JP2002157007A - 加工データ作成方法及び加工データ作成方法を記録した記録媒体 - Google Patents

加工データ作成方法及び加工データ作成方法を記録した記録媒体

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JP2002157007A JP2000350452A JP2000350452A JP2002157007A JP 2002157007 A JP2002157007 A JP 2002157007A JP 2000350452 A JP2000350452 A JP 2000350452A JP 2000350452 A JP2000350452 A JP 2000350452A JP 2002157007 A JP2002157007 A JP 2002157007A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、加工データ作成方法及び加工デー
タ作成方法を記録した記録媒体に関し、特に5軸以上の
多軸のNC切削装置に適用して、微小な凹凸等の発生を
防止して、従来に比して仕上がり精度を向上する。 【解決手段】 本発明は、切削用カッターパス毎に、工
具と、工具が加工目標面と成す角度とによる一定回転速
度で切削加工するように加工データを生成する。また切
削用カッターパス毎に、接線ベクトルが所定の象限にの
み分布するように傾きを設定し、各切削用カッターパス
をこの傾きによる一定の傾きで切削するように加工デー
タを生成する。さらに切削用カッターパスの連続する方
向における工具軸の傾きが徐々に変化するように設定
し、この傾きによる一定値で各切削用カッターパスを加
工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工データ作成方
法及び加工データ作成方法を記録した記録媒体に関し、
特に5軸以上の多軸のNC切削装置により切削加工する
場合に適用することができる。本発明は、切削用カッタ
ーパス毎に、最適な回転速度による一定速度で切削加工
するように加工データを生成することにより、また切削
用カッターパス毎に、接線ベクトルが所定の象限にのみ
分布するように傾きを設定し、各切削用カッターパスを
この傾きによる一定の傾きで切削することにより、また
加工対象に対する工具軸の傾きが徐々に変化するように
設定し、このようにして設定した傾きによる一定値で各
切削用カッターパスを加工することにより、微小な凹凸
等の発生を防止して、従来に比して仕上がり精度を向上
することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】従来、2.5軸、3軸のNC切削装置に
おいては、加工対象と工具との相対的な位置関係をx軸
方向、y軸方向、z軸方向に変位させて工具を駆動する
ことにより、金型等を切削加工できるようになされてい
る。これに対して5軸のNC切削装置においては、図1
9に示すように、このようなx軸方向、y軸方向、z軸
方向の変位に加えて、加工対象に対する工具の相対的な
傾きを変位させて、x軸方向、y軸方向、z軸について
も、x平面に平行なA方向及びy平面に平行なB方向に
変位させることができるようになされている。
【0003】これにより5軸の切削装置による切削加工
においては、例えば加工対象の加工目標面に対して常に
工具を垂直に保持するように、A方向及びB方向の傾き
を制御しながら、カッターパスに従ってx軸方向、y軸
方向、z軸方向の座標を変化させることにより、複雑な
形状を切削加工できるようになされている。
【0004】このため従来、この種の切削装置を駆動す
る加工データ(すなわちNCデータである)の作成にお
いては、加工目標の形状データより加工目標面上にカッ
ターパスを設定した後、このカッターパス上で加工目標
面の法線方向を順次検出し、この法線方向よりA方向及
びB方向のデータを生成するようになされている。さら
にこのようにして作成した複数の切削用カッターパス
を、加工目標面より離間した接続用のカッターパスによ
り順次接続して全体のカッターパスを生成し、このカッ
ターパスで工具が移動するように加工データを生成する
ようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのように作
成された加工データにより5軸等の多軸による切削装置
を駆動して金型等を作成した場合、金型に微小な凹凸等
が発生する場合があり、これにより仕上がり精度が未だ
不十分な問題があった。
【0006】このような微小な凹凸等の発生を防止し
て、従来に比して仕上がりの精度を向上することができ
れば、その分、手作業等による仕上げ加工を簡略化し、
さらには省略できると考えられる。
【0007】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、5軸等の多軸による切削加工において、従来に比し
て仕上がり精度を向上することができる加工データ作成
方法及び加工データ作成方法を記録した記録媒体を提案
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め請求項1の発明においては、物品の形状を示す形状デ
ータに基づいて、NC切削装置の加工データを作成する
加工データ作成方法に適用して、前記形状データより、
加工目標面に沿った複数の切削用カッターパスを作成す
るステップと、工具を前記加工目標面から遠ざけて移動
させた後、前記加工目標面に近づける工具移動用カッタ
ーパスにより、前記切削用カッターパスを順次接続して
全体のカッターパスを生成するステップと、前記全体の
カッターパスで工具が移動するように、前記加工データ
を作成するデータ生成ステップとを有し、前記データ生
成ステップは、少なくとも前記工具と、前記工具が前記
加工目標面と成す角とに応じて、前記切削用カッターパ
ス毎に、前記工具の一定速度による回転速度を計算する
回転速度計算のステップと、少なくとも前記切削用カッ
ターパスにより切削加工を開始する時点で、それぞれ前
記一定速度により工具が回転しているように、かつ前記
切削用カッターパスで工具の回転速度を前記一定速度に
保持するように、前記加工データを設定するデータ設定
のステップとを有するようにする。
【0009】また請求項2の発明においては、請求項1
に構成において、前記回転速度計算のステップは、前記
切削用カッターパス毎に、前記切削用カッターパスの各
部位における最適な回転速度の平均値を前記一定速度に
設定する。
【0010】また請求項3の発明においては、請求項1
又は請求項2の構成において、前記回転速度計算のステ
ップは、前記加工目標面より前記工具を遠ざける時点
で、前記工具の回転速度の切り換えコマンドを発行する
ように、前記加工データを設定する。
【0011】また請求項4の発明においては、物品の形
状を示す形状データに基づいて、NC切削装置の加工デ
ータを作成する加工データ作成方法に適用して、前記形
状データより、加工目標面に沿った複数の切削用カッタ
ーパスを作成するステップと、工具を前記加工目標面か
ら遠ざけて移動させた後、前記加工目標面に近づける工
具移動用カッターパスにより、前記切削用カッターパス
を順次接続して全体のカッターパスを生成するステップ
と、前記全体のカッターパスで工具が移動するように、
前記加工データを作成するデータ生成ステップとを有
し、前記データ生成ステップは、前記切削用カッターパ
スの各部位の接線ベクトルが前記NC切削装置における
XYZ座標空間の1つの象限に分布する前記加工対象の
傾きの範囲である象限突起回避範囲の傾きを、前記切削
用カッターパス毎に計算する象限突起回避範囲の検出ス
