JP6314120B2 - 飲料抽出器 - Google Patents

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Description

本発明は、コーヒーや紅茶等の飲料を抽出する飲料抽出器に関する。
近年、コーヒー粉を不織布内に封入したコーヒーポッドを使用するコーヒー抽出器が普及しており、このようなコーヒーポッドを使用する簡易型のコーヒー抽出器として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。
また、コーヒーの抽出法としては、ドリップ式、サイフォン式、エスプレッソ式等があり、エスプレッソ式抽出法によれば、高温高圧で急速に抽出することにより、濃厚な味のエスプレッソを抽出することができる。
下記特許文献1に記載されたコーヒー抽出器では、ポッド保持体のポッド載置部にコーヒーポッドを載置し、ポッド保持体に注湯用筒体を嵌合させてコーヒーポッドの周縁部を押圧することにより、コーヒー抽出器へのコーヒーポッドのセットを行っている。コーヒーポッドのセットが終了した後に注湯用筒体内にお湯を注ぐと、そのお湯がコーヒーポッドを通過してドリップ式のコーヒー抽出が行われる。
特開2013−43031号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたコーヒー抽出器は、ドリップ式のコーヒー抽出に用いられるものであり、エスプレッソのような濃厚な味のコーヒーを抽出することはできない。近年、簡易型のコーヒー抽出器を用いてエスプレッソのような濃厚な味のコーヒーを抽出したいという要望が出ている。
また、ポッド保持体と注湯用筒体とを嵌合させる場合、それらの中心を位置合わせする作業に手間がかかるため、コーヒー抽出器へのコーヒーポッドのセットに手間がかかっている。
さらに、ポッド保持体と注湯用筒体との嵌合が不十分であったり傾いたりしていると、ポッド保持体と注湯用筒体との嵌合が外れてお湯がこぼれたりコーヒーポッドが飛び出して周囲を汚す場合がある。
本発明の目的は、エスプレッソのような濃厚な味のコーヒーを抽出することができる簡易型の飲料抽出器を提供するものである。
本発明に係る飲料抽出器は、両端が開口された筒状に形成され、内周部に飲料ポッドを載置可能なポッド載置部が設けられ、外周部に外側に向けて張り出して飲料カップの開口縁部に載置可能なフランジが設けられたポッド保持体と、両端が開口された筒状に形成され、下端側の一部が前記ポッド保持体の上端側の一部に回動支点により回動可能に連結され、前記ポッド保持体の上端側に嵌合されるとともに前記ポッド載置部に載置された前記飲料ポッドの周縁部を保持する保持位置と、前記ポッド保持体の上端側への嵌合を解除されるとともに前記飲料ポッドの周縁部の保持を解除する保持解除位置とに回動可能であって、保持位置に位置する場合に底部に前記飲料ポッドが位置する内部領域にお湯を注湯可能な注湯用筒体と、前記注湯用筒体を前記保持位置に回動させた場合に、その保持位置で前記注湯用筒体と前記ポッド保持体とをロックするロック機構と、開閉可能な空気孔を有して前記注湯用筒体の上端側に着脱可能に取付けられ、前記空気孔を閉止した状態で押圧されることによりへこむ向きに撓んで前記注湯用筒体内に注湯されたお湯が前記飲料ポッドを通過するように前記注湯用筒体内の圧力を上昇させるとともに、前記空気孔が開放されることによりこの空気孔から流入する空気により前記注湯用筒体内の圧力が大気圧に戻るとともに押圧前の形状に戻る蓋体と、を備えた構成からなる。
そして、このような構成からなる飲料抽出器において、前記ロック機構は、前記ポッド保持体の外周側に設けられた立ち上り部と、この立ち上り部の前記注湯用筒体に対向する側に設けられた第1係合部と、前記注湯用筒体の外周部に設けられて上方向きに立ち上った可撓性を有する操作レバーと、この操作レバーに設けられて前記注湯用筒体を保持位置に回動させた場合に前記第1係合部に係合される第2係合部とを有し、前記第1・第2係合部が係合されている場合に前記操作レバーを前記注湯用筒体側に押圧して撓ませることにより前記第1・第2係合部の係合が解除されることを特徴とする。
また、前述の飲料抽出器において、前記注湯用筒体の外周部に、前記操作レバーの上方を覆う凸状カバーが設けられていることが望ましい。
