JP4602927B2 - 仮想倣い加工における干渉計算方法、工具経路生成方法、仮想スタイラス制御方法、及びフライス加工制御システム - Google Patents

仮想倣い加工における干渉計算方法、工具経路生成方法、仮想スタイラス制御方法、及びフライス加工制御システム Download PDF

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Description

本発明は、仮想倣い加工における干渉計算方法、工具経路生成方法、仮想スタイラス制御方法、及びフライス加工制御システムに関する。
従来から、被加工材を回転させて軸対称の加工面を形成する旋削加工に対し、切削工具を回転させるフライス加工がある。フライス加工を行うフライス盤は、自由曲面を含む加工面を形成でき、少量多品種対応やリードタイム短縮などの生産性向上、加工精度の向上などを目指して、数値制御やコンピュータ制御による自動化が進められている。自動化されたフライス盤は、CNC工作機械(Computerized Numerical Control)などと呼ばれ、NCプログラムに基づいて運転される。NCプログラムは、フライス工具を被加工材に対して相対移動させるための工具経路情報や加工条件などから構成される。
図15は、フライス加工の様子を示す。所望の加工形状80が得られるように、ボールエンドミルなどの回転するフライス工具81が、工具経路情報に基づいて、被加工材82に対して相対移動する。工具経路情報の生成は、CAD/CAMを用いて行われる。工作機械が実行すべき全ての加工動作がNCプログラムに記述され、CNC工作機械は、これらの加工動作を忠実に再現する。良質なNCプログラムを加工前に用意することにより、良好な加工結果が得られる。このため、CNC工作機械とNCプログラムを用いるフライス加工は、大量に同一形状を加工する場合に有効である。
しかし、上述のようなNCプログラムを用いるCNC工作機械においては、加工中の全動作が、加工開始前に生成されたNCプログラムにより決定され再生される。このような教示再生方式の制御は、設計変更や加工条件変更などに起因する工程変更、さらに、加工中の切削異常の発生などに柔軟に対応できない。また、通常、NCプログラムの形式がNC工作機械に依存しているので、NC工作機械を動的に使い分けて自律分散型の生産システムを実現することが容易でない。
ところで、CAMの普及以前から、工具経路情報を生成しつつフライス加工を行う、いわゆる倣い加工が行われている。この倣い加工では、同図15に示すように、製品形状を模した模型であるマスタモデル92の表面90に接触子であるスタイラス91を接触させる倣い動作をさせながら工作機械を制御する。これにより、マスタモデル92とスタイラス91の相対運動を、被加工材82とフライス工具81の相対運動として再現し、マスタモデル92の形状をコピーした製品を製造できる。この倣い加工における工具経路は、スタイラスの倣い動作に並行してリアルタイムで生成される。
また、上述の倣い動作は、同図15に示すように、コンピュータを用いて仮想倣い動作として実現される。仮想倣い動作では、模型とスタイラスをコンピュータによる仮想空間に構築した、仮想マスタモデル2と仮想スタイラス1を用いる。仮想マスタモデル2の表面20の形状が、製品形状の3次元CADモデルに基づいて用意される。仮想倣い動作を用いるフライス加工(仮想倣い加工)では、従来の倣い動作におけるマスタモデル92が不要である。従って、CADによる製品設計とCNC工作機械による製造が直結され、フライス加工の自動化をより前進させて柔軟に条件変更などに対応できる。
そこで、例えば、上述の仮想倣い動作を用いることにより、予め生成されるNCプログラムの介在を否定し、工具経路をインプロセスで生成すると共に、切削条件をインプロセスで修正可能とする仮想倣い加工システムの提案がなされている(例えば、非特許文献1参照)。
上述の仮想倣い加工システムについて、さらに、図面を参照して説明する。説明の便のため図中にxyz座標系を定め、z軸方向を上下方向とする。仮想倣い動作を用いるフライス加工では、通常、図16(a)に示す走査線加工、又は、図16(b)に示す等高線加工が行われる。工具経路面3は、仮想スタイラス1の先端が移動する面であり、通常、走査線加工の場合、仮想スタイラス1の回転軸z1を含む平面であり、等高線加工の場合、回転軸z1に垂直な平面である。仮想スタイラス1は、所定の基線に沿った移動(基線移動)と、仮想マスタモデル2の表面に沿った倣い動作の移動(倣い移動)とを行う。基線移動中に仮想マスタモデル2の表面を検出して倣い移動を行い、倣い動作中に基線を検出して基線移動を行う。仮想スタイラスによるこれらの移動に基づいて工具経路CLの情報が生成される。
上述の倣い動作を行うために、図17、図18に示すように、仮想スタイラス1と仮想マスタモデル2の表面20との干渉検出が行われる。干渉とは、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2の表面20内部に入り込むことであり、干渉の度合いを表す干渉量は、例えば、仮想スタイラス1の断面10に含まれる仮想マスタモデル2の断面Aの形状寸法の大小に基づいて評価される。
