JP4165935B2 - 燻煙装置および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燻煙装置および方法に関し、より詳細には、燻煙剤を燻煙するための装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燻煙剤は、有害生物駆除物質を加熱によって燻煙させる薬剤である。
従来、燻煙剤を加熱し燻煙せしめる一つの方法としては、ニトロセルロース等の自己燃焼性物質を含む燻煙剤を、金属酸化物と珪素等との反応(いわゆるテルミット反応)の発熱を利用し、直接一挙に加熱(点火)することにより、燻煙剤自身を自己燃焼させる直接加熱方法が知られている。テルミット反応による加熱方法については、実開昭62−146427号および特開平1−288218号に開示されている。
【0003】
しかし、テルミット反応による加熱方法は、燃焼反応によるものであることから、加熱時に必要以上に高温となり、そのため燻煙剤中の有効成分は熱分解を引き起こす可能性があり、熱分解性の高い薬剤を有効成分として使用するには問題があった。
一方、一般的に自己燃焼性を有さず、いわゆる有機発泡剤を含む燻煙剤を、多量の酸化カルシウムと水との水和反応で発生する高熱により、外部から間接的に、比較的長時間穏やかに加熱する間接加熱方法もある(特公昭59−49201号)。
【0004】
上記間接加熱方法では、酸化カルシウムを用いた水和反応の場合は酸化カルシウム重量あたりの発熱量が低く、このため殺虫成分を有効に揮散させるためには、燻煙剤の重量よりもはるかに多くの重量の酸化カルシウムを必要とした。
さらにまた、間接加熱方法では、多量の酸化カルシウムを用いても、水を加えてからの発熱速度(水和反応速度)が遅く、燻煙が開始されるまでにかなりの時間を要した。
【0005】
また、実公平5−6922号では、生石灰をリング状、円筒状に打錠・成形し、缶詰加熱用の加熱性発熱体として使用することが開示されている。しかし、該加熱用発熱体は、単に、容器に充填しやすく、発熱剤の飛びちりを防ぎ、缶詰を均一に加熱することを目的にしているに過ぎず、燻煙剤の燻煙を開始させるのに必要な熱量を、水添加後短時間で得るには不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、有効成分の熱分解も少なく、効率的に燻煙剤を加熱せしめ、速やかに燻煙を開始させるような装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ね、酸化カルシウムの水和反応により発生する高熱を利用した燻煙剤の加熱をするための装置を設計し、この装置を用いて燻煙剤を加熱したところ、効率的かつ迅速に燻煙剤の燻煙を開始させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、燻煙剤を燻煙するための装置であって、
i) 水が封入されている第1容器、
ii) 酸化カルシウムを含有する発熱剤が封入されている第2容器、
iii)燻煙剤を収納している第3容器、および
iv) 第1容器および第2容器の開封を容易にするための手段
を含むことを特徴とする前記の装置を提供する。本発明の装置においては、水が封入されている第1容器が予め用意されているので、使用者が酸化カルシウムの水和反応に必要な水を汲みに行く手間がはぶける。
【0009】
本発明の装置においては、第1容器と第2容器が分離した状態で設置されており、第2容器が第3容器の内部に設置されているとよい。第1容器と第2容器を分離して設置することにより、装置の運搬時にこれらの容器の破損が生じたとしても、発熱剤の有効成分である酸化カルシウムが水と反応して発熱し、その結果燻煙剤が加熱されて発煙が起こるという事態を回避することができる。例えば、第1容器は第3容器の底面の下側に設置されているとよい。また、第2容器を第3容器の内部に設置することにより、燻煙装置を小型化・軽量化することができる。
【0010】
