JP6320445B2 - 加湿器、空気調和機および室内空間制御システム - Google Patents

加湿器、空気調和機および室内空間制御システム Download PDF

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Description

本発明は、蒸気を発生する蒸気発生部と蒸気発生部で発生した水蒸気を外部に吹き出す蒸気吹出部とを備えた加湿器、空気調和機および室内空間制御システムに関する。
特許文献1には、複数の気流発生機器の特徴情報を利用して複数の気流発生機器の各々を動作させて室内の気流制御を行う連携気流制御装置が開示されている。
特開2011−52888号公報
しかしながら特許文献1に開示される連携気流制御装置は、室内に設置された気流発生器の位置情報および特徴情報を検知しながら各機器が発生する気流を連携制御して、室内全体の環境を制御するものであり、室内全体の環境を制御しつつも、室内の特定箇所の環境制御を行うものではない。具体的には、室内に就寝者がいる場合、気流制御により就寝者が存在する室内全体の環境を好適な状態にした場合でも、就寝者を通過する気流速度によっては中途覚醒を誘引することがある。このような場合、室内全体の環境制御に加え、室内の特定箇所の領域に好適な環境制御を行うことが望ましい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、使用者の快適性を向上させることができる加湿器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加湿器は、室内の温度、湿度および風速の少なくとも1つを制御する加湿器であって、気流を搬送する送風部と、加湿器に設置され、加湿器が設置される周辺の気流の風速および風向の少なくとも1つを検知する気流検知部と、加湿器が存在する室内に設けられる空気調和機の室内機に設置され、室内における加湿器の設置位置を報知する位置情報検知部とを備え、気流検知部および位置情報検知部の少なくとも一方で検知された情報を用いて気流の温度、湿度および風速の少なくとも1つを調整する。
本発明によれば、使用者の快適性を向上させることができるという効果を奏する。
実施の形態1に係る室内空間制御システムを示す図 図1に示す加湿器の内観側面図 図1に示す加湿器の本体部の斜視図 図1に示す加湿器のカバーの内観側面図 図4に示すカバーの外観斜視図 図1に示す室内機の斜視外観図 実施の形態1に係る室内空間制御システムの動作を示すフローチャート 空気調和機の動作を説明するための第1の図 空気調和機の動作を説明するための第2の図 空気調和機による風向および風量の制御動作を示すフローチャート 実施の形態2に係る室内空間制御システムを示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る加湿器、空気調和機および室内空間制御システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る室内空間制御システムを示す図である。図2は図1に示す加湿器の内観側面図である。図3は図1に示す加湿器の本体部の斜視図である。図4は図1に示す加湿器のカバーの内観側面図である。図5は図4に示すカバーの外観斜視図である。図6は図1に示す室内機の斜視外観図である。
図1から図6を用いて実施の形態1に係る室内空間制御システム1−1の構成を説明する。
図1には、使用者30が就寝する寝室に適用される室内空間制御システム1−1が示される。室内空間制御システム1−1は、室内全体の環境制御を行う空気調和機2と、温度、湿度および風速の少なくとも1つが制御された気流を搬送する送風部50を有する加湿器3とを備える。図1には使用者30が就寝するためのベッドまたは布団といった寝具40が示される。図1には加湿器3、空気調和機2および寝具40を寝室の上側から見た状態が示される。
