JP6320668B1 - 数値制御装置および数値制御方法 - Google Patents

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Abstract

数値制御装置(101)が、加工プログラム(150)を解析して加工プログラム(150)内で指定される座標系の回転角度である座標回転角度(31)を抽出する解析部(12)と、制御対象である工作機械(200)の有する軸の移動方向および回転方向の少なくとも何れか1つに基づいて作成される極性情報(180)と、座標回転角度(31)と、に基づいて、加工プログラム(150)内の座標値を工作機械(200)における座標値に変換する座標変換部(15)と、を備える。

Description

本発明は、工作機械を制御する数値制御装置および数値制御方法に関する。
数値制御装置は、加工プログラムに基づいて工作機械を制御する装置である。工作機械の制御では様々な座標系が用いられるので、数値制御装置は、加工プログラム内の指令で指定された座標を、工作機械に対応する座標系の座標に変換したうえで、工作機械に移動指令を出力する。
特許文献1に記載の数値制御装置は、加工プログラムに対して座標系変換処理を実行する座標系変換手段が、右手系に基づく指令を、左手系に基づく指令に変換して左手系の工作機械を制御している。
特開2016−24662号公報
しかしながら、上記従来の技術である特許文献1の数値制御装置は、回転軸の回転方向が左手系である工作機械を想定していないので、工作機械が備える軸の移動方向または回転方向を考慮した制御を実現できないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、工作機械が備える軸の移動方向および回転方向の少なくとも何れか1つを考慮した制御を実現できる数値制御装置および数値制御方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、数値制御装置において、加工プログラムを解析して加工プログラム内で指定される座標系の回転角度を抽出する解析部を備える。また、本発明の数値制御装置は、制御対象である工作機械の有する軸の移動方向および回転方向の少なくとも何れか1つに基づいて作成される極性情報と、回転角度と、に基づいて、加工プログラム内の座標値を工作機械の座標系における座標値に変換する座標変換部とを備える。
本発明にかかる数値制御装置は、工作機械が備える軸の移動方向および回転方向の少なくとも何れか1つを考慮した制御を実現できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図 実施の形態1にかかる座標変換行列の計算処理手順を示すフローチャート 実施の形態1にかかる工具チルト型の工作機械の構成を示す図 実施の形態1にかかる混合型の工作機械の構成を示す図 実施の形態1にかかるテーブルチルト型の工作機械の構成を示す図 実施の形態1にかかる、機械構成と回転軸との関係を示す図 実施の形態2にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図 実施の形態2にかかる主軸固定型の工作機械の機械構成を説明するための図 実施の形態2にかかる主軸移動型の工作機械の機械構成を説明するための図 実施の形態2にかかる極性情報テーブルの構成を示す図 実施の形態3にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図 実施の形態3にかかる、左手系と基準右手系との関係を説明するための図 実施の形態3にかかる、極性情報の設定処理手順を示すフローチャート 実施の形態3にかかる極性情報の設定例を示す図 実施の形態1から3にかかる数値制御装置のハードウェア構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる数値制御装置および数値制御方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。数値制御装置(NC装置:Numerical Controller)101は、被加工物を加工するための加工プログラム150に基づいて、工作機械200への移動指令36を生成するコンピュータである。なお、実施の形態1では、工作機械200の回転軸が左手系となる場合について説明する。
工作機械200は、数値制御装置101からの移動指令36に従って被加工物を加工するマシニングセンタといった機械である。工作機械200は、ワークである被加工物を加工するための複数の軸を有している。工作機械200が有している複数の軸の1つは、工作機械200に取り付けられる工具の工具姿勢を変更するための軸である。工作機械200は、複数の軸の少なくとも1つである移動軸の軸に沿った移動または回転軸の回転によって、被加工物に対する工具姿勢の変更を可能とする。工作機械200に取り付けられる工具は、回転することで被加工物を切削して、被加工物に孔または穴を形成する。
工作機械200は、被加工物が載置されるテーブルを有している。工作機械200が有している複数の軸の1つは、テーブルを回転させるための軸である。また、工作機械200は、工作機械200の全体をX方向、Y方向およびZ方向の各々に並進移動させるX軸、Y軸およびZ軸を有している。X軸、Y軸およびZ軸の各々は、工作機械200が有している複数の軸の1つである。
なお、工作機械200のX軸、Y軸およびZ軸は、何れも直線型の移動軸である。また、工作機械200では、A軸はX軸を回転中心軸とする回転軸であり、B軸はY軸を回転中心軸とする回転軸であり、C軸はZ軸を回転中心軸とする回転軸である。
数値制御装置101は、ユーザプログラムである加工プログラム150を用いて工作機械200を制御する。数値制御装置101は、加工プログラム150から読み出した座標値を座標変換した後に、座標変換後の座標値を用いて工作機械200への移動指令36を生成する。
数値制御装置101は、工作機械200が有する複数の軸の動作を制御することによって、被加工物に対する工具の位置および姿勢を制御する。工作機械200が有する軸の動作は、並進移動または回転である。複数の軸で動作させられる構成要素の一例は、工具およびテーブルの何れか一方または両方である。
数値制御装置101は、加工プログラム150を記憶する加工プログラム記憶部11と、加工プログラム記憶部11内から加工プログラム150を読み出して解析する解析部12とを備えている。また、数値制御装置101は、後述する極性情報180を記憶する極性情報記憶部21と、計算処理によって座標変換行列34を導出する行列計算部13とを備えている。また、数値制御装置101は、加工プログラム150内の指令座標値33を工作機械200の座標値に変換する座標変換部15と、変換された座標値に対応する移動指令36を計算する指令計算部16とを備えている。
数値制御装置101では、解析部12が、加工プログラム記憶部11、行列計算部13および座標変換部15に接続されている。また、数値制御装置101では、行列計算部13が、極性情報記憶部21および座標変換部15に接続され、座標変換部15が指令計算部16に接続されている。そして、指令計算部16が工作機械200に接続されている。
加工プログラム記憶部11は、外部からの入力情報である加工プログラム150を記憶するメモリといった記憶装置である。解析部12は、加工プログラム記憶部11内の加工プログラム150の中から指令を読み出し、読み出した指令に基づいて、複数の軸の各々の動作量を演算する。
解析部12は、加工プログラム150を解析して加工プログラム150内で指定される原点位置および座標系の回転角度を抽出して出力する。具体的には、解析部12は、後述するN11ブロックでGコードを用いて指令されるXYZアドレスへの設定値を原点位置32として行列計算部13へ出力し、後述するN11ブロックでGコードを用いて指令されるIJKアドレスへの設定値を座標回転角度31として行列計算部13へ出力する。座標回転角度31は、加工プログラム150内で指定される座標系での回転角度である。座標回転角度31は、座標系とともに、加工プログラム150内で指定されている。
また、解析部12は、加工プログラム150に記載の指令に対応する移動指令36を計算するために必要な情報を生成する。この情報の例は、後述の第1の加工プログラムに記載の、N10ブロック、N13ブロック、およびN14ブロックでの指令座標値33である。解析部12は、N10ブロック、N13ブロック、およびN14ブロックでの指令座標値33を、各ブロックの移動座標である軸移動として座標変換部15へ出力する。解析部12が座標変換部15へ出力する指令座標値33の一例は、傾斜面座標系の座標値である。
変換情報計算部である行列計算部13は、極性情報180と、解析部12の出力結果である原点位置32と、解析部12の出力結果である座標回転角度31とを用いて傾斜面座標系を並進移動および回転させる。これにより、行列計算部13は、傾斜面座標系とワーク座標系との間で座標変換を行うための座標変換情報を計算する。座標変換情報の一例は、傾斜面座標系とワーク座標系との間で座標変換を行うための座標変換行列34である。以下では、座標変換情報が、座標変換行列34である場合について説明する。行列計算部13は、計算した座標変換行列34を座標変換部15に出力する。
行列計算部13は、傾斜面加工モードを示すG68.2指令が有効状態でない場合、座標変換行列34として単位行列を導出する。この単位行列は、座標系の並進移動と回転とをともに行わないための指令である。行列計算部13が導出した座標変換行列34が単位行列である場合、座標系の並進移動と、座標系の回転とは、ともに行われないこととなる。
極性情報記憶部21は、極性情報180を記憶するメモリといった記憶装置である。極性情報180は、工作機械200の機械構成と、直線軸の移動方向と、回転軸の回転方向とに基づいて作成される情報であり、工作機械200が備える軸が、右手系に従う軸であるか否かを示している。なお、極性情報180は、工作機械200が備える軸の移動方向および回転方向の少なくとも何れか1つと、工作機械200の機械構成と、に基づいて作成されればよい。極性情報180は、工作機械200が備える軸毎に設定されている。極性情報180は、右手系に従う軸であることを示す情報、または左手系に従う軸であることを示す情報の何れかである。極性情報180は、行列計算部13が、右手系に従う軸であるか否かを判断する際に用いられる。
具体的には、極性情報180では、右手系に従う軸には「0」が設定されており、左手系に従う軸には「1」が設定される。すなわち、右手系に従う工作機械200に対しては、全ての軸の極性情報180が「0」に設定され、左手系に従う工作機械200では、少なくとも1つの軸の極性情報180が「1」に設定されることとなる。
なお、実施の形態1で説明する極性は、直線軸に対しては移動方向を指し、回転軸に対しては回転方向を指す用語として使用する。また、右手系に従わない軸を逆極性の軸と呼ぶ場合がある。
座標変換部15は、解析部12から入力される指令座標値33と、行列計算部13から入力される座標変換行列34と、極性情報記憶部21内の極性情報180とに基づいて、機械座標値35を計算する。機械座標値35は、工作機械200の座標系である機械座標系での座標値である。なお、座標変換部15は、各軸の移動区間毎の始点と終点との間を、直線補間または円弧補間といった加工プログラム150で指令された方法で補間した後に、各補間点での機械座標値35を計算する。
指令計算部16は、機械座標値35に基づいて各軸の位置指令の値に加減速処理を行うことによって、工作機械200が有する各軸への移動指令36を計算する。各軸への位置指令の値は、各補間点での座標系における位置指令の値である。指令計算部16は、計算した移動指令36を工作機械200に送信する。工作機械200は、工作機械200の各軸の位置が、各軸への移動指令36に追従するように各軸を駆動させる。
加工プログラム150は、被加工物に対する工具の動作を記載したものであり、工作機械200への指令の座標系を定義した情報を含んでいる。なお、以下の説明では、加工プログラム150内の座標系を加工プログラム150で定義された座標系といい、数値制御装置101によって変換される座標系を数値制御装置101で設定される座標系という。ここで、加工プログラム150の第1例である第1の加工プログラムについて説明する。第1の加工プログラムは、以下のように記載される。
<第1の加工プログラム>
N10 G54 G0X100.Y100.Z0.
