JPH10118889A - 切削条件決定方法 - Google Patents

切削条件決定方法

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JPH10118889A
JPH10118889A JP27771896A JP27771896A JPH10118889A JP H10118889 A JPH10118889 A JP H10118889A JP 27771896 A JP27771896 A JP 27771896A JP 27771896 A JP27771896 A JP 27771896A JP H10118889 A JPH10118889 A JP H10118889A
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JP
Japan
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cutting
tool
workpiece
rotary
area
Prior art date
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Application number
JP27771896A
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English (en)
Inventor
Nobuhito Yokoyama
信人 横山
Masanori Furuya
政典 古谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転切削工具の姿勢制御を行うことなく、高
い加工能率で切削加工が行われるようにする。 【解決手段】 回転切削工具の切れ刃の回転軌跡のうち
被加工部材を切削する切削域を求め(S3)、その切削
域に応じて最大加工能率が得られるように送り速度を補
正する(S4)。切削域を特定できる被加工部材表面の
傾斜角度(工具姿勢)、ピックフィード量、切込量など
の切削域特定情報に基づいて送り速度を補正するように
しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は切削条件決定方法に
係り、特に、回転切削工具の切削域に応じて切削条件を
決定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転切削工具を軸心まわりに回転駆動し
つつ軸心と交差する方向を含んで被加工部材に対して相
対移動させることにより、その被加工部材を所定の製品
形状に切削加工することが、金型加工など各種の分野で
広く行われている。回転切削工具としては、ボールエン
ドミルなどの各種のフライスが好適に用いられるが、こ
のような回転切削工具は、一般にNC(数値制御)工作
機械やマシニングセンタなどの自動切削加工装置に装着
され、製品形状に応じて予め設定された移動経路に沿っ
て被加工部材に対して相対移動させられることにより、
外周および先端に設けられた切れ刃によって被加工部材
を切削加工するようになっている。
【0003】このような自動切削加工装置による切削加
工方法の一種に、被加工部材の表面の法線に対して回転
切削工具の軸心を予め定められた一定角度だけ傾斜させ
た姿勢で切削加工を行うように、被加工部材の形状に応
じて回転切削工具の姿勢を制御するものが提案されてい
る。特開昭63−266504号公報に記載されている
方法はその一例で、所定の加工精度を維持しつつ加工能
率を向上させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに回転切削工具の姿勢を制御するには5軸加工機等の
複雑で高価な加工機械が必要であるとともに、複雑な制
御が必要であった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、回転切削工具の姿勢
制御を行うことなく加工能率を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、回転切削工具を軸心まわりに回転駆