加湿器3は発生する蒸気を使用者30の顔30aの周囲に供給可能な位置に配置される。加湿器3は就寝中の使用者30の顔30a周辺の特定箇所の温湿度および風速を制御するように構成される。例えば冬季において湿度が30%未満の乾燥環境下においても、湿度が60%前後の風が使用者30の顔30a周辺へ搬送されることで、顔30aの乾燥を抑制でき、就寝時の快適性を向上することができる。
図2に示すように加湿器3は、給水タンク4と、給水タンク4から送られた水を貯める貯水部5と、貯水部5の底部に配置される加熱部6と、ファン気流Bを発生するファン7と、ファン7を駆動する電動機8とを備える。また加湿器3は、加熱部6およびファン7の上側に配置される連通路9と、吹出方向可変部10と、吹出方向可変部10に設けられる第1の吹出口11とを備える。また加湿器3は、第1の吹出口11の上側に配置される第2の吹出口12と、少なくとも吹出方向可変部10の動作を制御する制御部13と、カバー14とを備える。
ファン気流Bは、ファン7の回転により発生する気流であり、連通路9で二手に分岐されている。混合気流Cは、連通路9で分岐された空気の内、加熱された蒸気Aを含む気流である。以下では混合気流Cを加湿空気と称する場合がある。
吹出方向可変部10は、連通路9の上側において連通路9と連通するように配置される。第1の吹出口11は、吹出方向可変部10の前側に配置され、吹出方向可変部10に供給された混合気流Cを外部に吹き出す。第2の吹出口12は、第1の吹出口11の上側に配置され、ファン気流Bを外部に吹き出す。
図1に示す貯水部5、加熱部6、ファン7、第1の吹出口11、吹出方向可変部10、電動機8および制御部13は、加湿器3の本体部16を構成する。給水タンク4、貯水部5および加熱部6は、加湿器3の蒸気発生部17を構成する。ファン7、電動機8、連通路9、吹出方向可変部10および第1の吹出口11は、加湿器3の蒸気吹出部18を構成する。
図3に示すように本体部16は、本体部16の正面に配置される設定ボタン20と、本体部16の正面に配置される表示部21とを有する。図3では1つの設定ボタン20が例示されるが、設定ボタン20の数は複数でもよい。設定ボタン20の種類としては、加湿器3の動作開始または動作停止を行うための電源投入ボタン、または加湿器3の運転時間を使用者30が設定するための設定ボタンが挙げられる。表示部21は、加湿器3の運転状態を表すものである。表示例としては、設定ボタン20が押されたときの加湿器3の動作状態、または使用者30が設定した時間に対する残りの運転時間である。
図4に示すようにカバー14は、カバーケース15と、カバーケース15の内側に設けられる連通路9と、連通路9の端部に形成される第2の吹出口12とを有する。カバー14は、図3に示す本体部16の上側から装着される。カバー14を本体部16に装着することにより、貯水部5で加熱された加湿空気の上昇を抑える気流であるファン気流Bを、第2の吹出口12へ搬送するための経路が形成される。
このように構成された加湿器3は、使用者30の顔30aの周辺の温度、湿度および風速の少なくとも一つを制御する。この制御は制御部13により行われる。加湿器3の動作例を説明する。使用者30が設定ボタン20を押すことにより加湿器3の運転が開始され、給水タンク4に貯留された水が貯水部5へ送られ、貯水部5に設けられる加熱部6により水が熱せられて蒸気Aが発生する。ファン7の回転により発生したファン気流Bの空気は連通路9で二手に分岐する。分岐した一方の空気は蒸気Aと混合され、混合気流Cとして第1の吹出口11へ送られる。分岐した他方の空気は第2の吹出口12へ送られる。
第2の吹出口12が第1の吹出口11の上側に設けられているため、第2の吹出口12から吹き出されるファン気流Bが第1の吹出口11から吹き出される混合気流Cを抑え込むように作用する。これにより第1の吹出口11から吹き出された混合気流Cは、第1の吹出口11から一定距離離れた位置に向けて効率よく搬送される。
なお第1の吹出口11は高温の蒸気が吹き出す、第1の吹出口11の内部における高温の蒸気に指が直接接触しないようにするため、第1の吹出口11に格子状の構造体を設置してもよい。