N11 G68.2P5X10.Y10.Z10.I0.J30.K60.
N12 G53.1
N13 G1 Z-10. F1000.
N14 G1 X10.


N20 G69
第1の加工プログラムは、左側にNアドレスを用いたシーケンス番号が記載されている。シーケンス番号は、軸の移動に関連するものではないが、説明の都合上便宜的に記載している。なお、以下の説明では、第1の加工プログラムの1行をブロックで表現している。
N10ブロックでは、G54指令が、使用する座標系を指定しており、早送り移動指令のG0が、G54座標系における(X,Y,Z)=(100,100,0)の位置に工具を移動させる指令を行っている。G54座標系は、複数個を設定可能なワーク座標系の1つであり、工作機械200の機械原点からの距離を予め設定することで定義される座標系である。ワーク座標系は、被加工物を基準とした座標系である。このように、N10ブロックには、早送り速度で工具を高速移動するための指令が記載されている。
N11ブロックでは、G68.2指令が、傾斜面を基準とした座標系である傾斜面座標系の定義を行っている。G68.2指令は、5軸加工の機能を実行する傾斜面加工指令である。G68.2指令は、ワーク座標系の原点からの差分を与えて、傾斜面といった任意の平面の原点を、フィーチャ座標系として任意の位置に設定する指令である。このように、G68.2指令は、ワーク上の傾斜面を表す座標系であるフィーチャ座標系を設定する。数値制御装置101が、G68.2指令に基づいた原点および回転角度を指定することによって、傾斜面座標系を定義すると、この傾斜面座標系へのプログラム指令が可能となる。
Pアドレスは、傾斜面座標系の定義方法を指定するものであり、P5指令は、工作機械200が備える軸の回転角度である回転軸角度を用いて傾斜面座標系の回転角度を指定する。XYZアドレスは、傾斜面座標系の原点位置32をG54座標系の座標値に設定するために使用される。ここでは、G54座標系の座標値(X,Y,Z)=(10,10,10)の位置が、傾斜面座標系の原点に指定されている。また、IJKアドレスは、座標系の回転角度を設定するために使用される。IJKアドレスでI0.J30.K60.のように座標系の回転角度が設定されることで、第1の加工プログラムは、任意の座標系を設定することが可能となる。ここでのN11ブロックの指令は、JアドレスでB軸の回転角度であるB軸角度を指定し、KアドレスでC軸の回転角度であるC軸角度を指定する。Iアドレスは、工作機械200がA軸を有する場合にA軸の回転角度であるA軸角度を指定するために使用される。
なお、第1の加工プログラムは、G68.2P5指令に工作機械200が備える軸の回転軸角度を用いた座標系回転の定義方法を使用しているが、工作機械200が備える軸の回転軸角度を用いる定義方法であれば、ロール角、ピッチ角、およびヨー角の指定といった既存の定義方法で指令が代用されてもよい。
N12ブロックでは、G53.1指令が、傾斜面座標系のZ軸方向と工具方向とを一致させる。G53.1指令があると、回転軸の回転角度が数値制御装置101の内部で計算する角度に位置決めされる。
なお、G53.1指令が、テーブル側に回転軸を有する機械構成に対してテーブル側の回転軸を回転させる場合、テーブルの回転に連動した座標系の再定義が行われる。この場合、N12ブロックの指令は、G53.1指令前の傾斜面座標系を回転テーブルに固定し、テーブル回転後の状態で、G53.1指令前の回転テーブルと傾斜面座標系との間の関係を保持するよう傾斜面座標系の再定義を行う。
N13ブロックでの指令以降、N20ブロックでG69指令が行われるまで、数値制御装置101は、第1の加工プログラムで傾斜面座標系に対する軸移動指令を行うことで、傾斜面に対して所望の加工を行うことが可能となる。
なお、N13ブロックでは、切削指令であるG1指令が軸移動を実行する。具体的には、G1指令が、傾斜面座標系上の座標値Z-10.の位置に、F1000.によって送り速度1000mm/minで工具を移動させる。その後、N14ブロックの指令は、X10.の座標位置に工具を移動させる。
N20ブロックでのG69指令は、傾斜面座標系の定義を解除する指令である。このG69指令が実行されると、工作機械200は、G69指令以降G68.2指令前の座標系であるG54座標系が座標系に定義されたものとして動作することとなる。なお、実施の形態1および後述の実施の形態2,3で説明する傾斜面座標系は、傾斜のある面座標系と傾斜のない面座標系との何れであってもよい。
なお、実施の形態1では、数値制御装置101が、補間後の位置指令に座標変換を行う場合について説明したが、数値制御装置101は、各移動区間の始点および終点の位置指令に座標変換を行い、座標変換後の位置指令に補間を行うことによって、補間点での位置指令を求めてもよい。
つぎに、行列計算部13による座標変換行列34の計算処理手順を図2のフローチャートに従って説明する。図2は、実施の形態1にかかる座標変換行列の計算処理手順を示すフローチャートである。ステップS1において、行列計算部13は、工具座標系を機械座標系に変換するための座標回転行列を計算する。換言すると、行列計算部13は、工具座標系から機械座標系までの座標回転行列を計算する。工具座標系は、工作機械200に取り付けられる工具を基準とした座標系であり、機械座標系は、工作機械200を基準とした座標系である。なお、行列計算部13は、極性情報180のうちの工具側回転軸の極性情報と、回転軸の回転角度である座標回転角度31とを考慮に入れて、座標回転行列を計算する。この場合において、行列計算部13は、座標系の回転のみを行い並行移動を行うことなく、座標回転行列を計算する。
ここで、工作機械200の構成例と、工作機械200の構成に対応する座標回転行列について説明する。図3は、実施の形態1にかかる工具チルト型の工作機械の構成を示す図である。工具チルト型の工作機械である工作機械201は、工作機械200の一例である。ここでは、工具25側の回転軸であるB軸またはC軸に設定された極性情報180を用いた処理を説明する。
工作機械201は、第1の回転軸である回転軸72周りに回転する回転部62と、第2の回転軸である回転軸71周りに回転する回転部61と、を備えている。なお、回転軸71,72および後述する回転軸73〜76は、回転軸の例である。
また、工作機械201は、回転部61と回転部62とを接続する接合部64Pを備えている。また、工作機械201は、回転部62に接続されるとともに、工具25を保持する保持部65Pを備えている。また、工作機械201は、被加工物66を保持するテーブル81を備えている。この構成により、工作機械201は、回転部61が回転軸71周りに回転することによって工具姿勢を変えることができるとともに、回転部62が回転軸72周りに回転することによって工具姿勢を変えることができる。
工作機械201において、工具座標系52は工具25を基準とした座標系であり、テーブル座標系53は、テーブル81を基準とした座標系であり、機械座標系51は工作機械201を基準とした座標系である。
工作機械201の機械構成における工具座標系52は、機械座標系51を回転軸71の軸周りに角度Crだけ回転させた後、回転軸72の軸周りに角度Brだけ回転させることで規定された座標系である。
座標回転行列をRot(r,θ)と表現し、rを回転中心ベクトル、θを回転角度とすると、X軸、Y軸およびZ軸周りに回転角度θだけ回転させる場合の座標回転行列は、以下の式(1)で示される。
Figure 0006320668
なお、式(1)におけるrの右下に付された添え字のX、YおよびZは、X軸、Y軸およびZ軸であることを示している。行列計算部13は、式(1)を用いて座標回転行列を計算した後、以下の式(2)を用いて回転軸極性を考慮に入れた座標軸ベクトルを計算する。
Figure 0006320668
これにより、行列計算部13は、機械座標値35に変換された工具座標系52の各座標軸ベクトルを得ることができる。なお、式(2)のkB、kCは、B軸極性、C軸極性に応じて値が設定される変数であり、回転軸極性が右手系に従う場合には「1」が設定され、回転軸極性が逆極性の軸に従う場合には「−1」が設定される。kの右下に付された添え字のBおよびCは、B軸およびC軸であることを示しており、直線軸にも回転軸71,72にも適用されるものである。