ここで、図19(a)(b)を参照して、仮想スタイラス1と仮想マスタモデル2の干渉量及び干渉の増減方向を求めるための方法を説明する。図19(a)において、点p1に中心が位置する仮想スタイラスの円形の断面10が、仮想マスタモデル2に食い込む干渉が発生している。その干渉量は、点p1から伸びる半径中に含まれる仮想マスタモデル2の領域の長さの極大値として求められる。極大値が1つの場合は、その極大値の方向が干渉の方向、すなわち、その方向に仮想スタイラス1を移動させれば干渉を解消することができる。本図の例では、2つの極大値からなる干渉量ε1,ε2が、角度θ1,θ2に検出されている。このような場合、干渉を解消できる点p2に仮想スタイラス1の中心を移動させるためのベクトル量を与える干渉量εの大きさと方向は、図19(b)に従って求められる。すなわち、干渉量ε1,ε2を、点p1に向かうベクトルとしたとき、両ベクトルの始点を一致させて成る三角形の外接円の直径が、求める干渉量εであり、前記始点を通る直径の方向が、干渉を解消する方向である。
さらに、図20(a)(b)、図21(a)(b)を参照して、仮想倣い加工における仮想スタイラス1の移動制御について説明する。仮想倣い加工では、仮想スタイラス1の倣い動作に並行して生成される工具経路に基づいてフライス工具が移動し、加工が行われる。仮想スタイラス1は、例えば、仮想マスタモデル2の表面20から所定の基準干渉量ε0だけ内部に入り込んだ状態を維持して倣い動作をするように制御される。表面20に沿った仮想スタイラス1の接線速度成分Vtは、一定速度Vcを維持するように制御される。また、仮想マスタモデル2の表面形状の変化によって発生する干渉を解消して倣い動作をするため、干渉量εと基準干渉量ε0の差分εd、εd=ε−ε0、に基づいて、法線速度成分Vnが生成され、また、接線速度成分Vtが調整される。例えば、所定の比例係数Gn,Gtを用いて、Vn=Gn×εd,Vt=Vc−Gt×|εd|、とされる。
上述とは別の例を説明する。仮想倣い動作を用いると、例えば、操作者が、計算機によって表示された映像を見ながら、仮想マスタモデル上で仮想エンドミルの先端部の外形像(仮想スタイラスに対応)を、計算機に接続したジョイスティック状の操作棒を操作することにより移動させて、仮想マスタモデルと仮想エンドミルの相対運動に基づくNCプログラムを生成し、CNC工作機械を駆動する、ということが可能となる。操作棒の操作によってエンドミルの先端が仮想マスタモデルに食い込む、いわゆる干渉が発生する場合には、計算機は、干渉を回避して仮想マスタモデルの表面に沿った方向にだけ移動するようにエンドミルの移動方向を制御する(例えば、特許文献1参照)。
白瀬敬一(代表)著 「NCプログラムが不要な次世代スキルレス工作機械の試作」平成13年度〜平成15年度科学研究費補助金[基盤研究(B)(2)]研究成果報告書 平成16年3月 特開平08−090387号公報
しかしながら、上述した非特許文献1や特許文献1に示されるような技術は、これをフライス加工の自動化に適用する場合、次のような問題がある。実在のモデルを用いる倣い加工では、通常、切削工具が被加工材を過剰に切削することはない。一方、仮想スタイラスと仮想マスタモデルを用いる場合、両者の接触を幾何学的に検出する必要がある。そこで、例えば、仮想マスタモデルを用いる倣い加工において、もし、干渉計算が不適切なことによって許容量以上の干渉が発生すると、現実のCNC工作機械がその干渉状態を再現する結果、切削すべきでない部分を切削してしまうことになる。すなわち、干渉計算は、仮想倣い加工において必須の重要項目である。
このような干渉計算について、上述した非特許文献1においては、図19(a)(b)に示すように、角度走査を行って干渉量の極大値を求めて、最終的な干渉量の大きさと方向を求めることが示されている。しかしながら、この方法は必要な計算量が多く、ますます高速化するフライス加工の加工速度に対応して工具経路の生成をインプロセスで行うことは、困難な状況にある。
また、上述した特許文献1においては、仮想マスタモデルを用いて干渉チェックを行い、その結果に基づいてNCプログラムやNCデータを生成する旨の記述がある。しかしながら、特許文献1には、干渉検出方法の具体的な開示がなされていない。また、この特許文献1に示されるような技術は、操作者が介在する必要があるので、仕上げ加工などのような一部の加工にしか対応できない。
本発明は、上記課題を解消するものであって、仮想倣い加工においてより高速に実施できる干渉計算方法、工具経路生成方法、仮想スタイラス制御方法、及び、インプロセスで工具経路を生成しつつ良好な加工を継続できるフライス加工制御システムを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、フライス工具をモデル化した仮想スタイラスと加工形状をモデル化した仮想マスタモデルとを用いて、当該仮想スタイラスと仮想マスタモデルとの干渉量を所定の基準干渉量に維持するように工具経路を生成しつつ仮想倣い加工を行うに際して、前記仮想スタイラスが前記仮想マスタモデルに対して相対移動しながら辿る時系列点毎に、前記仮想スタイラスと前記仮想マスタモデルとの干渉量及び干渉の増減方向を求める干渉計算方法において、前記工具経路が平面内に生成されるものであり当該平面に平行な平面による前記仮想スタイラスの断面における当該仮想スタイラスの境界