JP3651226B2 - 燻煙剤加熱用発熱剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高活性な酸化カルシウムを含む燻煙剤加熱用発熱剤および高活性な酸化カルシウムの水和反応により生じる熱を利用して燻煙剤を加熱する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燻煙剤は、有害生物駆除物質を加熱によって燻煙させる薬剤である。
従来、燻煙剤を加熱し燻煙せしめる一つの方法としては、ニトロセルロース等の自己燃焼性物質を含む燻煙剤を、金属酸化物と珪素等との反応(いわゆるテルミット反応)の発熱を利用し、直接一挙に加熱(点火)することにより、燻煙剤自身を自己燃焼させる直接加熱方法が知られている。テルミット反応による加熱方法については、実開昭62−146427号および特開平1−288218号に開示されている。
しかし、テルミット反応による加熱方法は、燃焼反応によるものであることから、加熱時に必要以上に高温となり、そのため燻煙剤中の有効成分は熱分解を引き起こす可能性があり、熱分解性の高い薬剤を有効成分として使用するには問題があった。
【0003】
一方、一般的に自己燃焼性を有さず、いわゆる有機発泡剤を含む燻煙剤を、多量の酸化カルシウムと水との水和反応で発生する高熱により、外部から間接的に、比較的長時間穏やかに加熱する間接加熱方法もある(特公昭59−49201号)。
上記間接加熱方法では、酸化カルシウムを用いた水和反応の場合は酸化カルシウム重量あたりの発熱量が低く、このため殺虫成分を有効に揮散させるためには、燻煙剤の重量よりもはるかに多くの重量の酸化カルシウムを必要とした。
【0004】
さらにまた、間接加熱方法では、多量の酸化カルシウムを用いても、水を加えてからの発熱速度(水和反応速度)が遅く、燻煙が開始されるまでにかなりの時間を要した。
【0005】
また、実公平5−6922号では、生石灰をリング状、円筒状に打錠・成形し、缶詰加熱用の加熱性発熱体として使用することが開示されている。しかし、該加熱用発熱体は、単に、容器に充填しやすく、発熱剤の飛びちりを防ぎ、缶詰を均一に加熱することを目的にしているに過ぎず、燻煙剤の燻煙を開始させるのに必要な熱量を、水添加後短時間で得るには不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、有効成分の熱分解も少なく、効率的に燻煙剤を加熱せしめ、速やかに燻煙を開始させるような、酸化カルシウムを含む燻煙剤加熱用発熱剤を提供することを目的とする。
さらに本発明は、燻煙剤の間接加熱方法のみならず、直接加熱方法にも使用できるような、酸化カルシウムを含む燻煙剤加熱用発熱剤を提供することも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、酸化カルシウムの水和反応により発生する高熱を利用した燻煙剤の加熱方法について鋭意検討を重ねた結果、酸化カルシウム20gを水6mlと反応させたときの発熱速度が5℃/秒以上の酸化カルシウムを水和反応に付すことにより、従来の酸化カルシウムの水和反応熱を利用する燻煙剤に比べ、短時間でかつ少量の酸化カルシウムで、燻煙剤を所望の温度にまで加熱することができることを明らかにした。
さらに、上記の酸化カルシウムの成形体を使用することで、酸化カルシウムの水和反応熱を、従来技術を用いた場合よりも、短時間で格段に高い温度に上昇させることに成功し、この水和反応熱を燻煙剤の間接加熱方法のみならず直接加熱方法にも利用できることを見出した。
【0008】
また、上記のような酸化カルシウムを打錠・成形することで、見かけ比重が高くなることから、従来の未成形の酸化カルシウムを発熱剤として使用した燻煙剤の容器よりも、小型化・軽量化された容器をつくることが可能となった。
