JP4734440B2 - 4軸加工機用数値制御装置 - Google Patents
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Description
図1は、テーブルに取付けられたワーク(加工物)を3軸の直線軸と2軸の回転軸によって加工するテーブル回転型の5軸加工機の概略構成図である。ヘッドおよび工具はX,Y,Z軸で動作する。B軸はY軸周りに回転テーブルを傾斜し、C軸はZ軸周りに回転テーブルを回転する。このように回転テーブルはB,C軸によって傾斜/回転する。
図3は、混合型の5軸加工機の概略構成図である。図3の混合型の5軸加工機では、A軸はX軸周りに工具を傾斜し、C軸はZ軸周りに回転テーブルを回転する。ヘッドおよび工具はX,Y,Z軸で動作する。
工具先端点制御を使用した加工において、工具はボールエンドミルを使用することが多く、その場合、工具先端点位置(プログラム指令におけるX,Y,Z指令位置)はボールエンドミル工具の先端半球の中心または先端半球上の切削点で指令する。
(1)加工機の軸数が多いためコストアップとなる。
(2)加工機の軸数が多くなると軸間の機械組立誤差が累積する。
(3)加工機の軸数が多くなると機械剛性を高くすることが難しい。
(4)特に回転軸は直線軸に比べて回転モーメントに弱く大きな誤差を発生する要因である。
この(2)〜(4)の要因によって、5軸加工機を用いて高精度な加工を行うことは困難が伴う。
(5)加工機として5軸加工機に比べて低価格で加工が実現できる。5軸加工機に比べて1軸分軸数が少ないので4軸加工機の方が低価格であるためである。
(6)5軸加工機に比べて1軸分軸数が少ないので機械組み立て誤差が少なくなり、5軸加工機に比べて1軸分軸数が少ないので機械剛性が高く、5軸加工機に比べて高精度に加工できる。
4軸加工機には仮想軸は存在しないのだから、4軸加工機用のプログラムにおいては仮想軸の指令はない。したがって、図4のプログラム例に対する4軸加工機用のプログラムは、図11に示されるようにB軸指令のないプログラムとなる。
ここで、仮想軸の仮想角度が−80.0度であれば仮想角度としてパラメータに−80.0度を設定しておき、数値制御装置は仮想軸(B軸)に対してB−80.0が指令されているとみなす。このような技術は従来技術としてすでに知られている。
ここで、例えば図4のプログラム指令で図5のような加工を行う例でいえば、プログラム指令におけるB指令をB−80.0とみなせば、図7のような仮想軸の仮想角度を−80.0度とする治具でC軸回転中心を傾斜させた4軸加工機によって5軸加工機用の工具先端点制御プログラムを使用して加工を行うことが可能となる。もちろん、プログラム指令におけるB指令をB−80.0とみなすのは、プログラム指令におけるB指令が−80.0度に対して設定された許容値の範囲内(工具がワークや機械部品と干渉しない範囲内)である必要がある。
前記仮想角度判断手段で前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想角度の符号を反転した角度と一致すると判断した場合に、前記一方の1軸の回転軸のプログラム指令は前記一方の1軸の回転軸の回転軸みなし角度であるとみなしかつ前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令は前記仮想軸の仮想角度であるとみなす回転軸指令みなし手段と、
を有し、前記回転軸指令みなし手段によって前記一方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記回転軸みなし角度であるとみなされかつ前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想軸の仮想角度であるとみなされた前記5軸加工機用の加工プログラムに基づいて前記4軸加工機を制御することを特徴とする4軸加工機用数値制御装置である。
請求項4に係る発明は、前記仮想角度判断手段において前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想軸の仮想角度の符号を反転した角度と一致するかどうか判断するとき前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想角度の符号を反転した角度に対して設定された許容値の範囲内であれば一致すると判断することを特徴とする請求項2に記載の4軸加工機用数値制御装置である。
請求項6に係る発明は、前記一方の1軸の回転軸の回転軸みなし角度は前記一方の1軸の回転軸のプログラム指令+設定変更値であることを特徴とする請求項2または4のいずれか1つに記載の4軸加工機用数値制御装置である。
請求項7に係る発明は、前記4軸加工機の前記一方の1軸の回転軸は回転テーブルを回転する軸であり、前記仮想角度は該回転テーブルを傾斜する傾斜角であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の4軸加工機用数値制御装置である。
請求項9に係る発明は、前記4軸加工機の前記一方の1軸の回転軸は回転テーブルを回転する軸であり、前記仮想角度はヘッドに取付けられるアタッチメント上で工具を傾斜する傾斜角度であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の4軸加工機用数値制御装置である。