線と前記仮想マスタモデルの境界線との交点を求め、その交点の中から互いに最も離れた2点を抽出する2点抽出工程と、前記抽出した2点を結ぶ直線に垂直な方向を前記断面を形成する平面内において求め、その方向を干渉の増減方向とする方向決定工程と、前記仮想スタイラスの断面に含まれる仮想マスタモデルの断面の幅であって、前記工程により決定された干渉の増減方向における幅のうち最大の幅を干渉量現在値として求め、その干渉量現在値と前記基準干渉量との差分を求め、その差分の大きさ及び正負符号に基づいて干渉の増減量を決定する干渉量決定工程と、を備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の干渉計算方法において、前記仮想スタイラスの断面は、前記仮想倣い加工が走査線倣い加工の場合、前記仮想スタイラスの回転軸に平行な断面であり、前記仮想倣い加工が等高線倣い加工の場合、前記仮想スタイラスの回転軸に垂直な断面である。
請求項3の発明は、請求項1に記載の干渉計算方法において、前記断面を互いに平行に離間させて複数設定し、各断面において前記干渉量現在値を算出し、得られた干渉量現在値のうち最大のものを用いて前記干渉量決定工程の処理を行うものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の干渉計算方法において、前記仮想スタイラスが、前記フライス工具の外形寸法に荒加工用の削り残し代の寸法を追加した外形寸法によってモデル化されているものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の干渉計算方法を用いて工具経路を生成する工具経路生成方法であって、前記干渉量現在値が前記基準干渉量よりも大きい場合は前記仮想スタイラスが前記仮想マスタモデルから離れるように前記干渉の増減方向に沿って前記差分の大きさだけ移動した位置に工具経路の時系列点を設定し、前記干渉量現在値が前記基準干渉量よりも小さい場合は前記仮想スタイラスが前記仮想マスタモデルに近付くように前記干渉の増減方向に沿って前記差分の大きさだけ移動した位置に工具経路の時系列点を設定する工具経路生成方法である。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の干渉量計算方法を用いて前記仮想スタイラスの移動を制御する仮想スタイラス制御方法であって、前記仮想スタイラスは、前記2点抽出工程によって抽出された2点を結ぶ直線方向の速度である第1の速度と前記方向決定工程によって決定された干渉の増減方向の速度である第2の速度とを所定時間毎に設定され、これらの速度により移動制御され、前記第1の速度は、前記干渉量現在値から前記基準干渉量を差し引いた差分の絶対値が大きいほど小さくされ、前記第2の速度は、前記差分の増減に応じて増減され、当該第2の速度の正の方向は前記仮想スタイラスが前記仮想マスタモデルから離れる方向とされるものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の干渉量計算方法、又は請求項5に記載の工具経路生成方法を用いて工具経路を生成する経路生成手段を備え、前記経路生成手段によって生成された工具経路に基づいてフライス盤による加工を制御するフライス加工制御システムである。
請求項8の発明は、請求項6に記載の仮想スタイラス制御方法を用いて移動制御される仮想スタイラスの移動経路に基づいて工具経路を生成する経路生成手段を備え、前記経路生成手段によって生成された工具経路に基づいてフライス盤による加工を制御するフライス加工制御システムである。
請求項1の発明によれば、仮想スタイラスの断面における仮想スタイラスの境界線と仮想マスタモデルの境界線との交点を求めることにより干渉の増減方向を求めるので、角度走査を行って干渉量の極大値を求めるような多数回の計算が不要であり、より高速に干渉の増減方向を求めることができる。また、仮想スタイラスの断面に含まれる仮想マスタモデル断面の幅のうち、既に決定された方向について、干渉量現在値を求めるので、計算が容易であり、また、干渉量の合成などの処理が不要である。従って、仮想倣い加工において、より高速な干渉計算を実現できる。このような干渉計算に基づくことにより、インプロセスで工具経路を生成しつつ、より高速に良好なフライス加工を実現できる。
請求項2の発明によれば、倣い動作によるフライス加工における標準的な走査線加工と等高線加工に対応した干渉計算が可能である。
請求項3の発明によれば、干渉計算の精度を向上できる。
請求項4の発明によれば、無垢素材の加工から仕上げ加工の各段階において、効率的なフライス加工を実現する干渉計算が可能である。
請求項5の発明によれば、工具経路をインプロセスで効率よく生成できる。
請求項6の発明によれば、効率的に計算される干渉量を用いるので、仮想スタイラスの移動を効率良く制御できる。また、工具経路は、仮想スタイラスの移動経路に基づいて形成されるので、工具経路をインプロセスで効率よく生成できる。
請求項7の発明によれば、インプロセスで工具経路を生成しつつ、より高速に良好な加工を継続できるフライス加工制御システムを実現できる。
請求項8の発明によれば、インプロセスで工具経路を生成しつつ、より高速に良好な加工を継続できるフライス加工制御システムを実現できる。