また、本発明の装置においては、第3容器が内側の容器および外側の容器を有する二重容器の構造をとり、内側の容器の内部に燻煙剤が収納され、内側の容器と外側の容器との間の空間が断熱層を形成しているとよい。断熱層を形成することにより、燻煙時に生じる熱を吸収させ、装置を側面から冷却して、装置全体の温度上昇を抑えることができる。さらに、第3容器は上げ底の構造をとっているとよい。上げ底の構造をとることにより、装置を底面から冷却して、装置全体の温度上昇を抑えることができる。また、第3容器は噴煙孔を有している必要がある。噴煙孔は、好ましくは、第3容器の天井面に設けられる。噴煙孔があれば、燻煙時に燻煙剤中の有効成分(例えば、殺虫剤、殺菌剤、またはその混合剤)が外部に放出しやすくなる。しかし、燻煙装置の使用前には、噴煙孔からの燻煙剤の飛散を防止したり、大気中に存在する水分やその他の物質による燻煙剤成分の分解や変質を防ぐために、この噴煙孔はフィルムなどで塞がれていた方がよい。そして、燻煙装置の加熱時にこのフィルムが溶けて噴煙孔が露出し、燻煙剤中の有効成分が噴煙孔から放出できるようになると都合がよい。このフィルムは熱溶融性フィルムであるとよい。
【0011】
第1容器の材料としては、ポリエチレン、セロハン、アルミニウム、ポリプロピレン等とこれらの複合材料を挙げることができる。
発熱剤中の酸化カルシウムはその20gを水6mLと反応させたときの発熱速度が5℃/秒以上のものであるとよい。本明細書において、「発熱速度」とは、酸化カルシウムと水との水和反応による発熱の開始時間から最高温度到達時間までの、1秒あたりの平均上昇温度を示す。発熱速度は、25℃または室温で、ガラス管に酸化カルシウムの粉状品または粒状品を20g入れ、水6mlと水和反応させ、酸化カルシウム中央に配したCA熱電対により内部最高温度を測定し、水和反応開始から最高温度到達までの、1秒あたりの平均上昇温度を求めることにより、決定することができる。従来の、燻煙剤の加熱に用いられている酸化カルシウムの発熱速度は、酸化カルシウム20gを水6mlと反応させたとき、3℃/秒程度以下である。一方、本発明に用いる酸化カルシウムの発熱速度は、酸化カルシウム20gを水6mlと反応させたとき、5℃/秒以上であり、好ましくは6℃/秒以上である。本発明に用いる、酸化カルシウム20gを水6mlと反応させたときの発熱速度が5℃/秒以上の酸化カルシウムを、以下、「高活性な酸化カルシウム」と称することとする。
【0012】
また、発熱剤は成形されており、その結果、発熱剤中の酸化カルシウムが水と反応した時に発生する熱により、発熱剤の表面最高到達温度が加熱すべき燻煙剤の発煙温度以上になるとよい。発熱剤の表面最高到達温度は200℃以上であるとよい。例えば、発熱剤は100〜400kg/cm2の打錠圧力で成形されているとよく、成形された発熱剤の空隙率(%)は、30〜60%であるとよく、硬度は2〜20kgf であるとよい。好ましい態様においては、発熱剤は穴あき成形体の形状に成形されている。本明細書において、「穴あき成形体」とは、1個ないし2個以上の穴を有した、円柱状、立方体状、直方体、多角形柱状、多角形体、球状等の成形体を言い、その穴は、該成形体を貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。穴が貫通していない場合、その穴の深さは、該成形体の厚さの1/3以上であることが望ましい。このような穴あき成形体としては、例えば、円筒状、リング状、カップ状等の成形体が挙げられる。また、該穴あき成形体の代わりに、高活性な酸化カルシウムを、成形体の表面に溝を切ったり、成形体を星形等にするなどして、打錠成形することによって、酸化カルシウム単位重量あたりの表面積が、該穴あき成形体と同程度となる成形体も、本発明の穴あき成形体と同様の効果を得ることができる。発熱剤を成形、特に打錠することにより、見かけ比重が高くなり、従来よりも少量の加熱用スペースで燻煙装置の形態を設計することが可能となり、従来よりも小型化・軽量化された燻煙装置を設計することができる。
【0013】
