JP2020105120A - 燻煙装置 - Google Patents
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Abstract
Description
燻煙剤組成物の充填量を単に増やすと、燻煙剤組成物の充填厚みが大きい場合には、燻煙時に燻煙剤組成物が燻煙装置の外部に噴出してしまうことがある。燻煙剤組成物が噴出してしまうと、薬剤等の揮散量が低下する(燻煙効率が低下する)。
加えて、冬場の低温(例えば、5℃以下)環境下においては、発煙不良が発生し、薬剤等の揮散量が低下する。
[1]有底筒状の外容器と、前記外容器の内部に位置する有底筒状の内容器とを備え、
前記内容器には、燻煙剤組成物(B)が収容されて燻煙剤部が形成され、
前記外容器には、水と接触して発熱する発熱性物質(A)が収容されて加熱部が形成され、
前記外容器の底壁には、通水用の開口部が形成され、
前記発熱性物質(A)の水和反応熱で、前記内容器を介して前記燻煙剤組成物(B)を加熱して、燻煙を発生する燻煙装置において、
前記燻煙剤組成物(B)は、薬剤と有機発泡剤とを含有し、
前記燻煙剤部の厚さ(t)が25mm以上であり、
前記内容器の底壁の中央(h1)と、前記内容器の側壁における前記燻煙剤部の上端の位置(h2)とは、加熱開始後に200℃に達するまでの時間の差(△T)が30秒以下である、燻煙装置。
[2]下記(A2)に対する下記(A1)の比(A1)/(A2)が、0.1〜0.9である、[1]に記載の燻煙装置。
(A1):前記中央(h1)から下方に位置する前記発熱性物質(A)の質量。
(A2):前記位置(h2)と前記中央(h1)との間に位置する前記発熱性物質(A)の質量。
[3]前記燻煙剤組成物(B)の質量に対する前記(A1)と前記(A2)との合計の質量の比[(A1)+(A2)]/(B)が、0.6〜1.2である、[2]に記載の燻煙装置。
[4]前記中央(h1)と前記外容器の底壁の中央(h3)との距離(d)に対する前記厚さ(t)の比(t)/(d)が、3〜15である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の燻煙装置。
[5]前記発熱性物質(A)の粒子径が1〜7mmである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の燻煙装置。
[6]前記発熱性物質(A)が酸化カルシウムである、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の燻煙装置。
[7]前記酸化カルシウムの下記測定方法で測定される活性度が50℃以上である、[6]に記載の燻煙装置。
<測定方法>
デュワー瓶に20℃の水600mLを入れ、スリーワンモーターを用いて、攪拌羽根を300rpmで攪拌し、前記水に、酸化カルシウム100gを投入してコルク栓で蓋をし、前記酸化カルシウムを投入してから30秒後の、前記攪拌羽根の上部から20mmの高さに位置する水の温度を活性度とする。
[8]前記内容器の底壁の長径と短径との平均値(f)に対する前記外容器の底壁の長径と短径との平均値(e)の比(e)/(f)が、1.1〜1.5である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の燻煙装置。
≪燻煙装置≫
本発明の燻煙装置について、以下に実施形態を挙げて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る燻煙装置の断面図である。
本実施形態の燻煙装置1は、間接加熱式の燻煙装置の一例である。本実施形態の燻煙装置1は、有底筒状の外容器10と、外容器10の内部に位置する有底筒状の内容器20とを備えている。
内容器20の底壁22と外容器10の底壁12とは、互いに離間している。内容器20の側壁23と外容器10の側壁13とは、互いに離間している。
内容器20と外容器10との間に形成された空間には、発熱性物質(A)が収容されて、加熱部11が形成されている。
内容器20の内部には、燻煙剤組成物(B)が収容されて、燻煙剤部21が形成されている。
外容器10は、平面視略円形の底壁12と、略円筒状の側壁13とで概略構成されている。すなわち、外容器10は、有底円筒状の容器である。
外容器10の大きさは、使用する薬剤の量、内容器20の大きさ等に応じて決定される。処理対象とする空間の床面積が50〜200m2程度の業務用であれば、例えば、外容器10の高さcは50〜100mmとされる。
