実質的に容器底部平面に対して
垂直な内壁をもつ容器というのは、典型的には口部と底
部がほぼ同じ形のもの(例えば、円筒容器)ということに
なる。しかし実質的に容器底部平面に対して垂直な内壁
をもつ容器の中には、ゲル状防虫剤の入る広い胴部とそ
れよりも狭い口部とを有するものも包含される。さら
に、実質的に容器底部平面に対して垂直な内壁をもつ容
器(内装容器)は、底が平底のもの、ビールびんのような
円弧状のもの等を包含する。平底以外の場合には、前記
の「容器底部平面」というのは、外装容器内に設置する
ときに外装容器に接触する内装容器底部外周を結んだ仮
想平面を意味することとする。
【0010】そして実質的に容器底部平面に対して垂直
な内壁をもつ容器であって、その容器の垂直内壁面の底
部平面に対する角度が90±1°以内であるものの範疇
には、傾斜の方向や程度が一定のものだけでなく、その
容器の垂直内壁面の底部平面に対する角度が90±1°
以内であって、容器の縦方向の途中で傾斜の程度や方向
が変化して、例えば中央で径がやや膨出、縮退したもの
等も包含される。もちろんその容器の垂直内壁面の底部
平面に対する角度が90±1°以内であるかぎり、傾斜
の程度や方向が波状に変化してもよい。
【0011】図3は、ゲルを充填する容器の形状により
ゲル状防虫剤の揮散に伴って収縮する形状が異なる様子
を示す概念図である。Aは垂直内壁面の底部平面に対す
る角度が90±1°以内である容器、Bは口部が広がっ
たコップ形状の容器、Cは口部が狭まった逆コップ形状
の容器、Dはツボのような形状の容器をそれぞれ揮散口
を上に設けた状態(正立)で使用した場合に、ゲル状防虫
剤の揮散の前後で形状がどのように変化するかを示した
ものである。図3から、垂直内壁面の底部平面に対する
角度が90±1°以内である容器は、ゲル状防虫剤の上
面水平維持、内面密着維持を十分に達成できるのに対し
て、口部が広がったコップ形状、口部が狭まった逆コッ
プ形状、ツボのような形状の容器は、横方向にも収縮が
みられ隙間を生じそこからも揮散して、揮散面の面積を
一定に保つことができず、ゲル状防虫剤の上面水平維
持、内面密着維持を十分には達成できないことがわか
る。揮散口を下に設けた状態(倒立)で使用した場合も同
様の結果が得られる。
【0012】容器材質としては、疎水性の材質(ポリプ
ロピレン、PET、ポリエチレン等)が好ましい。また、ガ
ラスでも内壁面をフッ素、シリコーン等で疎水処理すれ
ば好ましく使用することができる。
【0013】ところで、ゲル状防虫剤のスムーズな縦方
向収縮を維持するには、風の影響によるゲル状防虫剤の
急激乾燥、急激揮散防止を図ることが望ましい。すなわ
ち、外装容器からの必要以上の気流が直接ゲル状防虫剤
の揮発面に当たらないように開口部を設けることが重要
であり、具体的には、外装容器の開口部を、内装容器で
ある揮散性防虫成分を含むゲル状防虫剤用の容器におけ
る、開口部の直上に位置する天面の部分に重点的に設
け、内装容器の開口部から風が直接入り込まないように
気流を調整するのがよい。ここに、外装容器の開口部
を、内装容器である揮散性防虫成分を含むゲル状防虫剤
用の容器における、開口部の直上に位置する天面の部分
に重点的に設けるというのは、開口部を天面にのみ設け
る場合のみでなくて、開口部の面積割合において天面の
部分が天面以外の部分に比して圧倒的に大である限り天
面以外の部分にも開口部を設ける場合を包含する。
【0014】外装容器の開口部を、内装容器である揮散
性防虫成分を含むゲル状防虫剤用の容器における、開口
部の直上に位置する天面の部分に、面積割合で好ましく
は30〜100%、より好ましくは40〜90%、さら
に好ましくは50〜80%設ける。具体的には、総面積
が約300〜600cm2の容器にあっては、約40〜1
00cm2程度とするのがよい。
【0015】ゲル状防虫剤全量に対する各成分の配合量
としては、揮散性防虫成分は5〜30重量%、有機溶剤
は10〜60重量%、界面活性剤は0.5〜5重量%、
水は適量として全体を100重量%とすればよい。なお
必要に応じて添加剤を適量用いてもよい。
【0016】本発明のゲル状防虫剤は、好ましくは揮散
調整手段を備えた容器、包装材等の包装材料に収納し、
揮散性防虫成分の揮散量が0.01〜0.5g/日とな
