JP4619528B2 - 燻煙発生装置、その容器、及びそれを用いた防虫方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺虫剤等の熱揮散性薬剤と例えばニトロセルロースやアゾジカルボンアミド等のガス発生剤を含んでなる燻煙剤組成物を、水と接触して発熱する発熱物質の水和反応熱により加熱することによりガス発生剤を熱分解させ、熱揮散性薬剤を煙として大気中に放出させることにより蚊、蠅、ゴキブリ、ダニ等の害虫を駆除せんとする燻煙発生装置、その燻煙発生容器、それを用いた殺虫方法、及びその装置からなる燻煙殺虫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
燻煙剤組成物を、酸化カルシウム等の、水と接触して発熱する発熱物質の水和反応熱により加熱して、熱揮散性薬剤を煙として大気中に放出させる燻煙装置は、従来から広く用いられている。即ち、燻煙剤組成物と酸化カルシウムを隔壁を介して収納した燻煙発生容器を、使用時に所定量の水を入れた容器内に静置する。しばらくして、水が燻煙発生容器中の酸化カルシウム収納部に浸入し、この際生じる水和反応による熱で燻煙剤組成物を加熱し、殺虫剤等の熱揮散性薬剤を大気中に放出させて害虫を防除しようとするものである。
【0003】
しかしながら、このような燻煙装置においては、使用時の水和反応開始後、即ち水を入れた容器内に、燻煙剤組成物と酸化カルシウムを隔壁を介して収納した燻煙発生容器を静置した後、燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁の表面温度の上昇が比較的穏やかであり、燻煙剤組成物が充分加熱され燻煙を開始するまで約1分間を要する。燻煙開始を確認後退室しようとする使用者にとって使い勝手が良くなく、次々と多くの部屋を燻煙しようとする場合、待機時間が長いと先に燻煙した煙が拡散してきて、十分な確認ができなかったり、これに暴露する恐れもある。また、待機時間が長いと、誤操作等の不安を抱き燻煙が開始されたか否かを確認しようと該容器に近づいて煙に暴露され目を痛めたり、吸入してしまったり、或いはこの容器に触れて、火傷等を起こす可能性もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したごとき状況に鑑み、本発明は水和反応開始後、燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁の表面温度が速やかに上昇し燻煙を開始する、安全な燻煙発生装置及びその燻煙発生容器を開発しようとするものである。但し、水和反応開始後あまりにも早く燻煙を開始した場合、使用者が煙に暴露される危険性もあるので、燻煙発生装置を水を入れた容器内に静置した後、遅すぎず、且つ、早すぎず燻煙を開始するように構成されてなる燻煙発生装置及びその燻煙発生容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水と接触して発熱する発熱物質(本明細書においては、単に「発熱物質」と略す。)の収納部が燻煙剤組成物の収納部を囲むように成型されてなり、底部に通水用の開口部を有する底板を有し、発熱物質の水和反応熱により燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁が加熱されて燻煙を発生する二重構造の燻煙発生装置であって、発熱物質に水が接触して遅くとも40秒後に該容器の燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁の表面温度が340℃以上に達するように構成されてなる燻煙発生装置、その燻煙発生容器、それを用いた殺虫方法、及びその装置からなる燻煙殺虫剤に関する。
【0006】
本発明者らは、燻煙剤組成物と発熱物質とを隔壁を介して収納した、底部に通水孔を有する二重構造の燻煙発生容器を、水を入れた容器内に静置した後、20〜40秒後に燻煙を開始するものが遅からず、早からず適切との知見を得、鋭意研究を重ねた結果、水和反応を開始して遅くとも40秒後に該容器の燻煙剤組成物収納部の表面温度が340℃以上に達するような燻煙発生装置を設計することにより、20〜40秒後に燻煙が開始されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の好ましい実施態様としては、例えば以下に示すような点について考慮したものが挙げられる。
【0008】
(1)発熱物質収納部への通水が速やかであること
発熱物質収納部の底部に設けられる、通水用の開口部を有する金属製の底板上に載置される吸水性素材は、底板部のほとんど全面を覆うように、かつ両者の間に隙間がなく載置されることが好ましい。そのためには吸水性素材を、例えばブリキ、鋼板、アルミニウム等の金属板にかしめて固着する方法が有効である(従来のものは、単に載置してあるだけなので、吸水性素材の位置が底板上でずれたり、捲れ上がったりして、燻煙を開始する時間にバラツキが生じたり、また包装工程の機械化も行い難いものであった。)。また、吸水性素材としては、吸水性の高い不織布や濾紙等が好ましく、例えばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)やナイロン、ポリエステル等の合成繊維又はこれら合成繊維と綿、レーヨン等とを素材とする不織布やガラス繊維からなる不織布又は濾紙、或いはセルロース系の濾紙等が挙げられ、中でもレーヨンを多く含有する不織布が吸水性が高く且つセルロース系の濾紙等よりも丈夫で好ましい。
