JP2009089690A - 薬剤揮散装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した薬剤揮散性能を奏し、かつ薬剤担持体に担持された薬剤が使用終期まで有効使用され、しかも使用性に優れたファン式の薬剤揮散装置の提供。
【課題の解決手段】揮散性薬剤を樹脂成形体又はゲル形成体に担持させてなる薬剤担持体と、これを収納する収納部と、シロッコファンと、前記シロッコファンに連結するモーターと、吸気口及び排気口を備えた薬剤揮散装置において、
前記薬剤担持体は前記揮散性薬剤が自身で表面にブリードする特性を有するもので、この薬剤担持体の少なくとも一部を囲繞するように前記シロッコファンが配設されており、前記揮散性薬剤は前記薬剤担持体の表面にブリードしたのち、ファンによる吸気流とともに排気口から拡散するように構成した薬剤揮散装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、薬剤担持体に担持された薬剤を揮散させるファン式の薬剤揮散装置の改良に関するものである。
害虫、例えば蚊やブユなどを駆除するために、薬剤を閉鎖空間(室内や自動車の車内、アウトドアスポーツにおけるテント内など)全体に揮散、放出させる薬剤揮散方法として、熱エネルギーを利用した蚊取線香や電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)が一般的であるが、常温でファン等の風力を利用して薬剤を揮散、放出させる方法も実用化されている。後者の方法は必ずしも交流電源を必要とせず、持ち運びが可能であることから携帯用として有用であり、本発明者らも特開2001−247406号公報において、薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、遠心力によって薬剤を効率的に揮散、放出させる薬剤揮散方法を開示した。
また、特開2003−9747号公報には、薬剤容器保持部に薬剤を収容した薬剤容器を保持し、送風機を駆動することで、その揮散した薬剤が装置本体内外に流通する空気とともに装置本体外に流出する送風式薬剤揮散装置が開示されている。そして、薬剤含浸体として、ゲル製剤、パルプ、繊維等の通気性構造物があげられている。
しかしながら、特開2001−247406号公報や特開2003−9747号公報に開示のものを含め、従来のファン式の薬剤揮散装置で用いられる薬剤含浸体は、セルロースビーズ等の担体に含浸された薬剤が、遠心力やファンの風力によって担体内部から担体表面に移行し、揮散に供されるものであった。すなわち、自身でブリードする性質を有さないため使用終期において薬剤が担体に一部残ることは避けられず、特に遠心力を伴わない特開2003−9747号公報の方法では、使用中期までの早い段階で揮散効率の低下が認められた。
ところで、特開2006−256997号公報には、エンペントリンを保持し、そのブリードがコントロールされたポリオレフィン系樹脂からなる防虫用ネットが開示されている。そして、このものは、家屋やペット小屋に吊るしたり、人又は動物に装着して蚊等の害虫防除に有効なことが記載されているが、ファン式の薬剤揮散装置への適用については何ら言及されていない。
特開2001−247406号公報 特開2003−9747号公報 特開2006−256997号公報
本発明は、安定した薬剤揮散性能を奏し、かつ薬剤担持体に担持された薬剤が使用終期まで有効使用され、しかも使用性に優れたファン式の薬剤揮散装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、次のような構成を採用する。
(1)揮散性薬剤を樹脂成形体又はゲル形成体に担持させてなる薬剤担持体と、これを収納する収納部と、シロッコファンと、前記シロッコファンに連結するモーターと、吸気口及び排気口を備えた薬剤揮散装置において、
前記薬剤担持体は前記揮散性薬剤が自身で表面にブリードする特性を有するもので、この薬剤担持体の少なくとも一部を囲繞するように前記シロッコファンが配設されており、前記揮散性薬剤は前記薬剤担持体の表面にブリードしたのち、ファンによる吸気流とともに排気口から拡散するように構成した薬剤揮散装置。
(2)樹脂成形体が、ポリオレフィン系樹脂に揮散性薬剤のブリードをコントロールするカルボン酸エステル単量体単位を含有する(1)記載の薬剤揮散装置。
(3)ゲル形成体が、ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩、架橋剤を含有する(1)記載の薬剤揮散装置。
(4)薬剤が、一般式(I)
Figure 2009089690

(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種である(1)ないし(3)のいずれか記載の薬剤揮散装置。
本発明の薬剤揮散装置は、薬剤担持体に担持された揮散性薬剤が自身で表面にブリードする特性を有するので、ファンによる作用と相まって安定した薬剤揮散性能を奏し、かつ揮散性薬剤が使用終期まで有効使用され、しかも使用性に優れており、その実用性は極めて高い。
本発明で用いられる揮散性薬剤としては、揮散性に優れた殺虫成分、殺ダニ成分、忌避成分、抗菌成分、消臭成分、芳香成分等があげられる。殺虫成分としては、エムペントリンや一般式(I)
Figure 2009089690