第1容器に封入されている水と第2容器に封入されている発熱剤中の酸化カルシウムとの重量比は1:1〜1:6であるとよい。また、加熱すべき燻煙剤の全重量を基準として100重量%以下の酸化カルシウムを水と反応させるとよい。第2容器は熱伝導性の材料で製造されているとよい。熱伝導性の材料は、好ましくは5W/m・℃以上、より好ましくは10W/m・℃以上の熱伝導率(25℃の場合)を有する。熱伝導性の材料としては、アルミニウム、ブリキ、銅、および鉄を挙げることができる。第2容器は熱伝導性の材料で製造することにより、熱効率を高めることができ、その結果として、燻煙装置を小型化・軽量化することができる。
【0014】
燻煙剤に使用することができる薬剤としては,目的に応じ殺虫剤、殺菌剤等の各種薬剤ならびにそれらの混合剤が挙げられる。
上記の殺虫剤としては、例えば、ペルメトリン、アレスリン、レスメトリン、サイフェノトリン、プラレスリン、フェノトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、エトフェンプロックス等のピレスロイド系薬剤、フェニトロチオン、ジクロルボス(DDVP)、ダイアジノン、プロチオホス、バイテックス等の有機リン系薬剤、プロポクスル、メトキサジアゾン等のカーバメイト系薬剤等が使用できる。
【0015】
上記の殺菌剤としては、イソフタロニトリル、プロシミドン、バイレトン、モレスタン等の農薬用殺菌剤、サイアベンダゾール、3−ヨード2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)、IF−1000等の環境衛生用殺菌剤等が使用できる。
上記の薬剤の含有量は、燻煙剤の全重量を基準として、1重量%以上30重量%以下が好ましい。
【0016】
燻煙剤は燃焼基剤を含有するが、かかる燃焼基剤としては、ニトロセルロース、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、ニトログアニジン、ならびに塩素酸カリウムや硝酸アンモニウム等の酸化剤と糖類や木粉等の可燃性物質からなる組成物等が挙げられる。
【0017】
燻煙剤は、上記の薬剤、燃焼基剤の他に、メラミン、酸化亜鉛などの発熱助剤、クレー、カオリン、タルク、珪藻土などの無機系鉱物質を含有してもよい。更に、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、でんぷんなどの結合剤や香料、ピペロニルブトキサイド、S−421等の効力増強剤、BHT、トコフェロールなどの酸化防止剤といった添加剤等を含有してもよい。好ましい一態様において、燻煙剤は、ニトロセルロース、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、ニトログアニジン、酸化剤、および可燃性物質からなる組成物からなる燃焼基剤を含む。燻煙剤の剤型としては、粉剤、顆粒剤、錠剤、ペースト剤などを挙げることができる。
【0018】
第2容器に封入されている発熱剤中の酸化カルシウムと第3容器に収納されている燻煙剤中の燃焼基剤との重量比は4:50〜50:50であるとよい。
第3容器の材料としては、紙、アルミニウム、ポリエチレンなどを挙げることができる。第3容器の内側は被覆され、それにより燻煙剤中の成分が第3容器に浸潤するのが防止または低減されるようになっていてもよい。例えば、第3容器の内側をアルミニウム、ポリエチレンなどの材料で被覆することができる。
【0019】
第2容器は底面に孔を有するとよい。底面に孔を設けることにより、酸化カルシウムの水和反応で生じる水蒸気による第2容器の内圧の上昇を防止し、また、この水和反応で生成した水酸化カルシウムを含んだ沸騰水の飛散を防止することができる。孔の径(φ)は、3〜10mmであるとよい。底面に孔を有する第2容器を採用した場合には、燻煙装置本体に水蒸気バリアー性を付与する必要性が生じる。というのは、酸化カルシウムは吸湿しやすいからである。その解決手段の一つとして、第2容器を第3容器の内部に設置し、さらに、これらの容器をバッグに包み込まれた状態で外装容器に収納するように設計することができる。この場合、第1容器はバッグと分離した状態で設置されているとよく、第1容器および第2容器の開封を容易にするための手段が第1容器ともバッグとも分離した状態で設置されているとよい。バッグは水蒸気バリアー性を有するものであるとよく、例えば、アルミ製のバッグであるとよい。好ましくは、樹脂でラミネートされたアルミニウムのフィルムで製造されたバッグである。アルミニウムのフィルムが樹脂でラミネートされることにより、ヒートシール性が付与され、熱によるバッグのシールが容易になるからである。