【0009】
なお、本発明において、吸水性素材を金属板にかしめて固着する方法とは、概略以下のような操作を云う。
即ち、先ず、通水用の開口部を有する金属製の円形底板に更に数個所(好ましくは4個所以上、より好ましくは6〜8個所)、好ましくは通水用の開口部よりも外側の円周に近い位置で、より好ましくは対称の位置に、孔を穿っ際に金属板の裏側に、好ましくは1つの孔につき2個以上の突起を生じるように小孔を穿つ(図1参照)。そして、突起の出ている方の面上に吸水性素材を載せてプレスにかける。そうすると、突起が横に倒れ、押し潰されることにより吸収性素材が金属板に固着される。
本発明に係る発熱物質収納部の底板の一例を図1に示す。本発明の底板1は、円形皿状の金属板で、複数個の開口部2と、吸収性素材をかしめて固着させるための複数個の爪(突起)3及び爪(突起)成型時に出来る複数個の開口部4と、燻煙発生容器本体に取り付けるための巻締め部を有す。
【0010】
(2)燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との距離の適正化
容器の底板部に設けられた通水用の開口部に施設された吸水性素材を通して浸入した水は、まず吸水性素材に接する発熱物質と水和反応し発熱する。その際、未反応の水は水蒸気として発熱物質収納部上部に急速に上昇するとともに、逐次水和反応が起こり発熱する。燻煙剤組成物収納部の底壁位置によりその温度上昇は異なるが、燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との距離は10〜18mmあることが望ましく、12〜14mmがより好ましい。但し、燻煙剤組成物収納部の温度上昇は、発熱物質収納部の底板上に固着された吸水性素材の材質や発熱物質の物性等の影響も受けることから、予め一定の設計条件において、容器の表面温度を測定して、それに応じて、適宜適切な距離を求めればよい。
【0011】
(3)発熱物質の物性
例えば酸化カルシウムは天然に産する石灰石を原料として、炉で焼成して製造されるが、原料石灰石の違いはもとより、焼成温度や焼成時間等の製造条件により、多孔質の空隙率の高いものからより緻密なものまで、種々の物性のものが得られ、この物性の違いにより水和反応速度も大きく異なる。また同じ条件で製造された酸化カルシウムにおいても、その粒度の違いにより水和反応速度は異なる。物性を調べて適切なものを選択すればよいが、発熱物質としては純度が高く、空隙率の高いものが好ましい。なお、空隙率とは多孔質の物質において、物質の全容積に対して、その中に含まれるすきまの容積の割合のことである。取扱いやすさにおいて、発熱物質の粒度は1〜7mmであればよく、3〜5mmであればより好ましい。また、空隙率は40%以上のものが好ましい。発熱物質の収納量は、燻煙剤組成物に対して2〜5倍量が好ましい。但し、燻煙剤組成物収納部の温度は発熱物質収納部の底板上に固着された吸水性素材の材質や発熱物質の物性等の影響も受けることから、予め一定の設計条件において、容器の表面温度を測定して、それに応じて、適宜適切な収納量を求めればよい。
【0012】
本発明において、発熱物質として酸化カルシウムを用いる場合、水和反応速度の高い酸化カルシウムとしては、水酸化カルシウムを原料とし、これを焼成して製造されるものが、空隙率が高くより好ましい。この場合の粒度についても1〜7mmが適当であり、3〜5mmであればより好ましい。
【0013】
本発明は、前記した(1)〜(3)の点を改善した燻煙発生装置に関するものであるが、これらの全部を同時に満たすようにしたものが好ましいが、これらの少なくともひとつの点を改善することにより、発熱物質に水が接触して遅くとも40秒後に該容器の燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁の表面温度が340℃以上に達するように構成されるものであればよい。
【0014】
該容器の燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁の表面温度が340℃以上に達する時間は、遅くとも40秒あればよく、好ましくは5〜40秒、より好ましくは10〜30秒である。余り早く340℃以上に達すると、使用者が煙に暴露される危険性もあるので、5〜10秒程度の時間差があるのが好ましい。
また、燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁の表面温度は、燻煙が開始されるのに充分な温度であればよく、好ましくは340℃以上、より好ましくは360℃以上である。燻煙を充分に行うために、表面温度の最高温度を好ましくは400℃以上、より好ましくは400〜430℃になるようにする。従来の燻煙発生装置の燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁の表面温度の最高温度は380℃以下であるために、燻煙が必ずしも充分ではなかった。したがって、本発明は当該表面温度の最高温度を400℃以上、好ましくは400〜430℃にすることを特徴とするものでもある。