(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた常温揮散性殺虫成分が好適である。これらの化合物は、従来のアレスリン、フラメトリン及びプラレトリンに比べて蒸気圧が高く、蚊、ハエ、ブユ、ユスリカなどの害虫に対する殺虫効力も優れている。なお、化合物の酸成分において、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、それらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることはもちろんである。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル クリサンテマート(以後、化合物Aと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル クリサンテマート(以後、化合物Dと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Eと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Fと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル クリサンテマート(以後、化合物Gと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Hと称す)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Iと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Jと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−ビニルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Kと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Lと称す)、又は4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Mと称す)をあげることができる。
また、他の揮散性薬剤としては、例えば、ディート、ジメチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の忌避成分、ヒノキチオール、テトラヒドロリナロール、オイゲノール、シトロネラール、アリルイソチオシアネート等の抗菌成分、シトロネラ油、オレンジ油、レモン油、ライム油、ユズ油、ラベンダー油、ペパーミント油、ユーカリ油、ジャスミン油、檜油、緑茶精油、リモネン、α−ピネン、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンジルアセテート等の芳香成分、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド配合の香料成分等があげられる。
本発明は、前記揮散性薬剤の担体として樹脂成形体又はゲル形成体を用い、薬剤担持体は揮散性薬剤が自身で表面にブリードする特性(以下、自己ブリード性と称す)を有することを特徴とする。
すなわち、自己ブリード性を有する薬剤担持体は、従来のファン式の薬剤揮散装置に用いられた薬剤含浸体と較べて新規な技術概念であり、これを用いた本発明の薬剤揮散装置は、下記に示すように、驚くべき効果を示すものである。
1)担持された揮散性薬剤が、遠心力やファンの風力に左右されずに担体内部から一定して表面に移行するので、揮散性薬剤の表面ブリード量が安定している。そして、使用終期における揮散性薬剤の残存ロスが極めて小さい。
2)上記に基づき、ファンによる作用を付加させた場合には、経時的に一定した揮散量を与え、従来品より一層安定した効力を最後まで維持する。
樹脂成形体としては、ポリオレフィン系樹脂に揮散性薬剤のブリードをコントロールするカルボン酸エステル単量体単位を含有させたものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂には、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂があり、カルボン酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル等があげられる。ポリオレフィン系樹脂に対するカルボン酸エステル単量体の含有比率は、使用する揮散性薬剤や使用目的等に応じて、1〜30質量%の範囲で適宜調整される。
なお、カルボン酸エステル単量体が含有されたポリオレフィン系樹脂は、カルボン酸エステル単量体を多く含む(例えば、ポリオレフィン系樹脂に対するカルボン酸エステル単量体の含有比率が3〜40重量%)ポリオレフィン系共重合体とオレフィンの単独重合体を混合し所定比率に調整したものでもよい。
一般に、カルボン酸エステル単量体の含有比率が高くなるほど揮散性薬剤のブリード速度が遅くなり、一方、カルボン酸エステル単量体の含有比率が低くなるほどブリード速度が増大する。
樹脂成形体は、揮散性薬剤との混練物を通常成形方法により、ネット、シートやフィルム状等に賦形される。なお、通常用いられる成形方法とは、押出し成形、カレンダー成形、ブロー成形、真空成形、射出成形、プレス成形等である。