また、外容器10の内径(外容器10の底壁12の長径と短径との平均値)eは、例えば、60〜120mmとされる。
透水性材料12bは板12aの略全面を覆っていることが好ましく、特に、透水性材料12bと板12aとの間に隙間がなく載置されることが好ましい。
透水性材料12bとしては、透水性の高い不織布や濾紙等が好ましく、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、又はこれら合成繊維と綿、レーヨン等とを素材とする不織布;ガラス繊維からなる不織布又は濾紙;セルロース系の濾紙等が挙げられる。中でも、レーヨンを多く含有する不織布は透水性が高く、かつセルロース系の濾紙等よりも丈夫で好ましい。
底壁12の材質は、側壁13の材質と同様である。
底壁12の厚さは、側壁13の厚さと同様である。
内容器20は、平面視略円形の底壁22と、略円筒状の側壁23とで概略構成されている。内容器20は、その一部が加熱部11に埋まっている。
内容器20の側壁23の上端部と外容器10の側壁13の上端部とは、連結部材14で連結され、上端面26において外容器10と内容器20との間は連結部材14で塞がれている。また、連結部材14には、発熱性物質(A)と水との反応の際に発生する蒸気の抜け穴となる通気孔15が設けられている。
内容器20の上端面26近傍には、蓋体24が設けられている。蓋体24には、燻煙剤組成物(B)から燻煙を噴出する噴出孔25が複数形成されている。
外容器10の底壁12の中央h3と、内容器20の底壁22の中央h1との距離(すなわち、位置h1における内容器20と外容器10との距離)d1は、2〜12mmが好ましく、3〜9mmがより好ましい。距離d1が上記下限値以上であると、低温環境下において発煙不良が発生しにくく、燻煙効率を高めやすい。距離d1が上記上限値以下であると、燻煙剤組成物(B)が燻煙装置1の外部へ噴出することを抑制しやすい。
また、内容器20の内径(内容器20の底壁22の長径と短径との平均値)f1は、例えば、50〜110mmとされる。
e/f1比は、外容器10の内径e、内容器20の内径f1、燻煙剤部21の上端21aにおける、外容器10の側壁13と内容器20の側壁23との距離b1等、又はこれらの組み合わせにより調整できる。
加熱部11は、燻煙剤組成物(B)の煙化に必要な熱量を考慮して適宜決定できる。水と接触して発熱する発熱性物質(A)としては、酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化鉄、ミョウバン、硫化亜鉛、硫酸マグネシウム、塩化ニッケル等が挙げられる。発熱性物質(A)としては、取り扱いの容易さ、熱量の高さから、酸化カルシウムが好ましい。
本明細書において、発熱性物質(A)の粒子径は、粒子の長径の長さを意味する。発熱性物質(A)の粒子径は、顕微鏡観察等により測定できる。
本明細書における酸化カルシウムの活性度は、下記測定方法により測定される。
<測定方法>
デュワー瓶に20℃の水600mLを入れ、スリーワンモーターを用いて、攪拌羽根を300rpmで攪拌する。その中に、酸化カルシウム100gを投入してコルク栓で蓋をする。上記酸化カルシウムを投入してから30秒後の、攪拌羽根の上部から20mmの高さに位置する水の温度を活性度とする。
攪拌羽根の上部から20mmの高さに位置する水の温度は、温度計を用いて測定できる。
なお、内容器20の側壁23における燻煙剤部21の上端21aの位置(h2)よりも上方に位置する発熱性物質(A)の質量を(A3)とする。発熱性物質の質量(A3)は、本発明に影響を及ぼさない。
発熱性物質の質量(A1)は、内容器20の底壁22の中央(h1)から下方に位置する発熱性物質(A)が占める体積に、発熱性物質(A)の比重を乗じることにより求められる。発熱性物質の質量(A2)は、内容器20の側壁23における燻煙剤部21の上端21aの位置(h2)と内容器20の底壁22の中央(h1)との間に位置する発熱性物質(A)が占める体積に、発熱性物質(A)の比重を乗じることにより求められる。
ここで、底壁12の中央(h3)とは、底壁12の中心から、半径(e/10)の領域をいうものとする。
燻煙剤部21は、内容器20に燻煙剤組成物(B)が収容されて形成されたものである。燻煙剤組成物(B)は、薬剤と有機発泡剤とを含有する。
