JP2003102822A - 芳香消臭剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】トイレ、部屋又は自動車の車内などの空間を爽
やかな香りで満たす２層芳香剤組成物の提供。 【解決手段】 本発明は、２層構造をとり、上層には香
料等の揮散性化合物を含むゲル層を、下層には上層に含
まれる揮散性化合物とは同じ又は異なる揮散性化合物を
含む流動性のある液状又はゾル状で構成される流動層か
らなる芳香消臭剤に関する。本発明の芳香消臭剤におい
て、上層及び下層に含まれる揮散性化合物は、同じであ
ってもよく、又は異なっていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】この発明は、トイレ、部屋又
は自動車の車内などの空間を爽やかな香りで満たす２層
芳香剤組成物に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、トイレや部屋や自動車の車内など
の空間を爽やかな香りで満たすためなどに、ゲル状芳香
剤組成物が使用されている。 【０００３】図1に示すように、従来よりこのゲル状芳
香剤組成物は、揮散性有効成分として芳香成分がゲル状
部１に配合されており、ゲル状部１の水分と共に揮散性
有効成分が空気中に揮散することによって室内に芳香が
漂う。そして室内の芳香の強さは、芳香成分の揮散の開
始時からゲル状部１の減量の満了時までほぼ一定である
ことが望ましい。しかし、実際にはゲル状部１の減量に
伴い芳香の強度が低下し、未だゲル状部１の残量がある
時点でも香りが弱くなったことが官能的に把握され、使
用者が不満を感じるという問題があった。 【０００４】また、特開平１０−１２７７４３号公報に
は、揮散性有効成分を含有するゲル状部にその含有率の
相違するゲル状領域が併存すると共に、揮散性有効成分
の含有率が高い方のゲル状領域は界面活性剤により揮散
性有効成分が可溶化されてゲル状とされ、ゲル状部が揮
散して減量してきたときにはゲル状領域相互間の揮散性
有効成分含有率の高低差による濃度勾配により、揮散性
有効成分含有率が高い方のゲル状領域からこれと接触す
る低い方のゲル状領域へと揮散性有効成分が供給され、
この供給された揮散性有効成分も揮散性有効成分含有率
の低い方のゲル状領域から併せて揮散するようにしたこ
とを特徴とするゲル状組成物が、記載されている。しか
しながら、特開平１０−１２７７４３号公報の発明の芳
香消臭剤は、２種類のゲル状物からなる芳香消臭剤に関
する。 【０００５】比較的持続性のよい基剤からなる単独の流
動物をそのまま、芳香消臭剤基剤として使用した場合が
あるが、その流動性が原因で、使用中の転倒により中身
がこぼれたり、流通での運搬時の振動により、中身がシ
ールしているフタ部へ付着して、開封時に手についてし
まう問題がある。 【０００６】 【本発明が解決しようとする問題点】本発明は通常のゲ
ル状物では改善が難しいゲル状芳香消臭剤において、流
動物を併用することで安定した芳香強度を維持できるゲ
ル状芳香消臭剤を提供するに至った。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明は、２層構造をと
り、上層には香料等の揮散性化合物を含むゲル層を、下
層には上層に含まれる揮散性化合物とは同じ又は異なる
揮散性化合物を含む流動性のある液状又はゾル状で構成
される流動層からなる芳香消臭剤に関する。 【０００８】本発明の芳香消臭剤において、上層及び下
層に含まれる揮散性化合物は、同じであってもよく、又
は異なっていてもよい。このような組成にすることで、
芳香強度の持続安定性に優れた芳香消臭剤組成物が提供
される。 【０００９】また、本発明の芳香消臭剤組成物は、単独
の流動物をそのまま使用した場合に比べて、流動物の上
部をゲルが抑えているので、使用中や流通時の安定性に
に優れており、流動物単独基剤よりも優れている。 【００１０】その揮散性化合物の例は、天然香料、合成
香料、その他天然抽出の香気成分等を用いることができ
る。具体的には、ラベンダー系の香りのもの（日本フィ
ルメニッヒ社製 ＳＵＰＥＲＦＬＯＲＡ ７５５４０
Ｆ；塩野香料社製 Ｓ−ＬＡＶＥＮＤＥＲ ＡＢ２９４
４；日本フィルメニッヒ社製 ＬＡＶＥＮＤＥＲ ＯＬ
ＥＯＴＯＰ １３６１００Ｂ及び日本フィルメニッヒ社
製 ＳＵＰＥＲＦＬＯＲＡ ７５５４０Ｆ）が使用でき
る。 【００１１】樟脳、ピレスノイド、パラジクロロベンゼ
ン、ナフタリン、Ｄｅｅｔ等の揮散性防虫物質から成る
防虫剤；シトロネラ、ユーカリ油、ラベンダー油などの