このように、行列計算部13は、ステップS1の処理において、各回転軸71,72の極性を考慮した座標回転行列を導出する。この座標回転行列は、工作機械201の機械構成において、座標系を、Z軸周りにC軸の極性情報を考慮した角度だけ回転させた後、Y軸周りにB軸の極性情報を考慮した角度だけ回転する処理に対応している。
なお、工作機械200は、図3に示した工具チルト型の工作機械201に限らず、後述するテーブルチルト型の工作機械203であってもよいし、後述する混合型の工作機械202であってもよい。図4は、実施の形態1にかかる混合型の工作機械の構成を示す図である。混合型の工作機械である工作機械202は、工作機械200の一例である。工作機械202は、工具チルト型の工作機械201の一部とテーブルチルト型の工作機械203の一部とを混合した機械であり、工具25側とテーブル82側との両方に回転軸を1軸ずつ有している。
工作機械202は、回転軸73周りに回転する回転部63と、回転部63に接続されるとともに工具25を保持する保持部65Qとを備えている。また、工作機械202は、被加工物66を保持するとともに回転軸74周りに回転するテーブル82を備えている。工作機械202では、回転軸73が第1の回転軸であり、回転軸74が第2の回転軸である。
この構成により、工作機械202は、回転部63が回転軸73周りに回転することによって工具姿勢を変えることができるとともに、テーブル82が回転軸74周りに回転することによって被加工物66の姿勢を変えることができる。
工作機械202において、工具座標系52は工具25を基準とした座標系であり、テーブル座標系53は、テーブル82を基準とした座標系であり、機械座標系51は工作機械202を基準とした座標系である。
工作機械202の機械構成における工具座標系52は、機械座標系51を回転軸73の軸周りに角度Brだけ回転させることで規定された座標系である。したがって、工作機械202の場合、ステップS1において、行列計算部13は、工具25の回転軸73であるB軸と、B軸の極性情報とを考慮した角度だけ回転させる処理を行うことによって、座標回転行列を計算する。具体的には、行列計算部13は、座標回転行列を計算した後、以下の式(3)を用いて回転軸極性を考慮に入れた座標軸ベクトルを計算する。
Figure 0006320668
図5は、実施の形態1にかかるテーブルチルト型の工作機械の構成を示す図である。テーブルチルト型の工作機械である工作機械203は、工作機械200の一例である。工作機械203は、工具25側には回転軸を有しておらず、テーブル83側に2つの回転軸75,76を有している。
工作機械203は、工具25を保持する保持部65Rを備えている。また、工作機械203は、被加工物66を保持するとともに回転軸76周りに回転するテーブル83を備えている。また、工作機械203は、テーブル83を回転軸75でチルトさせるチルト台84を備えている。工作機械203では、回転軸75が第1の回転軸であり、回転軸76が第2の回転軸である。
工作機械203では、テーブル83がチルト台84に接続されている。この構成により、工作機械203は、テーブル83が回転軸76周りに回転することによって被加工物66の姿勢を変えることができるとともに、チルト台84が回転軸75でチルトすることによって被加工物66の姿勢を変えることができる。
工作機械203において、工具座標系52は工具25を基準とした座標系であり、テーブル座標系53は、テーブル83を基準とした座標系であり、機械座標系51は工作機械203を基準とした座標系である。
工作機械203は、工具25側の回転軸がない機械構成であるので、工具座標系52とワーク座標系とが同一方向となる。したがって、工作機械203の場合、ステップS1において、行列計算部13は、工具25の回転軸を考慮せずに座標回転行列を計算する。具体的には、行列計算部13は、式(1)を用いて座標回転行列を計算した後、以下の式(4)を用いて工具25の回転軸極性を考慮しない座標軸ベクトルを計算する。
Figure 0006320668
工作機械201〜203の機械構成では、第1の回転軸を、工具座標系52の原点に近い方の回転軸とし、第2の回転軸を、ワーク座標系の原点に近い方の回転軸として定義している。すなわち、工作機械201〜203の回転軸は、図6のように定義されている。
図6は、実施の形態1にかかる、機械構成と回転軸との関係を示す図である。図6に示すように、工具チルト型の場合、第1の回転軸は、先端側の工具回転軸であり、第2の回転軸は、根元側の工具回転軸である。ここでの先端側の工具回転軸が、回転軸72であり、根元側の工具回転軸が回転軸71である。
また、混合型の場合、第1の回転軸は、先端側の工具回転軸であり、第2の回転軸は、ワーク側のテーブル回転軸である。ここでの先端側の工具回転軸が、回転軸73であり、ワーク側のテーブル回転軸が、回転軸74である。
また、テーブルチルト型の場合、第1の回転軸は、根元側のテーブル回転軸であり、第2の回転軸は、ワーク側のテーブル回転軸である。ここでの根元側のテーブル回転軸が、回転軸75であり、ワーク側のテーブル回転軸が回転軸76である。
つぎに、ステップS2において、行列計算部13は、工具姿勢ベクトルである座標軸ベクトルをテーブル回転軸の軸周りに回転させた座標回転行列を計算する。ここでの行列計算部13が用いる座標軸ベクトルは、ステップS1で計算した座標回転行列を構成するベクトルである。行列計算部13は、テーブル回転軸である回転軸74〜76における極性情報180および回転軸74〜76の回転角度を考慮に入れて、座標軸ベクトルをテーブル回転軸の軸周りに回転させる。これにより、座標回転行列の座標軸ベクトルが、テーブル座標系53からワーク座標系に変換される。
工具チルト型の工作機械201の場合、テーブル回転軸がない機械構成であるので、行列計算部13は、テーブル回転に対する座標変換を行うことなくステップS2を終了する。すなわち、行列計算部13は、上述の式(2)を用いて計算した各座標軸ベクトルをそのまま、回転後の座標回転行列とする。
混合型の工作機械202の場合、テーブル82側の回転軸74であるC軸が1軸存在するので、行列計算部13は、Z軸の軸周りに、極性情報180を考慮したC軸角度分の座標系の回転を行う。具体的には、行列計算部13は、式(3)の変換式にC軸分の座標系の回転を加えた式(5)の計算を行う。式(5)に示すRが、テーブル回転に対応する座標変換を行った後の座標回転行列である。
Figure 0006320668
また、テーブルチルト型の工作機械203の場合、式(4)で示される座標回転行列のベクトルを、行列計算部13が、Z軸周りに回転させた後、X軸周りに角度Arだけ回転させることで回転後の座標回転行列を計算する。具体的には、行列計算部13は、以下の式(6)を用いて、テーブル回転に対応する座標変換を行った後の座標回転行列を計算する。なお、式(6)におけるkAは、A軸の極性に応じて設定される値であり、kBおよびkCと同様に設定される値である。
Figure 0006320668
そして、ステップS3において、行列計算部13は、傾斜面加工指令で指令された原点位置32、およびステップS2で計算した座標回転行列に基づいて、座標変換行列34を計算する。具体的には、行列計算部13は、以下の式(7)を用いて座標変換行列34を計算する。なお、式(7)では、座標変換行列34をTで表している。
Figure 0006320668
数値制御装置101は、式(7)を用いて計算した座標変換行列34を、G68.2指令の際に使用する。なお、式(7)に示した座標変換行列34は、座標回転行列の計算に回転軸71〜76の極性情報180を加味し、さらに原点位置32に直線軸の極性を加味したものとなっている。すなわち、式(7)におけるRは、式(2)の座標軸ベクトル、式(6)のR、または式(5)のRであり、式(7)におけるpは、直線軸の並進移動のベクトルである。したがって、式(7)で示した座標変換行列34は、左手系の座標値を指定することが可能な行列となっている。
図2のフローチャートでは、5軸の工作機械200における座標変換行列34の計算手順について説明したが、6軸の工作機械200であっても、上述したステップS1からS3と同様の手順によって座標変換行列34を計算することができる。