なお加湿器3では、加湿空気を吹き出す方向および範囲の何れかを、使用者30が任意に設定することが可能である。その一例を説明すると、吹出方向可変部10は、図示しない電動機およびリンク機構といった駆動機構により、図3に示す水平方向Dに首振り動作をするように駆動される。この動作により、加湿空気の搬送先の領域を拡大できる。この場合、第2の吹出口12は、第1の吹出口11と連動して第1の吹出口11と同じ方向に動作するように構成してもよい。
加湿空気の吹き出し方向および範囲を変更可能に構成することにより、加湿空気の吹き出し方向および範囲が変更できない場合に比べて、加湿空気の吹き出される範囲が拡大し、加湿空気が第1の吹出口11から一定距離離れた位置まで効率よく搬送される。
また加湿器3は以下のように構成してもよい。
(1)第1の吹出口11および第2の吹出口12のそれぞれの内部に図示しない板状の風向板を設ける。そして風向板を制御部13による制御で水平方向Dに首振り動作させることで、加湿空気の搬送方向および搬送範囲を調整してもよい。
(2)第1の吹出口11の開口面積と第2の吹出口12の開口面積とを、使用者30の設定に応じて広げる構造としてもよい。この場合、第1の吹出口11の開口部と第2の吹出口12の開口部にはそれぞれ開口面積を可変する可変機構を備え、可変機構が制御部13により制御されることで実現される。
(3)ファン7の回転数と加熱部6の加熱量とを高めることにより、蒸気Aの発生量とファン気流Bの風量とを大きくし、加湿空気の搬送量を大きくすることで、加湿空気の搬送範囲を広げる構造としてもよい。
(4)上記(1)から(3)の構成を組み合わせることにより加湿空気の搬送量、搬送速度および搬送方向を変化させ、かつ、加湿空気の搬送範囲を広げる構造としてもよい。
上記(1)から(4)の構成における動作を使用者30の設定により変更する場合には、設定ボタン20から出力される設定変更情報が制御部13に入力され、制御部13による電気的な制御により上記(1)から(4)の動作が実現される。
制御部13により上記(1)に示す風向板の向きが変更され、制御部13により上記(2)に示す第1の吹出口11の開口面積と第2の吹出口12の開口面積とが変更され、制御部13により上記(3)に示すファン7の回転数と加熱部6の加熱量とが変更される。
また加湿器3は、貯水部5内の水を加熱せずに蒸気を含まない送風運転を行うように構成してもよい。また加湿器3は、第1の吹出口11および第2の吹出口12内に風向板を設けて、風向板の傾きを制御することにより蒸気の搬送方向と搬送範囲を調整してもよい。また加湿器3は、第1の吹出口11および第2の吹出口12の開口面積を使用者30の設定に応じて可変する構造としてもよい。上記で示した手法の組み合わせによって、蒸気の搬送量、蒸気の搬送速度、および蒸気の搬送方向を変更することにより、温度および湿度の制御範囲を可変できる。使用者30の設定によりこれらの構造を変化させるためには、使用者30の設定を入力した制御部13が適切な信号処理を行い、制御部13による電気的な制御で実現される。
また加湿器3は、図5に示すように、室内の気流を検知する気流検知部23を備え、気流検知部23は加湿器3が設置される周辺の気流の風速および風向の少なくとも1つを検知する。風速検知の方法は、抵抗温度計数の大きい白金を代表とする金属を用いて温度降下により風速を検知する熱式と、超音波素子を用いて超音波送受信部間のパルス伝搬時間の変化による風速を検知する超音波式とを例示できる。超音波式は風向検出にも適用可能な方式である。気流検知部23は、加湿器3に少なくとも1つ以上設けられ、加湿器3の天面に設置される。なお、気流検知部23の風速検知方法および設置位置についてはこの限りでない。
また加湿器3は、図5に示すように、室内における加湿器3の設置位置を報知するための位置情報検知部24を備える。位置情報検知部24は、室内に設置された他の機器に対して加湿器3の設置位置を検知し、位置を示す位置情報を送信するものであればよい。位置検知の方法は、赤外線素子または超音波素子を利用して加湿器3と空間との距離を測定し位置情報を送信する手法と、イメージセンサを使用して室内画像を撮影し、室内画像から室内空間における加湿器3の相対的な位置を推定して位置情報として送信する方法と、発光ユニットを内蔵した位置情報報知と、複数の気流発生機器間に、機器の情報を登録したモジュールを予め組み込み、相互に無線通信で位置報知を送受信する方法とを例示できる。また、加湿器3は図5に示すように、サーミスタ等を用い、室内の温度を検知する室温検知部を備える構成としてもよい。