薬剤としては、殺虫剤、殺菌剤、除菌剤、抗ウイルス剤等、従来公知のものを使用できる。
薬剤としては、例えば、メトキサジアゾン、d・d−Tシフェノトリン、シフェノトリン、3−フェノキシベンジルクリサンテマート(フェノトリンともいう。)、ペルメトリン等の殺虫成分;銀単体;酸化銀、塩化銀、硝酸銀等の銀化合物;銀単体又は銀化合物をゼオライト、シリカゲル、低分子ガラス、リン酸カルシウム、ケイ酸塩、酸化チタン等の物質(以下、担体ということがある)に担持させたもの(以下、担持体ということがある)等;4−イソプロピル−3−メチルフェノール(「IPMP」ともいう。);3−ヨード−2−プロパギルブチルカーバメート(「IPBC」ともいう。)等が挙げられ、特に限定されない。
有機発泡剤としては、上記の中でも、分解温度が低く、発泡ガスの発生量が多い点で、アゾジカルボンアミドが好ましい。
有機発泡剤の含有量は、燻煙剤組成物(B)の総質量に対して、40〜90質量%が好ましく、50〜85質量%がより好ましい。有機発泡剤の含有量が上記下限値以上であると、薬剤を効率よく揮散しやすい。有機発泡剤の含有量が上記上限値以下であると、有機発泡剤の分解物の飛散量が少なくなり、処理対象空間を汚染しにくくなる。
任意成分としては、例えば、結合剤、賦形剤、発熱助剤、界面活性剤、安定剤、効力増強剤、酸化防止剤、賦香剤等が挙げられる。
任意成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
薬剤及び有機発泡剤と、これら任意成分との合計量は、燻煙剤組成物(B)の総質量を100質量%として、100質量%を超えない。
本明細書において、燻煙剤組成物(B)の粒子径は、粒子の長径の長さを意味する。燻煙剤組成物(B)の粒子径は、顕微鏡観察等により測定できる。
燻煙剤部21の厚さt1は、内容器20の内径f1、内容器20に収容される燻煙剤組成物(B)の質量等、又はこれらの組み合わせにより調整できる。
燻煙剤組成物(B)の製造方法としては、目的とする剤型に応じて、公知の製造方法が用いられる。
例えば、粒状の製剤とする場合は、押出し造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法、流動層造粒法等の、公知の造粒物の製造方法により製造できる。
押出し造粒法による製造方法の具体例として、燻煙剤組成物(B)の各成分を、ニーダー等により混合し、必要に応じて適量の水を加えて混合し、得られた混合物を任意の開孔径を有するダイスを用い、前押出しあるいは横押出し造粒機で造粒する方法が挙げられる。該造粒物をさらにカッター等で任意の大きさに切断し、水分除去のための乾燥を行ってもよい。
乾燥方法は、例えば、従来公知の乾燥機を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
乾燥温度は、特に限定されないが、香料等の揮発を抑制する観点から、50〜80℃が好ましい。
乾燥時間は、乾燥温度に応じて適宜決定される。
乾燥後の燻煙剤組成物(B)の水分の含有量は、特に限定されないが、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、0質量%であってもよい。水分の含有量が上記上限値以下であると、薬剤の揮散率を良好にしやすい。
水分の含有量は、例えば、乾燥後の燻煙剤組成物(B)をすりつぶし、105℃、20分の条件にて、水分計で測定することができる。水分計としては、(株)島津製作所製の水分計「MOC−120H」が挙げられる。
燻煙装置1は、内容器20に、燻煙剤組成物(B)を収容し、内容器20と外容器10との間に形成された空間に発熱性物質(A)を収容することにより得られる。
内容器20に、燻煙剤組成物(B)を収容する方法、内容器20と外容器10との間に形成された空間に発熱性物質(A)を収容する方法は特に限定されず、公知の方法にて収容できる。
本発明の燻煙装置の使用方法について説明する。
まず、水の入った容器を対象空間内に設置する。ついで、図1に示す燻煙装置1を外容器10の底壁12の開口部16が水中に浸漬するように、水の入った容器中に配置する。燻煙装置1を配置すると、開口部16から外容器10内に浸入した水が透水性材料12bに吸水される。透水性材料12bに吸水された水は、加熱部11に浸入し、透水性材料12bに接する発熱性物質(A)と水和反応し、発熱する。その際、未反応の水は水蒸気として加熱部11の上部へと急速に上昇するとともに、逐次水和反応が起こり、発熱する。