るように揮散のための開口面積、通気度等を調整又は選
択したゲル状防虫剤とするのがよい。包装材料の選択に
より通気度を調整する場合には、例えば、微多孔(マイ
クロポーラス)フィルム又はシート、不織布等の通気度
の大きな材料を選択することができる。
【0017】さらに揮散性防虫成分としてはパラジクロ
ロベンゼンを用いることが、長期間にわたり十分な防虫
効果を持続するうえでよい。本発明の揮散性防虫成分と
しては、パラジクロロベンゼンがよく、この他に、樟
脳、ナフタレン、トリオキサンなどの昇華性防虫成分;
エンペントリン、トランスフルトリン、S-1264(住
友化学工業社製)等の揮散性防虫成分等が例示できる。
さらにエタノール、イソプロピルアルコール、等のアル
コール類を併用することで防虫効果を高めることもでき
る。有機溶剤としては、炭化水素類、アルコール類、脂
肪酸類、エステル類、ケトン類、植物油等が例示でき
る。炭化水素系溶剤としては、イソパラフィン、ノルマ
ルパラフィン、これらの混合物等のパラフィン系炭化水
素がよい。
【0018】界面活性剤としては、脂肪酸グリセリン、
脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モ
ノラウリン酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリエチ
レングリコール、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタ
ン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノ
ールアミド等の非イオン界面活性剤がよく、この他に、
高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル硫酸等のアニオン界面活性剤;アルキルベ
タインアミンオキサイド、第四級アンモニウム塩等の陽
イオン界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸
塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアル
キルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキル
オリゴマー等のフッ素界面活性剤;ポリエーテル変性シ
リコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン界面活
性剤等が例示できる。
【0019】ゲル化剤としては、水系ゲルに使用される
ものがよく、寒天、(κ又はι)カラギーナン、ローカス
トビーンガム、グアーガム、アラビアガム、ゼラチン、
ペクチン、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポ
リアクリル酸等が例示できる。これらは単独又は2種以
上を組み合わせて用いることができる。さらに乳酸塩
(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシ
ウム塩等)を併用することで、保形性、離水性の向上を
もたらすこともできる。特にカラギーナンを主としたも
のがよく、さらに乳酸塩を併用したものがより好まし
い。具体的には、カラギーナンに乳酸ナトリウム、乳酸
カリウム、乳酸マグネシウム、乳酸カルシウム等を併用
したものがよい。
【0020】昇華性防虫成分を用いる場合には、炭化水
素系溶剤に溶解する際に、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ジブチル
エーテル、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグル
コールエーテル;2−エチルヘキシルジグリコール等の
グリコール;2−エチルヘキシルアルコール、ベンジル
アルコール、2−ブトキシエタノール等のアルコール;
アジピン酸ジ−n−プロピル等のエステル;リモネン等
のテルペン;乳酸メチル、乳酸ブチル、乳酸エチル等の
乳酸エステル;n−メチル−2−ピロリドン等のピロリ
ドン等を溶解助剤として用いると、昇華性防虫成分の結
晶の析出を防ぐのによく、重量比は防虫成分1に対して