【0015】
本発明の燻煙発生容器の形状は、例えば図2に示す如きものでも、図3に示す如きものでも、また、これ以外のものでも何れにても良い。
本発明の燻煙発生容器は、燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁の部分、発熱物質収納部の側壁部分、及び底板部分の3部分として成型されたものであってもよいが、燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁の部分、及び発熱物質収納部の側壁部分を一体に成型した容器であってもよい。一体に成型された例を図2及び図3に示す。図2及び図3において、xは燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との間の距離を示す。即ち、本発明においては、このxが10〜18mmであることが望ましく、12〜14mmがより好ましい。
【0016】
本発明の燻煙発生容器の燻煙剤組成物収納部に収納される燻煙剤組成物としては、通常、殺虫剤及び燻煙発生剤からなるものが挙げられるが、芳香、消臭を目的とした薬剤を使用することも可能である。本発明の燻煙剤組成物における殺虫剤としては、殺虫剤のみならず殺虫、殺ダニ、殺菌、殺黴剤などの有害生物を防除又は駆除するものをいう。例えば、ペルメトリン、フェノトリン、ピレトリン、シフェノトリンなどのピレスロイド系殺虫剤、ダイアジノン、DDVPなどの有機リン系殺虫剤、メトキサジアゾンなどのカーバメート系殺虫剤、トリアジンなどの殺菌剤などが挙げられる。
燻煙発生剤としては、アゾジカルボンアミドなどのアゾ系化合物が挙げられる。
本発明の燻煙剤組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合することもできる。
【0017】
本発明の燻煙発生容器に燻煙剤組成物及び発熱物質を収容し、燻煙剤組成物の収納部の上部に開口部を有する金属製又はラミネート製の蓋を設けて燻煙殺虫剤とすることができる。したがって、本発明はこのような燻煙殺虫剤を提供するものでもある。また、本発明は当該燻煙殺虫剤を用いる殺虫方法を提供するものでもある。
本発明の燻煙発生容器は、通常、これを円柱状等の水収納容器内に、水に浸るように静置することにより、目的とする使用に供される。
水収納容器に特に制約はなく、本発明の燻煙発生容器を収納できるスペースを有し、且つ本発明の燻煙発生容器の底部が水に浸るように設計されているものであればどのような形のものでも良い。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、燻煙剤組成物は何れも下記処方により調製したものを使用した。
燻煙剤組成物:下記の処方成分をニーダーに計り取り、混合した後、粉体重量に対して約10重量%の水を加えて練合した。次いで造粒機により成型した後、約70℃の熱風乾燥機にて乾燥し、燻煙剤組成物を得た。
(処方成分)ペルメトリン8重量%、メトキサジアゾン6重量%、アゾジカルボンアミド70重量%、酸化亜鉛1重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース5重量%、香料0.1重量%、更に賦形剤としてクレーを全体が100重量%になるよう適量加えた。
【0019】
実施例1
(1)容器温度の測定
水酸化カルシウムを焼成して得た空隙率が53.0%の酸化カルシウムを3〜5mmに篩分したものを40g収納した図2に示す燻煙発生容器(燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との距離13mm;吸水性素材はレーヨン55重量%、ポリオレフィン45重量%から成る不織布)を水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に水に浸るようにして静置し、燻煙剤組成物収納部の表面温度を市販の表面温度計により計測した。
(結果)
燻煙発生容器を水を入れた円筒容器内に静置してから、20秒後に燻煙剤組成物収納部の表面温度は400℃に達した。
(2)燻煙開始までの時間測定
酸化カルシウム40gを収納した上記(1)の燻煙発生容器(図2)の燻煙剤組成物収納部に上記の燻煙剤組成物12.5gを充填し、これを水18mLを入れた直径75mm、高さ80mmの円筒容器内に静置して、発煙を開始するまでの時間をストップウォッチにより測定した。
(結果)
25秒後に燻煙発生が認められた。
【0020】
実施例2
(1)容器温度の測定
石灰石を焼成して得た空隙率が45.7%の酸化カルシウムを2〜5mmに篩分したものを50g収納した図3に示す燻煙発生容器(燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との距離12mm;吸水性素材はレーヨン73重量%、ポリオレフィン27重量%から成る不織布)を水25mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に水に浸るようにして静置して、燻煙剤組成物収納部の表面温度を市販の表面温度計により計測した。