空気調和機2は、使用者30が室内の温度を設定できるリモコンを用いて室内温度を設定することにより、空気調和機2内の温度検知手段により室内温度を検知しながら、冷房、送風、除湿または暖房を行い、室内の温湿度を制御する。また空気調和機2は送風手段を備える。図6には送風手段を構成する風向板2aが示される。空気調和機2は風向板2aを少なくとも1つ備える。風向板2aは、室内の温湿度を制御するために送風される風Qの風向を、水平方向および垂直方向に制御するためのものである。風向板2aが複数である場合、各風向板2aはそれぞれが独立に制御可能であり、リモコンおよび温度検知手段から送信された信号により、風向および風量を可変できる。
また空気調和機2は、室内に設置された他機器の位置を検知する位置情報検知部2bを備える。位置情報検知部2bは、室内に設置されている気流発生機器である加湿器3の位置を検出するものであればよい。位置情報検知部2bとしては、イメージセンサにより室内の画像から、気流発生機器の位置を検出する方法と、室内に設置される気流発生機器に備えられる光源または気流発生機器から発する熱を検知して位置を特定する手段と、超音波を照射して反射までの伝搬時間の変化による方法と、複数の気流発生機器間に、機器の情報を登録したモジュールを予め組み込み、相互に無線通信で位置情報を送受信する方法とを例示できる。位置情報検知部2bは、駆動部およびセンサ部から構成され、駆動部がセンサ部を水平方向および鉛直方向に動かせる構造となっており、駆動部の制御によって室内全体にわたって気流発生機器の位置を検出できる構成としてよい。
また位置情報検知部2bが備えるセンサ部は、物体から放射される赤外線量を、異種の金属が接合された複数の受光部が受信し、ゼーベック効果による異種金属間の温度差による起電力を演算回路で処理することにより、測定領域の表面温度を計測するサーモパイル方式を用いる。サーモパイル方式を用いることにより、室内の温度検知機能と人検知機能とを兼ねてもよい。人検知機能は、室内の人の有無と、大人または子供の属性と、人の温度分布とを検知する機能である。
また位置情報検知部2bは、センサ部が備える受光部の外側に、赤外線通過領域の光を通過するフィルタを設けることにより、可視光を遮断することで太陽光または浴室の水分による、測定温度への影響を低減する構成であってもよい。
また位置情報検知部2bのセンサ部は、スキャニングにより複数の熱画像を取得することで、背景との温度差から人体の存在有無と、肌の露出部と、非露出部とを解析して、人の動きを検知する機能を備えてもよく、体感温度を検知する体感温度センサとして機能するものでもよい。この場合、肌が露出している人体ほど検出しやすい。また画素数が多くなるほど検出精度が高い。この場合、位置情報検知部2bにより、人体の位置から空気調和機2までの距離と、部屋内の人体の位置を把握可能になる。肌露出位置により人体の部位を検出することも可能である。また空気調和機2は、位置情報検知部2bのセンサ部で検知される情報を経時的に測定することにより、室内の人に対する空気調和機2の位置関係と、就寝中の使用者30に発生する寝返りを含む体動とを検知することができる。なお位置情報検知部2bによる、距離、部位、体動および体温を検知する手段はこの限りでない。
次に図7から図10を用いて、実施の形態1に係る室内空間制御システム1−1の動作を説明する。
図7は実施の形態1に係る室内空間制御システムの動作を示すフローチャートである。使用者30が加湿器3または空気調和機2内に設定される機器連携モードを選択して室内空間制御システム1−1の稼働を行うと、加湿器3は、室内における加湿器3の設置位置を検知する(S1)。