一方、水和反応により発生した水蒸気は、通気孔15から抜けて、外容器10内の圧力が上昇し過ぎることを抑制する。
△T(秒)=(内容器20の側壁23における燻煙剤部21の上端21aの位置(h2)の温度が200℃に達するまでの時間)−(内容器20の底壁22の中央(h1)の温度が200℃に達するまでの時間)・・・(1)
ここで、底壁22の中央(h1)とは、底壁22の中心から、半径(f1/10)の領域をいうものとする。
次に、本発明の第二実施形態に係る燻煙装置について説明する。
図2は、本発明の第二実施形態に係る燻煙装置2の断面図である。図1の燻煙装置1と異なる点を中心に説明し、同一の部材には同じ符号をつけてその説明を省略する。
本実施形態の燻煙装置2は、有底筒状の外容器10と、外容器10の内部に位置する有底筒状の内容器120とを備えている。本実施形態の燻煙装置2では、内容器120が、上端面126から外容器10の底壁12に向かうに従って、その径が小さくなる略円錐台の容器である。
内容器120と外容器10との間に形成された空間には、発熱性物質(A)が収容されて、加熱部111が形成されている。
内容器120内には、燻煙剤組成物(B)が収容されて、燻煙剤部121が形成されている。
燻煙剤部121の上端121aにおける、外容器10の側壁13と内容器120の側壁123との距離(すなわち、上端121aの位置における側壁13の内面と側壁123の外面との距離)b2は、5〜40mmが好ましく、5〜30mmがより好ましい。距離b2が上記下限値以上であると、内容器120の側壁123を充分に加熱でき、燻煙剤組成物(B)が燻煙装置2の外部へ噴出することを抑制しやすい。距離b2が上記上限値以下であると、燻煙剤組成物(B)の質量に対する発熱性物質(A)の質量が過剰になることを抑制でき、コストを低減しやすい。
外容器10の底壁12の中央h3と、内容器120の底壁122の中央h1との距離d2は、2〜12mmが好ましく、3〜9mmがより好ましい。距離d2が上記下限値以上であると、低温環境下において発煙不良が発生しにくく、燻煙効率を高めやすい。距離d2が上記上限値以下であると、燻煙剤組成物(B)が燻煙装置2の外部へ噴出することを抑制しやすい。
内容器120の底壁122の内径(内容器120の底壁122の長径と短径との平均値)f2は、例えば、30〜70mmとされる。
e/f2比は、外容器10の内径e、内容器120の底壁122の内径f2、内容器120の側壁123の傾き等、又はこれらの組み合わせにより調整できる。
内容器120の底壁122の中央(h1)と、内容器120の側壁123における燻煙剤部121の上端121aの位置(h2)との、加熱開始後に200℃に達するまでの時間の差(△T)は、上述した第一実施形態における△Tと同様である。
本実施形態では、内容器120の形状が略円錐台形であるため、燻煙剤組成物(B)の充填量が少ない時には(A2)に相当する発熱性物質(A)の質量が大きくなり、燻煙剤組成物(B)の燻煙装置2の外部への噴出を抑制しやすい。
図1に示す燻煙装置1は、内容器20の形状が円筒状であるが、角筒状であってもよい。図2に示す燻煙装置2は、内容器120の形状が円錐台状であるが、角錐台状であってもよい。さらに、図1、図2の外容器10は円筒状であるが、角筒状であってもよい。
燻煙装置2は、位置h2よりも下方に加熱部111の上端が位置するが、本発明はこれに限定されず、加熱部111の上端は、位置h2と同じでもよいし、位置h2よりも上方でもよい。
各実施例及び比較例で使用した原料、測定・評価方法は、以下の通りである。
<発熱性物質(A)>
酸化カルシウム:粒子径1〜5mm、活性度50℃。
(薬剤)
メトキサジアゾン:住友化学(株)製、粉末状。
d・d−Tシフェノトリン:住友化学(株)製、液体状。
フェノトリン:住友化学(株)製、液体状。
ペルメトリン:住友化学(株)製、液体状。
銀担持ゼオライト系無菌抗菌剤:(株)シナネンゼオミック製、商品名「ゼオミック(登録商標)AJ10N」、銀含量2.5質量%、体積平均粒子径2.5μm、結晶性ゼオライト。
IPMP:3−メチル−4−イソプロピルフェノール、大阪化成(株)製、商品名「ビオゾール(登録商標)」。
IPBC:3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイト、ロンザジャパン(株)製、商品名「Glycacil(グライカシル)」。