以下、本発明の一実施形態に係る仮想倣い加工における干渉計算方法、工具経路生成方法、仮想スタイラス制御方法、及びフライス加工制御システムについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の仮想倣い加工における干渉計算方法及び工具経路生成方法の処理のフローチャートを示し、図2は、互いに干渉状態にある仮想スタイラスの断面10と仮想マスタモデル2の断面を示す。なお、背景技術の説明で示した、図16(a)(b)〜図21(a)(b)を適宜参照する。なお、本明細書において、仮想倣い加工とは、仮想倣い動作に基づいてフライス加工を行う加工のことである。
本発明の干渉計算方法は、フライス工具81をモデル化した仮想スタイラス1と加工形状80をモデル化した仮想マスタモデル2とを用いて仮想スタイラスと仮想マスタモデル2の干渉量εを所定の基準干渉量ε0に維持するように工具経路CLを生成しつつ仮想倣い加工を行うに際して、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2に対して相対移動しながら辿る時系列点毎に、仮想スタイラス1と仮想マスタモデル2の干渉量ε及び干渉の増減方向αを求めるものである。
本発明において、工具経路CLは、工具経路面3内に生成される(図16(a)(b)とその説明参照)。また、図2〜図7、図12、図13における断面10は、図の上方をz軸方向とした場合、走査線加工におけるボールエンドミルの先端部分を球で表したときの断面を示し、図の上方をy軸とし、紙面に垂直な方向をz軸とした場合、等高線加工におけるボールエンドミル、又はスクエアエンドミルの回転軸に垂直な面における断面を示す。
本発明の干渉計算方法は、以下に詳述するように、2点抽出工程(S1)と、方向決定工程(S2)と、干渉量決定工程(S3)と、を備え、本発明の工具経路生成方法は、前記干渉計算の結果に基づいて工具経路CLを生成する経路生成工程(S4)を備える。
まず、2点抽出工程(S1)では、上述の工具経路面3に平行な平面による仮想スタイラス1の断面10における仮想スタイラス1の境界線11と仮想マスタモデル2の境界線21との交点a,b等を求め、その交点a,b等の中から互いに最も離れた2点を抽出する。図2の例の場合、仮想スタイラス1の断面10の中心が点p1にあって、交点が2つあり、この2点a,bが、互いに最も離れた2点として抽出される。なお、3次元CADデータに基づいて仮想空間に形成される仮想マスタモデルは、ポリゴンデータのように平面による表面と直線による境界線を有するものの他、曲面による表面と曲線による境界線を有するものを用いることができる。例えば、IGES等のCADデータによる仮想マスタモデルを用いることができる。
方向決定工程(S2)では、上述の抽出した2点a,bを結ぶ直線(以下、参照線4)に垂直な方向を断面10を形成する平面内において求め、その方向を干渉の増減方向αとする。
干渉量決定工程(S3)では、仮想スタイラス1の断面10に含まれる仮想マスタモデル2の断面Aの幅であって、工程S2により決定された干渉の増減方向αにおける幅のうち最大の幅を干渉量現在値εとして求め、その干渉量現在値εと基準干渉量ε0(図20(a)(b)とその説明参照)との差分εd、εd=ε−ε0、を求め、その差分εdの大きさ及び正負符号に基づいて干渉の増減量を決定する。
最後の、仮想スタイラス移動制御工程(S4)では、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2に対して相対移動しながら辿る次の時系列点に移動する工程である。仮想スタイラス1は、ここで述べる方法によって、時系列を構成する次の点に移動した後、その移動先の点で、同様に、上述の工程S1〜S3、さらに工程S4が繰り返されることにより移動する。実用上は、仮想スタイラス1の移動に伴って、実際のフライス工具が、仮想スタイラス1の移動を再現するように、被加工材に対して相対移動することによりフライス加工が行われる。
仮想スタイラス1の移動は、2点抽出工程(S1)によって抽出された2点を結ぶ直線すなわち参照線4の方向の速度である第1の速度V1と、方向決定工程(S2)によって決定された干渉の増減方向αの方向の速度である第2の速度V2と、を設定して制御される。第1の速度V1は、干渉量現在値εから基準干渉量ε0を差し引いた差分εdの絶対値|εd|が大きいほど小さくされる。第2の速度V2は、差分εdの増減に応じて増減され、第2の速度V2の正の方向は、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2から離れる方向とされる。
このような速度設定による仮想スタイラス1の移動制御は、前述の、図20(a)(b)、図21(a)(b)を参照して説明した従来技術と通じるものである。すなわち、第1の速度V1が接線速度成分Vtに対応し、第2の速度V2が法線速度成分Vnに対応する。従って、例えば、前述の所定の一定速度Vc、所定の比例係数Gn,Gtを用いて、V1=Vc−Gt×|εd|,V2=Gn×εd、と設定することができる。仮想スタイラス1は、このように設定された速度に基づいて、所定の制御時間間隔Δtの間、仮想的に移動し、次の時系列点に至る。その後、上述のように各工程S1〜S4が繰り返される。時間間隔Δtは、例えば、数msecであり、この間に移動する距離は、例えば、1mm以下である。