検知された位置情報は、位置情報報知手段によって空気調和機2へ送信され、位置情報を受信した空気調和機2は、位置情報検知部2bによって室内に設置される加湿器3の位置を特定する。さらに空気調和機2は風量および風向の制御、すなわち部屋全体の温湿度制御を行う(S2)。
加湿器3の位置を特定した後、加湿器3は風量および風向の制御、すなわち就寝者の顔周辺の温湿度制御を行う(S3)。
加湿器3および空気調和機2が動作している状態では、加湿器3に備えられる気流検知部23が、加湿器3周辺に流れる気流を特定の間隔で計測する。加湿器3および空気調和機2の各機器で測定される気流、温度および湿度の各データは、他機器との間で通信できる通信手段を用い、他機器から取得されるデータによって、機器制御可能な構成であることが望ましい。
加湿器3および空気調和機2による室内空間環境制御が動作している状態にて、加湿器3に備えられる気流検知部23は、検知される風速w1が予め設定された風速値W2を超えたか否かを判断する(S4)。風速値W2は0.1m/sを例示できる。
風速w1が風速値W2未満である場合(S4,No)、室内空間制御システム1−1はS2の処理を繰り返す。
風速w1が風速値W2を超えた場合(S4,Yes)、風速w1の値を示す風速データが空気調和機2へ送信され、風速データを受信した空気調和機2は、風速w1が風速値W2以下になるように風向および風量の制御を行う(S5)。
この制御により、加湿器3から顔周辺へ送られる蒸気が、空気調和機2から送られる風によって乱されることを抑制でき、就寝者の顔周辺に形成される制御環境を維持することができる。
以下に空気調和機2による風向および風量の制御例を説明する。
図8は空気調和機の動作を説明するための第1の図である。図9は空気調和機の動作を説明するための第2の図である。図10は空気調和機による風向および風量の制御動作を示すフローチャートである。
風速w1が風速値W2を超えた場合、空気調和機2は、水平方向への風向きを調整する風向板2aの向きを変えることにより、図8に示すように風向を変化させる(S51)。図8では、加湿器3付近の気流を抑制するために、空気調和機2は風向きを加湿器3から遠ざけるように変化させている。
水平方向への風向きを調整する風向板2aの向きを変化させた後においても風速w1が風速値W2を超えている場合(S52,Yes)、空気調和機2は、垂直方向への風向きを調整する風向板2aの向きを変化させる(S53)。図9では、加湿器3付近の気流を抑制するために、空気調和機2は風向きを加湿器3から遠ざけるように変化させている。
S52およびS53の制御により、空気調和機2からの気流を加湿器3から遠ざけることができ、加湿器3から搬送される気流のかく乱を抑制できる。
垂直方向への風向きを調整する風向板2aの向きを変化させた後においても風速w1が風速値W2を超えている場合(S54,Yes)、空気調和機2は風量を低下させる(S55)。
S52において風速w1が風速値W2未満である場合(S52,No)、S54において風速w1が風速値W2未満である場合(S54,No)、または風量を低下させた場合(S55)、室内空間制御システム1−1は、図7のS1以降の処理を繰り返す。
なお空気調和機2による風向、風量制御については、リモコンに設定された、空気調和機2の設定環境によって異なる制御仕様としてもよい。例えば、夏季にて空気調和機2を冷房として使用する場合、冷気は室内の下方に移動するため、垂直方向への風向きを調整する風向板2aを上向きに制御し、気流検知部23からの信号を検知しつつ、水平方向への風向きを調整する風向板2aおよび風量を、室内全体の冷却に効率のよい条件としてもよい。
また例えば、冬季で暖房を使用する場合、暖気は室内を上方に移動するため、空気調和機2は、気流を加湿器3から退けるように、水平方向への風向きを調整する風向板2aを制御し、気流検知部23で検知される風速w1が風速値W2未満のとき、垂直方向への風向きを調整する風向板2aを下側に向けるように制御してもよい。このように風向板2aの垂直方向と風量は、室内全体の昇温に効果的な条件となるように制御してもよい。