(結果)
燻煙発生容器を水を入れた円筒容器内に静置してから、13秒後に燻煙剤組成物収納部の表面温度は360℃に達した。
(2)燻煙開始までの時間測定
酸化カルシウム50gを収納した上記(1)の燻煙発生容器(図3)の燻煙剤組成物収納部に上記の燻煙剤組成物12.5gを充填し、これを水25mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に静置して、発煙を開始するまでの時間をストップウォッチにより測定した。
(結果)
32秒後に燻煙発生が認められた。
【0021】
実施例3
(1)容器温度の測定
水酸化カルシウムを焼成して得た空隙率が63.5%の酸化カルシウムを1〜5mmに篩分したものを40g収納した図2に示す燻煙発生容器(燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との距離13mm;吸水性素材はレーヨン55重量%、ポリオレフィン45重量%から成る不織布)を水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に水に浸るようにして静置し、燻煙剤組成物収納部の表面温度を市販の表面温度計により計測した。
(結果)
燻煙発生容器を水を入れた円筒容器内に静置してから、40秒後の燻煙剤組成物収納部の表面温度は385℃であった。
(2)燻煙開始までの時間測定
酸化カルシウム40gを収納した上記(1)の燻煙発生容器(図2)の燻煙剤収納部に上記の燻煙剤組成物12.5gを充填し、これを水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に静置して、発煙を開始するまでの時間をストップウォッチにより測定した。
(結果)
30秒後に燻煙発生が認められた。
【0022】
比較例1
(1)容器温度の測定
石灰石を焼成して得た空隙率が48.3%の酸化カルシウムを1〜5mmに篩分したものを62.5g収納した図2に示す燻煙発生容器(燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との距離20mm;吸水性素材はレーヨン55重量%、ポリオレフィン45重量%から成る不織布)を水22mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に水に浸るようにして静置して、燻煙剤組成物収納部の表面温度を市販の表面温度計により計測した。
(結果)
燻煙発生容器を水を入れた円筒容器内に静置してから、40秒後の燻煙剤組成物収納部の表面温度は315℃であった。
(2)燻煙開始までの時間測定
酸化カルシウム62.5gを収納した上記(1)の燻煙発生容器(図2)の燻煙剤組成物収納部に上記の薫蒸製剤12.5gを充填し、これを水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に静置して、発煙を開始するまでの時間をストップウォッチにより測定した。
(結果)
55秒後にようやく燻煙発生が認められた。
【0023】
比較例2
(1)容器温度の測定
水酸化カルシウムを焼成して得た空隙率が53.0%の酸化カルシウムを3〜5mmに篩分したものを40g収納した図2に示す燻煙発生容器(燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との距離13mm;素材はポリオレフィン100重量%から成る非吸水性の不織布)を水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に水に浸るようにして静置し、燻煙剤組成物収納部の表面温度を市販の表面温度計により計測した。
(結果)
燻煙発生容器を水を入れた円筒容器内に静置してから、40秒後に燻煙剤組成物収納部の表面温度上昇は認められなかった。
(2)燻煙開始までの時間測定
酸化カルシウム40gを収納した上記(1)の燻煙発生容器(図2)の燻煙剤収納部に上記の燻煙剤組成物12.5gを充填し、これを水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に静置して、発煙を開始するまでの時間をストップウォッチにより測定した。
(結果)
2分後に置いても燻煙発生は認められなかった。
【0024】
比較例3
(1)容器温度の測定
石灰石を焼成して得た酸化カルシウムを1mm以下に篩分(隗状でないため空隙率測定は実施せず)したものを40g収納した図2に示す燻煙発生容器(燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との距離13mm;吸水性素材はレーヨン55重量%、ポリオレフィン45重量%から成る不織布)を水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に水に浸るようにして静置し、燻煙剤組成物収納部の表面温度を市販の表面温度計により計測した。
(結果)
燻煙発生容器を水を入れた円筒容器内に静置してから、40秒後の燻煙剤組成物収納部の表面温度は85℃であった。
(2)燻煙開始までの時間測定