アゾジカルボンアミド:永和化成工業(株)製、商品名「ビニホール(登録商標)AC#3−K7」、分解温度208℃。
酸化亜鉛:堺化学工業(株)製、「日本薬局方 酸化亜鉛」、平均粒子径0.6μm、真比重5.6g/cm3(20℃)。
HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製、商品名「メトローズ(登録商標)60SH−50」。
ソルビタンモノオレート:花王(株)製、商品名「エマゾール(登録商標)O−10V」。
PO−EO−POブロックポリマー:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、BASFジャパン(株)製、商品名「Pluronic RPE1740」、ポリオキシプロピレン基の付加モル数13−ポリオキシエチレン基の付加モル数26−ポリオキシプロピレン基の付加モル数13、分子量2800。
ジブチルヒドロキシトルエン:共同薬品(株)製、商品名「K−NOX BHT−P」。
香料組成物:表2に記載の香料組成物1〜3。
クレー:昭和KDE(株)製、商品名「NK−300」。
表1に示す組成の燻煙剤組成物(B)を以下の手順で調製した。表1中の各成分の配合量の単位は、「質量%」である。
室温(20℃)条件下において、表1に示す組成に従い、各成分をニーダー((株)モリヤマ製、「S5−2G型」)で攪拌混合した後、組成全量を100質量部として10質量部の水を加えて混合し、混合物を得た。得られた混合物を前押し出し造粒機(EXK−1、株式会社不二パウダル製)を用い造粒し、造粒物を得た。組成1、組成2は、直径2mmの開孔を有するダイス、組成3は、直径3mmの開孔を有するダイスを使用した。
得られた造粒物をフラッシュミル((株)不二パウダル製、「FL300」)により長さ2〜5mmに切断し、70℃に設定した乾燥機(アルプ(株)製、「RT−120HL」)により2時間乾燥させ、顆粒状の燻煙剤組成物(B)を得た。
<燻煙装置の作製>
外容器の底壁及び内容器の底壁が真円であり、加熱部が燻煙剤部を囲むように成型されて二重構造を有し、外容器の底壁に通水用の開口部を有する円筒形の、表3〜4に示す各例の燻煙容器(ア〜コ)を用意した。各例の燻煙容器の外容器に、表3〜4に示す総質量の発熱性物質(A)を収容し、各例の燻煙容器の内容器に、表3〜4に示す組成、質量の燻煙剤組成物(B)を収容し、各例の燻煙装置を作製した。
燻煙容器の素材として、厚さ0.22mmのブリキを使用した。底壁の吸水性材料の素材として、レーヨン55質量%、ポリオレフィン45質量%からなる不織布を使用した。
得られた燻煙装置から燻煙剤組成物(B)を取り除いた後、発熱を開始させ、燻煙剤部の温度を測定した。具体的には、内容器の底壁の中央(h1)と、内容器の側壁における燻煙剤部の上端の位置(h2)(取り除いた燻煙剤組成物(B)が収容されていた高さ)に、テープ型温度センサ(安立計器(株)製、ST−13E−010−GW1−ANP、最大測定温度400℃)を耐熱テープ(スリーエムジャパン(株)製、ガラスクロステープ361)を用いて密着し、固定した。プラスチックカップに20℃の水を入れ、床に設置した。水は、水の質量/発熱性物質(A)の総質量が0.4になる量を使用した。その後、上記プラスチックカップに、各例の燻煙装置を配置し、安立計器(株)製、「DATA COLLECTOR AM−7052」を用いて、1秒毎に経時的に温度を測定し、記録した。
上述した(1)式を用いて、内容器の底壁の中央(h1)と、内容器の側壁における燻煙剤部の上端の位置(h2)との、加熱開始後に200℃に達するまでの時間の差(△T)を求めた。その結果を表3〜4に示す。表4中、「−」は、内容器の底壁の中央(h1)の温度が200℃に到達しなかったことを意味する。
各例で得られた燻煙装置の内容物(燻煙剤組成物(B))の噴出抑制効果を以下の方法で評価した。なお、内容器に蓋体を装着せずに燻煙を実施した。
プラスチックカップに20℃の水を入れ、床に設置した。水は、水の質量/発熱性物質(A)の総質量が0.4になる量を使用した。その後、上記プラスチックカップに、各例の燻煙装置を配置し、燻煙開始から1分後の内容物の噴出を目視により、以下の評価基準で評価した。「◎」又は「○」を合格とした。結果を表3〜4に示す。
《評価基準》
◎:燻煙装置から内容物が噴出しない。