テップと、前記切削用カッターパス毎に、前記象限突起
回避範囲の傾きの範囲で、前記工具又は前記加工対象の
傾きを一定値の傾きによる象限突起回避の傾きに設定す
る象限突起回避の傾き設定ステップとを有し、前記切削
用カッターパス毎に、前記工具又は前記加工対象の傾き
を、前記象限突起回避の傾きによる一定値に保持して前
記加工データを生成する。
【0012】また請求項5の発明においては、請求項4
の構成において、前記象限突起回避の傾き設定ステップ
は、加工対象に対する工具軸の傾きが、連続する前記切
削用カッターパスで徐々に変化するように、前記切削用
カッターパス毎に、前記象限突起回避の傾きを設定す
る。
【0013】また請求項6の発明においては、請求項4
又は請求項5の構成において、前記象限突起回避の傾き
設定ステップが、前記工具と前記加工目標面との成す角
が前記工具に応じた所定の範囲の角度となるように、前
記切削用カッターパス毎に、前記象限突起回避の傾きを
設定する。
【0014】また請求項7の発明においては、物品の形
状を示す形状データに基づいて、NC切削装置の加工デ
ータを作成する加工データ作成方法に適用して、前記形
状データより、加工目標面に沿った複数の切削用カッタ
ーパスを作成するステップと、工具を前記加工目標面か
ら遠ざけて移動させた後、前記加工目標面に近づける工
具移動用カッターパスにより、前記切削用カッターパス
を順次接続して全体のカッターパスを生成するステップ
と、前記全体のカッターパスで工具が移動するように、
前記加工データを作成するデータ生成ステップとを有
し、前記データ生成ステップは、連続する前記切削用カ
ッターパスで加工対象に対する工具軸の傾きが徐々に変
化するように、前記切削用カッターパス毎に、前記工具
又は前記加工対象の傾きを計算する連続的な傾き計算ス
テップを有し、前記切削用カッターパス毎に、前記工具
又は前記加工対象の傾きを前記連続的な傾きによる一定
値に保持して前記加工データを生成する。
【0015】また請求項8の発明においては、請求項7
の構成において、前記データ生成ステップは、前記工具
と前記加工目標面との成す角が前記工具に応じた所定の
範囲の角度となるように、前記切削用カッターパス毎
に、前記連続的な傾きを設定する。
【0016】また請求項9の発明においては、請求項
1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項
6、請求項7又は請求項8の構成において、前記データ
生成ステップは、前記工具又は前記加工対象を傾けるこ
とによる工具先端の位置決め精度が、座標軸に沿った方
向への前記工具又は前記加工対象の移動精度に対応する
精度となるように、前記傾きによる加工データを生成す
る。
【0017】また請求項10の発明においては、加工デ
ータ作成方法を記録した記録媒体に適用して、請求項
1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項
6、請求項7、請求項8又は請求項9に記載の加工デー
タ作成方法を記録してなるようにする。
【0018】請求項1の構成によれば、加工データ作成
方法に適用して、データ生成ステップが、少なくとも前
記工具と、前記工具が前記加工目標面と成す角とに応じ
て、前記切削用カッターパス毎に、前記工具の一定速度
による回転速度を計算する回転速度計算のステップと、
少なくとも前記切削用カッターパスにより切削加工を開
始する時点で、それぞれ前記一定速度により工具が回転
しているように、かつ前記切削用カッターパスで工具の
回転速度を前記一定速度に保持するように、前記加工デ
ータを設定するデータ設定のステップとを有することに
より、切削途中での回転速度の切り換えを回避して、工
具と、前記工具が前記加工目標面と成す角に応じて設定
された一定速度により、各切削用カッターパスを切削す
ることができる。これにより切削中の回転速度の切り換
えによる微細な凹凸の発生を回避して、かつ適切な回転
速度による綺麗な切削加工を実行でき、その分、従来に
比して仕上がりの精度を向上することができる。
【0019】また請求項2の構成によれば、請求項1の
構成において、前記回転速度計算のステップが、前記切
削用カッターパス毎に、前記切削用カッターパスの各部
位における最適な回転速度の平均値を前記一定速度に設
定することにより、簡易な処理で最適な回転速度を設定
することができる。
【0020】また請求項3の発明においては、請求項1
又は請求項2の構成において、前記回転速度計算のステ
ップが、加工目標面より工具を遠ざける時点で、工具の
回転速度の切り換えコマンドを発行するように、加工デ
ータを設定することにより、十分に時間的な余裕のある
時点で最適な回転速度への切り換えを指示することがで
き、切削用カッターパスにより切削加工を開始する時点
で、確実に所望の回転速度により工具を回転させること
ができる。
【0021】また請求項4の構成によれば、加工データ
作成方法に適用して、前記データ生成ステップが、前記
切削用カッターパスの各部位の接線ベクトルが前記NC
切削装置におけるXYZ座標空間の1つの象限に分布す
る前記加工対象の傾きの範囲である象限突起回避範囲の
傾きを、前記切削用カッターパス毎に計算する象限突起
回避範囲の検出ステップと、前記切削用カッターパス毎
に、前記象限突起回避範囲の傾きの範囲で、前記工具又
は前記加工対象の傾きを一定値の傾きによる象限突起回
避の傾きに設定する象限突起回避の傾き設定ステップと
を有し、前記切削用カッターパス毎に、前記工具又は前
記加工対象の傾きを、前記象限突起回避の傾きによる一
定値に保持して前記加工データを生成することにより、
象限突起の発生原因を有効に回避して切削加工すること
ができる。これにより象限突起による微細な凹凸を防止
して、従来に比して仕上がりの精度を向上することがで
きる。
【0022】また請求項5の構成によれば、請求項4の
構成において、前記象限突起回避の傾き設定ステップ
が、加工対象に対する工具軸の傾きが、連続する前記切
削用カッターパスで徐々に変化するように、前記切削用
カッターパス毎に、前記象限突起回避の傾きを設定する
ことにより、さらに切削用カッターパス間で工具軸の急
激な傾きの変化により発生する微細な凹凸を防止するこ
とができる。
【0023】また請求項6の構成によれば、請求項5の
構成において、前記象限突起回避の傾き設定ステップ
が、前記工具と前記加工目標面との成す角が前記工具に
応じた所定の範囲の角度となるように、前記切削用カッ
ターパス毎に、前記象限突起回避の傾きを設定すること
により、工具の最適な位置に切削点を設定して切削加工
することができ、これによりさらに一段と仕上がり精度
を向上することができる。
【0024】また請求項7の構成によれば、加工データ
作成方法に適用して、前記データ生成ステップが、連続
する前記切削用カッターパスで加工対象に対する工具軸
の傾きが徐々に変化するように、前記切削用カッターパ
ス毎に、前記工具又は前記加工対象の傾きを計算する連
続的な傾き計算ステップを有し、前記切削用カッターパ
ス毎に、前記工具又は前記加工対象の傾きを前記連続的
な傾きによる一定値に保持して前記加工データを生成す
ることにより、切削用カターパス間で工具軸の傾きを急
激に変化させて発生する微細な凹凸の発生を防止するこ
とができる。従ってその分、従来に比して仕上がり精度
を向上することができる。
【0025】また請求項8の構成によれば、請求項7の
構成において、前記データ生成ステップが、前記工具と
前記加工目標面との成す角が前記工具に応じた所定の範
囲の角度となるように、前記切削用カッターパス毎に、
前記連続的な傾きを設定することにより、工具の最適な