0.5〜2とすればよい。
【0021】本発明のゲル状防虫剤は、揮散調整手段を
備えた容器、包装材等に収納し、揮散性防虫成分の揮散
量が0.01〜0.5g/日、さらには0.2〜0.5
g/日となるように揮散のための開口面積等を調整した
ゲル状防虫剤とするのがよい。揮散量がこれよりも少な
いと十分な防虫効果が得られないことがあり、また過剰
に多いと長期間にわたり持続して使用するのに適さない
ので、約0.5g/日程度とするのがよい。具体例とし
ては、全量が約280gで、パラジクロロベンゼンを約
20重量%含有した本発明のゲル状防虫剤では、約12
〜50cm2、さらには約24〜50cm2の開口面積を
設けた容器に収納するのがよい。これによってパラジク
ロロベンゼンの揮散量として、0.01〜0.5g/
日、さらには約0.3〜0.4g/日を得ることがで
き、十分な防虫効果を約3〜6ケ月程度にわたり持続す
ることができる。開口は、容器の上段、下段、中段のど
こに設けてもよく、また分散させて設けてもよい。
【0022】ところで本発明のように揮散調整手段を適
用しようとする際にも、周囲環境(気温の変化、湿度
等)により適切な揮散量がばらついたりそれに付随して
終点のばらつきにつながったりして、このため使用期間
内の適切な防虫ないし殺虫効果に影響を与える場合もあ
る。このような場合には上記の開口面積等を調整すれば
よく、開口面積等を調整するには、例えば、摘み、蓋、
リング、シャッター等の調整手段を設ければよい。具体
的な態様としては、下記のものが例示される。 ・蓋カバーや蓋シール(例えば厚紙製)に形成した複数
の打出片を操作して開閉することで開口面積等を調整す
る。 ・カバー等のスライド操作 開口を設けた容器本体に取り付けたカバー等(例えばス
ライド蓋)のスライド操作により、開口面積等を調整す
る。 ・摘みの引き出し及びその上下、左右、回転動操作 ・シャッターの引き出し及びその上下、左右、回転動操
作 例えば、等間隔で複数個の開口を設けた容器本体長方形
面に、等間隔で複数個の開口を同様に設けたシャッター
をスライド可能に重畳設置し、シャッターの引き出しや
上下、左右動操作に伴うスライドにより、開口面積を調
整する。 ・リングの回転や上下動操作 例えば、前記と同様であるが、複数個の開口を設けるの
が長方形面の代わりに湾曲面又は円形面であって、開口
を周囲に設けたカバー等(例えばリング状筒)の回転や
上下動操作により、開口面積等を調整する。 ・回転操作を上下、左右動操作に変換する手段やその逆
の手段 ・着脱自在の複数層のシール(開口面積等の異なるシー
ルが摘み、蓋ないしシャッター等の開閉部材を兼ね
る。)の操作
【0023】上記のような調整手段を適用する際に、例
えば、開口面積(薬剤の種類により異なるが、通常1〜
99%の範囲内にあり、この数値が大きいほど薬剤の揮
散量も大となる。)を変えられるようにした摘み、蓋、
リング等に、開口面積に対応した複数の目盛であって、
各々の目盛が例えば異なる平均気温(℃)、1月〜12月
等の「月」、春夏秋冬等の「季節」を表示している目盛
等を設けることで好みの目盛の選択を可能ならしめ、よ
り使いやすいものとすることができる。かくして該当す
る目盛に合わせ、周囲環境による揮散量のばらつきを調
整することで、適切な防虫ないし殺虫効果を得ることが
でき、さらに終点のばらつき等も抑えることができ、商
品価値を高めることができる。
【0024】本発明の揮散調整手段は上記の具体例に限
られるものではなく、ゲル状防虫剤の全量を増減する場
合は、上記の具体例に基づいて本発明の効果を得るため
に必要な容器の開口面積等を設定することができる。ま
た本発明の揮散量を満足する限り、揮散調整手段に制限
はなく、容器に代えて包装材としてもよく、開口面積を
設ける代わりに微孔膜、ガス透過膜等を用いてもよい。
【0025】本発明のゲル状防虫剤には、発明の効果を
奏する限り必要に応じて殺虫成分、忌避成分、芳香成
分、消臭成分、共力剤、酸化防止剤、防腐剤、保留剤、
湿潤剤、揮散調整剤等を適宜配合してもよい。具体的に
は、エムペンスリン、トランスフルトリン、S-1264
(住友化学工業社製)等の殺虫成分;ディート等の忌避
剤;ローズ油、ラベンダー油、ジャスミン油、パーチュ