6軸の工作機械200の1つに、工具25側に2つの回転軸を有し、テーブル側に1軸の回転軸を有したものがある。このような6軸の工作機械200に対しては、数値制御装置101は、ステップS1の処理において、工具座標系52をワーク座標系に変換するための座標回転行列を計算すればよい。換言すると、ステップS1の処理において、数値制御装置101は、工具座標系52からワーク座標系までの座標回転行列を計算すればよい。これにより、数値制御装置101は、6軸の工作機械200に対しても、座標変換行列34を計算することが可能となる。
つぎに、座標変換部15の動作について説明する。座標変換部15は、極性情報180、および座標変換行列34を用いた座標変換を行う。行列計算部13が計算した座標変換行列34は、工作機械200の機械構成を考慮して計算されたものである。ここでは、行列計算部13が、以下の式(8)に示す座標変換行列34を導出した場合について説明する。
Figure 0006320668
数値制御装置101は、傾斜面加工中の移動指令を、傾斜面座標系上の座標値として認識したうえで、各軸を動かすための移動量を計算する。加工プログラム150が、傾斜面加工指令後に、(X,Y,Z)=(10,0,0)といった座標値への移動指令を行う場合がある。このとき、B軸の極性が右手系であれば、座標変換部15は、以下の式(9)を用いて計算することができる位置に機械値である工具25の位置が移動するように移動指令36を生成する。なお、式(9)では、β=45degとした場合の数値を示している。
Figure 0006320668
これに対し、B軸の極性が右手系に従わない逆極性、すなわち左手系である場合、座標変換部15は、以下の式(10)を用いて計算することができる位置に機械値が移動するように移動指令36を生成する。
Figure 0006320668
このように、B軸の極性が左手系である場合、B軸の極性が右手系である場合と比較して、Z軸の座標値の符号が反転した値となっている。すなわち、式(10)での計算結果と、式(9)での計算結果とを比較すると、式(10)に示す座標値の絶対値と式(9)に示す座標値の絶対値とは同じ値であり、Z軸の座標値の符号が反転している。したがって、式(10)および式(9)は、左手系での軸移動が正しく行われることを示している。換言すると、式(10)および式(9)は、左手系の工作機械200の機械角度を用いた傾斜面での座標を設定することができることを示している。
また、C軸回転を必要とする座標変換の場合、数値制御装置101は、G53.1指令によってB軸角度およびC軸角度の計算を行う。このとき、数値制御装置101は、得られる傾斜面座標系から回転軸角度の計算を行うこととなり、極性情報180を考慮した機械角度を計算することとなる。これにより、数値制御装置101は、計算したG53.1指令後の角度への位置決めを行うこととなる。
<フィーチャZ軸周りに座標系を回転する形態>
なお、実施の形態1では、座標回転角度31である機械回転軸の2軸分の指定をJKアドレスで指令することで傾斜面座標系を定義した第1の加工プログラムで工作機械200が動作する場合について説明したが、工作機械200は、機械回転軸の2軸の回転に加えて、さらにもう1軸分だけ座標系回転を可能な形態としてもよい。例えば、行列計算部13が、図2のフローチャートのステップS2で得られた座標回転行列に、さらに、RアドレスでZ軸周りの座標回転を追加してもよい。行列計算部13は、このような追加の回転角度を指定することで、任意の位置に任意の座標系を定義することが可能となる。
このように、数値制御装置101は、工作機械200の回転角度および極性情報180に基づいて、座標変換行列34を計算するので、工作機械200の回転角度および極性情報180を用いた傾斜面座標系の設定を簡単に実施することが可能となる。これにより、傾斜面座標系の設定を行う際の煩雑な設定作業が不要となる。
ここで、座標変換行列34を用いることなく工作機械200を制御する数値制御装置について説明する。この数値制御装置は、数値制御装置101に対する比較例の装置である。比較例の数値制御装置が、左手系の工作機械200に対して、右手系を前提とする座標系設定方法を用いる場合、以下に示す問題のため座標系の設定が困難である。例えば、比較例の数値制御装置が、左手系の工作機械200に対して座標系を設定するために、基準となる右手系を想定し右手系と左手系との差異を考慮しながら座標系を設定する方法がある。この方法では、何れの軸を反転させるかの明確な基準が存在しないので、極性が反転する直線軸が存在する場合、極性が反転している軸を回転中心とした回転軸の極性をどのように設定すべきかが分からない。また、右手系を想定しながら左手系の工作機械200に対してプログラミングを行うのは煩雑かつ複雑であるという問題がある。
また、比較例の数値制御装置が、X軸が反転する左手系の工作機械200に、座標系の移動および回転のない傾斜面を設定する場合であっても、X座標を指令したときに位置決めされる座標値が傾斜面加工指令を指令する前後で異なる結果となる。すなわち、傾斜面加工指令前のX10.指令で機械値がX10.となる移動指令であっても、傾斜面加工指令後のX10.指令を行うと、X-10.の位置に位置決めされることとなり、傾斜面加工指令後に機械値であるX10.に移動させようとすると、X-10.のように指令する必要がある。そして、比較例の数値制御装置が、座標系の移動または回転のある傾斜面を設定する場合、さらに工作機械200の挙動を理解することが難しくなる。このように、左手系の工作機械200に右手系を想定して加工プログラムを作成することは、加工プログラムの可読性が悪く、加工プログラムと工作機械200の移動方向との対応関係を理解することが困難になるという問題があった。
また、2つの回転軸を有する5軸の工作機械200の構成には、工具チルト型、テーブルチルト型および混合型がある。このような5軸の工作機械200に対して、ロール角、ピッチ角、およびヨー角と、座標系回転順序とが指定されることで、左手系の工作機械200に対しても任意の傾斜面座標系を設定することはできる。ところが、このような傾斜面座標系の設定方法では、工作機械200の機械構成毎に座標の回転順序が異なるので、機械構成を考慮して座標系を設定する必要がある。このため、座標系の設定作業が複雑になるという問題があった。
一方、実施の形態1の数値制御装置101は、座標変換行列34を用いて傾斜面座標系といった座標系を設定するので、工作機械200の機械構成に対応する座標系を容易に設定することが可能となる。すなわち、工作機械200の軸極性を意識することなく、座標回転角度31および原点位置32を指定することによって、工作機械200に合わせた座標系を設定することができる。これにより、加工プログラム150の作成が容易になり、加工プログラム150の可読性が向上し、加工プログラム150のメンテナンス性が向上する。
また、数値制御装置101が座標系を容易に設定できるので、機械座標値35を用いた基礎プログラムを容易に作成することができる。この機械座標値35を用いた基礎プログラムは、加工プログラム150が作成される前に作成されるものである。加工プログラム150は、傾斜面座標系で定義中の移動指令を、基礎プログラムでの移動指令とすることで作成されるものである。機械座標値35を用いた基礎プログラムは、傾斜面座標系に対応する座標変換が行われることによって、加工プログラム150となる。
このように、実施の形態1によれば、数値制御装置101が、座標回転角度31および極性情報180を用いて座標変換行列34を計算し、座標変換行列34を用いて座標値変換用の座標系を設定するので、工作機械200の直線軸の移動方向、および、回転軸71〜76の回転方向の少なくとも何れか1つに応じた座標系を容易に設定することが可能となる。したがって、左手系の工作機械200に対しても、機械構成に対応する座標系を容易に設定することが可能となる。また、傾斜面座標系の指令座標を、左手系の工作機械200の機械構成に対応する座標値に容易に変換できる。
また、数値制御装置101が、座標変換行列34を用いて座標系を設定するので、ユーザは、右手系と左手系とを区別することなく機械座標値35を用いた加工プログラム150を作成することができる。
また、機械座標値35を用いた基礎プログラムを容易に作成することができるので、機械座標値35を用いた基礎プログラムが工作機械200の座標値との関係を比較することによって、加工プログラム150と工作機械200との座標値の対応関係を容易に判別することが可能となる。したがって、加工プログラム150が工作機械200に所望の動作を実行させることができるか否かの確認を容易に行うことが可能となる。
実施の形態2.