位置に切削点を設定して切削加工することができ、これ
によりさらに一段と仕上がり精度を向上することができ
る。
【0026】また請求項9の構成によれば、請求項1、
請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、
請求項7又は請求項8の構成において、データ生成ステ
ップが、工具又は加工対象を傾けることにより工具先端
の位置決め精度が、座標軸に沿った方向への工具及び加
工対象の移動精度に対応する精度となるように、傾きに
よる加工データを生成することにより、工具軸又は加工
対象を傾けたことによる誤差が座標軸に沿った方向への
移動における誤差に対応するように設定することができ
る。従って、その分、工具軸又は加工対象を傾けたこと
による相対的な大きな誤差の発生を防止して、微細な凹
凸の発生を防止することができ、仕上がり精度を向上す
ることができる。
【0027】また請求項10の構成によれば、加工デー
タ作成方法を記録した記録媒体に適用して、請求項1、
請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、
請求項7、請求項8又は請求項9に記載の加工データ作
成方法を記録することにより、従来に比して仕上がり精
度を向上してなる加工データ作成方法を記録した記録媒
体を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本
発明の実施の形態を詳述する。
【0029】(1)実施の形態の構成 図2は、本発明の実施の形態に係るCAMシステムを示
すブロック図である。このCAMシステム1は、オンラ
イン、フロッピー(登録商標)ディスク等を介して、C
AD等により作成された形状データD1を受け、この形
状データD1により金型加工用の加工データD3を生成
する。
【0030】ここでこのCAMシステム1において、加
工データ作成装置2は、コンピュータにより構成され、
表示装置3を介してメッセージを表示すると共に、キー
ボード、マウス等である入力装置4を介してオペレータ
の入力を受け付け、これにより対話形式で加工の条件を
受け付ける。さらにこの受け付けた加工の条件に応じて
形状データD1より工具干渉を防止してなるカッターパ
スのデータを作成し、このカッターパスのデータよりN
C装置の制御用データである加工データD3を生成す
る。
【0031】このとき加工データ作成装置2は、オペレ
ータの指示に応じて、3軸の切削加工装置用のNCデー
タに代えて、5軸の切削加工装置用の加工データD3を
生成する。加工データ作成装置2は、このようにして作
成した加工データD3をオンライン、フロッピーディス
ク、又は紙テープにより5軸のNC切削装置に供給し、
形状データD1による形状を切削加工するようになされ
ている。
【0032】図3は、加工データD3により作成するカ
ッターパスの説明に供する略線図である。加工データ作
成装置2は、加工目標面上における工具先端の軌跡を示
すカッターパスL1と、この工具先端のカッターパスL
1に対応する工具中心の軌跡を示すカッターパスL2と
を例えばパラメータ線により生成する。
【0033】加工データ作成装置2は、図3に示す例に
おいては、オペレータの指定した工具半径R、加工精度
に応じて、加工データD3により表される面形状を所定
の面により順次切り取った際に、これらの各面と加工目
標面との交線を座標値x0,y0,z0の連続により定
義し、又は所定の関数により定義し、工具先端のカッタ
ーパスL1を生成する。さらにこの工具先端のカッター
パスL1について、加工目標面の法線方向に、工具半径
Rの分だけ座標値をオフセットさせ、これによりオフセ
ットさせた座標値x,y,zの連続等により工具中心の
カッターパスL2を生成する。
【0034】なお以下において、このようなカッターパ
スを定義する座標値x,y,z、x0,y0,z0、以
下の説明におけるx、y、z座標空間、各座標軸は、特
に言及する場合等を除いて、工具の回転中心軸(以下、
工具軸と呼ぶ)又は加工対象が何ら傾けられていない状
態での座標空間によるものである。またx平面及びy平
面内ににおける工具軸の傾きをそれぞれA及びBにより
表して説明する。ちなみにこの実施の形態において、カ
ッターパスL1及びL2の生成に供される工具であっ
て、切削加工に供される工具は、ボールエンドミルであ
る。
【0035】加工データ作成装置2は、オペレータによ
りこれらカッターパスL1及びL2から5軸のNC切削
装置による加工データD3を生成する旨の指示が得られ
ると、所定のメニューを提示してオペレータの設定を受
け付け、この設定によりこれらカッターパスL1及びL
2から加工データD3を生成する。
【0036】加工データ作成装置2は、この設定によ
り、工具軸の傾きをオペレータが指定するのか、又は自
動的に設定するかの選択を受け付ける。また工具軸の傾
きをオペレータが指定する場合には、その指定の角度を
受け付ける。これに対して工具軸の傾きを自動的に設定
する場合には、何れの条件を優先して設定するかの選択
を受け付ける。ここで加工データ作成装置2は、象限突
起の回避、むしれの回避の何れを優先的に回避するかの
設定を受け付ける。
【0037】ここで象限突起は、図4において符号Eに
より部分的に拡大して示すように、例えば曲面等の切削
加工において、工具に対して曲面が凸形状となっている
場合に、またこれとは逆に工具に対して曲面が凹形状と
なっている場合等に、この凸形状の最も先端の部位及び
凹形状の最も奥まった部位に発生する微細な突起、段差
である。象限突起は、各軸方向への工具の移動方向が切
り換わることにより発生するものであり、この図4に示
す場合においては、工具の上下方向の移動が切り換わる
ことにより発生するものである。
【0038】これに対してむしれは、例えば工具軸を垂
直に保持して平坦な面を切削加工した場合等に発生する
加工面の微細な凹凸である。このむしれは、図5に示す
ように、工具軸Oの延長線上では、工具の周速度が0で
あることにより、工具軸Oの延長線上が切削点になるよ
うに工具の傾きを設定して切削加工すると発生する。こ
のむしれは、工具軸Oより遠ざかった部位を切削点P1
に設定すれば、工具軸Oより遠ざかった分、周速度が増
大すること等により、このようなむしれの発生を防止す
ることができる。この場合、図6に示すように、水平面
を加工目標面に設定している場合には、この加工目標面
の法線方向に対して、切削点P1と工具中心との成す角
度θの分だけ工具軸Oを傾けて、このようなむしれを防
止することができる。
【0039】加工データ作成装置2は、オペレータによ
るこのような設定に従って、カッターパスL1及びL2
から5軸のNC切削装置による加工データD3を生成す
る。図1は、加工データ作成装置2におけるこの加工デ
ータD3の生成手順を示すフローチャートである。加工
データ作成装置2は、この処理手順において、ステップ
SP1からステップSP2に移り、ここで工具軸の傾き
がオペレータにより指定されているか否か判断する。こ
こでオペレータによる事前の入力で工具軸の傾きが指定
されている場合、加工データ作成装置2は、ステップS
P3に移り、各カッターパスで最適な回転速度の平均値
を計算する。なおこの場合の1本のカッターパスは、加
工対象の切削加工面の沿った連続する1つのパスであ
り、最終的なNCデータによる加工において、工具のア
プローチ後、このアプローチに対応するリリースまでの
軌跡を意味するものである。
【0040】すなわち図7に示すように、工具軸Oの傾
きを一定値に保持して曲面を切削加工する場合、曲面の
各部位の傾きに応じて工具軸Oから切削点P1の距離d