一方、ゲル形成体としては、ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩、架橋剤や、スチレン系エラストマー、12−ヒドロキシステアリン酸などのゲル化剤を用いて形成したものがあげられるが、自己ブリード性等の点から、ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩、架橋剤を用いたものが好ましい。
ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩は、その分子量及び直鎖状、分枝鎖状等の形状には特に制限はなく、ポリアクリル酸塩としてはポリアクリル酸のナトリウム塩やカリウム塩等があげられる。ゲル組成物の調製にあたっては、前記揮散性薬剤とゲル化剤とともに、媒体としての水、エタノールやグリコール類、更に水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、エトキシ化合物等の架橋剤、揮散性薬剤の溶媒としての油性成分(パラフィン系もしくは芳香族系炭化水素類、脂肪族もしくは芳香族系エステル類等)、その他必要に応じて添加される各成分を室温下で混合すればよい。
本発明で用いる薬剤担持体には、安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合してもよい。色彩の付加は、商品価値を高めるだけでなく、特にゲル形成体の場合はゲルが収縮して揮散性薬剤の揮散終点を明瞭に視認させえることから好ましい。
本発明では、樹脂成形体やゲル形成体等の薬剤担持体は、薬剤揮散装置の収納部に収納して用いられる。収納部の周壁は、薬剤担持体の全長を略カバーし、それが砕れた場合の散逸を防止できる限り、通気性を有するのが好ましく、通気孔が適宜設けられる。
本発明の薬剤揮散装置は、前記薬剤担持体の少なくとも一部を囲繞するように配設されたシロッコファンを有する。すなわち、揮散性薬剤は薬剤担持体の表面にブリードしたのち、ファンによる吸気流とともに排気口から効率よく拡散するように構成されている。
シロッコファンの大きさや形状は特に限定されないが、円形筒状で、内層と外層の周面に開口部を形成して多数のブレードを並設したものが一般的で、その内層の内側に薬剤担持体を挿設するのが好ましい形態である。
シロッコファンが薬剤担持体の少なくとも一部を囲繞せず、例えば、シロッコファンの下端が薬剤担持体の上方に5mm以上の間隙を有して配設されると、ファンの吸気流による揮散性薬剤の拡散促進力が弱くなり、薬剤担持体に賦与された自己ブリード性のメリットが十分に発揮されないことが認められた。
本発明でファンを駆動させるために用いるモーターの仕様は、DC1.5V〜6.0V駆動で、200〜2000rpmの回転数を与えるものが適当である。また、電源としては、装置のシンプル化から乾電池駆動が好ましいが、100V交流電源と共用可能にしたり、太陽電池を用いた構成にすることもできる。100V交流電源を利用する場合、ACアダプターを用いて電圧ドロップ、整流した後モーター用電源回路に供給される。ACアダプターは、薬剤揮散装置に内蔵してもよいが、コンセントプラグと一体化すると、プラグと薬剤揮散装置間の電源コードを軽量化できるというメリットを有する。
本発明の薬剤揮散装置は、シンプルで操作が簡単なことを特徴とするが、もちろん製造性やコスト面で許す限り種々の機能を付加しても構わない。
例えば、ファンの駆動と休止のサイクルを繰り返し、薬剤を間欠的に揮散せしめるようにしてもよいし、スイッチオンを示すパイロットランプを別途装填してもよい。
こうして得られた本発明の薬剤揮散装置は、薬剤担持体から自己ブリードした揮散性薬剤をファンによる吸気流にのせて効率的に揮散、拡散させ、薬剤として殺虫成分を用いた場合には、屋内又は屋外において、蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫、あるいはイガ、カツオブシムシなどの衣料害虫に対してすぐれた殺虫、防虫効果を奏する。また、薬剤担持体としてゲル形成体を用いた場合には、揮散性薬剤のブリードとともにゲルが収縮し、薬剤担持体の消失状態を目視するだけで薬剤担持体の交換時期とモーターの使用時間を簡単に認知できるので、極めて有用かつ実用的である。
次に、具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の薬剤揮散装置を更に詳細に説明する。
図1は本発明の薬剤揮散装置の一例の断面図を示す。
薬剤揮散装置1は、薬剤担持体2を収納する収納部3と、この薬剤担持体2の少なくとも一部を囲繞するように配設されたシロッコファン4と、このファン4を駆動させるモーター5と、電源としての乾電池6を備えている。
揮散性薬剤は薬剤担持体2の表面にブリードしたのち、シロッコファン4によって生起された吸気流にのって効率よく拡散する。ここで、吸気流は吸気口7から、薬剤担持体2、シロッコファン4を通り、排気口8から空中に放散される構造になっている。