図2の例において、基準干渉量ε0=0とすると、εd=ε−ε0>0であり、仮想スタイラス1の中心p1,p2間の距離が干渉量εの大きさである。点p2は、ここに中心を有する仮想スタイラス1(の断面10)が、仮想マスタモデル2との干渉を解消又は低減できる位置である。また、点p0は、図19(a)(b)に示した従来の干渉計算の方法で求めた干渉量とその方向に基づいて移動した断面10の中心点を表す。このように、点p0,p1が互いに充分近いことから、本発明の干渉計算方法が、従来方法の代替方法として有効なことが分かる。さらに、本発明の方法は、より高速に処理できるという利点を有する。
次に、本発明の干渉計算方法を適用する他の例を、図3〜図7を参照して説明する。図3は、仮想マスタモデルの表面境界線21に平行に、x方向に向かって仮想倣い動作中の仮想スタイラス1が、前方で仮想マスタモデル2との干渉が増大する状況を示し、図4(a)〜(d)は、図3に示した各仮想スタイラス1の断面10を個別に示す。断面10の中心位置が、点p1から点p4に移動するにつれて、交点a,bで定義される参照線4、及び参照線4によって定義される干渉の増減方向αが次第に傾斜していく。
図4(a)〜(d)の各図における点cから点dに向かうベクトルの大きさが干渉量現在値εであり、その値が、上述のように、基準干渉量ε0と比較され、差分εd、速度成分Vt,Vnが求められる。断面10の中心が点p2,p3,p4となる状態は、差分εdが正、εd>0、であり、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2から離れるように制御される。このような処理は、実際は、仮想スタイラス1の倣い動作中の各時点においてなされるので、断面10の中心が点p4の位置に至るような状況は、通常は発生しない。
また、図5は、仮想マスタモデルの表面境界線21に平行に、x方向に向かって仮想倣い動作中の仮想スタイラス1が、前方で仮想マスタモデル2との干渉が減少する状況を示し、図6(a)〜(d)は、図5に示した各仮想スタイラス1の断面10を個別に示す。断面10の中心位置が、点p1から点p4に移動するにつれて、交点a,bで定義される参照線4、及び参照線4によって定義される干渉の増減方向αが次第に傾斜していく。
断面10の中心が点p2,p3となる状態は、差分εdが負、εd<0、であり、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2により近づくように制御される。実際の処理では、仮想スタイラス1の倣い動作中の各時点において経路の補正がなされるので、断面10の中心が点p4の位置に至って、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2から離脱する状況は、通常は防止される。また、たとえ、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2から離脱したとしても、仮想倣い加工においては、仮想スタイラス1の位置座標が仮想倣い加工の制御システムによって把握できるので、このような異常状態による加工が行われる前に工具経路の補正が可能である。なお、仮想倣い加工と異なり、実在模型を用いる倣い加工では、スタイラスが模型から離れてしまったとき、このような補正は、通常、不可能である。
また、図7は、仮想マスタモデルの表面境界線21に平行に、x方向に向かって仮想倣い動作中の仮想スタイラス1と、前方で進行方向に垂直な表面境界線21を有する仮想マスタモデル2に対して、干渉が発生する状況を示す。断面10の中心が点p2となる状態では、断面10における仮想スタイラス1の境界線11と仮想マスタモデル2の境界線21との交点が4つ存在する。これらの交点の中から互いに最も離れた2点が抽出されて参照線4が定義されている。干渉量現在値εの値に基づく仮想スタイラス1の移動制御は、上述と同様であり、説明を省略する。
次に、図8(a)(b)を参照して、スクエアエンドミルを用いた走査線加工に対応する仮想倣い加工における干渉計算を説明する。図の上下方向がz軸方向であり、同時に、スクエアエンドミルの回転軸方向である。スクエアエンドミルを用いる走査線加工においても、仮想スタイラス1の断面10における仮想スタイラス1の境界線11と仮想マスタモデル2の境界線21との交点を求め、その交点の中から互いに最も離れた2点を抽出する。図8(a)(b)の例の場合、各仮想スタイラス1の断面10について、交点が2つあり、この2点a,bが、互いに最も離れた2点として抽出される。
また、図2と同様に、点a,bによって参照線4が定義され、参照線4に対して干渉の増減方向αが定義される。ここに示した例では、スクエアエンドミルの先端周縁部に対応する断面10の角部の点cから増減方向αの点dに向かうベクトルの大きさによって干渉量εの大きさが定義される。このようにして得られる干渉量現在値εの値に基づく仮想スタイラス1の移動制御は、上述と同様であり、説明を省略する。