1が変化し、工具を一定の回転速度により回転駆動した
場合でも、この距離d1が変化する分、曲面の各部位で
切削点P1の周速度Vが変化する。なおここで切削点P
1は、加工目標面が工具と接する点である。またこの図
7は、カッターパスL2と平行な面内方向に、工具軸O
をZ軸方向から所定角度θAだけ傾けて切削加工する場
合を示すものである。
【0041】これに対して切削装置では、凹凸等の無い
綺麗で、かつ精度の高い切削面を得るために、切削量、
工具、ワークの材料等に応じて切削点P1の周速度Vを
最適値に設定することが必要になる。従ってこのように
工具軸Oを一定値に保持して曲面を切削加工する場合の
ように、曲面の各部位で、工具軸Oから切削点P1まで
も距離dが種々に変化する場合に、曲面の各部位で最適
な条件により切削加工するためには、工具の回転速度v
を曲面の各部位で変化させることが必要になる。
【0042】ところがこのように曲面の各部位で工具の
回転速度vを適宜変化させると、却って微細な凹凸が発
生することが判った。これは回転速度の切り換えを加工
データにより指示した場合でも、切削装置において、回
転速度の切り換えをスムーズかつ迅速に実行できないた
めと考えられる。
【0043】このためこの実施の形態では、1本のカッ
ターパスについて、最適な回転速度の平均値を計算し、
この平均値を基準にして各カッターパス毎に、一定値に
よる工具の最適な回転速度を設定する。さらに図8に示
すように、各カッターパスL2A、L2B、L2C、…
…、L2H毎に、このようにして設定した最適な回転速
度により工具の回転速度を一定値に保持して切削加工す
るように、加工データを生成する。さらに各カッターパ
スL2A、L2B、L2C、……、L2Hの切削開始時
においては、指示した回転速度により工具が回転してい
るように、十分な時間的な余裕を持って工具の回転速度
を切り換える。
【0044】加工データ作成装置2は、例えば、各カッ
ターパスL2A、L2B、L2C、……、L2H毎に、
各部位の法線ベクトル(この場合は、カッターパスL1
A、L1B、L1C、……、L1Hの各座標より、対応
するカッターパスL2A、L2B、L2C、……、L2
Hの各座標を結ぶベクトルである)を検出し、各法線ベ
クトルと指定された工具軸の傾きとにより、カッターパ
スL2A、L2B、L2C、……、L2Hの各部位にお
いて、工具中心と切削点P1とを結ぶ線分K1が工具軸
Oと成す角度θ1(図7)を計算する。
【0045】さらに加工データ作成装置2は、カッター
パスL2A、L2B、L2C、……、L2H毎に、これ
ら角度θ1の最大値及び最小値を検出する。さらにこの
最大値及び最小値より図示しないデータベースの記録を
アクセスする。ここでこのデータベースは、工具毎に、
このような角度θ1に対する最適な回転速度を記録した
データベースである。これにより加工データ作成装置2
は、工具と、工具が加工目標面と成す角度θ1に応じ
て、各カッターパス毎に、工具の一定速度による回転速
度を計算するようになされている。
【0046】具体的に加工データ作成装置2は、データ
ベースのアクセスにより、各カッターパスL2A、L2
B、L2C、……、L2H毎に、最適な回転速度の最大
値及び最小値を検出する。さらに加工データ作成装置2
は、このようにして検出した回転速度の最大値及び最小
値を平均値化し、この平均値を各カッターパスL2A、
L2B、L2C、……、L2Hにおける工具の回転速度
に設定する。
【0047】このようにしてカッターパスL2A、L2
B、L2C、……、L2H毎に一定速度による最適な回
転速度を設定すると、加工データ作成装置2は、続いて
ステップSP4に移り、リリースLS、リフトLL、ア
プローチLA等による、加工目標面より工具を離間させ
てなる接続用カッターパスにより、切削用のカッターパ
スL2A、L2B、L2C、……、L2Hを順次接続し
て連続する工具の移動を示す加工データD3を作成す
る。このとき加工データ作成装置2は、アプローチを終
了した時点で確実に指示した回転速度で工具が回転して
いるように、また各カッターパスL2A、L2B、L2
C、……、L2Hでは、このようにして切り換えた回転
速度による一定速度により切削加工するように加工デー
タD3を生成する。
【0048】具体的に、加工データ作成装置2は、この
ような回転速度の切り換えに対する時間的な余裕が最も
大きな時点であり、かつ切削目標面に何ら影響を与えな
い時点であるリフト時点で回転速度の変更を指示するよ
うに加工データD3を生成する。またこのときオペレー
タにより指定された傾きにより工具軸を設定するように
加工データD3を作成する。
【0049】このようにして加工データD3を作成する
と、加工データ作成装置2は、ステップSP5に移って
この処理手順を終了する。
【0050】これに対してオペレータにより工具軸の傾
きが指定されていない場合、加工データ作成装置2は、
ステップSP2において否定結果が得られることによ
り、図9のステップSP6に移る。加工データ作成装置
2は、ここで各パスの象限突起回避範囲を検出する。
【0051】ここで加工データ作成装置2は、カッター
パスL1A、L1B、……毎に、又はカッターパスL2
A、L2B、……毎に、カッターパスの各部位における
接線ベクトルを検出する。
【0052】加工データ作成装置2は、続いて各カッタ
ーパス毎に、接線ベクトルが1つの象限に分布してなる
座標軸の傾きの範囲を検出する。このとき加工データ作
成装置2は、NC切削装置における座標軸によりこれら
の傾きを検出する。これにより加工データ作成装置2
は、カッターパスの各部位の接線ベクトルがNC切削装
置におけるXYZ座標空間の1つの象限に分布する加工
対象の傾きの範囲である象限突起回避範囲の傾きを、切
削用カッターパス毎に計算するようになされている。
【0053】図10及び図11は、この加工データ作成
装置2における処理の説明に供する特性曲線図であり、
1つのカッターパスについての接線ベクトルをXZ平面
に投影して示すものである。加工データ作成装置2は、
それぞれX軸及びY軸を回転中心にしてなる傾きの範囲
を検出する。
【0054】なお加工データ作成装置2は、それぞれX
軸及びY軸を回転中心に工具軸又はワークを傾けても、
NC切削装置におけるXYZ座標空間の1つの象限に分
布するように接線ベクトルを設定できないカッターパス
が存在する場合、その旨、記録に残して続く処理を実行
する。
【0055】このようにしてカッターパスL1A、L1
B、……毎に、又はカッターパスL2A、L2B、……
毎に、象限突起回避範囲を検出すると、加工データ作成
装置2は、続くステップSP7において、オペレータが
設定した切削の条件によりむしれを回避する範囲を検出
する。加工データ作成装置2は、オペレータの指定した
工具の種類、工具の大きさ、切削速度、加工精度に応じ
て、図示しないデータベースの記録をアクセスしてこの
範囲を検出することにより、このむしりを回避できる範
囲として切削加工に最適な工具軸の傾きθの範囲を検出
する。
【0056】すなわち図12に示すように、この種の切
削加工においては、工具軸Oより所定の角度θ2だけ遠
ざかった箇所が切削点になるように工具軸を傾けること
により、むしりを防止することができる。しかしなが
ら、工具の寿命を延ばして効率的な切削加工等を実行す
る為には、さらに工具軸より遠ざかった角度θ3から所
定の角度範囲Δθに切削点を設定するとが望まれる。こ
の実施の形態では、このような角度範囲Δθに切削点を
設定可能な工具軸の傾きを最適な工具軸の傾きとする。
【0057】加工データ作成装置2は、各カッターパス
毎に、各カッターパスの各部位で法線ベクトルを検出す