リー油、カーネーション油、ハッカ油、ペパーミント
油、ミント油、レモン油、オレンジ油、レモングラス
油、ベルガモット油、ベチュバ油、チョウジ油、セダー
油、ビャクダン油、ユーカリ油、カッシヤ油、ショウノ
ウ油、イランイラン油、シトロネラー油、ゼラニウム油
等の精油;メントール、フィトンチッド等の精油抽出
物;ジャコウ、シベット油、ウミダヌキ油、アンバーグ
リス油等の動物性香料;バニリン、サリチル酸メチル、
シンナミックアルデヒド、フェニルエチルアルコール、
ゲラニオール、オキシシトロネラール、フェニルアセト
アルデヒド、ピペロナール等の合成香料;これらを調合
した調合香料;炭化水素、アルコール、エステル、アル
デヒド、ケトン等の芳香性合成化合物等の芳香成分;エ
タノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸等の有機酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、植物精
油、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界
面活性剤、ベタイン系化合物、硫酸第1鉄等の消臭成
分;IBTA、IBTE等の共力剤;BHT、BHA等
の酸化防止剤;安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、イ
ソチアゾリン系化合物(商品名:ケーソン又はビオサイ
ド)、パラオキシ安息香酸エステル等の防腐剤;エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価
アルコール類、動植物油脂;鉱物油;メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルローズ等のセルロー
ス誘導体等の保留剤、湿潤剤及び揮散調整剤を例示でき
る。
【0026】本発明のゲル状防虫剤において、炭素数が
6以下の多価アルコール及びHLB10以上の常温で液状
の界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を
存在させることは、それらの成分がゲル状製剤表面の急
激な乾燥防止をもたらし、縦方向の収縮をよりスムーズ
なものとする作用があることから、好ましい態様の一つ
である。常温とは20〜25℃を意味する。これらはゲ
ル状防虫剤に、0.2〜20重量%、好ましくは0.5
〜10重量%存在すればよい。これらはO/Wエマルシ
ョン系ゲル用収縮調整剤として働くものである。
【0027】代表的な炭素数が6以下の多価アルコール
としては、グリセリン、ジエチレングリコール、ブチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、
キシリトール等が挙げられる。また、代表的なHLB10
以上の常温で液状の界面活性剤としては、 ・ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしてポリオキシ
エチレン(10)モノラウレート (HLB 13.7) ・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとして
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノヤシ脂肪酸エ
ステル (HLB 16.7) ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート
(HLB 16.9) ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート
(HLB 15.0) ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート
(HLB 15.6) ・ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとして
ポリオキシエチレン(60)ソルビットテトラオレエート
(HLB 14.0) ・ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてポリオキ
シエチレン(9)ラウリルエーテル (HLB 13.6) ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル (HLB 1
3.6) 等が挙げられる。O/Wエマルションとする際には上記
の界面活性剤を用いるのが好ましい。
【0028】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0029】効力試験 (1)供試検体 ・本発明 パラジクロロベンゼン54gを1号灯油108gに溶解
して溶液とした。該溶液をポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油12.5gと共に脱イオン水100gに加えてO/
Wエマルションとした。このO/Wエマルションにゲル
化剤κ−カラギーナンを2g添加してO/Wエマルショ
ンのゲル状ゲル状製剤とした。このゲル状製剤277g
を開口面積50.24cm2のプラスチック(PET)製容器
に収納しゲル状防虫剤とした。
【0030】・比較 パラジクロロベンゼン54gをn−メチル−2−ピロリ
ドン13.5gを用いて1号灯油54gに溶解して溶液
とした。該溶液にゲル化剤(商品名:ゲル化剤T、生研
化学社製)5.2gおよびオレイン酸1.3gを添加し
てオイルのゲル状製剤とした(水を含まない)。このゲ
ル状製剤130gを開口面積50.24cm2のプラス
チック(PET)製容器に収納しゲル状防虫剤とした。
【0031】・参考 パラジクロロベンゼン粉体100gを開口面積50.2
4cm2のプラスチック(PET)製容器に収納した防虫剤と
した。なおゲル状防虫剤として水のゲル状ゲル状製剤
(オイルを含まない)を検討したが、パラジクロロベン
ゼン54gではゲル状製剤とすることはできなかった。
【0032】(2)試験方法 300リットル模擬タンス内に衣類2着を吊り下げ、そ
の一着の襟元、背中中央、裾にイガ幼虫(30日齢)を
10頭ずつゴース袋に封入しセットした。このタンス内
の床中央部に供試検体を置き、試験開始から7日間暴露
させてイガの致死率を調べた。さらに21日経過後に同
様にしてイガの致死率を調べた。試験は25℃条件下で
2回行い、その平均値で評価した。
【0033】(3)試験結果 試験の結果は表1に記載した。本発明においては、参考
のパラジクロロベンゼン粉体と同等の防虫効果を約半分
のパラジクロロベンゼンの使用量で得ることができ、し
かもその効果が持続されることが確認された。また開口
面積を24.62cm2としたプラスチック製容器を用
いて同様の試験を行ったところ、試験開始時から7日間
暴露では51.7%、21日経過後から7日間暴露では
100%のイガの致死率を得ることができた。さらに開
口面積を12.56cm2としたプラスチック製容器を
用いて同様の試験を行ったところ、21日経過後で80
%のイガの致死率であった。比較のオイルのゲル状防虫
剤では、イガの致死率は試験開始時から7日間暴露では
8.5%と低く、本発明と比べて防虫効果の差は明らか
であった。
【0034】
【表1】 表1 効力試験 供試検体 イガの致死率(%) 試験開始時から 7日間暴露 21日経過後 本発明のゲル状防虫剤 93.3 100 比較 (オイルのケ゛ル状防虫剤) 8.5 − 参考 (ハ゜ラシ゛クロロヘ゛ンセ゛ンの粉体) 93.3 −
【0035】揮散試験 (1)供試検体 上記と同じ本発明、比較及び参考の供試検体を用いた。 (2)試験方法 上記効力試験の実施の際に、試験開始前(未使用)と試
験開始から7日間後の供試検体の重量を測定し、その減
少量を揮散量とした。さらに本発明については、パラジ
クロロベンゼンの揮散量について、ゲル状製剤中に残存
しているパラジクロロベンゼンの量をガスクロマトフラ
フで分析し、それに基づいてパラジクロロベンゼンの揮
散量を求めた。 (3)試験結果 試験の結果は表2に記載した。本発明は1日当たりの揮
散量が比較と比べて10倍以上であった。そしてパラジ
クロロベンゼンの揮散量としては0.33g/日であ
り、これは参考のパラジクロロベンゼン粉体の揮散量と
同等であった。
【0036】
【表2】 表2 揮散試験 供試検体 重量減少量 パラジクロロベンゼン揮散量 本発明のゲル状防虫剤 2.18 0.33 比較 (オイルのケ゛ル状防虫剤) 0.17 − 参考 (ハ゜ラシ゛クロロヘ゛ンセ゛ンの粉体) 0.33 0.33 単位:g/日