また加湿器3から搬送される蒸気の方向に対して、空気調和機2から送風される気流の方向を気流検知部23によって検知することにより、空気調和機2および加湿器3を制御してもよい。室内空間制御システム1−1では、加湿器3の蒸気搬送方向と、空気調和機2の送風方向との位置関係を把握することができる。例えば蒸気搬送方向と、空気調和機2の送風方向が対面する関係になることにより、空気調和機2の制御を実施したあとでも、好適な温湿度領域が乱される場合には、加湿器3は、ファンの回転を増加させることにより加湿器3から吹き出される蒸気の搬送量を増加させ、または蒸気の搬送角度を変更するといった制御を行う。これにより室内の特定箇所における環境を維持してもよい。
また、上記室内空間制御システム1−1は、加湿器3に備えられる室温検知部25で受信される測定値をもとに、空気調和器2の制御を行ってもよい。就寝中に生じる中途覚醒の発生要因の1つとして、寝室温度の急激な温度変化があり、就寝中の温度変化を室温検知部25で検知し、所定時間での室温温度差が一定値以上を計測した場合、空気調和機2内に対応する信号を送信し、空気調和機内部のファン、圧縮機制御(図示せず)より、室温の急激な変化を抑制する制御にて空気調和機を動作する形態であってよい。
また上記室内空間制御システム1−1は寝室における睡眠のみに適用するものに限らず、例えばリビングまたはオフィスのデスクで作業中の人、介護施設にいる人、病院にいる患者、および介護施設にいる介護者にも適用可能である。
実施の形態2.
図11は実施の形態2に係る室内空間制御システムを示す図である。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。実施の形態1との相違点は、実施の形態1の構成に加えて、生体情報検知部26を備えることである。
加湿器3、空気調和機2および生体情報検知部26は、図示しない配線で相互に接続され、各機器に備えられる通信手段により、互いに信号の授受を行うことができる。また加湿器3、空気調和機2および生体情報検知部26は、それぞれが他機器から送信される電気信号を受信する受信部を備える。また加湿器3、空気調和機2および生体情報検知部26は、それぞれが他機器から送信される信号を処理し、使用者30の所望の動作を行うための信号を送信する制御部を備える。
また使用者30が加湿器3、空気調和機2および生体情報検知部26の設定を行う際には、携帯可能な電気機器の操作部の操作により、加湿器3、空気調和機2および生体情報検知部26を制御可能な構成にしてもよい。この場合、加湿器3、空気調和機2および生体情報検知部26の情報を操作部へ予め登録し、使用者が操作部を介してこれらの機器に所望の動作を設定することにより、他機器が連携して動作する構成としてよい。
また生体情報検知部26は、寝具40内に設置されるものに限定されず、携帯電話およびタブレット端末といった電子機器、加湿器3または空気調和機2に組み込まれる生体情報検知機能を実行することによって実現してもよい。
生体情報検知部26は、就寝中の使用者30の心拍、血圧、体動、発汗および脳波といった生体データの少なくとも1つを取得するセンサである。心拍および体動は、生体情報検知部26に設けられる圧力センサで検知できる。圧力センサは寝具40内に設置されるセンサである。心拍は、心拍情報を特定の解析プログラムで分析することにより、リラックス状態を示す副交感神経の状態を抽出でき、睡眠状態を検知する指標とすることができる。脳波は、生体情報検知部26に設けられる脳波検知部で検知できる。脳波検知部は寝具40に備えられる枕に内蔵される。脳波検知部は、就寝中の使用者30のα波およびδ波といった脳波を検知して、睡眠状態を検知する指標とする。
次に実施の形態2に係る室内空間制御システム1−2の動作を説明する。
空気調和機2を操作するリモコン、加湿器3内の設定ボタン、または電子機器によって、使用者30が所望の動作を設定すると、加湿器3は室内における加湿器3の位置を検知し、空気調和機2は加湿器3から搬送される気流のかく乱を抑制しながら、室内全体を設定された環境になるよう空調を制御する。また生体情報検知部26により、就寝中の人の体温、体動、心拍、または脳波のモニタリングが実施される。