次に、図9(a)(b)(c)を参照して、仮想スタイラス1の断面10を複数設けることについて説明する。ここに示した各図は、それぞれ、ボールエンドミルによる等高線倣い加工、ボールエンドミルによる走査線倣い加工、及び、スクエアエンドミルによる走査線倣い加工における仮想スタイラス1、及び干渉量を計算するための複数の断面10を示す。これらの断面10は、各仮想スタイラス1に対して、互いに平行に離間させて複数設定される。各断面10において干渉量現在値εを算出し、得られた干渉量現在値εのうち最大のものを用いて干渉量決定工程S3の処理が行われる。
上述の複数の断面10は、例えば、ボールエンドミルの先端の半球部分を50分割するように形成される。このように分割された複数の断面10等を用いることにより、加工寸法精度の良いフライス加工を実現することができる。
次に、図10(a)(b)を参照して、現実のスライス工具であるエンドミルと、仮想スタイラス1の関係について説明する。ここで説明する仮想スタイラス1は、フライス工具81の外形寸法に荒加工用の削り残し代δの寸法を追加した外形寸法によってモデル化されている。図10(a)はボールエンドミルに対応する仮想スタイラス1であり、図10(b)はスクエアエンドミルに対応する仮想スタイラス1である。このような仮想スタイラス1を用いることにより、無垢素材の加工から仕上げ加工の各段階において、効率的なフライス加工を実現する干渉計算が可能となる。
次に、図11、図12(a)(b)(c)を参照して、本発明の一実施形態に係る工具経路形成方法を説明する。図11は経路形成方法のフローチャートを示し、図12(a)は干渉計算に基づいて工具経路の点列を設定する方法を概念的に示し、図12(b)は仮想倣い動作における生成された工具経路の点列(ここでいう工具経路は、フライス工具をモデル化した仮想スタイラス1の断面10の中心点の点列)を示し、図12(c)は形成された工具経路に基づいてフライス加工を行う様子を概念的に示す。この経路形成方法において、まず、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2に対して相対移動しながら仮想倣い動作を行って辿る時系列点の初期位置が設定され、その初期位置で、干渉計算が行われる(S11)。以下において、一般性を損なうことなく、初期位置での処理の後に行われる反復処理の途中からの説明を行う。
上記の初期位置、又は、反復処理途中におけるある時系列点q(n)における干渉計算に基づいて、仮想スタイラス1の断面10を点q(n)の位置から、干渉に対する補正がなされた点p(n)に移動し、時系列点の位置を修正する(S12)。点p(n)の設定は次の様にして行う。すなわち、干渉量現在値εが基準干渉量ε0よりも大きい場合は、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2から離れるように干渉の増減方向αに沿って、差分εd、εd=ε−ε0、の大きさだけ移動した位置に時系列点p(n)を設定する。また、干渉量現在値εが基準干渉量ε0よりも小さい場合は、仮想スタイラス1が仮想マスタモデル2に近付くように干渉の増減方向αに沿って差分εdの大きさだけ移動した位置に時系列点p(n)を設定する。
例えば、図12(a)において、点q(n)にある断面10は、仮想マスタモデル2の表面20から基準干渉量ε0以上の干渉が発生している。そこで、断面10が、方向αに沿って移動した点p(n)に移動されている。
上述のように、干渉に対する所定の補正がなされた点p(n)を設定した後に次の点q(n+1)を設定して時系列点の位置が進められる(S13)。点q(n+1)の設定は、所定の設定方法によって定める位置、例えば、図12(a)に示すように、点p(n)とその前の点p(n−1)とを結ぶ直線の延長線上の所定距離の位置に設定される。従って、点p(n)から点q(n+1)に向かう矢印は、点p(n−1)から点p(n)に向かう矢印の延長線上に存在している。
そして、点q(n+1)で干渉計算を行い(S14)、その干渉計算に基づいて、点q(n+1)から点p(n+1)へと、位置の修正を行う(S15)。次に、カウンタnをインクリメントして(S16)、処理の終了如何の判断を行い(S17)、終了でなければ(S17でNo)、ステップS12に戻って、上記のステップを繰り返す。
上述のような処理によって決定された点p(n)の列が、図12(b)に示すように、仮想倣い動作における工具経路を形成する。実際のフライス加工を行うフライス工具に対する工具経路の点P(n)の列は、この仮想倣い動作における点p(n)に基づき、これに加工速度などの加工条件を加味して、図12(c)に示すように、決定される。そして、フライス工具81が点P(n)の列に沿って移動し、そのフライス工具81により被加工材82における所望の加工形状80が形成される。なお、点q(n),p(n),P(n)などは、倣い動作の処理の中で、すなわちインプロセスで、例えば、制御系の所定制御間隔毎に決定される。また、これらの点間の距離は、所定一定間隔としたり、一定速度と所定時間とで求まる距離としたり、加工条件に応じて変更したりすることができる。
次に、図13(a)(b)を参照して、上述のステップS13における、次の点q(n+1)を設定する方法の他の例を説明する。干渉に対する所定の補正がなされた点p(n)を設定した後、図13(a)に示すように、点q(n)における参照線4に平行な方向に、次の点q(n+1)を設定する。従って、点p(n)から点q(n+1)に向かう直線は、参照線4と平行であり、また、干渉の増減方向αに対して直交している。また、従って、この方法では、時系列点における1つ前の点p(n−1)は用いない。他の点は、上述の図12(a)について説明したものと同様である。このようにして設定された点p(n)の列が、図13(b)に示されている。