【0020】
本発明は、容器の開封を容易にするための手段を用いて、水が封入されている第1容器および酸化カルシウムを含有する発熱剤が封入されている第2容器を開封することによって、第1容器に封入されていた水と第2容器中の発熱剤を接触させて、発熱剤中の酸化カルシウムと水を反応させ、該反応で発生する熱により燻煙剤を加熱することを特徴とする、燻煙剤を燻煙する方法も提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燻煙装置を、図面を参照して、詳細に説明する。
図1、2、および3は、本発明の燻煙装置の中央縦断正面図(但し、水が封入されている第1容器、並びに第1容器および第2容器の開封を容易にするための手段は図示していない。)である。
図4は、水が封入されている第1容器、並びに第1容器および第2容器の開封を容易にするための手段の中央縦断正面図である。
【0022】
まず、図1の燻煙装置について説明する。図1において、1は熱溶融性フィルム、2は噴煙孔、3は二重容器(本発明における第3容器に相当する。)、4は皿絞り加工部、5は内カール部、6は酸化カルシウム用気密容器(本発明における第2容器に相当する。)、7は穴あき成形酸化カルシウム(本発明における発熱剤に相当する。)、8は燻煙剤顆粒、9は内容器、10は外容器、11は気密シールである。熱溶融性フィルム1は発泡ポリエチレンシートで、内容器9および外容器10からなる二重容器3はすべて紙で、酸化カルシウム用気密容器6はしごき加工したアルミ箔で、気密シール11は樹脂でラミネートされたアルミニウムのフィルムで製造されている。燻煙装置がこれらの材料で製造されていると、焼却処理することができるので便利である。
【0023】
二重容器3は、内容器9と外容器10とからなり、内容器9と外容器10とは樹脂を用いて溶融接着されている。このような二重容器の構造をとることにより、内容器9と外容器10との間の空間に断熱層が形成され、燻煙時に生じる熱がこの断熱層に吸収され、装置が側面および底面から冷却されて、装置全体の温度上昇を抑えることができる。
【0024】
内容器9は円筒の形状であり、その直径は40〜80mm、高さは40〜60mmであるとよい。外容器10は円筒の形状であり、その直径は50〜100mm、高さは80〜160mmであるとよい。内容器9は、皿絞り加工部4を有し、燻煙剤顆粒8を収納している。また、内容器9の内部の皿絞り加工部4の上に載置されるように酸化カルシウム用気密容器6が設置されている。皿絞り加工部4の高さは10〜50mmであるとよい。皿絞り加工部4により、酸化カルシウム用気密容器6を内容器9の内部に安定に保持することができる他、上げ底化することで装置を底面から冷却することができる。燻煙剤顆粒8は、例えば、燻煙剤の全重量を基準として、1〜20重量%のメトキサジアゾン、1〜20重量%のフェノトリン、5〜90重量%のアゾジカルボンアミド、1〜30重量%のニトロセルロース、1〜10重量%のカルボキシメチルセルロース、および1〜50重量%のクレーを含有し、粒径1〜5mmであるとよい。内容器9に収納されている燻煙剤顆粒8の総量は20〜200gであるとよい。
【0025】
外容器10は内カール部5を有する。内カール部5の高さは、5〜50mmであるとよい。外容器10が内カール部5を有することにより、装置がさらに底面から冷却されて、装置全体の温度上昇を抑えることができると同時に、装置の積み上げが可能となり、装置の製造を効率化することができる。