動しつつその軸心と交差する方向を含んで被加工部材に
対して相対移動させることにより、その被加工部材を切
削加工するに際して、切削条件である送り速度および工
具回転速度の少なくとも一方を決定する方法であって、
前記回転切削工具の切れ刃の回転軌跡のうち前記被加工
部材を切削する切削域を求め、その切削域に応じて前記
送り速度および工具回転速度の少なくとも一方を決定す
ることを特徴とする。
【0007】第2発明は、回転切削工具を軸心まわりに
回転駆動しつつその軸心と交差する方向を含んで被加工
部材に対して相対移動させることにより、その被加工部
材を切削加工するに際して、切削条件である送り速度お
よび工具回転速度の少なくとも一方を決定する方法であ
って、前記回転切削工具の切れ刃の回転軌跡のうち前記
被加工部材を切削する切削域を略特定できる予め定めら
れた切削域特定情報に基づいて前記送り速度および工具
回転速度の少なくとも一方を決定することを特徴とす
る。
【0008】
【発明の効果】このような切削条件決定方法によれば、
回転切削工具の切削域に応じて送り速度および工具回転
速度の少なくとも一方が決定されるため、工具の姿勢制
御を行うことなく、所定の加工精度を維持しつつ加工能
率の高い切削条件を設定することが可能である。すなわ
ち、例えば切削抵抗(切削体積など)が同じあっても、
工具送り方向に対する切削域の場所によって工具のびび
り易さは異なるため、その切削域に応じて切削条件を設
定することにより、びびり振動などの発生を防止しつつ
最も高能率な加工を行うことが可能となるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】ここで、本発明は、3次元の自由
曲面などを切削加工する場合に好適に適用され、回転切
削工具としては、切れ刃の回転軌跡が半球状となるボー
ルエンドミルが好適に用いられるが、ラジアスエンドミ
ルなど外周面および端面に切れ刃を有する種々のエンド
ミル、或いはその他のフライスなどを用いることも可能
である。また、送り速度は、回転切削工具と被加工部材
との相対的な移動速度で、工具回転速度は軸心まわりの
回転速度(主軸回転数)で、何れも1刃当たりの切削体
積すなわち加工能率に関係するパラメータである。
【0010】第1発明の好適な態様は、回転切削工具を
軸心まわりに回転駆動しつつ、該軸心と交差する方向を
含んで予め定められた移動経路に沿って被加工部材に対
して相対移動させることにより、該被加工部材を切削加
工するに際して、切削条件である送り速度および工具回
転速度の少なくとも一方をコンピュータを利用して決定
する方法であって、(a) 前記回転切削工具の切れ刃の回
転軌跡のうち前記被加工部材を切削する切削域を前記移
動経路に沿って順次求める切削域演算工程と、(b) 前記
切削域に応じて切削条件が予め定められた切削条件デー
タに従って、前記切削域演算工程で求められた切削域に
応じて前記送り速度および工具回転速度の少なくとも一
方を前記移動経路に沿って順次決定する切削条件決定工
程とを有することを特徴とする。このような切削条件決
定方法は、上記各工程を実行する切削域演算手段、切削
条件決定手段を有する切削条件設定装置や、コンピュー
タに上記各工程を実行させるプログラムが記録された切
削条件設定用プログラム記録媒体などによって好適に実
施される。
【0011】切削域は、回転切削工具の切れ刃の回転軌
跡形状、切削直前の被加工部材の形状、工具送り方向な
どから求められ、例えばCAM装置などで回転切削工具
および被加工部材を立体的に再現し、それ等を工具送り
方向へ相対移動させて、工具の外殻形状のうち新たに被
加工部材と干渉した部分を切削域として求めれば良い。
被加工部材を微小立方体で構成し、工具の移動に伴って
その工具と干渉する部分の微小立方体を求め、それに基
づいて切削域を求めることもできる。切削域は、1刃の
切削毎に求めることも可能であるが、所定回転数毎、或
いは所定距離だけ離間した加工位置毎に求めるようにし
たり、目的とする製品形状に沿って工具移動方向が変化
する部位など切削域の変化が予想される部位だけ求める
ようにしたりして、計算時間を短縮することも可能であ
る。