本発明に係る飲料抽出器によれば、ポッド保持体と注湯用筒体とが回動支点により回動可能に連結されているため、ポッド保持体と飲料用筒体とを嵌合させてその間に飲料ポッドをセットする場合には、ポッド載置部に飲料ポッドを載置し、注湯用筒体を回動支点の回りに回動させて保持位置に回動させるだけでよく、ポッド保持体の中心と注湯用筒体と中心とを位置合わせする必要がなく、飲料ポッドのセットを手間をかけず容易に行うことができる。また、注湯用筒体を保持位置に回動させた場合には、ポッド保持体と注湯用筒体とがロック機構によりロックされるので、ポッド保持体と飲料用筒体との嵌合が外れることを防止することができる。飲料ポッドをセットした後に注湯用筒体内にお湯を注湯し、注湯した後に注湯用筒体に蓋体を取付け、蓋体の空気孔を閉止した状態で蓋体を押圧してへこむ向きに撓ませると、注湯用筒体内の圧力が上昇し、注湯用筒体内のお湯が飲料ポッドを通過することにより飲料が押し出し抽出される。この押し出し抽出は、高温高圧で急速に行われるため、コーヒーでいえば所謂エスプレッソのような濃厚な味のコーヒーを抽出することかできる。そして、押圧が終了した後に空気孔を開放することにより、空気孔から注湯用筒体内に空気が流入して注湯用筒体内の圧力が大気圧に戻るとともに蓋体が押圧前の形状に戻る。必要な場合には、空気孔を閉止した状態で蓋体を再度押圧することにより、再度飲料を抽出する。
また、ロック機構は、ポッド保持体の外周側に設けられた立ち上り部と、この立ち上り部の注湯用筒体に対向する側に設けられた第1係合部と、注湯用筒体の外周部に設けられて上方向きに立ち上った可撓性を有する操作レバーと、この操作レバーに設けられて注湯用筒体を保持位置に回動させた場合に第1係合部に係合される第2係合部とを有するので、ポッド保持体を保持位置に回動させることによりロック機構によるロックを自動的に行う事ができる。さらに、ロック機構は、操作レバーを注湯用筒体側に押圧して撓ませることにより第1・第2係合部の係合が解除されるので、ロック機構のロック解除を簡単な操作により容易に行うことができる。
また、注湯用筒体の外周部に、操作レバーの上方を覆う凸状カバーが設けられているので、操作レバーをロック解除方向と逆方向である注湯用筒体から離反する側に誤操作することを防止することができ、その誤操作により操作レバーが折損することを防止することができる。
コーヒー抽出器を示す正面図である。 ポッド保持体を示す平面図である。 ポッド保持体を示す断面正面図である。 注湯用筒体を示す正面図である。 蓋体を示す断面正面図である。 ポッド保持体と注湯用筒体との連結前の状態を示す正面図である。 ポッド保持体と注湯用筒体とを連結した状態を示す正面図である。 連結されたポッド保持体と注湯用筒体との間へのコーヒーポッドのセットについて説明する断面正面図である。 連結されたポッド保持体と注湯用筒体との間へのコーヒーポッドのセットが終了した状態を示す断面正面図である。 コーヒーポッドからコーヒーを抽出する場合の操作について説明する断面正面図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、飲料抽出器であるコーヒー抽出器1を示す正面図である。コーヒー抽出器1は、ポッド保持体2と注湯用筒体3と蓋体4とを有し、ポッド保持体2と注湯用筒体3とは回動支点5により回動可能に連結されるとともに、図1に示すように嵌合されるように設けられている。蓋体4は、注湯用筒体3の上端側に着脱可能に取付けられている。このコーヒー抽出器1は、飲料カップ6の開口縁部に載置して使用されるように構成されている。ポッド保持体2と注湯用筒体3とは、耐熱性及び食品衛生上の安全性の高い樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン樹脂)、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等により形成されている。蓋体4は、可撓性を有する材料、例えば、エラストマーやシリコーン樹脂により形成されている。
図2はポッド保持体2を示す平面図であり、図3はポッド保持体2を示す断面正面図である。ポッド保持体2は、両端が開口された筒状に形成され、内周部に後述する飲料ポッドであるコーヒーポッド7を載置可能なポッド載置部8が設けられている。ポッド保持体2の外周部には、外側に向けて張り出たフランジ9が設けられている。フランジ9は、コーヒー抽出器1を図1に示すように飲料カップ6の開口縁部に載置する場合に開口縁部に当接される箇所とされている。フランジ9の下面は、コーヒー抽出器1を飲料カップ6の開口縁部に載置してコーヒーを抽出した場合に、飲料カップ6からの蒸気抜きを可能とするために波形状とされている。さらに、フランジ9の下面には、載置されたコーヒー抽出器1が横ずれすることを防止するための複数の突部(図示せず)が設けられている。