る。図13は、このようにして検出した法線ベクトルの
うちXZ平面上の法線ベクトルを示す特性曲線図であ
る。加工データ作成装置2は、続いて各カッターパス毎
に、この法線ベクトルが最適な傾きの範囲Δθに分布し
てなる座標軸の傾きの範囲を検出する。このとき加工デ
ータ作成装置2は、NC切削装置における座標軸により
これらの傾きを検出する。これらにより加工データ作成
装置2は、工具中心を中心とした単位長さの球状の面に
おいて、工具軸Oを中心にしたリング状の領域(角度Δ
θの領域である)内に法線ベクトルが分布してなる傾き
をX軸及びY軸を中心にした角度による検出する。
【0058】なお加工データ作成装置2は、それぞれX
軸及びY軸を回転中心にして傾けても、このようなリン
グ状の領域内に法線ベクトルを配置できないカッターパ
スが存在する場合、その旨、記録に残して続く処理を実
行する。
【0059】このようにして各カッターパス毎に、むし
れ回避の範囲を検出すると、加工データ作成装置2は、
ステップSP8に移り、各カッターパスを特定する変数
iを値1に設定する。続いて加工データ作成装置2は、
ステップSP9に移り、変数iにより特定されるカッタ
ーパスについて、ステップSP6で検出した象限突起回
避範囲と、ステップSP7で検出したむしれ回避範囲と
で重複した範囲が存在するか否か判断する。かくするに
つき、このような重複の範囲は、この範囲に工具軸の傾
き又はワークの傾きを設定した場合に、象限突起を回避
でき、かつ工具に対して最適な位置に切削点を設定して
切削加工できる範囲である。この場合加工データ作成装
置2は、ステップSP10に移り、この重複範囲を傾き
の設定範囲に設定した後、ステップSP11に移る。
【0060】これに対してステップSP9で否定結果が
得られると、ステップSP12に移り、ここでオペレー
タがむしれ回避の優先を指示したか否か判断する。ここ
で肯定結果が得られると、加工データ作成装置2は、ス
テップSP13に移り、ここでむして回避範囲を傾きの
設定範囲に設定した後、ステップSP11に移る。
【0061】これに対してステップSP12で否定結果
が得られると、加工データ作成装置2は、ステップSP
14に移り、象限突起回避範囲を傾きの設定範囲に設定
してステップSP11に移る。
【0062】なお加工データ作成装置2は、このように
して傾きの設定範囲を設定するカッターパスについて、
ステップSP6で象限突起回避範囲を検出できなかった
場合であって、ステップSP7でむしれ回避範囲を検出
できた場合、このむしれ回避範囲を傾きの設定範囲に設
定してステップSP11に移る。またこれとは逆に、ス
テップSP6で象限突起回避範囲を検出できた場合であ
って、ステップSP7でむしれ回避範囲を検出できなか
った場合、象限突起回避範囲を傾きの設定範囲に設定す
る。またこれら2つの範囲の何れも設定できなかった場
合、加工データ作成装置2は、何れの傾きにも設定可能
なように、傾きの設定範囲を設定する。
【0063】加工データ作成装置2は、このようにして
1つのカッターパスについて傾きの設定範囲を設定する
と、ステップSP11において、全てのカッターパスに
ついて設定を完了したか否か判断する。ここで否定結果
が得られると、加工データ作成装置2は、ステップSP
15に移り、変数iをインクリメントした後、ステップ
SP9に戻る。これにより加工データ作成装置2は、順
次各カッターパス毎に、象限突起及びむしれの双方を回
避できる場合には、この回避できる範囲を傾きの設定範
囲に設定するのに対し、この双方を回避できない場合に
は、オペレータの指定に従って、象限突起又はむしれの
双方を回避できる範囲を傾きの設定範囲に設定する。ま
た象限突起又はむしれを回避できない場合には、回避可
能な方の範囲を傾きの設定範囲に設定し、象限突起及び
むしれの双方を回避できない場合には、何れの傾きにも
設定可能に傾きの設定範囲に設定する。
【0064】このようにして傾きの設定範囲を設定する
と、加工データ作成装置2は、ステップSP11で肯定
結果が得られることにより、図14のステップSP16
に移る。ここで加工データ作成装置2は、ステップSP
10、SP13又はSP14で設定した傾きの設定範囲
により、連続するカッターパスで傾きが徐々にに変化す
るように、すなわち工具軸の傾きが連続するカッターパ
スで急激に変化しないように、傾きA及びBを設定す
る。
【0065】すなわち図15に示すように、カッターパ
スの連続する方向について、加工目標面に凹凸がある場
合、この凹凸に対応するように、この方向の工具軸Oの
傾きθB1〜θB5を設定すると、隣り合うカッターパ
スにおける工具軸Oの傾きθB1、θB2、θB3、θ
B4……が急激に変化する部位が発生し、この部位で微
細な凹凸が発生する場合がある。なおこの図14では、
カッターパスの連続する方向への傾きを示しているが、
このような部位の凹凸は、このようなカッターパスの連
続する方向以外の方向に工具軸の傾きが急激に変化した
場合も発生する。
【0066】このためこの実施の形態では、図16に示
すように、工具軸Oの傾きの差分値(θB1−θB
2)、(θB2−θB3)、(θB3−θB4)、……
がほぼ一定値となるように、すなわちこの方向の工具軸
Oの傾きθB1〜θB5が徐々に変化するように、工具
軸の傾きθBを設定する。
【0067】このようにして工具軸の傾きθB1、θB
2、θB3、……を設定すると、加工データ作成装置2
は、ステップSP17に移る。ここで加工データ作成装
置2は、ステップSP3で計算したと同様にして、この
ようにして計算した工具軸の傾きにより順次各カッター
パスにおける最適な回転速度を検出する。
【0068】さらに加工データ作成装置2は、続くステ
ップSP18において、このようにして計算した工具軸
の傾き、最適回転速度により加工データD3を作成した
後、ステップSP5に移ってこの処理手順を終了する。
加工データ作成装置2は、この加工データD3を作成す
る際に、カッターパス毎に、ステップSP16で計算し
た傾きが加工対象に対する工具軸の傾きになるように、
工具又は加工対象の傾きを設定する。これにより加工デ
ータ作成装置2は、カッターパス毎に設定された象限突
起を回避できる一定値による工具軸の傾きにより、各カ
ッターパスを切削するように、加工データD3を作成す
る。また同様に、カッターパス毎に設定された連続する
カッターパスで連続的に変化する工具軸の傾きにより、
また同様にカッターパス毎に設定された最適な工具軸の
傾きにより、工具軸の傾きを各カッターパスで一定値に
維持して切削加工するように加工データD3を生成す
る。
【0069】また図8について上述したように、リフト
開始時点で回転速度を最適な回転速度に切り換えるよう
に加工データD3を生成する。さらにリフトを完了した
時点で、工具又は加工対象の傾きを切り換えるコマンド
を発行し、これにより十分に安全に工具又は加工対象の
傾きを切り換えることができるようになった時点で、か
つ続くカッターパスについての切削加工を開始する時点
では、所望する工具軸の傾きにより安全に切削加工する
ことができるように、加工データD3を生成する。
【0070】加工データ作成装置2は、このようにして
加工データD3を生成するにつき、工具又は加工対象を
傾けることによる工具先端の位置決め精度が、座標軸に
沿った方向への工具又は加工対象の移動精度に対応する
精度となるように加工データD3を作成し、これにより
加工精度を向上する。
【0071】すなわちNC切削装置において、座標軸に
沿った方向への移動精度は、一般的に0.001〔m
m〕程度である。これに対してこの工具の移動精度に対
応する傾きの精度0.001度により工具軸を傾ける
と、図17に示すように、例えば工具長Lが200〔m