酸化カルシウム40gを収納した上記(1)の燻煙発生容器(図2)の燻煙剤収納部に上記の燻煙剤組成物12.5gを充填し、これを水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に静置して、発煙を開始するまでの時間をストップウォッチにより測定した。
(結果)
78秒後にようやく燻煙発生が認められた。
【0025】
比較例4
(1)容器温度の測定
石灰石を焼成して得た空隙率38.5%の酸化カルシウムを1〜5mmに篩分したものを40g収納した図2に示す燻煙発生容器(燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との距離13mm;吸水性素材はレーヨン55重量%、ポリオレフィン45重量%から成る不織布)を水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に水に浸るようにして静置し、燻煙剤組成物収納部の表面温度を市販の表面温度計により計測した。
(結果)
燻煙発生容器を水を入れた円筒容器内に静置してから、40秒後の燻煙剤組成物収納部の表面温度は160℃であった。
(2)燻煙開始までの時間測定
酸化カルシウム40gを収納した上記(1)の燻煙発生容器(図2)の燻煙剤収納部に上記の燻煙剤組成物12.5gを充填し、これを水18mLを入れた直径75mm高さ80mmの円筒容器内に静置し、発煙を開始するまでの時間をストップウォッチにより測定した。
(結果)
81秒後にようやく燻煙発生が認められた。
実施例1〜3及び比較例1〜4の結果を表1にまとめて示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004619528
【0027】
表1から明らかなように、実施例1〜3の本発明の燻煙発生装置は、何れも燻煙発生迄に要する時間が20〜40秒の間に範囲に入り、且つ何れも40秒以内に容器の燻煙剤組成物収納部の表面温度が340℃以上に達し、燻煙発生装置として極めて適切なものであるのに対し、燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との間の距離が18mmを超えている比較例1、開口部を有する金属板に吸水性素材ではなくて非吸収性素材をかしめて固着してなる非通水性底板を有する比較例2、酸化カルシウムの粒度が1mm未満である比較例3、及び酸化カルシウムの空隙率が40%未満である比較例4は、何れも燻煙発生迄に要する時間が長過ぎたり、高温に達するまでの時間もかかり過ぎであって、課題が残る。
【発明の効果】
本発明の燻煙発生装置は、これを水を入れた容器内に静置した場合、約10〜40秒後に燻煙が開始されるので、使用者にとって甚だ使い勝手がよく、且つまた、極めて安全である。また、本発明の燻煙発生装置は、水を吸収して速やかに高温に達するのみならず、340℃以上の高温に達するので燻煙発生組成物を短時間でかつ充分に反応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の燻煙発生容器において、発熱物質収納部の底部に設けられる、通水用の開口部を有する金属製の底板の一例を示し、(a)は、上から見たところ、(b)は、(a)図のA−A断面図、また、(c)図は、(a)図のB−B断面図をそれぞれ示す。
【図2】図2は、本発明の燻煙発生容器の形状の一例を示す。
【図3】図3は、本発明の燻煙発生容器の形状の他の一例を示す。
【符号の説明】
1 底板
2 底板開口部
3 底板上の爪(突起)
4 爪の成型時に出来た開口部
5 底板の巻締め部
21 燻煙発生容器
22 燻煙剤組成物の収納部
23 発熱物質の収納部
24 吸収性素材
25 燻煙剤組成物収納部の底壁
26 圧力調整部
27 蓋材

Claims (4)

  1. 水と接触して発熱する発熱物質の収納部が燻煙剤組成物の収納部を囲むように成型されてなり、底部に通水用の開口部を有する底板を有し、発熱物質の水和反応熱により燻煙剤組成物収納部の底壁及び/又は側壁が加熱されて燻煙を発生する二重構造の燻煙発生装置であって、発熱物質収納部の底板が、開口部を有する金属板に吸水性素材をかしめて固着してなる通水性底板であり、吸水性素材が、合成繊維及び、綿又はレーヨン、を含有してなる不織布又は濾紙であり、燻煙剤組成物収納部の底壁と発熱物質収納部の底板部との間の距離が10〜18mmであり、発熱物質が粒度1〜7mmかつ空隙率が40%以上の多孔性の酸化カルシウムであり、酸化カルシウムが水酸化カルシウムを焼成して得られた酸化カルシウムであることを特徴とする燻煙発生装置。
  2. 燻煙剤組成物収納部に殺虫剤を含有する燻煙剤組成物が収納されてなる請求項1に記載の燻煙発生装置。
  3. 請求項に記載の燻煙発生装置の底部を水に浸して、燻煙を発生させることからなる殺虫方法。
  4. 燻煙発生装置の底部を水に浸して、遅くとも40秒後には燻煙が発生することを特徴とする請求項に記載の殺虫方法。
JP2000394052A 1999-12-27 2000-12-26 燻煙発生装置、その容器、及びそれを用いた防虫方法 Expired - Lifetime JP4619528B2 (ja)

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