【0037】処方例 脱イオン水110.5gにκカラギーナン2gを添加し
て加熱溶解後、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
2gを添加した。次に、パラジクロロベンゼン54gを
1号灯油108gに溶解した溶液を添加してO/Wエマ
ルションのゲル状ゲル状製剤とした。このゲル状製剤2
77gを開口面積50.24cm2のPET製容器に収
納してゲル状防虫剤とした。
【0038】表3に、ゲル状防虫剤の具体的な処方例を
示す。
【0039】
【表3】 表3 ゲル状防虫剤処方例 成分 配合量(重量%) 好ましい配合量(重量%) 揮散性防虫成分 5〜30 10〜20 (例:パラジクロロベンゼン) 有機溶剤 10〜60 15〜40 (例:灯油) 界面活性剤 0.5〜5 1〜3 (例:ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル) ゲル化剤 0.5〜5 1〜3 (例:κカラギーナン、寒天及びローカストビーンガム) 防腐剤 0.05〜1 0.1〜0.5 (例:ビオサイト) 酸化防止剤 0.05〜1 0.1〜0.5 (例:BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)) 香料 0.05〜1 0.1〜0.5 水 適量 適量(例:脱イオン水) 合計 100 100
【0040】外装容器の効果 パラジクロロベンゼン15重量%、灯油30重量%(処
方例1について。処方例2は灯油15重量%であ
る。)、界面活性剤(ポリオキシエチレングリコール脂肪
酸エステル)1重量%、ゲル化剤(κ‐カラギーナン、寒
天、ローカストビーンガム及び乳酸カルシウムの混合
物)1.3重量%、防腐剤(ビオサイト)0.1重量%、
酸化防止剤(BHT)0.1重量%、精製水適量に、グリセ
リンを0.2重量%配合した処方のエマルションを、容
量400mlのボトル(底面積40cm2、高さ10cmのだ円
柱状PETボトル、開口面積21cm2)に370g充填作製
し、外装容器にセットして、容量500Lの模擬タンス
中で、25℃、40%RHの条件下で揮散させて、平均揮
散量(5サンプルの平均)(g/日)及びゲル残存率(%)を測
定した。
【0041】図4は、外装容器による平均揮散量(g/日)
及びゲル残存率(%)への影響を示す。外装容器の開口部
を、内装容器である揮散性防虫成分を含むゲル状防虫剤
用の容器における、開口部の直上に位置する天面の部分
に重点的に設けたものを使用して、処方例1及び2のも
のを測定すると同時に、比較のために、外装容器の開口
部を比較的均等に設けたものを使用して、処方例2のも
のを測定する。図4において、縦軸は下方の平均揮散量
(g/日)及び上方のゲル残存率(%)、横軸は経過日数(日)
を表す。重点1(グリセリン処方例1重点開口部)、重点
2(グリセリン処方例2重点開口部)、均等(グリセリン
処方例2均等開口部)及び理想(理想値)を区別して示
す。図4にみられるように、外装容器の開口部を重点的
に設けたものを使用したものは平均揮散量(g/日)及びゲ
ル残存率(%)ともに理想値に近いのに対して、外装容器
の開口部を均等に設けたものを使用したものは揮散が速
すぎてゲル残存率(%)の値が早期に低下することがわか
る。また、平均揮散量が急激に低下し、安定した揮散が
得られないことがわかる。
【0042】グリセリンの効果 パラジクロロベンゼン15重量%、灯油15重量%、界
面活性剤(ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステ
ル)1重量%、ゲル化剤(κ‐カラギーナン、寒天、ロー
カストビーンガム及び乳酸カルシウムの混合物)1.3
重量%、防腐剤(ビオサイト)0.1重量%、酸化防止剤
(BHT)0.1重量%、精製水適量に、グリセリンを0〜
5重量%配合したゲルを、容量150mlのボトル(底面
積30cm2、高さ5.5cmのだ円柱状PETボトル、口部面
積23cm2)に120g充填し、25℃、40%RHの条件下
で揮散させて、ゲルの高さを測定した。試験開始後46
日のゲルの高さを表4に示す(試験開始前のゲルの高さ