すなわち、本発明は、酸化カルシウム20gを水6mlと反応させたときの発熱速度が5℃/秒以上の酸化カルシウムを含む燻煙剤加熱用発熱剤を提供する。本発明の発熱剤は、酸化カルシウムを水と反応させたときに発生する熱により、発熱剤の表面最高到達温度が加熱すべき燻煙剤の発煙温度以上になるように成形されているとよい。その際の打錠圧力は、200〜400kg/cm2が好ましい。好ましくは、穴あき成形体の形状に打錠成形されるとよい。穴あき成形体の形状としては、円筒状、リング状、カップ状などを挙げることができる。
【0009】
また、本発明は、発熱速度が5℃/秒以上(酸化カルシウム20gを水6mlと反応させたとき)の酸化カルシウムを水と反応させたときに発生する熱により燻煙剤を加熱することを特徴とする、燻煙剤の加熱方法を提供する。加熱すべき燻煙剤の全重量を基準として100重量%以下の酸化カルシウムを水と反応させるとよい。好ましくは、無機酸および/または有機酸の存在下で、酸化カルシウムを水と反応させるとよい。
燻煙剤に使用することができる薬剤としては,目的に応じ殺虫剤、殺菌剤等の各種薬剤ならびにそれらの混合剤が挙げられる。
【0010】
上記の殺虫剤としては、例えば、ペルメトリン、アレスリン、レスメトリン、サイフェノトリン、プラレスリン、フェノトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、エトフェンプロックス等のピレスロイド系薬剤、フェニトロチオン、ジクロルボス(DDVP)、ダイアジノン、プロチオホス、バイテックス等の有機リン系薬剤、プロポクスル、メトキサジアゾン等のカーバメイト系薬剤等が使用できる。
上記の殺菌剤としては、イソフタロニトリル、プロシミドン、バイレトン、モレスタン等の農薬用殺菌剤、サイアベンダゾール、3−ヨード2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)、IF−1000等の環境衛生用殺菌剤等が使用できる。
上記の薬剤の含有量は、燻煙剤の全重量を基準として、2重量%以上20重量%以下が好ましい。
【0011】
本発明の加熱方法は、直接加熱方法で加熱される燻煙剤および間接加熱方法で加熱される燻煙剤のいずれに対しても利用することができる。燻煙剤用燃焼基剤として、ニトロセルロース、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、ニトログアニジン、ならびに塩素酸カリウムや硝酸アンモニウム等の酸化剤と糖類や木粉等の可燃性物質からなる組成物等が挙げられる。かかる燻煙剤は、上記の薬剤、燻煙剤用燃焼基剤の他、メラミン、酸化亜鉛などの発熱助剤、クレー、カオリン、タルク、珪藻土などの無機系鉱物質の添加も可能である。更に、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、でんぷんなどの結合剤や香料、ピペロニルブトキサイド、S−421等の効力増強剤、BHT、トコフェロールなどの酸化防止剤といった添加剤等を含有してもよい。直接加熱方法で加熱される燻煙剤および間接加熱方法で加熱される燻煙剤のいずれであっても、粉剤、顆粒剤、錠剤、ペースト剤などの剤型であるとよい。
【0012】
さらに、本発明は、上記の発熱剤を容器に収納した燻煙剤加熱装置を提供する。容器は、水和反応等で発生した熱量を効率的に該容器に接する燻煙剤に伝えることができるものであるとよい。例えば、好ましくは、5W/m・℃以上、より好ましくは、10W/m・℃以上の熱伝導率(25℃の場合)を有する容器がよい。かかる容器としては、アルミニウム、ブリキ、銅、鉄等から選択される材料で製造されているものを挙げることができる。さらに、容器は密封されているとよい。
さらにまた、本発明は、上記の発熱剤および燻煙剤を含む燻煙剤キットを提供する。燻煙剤は、前記のような、直接加熱方法で加熱される燻煙剤または間接加熱方法で加熱される燻煙剤のいずれであってもよい。
【0013】