【0012】切削域に応じて切削条件が予め定められる
切削条件データは、例えば底面視における切削域の位置
や大きさなどによって複数のパターンを設定し、切削条
件と関連付けてメモリ等の記憶手段に予め記憶しておけ
ば良く、切削条件は、例えば実際に種々の条件下で切削
加工を行ったりして、所定の加工精度を満足する最高能
率の条件が設定される。また、例えば回転切削工具の刃
数により連続切削となったり断続切削となったりして加
工精度が変化する場合があるため、刃数などの他の情報
を加えて切削条件データを設定することも勿論可能であ
る。
【0013】第2発明の好適な態様は、回転切削工具を
軸心まわりに回転駆動しつつ、該軸心と交差する方向を
含んで予め定められた移動経路に沿って被加工部材に対
して相対移動させることにより、該被加工部材を切削加
工するに際して、切削条件である送り速度および工具回
転速度の少なくとも一方をコンピュータを利用して決定
する方法であって、(a) 前記回転切削工具の切れ刃の回
転軌跡のうち前記被加工部材を切削する切削域を略特定
できる予め定められた切削域特定情報の値を前記移動経
路に沿って順次求める情報演算工程と、(b) 前記切削域
特定情報をパラメータとして切削条件が予め定められた
切削条件データに従って、前記情報演算工程で求められ
た切削域特定情報に応じて前記送り速度および工具回転
速度の少なくとも一方を前記移動経路に沿って順次決定
する切削条件決定工程とを有することを特徴とする。こ
のような切削条件決定方法は、上記各工程を実行する情
報演算手段、切削条件決定手段を有する切削条件設定装
置や、コンピュータに上記各工程を実行させるプログラ
ムが記録された切削条件設定用プログラム記録媒体など
によって好適に実施される。
【0014】切削域特定情報は、回転切削工具と被加工
部材とを相対移動させて切削加工を行う切削加工装置の
種類や制御内容によって異なるが、例えば工具軸心がZ
軸と平行となる姿勢に維持しつつ互いに直角なX,Y,
Z軸方向へ3次元的に回転切削工具を被加工部材に対し
て相対的に平行移動させる3軸の切削加工装置の場合、
被加工部材の表面の傾斜角度、ピックフィード量、およ
び切込量によって切削域は特定される。傾斜角度は、被
加工部材の加工位置における表面とX−Y平面との交差
角度で、例えば工具送り方向における傾斜角度およびピ
ックフィード方向における傾斜角度で表したり、最大傾
斜角度とその傾斜方向とで表したりできる。ピックフィ
ード量はX−Y平面内で回転切削工具を直線往復移動さ
せるとともに、その両端で直角方向へ変位させて切削加
工を行う場合の直角方向への変位量で、切込量は被加工
部材の表面に垂直な方向への切込深さ(取代)やZ軸方
向の切込深さなどである。なお、切削域そのものを求め
る必要はない。また、5軸など他の切削加工装置につい
ても、工具の姿勢制御や移動制御などに応じて適宜設定
することが可能で、例えば被加工部材の表面に対する回
転切削工具の姿勢や切込量などが切削域特定情報として
設定される。
【0015】傾斜角度,ピックフィード量,切込量等の
切削域特定情報をパラメータとして切削条件が予め定め
られる切削条件データは、例えばデータマップや演算式
などにより定められ、メモリ等の記憶手段に予め記憶し
ておけば良く、切削条件は、例えば実際に種々の条件下
で切削加工を行ったりして、所定の加工精度を満足する
最高能率の条件が設定される。また、刃数などの他の情
報を加えて切削条件データを設定しても良いことは、第
1発明の場合と同様である。
【0016】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。図1は、本発明方法を好適に実施でき
るNC加工システムを説明する機能ブロック線図で、1
0は移動経路データや切削条件を含むNCデータを作成
するためのNCデータ作成装置、11はそのNCデータ
を記憶する磁気テープや磁気ディスクなどのNCデータ
メモリ、12はそのNCデータに従って切削加工を行う
NC工作機械である。NC工作機械12は自動切削加工
装置に相当するもので、NC制御部14およびNC動作
部16を備えており、NC動作部16は、例えば図2に
示すように回転切削工具(実施例ではボールエンドミ