4cm)。
【0043】
【表4】 この結果から、特にグリセリンを0.2〜2重量%配合
したゲルは、ゲル表面の急激な乾燥を防ぎ、縦方向への
収縮がよりスムーズなものとなる効果をもたらすことが
わかる。
【0044】HLB10以上の常温で液状の界面活性剤の
効果 HLB10以上の常温で液状の界面活性剤及びHLB10以上
の常温で固体の界面活性剤を用いて、下記表5に示す処
方のゲルを作製した。
【0045】
【表5】
【0046】容量300mlのだ円柱状の容器(開口面積
約30cm2、底面積40cm2、高さ10cmのだ円柱状ボト
ル)に処方A(HLB10以上の常温で液状の界面活性剤が存
在)及び処方B(HLB10以上の常温で固体の界面活性剤が
存在)のゲルを260g充填後、タンス(500L)内の底
中央に置いて6ケ月間揮散させ、ゲルの重量残存率及び
ゲルの高さ(縦収縮率)を測定した。揮散前のゲルの高さ
は、5.8cmである。結果を表6に示す。
【0047】
【表6】 HLB10以上の常温で液状の界面活性剤が存在したゲル
(処方A)の方がHLB10以上の常温で固体の界面活性剤が
存在したゲル(処方B)よりも揮散量が優れ、ゲルの縦収
縮率が高いことがわかる。すなわち、HLB10以上の常
温で液状の界面活性剤が存在したゲル(処方A)の方が、
縦方向への収縮がよりスムーズなものとなる効果をもた
らすことがわかる。
【0048】持続の効果 パラジクロロベンゼン15重量%、灯油30重量%、界
面活性剤(ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステ
ル)1重量%、ゲル化剤(κ‐カラギーナン、寒天、ロー
カストビーンガム及び乳酸カルシウムの混合物)1.3
重量%、防腐剤(ビオサイト)0.1重量%、酸化防止剤
(BHT)0.1重量%、香料0.1重量%、脱イオン水5
2.5重量%に、グリセリンを0.2重量%配合した処
方のゲルを、容量400mlのボトル(底面積55cm2、高
さ10cmのだ円柱状PETボトル、開口面積40cm2)に3
70g充填し、容量500Lの模擬タンス中で、25℃、
50%RHの条件下で揮散させて、パラジ平均揮散量(5サ
ンプルの平均) (g/日) (「パラジ平均揮散量」というの
は、「ゲル中の揮散性防虫成分であるパラジクロロベン
ゼンの平均揮散量」をこのように略称したものである。
以下、同様にこの略称を用いて記載する。)及びパラジ
重量残存率(%)(「パラジ重量残存率」というのは、
「ゲル中の揮散性防虫成分あるパラジクロロベンゼンの
重量残存率」をこのように略称したものである。以下、
同様にこの略称を用いて記載する。)を測定した。
【0049】持続の効果(他の例) パラジクロロベンゼン10重量%、灯油20重量%、界
面活性剤(ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステ
ル)1重量%、ゲル化剤(κ‐カラギーナン、寒天、ロー
カストビーンガム及び乳酸カルシウムの混合物)1.3
重量%、防腐剤(ビオサイト)0.1重量%、酸化防止剤
(BHT)0.1重量%、香料0.1重量%、脱イオン水5
2.5重量%に、グリセリンを0.2重量%配合した処
方のゲルを、容量300mlのボトル(底面積36cm2、高
さ9cmの円柱状PETボトル、開口面積33cm2)に260
g充填作製し、容量500Lの模擬タンス中で、25℃、
50%RHの条件下で揮散させて、パラジ平均揮散量(5サ
ンプルの平均) (g/日)及びパラジ重量残存率(%)を測定
した。
【0050】図5及び図6において、縦軸はパラジ平均
揮散量(g/日)及びパラジ重量残存率(%)横軸は経過日数
(日)を表す。図5及び図6にみられるように、グリセリ
ンを配合したものはパラジ平均揮散量(g/日)及びパラジ
重量残存率(%)ともに安定しており、理想的であること
がわかる。しかもその効果は、120日もの長い期間得
られることが確認された。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、従来よりも少ない防虫
成分量で、長期間にわたり防虫効果を持続することがで
きる新規なゲル状防虫剤が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、包装容器に収納されたゲル状防虫剤