つぎに、図7から図10を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、複数の極性情報が切替えられて用いられる。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、工作機械200が5軸のマシニングセンタである場合の座標変換について説明した。実施の形態2では、工作機械200が自動盤または旋盤である場合の座標変換について説明する。工作機械200が自動盤または旋盤の場合、工作機械200には、混合型の5軸加工機構成が採用されることが多い。また、工作機械200が複合旋盤の場合、対向主軸を用いた正面および背面で加工が行われることが多い。
図7は、実施の形態2にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。図7の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の数値制御装置101と同一機能を達成する構成要素については同一符号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態2の数値制御装置102は、実施の形態1の数値制御装置101に切替部17が追加された構成となっている。また、数値制御装置102は、極性情報記憶部21の代わりに極性情報記憶部22を備えている。
具体的には、数値制御装置102は、加工プログラム記憶部11と、解析部12、極性情報記憶部22と、行列計算部13、座標変換部15と、指令計算部16と、制御対象とする軸の組み合わせに基づいて、読み出す極性情報181,182を切替える切替部17とを備えている。
そして、数値制御装置102では、加工プログラム記憶部11と、解析部12と、行列計算部13と、座標変換部15と、指令計算部16とが、数値制御装置101と同様の接続構成で接続されている。また、数値制御装置102では、切替部17が、解析部12、極性情報記憶部22、座標変換部15および行列計算部13に接続されている。なお、図7では、座標回転角度31および原点位置32の図示を省略している。
極性情報記憶部22は、第1の極性情報である極性情報181と、第2の極性情報である極性情報182とを記憶するメモリといった記憶装置である。選択部である切替部17は、極性情報181または極性情報182を選択して読み出し、行列計算部13に出力する。
実施の形態2における解析部12は、実施の形態1で説明した機能に加えて、加工プログラム150に記載された軸組み合わせ情報37を切替部17に出力する機能を備えている。すなわち、解析部12は、加工プログラム150に基づいて、軸組み合わせ情報37を抽出し、抽出した軸組み合わせ情報37を切替部17に出力する。
軸組み合わせ情報37は、工作機械200で用いる軸の組み合わせを示す情報である。工作機械200は、加工プログラム150内で規定された種々の軸の組み合わせで後述する被加工物67,68を加工する。例えば、加工プログラム150内の第1のブロック範囲では、第1の軸の組み合わせが用いられ、加工プログラム150内の第2のブロック範囲では、第2の軸の組み合わせが用いられる。
切替部17は、工作機械200が備える制御対象の5軸の組み合わせに応じて、複数組の極性情報181,182の中から1つの極性情報を選択し出力することで、極性情報181,182を切り替えることが可能な構成となっている。換言すると、切替部17は、複数の極性情報181,182の中から工作機械200の動作に対応する特定の極性情報を選択する。なお、具体的には、切替部17は、解析部12の出力結果である、軸組み合わせ情報37に基づいて、使用する軸の構成に応じた極性情報を選択する。切替部17は、極性情報記憶部22から極性情報181または極性情報182を選択して、座標変換部15および行列計算部13へ出力する。実施の形態2では、極性情報が極性情報181,182の2つである場合について説明するが、極性情報は、3つ以上であってもよい。
切替部17は、工作機械200が用いる軸の組み合わせが第1の軸の組み合わせである場合に、極性情報181を選択して読み出す。また、切替部17は、工作機械200が用いる軸の組み合わせが第2の軸の組み合わせである場合に、極性情報182を選択して読み出す。そして、切替部17は、読み出した極性情報181または極性情報182を行列計算部13に出力する。これにより、切替部17は、座標系の計算に用いる極性情報を、極性情報181または極性情報182に切り替える。
行列計算部13、座標変換部15、および指令計算部16は、実施の形態1と同様の処理を行う。これにより、数値制御装置102は、加減速後の機械座標値35を計算し、機械座標値35に対応する移動指令36を機械駆動部である工作機械200へ出力する。
また、実施の形態2では、数値制御装置102が、加工プログラム150の第2例である第2の加工プログラムを用いて工作機械200を制御する。第2の加工プログラムは、以下のように記載される。
<第2の加工プログラム>
N10 G54 G0X10.Y10.Z0.
N11 G68.2P5X0.Y0.Z0.I0.J45.K0. D2
N12 G53.1
N13 G1 X10. F1000.
N14 G1 Y10.Z0.
N15 G1 Z5.


N20 G69
第2の加工プログラムにおいて、N10ブロックでは、G54指令が、使用する座標系を指定し、早送り移動指令のG0が、G54座標系における(X,Y,Z)=(10,10,0)の位置に後述する工具91を移動させる指令を行っている。
N11ブロックでは、5軸を構成する軸の組み合わせを指定可能とする指令が追加されている。具体的には、第2の加工プログラムでは、N11ブロックにおけるG68.2指令にDアドレスを追加し、Dアドレスで極性情報181,182のグループ番号を選択することを可能としている。これにより、第2の加工プログラムは、予め記憶されている複数の極性情報181,182のうちの1つを選択することができる。第2の加工プログラムにおけるN12ブロック以降の構成は、第1の加工プログラムにおけるN12ブロック以降の構成と同様である。なお、説明の都合上、N13ブロック以降の座標値を、第1の加工プログラムとは異なる値としている。
複数の極性情報181,182が適用される工作機械200の例は、主軸固定型の工作機械および主軸移動型の工作機械である。図8は、実施の形態2にかかる主軸固定型の工作機械の機械構成を説明するための図である。混合型機械である主軸固定型の工作機械は、工作機械200の一例であり、回転可能な工具台92Pと、回転テーブル85P,86Pとを備えている。
刃物台である工具台92Pの例は、タレットである。工具台92Pは、タレット工具といった工具91を保持する台である。工具台92Pは、複数の工具91を保持することができるよう構成されている。図8では、工具台92Pが3つの工具91を保持している場合を示している。工具91は、工具軸を軸中心として回転することで被加工物67,68を切削する切削工具である。
工具台92Pは、Y1軸周りに回転可能であり、X1軸、Y1軸およびZ1軸の軸方向に並進移動が可能である。このように、工具台92Pは、B1軸の工具回転軸と、X1軸、Y1軸およびZ1軸の並進軸とを有している。このような構成により、工具91は、X1軸方向の移動と、Y1軸方向の移動と、Z1軸方向の移動と、XZ平面内でのY1軸周りの回転とが可能となっている。なお、図8ではX1軸およびZ1軸の軸方向の並進移動を示す矢印を図示しているが、Y1軸の軸方向の並進移動を示す矢印は図示していない。
回転テーブル85Pは、被加工物67を保持し、回転テーブル86Pは、被加工物68を保持する。回転テーブル85P,86Pは、Z軸周りに回転可能である。回転テーブル85Pは、C1軸を回転中心軸として回転し、回転テーブル86Pは、C2軸を回転中心軸として回転する。
これにより、工具台92Pは、回転テーブル85Pに設置された被加工物67、または、回転テーブル86Pに設置された被加工物68の加工が可能な構成となっている。図8では、工具91による被加工物67の加工が正面加工であり、工具91による被加工物68の加工が背面加工である。図8に示すように主軸固定型の工作機械は、工具台92Pの回転方向がY1軸に対して逆極性である。
被加工物67が加工される際には、工具台92PがX1軸、Y1軸およびZ1軸の軸方向に並進移動し、工具台92PがB1軸方向に回転することによって、工具91が被加工物67の正面に移動する。図8では、B1軸方向にB+45degだけ工具台92Pが回転することによって、工具91が被加工物67に接触した状態を示している。このような工具91および被加工物67の接触状態で、回転テーブル85PがC1軸を回転中心軸として回転し、工具91が工具軸を回転中心軸として回転することによって、工具91が被加工物67を加工する。