ル)18、その回転切削工具18をZ軸と平行な軸心ま
わりに回転駆動する主軸回転駆動手段20、および回転
切削工具18をX軸、Y軸、Z軸方向へ3次元的に平行
移動させる送り駆動手段22を有し、回転切削工具18
を回転駆動しつつ軸心と交差する方向を含んで予め定め
られた移動経路に沿って被加工部材24に対して相対移
動させることにより、その被加工部材24を自由曲面等
の予め定められた製品形状に切削加工する。主軸回転駆
動手段20は例えばサーボモータなどの電動モータであ
り、送り駆動手段22は例えば3軸方向へそれぞれ移動
させる3組の送りねじおよびその送りねじを回転駆動す
るサーボモータなどを含んで構成される。なお、図示の
例では3軸のNC工作機械を示したが、5軸等の他のN
C工作機械などにも勿論適用できる。
【0017】前記NCデータ作成装置10はCPU10
a、RAM10b、ROM10cを有するマイクロコン
ピュータを備えて構成されており、RAM10bの一時
記憶機能を利用しつつROM10cに予め記憶されたプ
ログラムに従って信号処理を行い、データベース26か
ら必要な情報を読み込みながら図3に示すフローチャー
トに従ってNCデータを作成する。データベース26に
は、工具回転速度や基準送り速度などの切削条件情報、
被加工部材24の初期形状に関する素材形状情報、目的
とする加工形状(製品形状)に関する加工形状情報、回
転切削工具18の切れ刃の回転軌跡形状を含む工具基本
形状情報などが予め記憶されている。図3のステップS
3およびS4は、請求項1に記載の切削条件決定方法の
一実施例に相当する。なお、NCデータ作成装置10の
うち、ステップS1,S3,S4を実行する部分は切削
条件設定装置として機能しており、それ等のステップS
1,S3,およびS4を実行させるプログラムが記憶さ
れているROM10cは切削条件設定用プログラム記録
媒体に相当する。また、このNCデータの作成に際して
は、必要に応じてキーボードなどの図示しない入力装置
を介して作業者による入力操作や選択操作が行われる。
【0018】図3において、ステップS1では、回転切
削工具18の回転速度(主軸回転数)、送り速度、ピッ
クフィード量などの切削条件が、加工すべき製品形状や
被加工部材24の材質、使用する回転切削工具18の種
類や大きさ、要求加工精度などに基づいて設定される。
回転速度,送り速度,およびピックフィード量は、例え
ばX−Y平面と平行な平面を切削する平面切削を基準と
して、被加工部材24の材質や使用工具、要求加工精度
などに応じてそれぞれ一定の値が設定される。
【0019】ステップS2では、目的とする製品形状を
切削加工するための回転切削工具18の移動経路データ
が、上記ピックフィード量や製品形状に応じて作成され
る。これは、例えば製品形状の形状面(上面)から使用
する回転切削工具(エンドミル)18の半径寸法分だけ
Z軸方向の上方へオフセットした面を、回転切削工具1
8の切れ刃の回転軌跡の球中心である工具中心の位置を
拘束する工具拘束面として求めるとともに、その面形状
に応じてX−Y方向へ直線往復移動させる移動方向を定
め、前記ピックフィード量ずつずらして移動経路を決定
する。
【0020】ステップS3は切削域演算工程で、上記移
動経路に沿って回転切削工具18を移動させて被加工部
材24に切削加工を行った場合に、回転切削工具18の
切れ刃の回転軌跡のうち被加工部材24を切削する切削
域を移動経路に沿って順次算出する。これは、回転切削
工具18の切れ刃の回転軌跡形状、切削直前の被加工部
材24の形状、工具移動経路などから求められ、例えば
回転切削工具18の切れ刃の回転軌跡形状および被加工
部材24をそれぞれ3次元曲面式などで立体的に再現す
るとともに、回転切削工具18を移動経路に沿って例え
ば1刃当たりの送り量だけ移動させ、工具の外殻形状の
うち新たに被加工部材24と干渉した部分を切削域とし
て求めれば良い。
【0021】また、上記被加工部材24を微小立方体で
構成し、その微小立方体で切削域を求めることもでき
る。微小立方体は小さい程高い精度が得られるが、それ
に伴ってデータ量が多くなるため、回転切削工具18の
大きさやピックフィード量などに応じて設定することが