衛生害虫・動物に対して忌避効果があるとされている揮
発性の植物抽出物からなる忌避剤；フェロモン等の天然
由来の物質の他に、揮発によって誘引の効果を発揮する
化学物質；チモール、シンナミックアルデヒド、シトラ
ール等の殺菌剤；シンナミックアルデヒドなどのアルデ
ヒド基を持つものやリモネンなどの揮発性のある消臭物
質等も使用できる。 【００１２】香料保留剤として３−メチル−３−メトキ
シブタノール（クラレ社製 ソルフィット）も使用でき
る。上層及び下層における、揮散性化合物の含有量は希
望する芳香強度に合わせて任意に選べるが、通常ゲル安
定性などから１−２０重量％が好ましい。 【００１３】本発明の下層及び上層にポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル等の界面活性剤が使用できる。本発明のゲル
状芳香消臭剤はゲル状物と流動物の少なくとも２種類の
形状を組み合わせたもので、ゲル状物としてはカラギー
ナン、寒天、ジェランガム、ゼラチンなどの天然高分子
ゲルや、カルボキシメチルセルロースを初めとする合成
高分子ゲルなど、保型性を有し内容成分の揮散に伴い収
縮するゲルなら何でもよく、水を溶媒としてゲル中に香
料を配合させたものや、金属石鹸を用いた非水溶性溶媒
を利用した非水ゲルに、香料を配合したものが挙げられ
る。一方、流動物としては、単に水を溶媒として香料を
配合したものや、水溶性高分子や非水溶性高分子を配合
して増粘された系に香料を配合したものでも良い。この
水溶性高分子としては、キサンタンガムやカラギーナ
ン、グアガムなどの天然系高分子や、ポリアクリル酸ソ
ーダやＣＭＣのように合成系高分子など、また水溶性高
分子として、メチルセルロースやエチルセルロースなど
が使用でき、流動性を有し内容物の揮散に伴い収縮する
ものなら何でも良い。 【００１４】こうして選択されるゲル状物と流動物の構
成としては、未使用時にはゲル状物が流動物を覆うよう
にセットされており、使用開始後にゲルがある程度収縮
した際のゲル状物の自重で、当初覆われていた流動物が
空気表面に暴露されるように構成されていればよい。 【００１５】図２は、使用前の本発明の芳香消臭剤組成
物の側面図である。ゲル層は、１１で示され、流動層
は、１２で示される。この状態では、最初ゲル層１１か
ら揮散性化合物が発散される。 【００１６】図３は、使用中の状態の側面図である。ゲ
ル層１１中の揮散性化合物が発散されて、収縮し、自重
と体積減少により、流動層１２中に沈む。そのため、流
動層１２中の揮散性化合物が発散され、新鮮な香りが新
たに現れた流動物より芳香する機構となる。 【００１７】図４は、本発明の組成物の経時変化の状態
を示す側面図。また、使用される容器形状は、ゲルの収
縮形状にもよるが、開口部から底部にかけて垂直な形状
か、底部に方向にシュリンクした形状が望ましく、さら
に製品流通時の振動などでゲルが落ちないことを加味す
ると、流動体にはある程度の粘性を持たせた方が望まし
い。 【００１８】また、製造方法については、先に流動層充
填後に凍結処理を行い、上層のゲル状物を充填する方法
や、流動層の粘度を非常に高く設定してそのままゲル状
物を充填する方法、容器の底部に充填口を設け、先に開
口部のシールを行った後に容器を倒立させてゲル状物→
流動物の順番で充填し、充填口を塞ぐ方法などがある。実施例並びに比較例１及び２ 合計香料料が、６ｇｒ．になるように下記のように成分
を調整した。 【００１９】 【表１】 【００２０】各例の処方は次の通りである。 【００２１】 【表２】【００２２】試験結果は、次の通りである。 【００２３】 【表３】 【００２４】上記の結果より、本発明の芳香消臭剤組成
物は、安定した香りを維持していることが解る。特に、
実施例１と比較例２との比較において、実施例１の本発
明の２層芳香消臭剤組成物は、全体が流動層から構成さ
れている比較例２の組成物と同等の芳香強度が得られて
いる。

【図面の簡単な説明】 【図１】従来の芳香消臭剤の斜視図。 【図２】使用前の本発明の芳香消臭剤組成物の側面図。 【図３】使用中の本発明の芳香消臭剤組成物の側面図。 【図４】本発明の組成物の経時変化の状態を示す側面
図。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 ２層構造をとり、上層には香料等の揮散
   性化合物を含むゲル層を、下層には上層に含まれる揮散
   性化合物とは同じ又は異なる揮散性化合物を含む流動性
   のある液状又はゾル状で構成される流動層からなる芳香
   消臭剤。