同様に、被加工物68が加工される際には、工具台92PがX1軸、Y1軸およびZ1軸の軸方向に並進移動し、工具台92PがB1軸方向に回転して、工具91が被加工物68の背面に移動する。図8では、B1軸方向にB−45degだけ工具台92Pが回転することによって、工具91が被加工物68に接触した状態を示している。このような工具91および被加工物68の接触状態で、回転テーブル86PがC2軸を回転中心軸として回転し、工具91が工具軸を回転中心軸として回転することによって、工具91が被加工物68を加工する。
図9は、実施の形態2にかかる主軸移動型の工作機械の機械構成を説明するための図である。混合型機械である主軸移動型の工作機械は、工作機械200の一例であり、回転可能な工具台92Qと、回転テーブル85Q,86Qとを備えている。
刃物台である工具台92Qの例は、タレットである。工具台92Qは、工具91を保持する台である。工具台92Qは、複数の工具91を保持することができるよう構成されている。図9では、工具台92Qが3つの工具91を保持している場合を示している。工具91は、工具軸を軸中心として回転することで被加工物67,68を切削する切削工具である。
工具台92Qは、Y1軸周りに回転可能であり、X1軸およびY1軸の軸方向に並進移動が可能である。このように、工具台92Qは、B1軸の工具回転軸と、X1軸およびY1軸の並進軸とを有している。このような構成により、工具91は、X1軸方向の移動と、Y1軸方向の移動と、XZ平面内でのY1軸周りの回転とが可能となっている。なお、図9ではX1軸、Z1軸およびZ2軸の軸方向の並進移動を示す矢印を図示しているが、Y1軸の軸方向の並進移動を示す矢印は図示していない。
回転テーブル85Qは、被加工物67を保持し、回転テーブル86Qは、被加工物68を保持する。回転テーブル85Q,86Qは、Z軸周りに回転可能である。回転テーブル85Qは、C1軸を回転中心軸として回転可能であり、回転テーブル86Qは、C2軸を回転中心軸として回転可能である。さらに、回転テーブル85Qは、Z1軸方向に並進移動が可能であり、回転テーブル86Qは、Z2軸方向に並進移動が可能である。
これにより、工具台92Qは、回転テーブル85Qに設置された被加工物67、または、回転テーブル86Qに設置された被加工物68の加工が可能な構成となっている。図9では、工具91による被加工物67の加工が正面加工であり、工具91による被加工物68の加工が背面加工である。このように、図9に示す主軸移動型の工作機械は、回転テーブル85Q,86Qの何れで加工を行うかによって、直線軸であるZ軸の極性が反転する機械構成となっている。
図9に示す主軸移動型の工作機械は、工具91側がZ軸方向に移動するのではなく、被加工物67,68側がZ1,Z2軸方向に移動している。すなわち、図9に示す主軸移動型の工作機械は、被加工物67,68と工具91とが接近する方向をZ軸正方向とする機械構成となっている。
このような工具91と被加工物67,68との相対関係により、図9に示す主軸移動型の工作機械は、被加工物67,68が固定されると、工具91が被加工物67,68に接近する方向が正方向である工作機械200とみなすことができる。なお、図9に示す主軸移動型の工作機械は、正面加工を行う場合の直線軸は、右手系の構成となっている。
被加工物67が加工される際には、工具台92QがX1軸およびY1軸の軸方向に並進移動し、工具台92QがB1軸方向に回転し、回転テーブル85QがZ1軸方向に並進移動することによって、工具91が被加工物67の正面に移動する。図9では、B1軸方向にB−45degだけ工具台92Qが回転することによって、工具91が被加工物67に接触した状態を示している。このような工具91および被加工物67の接触状態で、回転テーブル85QがC1軸を回転中心軸として回転し、工具91が工具軸を回転中心軸として回転することによって、工具91が被加工物67を加工する。
同様に、被加工物68が加工される際には、工具台92QがX1軸およびY1軸の軸方向に並進移動し、工具台92QがB1軸方向に回転し、回転テーブル86QがZ2軸方向に並進移動することによって、工具91が被加工物68の背面に移動する。図9では、B1軸方向にB+45degだけ工具台92Qが回転することによって、工具91が被加工物68に接触した状態を示している。このような工具91および被加工物68の接触状態で、回転テーブル86QがC2軸を回転中心軸として回転し、工具91が工具軸を回転中心軸として回転することによって、工具91が被加工物68を加工する。
図9に示したように、被加工物67,68がZ軸方向に移動する機械構成では、正面加工および背面加工の際に、タレット工具といった工具91に対するZ軸方向が逆転することになるので、正面加工と背面加工とで異なる座標軸方向となる。このため、図9に示した主軸移動型の工作機械では、正面の場合での加工と、背面の場合での加工とで極性情報181,182を切り替えることが必要となる。
図8および図9に示した機械構成の工作機械200は、1台の工作機械であっても組み合わせる軸の構成次第で極性の設定を変更する必要のある工作機械である。したがって、数値制御装置102は、回転テーブル85P,85Qを用いる加工の場合と、回転テーブル86P,86Qを用いる加工の場合とで、極性情報181,182を切替える。
ここで、極性情報181,182の構成について説明する。図10は、実施の形態2にかかる極性情報テーブルの構成を示す図である。極性情報テーブル185は、極性情報181,182を含んで構成されている。図10では、グループ1の極性情報が、極性情報181に対応し、グループ2の極性情報が、極性情報182に対応している。
グループ1の極性情報181では、縦方向の直線軸であるX1軸、横方向の直線軸であるY1軸、高さ方向の直線軸であるZ1軸、第1の回転軸であるB1軸および第2の回転軸であるC1軸に、極性情報の「0」、「0」、「0」、「1」、「0」が対応付けされている。また、グループ2の極性情報182では、X1軸、Y1軸、Z2軸、B1軸およびC2軸に、極性情報の「0」、「0」、「1」、「1」、「0」が対応付けされている。ここでの極性情報の「0」は、右手系に従う軸を示し、極性情報の「1」は、左手系に従う軸を示している。
数値制御装置102は、回転テーブル85Qを用いた加工を実行する場合には、図10に示すグループ1の極性情報181を用いる。数値制御装置102は、回転テーブル86Qを用いた加工を実行する場合には、図10に示すグループ2の極性情報182を用いる。このように、数値制御装置102は、1台の工作機械に対して、極性情報181,182を切替えながら加工を制御する。
図9の主軸移動型の工作機械の場合、Z2軸を用いる背面加工では、直線軸の組み合わせが右手系とならない機械構成となっている。この場合、直線軸を左手系の機械構成として扱う必要がある。以下では、機械構成が、Z軸反転型の左手系である場合を例として、行列計算部13および座標変換部15の処理を説明する。実施の形態2における傾斜面座標系の原点位置32は、G54座標系で設定可能であるので、右手系の構成と、左手系の構成と、の何れの構成であっても、座標軸の値を入れれば傾斜面座標系を容易に設定することができる。また、傾斜面加工中の第2の加工プログラムによる指令値も、工作機械200の機械座標値35に基づく指令であるので、工作機械200の動きまたは座標値と、第2の加工プログラムの座標値との関係が明確となる。これにより、ユーザは、第2の加工プログラムの作成を容易に行うことが可能となる。
実施の形態2における座標変換部15は、第2の加工プログラムに記載されたX軸、Y軸およびZ軸の座標値(X,Y,Z)=(10,0,0)が指令位置として入力された場合、以下の式(11)を用いて工作機械200の座標値を計算する。
Figure 0006320668
B軸が逆極性の場合、行列計算部13は、座標変換行列34を、前述の式(8)を用いて計算する。図10に示した極性情報182では、グループ2のZ2軸の極性情報が「1」であるので、工作機械200は、Z軸反転型の左手系である。なお、傾斜面座標系の原点位置32を(X,Y,Z)=(0,0,0)とすると、式(11)から以下の式(12)が得られる。
Figure 0006320668
ここで、加工プログラム150の第3例である第3の加工プログラムについて説明する。第3の加工プログラムは、以下のように記載される。
<第3の加工プログラム>
N10 G54 G0X10.Y10.Z0.