望ましく、例えばピックフィード量の10〜20%程度
の値が設定される。図4に示すように、被加工部材24
をXY軸方向に微小立方体の1辺の長さで格子状に区切
り、その格子の中心点から図5に示すようにZ軸と平行
な直線を考えて、被加工部材24の上面形状との交点を
求めることにより、被加工部材24を多数の微小立方体
で表すことができる。続いて、図6に示すように、被加
工部材24の上面30に回転切削工具18を切り込ませ
るとともに、その回転切削工具18を1刃当たりの送り
量fだけ前記移動経路データに従って移動させ、回転切
削工具18の表面のうち、新たに回転切削工具18と重
なった微小立方体(図6に黒点で示す微小立方体)と干
渉した領域を切削域として求めれば良い。なお、図6の
aは切込量で、32は切削加工後の加工面(製品形状に
相当)を表している。
【0022】かかる切削域は、1刃の切削毎に求めるこ
とも可能であるが、所定回転数毎、或いは所定距離だけ
離間した加工位置毎に求めるようにしたり、目的とする
製品形状に沿って工具移動方向が変化する部位など切削
域の変化が予想される部位だけ求めるようにしたりし
て、計算時間を短縮することも可能である
【0023】図7〜図10は、それぞれ上記ステップS
3で求められる切削域を説明する図で、(a) はY軸方向
から見た図、(b) はZ軸方向から見た図、(c) はX軸方
向から見た図であり、図7および図8では回転切削工具
18内において点々(網掛け)で示す領域が下向き送り
の場合の切削域、斜線で示す領域が上向き送りの場合の
切削域で、図9および図10では回転切削工具18内に
おいて点々で示す領域が切削域である。また、aは切込
量で被加工部材24の表面に垂直な方向への取代であ
り、pはピックフィード量でY軸方向へ寸法pだけピッ
クフィードされるようになっており、回転切削工具18
はX−Z平面内を移動させられるようになっている。O
は工具中心、すなわち切れ刃の回転軌跡の球中心であ
る。
【0024】図7および図8は、何れも被加工部材24
の表面がX−Y平面から大きく傾斜している傾斜面を切
削する場合であるが、切込量aおよびピックフィード量
pの相違に起因して切削域が大きく相違している。図9
および図10は、何れも回転切削工具18をX軸方向へ
移動させて平面切削する場合であるが、同じく切込量a
およびピックフィード量pが相違し、それに伴って切削
域が大きく相違している。そして、この切削域の相違に
より回転切削工具18にかかる負荷の大きさや方向が異
なり、所定の加工精度を満たす最大加工能率(1刃当た
りの切削体積)が違ってくる。なお、図7および図8に
おける被加工部材24の表面は、X軸方向(工具送り方
向)に傾斜しており、Y軸方向の傾斜は0である。
【0025】図3に戻って、ステップS4は切削条件決
定工程で、切削域に応じて切削条件が予め定められた切
削条件データに従って、上記ステップS3で求められた
切削域に応じて送り速度が移動経路に沿って順次決定さ
れる。切削条件データは、前記ステップS1で設定され
た送り速度を補正するためのもので、例えば前記図7〜
図10の(b) に示されている平面視における切削域の位
置や大きさによって複数のパターンを設定し、送り量の
補正値と関連付けてメモリ等の記憶手段に予め記憶され
ている。実際の切削域がどのパターンに相当するかは、
パターンマッチング等の技術によって決定され、送り量
の補正値は、実際に種々の条件下で切削加工を行い、所
定の加工精度を満足する最高能率の値が設定される。
【0026】例えば、図11の(a) ,(b) ,(c) の切削
域パターン(点々を付けた領域)は、切込量aおよびピ
ックフィード量pが等しく、被加工部材24の表面のX
−Y平面に対する送り方向の傾斜角度θ(上向き送りを
正とする)が異なる場合で、(a) はθ≒50°、(b) は
θ≒0°、(c) はθ≒−50°である。なお、X−Y平
面において送り方向と直角なピックフィード方向の傾斜
角度φは0°である。そして、傾斜角度θを変更しなが
ら最大加工能率を求めた図12の試験結果から、(a) の
場合は1刃当たりの切削体積が約0.35mm3 となる
送り量を算出し、(b) の場合は1刃当たりの切削体積が