m〕の場合、工具先端における位置決め精度は、0.0
035〔mm〕となる。これにより単に工具及び加工対
象の座標軸に沿った方向への移動精度に対応する精度に
より傾きの加工データを生成したのでは、工具軸又は加
工対象を傾けたことにより相対的に大きな誤差が発生
し、微細な凹凸が発生する恐れがある。なお図18に示
すように、工具に代えてワーク側を傾ける構成のNC装
置においては、NC装置における回転中心と切削点との
距離Lに応じて工具先端における位置決め精度が低下す
る。
【0072】このため加工データ作成装置2では、この
長さLの分、相対的に多くの有効桁数による演算処理に
より傾きに関する演算処理を実行すると共に加工データ
D3を生成し、これにより工具先端の位置決め精度が、
座標軸に沿った方向への工具及び加工対象の移動精度に
対応する精度となるように加工データD3を生成する。
具体的に、この実施の形態において、加工データ作成装
置2は、座標軸に沿った方向への移動と、工具軸の傾き
の変化とで、NC装置の分解能に対応する精度によりそ
れぞれ移動量及び傾き変位量を四捨五入して発生する誤
差を比較し、誤差が大きな方の四捨五入値を採用する。
さらにこのようにして採用した四捨五入値により他方の
値を計算し直す。すなわち座標軸に沿った方向への移動
精度が0.001〔mm〕、傾きの精度が0.001度
の場合であって、工具長Lが200〔mm〕の場合、そ
れぞれ座標軸の移動、工具の傾きの変化によって四捨五
入値に発生する誤差は、工具軸を傾ける場合の方が大き
くなる。従ってこの場合、工具軸を傾ける角度を0.0
01度未満の桁で四捨五入して工具を傾ける角度を始め
に計算する。さらに加工データ作成装置2は、この計算
した値によって、座標軸に沿った方向の移動位置を計算
し直し、0.001〔mm〕未満の桁により四捨五入し
て移動位置を確定する。
【0073】(2)実施の形態の動作 以上の構成において、このCAMシステム1では(図
2)、金型等の加工目標の形状を表す形状データD1が
CADシステム等より供給され、加工データ作成装置2
における演算処理により、この形状データD1に基づい
てNC切削装置の加工に供する加工データD3が生成さ
れる。CAMシステム1では、この加工データD3でN
C切削装置を駆動することにより、形状データD1によ
る外形形状の金型等を作成することができる。
【0074】このようにして加工データD3を作成する
につき、CAMシステム1では、始めに形状データD1
による加工目標面に沿って、例えば一定の間隔でほぼ平
行に走るように、工具先端のカッターパスL1A、L1
B、L1C、……と、各カッターパスL1A、L1B、
L1C、……に対応する工具中心のカッターパスL2
A、L2B、L2C、……とがパラメータ線等により生
成される(図3)。加工データ作成装置2では、これに
より加工目標面に沿って、実際の切削加工に供するカッ
ターパスである切削用カッターパスが生成され、さらに
加工目標面から工具を遠ざける工具移動用カッターパス
によりこれら切削用カッターパスが順次接続されて全体
のカッターパスが作成され、さらにこの全体のカッター
パスにより工具が移動するように、加工データD3が作
成される。
【0075】この加工データD3を作成する際に、CA
Mシステム1では、オペレータにより5軸による加工デ
ータの作成が指示されると、工具軸の傾きを指示するデ
ータが付加されて加工データD3が作成され、これによ
り3軸による切削加工の場合に比して、複雑な形状を切
削加工することができる。
【0076】CAMシステム1では、この5軸による加
工データの作成の際に、オペレータにより工具軸の傾き
が指定されている場合(図1)、この指定された傾きに
より加工データが作成される。このときCAMシステム
1では、工具と、工具が加工目標面と成す角とに応じ
て、切削用カッターパス毎に、工具の一定速度による回
転速度が計算され、各カッターパス毎に、この一定の回
転速度により切削加工するように加工データD3が作成
される(図5〜図7)。これによりこの加工データD3
による切削加工においては、切削途中での工具の回転速
度の切り換えを防止して切削加工することができ、その
分、切削中の回転速度の切り換えによる微小な凹凸の発
生が防止され、従来に比して仕上がりの精度を向上する
ことができる。従ってこのような切削加工においては、
その分、手作業等による仕上げ作業を簡略化して作業の
効率を図ることができる。
【0077】またこのときCAMシステム1では、デー
タベースを検索して、この一定速度による回転速度が切
削加工に適した最適な回転速度に設定されることによ
り、これによっても従来に比して仕上がりの精度を向上
することができる。
【0078】これらの処理において、CAMシステム1
では、各カッターパス毎に、最適な回転速度の最大値及
び最小値が検出され、さらにこれら最大値及び最小値の
平均値がこの一定の回転速度に設定される。これにより
CAMシステム1では、適切かつ簡易に、最適な回転速
度を設定することができる。
【0079】さらに各カッターパス毎の回転速度の切り
換えが、切削目標面より遠ざかっている期間の間で、十
分な時間的な余裕を持って実行されるように加工データ
D3が生成され(図8)、これにより確実に、各カッタ
ーパスを一定の回転速度で切削加工して、高い仕上がり
精度を確保することができる。さらにこの具体的な切り
換えのタイミングが、切削目標面より工具が離間する時
点あり、かつ切削目標面に何ら影響を与えない時点であ
るリフト開始時点に設定され、これにより切削を開始す
る時点より、最適な回転速度で安定に工具を回転させて
切削加工することができる(図5)。
【0080】これに対してオペレータにより工具軸の傾
きが指定されていない場合(図9)、CAMシステム1
では、各カッターパス毎に、各部位の接線ベクトルが切
削装置における1つの象限に分布してなる傾きが検出さ
れ(図10及び図11)、これによりカッターパスの延
長する方向について、いわゆる象限突起回避の傾きの範
囲がカッターパス毎に検出される。
【0081】さらにCAMシステム1では、各カッター
パス毎に、順次法線ベクトルが検出され、この法線ベク
トルを基準にして、加工目標面に対する工具軸の傾き
が、むしれを防止できる角度であって、かつ工具の寿命
を延ばして効率的な切削加工等を実行することが可能と
なる角度Δθとなる工具軸の傾きが検出される(図12
及び図13)。
【0082】CAMシステム1では、これら2つの工具
軸の傾きの範囲が重複する場合には、この重複する範囲
で工具軸の傾きが設定され、加工データD3が作成され
る。また重複しない場合には、オペレータが優先的な処
理を指示した側の範囲により、工具軸の傾きが設定さ
れ、加工データD3が作成される。また象限突起回避の
範囲又はむしれ回避の範囲を設定できない場合には、設
定可能な側の範囲により加工データD3が作成される。
また双方とも範囲を設定できない場合には、後述する前
後のカッターパスとの間で徐々に工具軸の角度が変化す
るように、工具軸の傾きが設定される。
【0083】これによりCAMシステム1では、可能な
場合には、象限突起回避の範囲により工具軸の傾きを設
定することにより、NC切削装置において、各軸方向
へ、工具が移動方向を切り換えることなく切削加工する
ことができ、象限突起による微細な凹凸の発生を防止し
て高い精度を確保することができる(図4)。
【0084】また同様に、可能な場合には、むしれ回避
の範囲により工具軸に傾きを設定することにより、むし
れによる微細な凹凸の発生を防止でき、その分、加工精
度を向上することができる。さらにこのとき、単にむし
れを回避できる範囲だけでなく、工具の寿命を延ばして