○:燻煙装置からの内容物の噴出がわずかである。
×:燻煙装置から内容物が噴出し、程度がひどい。
各例で得られた燻煙装置の低温環境下における発煙不良抑制効果を以下の方法で評価した。低温環境下における発煙不良抑制効果に優れるほど、燻煙効果に優れる。なお、内容器に蓋体を装着して燻煙を実施した。
プラスチックカップに5℃の水を入れ、床に設置した。水は、水の質量/発熱性物質(A)の総質量が0.4になる量を使用した。その後、上記プラスチックカップに、5℃に冷却した各例の燻煙装置を配置し、煙の発生を目視により、以下の評価基準で評価した。「◎」又は「○」を合格とした。結果を表3〜4に示す。
《評価基準》
◎:煙の発生量が多い。
○:煙の発生量が少ないが、問題のない範囲である。
×:煙が発生しない。
これに対し、表4に示すように、200℃に達するまでの時間の差(△T)が30秒超だった比較例1、3、4は、内容物の噴出抑制効果の評価が「×」だった。内容器の底壁の中央(h1)の温度が200℃に到達しない比較例2は、低温環境下における発煙不良抑制効果の評価が「×」だった。なお、比較例3、4の燻煙装置は、特許文献1の実施例を想定した燻煙装置に、燻煙剤部の厚さが25mm以上になるように燻煙剤組成物(B)を収容した例である。参考例1は、燻煙剤部の厚さが25mm未満であるため、200℃に達するまでの時間の差(△T)が30秒超だったが、内容物の噴出、低温環境下における発煙不良が、ともに発生しなかった。
10 外容器
11 加熱部
12、22 底壁
16 開口部
20 内容器
21 燻煙剤部
21a 上端
23 側壁
Claims (8)
- 有底筒状の外容器と、前記外容器の内部に位置する有底筒状の内容器とを備え、
前記内容器には、燻煙剤組成物(B)が収容されて燻煙剤部が形成され、
前記外容器には、水と接触して発熱する発熱性物質(A)が収容されて加熱部が形成され、
前記外容器の底壁には、通水用の開口部が形成され、
前記発熱性物質(A)の水和反応熱で、前記内容器を介して前記燻煙剤組成物(B)を加熱して、燻煙を発生する燻煙装置において、
前記燻煙剤組成物(B)は、薬剤と有機発泡剤とを含有し、
前記燻煙剤部の厚さ(t)が25mm以上であり、
前記内容器の底壁の中央(h1)と、前記内容器の側壁における前記燻煙剤部の上端の位置(h2)とは、加熱開始後に200℃に達するまでの時間の差(△T)が30秒以下である、燻煙装置。 - 下記(A2)に対する下記(A1)の比(A1)/(A2)が、0.1〜0.9である、請求項1に記載の燻煙装置。
(A1):前記中央(h1)から下方に位置する前記発熱性物質(A)の質量。
(A2):前記位置(h2)と前記中央(h1)との間に位置する前記発熱性物質(A)の質量。 - 前記燻煙剤組成物(B)の質量に対する前記(A1)と前記(A2)との合計の質量の比[(A1)+(A2)]/(B)が、0.6〜1.2である、請求項2に記載の燻煙装置。
- 前記中央(h1)と前記外容器の底壁の中央(h3)との距離(d)に対する前記厚さ(t)の比(t)/(d)が、3〜15である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燻煙装置。
- 前記発熱性物質(A)の粒子径が1〜7mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の燻煙装置。
- 前記発熱性物質(A)が酸化カルシウムである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の燻煙装置。
- 前記酸化カルシウムの下記測定方法で測定される活性度が50℃以上である、請求項6に記載の燻煙装置。
<測定方法>
デュワー瓶に20℃の水600mLを入れ、スリーワンモーターを用いて、攪拌羽根を300rpmで攪拌し、前記水に、酸化カルシウム100gを投入してコルク栓で蓋をし、前記酸化カルシウムを投入してから30秒後の、前記攪拌羽根の上部から20mmの高さに位置する水の温度を活性度とする。 - 前記内容器の底壁の長径と短径との平均値(f)に対する前記外容器の底壁の長径と短径との平均値(e)の比(e)/(f)が、1.1〜1.5である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の燻煙装置。
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