上述のように、酸化カルシウム用気密容器6が設置され、燻煙剤顆粒8が収納された状態で、この二重容器3は図示されていない蓋付き外装容器に収納される。蓋付き外装容器は紙で製造されていると焼却処理ができるという点で有利である。
【0026】
内容器9の天井面および外容器10の天井面には、それぞれ、噴煙孔2が設けられている。内容器9の天井面には、2〜12個の径1〜5mmの噴煙孔2を設けるとよく、外容器10の天井面には、2〜12個の径1〜5mmの噴煙孔2を設けるとよい。この内容器9の天井面に設けられた噴煙孔は熱溶融性フィルム1で塞がれており、燻煙装置の加熱時にこのフィルムが溶けて、燻煙剤中の有効成分が噴煙孔から放出する。このように、噴煙孔2が使用前には熱溶融性フィルムで塞がれているために、未使用時の燻煙剤の飛散が防止される。
【0027】
酸化カルシウム用気密容器6は円筒の形状であり、その直径は10〜50mm、高さは40〜75mmであるとよい。酸化カルシウム用気密容器6の天井面は気密シール11で密閉されており、そこには、穴あき成形酸化カルシウム7が封入されている。この穴あき成形酸化カルシウム7は、打錠圧0.8〜3ton で打錠され、錠剤径(φ)8〜50mm、穴径4〜8mm、厚さ5〜40mmで、成形体1個の重量が2〜10gであるとよい。酸化カルシウム用気密容器6に封入されている穴あき成形酸化カルシウム7の総量は5〜25gであるとよい。発熱剤を成形、特に打錠することにより、見かけ比重が高くなり、従来よりも少量の加熱用スペースで燻煙装置の形態を設計することが可能となり、従来よりも小型化・軽量化された燻煙装置を設計することができる。
【0028】
なお、図1には、水が封入されている第1容器が図示されていないが、図4に示すような形状の注水容器111(本発明における水が封入されている第1容器に相当する。)を酸化カルシウム用気密容器6とは離れた位置に、例えば、外容器10の内カール部5の下側に設置するとよい。あるいはまた、注水容器111は二重容器3の外側に設置してもよい。注水容器111は、ポリエチレン製であるとよく、注水容器111の容積は、0.6〜10 cm3であるとよい。
【0029】
また、図1には、第1容器および第2容器の開封を容易にするための手段も図示されていないが、図4に示すような形状のトリガー112(本発明における第1容器および第2容器の開封を容易にするための手段に相当する。)を酸化カルシウム用気密容器6および/または注水容器111とは離れた位置に、例えば、外容器10の内カール部5の下側に設置するとよい。あるいはまた、トリガー112は二重容器3の外側に設置してもよい。トリガー112はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの材質であるとよく、8〜50mmの長さを有するとよい。
【0030】
燻煙装置の使用時に、注水容器111は酸化カルシウム用気密容器6の気密シール11の上に置かれる。次いで、トリガー112が注水容器111の上から差し込まれ、注水容器111を貫通し、酸化カルシウム用気密容器6に達すると、注水容器111に封入されていた水が酸化カルシウム用気密容器6中へ流れ込み穴あき成形酸化カルシウム7と接触して、酸化カルシウムの水和反応が起こる。該反応で発生する熱により燻煙剤顆粒8が加熱され、燻煙剤顆粒8の温度が発煙温度以上になると発煙が起こる。
【0031】
図2は、図1の燻煙装置の変形を示す。図2において、6’は酸化カルシウム用気密容器(本発明における第2容器に相当する。)、11’は気密シールである。図2の燻煙装置において、内容器9には皿絞り加工部4がない。また、気密シール11’は酸化カルシウム用気密容器6’の底面にある。この場合、注水容器111は、図示されていない外装容器の蓋の裏側に設置されるとよい。トリガー112は、外容器10の底面の下側に設置するとよい。
【0032】