効率的な切削加工等を実行することが可能となる範囲に
より工具軸の角度を設定することにより、これによって
も加工精度を向上し、さらには効率良く切削加工するこ
とができる。
【0085】このようにして加工データを作成するにつ
き、CAMシステム1では、連続するカッターパスで工
具軸の傾きが急激に変化しないように(図14〜図1
6)、このようにして検出された各カッターパス毎の傾
きの許容範囲で、各カッターパスにおける工具軸の傾き
が設定される。またそれぞれ各カッターパスに設定され
た傾きによる一定の角度に工具軸の角度を設定して、各
カッターパスが切削加工される。
【0086】これによりCAMシステム1では、工具軸
の傾きの急激な変化による微細な凹凸の発生を防止で
き、これによっても加工精度が向上される。
【0087】またこのように工具又は加工対象を各カッ
ターパス毎に設定して切削加工する場合でも、CAMシ
ステム1においては、このように設定した一定の傾きに
より各カッターパスを切削加工するように加工データD
3が生成され、これにより切削中に工具軸の傾きを変化
させることにより微細な凹凸の発生を防止して、高い精
度により切削加工することが可能となる。
【0088】またこのように各カッターパス毎に工具軸
の傾きを設定して加工データD3を作成する場合であっ
ても、工具軸の傾きが指定されている場合と同様に、各
カッターパス毎に、平均値による最適な回転速度が検出
され、この最適な回転速度のよる一定速度により各カッ
ターパスを切削加工するように、またリフト開始時点で
回転速度の切り換えコマンドを発行するように、加工デ
ータD3が生成される。これによってもCAMシステム
1においては、高い精度により所望の形状を切削加工可
能とすることができる。
【0089】このようにして工具軸の傾きを設定して加
工データD3を生成するにつき、CAMシステム1で
は、工具長L(加工対象の回転中心から切削点までの距
離L)に応じた有効桁数により傾きに関する演算処理が
実行され(図17及び図18)、工具又は加工対象を傾
けた際の、工具長による位置決め精度の劣化を考慮し
て、この精度の劣化を補うように加工データD3が生成
される。これによりこの加工データD3による切削加工
データにおいては、工具軸、加工対象を傾けたことによ
る誤差が座標軸に沿った方向への誤差を対応するように
設定することができ、その分、工具軸、加工対象を傾け
たことによる相対的な大きな誤差の発生を防止して、加
工精度を向上することができる。
【0090】(3)実施の形態の効果 以上の構成によれば、切削用のカッターパス毎に、最適
な回転速度による一定速度で切削加工するように加工デ
ータを生成することにより、切削加工中における回転速
度の変化による微小な凹凸等の発生を防止して、従来に
比して仕上がり精度を向上することができる。
【0091】また切削用カッターパス毎に、接線ベクト
ルが所定の象限にのみ分布するように傾きを設定し、こ
の傾きによる一定の傾きで各カッターパスを切削加工す
るように、加工データを生成することにより、象限突起
による微小な凹凸等の発生を防止して、従来に比して仕
上がり精度を向上することができる。
【0092】また各カッターパスで工具軸の傾きが徐々
に変化するように設定し、このようにして設定した傾き
による一定の傾きで加工データを作成することにより、
この傾きの急激な変化による微小な凹凸等の発生を防止
して、従来に比して仕上がり精度を向上することができ
る。
【0093】(4)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、工具と、工具が加工
目標面と成す角とに応じて適切な回転速度をカッターパ
スの各部位毎に検出し、これらの平均値を検出すること
により、カッターパス毎に、工具の一定速度による回転
速度を計算する場合について述べたが、本発明はこれに
限らず、このようにして計算した平均値を回転速度の最
大値、回転速度の最小値、さらには回転速度の最大値及
び最小値の差分値等により補正して各カッターパスの最
適な回転速度を設定する場合等、工具と、工具が加工目
標面と成す角とに応じて、切削用カッターパス毎に、一
定速度による回転速度を設定するようにして、上述の実
施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】また上述の実施の形態においては、最適な
回転速度の最大値及び最小値の平均値を各カッターパス
における工具の回転速度を設定する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、このような最大値及び最小
値による平均値に代えて、カッターパスの各部位におけ
る最適な回転速度を、各回転速度によるカッターパスの
長さにより重み付けして得られる加重平均値を基準にし
て最適な回転速度を設定する場合、さらには各カッター
パスに設定した複数のサンプリング点についての最適な
回転速度による平均値を基準にする場合等、回転速度の
算出方法は種々に設定することができる。
【0095】また上述の実施の形態においては、リフト
開始時に回転速度を切り換えるように、またリフト後に
傾きを切り換えるように加工データを生成する場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じて、
これらの切り換えのタイミングは種々に設定することが
できる。
【0096】また上述の実施の形態においては、カッタ
ーパスの各部位の接線ベクトルが1つの象限に分布する
範囲を検出して象限突起回避範囲を検出する場合につい
て述べたが、本発明はこれに限らず、例えば各カッター
パスにおいて傾きが最も大きな部位と小さな部位とで代
表して、カッターパスの各部位の接線ベクトルが1つの
象限に分布する範囲を検出する場合、さらには各カッタ
ーパスに複数のサンプリング点を設定し、このサンプリ
ングにより代表して、カッターパスの各部位の接線ベク
トルが1つの象限に分布する範囲を検出する場合、種々
の検出手法を広く適用することができる。
【0097】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、切削用カ
ッターパス毎に、最適な回転速度による一定速度で切削
加工するように加工データを生成することにより、また
切削用カッターパス毎に、接線ベクトルが所定の象限に
のみ分布するように傾きを設定し、各切削用カッターパ
スをこの傾きによる一定の傾きで切削することにより、
また加工対象に対する工具軸の傾きが徐々に変化するよ
うに設定し、このようにして設定した傾きによる一定値
で各切削用カッターパスを加工することにより、微小な
凹凸等の発生を防止して、従来に比して仕上がり精度を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るCAMシステムにお
ける加工データ作成装置の処理手順を示すフローチャー
トである。
【図2】CAMシステムを示すブロック図である。
【図3】カッターパスの説明に供する断面図である。
【図4】象限突起の説明に供する断面図である。
【図5】最適な切削点の説明に供する断面図である。
【図6】最適な工具軸の傾きの説明に供する断面図であ
る。
【図7】工具軸の設定の説明に供する断面図である。
【図8】回転速度の切り換えの説明に供する斜視図であ
る。
【図9】図1の続きのフローチャートである。
【図10】象限突起回避範囲の説明に供する特性曲線図
である。
【図11】象限突起回避のための工具軸の傾きの説明に
供する特性曲線図である。
【図12】むしれの説明に供する断面図である。
【図13】むしれの回避範囲の説明に供する特性曲線図