の外観の説明図(正面図)である。
【図2】本発明の、他のタイプの容器に収納されたゲル
状防虫剤の外観の説明図であり、Aは斜視図、BはAの
B−Bで切断した正面断面図である。
【図3】ゲルを充填する容器の形状によりゲル状防虫剤
の揮散に伴って収縮する形状が異なる様子を示す概念図
である。Aは垂直内壁面の底部平面に対する角度が90
±1°以内である容器、Bは口部が広がったコップ形状
の容器、Cは口部が狭まった逆コップ形状の容器、Dは
ツボのような形状の容器の場合である。
【図4】外装容器による平均揮散量(g/日)及びゲル残存
率(%)への影響を示す。
【図5】図5は、グリセリン配合のパラジ平均揮散量(g
/日)及びパラジ重量残存率(%)への影響を示す。
【図6】図6は、グリセリン配合のパラジ平均揮散量(g
/日)及びパラジ重量残存率(%)への影響を他の例で示
す。
【符号の説明】
1 包装容器本体 2 開口部 3 外装容器 4 内装容器 5 外装容器の開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 61/00 A01N 61/00 D Fターム(参考) 2B121 CA02 CA17 CA21 CA29 CA44 CA45 CA67 CC02 CC31 EA02 FA06 FA08 FA11 4H011 AC05 BA04 BA05 BB02 BC03 BC19 CC01 DA14 DB04 DD06 DF03 DG03 DH03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮散性防虫成分を含むO/Wエマルショ
    ンをゲル化したことを特徴とするゲル状防虫剤。
  2. 【請求項2】 炭素数が6以下の多価アルコール及びHL
    B10以上の常温で液状の界面活性剤からなる群から選
    ばれる少なくとも1種を存在させることを特徴とする請
    求項1に記載のゲル状防虫剤。
  3. 【請求項3】 包装材料に収納し、揮散性防虫成分の揮
    散量を0.01〜0.5g/日としたことを特徴とする
    請求項1又は2に記載のゲル状防虫剤。
  4. 【請求項4】 揮散性防虫成分がパラジクロロベンゼン
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載のゲル状防虫剤。
  5. 【請求項5】 実質的に容器底部平面に対して垂直な内
    壁をもつ容器であって、その容器の垂直内壁面の底部平
    面に対する角度が90±1°以内であることを特徴とす
    る揮散性防虫成分を含むゲル状防虫剤用の容器。
  6. 【請求項6】 実質的に容器底部平面に対して垂直な内
    壁をもつ容器であって、その容器の垂直内壁面の底部平
    面に対する角度が90±1°以内であることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲル状防虫剤
    用の容器。
  7. 【請求項7】 外装容器の開口部を、内装容器である揮
    散性防虫成分を含むゲル状防虫剤用の容器における、開
    口部の直上に位置する天面の部分に重点的に設けたこと
    を特徴とする外装容器。
  8. 【請求項8】 外装容器の開口部を、内装容器である請
    求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲル状防虫剤用の
    容器における、開口部の直上に位置する天面の部分に重
    点的に設けたことを特徴とする外装容器。
  9. 【請求項9】 外装容器の開口部を、内装容器である請
    求項6に記載の容器における、開口部の直上に位置する
    天面の部分に重点的に設けたことを特徴とする、内装容
    器を内包した外装容器。
  10. 【請求項10】 炭素数が6以下の多価アルコール及び
    HLB10以上の常温で液状の界面活性剤からなる群から
    選ばれる少なくとも1種からなるO/Wエマルション系
    ゲル用収縮調整剤。
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