約0.06mm3 となる送り量を算出し、(c) の場合は
約0.29mm3 となる送り量を算出する。前記ステッ
プS1では、(b) の平面切削(θ=0°)を基準として
送り量が設定されるため、(b) の補正量は0であり、
(a) ,(c) では、(b) の送り量との差が補正量として定
められる。なお、1刃当たりの切削体積は、工具回転速
度を変更することによって調整することも可能で、送り
量の代わりに工具回転速度を補正するようにしても良
い。
【0027】そして、最後のステップS5では、ステッ
プS1、S4で設定された切削条件およびステップS2
で設定された移動経路データを、NC工作機械12に入
力可能なNCデータフォーマットに変換して前記NCデ
ータメモリ11に記憶する。
【0028】図1に戻って、前記NC工作機械12のN
C制御部14は、CPU,RAM,ROMなどを備えた
マイクロコンピュータを含んで構成されており、上記N
Cデータメモリ11に記憶されたNCデータに従ってN
C動作部16の作動を制御するもので、機能的に送り速
度制御手段34および回転速度制御手段36を備えてい
る。送り速度制御手段34は、NCデータに設定された
送り速度で移動経路データに従って回転切削工具18を
移動させるように、工具位置検出手段38によって検出
される実際の工具位置を読み込みながら前記送り駆動手
段22の作動を制御する。また、回転速度制御手段36
は、NCデータに設定された工具回転速度で回転切削工
具18が軸心まわりに回転駆動されるように、前記主軸
回転駆動手段20の作動を制御する。
【0029】ここで、本実施例のNC加工システムにお
いては、回転切削工具18の切削域に応じて最大加工能
率が得られるように送り速度が決定されるため、回転切
削工具18の姿勢制御を行うことなく、所定の加工精度
を維持しつつ高い加工能率が得られる。すなわち、切削
抵抗(切削体積など)が同じあっても、切削域によって
工具のびびり易さは異なるため、その切削域に応じて送
り速度を設定することにより、びびり振動などの発生を
防止しつつ最も高能率な加工を行うことが可能となるの
である。
【0030】また、前記ステップS3の切削域の算出に
際して、被加工部材24を微小立方体で表す場合には、
3次元曲面式などを用いて3次元形状を再現する場合に
比較して、計算時間を大幅に短縮することが可能であ
る。
【0031】次に、請求項2に記載の発明の実施例を説
明する。なお、図1および図2に示すハード構成は同じ
で、図13に示すフローチャートに従ってNCデータを
作成する点のみが相違し、ステップR3およびR4が請
求項2に記載の切削条件決定方法の一実施例に相当す
る。また、NCデータ作成装置10のうち、ステップR
1,R3,R4を実行する部分は切削条件設定装置とし
て機能しており、それ等のステップR1,R3,および
R4を実行させるプログラムが記憶されているROM1
0cは切削条件設定用プログラム記録媒体に相当する。
また、このNCデータの作成に際しては、必要に応じて
キーボードなどの図示しない入力装置を介して作業者に
よる入力操作や選択操作が行われる。
【0032】ステップR1,R2,およびR5は、前記
図3のステップS1,S2,S5と全く同じである。ス
テップR3は情報演算工程で、切削域特定情報としての
被加工部材24の表面の傾斜角度θおよびφ、ピックフ
ィード量p、切込量aを、ステップR2で設定された移
動経路に沿って順次求める。傾斜角度θは、被加工部材
24の加工位置における表面とX−Y平面との工具送り
方向における交差角度で、傾斜角度φは、被加工部材2
4の加工位置における表面とX−Y平面とのピックフィ
ード方向における交差角度であり、被加工部材24の上
面形状に基づいて算出される。ピックフィード量pは、
ステップR1で設定された値をそのまま用いれば良い。
切込量aは、被加工部材24の表面に垂直な方向への切
込深さ(取代)で、被加工部材24の形状や目的とする
製品形状、回転切削工具18の移動経路などから求めら
れる。工具軸心がZ軸と平行となる姿勢に維持しつつ互
いに直角なX,Y,Z軸方向へ3次元的に回転切削工具
18を平行移動させる本実施例のNC工作機械12にお