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体[共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:10重量%、商品名:アクリフトWD301(住友化学株式会社製)]97重量部、及び化合物H[4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]3.0重量部を溶融混練し、得られたペレット状混練物をネット成形用ダイスを介して押出すことにより、一辺が約5mmの略ひし形のネット(網を形成するフィラメントの直径:0.83mm、開口率:68%)で、直径が約20mm、高さ約40mmの円筒状樹脂成形体(薬剤担持体2;化合物Hとして60mg含有)を得た。
これを収納部3(通気孔を有する直径が約23mm、高さ約30mmの円筒壁)に収納し、シロッコファン4(内径:30mm、外径:42mm、高さ:20mm)の下端が、樹脂成形体の上端約15mmとオーバーラップするように配設した。モーター5として回転数が1400rpm仕様のものを用い、乾電池6は1.5Vの単3電池2個を使用して、本発明の薬剤揮散装置1を構成した。
本薬剤揮散装置1を、8畳のリビングルームのサイドボード上に置き1日あたり約8時間の割合で使用した。その結果、30日間にわたり蚊や他の害虫に悩まされることがなく、十分な防虫効果が認められた。また、30日間の使用終了後、薬剤担持体2に残存している有効成分量を調査したところ、初期量の10%以下でロスが少なく、薬剤の有効利用の観点から極めて効果的であった。
化合物B[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]1.0重量部、ポリアクリル酸部分中和物(アクバーナ:住友精化株式会社製)7.0重量部、乾燥水酸化アルミニウムゲル(アルミゲル:中外製薬株式会社製)0.2重量部、トリエチルシトレート10重量部、及びプロピレングリコール7.0重量部を室温下で混合し、これに酒石酸0.25重量部と水74.55重量部の混合物を添加した。室温下で混合して、直径約20mm、高さ約25mmの円筒状ゲル形成体(薬剤担持体2;化合物Bとして75mg含有)を得た。
実施例1と同様に構成した本薬剤揮散装置1を玄関に置いて使用したところ、約300時間にわたり蚊や各種害虫の虫よけに有効であった。約300時間使用後、ゲル形成体が小さく収縮し、薬剤担持体2の交換時期を明瞭に認識することができた。
実施例1及び実施例2に準じ、薬剤担持体と、乾電池でファンを駆動させるモーターを備えた240時間用の各種薬剤揮散装置を作製し、性能試験を行った。なお、殺虫効力試験はアカイエカ成虫を用いて6畳間の実用部屋で行い、比較例には、化合物C[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート]を含有するセルロースビーズに軸流ファンからの風を当てるタイプを用いた。また、ファンの回転数はいずれも1400rpmとした。
Figure 2009089690
本発明の薬剤揮散装置は、240時間の長期にわたり優れた殺虫効力を安定して保持し、使用終期における有効成分ロスも少なかった。
これに対し、比較例1のように、セルロース系ビーズ薬剤含浸体に軸流ファンによって風を当てるタイプでは殺虫効力が低く、使用後有効成分がかなり残存した。また、比較例2の如く、樹脂成形体であっても自己ブリード性を有さない場合は、揮散性薬剤の樹脂内部から表面への移行が安定してスムーズに行われず、経時的に揮散効率が悪くなった。更に、比較例3のように、本発明の樹脂成形体を囲繞しないようにシロッコファンを配設した場合、比較例2と同様に、経時的な揮散性能が劣った。従って、自己ブリード性を有する薬剤担持体を用い、かつ特定の位置関係でシロッコファンと組合わせたことに基づく本発明の有用性が確認された。
本発明の薬剤揮散装置の一例の断面図を示す。
符号の説明
1:薬剤揮散装置
2:薬剤担持体
3:収納部
4:シロッコファン
5:モーター
6:乾電池
7:吸気口
8:排気口

Claims (4)

  1. 揮散性薬剤を樹脂成形体又はゲル形成体に担持させてなる薬剤担持体と、これを収納する収納部と、シロッコファンと、前記シロッコファンに連結するモーターと、吸気口及び排気口を備えた薬剤揮散装置において、
    前記薬剤担持体は前記揮散性薬剤が自身で表面にブリードする特性を有するもので、この薬剤担持体の少なくとも一部を囲繞するように前記シロッコファンが配設されており、前記揮散性薬剤は前記薬剤担持体の表面にブリードしたのち、ファンによる吸気流とともに排気口から拡散するように構成したことを特徴とする薬剤揮散装置。
  2. 樹脂成形体が、ポリオレフィン系樹脂に揮散性薬剤のブリードをコントロールするカルボン酸エステル単量体単位を含有することを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散装置。
  3. ゲル形成体が、ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩、架橋剤を含有することを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散装置。
  4. 薬剤が、一般式(I)
    Figure 2009089690

    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の薬剤揮散装置。
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