上述の図12(a)に示した点p(n−1)と点p(n)を結ぶ直線を延長した直線、及び、図13(a)に示した参照線4は、共に、仮想マスタモデル2の表面20の形状を近似するものと見做すことができる。そして、これらの何れの方法を用いても、得られる点p(n)の列によって、仮想スタイラス1と仮想マスタモデル2との干渉量εを所定の基準干渉量ε0に維持するように点p(n)の列、すなわち、工具経路を生成しつつ仮想倣い動作加工を実現することができる。また、上述したように、これらの点p(n)に基づいてフライス工具に対する工具経路の点P(n)の列が求められる。
次に、図14を参照して、本発明の一実施形態に係るフライス加工制御システム5を説明する。フライス加工制御システム5は、中央制御部50と、上述した本発明の干渉量計算方法や、工具経路生成方法及び/又は仮想スタイラス制御方法を用いて工具経路を生成する経路生成部51と、を備えて、フライス盤6による加工を制御する。中央制御部50は、外部からCADデータD1、及びフライス工具81のデータや被加工材82のデータを含む加工条件データD2を受け取り、これらのデータを経路生成部51に出力する。経路生成部51は、これらのデータに基づいて工具経路を生成し、中央制御部50に出力する。中央制御部50は、受け取った工具経路のデータを、フライス盤6の制御部であるNCコントローラ61に出力する。フライス盤6は、NCコントローラ61からの制御信号に基づいて、フライス工具81を動作させて被加工材82を加工する。
このようなフライス加工制御システム5によって実現される仮想倣い加工は、経路生成部51がインプロセスで生成する工具経路データに基づくリアルタイム制御によって行われる。従って、フライス加工の状況をモニタすることにより得られるNCコントローラからの情報や、別途設けた加工モニタ装置(不図示)からの情報、例えば、フライス工具81の破損や切削加工におけるビビリの発生などの情報に基づいてフィードバック制御を行うことができ、工具経路を動的に変更及び修正して、効率の良い確実なフライス加工を実現できる。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、本発明の干渉計算方法、工具経路生成方法、及び、仮想スタイラス制御方法は、フライス加工に限らず、旋削加工における倣い加工にも適用することができる。また、工具の種類もボールエンドミルやスクエアエンドミルに限らず、工具断面形状が定義できれば、テーパエンドミルやラジアスエンドミル(ブルノーズエンドミル)にも適用することができる。
本発明の一実施形態に係る仮想倣い加工における干渉計算及び工具経路生成方法。 同上計算方法を説明する仮想スタイラスと仮想マスタモデルの断面図。 同上計算方法を説明する仮想倣い動作中の仮想スタイラスと仮想マスタモデルの断面図。 (a)〜(d)は図3に示した各仮想スタイラスの断面図。 同上計算方法を他の例で説明する仮想倣い動作中の仮想スタイラスと仮想マスタモデルの断面図。 (a)〜(d)は図5に示した各仮想スタイラスの断面図。 同上計算方法をさらに他の例で説明する仮想倣い動作中の仮想スタイラスと仮想マスタモデルの断面図。 (a)(b)は同上計算方法を説明するスクエアエンドミルによる仮想倣い動作中の仮想スタイラスと仮想マスタモデルの断面図。 (a)は同上計算方法をボールエンドミルによる等高線倣い加工に適用する様子を示す仮想スタイラスの斜視図、(b)は同上計算方法をボールエンドミルによる走査線倣い加工に適用する様子を示す仮想スタイラスの斜視図、(c)は同上計算方法をスクエアエンドミルによる走査線倣い加工に適用する様子を示す仮想スタイラスの斜視図。 (a)(b)は同上計算方法において用いる仮想スタイラスの変形例を示す断面図。 本発明の一実施形態に係る仮想倣い加工における工具経路生成方法を説明するフローチャート。 (a)は同上工具経路生成方法を概念的に説明する断面図、(b)は同方法により生成された工具経路を概念的に説明する断面図、(c)は同方法により形成された工具経路に基づいてフライス加工を行う様子を概念的に説明する断面図。 (a)は同上工具経路生成方法の他の例を概念的に説明する断面図、(b)は同方法により形成された工具経路を概念的に説明する断面図。 本発明の一実施形態に係るフライス加工制御システムの概念説明図。 フライス加工と倣い加工と仮想倣い加工の相互関係を説明する概念図。 (a)従来及び本発明が適用される走査線方式の仮想倣い加工を説明する斜視図、(b)は同等高線方式の仮想倣い加工を説明する斜視図。 従来及び本発明が適用される走査線方式の仮想倣い加工における仮想スタイラスと仮想マスタモデルの干渉を説明する斜視図。 従来及び本発明が適用される等高線方式の仮想倣い加工における仮想スタイラスと仮想マスタモデルの干渉を説明する斜視図。 (a)は従来の干渉計算法を説明するための仮想スタイラスと仮想マスタモデルの断面図、(b)は同計算方法における干渉量の合成方法を説明するベクトル図。 (a)(b)は従来及び本発明が適用される仮想倣い加工における仮想スタイラスの速度制御を説明する断面図。 (a)は従来及び本発明が適用される仮想倣い加工における仮想スタイラスの法線方向速度と干渉量差分との関数関係を説明するグラフ、(b)は同接線方向速度と干渉量差分との関数関係を説明するグラフ。