睡眠時の就寝者の生体情報と睡眠状態の関係について、就寝者の体動の大きさと回数が増えると、覚醒状態となっていることがある。圧力センサで就寝者の体動をモニタリングすることにより、睡眠状態を推定することができる。睡眠の途中で覚醒状態が発生する、いわゆる中途覚醒発生の原因は様々であるが、室内の温度も原因としてあげられる。このとき、機器で得られた生体情報による使用者30の睡眠中または覚醒状態といった睡眠状態の推定と判断は、各測定機器内に睡眠状態を判断するプログラムにより実現される。また睡眠状態の推定と判断は、サーバーのような別機器に情報を送信し、分析結果を各機器へ送信することでも可能である。
上記の構成により、生体情報検知部26で検知される生体情報の内、中途覚醒状態と推定できる生体情報が検知された場合、生体情報検知部26は、当該情報を加湿器3または空気調和機2に送信し、信号を受信した加湿器3または空気調和機2が中途覚醒を抑制するための所望の制御を行う。
ここで制御内容に関しては、予め生体情報に対する各機器の制御に関するプログラムが機器内に組み込まれる形態であってよい。制御としては、空気調和機2であれば例えば使用者30の体動および心拍の数値が、中途覚醒と推定される値になった場合、冷房運転下では冷え過ぎ防止のため、室内の冷却を弱め、または室内の冷却を一定時間中止し、室温を使用者30が設定した温度より高く維持する。また暖房運転下では、温めすぎの抑制が行われる。加湿器3に関しては、中途覚醒要因として、風速および温湿度があるため、生体情報検知部26が中途覚醒状態と推定される値を検知した場合、風速を抑えたり、蒸気搬送を中止して送風を行う制御を行う。
ここで、使用者30が設定した室内空間制御が稼働している際に、中途覚醒状態を検知した場合における、就寝者の快適性向上のための制御内容は、予め各機器にプログラムされている形態であってよい。また、加湿器3、空気調和機2は、前回使用者30が設定した室内空間制御設定を記憶する機能を備えてもよく、室内環境と睡眠状態のデータを積み重ねることで、使用者に適切な室内環境を分析し、使用者30がリモコンで就寝時の室内環境を設定する際、推奨設定として表示する形態であってもよい。
また実施の形態2においては、室内の特性範囲の環境制御として加湿器3のみならず、空気清浄機、照明機器および音響機器といった機器とも連携動作をする形態であってもよい。空気清浄機に関しては、生体情報検知部26により、就寝中に使用者30が寝返り、または咳を発した時の体動を検知した場合、空気清浄器が作動し、室内に浮遊しまたは沈降する花粉といった粒子を補足して、空気清浄を行う制御をしてもよい。照明機器に関しては、就寝および起床に好適な照明の明るさおよび色が各機器にプログラムされており、使用者30が就寝開始を始める設定ボタンを押下すると、所望の制御を行う形態であってもよい。音響機器に関しては、就寝および起床に好適な音響が各機器にプログラムされており、使用者30が就寝開始を始める設定ボタンを押下すると、所望の制御を行う形態であってもよい。
空清清浄器、照明機器、および音響機器といった室内に設置される機器は、位置情報報知手段を備えると共に、位置情報報知手段により、室内における設置位置を他機器へ報知する機能を備えてもよく、設置位置を特定した状態で他機器が連動して所望の制御を行う形態であってもよい。また室内に設置した機器については、単体として動作してもよく、1つ以上の機器が連動して所望の制御を行う形態であってもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1−1,1−2 室内空間制御システム、2 空気調和機、2a 風向板、2b 位置情報検知部、3 加湿器、4 給水タンク、5 貯水部、6 加熱部、7 ファン、8 電動機、9 連通路、10 吹出方向可変部、11 第1の吹出口、12 第2の吹出口、13 制御部、14 カバー、15 カバーケース、16 本体部、17 蒸気発生部、18 蒸気吹出部、20 設定ボタン、21 表示部、23 気流検知部、24 位置情報検知部、25 室温検知部、26 生体情報検知部、30 使用者、30a 顔、40 寝具、50 送風部。