本明細書において、「発熱速度」とは、酸化カルシウムと水との水和反応による発熱の開始時間から最高温度到達時間までの、1秒あたりの平均上昇温度を示す。発熱速度は、25℃または室温で、ガラス管に酸化カルシウムの粉状品または粒状品を20g入れ、水6mlと水和反応させ、酸化カルシウム中央に配したCA熱電対により内部最高温度を測定し、水和反応開始から最高温度到達までの、1秒あたりの平均上昇温度を求めることにより、決定することができる。
従来の、燻煙剤の加熱に用いられている酸化カルシウムの発熱速度は、酸化カルシウム20gを水6mlと反応させたとき、3℃/秒程度以下である。一方、本発明に用いる酸化カルシウムの発熱速度は、酸化カルシウム20gを水6mlと反応させたとき、5℃/秒以上であり、好ましくは6℃/秒以上である。本発明に用いる、酸化カルシウム20gを水6mlと反応させたときの発熱速度が5℃/秒以上の酸化カルシウムを、以下、「高活性な酸化カルシウム」と称することとする。
【0014】
本発明における「穴あき成形体」とは、1個ないし2個以上の穴を有した、円柱状、立方体状、直方体、多角形柱状、多角形体、球状等の成形体を言い、その穴は、該成形体を貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。穴が貫通していない場合、その穴の深さは、該成形体の厚さの1/3以上であることが望ましい。
このような穴あき成形体としては、例えば、円筒状、リング状、カップ状等の成形体が挙げられる。
また、該穴あき成形体の代わりに、高活性な酸化カルシウムを、成形体の表面に溝を切ったり、成形体を星形等にするなどして、打錠成形することによって、酸化カルシウム単位重量あたりの表面積が、該穴あき成形体と同程度となる成形体も、本発明の穴あき成形体と同様の効果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず、高活性な酸化カルシウムを用意する。高活性な酸化カルシウムは、例えば、消石灰を、実質的に二酸化炭素が存在しない条件下で、10分〜6時間程度、550〜770℃に加熱して脱水させる方法等により製造することができる(特開平1−308825号を参照のこと)。
燻煙剤加熱用発熱剤として使用するにあたっては、上記の方法で製造した高活性な酸化カルシウムの粉粒体をそのまま使用してもよいが、好ましくは、常法により打錠し、円筒状、リング状、コップ状等に成形する。
このときの打錠圧は、200〜400kg/cm2が好ましい。打錠圧が、200kg/cm2未満では良好な成形物が得難く、400kg/cm2をこえると成形体にひび割れが生じる可能性がある。
【0016】
成形は、高活性な酸化カルシウムのみを打錠しても良好であるが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤を使用することで、さらに打錠成形性を向上することができる。
このときの錠剤径(φ)および穴径(φ)の寸法は特に規定はなく、使用目的、希望する発熱量、収納容器の大きさ等に合わせて決めればよい。
本発明の穴あき成形体を作成する場合、打錠径(φ1)と穴径(φ2)の比(φ2/φ1)は、0.1〜0.8、好ましくは0.2〜0.5である。
このときの成形品の1個あたりの重量は希望する発熱量によって異なるが、一般に1〜24g、好ましくは2〜15gである。また、本発明の燻煙剤加熱用発熱剤は、単独で使用することもできるし、複数個を積み重ねるなどして使用することもできる。
【0017】
本発明の燻煙剤加熱用発熱剤は、従来の燻煙剤加熱用の酸化カルシウムが、燻煙剤を加熱、発煙させるために、燻煙剤よりもはるかに多い重量を必要としたのに対し、燻煙剤の重量よりも少ない酸化カルシウム重量で燻煙剤を加熱し、発煙させることができる。
さらに、本発明の燻煙剤用発熱剤は、打錠することにより、見かけ比重が高くなり、従来よりも少量の加熱用スペースでの容器形態を設計することが可能となり、従来より小型化・軽量化された燻煙剤容器を設計することが可能となる。