符号の説明
1 仮想スタイラス
2 仮想マスタモデル
3 工具経路面
4 参照線
5 フライス加工システム
6 フライス盤
10 断面(仮想スタイラスの)
11 境界線(仮想スタイラスの)
20 表面(仮想マスタモデルの)
21 境界線(仮想マスタモデルの)
51 経路生成部
81 フライス工具
CL 工具経路
V1 第1の速度
V2 第2の速度
z1 回転軸(仮想スタイラスの)
α 増減方向(干渉の)
ε0 基準干渉量
ε,ε1,ε2 干渉量

Claims (8)

  1. フライス工具をモデル化した仮想スタイラスと加工形状をモデル化した仮想マスタモデルとを用いて、当該仮想スタイラスと仮想マスタモデルとの干渉量を所定の基準干渉量に維持するように工具経路を生成しつつ仮想倣い加工を行うに際して、前記仮想スタイラスが前記仮想マスタモデルに対して相対移動しながら辿る時系列点毎に、前記仮想スタイラスと前記仮想マスタモデルとの干渉量及び干渉の増減方向を求める干渉計算方法において、
    前記工具経路が平面内に生成されるものであり当該平面に平行な平面による前記仮想スタイラスの断面における当該仮想スタイラスの境界線と前記仮想マスタモデルの境界線との交点を求め、その交点の中から互いに最も離れた2点を抽出する2点抽出工程と、
    前記抽出した2点を結ぶ直線に垂直な方向を前記断面を形成する平面内において求め、その方向を干渉の増減方向とする方向決定工程と、
    前記仮想スタイラスの断面に含まれる仮想マスタモデルの断面の幅であって、前記工程により決定された干渉の増減方向における幅のうち最大の幅を干渉量現在値として求め、その干渉量現在値と前記基準干渉量との差分を求め、その差分の大きさ及び正負符号に基づいて干渉の増減量を決定する干渉量決定工程と、を備えることを特徴とする干渉計算方法。
  2. 前記仮想スタイラスの断面は、前記仮想倣い加工が走査線倣い加工の場合、前記仮想スタイラスの回転軸に平行な断面であり、前記仮想倣い加工が等高線倣い加工の場合、前記仮想スタイラスの回転軸に垂直な断面であることを特徴とする請求項1に記載の干渉計算方法。
  3. 前記断面を互いに平行に離間させて複数設定し、各断面において前記干渉量現在値を算出し、得られた干渉量現在値のうち最大のものを用いて前記干渉量決定工程の処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の干渉計算方法。
  4. 前記仮想スタイラスが、前記フライス工具の外形寸法に荒加工用の削り残し代の寸法を追加した外形寸法によってモデル化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の干渉計算方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の干渉計算方法を用いて工具経路を生成する工具経路生成方法であって、
    前記干渉量現在値が前記基準干渉量よりも大きい場合は前記仮想スタイラスが前記仮想マスタモデルから離れるように前記干渉の増減方向に沿って前記差分の大きさだけ移動した位置に工具経路の時系列点を設定し、前記干渉量現在値が前記基準干渉量よりも小さい場合は前記仮想スタイラスが前記仮想マスタモデルに近付くように前記干渉の増減方向に沿って前記差分の大きさだけ移動した位置に工具経路の時系列点を設定することを特徴とする工具経路生成方法。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の干渉計算方法を用いて前記仮想スタイラスの移動を制御する仮想スタイラス制御方法であって、
    前記仮想スタイラスは、前記2点抽出工程によって抽出された2点を結ぶ直線方向の速度である第1の速度と前記方向決定工程によって決定された干渉の増減方向の速度である第2の速度とを所定時間毎に設定され、これらの速度により移動制御され、
    前記第1の速度は、前記干渉量現在値から前記基準干渉量を差し引いた差分の絶対値が大きいほど小さくされ、前記第2の速度は、前記差分の増減に応じて増減され、当該第2の速度の正の方向は前記仮想スタイラスが前記仮想マスタモデルから離れる方向とされることを特徴とする仮想スタイラス制御方法。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の干渉量計算方法、又は請求項5に記載の工具経路生成方法を用いて工具経路を生成する経路生成手段を備え、前記経路生成手段によって生成された工具経路に基づいてフライス盤による加工を制御することを特徴とするフライス加工制御システム。
  8. 請求項6に記載の仮想スタイラス制御方法を用いて移動制御される仮想スタイラスの移動経路に基づいて工具経路を生成する経路生成手段を備え、前記経路生成手段によって生成された工具経路に基づいてフライス盤による加工を制御することを特徴とするフライス加工制御システム。
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