燻煙装置の使用にあたっては、外装容器を開封した後、注水容器111が設置されている側を上にして蓋を置く。外容器10の底面の下側に設置されているトリガー112と注水容器111が接触するように、外装容器の蓋の上に二重容器3を載せ、力を加えると、トリガー112が注水容器111の気密シール11’および酸化カルシウム用気密容器6’を突き破り、注水容器111に封入されていた水と酸化カルシウム用気密容器6’中の穴あき成形酸化カルシウム7が接触して、酸化カルシウムの水和反応が起こる。該反応で発生する熱により燻煙剤顆粒8が加熱され、燻煙剤顆粒8の温度が発煙温度以上になると発煙が起こる。
【0033】
図3は、図1の燻煙装置の改良形を示す。図3Aにおいて、4”は皿絞り加工部、6”は酸化カルシウム用気密容器(本発明における第2容器に相当する。)、9”は内容器、20はバッグ、21は水封入容器、23は外装容器である。酸化カルシウム用気密容器6”はしごき加工したアルミ箔で、内容器9”は紙で、バッグ20は樹脂でラミネートされたアルミニウムのフィルムで、水封入容器21はポリエチレンで、外装容器23は紙で製造されている。燻煙装置がこれらの材料で製造されていると、焼却処理することができるので便利である。
【0034】
図3Aにおいて、酸化カルシウム用気密容器6”の底面には孔が設けられている。酸化カルシウム用気密容器6”の底面に孔を設けることにより、酸化カルシウムの水和反応で生じる水蒸気による酸化カルシウム用気密容器6”の内圧の上昇が防止され、また、この水和反応で生成した水酸化カルシウムを含んだ沸騰水の飛散が防止される。また、酸化カルシウム用気密容器6”が設置され、燻煙剤顆粒が収納されている状態で内容器9”はバッグ20(図3B)に包み込まれ、外装容器23に収納されている(図3C)。外装容器23は皿絞り加工部4”を有している。皿絞り加工部4”の高さは5〜30mmであるとよい。水封入容器21はバッグ20と分離した状態で、外装容器23の内部に収納されている。
【0035】
図3には、第1容器および第2容器の開封を容易にするための手段が図示されていないが、図4に示すような形状のトリガー112を酸化カルシウム用気密容器6”および/または水封入容器21とは離れた位置で、外装容器23の内部に設置するとよい。あるいはまた、トリガー112はバッグ20に包み込まれていてもよい。
【0036】
燻煙装置の使用にあたっては、外装容器23が開封された後、バッグ20、水封入容器21、およびトリガー112が取り出される。さらに、バッグ20が開封された後、内容器9”が取り出され、外装容器23の皿絞り加工部4”の上に置かれる。水封入容器21は酸化カルシウム用気密容器6”の気密シール11の上に置かれる。次いで、トリガー112が水封入容器21の上から差し込まれ、水封入容器21を貫通し、酸化カルシウム用気密容器6”に達すると、水封入容器21に封入されていた水が酸化カルシウム用気密容器6”中へ流れ込み穴あき成形酸化カルシウムと接触して、酸化カルシウムの水和反応が起こる。該反応で発生する熱により燻煙剤顆粒8が加熱され、燻煙剤顆粒8の温度が発煙温度以上になると発煙が起こる。
本発明のいくつかの態様について説明したが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、これらの変更や改良が可能であろう。
【0037】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
例1.燻煙剤用発熱剤の製法(粒状)
特開平1−308825号に記載の方法に従って、消石灰を、実質的に二酸化炭素が存在しない条件下で、約4時間、600℃に加熱して脱水させて、1〜5mmの粒状の高活性酸化カルシウムを得た。
【0038】
例2.燻煙剤用発熱剤の製法(穴あき成形品)
例1の1〜5mmの粒状の高活性酸化カルシウム4gを、打錠圧240kg/cm2で打錠し、錠剤径(φ)20mm、穴径φ6.3mm、厚さ12mmの円筒状に成形した。このとき打錠成形時に、打錠成形性をよくする為に、ステアリン酸マグネシウム少量を金型表面に添加した。
【0039】
例3.燻煙剤発熱用発熱剤の製法(穴あき成形品)
1〜5mmの粒状の市販の酸化カルシウム(和光純薬製)4gを、例2と同様にして円筒状に成形した。
【0040】
試験例1.