N11 G68.2P5X0.Y0.Z0.I0.J0.K0. D2
N12 G53.1
N13 G1 X10. F1000.
N14 G1 Z0.


N20 G69
第3の加工プログラムでは、N10ブロックのG54指令でG54座標系の(X1,Y1,Z2)=(10,10,0)の位置に工具91が位置決めされ、N13ブロックで再度X10.の指令が行われている。第3の加工プログラムに記載される座標値は、傾斜面座標系を定義する前の座標系に従うように設定されているので、傾斜面加工を定義する前の座標系であるG54座標系が左手系の機械構成であれば、第3の加工プログラムの座標値には、左手系での軸移動が記載される。
第3の加工プログラムにおけるN11ブロックのG68.2指令では、座標系がG54座標系に一致するように指令されており、N13ブロックの指令においてN10ブロックと同一の座標値になるよう位置決めされる。このため、傾斜面座標系が定義される前後の座標値を全て工作機械200の座標系に統一することができる。したがって、ユーザは、第3の加工プログラムの全体で一貫した座標系を使用することができる。
これにより、左手系の工作機械200に対して、傾斜面加工中のみ右手系の第3の加工プログラムを使う場合に発生する座標値の不連続性を解消することができる。したがって、第3の加工プログラムの可読性を低下させることなく、数値制御装置102は、工作機械200を駆動することが可能になる。また、第3の加工プログラムのメンテナンス性が向上する。
このように、実施の形態2によれば、数値制御装置102が切替部17を備えているので、数値制御装置102は、1台の工作機械200が5軸の組み合わせを複数有する場合であっても、必要とされるタイミングで極性情報181,182を切り替えることができる。これにより、数値制御装置102は、適切な極性情報を使用した座標系を指定することができるので、正面加工の後に背面加工を行うタイミングで関連軸の構成が変化する場合であっても、容易に工作機械200を制御することが可能となる。
実施の形態3.
つぎに、図11から図14を用いてこの発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、工作機械200の機械構成に基づいて、後述の数値制御装置103が、実施の形態1で用いた極性情報180を作成する。なお、数値制御装置103は、実施の形態2で用いた極性情報181,182を作成してもよい。以下では、実施の形態1,2と異なる部分を中心に説明する。
図11は、実施の形態3にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図である。図11の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の数値制御装置101と同一機能を達成する構成要素については同一符号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態3の数値制御装置103は、実施の形態1の数値制御装置101に機械構成記憶部23および極性情報設定部18が追加された構成となっている。具体的には、数値制御装置103は、加工プログラム記憶部11と、解析部12と、行列計算部13と、座標変換部15と、指令計算部16と、機械構成情報38を記憶する機械構成記憶部23と、機械構成情報38に基づいて極性情報180を設定する極性情報設定部18とを備えている。機械構成情報38は、工作機械200の機械構成の情報である。機械構成情報38には、工作機械200が備えている軸の種類の情報が含まれている。具体的には、機械構成情報38は、工作機械200の直線軸の軸方向および回転軸の回転方向の少なくとも何れか1つを有している。
数値制御装置103では、加工プログラム記憶部11と、解析部12と、行列計算部13と、座標変換部15と、指令計算部16とが、数値制御装置101と同様の接続構成で接続されている。また、数値制御装置103では、極性情報設定部18が、機械構成記憶部23、座標変換部15および行列計算部13に接続されている。
機械構成記憶部23は、機械構成情報38を記憶するメモリといった記憶装置である。設定部である極性情報設定部18は、機械構成情報38に基づいて、極性情報180を設定し、設定した極性情報180を行列計算部13および座標変換部15に出力する。極性情報設定部18は、後述する直線軸の極性情報を設定した後に、後述する回転軸の極性情報を設定する。
工作機械200の座標軸が左手系である場合、左手系に対して想定される右手系は、複数存在する。ここで、左手系に対する基準右手系の候補について説明する。なお、基準右手系は、左手系の前提となる右手系である。換言すると、左手系が算出される際の元となる右手系が基準右手系である。
図12は、実施の形態3にかかる、左手系と基準右手系との関係を説明するための図である。図12では、左手系の例と、この左手系に対して想定される基準右手系とを示している。
左手系に対しては、軸反転タイプとして、X軸反転型、Y軸反転型およびZ軸反転型の合計3つの基準右手系が考えられる。図12では、指令がX10.Z5.B45.の場合の左手系を図示している。この左手系に対応するX軸反転型の基準右手系では、指令がX-10.Z5.B45.となり、Y軸反転型の基準右手系では、指令がX10.Z5.B-45.となり、Z軸反転型の基準右手系では、指令がX10.Z-5.B45.となる。
加工プログラム150を使用する側である数値制御装置103は、工作機械200が備える軸の組み合わせ毎に、何れのタイプの基準右手系に対応する極性情報180を設定するかを選択する。
ここで、数値制御装置103による極性情報180の設定処理について説明する。図13は、実施の形態3にかかる、極性情報の設定処理手順を示すフローチャートである。数値制御装置103は、大きく分けて2つのステップの処理を実行する。数値制御装置103は、ステップst1において、極性情報180のうちの直線軸の極性情報を設定し、その後、ステップst2において、極性情報180のうちの回転軸の極性情報を設定する。ステップst1の処理は、ステップS10からS12の処理を含んでおり、ステップst2の処理は、ステップS20からS22の処理を含んでいる。
以下、ステップst1の処理およびステップst2の処理の詳細について説明する。数値制御装置103では、予め機械構成記憶部23が機械構成情報38を記憶しておく。そして、極性情報設定部18が、機械構成記憶部23から機械構成情報38を読み出す。この後、極性情報設定部18は、機械構成情報38に基づいて、ステップst1の処理であるステップS10からS12の処理と、ステップst2の処理であるステップS20からS22の処理とを実行する。
具体的には、ステップst1のステップS10において、極性情報設定部18は、直線軸に右手系の設定が可能か否かを判定する。すなわち、極性情報設定部18は、直線軸の3軸を対象に、この3軸に右手系の座標系を設定できるか否かを判定する。
極性情報設定部18が右手系を設定できると判定した場合、すなわちステップS10において、Yesの場合、極性情報設定部18は、ステップS11の処理を実行する。ステップS11において、極性情報設定部18は、直線軸の極性情報をX軸、Y軸およびZ軸とも右手系に設定する。
一方、極性情報設定部18が右手系を設定できないと判定した場合、すなわちステップS10において、Noの場合、極性情報設定部18は、ステップS12の処理を実行する。ステップS12において、極性情報設定部18は、軸反転タイプを選択し、直線軸の極性情報を設定する。軸反転タイプは、X軸反転型の基準右手系、Y軸反転型の基準右手系およびZ軸反転型の基準右手系の何れかである。極性情報設定部18は、これらの軸反転タイプから、1つの軸反転タイプを選択したうえで、直線軸の極性情報を設定する。極性情報設定部18は、以下のルールに従って、軸反転タイプを選択する。
<ルール1>
X軸、Y軸およびZ軸のうち、回転中心軸ではない軸を選択。
この場合、極性情報設定部18は、B軸およびC軸を有する機械構成の場合にはX軸を選択し、A軸およびC軸を有する機械構成の場合にはY軸を選択することによって、回転中心軸でない軸を選択する。
<ルール2>
ルール1で選択した軸の極性情報を左手系の座標軸に設定。
<ルール3>
残りの直線2軸の極性情報を右手系の座標軸に設定。
なお、極性情報設定部18は、上記のルールを採用せずに、ユーザからの指示にしたがって自由に軸反転タイプを選択してもよい。極性情報設定部18は、ステップS11またはステップS12の処理を実行した後、ステップst2の処理を実行する。
具体的には、ステップst2のステップS20において、極性情報設定部18は、回転中心軸が右手系であるか否かを判定する。すなわち、極性情報設定部18は、回転軸の2軸を対象に、回転軸の回転中心である回転中心軸が、ステップst1の処理で右手系に設定されているか否かを判断する。
極性情報設定部18が右手系であると判定した場合、すなわちステップS20において、Yesの場合、極性情報設定部18は、ステップS21の処理を実行する。すなわち、極性情報設定部18は、回転軸の回転中心軸が右手系である軸に対して極性情報180を設定する処理であるステップS21の処理を実行する。
ステップS21において、極性情報設定部18は、実際の軸である実軸と回転軸との関係から極性情報180を設定する。極性情報設定部18が、ステップS12で用いたルールに従って直線軸の極性情報を設定した場合、回転中心軸は必ず右手系の直線軸に設定されるので、ステップS22に移行することはない。ステップS21では、極性情報設定部18は、右手系の直線軸に対する右ねじ方向と、回転軸の回転方向とが同一であれば、右手系と判断して、回転軸の極性情報に右手系を設定する。また、極性情報設定部18は、右手系の直線軸に対する右ねじ方向と、回転軸の回転方向とが一致しない場合には、回転軸の極性情報に左手系を設定する。