図12に示される4軸加工機用数値制御装置100は、テーブルに取り付けられたワーク(加工物)に対して3軸の直線軸と1軸の回転軸によって加工する4軸加工機を駆動制御する。
4軸加工機用数値制御装置100では、通常、指令解析部10でプログラム指令を解析して補間用データを作成し、補間部11で補間用データによって補間を行い各軸のサーボ12X,・・・12Cを駆動する。ここで、仮想角度判断手段15、回転軸指令みなし手段17はそれぞれ指令解析部10に関連付けられる。仮想角度判断手段15は、許容値16と仮想角度設定手段14によって設定されている仮想角度13とを参照しながら、B軸(仮想軸)指令が仮想角度13と一致するかどうか判断し、一致すると判断した場合に仮想軸のプログラム指令は仮想角度13であるとみなす。
まず、図14に示されるように、Y軸周りに回転テーブルを−80.0度傾斜する治具によって、回転テーブルが−80.0度傾斜している4軸加工機を説明する。なお、図7では回転軸をC軸とし仮想軸をB軸と想定しているが、それらが、A,C軸やA,B軸である4軸加工機もある。それらの4軸加工機においても、3軸の直線軸と1軸の回転軸によって加工する4軸加工機である点では同様である。
5軸加工機において、例えば、図5でB−80.0での加工を示していると、B+80.0でも同じ加工を行うことが可能である。図16は、B+80.0とし、C軸位置を図5の位置に対して+180度回転した状態を示す。Yt(テーブル座標系)方向は、図5では紙面向こう方向に紙面に垂直だが、図16では紙面手前方向に紙面に垂直である。(図5のYt方向と区別するために、Ytを示す丸印を白抜きにしている。)この時、指令X,Y,Z位置に対して、ワーク上(テーブル座標系上)の工具先端点のX,Y,Z位置と工具方向(工具のワークに対する方向)は図5と図16で同じである。そのため、B−80.0前後のプログラム指令による加工であっても、B軸指令の符号を反転しC軸指令をプログラム指令に対して(+180度+n*360度)とすることにより、指令プログラムによる加工を行うことが可能である。nは整数値である。
I,J≧0の場合、0〜90度
I<0,J≧0の場合、90度〜180度
I<0,J<0の場合、180度〜270度
I≧0,J<0の場合、270度〜360度
arctanの計算におけるn1*360度またはn2*360度の項のn1,n2は整数値であり、360度のn1,n2倍の値を加算した位置が解であることを示す。つまり、C軸は正負方向に何回転でも動作可能だが、B軸は−90度〜90度内の動作が可能としている。
●[ステップSA1]仮想軸Bのプログラム指令bを読み取る。C軸のプログラム指令cを読み取る。
●[ステップSA2]|b−仮想角度|は許容値より小さいか否か判断し、小さい場合にはステップSA5へ移行し、小さくない場合にはステップSA3へ移行する。
●[ステップSA3]|b+仮想角度|は許容値より小さいか否か判断し、小さい場合にはステップSA4へ移行し、小さくない場合にはステップSA6へ移行する。
●[ステップSA4]Bの指令は仮想角度であるとみなす。また、回転軸Cの指令は(c+180度)とみなし、終了する。
●[ステップSA5]Bの指令は仮想角度であるとみなし、終了する。
●[ステップSA6]アラーム停止し、終了する。
CPU21は、メモリ22のROM領域に格納されたシステムプログラムをバス38を介して読み出し、該システムプログラムに従って数値制御装置全体を制御する。メモリ22のRAM領域には一時的な計算データや表示データ及び表示器/MDIユニット50を介してオペレータが入力した各種データが格納される。また、メモリ22のSRAMなどで構成される不揮発性メモリ領域には、インタフェース23を介して読み込まれた加工プログラムや表示器/MDIユニット50を介して入力された加工プログラム等が記憶される。
各軸の軸制御回路28,30,32,34はCPU21からの各軸の移動指令量を受けて、各軸の指令をサーボアンプ29,31,33,35に出力する。サーボアンプ29,31,33,35はこの指令を受けて、各軸のサーボモータ39〜42を駆動する。各軸は位置・速度のフィードバック制御を行う(図19ではこの構成は省略している)。
11 補間部
12X X軸サーボ
12Y Y軸サーボ
12Z Z軸サーボ
12C C軸サーボ
13 仮想角度
14 仮想角度設定手段
15 仮想角度判断手段
16 許容値
17 回転軸指令みなし手段
100 4軸加工機用数値制御装置
Claims (9)
- テーブルに取付けられたワークに対して3軸の直線軸と2軸の回転軸によって加工する5軸加工機用の加工プログラムに基づいて、該ワークに対して該3軸の直線軸と該2軸の回転軸のうちの一方の1軸の回転軸によって加工する4軸加工機を制御する4軸加工機用数値制御装置であって、
前記4軸加工機に更に仮想軸が1軸あると仮定し、回転テーブルまたは回転ヘッドを傾斜させる治具またはアタッチメントの角度に基づいて該仮想軸の仮想角度を設定する仮想角度設定手段と、