例1で調製した粒状の高活性な酸化カルシウム20gを、φ27mmのガラス管に入れ、25℃の温度下で、水6mlをシリンジで注入し、酸化カルシウム中央に配したCA熱電対により内部最高温度を測定し、最高温度到達時間から昇温速度を算出した。なお、比較のために、試薬用(和光純薬製)および従来品の粒状の酸化カルシウム20gを同様に測定した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004165935
【0042】
試験例2.表面最高温度
例2と例3の燻煙剤加熱用発熱剤を3錠ずつ、内径22mm、高さ50mm、厚さ0.75mmのアルミ管に挿入し、水4mlを添加し、その後の表面最高到達温度を赤外線映像装置により測定した。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0004165935
【0044】
試験例3.加熱発煙試験
実際の燻煙剤の加熱試験を、試験例2で行った各種酸化カルシウムの入ったアルミ管を、燻煙剤顆粒25gと接触させて行った。結果を表3に示す。
なお、燻煙剤顆粒の処方は以下のとおりである。
【0045】
Figure 0004165935
【0046】
【表3】
Figure 0004165935
【0047】
製造例1.
例2で製造した発熱剤を用いて、図1に示した燻煙装置を製造した。いずれの発熱剤を用いた場合にも、発煙が起こった。
製造例2.
例2で製造した発熱剤を用いて、図2に示した燻煙装置を製造した。いずれの発熱剤を用いた場合にも、発煙が起こった。
製造例3.
例2で製造した発熱剤を用いて、図3に示した燻煙装置を製造した。いずれの発熱剤を用いた場合にも、発煙が起こった。
【0048】
【発明の効果】
本発明により、燻煙装置を小型化・軽量化することが可能となった。また、本発明により、燻煙装置の焼却処理が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の燻煙装置の一例を示す。
【図2】図2は、本発明の燻煙装置の別の例を示す。
【図3】図3は、本発明の燻煙装置のさらに別の例を示す。
【図4】図4は、本発明の燻煙装置における第1容器の形態、並びに第1容器および第2容器の開封を容易にするための手段を形態を示す。
【符号の説明】
1:熱溶融性フィルム
2:噴煙孔
3:二重容器
4、4”:皿絞り加工部
5:内カール部
6、6’、6”:酸化カルシウム用気密容器
7:穴あき成形酸化カルシウム
8:燻煙剤顆粒
9、9”:内容器
10:外容器
11、11’:気密シール
20:バッグ
21:水封入容器
23:外装容器
111:注水容器
112:トリガー

Claims (6)

  1. 燻煙剤を燻煙するための装置であって、
    i) 水が封入されている第1容器、
    ii) 20 gを水 6mL と反応させたときの発熱速度が 5 ℃/秒以上の酸化カルシウムを含有する燻煙剤加熱用発熱剤が封入されている第2容器、
    iii)燻煙剤を収納している噴煙孔を有する第3容器、および
    iv) 第1容器および第2容器の開封を容易にするための手段
    を含むことを特徴とする前記の装置。
  2. 酸化カルシウムが、消石灰を、二酸化炭素が存在しない条件下で加熱脱水して得たものである、請求項1に記載の装置。
  3. 第1容器と第2容器が分離した状態で設置されており、第2容器が第3容器の内部に設置されている請求項1または2記載の装置。
  4. 第3容器が内側の容器および外側の容器を有する二重容器の構造をとっており、内側の容器の内部に燻煙剤が収納され、内側の容器と外側の容器との間の空間が断熱層を形成している請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 発熱剤が100〜400kg/cm2の打錠圧力で成形されている請求項記載の装置。
  6. 発熱剤が穴あき成形体の形状に成形されている請求項に記載の装置。
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