である。
【図14】図9の続きのフローチャートである。
【図15】カッターパスが連続する方向への工具軸の傾
きの急激な変化の例を示す断面図である。
【図16】カッターパスが連続する方向への工具軸の傾
きの急激な変化を防止した例を示す断面図である。
【図17】工具軸を傾ける場合の誤差の説明に供する断
面図である。
【図18】ワーク側を傾ける場合の誤差の説明に供する
断面図である。
【図19】従来の加工方法の説明に供する斜視図であ
る。
【符号の説明】
1……CAMシステム、2……加工データ作成装置、D
1……形状データ、D3……加工データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 哲史 東京都豊島区高田2丁目17番22号 株式会 社グラフィックプロダクツ内 (72)発明者 平井 司 東京都豊島区高田2丁目17番22号 株式会 社グラフィックプロダクツ内 Fターム(参考) 5H269 AB05 AB19 BB03 CC07 EE01 QA05 QC01 QC03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物品の形状を示す形状データに基づいて、
    NC切削装置の加工データを作成する加工データ作成方
    法において、 前記形状データより、加工目標面に沿った複数の切削用
    カッターパスを作成するステップと、 工具を前記加工目標面から遠ざけて移動させた後、前記
    加工目標面に近づける工具移動用カッターパスにより、
    前記切削用カッターパスを順次接続して全体のカッター
    パスを生成するステップと、 前記全体のカッターパスで工具が移動するように、前記
    加工データを作成するデータ生成ステップとを有し、 前記データ生成ステップは、 少なくとも前記工具と、前記工具が前記加工目標面と成
    す角とに応じて、前記切削用カッターパス毎に、前記工
    具の一定速度による回転速度を計算する回転速度計算の
    ステップと、 少なくとも前記切削用カッターパスにより切削加工を開
    始する時点で、それぞれ前記一定速度により工具が回転
    しているように、かつ前記切削用カッターパスで工具の
    回転速度を前記一定速度に保持するように、前記加工デ
    ータを設定するデータ設定のステップとを有することを
    特徴とする加工データ作成方法。
  2. 【請求項2】前記回転速度計算のステップは、 前記切削用カッターパス毎に、前記切削用カッターパス
    の各部位における最適な回転速度の平均値を前記一定速
    度に設定することを特徴とする請求項1に記載の加工デ
    ータ作成方法。
  3. 【請求項3】前記回転速度計算のステップは、 前記加工目標面より前記工具を遠ざける時点で、前記工
    具の回転速度の切り換えコマンドを発行するように、前
    記加工データを設定することを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の加工データ作成方法。
  4. 【請求項4】物品の形状を示す形状データに基づいて、
    NC切削装置の加工データを作成する加工データ作成方
    法において、 前記形状データより、加工目標面に沿った複数の切削用
    カッターパスを作成するステップと、 工具を前記加工目標面から遠ざけて移動させた後、前記
    加工目標面に近づける工具移動用カッターパスにより、
    前記切削用カッターパスを順次接続して全体のカッター
    パスを生成するステップと、 前記全体のカッターパスで工具が移動するように、前記
    加工データを作成するデータ生成ステップとを有し、 前記データ生成ステップは、 前記切削用カッターパスの各部位の接線ベクトルが前記
    NC切削装置におけるXYZ座標空間の1つの象限に分
    布する前記加工対象の傾きの範囲である象限突起回避範
    囲の傾きを、前記切削用カッターパス毎に計算する象限
    突起回避範囲の検出ステップと、 前記切削用カッターパス毎に、前記象限突起回避範囲の
    傾きの範囲で、前記工具又は前記加工対象の傾きを一定
    値の傾きによる象限突起回避の傾きに設定する象限突起
    回避の傾き設定ステップとを有し、 前記切削用カッターパス毎に、前記工具又は前記加工対
    象の傾きを、前記象限突起回避の傾きによる一定値に保
    持して前記加工データを生成することを特徴とする加工
    データ作成方法。
  5. 【請求項5】前記象限突起回避の傾き設定ステップは、 前記加工対象に対する前記工具軸の傾きが、連続する前
    記切削用カッターパスで徐々に変化するように、前記切
    削用カッターパス毎に、前記象限突起回避の傾きを設定
    することを特徴とする請求項4に記載の加工データ作成
    方法。
  6. 【請求項6】前記象限突起回避の傾き設定ステップは、 前記工具と前記加工目標面との成す角が前記工具に応じ
    た所定の範囲の角度となるように、前記切削用カッター
    パス毎に、前記象限突起回避の傾きを設定することを特
    徴とする請求項4又は請求項5に記載の加工データ作成
    方法。
  7. 【請求項7】物品の形状を示す形状データに基づいて、
    NC切削装置の加工データを作成する加工データ作成方
    法において、 前記形状データより、加工目標面に沿った複数の切削用
    カッターパスを作成するステップと、 工具を前記加工目標面から遠ざけて移動させた後、前記
    加工目標面に近づける工具移動用カッターパスにより、
    前記切削用カッターパスを順次接続して全体のカッター
    パスを生成するステップと、 前記全体のカッターパスで工具が移動するように、前記
    加工データを作成するデータ生成ステップとを有し、 前記データ生成ステップは、 連続する前記切削用カッターパスで加工対象に対する工
    具軸の傾きが徐々に変化するように、前記切削用カッタ
    ーパス毎に、前記工具又は前記加工対象の傾きを計算す
    る連続的な傾き計算ステップを有し、 前記切削用カッターパス毎に、前記工具又は前記加工対
    象の傾きを前記連続的な傾きによる一定値に保持して前
    記加工データを生成することを特徴とする加工データ作
    成方法。
  8. 【請求項8】前記データ生成ステップは、 前記工具と前記加工目標面との成す角が前記工具に応じ
    た所定の範囲の角度となるように、前記切削用カッター
    パス毎に、前記連続的な傾きを設定することを特徴とす
    る請求項7に記載の加工データ作成方法。
  9. 【請求項9】前記データ生成ステップは、 前記工具又は前記加工対象を傾けることによる工具先端
    の位置決め精度が、座標軸に沿った方向への前記工具又
    は前記加工対象の移動精度に対応する精度となるよう
    に、前記傾きによる加工データを生成することを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項
    5、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の加工デー
    タ作成方法。
  10. 【請求項10】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求
    項9に記載の加工データ作成方法を記録したことを特徴
    とする加工データ作成方法を記録した記録媒体。
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