いては、上記傾斜角度θおよびφ、ピックフィード量
p、切込量aによって回転切削工具18の切れ刃の回転
軌跡上の切削域が特定される。
【0033】ステップR4は切削条件決定工程で、上記
傾斜角度θおよびφ、ピックフィード量p、切込量aを
パラメータとして切削条件が予め定められた切削条件デ
ータに従って、前記ステップR3で求められた傾斜角度
θおよびφ、ピックフィード量p、切込量aに応じて送
り速度が移動経路に沿って順次決定される。切削条件デ
ータは、ステップR1で設定された送り速度を補正する
ためのもので、データマップや演算式などにより定めら
れ、メモリ等の記憶手段に予め記憶されている。送り量
の補正値は、実際に種々の条件下で切削加工を行い、所
定の加工精度を満足する最高能率の値が設定される。
【0034】本実施例でも、傾斜角度θおよびφ、ピッ
クフィード量p、切込量aによって切削域が特定される
ため、切削域に応じて送り速度が設定される前記実施例
と実質的に同様の効果が得られる。
【0035】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これはあくまでも本発明の一実施形態
であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,
改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を好適に実施できるNC加工システ
ムの一例を説明する機能ブロック線図である。
【図2】図1におけるNC工作機械のNC動作部の一例
を説明する図である。
【図3】図1におけるNCデータ作成装置の作動を説明
するフローチャートである。
【図4】図3のステップS3で微小立方体を用いて切削
域を求める際の微小立方体の平面視状態を説明する図で
ある。
【図5】図4の微小立方体で被加工部材の立体形状を生
成する工程を説明する図である。
【図6】図5の微小立方体を用いて切削域を求める工程
を説明する図である。
【図7】図3のステップS3で求められる切削域の一例
を説明する図である。
【図8】図3のステップS3で求められる切削域の別の
例を説明する図である。
【図9】図3のステップS3で求められる切削域の更に
別の例を説明する図である。
【図10】図3のステップS3で求められる切削域の更
に別の例を説明する図である。
【図11】切削域に応じて送り速度を補正する際の切削
域パターンの一例を示す図である。
【図12】切込量およびピックフィード量が同じで傾斜
角度θが異なる場合の最大加工能率の一例を説明する図
である。
【図13】請求項2に記載の発明の一実施例を説明する
フローチャートである。
【符号の説明】
10:NCデータ作成装置 12:NC工作機械 18:回転切削工具 24:被加工部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転切削工具を軸心まわりに回転駆動し
    つつ該軸心と交差する方向を含んで被加工部材に対して
    相対移動させることにより、該被加工部材を切削加工す
    るに際して、切削条件である送り速度および工具回転速
    度の少なくとも一方を決定する方法であって、 前記回転切削工具の切れ刃の回転軌跡のうち前記被加工
    部材を切削する切削域を求め、該切削域に応じて前記送
    り速度および工具回転速度の少なくとも一方を決定する
    ことを特徴とする切削条件決定方法。
  2. 【請求項2】 回転切削工具を軸心まわりに回転駆動し
    つつ該軸心と交差する方向を含んで被加工部材に対して
    相対移動させることにより、該被加工部材を切削加工す
    るに際して、切削条件である送り速度および工具回転速
    度の少なくとも一方を決定する方法であって、 前記回転切削工具の切れ刃の回転軌跡のうち前記被加工
    部材を切削する切削域を略特定できる予め定められた切
    削域特定情報に基づいて前記送り速度および工具回転速
    度の少なくとも一方を決定することを特徴とする切削条
    件決定方法。
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