一方、極性情報設定部18が右手系でないと判定した場合、すなわちステップS20において、Noの場合、極性情報設定部18は、ステップS22の処理を実行する。ステップS22の処理は、回転軸の回転中心軸が右手系でない場合の処理である。
極性情報設定部18が、前述のステップS12の処理において、ルール1から3とは異なる方法で直線軸の極性情報を設定した場合、回転軸の極性情報に左手系を設定された軸が回転中心軸となる場合がある。このような場合に、ステップS22の処理が行われることになる。ステップS22では、極性情報設定部18は、基準右手系の座標軸と回転軸との関係から回転軸の極性情報を設定する。したがって、極性情報設定部18は、基準右手系の座標軸と回転軸との関係が右手系になっているか否かを判定したうえで回転軸の極性情報を設定する。極性情報設定部18は、基準右手系の座標軸と回転軸との関係が右手系である場合、回転軸の極性情報に右手系を設定する。また、極性情報設定部18は、基準右手系の座標軸と回転軸との関係が左手系である場合、回転軸の極性情報に右手系を設定する。
なお、工具25側の回転軸に対しては、直線軸に対する右ねじ方向と回転方向とを比較して右手系か否かが判断されればよいが、テーブル81〜83側の回転軸に対しては、回転方向が逆である左ねじ方向となることに注意が必要である。
ここで、基準右手系の型の種類に対する極性情報180の設定例について説明する。図14は、実施の形態3にかかる極性情報の設定例を示す図である。図14に示す左手系の例と、この左手系に対して想定される基準右手系の例とは、図12に示したものと同様である。したがって、極性情報設定部18は、基準右手系ごとに、異なる極性情報180を設定する。このように、1つの左手系に対して、極性情報180の設定パターンが複数ある。また、極性情報180は、X軸の極性情報と、Y軸の極性情報と、Z軸の極性情報と、B軸の極性情報と、C軸の極性情報と、を含んでいる。ここで、各軸の極性情報の「0」は、右手系に従う軸を示し、各軸の極性情報の「1」は、左手系に従う軸を示している。
極性情報設定部18は、X軸反転型の基準右手系に対しては、X軸の極性情報に「1」を設定し、Y軸の極性情報に「0」を設定し、Z軸の極性情報に「0」を設定し、B軸の極性情報に「0」を設定し、C軸の極性情報に「0」を設定する。
また、極性情報設定部18は、Y軸反転型の基準右手系に対しては、X軸の極性情報に「0」を設定し、Y軸の極性情報に「1」を設定し、Z軸の極性情報に「0」を設定し、B軸の極性情報に「1」を設定し、C軸の極性情報に「0」を設定する。
また、極性情報設定部18は、Z軸反転型の基準右手系に対しては、X軸の極性情報に「0」を設定し、Y軸の極性情報に「0」を設定し、Z軸の極性情報に「1」を設定し、B軸の極性情報に「0」を設定し、C軸の極性情報に「1」を設定する。
図14に示す左手系の場合、極性情報設定部18は、X軸反転型の基準右手系を選択することで逆極性である左手系の軸の数を少なくできる。なお、極性情報設定部18は、直線軸の極性情報を設定する際に、特定のルールに従わなくてもよい。極性情報設定部18は、例えば、上述したステップS12の方法を用いることによって、容易に極性情報180を設定することができる。
極性情報設定部18は、図14に示した、X軸反転型、Y軸反転型およびZ軸反転型の各極性情報180の何れを用いても、同じ加工結果を得ることができる。このことは、前述の式(11)を用いることで、各加工結果が一致することから確認できる。
このように、実施の形態3によれば、極性情報設定部18は、直線軸の極性情報を設定した後に、回転軸の極性情報を設定するので、極性情報180の設定を容易に実行することが可能となる。
ここで、数値制御装置101〜103のハードウェア構成について説明する。図15は、実施の形態1から3にかかる数値制御装置のハードウェア構成例を示す図である。なお、数値制御装置101〜103は、同様のハードウェア構成を有しているので、ここでは、数値制御装置101のハードウェア構成について説明する。
数値制御装置101は、プロセッサ301、メモリ302、および入出力部であるIO(Input Output)部303により実現することができる。加工プログラム記憶部11および極性情報記憶部21は、メモリ302に対応しており、解析部12、行列計算部13、座標変換部15および指令計算部16は、プロセッサ301がメモリ302内に格納されているプログラムを実行することによって実現される。
プロセッサ301の例は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう)またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。メモリ302の例は、RAM(Random Access Memory)、またはROM(Read Only Memory)である。
数値制御装置101は、プロセッサ301が、数値制御装置101の動作を実行するためのプログラムをメモリ302から読み出して実行することにより実現される。メモリ302は、プロセッサ301が各種処理を実行する際の一時メモリにも使用される。
プロセッサ301が実行するプログラムは、プログラムが格納された記録媒体であるコンピュータプログラムプロダクトで実現されてもよい。この場合の記録媒体の例は、プログラムが格納された非一時的な(non-transitory)コンピュータ可読媒体である。
なお、数値制御装置101を専用のハードウェアで実現してもよい。また、数値制御装置101の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
11 加工プログラム記憶部、12 解析部、13 行列計算部、15 座標変換部、16 指令計算部、17 切替部、18 極性情報設定部、21,22 極性情報記憶部、23 機械構成記憶部、25,91 工具、31 座標回転角度、32 原点位置、33 指令座標値、34 座標変換行列、35 機械座標値、36 移動指令、37 軸組み合わせ情報、38 機械構成情報、51 機械座標系、52 工具座標系、53 テーブル座標系、66〜68 被加工物、71〜76 回転軸、81〜83 テーブル、84 チルト台、85P,85Q,86P,86Q 回転テーブル、92P,92Q 工具台、101〜103 数値制御装置、150 加工プログラム、180〜182 極性情報、185 極性情報テーブル、200〜203 工作機械。

Claims (8)

  1. 加工プログラムを解析して前記加工プログラム内で指定される座標系の回転角度を抽出する解析部と、
    制御対象である工作機械の有する軸の移動方向および回転方向の少なくとも何れか1つに基づいて作成される極性情報と、前記回転角度と、に基づいて、前記加工プログラム内の座標値を前記工作機械の座標系における座標値に変換する座標変換部と、
    を備えることを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記回転角度は、前記工作機械が有する回転軸の回転角度である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記極性情報と、前記回転角度と、に基づいて、前記加工プログラム内の座標値を前記工作機械の座標系における座標値に変換するための座標変換情報を計算する変換情報計算部をさらに備え、
    前記座標変換部は、前記座標変換情報および前記極性情報を用いて前記加工プログラム内の座標値を前記工作機械の座標系における座標値に変換する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の数値制御装置。
  4. 前記移動方向および前記回転方向の少なくとも何れか1つに基づいて、前記極性情報を設定する設定部をさらに備え、
    前記変換情報計算部は、前記設定部が設定した前記極性情報に基づいて、前記座標変換情報を計算する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置。
  5. 前記設定部は、前記工作機械が有する直線軸の極性情報を設定した後に、前記回転軸の極性情報を設定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の数値制御装置。
  6. 複数の前記極性情報の中から前記工作機械の動作に対応する特定の極性情報を選択する選択部をさらに備え、
    前記解析部は、前記加工プログラム内から前記動作に対応する軸の組み合わせを抽出し、
    前記選択部は、前記軸の組み合わせに基づいて、前記特定の極性情報を選択する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の数値制御装置。
  7. 前記加工プログラム内の座標値は、傾斜面を基準とした座標系である傾斜面座標系の座標値である、
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか1つに記載の数値制御装置。
  8. 加工プログラムを解析して前記加工プログラム内で指定される座標系の回転角度を抽出する解析ステップと、
    制御対象である工作機械の有する軸の移動方向および回転方向の少なくとも何れか1つに基づいて作成される極性情報と、前記回転角度と、に基づいて、前記加工プログラム内の座標値を前記工作機械に対応する座標値に変換する座標変換ステップと、
    を含むことを特徴とする数値制御方法。
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