Claims (10)

  1. 室内の温度、湿度および風速の少なくとも1つを制御する加湿器であって、
    気流を搬送する送風部と、
    前記加湿器に設置され、前記加湿器が設置される周辺の気流の風速および風向の少なくとも1つを検知する気流検知部と、
    前記加湿器が存在する前記室内に設けられる空気調和機の室内機に設置され、前記室内における前記加湿器の設置位置を検知する位置情報検知部と
    を備え、
    前記気流検知部および前記位置情報検知部の少なくとも一方で検知された情報を用いて前記気流の温度、湿度および風速の少なくとも1つを調整する加湿器。
  2. 請求項1に記載の加湿器が備える前記位置情報検知部で検知された情報を用いて、前記送風部による送風方向および送風速度の少なくとも1つを制御する空気調和機。
  3. 請求項1に記載の加湿器と請求項2に記載の空気調和機とを備え、前記位置情報検知部で検知された情報を用いて前記加湿器の位置を特定して前記空気調和機を制御する室内空間制御システム。
  4. 前記気流検知部で検知される風速が設定値を超えたとき、前記風速が前記設定値未満となるように前記空気調和機の送風方向および送風速度の少なくとも1つを制御する請求項3に記載の室内空間制御システム。
  5. 前記気流検知部で検知される風速が設定値を超えたとき、前記風速が前記設定値未満となるように前記加湿器の送風方向および送風速度の少なくとも1つを制御する請求項3または請求項4に記載の室内空間制御システム。
  6. 人の生体情報を検知する生体情報検知部を備え、
    前記生体情報検知部で検知される生体情報に基づき前記加湿器および前記空気調和機を制御する請求項3から請求項5の何れか一項に記載の室内空間制御システム。
  7. 前記空気調和機は、冷房運転または暖房運転に連携させて送風方向を変化させる請求項3から請求項6の何れか一項に記載の室内空間制御システム。
  8. 空気清浄機、照明機器および音響機器の少なくとも1つの機器と連携し、室内空間を制御する請求項3から請求項7の何れか一項に記載の室内空間制御システム。
  9. 気流を搬送する送風部と、
    加湿器が設置される周辺の気流の風速および風向の少なくとも1つを検知する気流検知部と、室内における前記加湿器の設置位置を検知する位置情報検知部とを備え、前記気流検知部および前記位置情報検知部の少なくとも一方で検知された情報を用いて前記気流の温度、湿度および風速の少なくとも1つを調整する加湿器と、
    前記位置情報検知部で検知された情報を用いて、前記送風部による送風方向および送風速度の少なくとも1つを制御する空気調和機と
    を備え、
    前記位置情報検知部で検知された情報を用いて前記加湿器の位置を特定して前記空気調和機を制御し、
    前記気流検知部で検知される風速が設定値を超えたとき、前記風速が前記設定値未満となるように前記空気調和機の送風方向および送風速度の少なくとも1つを制御する室内空間制御システム。
  10. 気流を搬送する送風部と、
    加湿器が設置される周辺の気流の風速および風向の少なくとも1つを検知する気流検知部と、室内における前記加湿器の設置位置を検知する位置情報検知部とを備え、前記気流検知部および前記位置情報検知部の少なくとも一方で検知された情報を用いて前記気流の温度、湿度および風速の少なくとも1つを調整する加湿器と、
    前記位置情報検知部で検知された情報を用いて、前記送風部による送風方向および送風速度の少なくとも1つを制御する空気調和機と
    を備え、
    前記位置情報検知部で検知された情報を用いて前記加湿器の位置を特定して前記空気調和機を制御し、
    前記気流検知部で検知される風速が設定値を超えたとき、前記風速が前記設定値未満となるように前記加湿器の送風方向および送風速度の少なくとも1つを制御する室内空間制御システム。
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