例えば、本発明の燻煙剤加熱用発熱剤を、アルミ製、ブリキ製、銅製、鉄製等の熱伝導性の高い容器に密封することにより、小型化・軽量化された燻煙剤の加熱装置を作ることができる。
【0018】
従来、酸化カルシウムによる燻煙剤の加熱方法は、燻煙剤を収納している容器の外側から燻煙剤を加熱していたのに対し、上記の燻煙剤の加熱装置を用いることにより、燻煙剤を収納している容器の内部に加熱装置を設置して燻煙剤を加熱する方式の燻煙剤容器を設計することが可能となり、従来より小型化・軽量化された燻煙剤用器を設計することが実現できる。
また、上記の加熱装置は、テルミット反応の反応熱を利用した点火装置の代わりに、自己燃焼性物質を含む燻煙剤を直接加熱するための点火装置としても使用することができる。該加熱装置を使用することにより、テルミット反応の反応熱による点火に比べ、燻煙剤の点火時における有効成分の熱分解を抑えることができる。
【0019】
また、本発明の燻煙剤加熱用発熱剤を使用する際には、水のみと水和反応させても、燻煙剤の加熱は良好であるが、無機酸および/または有機酸の存在下で、水和反応を行うことで、さらに効率的に燻煙剤を加熱させ、燻煙を開始するまでの時間を調節することができる。酸を添加することにより、表面最高到達温度がさらに上昇する。
無機酸としては、例えば、ホウ酸、硝酸、塩酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、クエン酸等が挙げられる。
高活性な酸化カルシウムと反応させる水は化学量論比±0.5となる量で添加するとよい。また、無機酸または有機酸は、水に対して0.1〜20%、好ましくは1〜5%の量で添加するとよい。
【0020】
本発明の燻煙剤加熱用発熱剤は、従来より直接加熱方法あるいは間接加熱方法により加熱して使用される、いかなる燻煙剤に対しても使用できる。
本発明の発熱剤を従来の燻煙剤と組み合わせて、燻煙剤キットにすることができる。直接加熱方法で加熱される燻煙剤と組み合わせる場合には、発熱剤の量は燻煙剤の全重量を基準として5〜100重量%、好ましくは10〜50重量%であるとよい。間接加熱方法で加熱される燻煙剤と組み合わせる場合には、発熱剤の量は燻煙剤の全重量を基準として20〜1000重量%、好ましくは50〜200重量%であるとよい。
本発明の燻煙剤キットにおいて、発熱剤と燻煙剤は、直接接するのではなく、隣接する異なる容器に収納されるとよい。
また、本発明の燻煙剤加熱用発熱剤は、水和反応の発熱量に応じて、燻煙剤以外の加熱にも使用できる。
【0021】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1.燻煙剤発熱用発熱剤の製法(粒状)
特開平1−308825号に記載の方法に従って、消石灰を、実質的に二酸化炭素が存在しない条件下で、約4時間、600℃に加熱して脱水させて、1〜5mmの粒状の高活性酸化カルシウムを得た。
【0022】
実施例2.燻煙剤発熱用発熱剤の製法(穴あき成形品)
実施例1の1〜5mmの粒状の高活性酸化カルシウム4gを、打錠圧240kg/cm2で打錠し、錠剤径(φ)20mm、穴径φ6.3mm、厚さ12mmの円筒状に成形した。このとき打錠成形時に、打錠成形性をよくする為に、ステアリン酸マグネシウム少量を金型表面に添加した。
【0023】
実施例3.燻煙剤発熱用発熱剤の製法(穴なし成形品)
実施例1の1〜5mmの粒状の高活性酸化カルシウム4.2gを、打錠圧240kg/cm2で打錠し、錠剤径(φ)20mm、厚さ12mmの円柱状に成形した。このとき打錠成形時に、実施例2と同様に、ステアリン酸マグネシウム少量を金型に添加した。
実施例4.燻煙剤発熱用発熱剤の製法(穴なし成形品)
実施例3と同様にして、実施例1の1〜5mmの粒状の高活性酸化カルシウム0.4gを、錠剤径(φ)10mm、厚さ5mmの円柱状に成形した。
【0024】
比較例1.燻煙剤発熱用発熱剤の製法(穴あき成形品)
1〜5mmの粒状の市販の酸化カルシウム(和光純薬製)4gを、実施例2と同様にして円筒状に成形した。