前記5軸加工機用の加工プログラムにおいて、前記2軸の回転軸のうちの前記一方の1軸の回転軸と異なる他方の1軸の回転軸がプログラム指令された場合に、該他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想角度と一致するかどうか判断する仮想角度判断手段と、
前記仮想角度判断手段で前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想角度と一致すると判断した場合に前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令は前記仮想軸の仮想角度であるとみなす回転軸指令みなし手段と、
を有し、
前記回転軸指令みなし手段によって前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想軸の仮想角度であるとみなされた前記5軸加工機用の加工プログラムに基づいて前記4軸加工機を制御することを特徴とする4軸加工機用数値制御装置。 - テーブルに取付けられたワークに対して3軸の直線軸と2軸の回転軸によって加工する5軸加工機用の加工プログラムに基づいて、該ワークに対して該3軸の直線軸と該2軸の回転軸のうちの一方の1軸の回転軸によって加工する4軸加工機を制御する4軸加工機用数値制御装置であって、
前記4軸加工機に更に仮想軸が1軸あると仮定し、回転テーブルまたは回転ヘッドを傾斜させる治具またはアタッチメントの角度に基づいて該仮想軸の仮想角度を設定する仮想角度設定手段と、
前記5軸加工機用の加工プログラムにおいて、前記2軸の回転軸のうちの前記一方の1軸の回転軸と異なる他方の1軸の回転軸がプログラム指令された場合に、該他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想角度の符号を反転した角度と一致するかどうか判断する仮想角度判断手段と、
前記仮想角度判断手段で前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想角度の符号を反転した角度と一致すると判断した場合に、前記一方の1軸の回転軸のプログラム指令は前記一方の1軸の回転軸の回転軸みなし角度であるとみなしかつ前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令は前記仮想軸の仮想角度であるとみなす回転軸指令みなし手段と、
を有し、
前記回転軸指令みなし手段によって前記一方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記回転軸みなし角度であるとみなされかつ前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想軸の仮想角度であるとみなされた前記5軸加工機用の加工プログラムに基づいて前記4軸加工機を制御することを特徴とする4軸加工機用数値制御装置。 - 前記仮想角度判断手段において前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想軸の仮想角度と一致するかどうか判断するとき前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想角度に対して設定された許容値の範囲内であれば一致すると判断することを特徴とする請求項1に記載の4軸加工機用数値制御装置。
- 前記仮想角度判断手段において前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想軸の仮想角度の符号を反転した角度と一致するかどうか判断するとき前記他方の1軸の回転軸のプログラム指令が前記仮想角度の符号を反転した角度に対して設定された許容値の範囲内であれば一致すると判断することを特徴とする請求項2に記載の4軸加工機用数値制御装置。
- 前記一方の1軸の回転軸の回転軸みなし角度は前記一方の1軸の回転軸のプログラム指令+180度+n*360度(nは整数)の角度であることを特徴とする請求項2または4のいずれか1つに記載の4軸加工機用数値制御装置。
- 前記一方の1軸の回転軸の回転軸みなし角度は前記一方の1軸の回転軸のプログラム指令+設定変更値であることを特徴とする請求項2または4のいずれか1つに記載の4軸加工機用数値制御装置。
- 前記4軸加工機の前記一方の1軸の回転軸は回転テーブルを回転する軸であり、前記仮想角度は該回転テーブルを傾斜する傾斜角であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の4軸加工機用数値制御装置。
- 前記4軸加工機の前記一方の1軸の回転軸は回転ヘッドを回転する軸であり、前記仮想角度は該回転ヘッドに取付けられるアタッチメント上で工具を傾斜する傾斜角度であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の4軸加工機用数値制御装置。
- 前記4軸加工機の前記一方の1軸の回転軸は回転テーブルを回転する軸であり、前記仮想角度はヘッドに取付けられるアタッチメント上で工具を傾斜する傾斜角度であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の4軸加工機用数値制御装置。
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