試験例1.発熱速度
実施例1で調製した粒状の高活性な酸化カルシウム20gを、φ27mmのガラス管に入れ、25℃の温度下で、水6mlをシリンジで注入し、酸化カルシウム中央に配したCA熱電対により内部最高温度を測定し、最高温度到達時間から昇温速度を算出した。なお、比較例として、試薬用(和光純薬製)および従来品の粒状の酸化カルシウム20gを同様に測定した。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003651226
【0026】
試験例2.表面最高温度
実施例2、実施例3ならびに比較例1の、燻煙剤加熱用発熱剤を3錠ずつ、実施例4の燻煙剤加熱用発熱剤を30錠、内径22mm、高さ50mm、厚さ0.75mmのアルミ管に挿入し、水あるいは1重量%ホウ酸水溶液4mlを添加し、その後の表面最高到達温度を赤外線映像装置により測定した。その結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
Figure 0003651226
【0028】
試験例3.加熱発煙試験
実際の燻煙剤の加熱試験を、試験例2で行った各種酸化カルシウムの入ったアルミ管を、燻煙剤顆粒25gと接触させて行った。結果を表3に示す。
なお、燻煙剤顆粒の処方は以下のとおりである。
Figure 0003651226
【0029】
【表3】
Figure 0003651226
【0030】
【発明の効果】
本発明により、従来の酸化カルシウムの水和反応熱を利用した燻煙剤に比べ、短時間で、かつ少量の酸化カルシウムで、燻煙剤を所望の温度にまで加熱することができるようになった。
さらに、本発明の燻煙剤加熱用発熱剤を使用することで、酸化カルシウムの水和反応熱を、燻煙剤の間接加熱方法のみならず直接加熱方法にも使用できる。
また、本発明の燻煙剤加熱用発熱剤は、打錠・成形することで、見かけ比重が高くなることから、従来の、酸化カルシウムを発熱剤として使用した燻煙剤の容器よりも、小型化・軽量化された容器をつくることが可能となった。

Claims (9)

  1. 25℃又は室温で、φ27mmのガラス管に酸化カルシウム20gを入れ、水6mlと水和反応させ、酸化カルシウム中央に配したCA熱電対により内部最高温度を測定し、水和反応開始から最高温度到達までの発熱速度が5℃/秒以上の酸化カルシウムを含む燻煙剤加熱用発熱剤。
  2. 酸化カルシウムを水と反応させたときに発生する熱により、発熱剤の表面最高到達温度が加熱すべき燻煙剤の発煙温度以上になるように成形されている請求項1記載の発熱剤。
  3. 酸化カルシウムが、消石灰を、実質的に二酸化炭素が存在しない条件下で、10分〜6時間、550〜770℃に加熱して製造されたものである請求項1または2記載の発熱剤。
  4. 25℃又は室温で、φ27mmのガラス管に酸化カルシウム20gを入れ、水6mlと水和反応させ、酸化カルシウム中央に配したCA熱電対により内部最高温度を測定し、水和反応開始から最高温度到達までの発熱速度が5℃/秒以上の酸化カルシウムを水と反応させたときに発生する熱により燻煙剤を加熱することを特徴とする、燻煙剤の加熱方法。
  5. 加熱すべき燻煙剤の全重量を基準として100重量%以下の酸化カルシウムを水と反応させる請求項記載の方法。
  6. 無機酸および/または有機酸の存在下で、酸化カルシウムを水と反応させる請求項またはに記載の方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の発熱剤を容器に収納した燻煙剤加熱装置。
  8. 容器が5W/m・℃以上の熱伝導率(25℃の場合)を有するものである請求項記載の装置。
  9. 容器が、アルミニウム、ブリキ、銅および鉄からなる群より選択される材料で製造されている請求項記載の装置。
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