ポッド保持体2の下端側には底面部10が設けられ、底面部10の中央部に孔11が設けられている。底面部10は、ポッド載置部8に連続して孔11に向けて下向きに傾斜しており、底面部10の上面にはポッド載置部8に載置されたコーヒーポッド7の下面に接触する長短の複数のリブ12が設けられている。これらのリブ12は、孔11を中心とする放射状に配列されるとともに楔形状に形成され、各リブ12の頂点側の一辺がコーヒーポッド7の下面と線接触するようになっている。
ポッド保持体2の上端側には、リング状の第1壁部13と、フランジ9の上面に位置するとともに第1壁部13の外周側に位置するリング状の第2壁部14とが設けられている。第2壁部14の高さ寸法は第1壁部13の高さ寸法より大きく設定されている。
フランジ9の上面部の一部には一対の保持部15が対向して設けられており、これらの保持部15には、外周側の一端が開放された長溝15aと長溝15aの他端側に形成された丸溝15bとからなる保持溝15cが形成されている。
第2壁部14の一部であって保持部15に対してポッド保持体2の周方向に約180°離間した位置には、立ち上がり部16が設けられている。この立ち上り部16の内周側には、ポッド保持体2と注湯用筒体3とを嵌合させた場合にその嵌合状態でロックするための第1係合部である係合凹部17が設けられている。
さらに、立ち上り部16の外周側には、ポッド保持体2と注湯用筒体3との嵌合状態を解除する際に指をかけた場合に指が滑ることを防止する滑り止め溝16aが設けられている。
第2壁部14の上端部であって立ち上り部16の両側の部分には、ポッド保持体2の内周側に向けて張り出したポッド抑え部18が設けられている。
図4は、注湯用筒体3を示す正面図である。注湯用筒体3は、両端が開放された筒状に形成され、ポッド保持体2の上端部に回動可能に連結され、さらに、ポッド保持体2の上端側に嵌合されるように設けられている。注湯用筒体3の下端側の一部には、ブラケット19とブラケット19の先端部に位置する回動軸部20とが設けられている。回動軸部20の両端には、円柱を平行な二面でカットした形状の平行部20aと、平行な二面でカットされていない円形部20bとが設けられている。平行部20aの幅寸法は、保持部15の長溝15a内にスライド可能に嵌合される寸法に形成され、円形部20bは保持部15の丸溝15b内に回動可能に嵌合される寸法に形成されている。そして、回動軸部20とポッド保持体2の保持部15とにより、注湯用筒体3とポッド保持体2とを回動可能に連結する回動支点5が構成されている。
注湯用筒体3の下端側の一部であって回動軸部20に対して注湯用筒体3の周方向に180°離間した位置には、J字形に形成されて上方向きに立ち上った可撓性を有する操作レバー21が設けられている。操作レバー21には、注湯用筒体3とポッド保持体2とを嵌合させた場合に立ち上り部16の係合凹部17に係合される第2係合部である係合突部22が設けられている。そして、係合突部22を備えた操作レバー21と係合凹部17を備えた立ち上り部16とにより、ポッド保持体2と注湯用筒体3とを嵌合状態でロックするロック機構23が構成されている。ロック機構23によるロックは、係合突部22が係合凹部17に係合されることにより行われており、ロック機構23によるロック状態の解除は、操作レバー21を注湯用筒体3の中心方向へ撓ませて係合突部22と係合凹部17との係合を解除することにより行われるようになっている。
注湯用筒体3の外周部であって操作レバー21の上方位置には、この操作レバー21の上方を覆う凸状カバー24が設けられている。
注湯用筒体3は、その下端部をポッド保持体2の上端部に位置する第1壁部13の内側に嵌合可能に設けられており、後述するように、注湯用筒体3の下端部をポッド保持体2の第1壁部13の内側に嵌合させることにより、コーヒー抽出器1へのコーヒーポッド7のセットが行われるようになっている。注湯用筒体3における回動軸部20が設けられている側の下端側外周部には、内側に向けて傾斜する傾斜部26が設けられている。
図5は蓋体4を示す断面正面図である。蓋体4は、一端側が開口されて頂部側がドーム状に形成されており、開口側の周縁部には嵌合部27が設けられている。
蓋体4の頂部側内周面の中央部には、円形状の肉厚部28が設けられ、蓋体4の頂部側中央部にはこの肉厚部28を貫通する空気孔29が設けられている。蓋体4は、頂部側外周面を押圧することにより、頂部側がへこむ向きに撓み、蓋体4の容積が縮小するようになっている。空気孔29は指で閉止可能なサイズに設けられている。
蓋体4を図1に示したように注湯用筒体3の上端部に嵌合状態で取付け、蓋体4の頂部側を空気孔29を閉止した状態で押圧することにより、蓋体4はへこむ向きに撓むとともに注湯用筒体3内の圧力が上昇する。空気孔29が開放されると、この空気孔29から空気が流入して注湯用筒体3内の圧力が大気圧に戻るとともに蓋体4が押圧前の形状に戻るようになっている。
このような構成において、コーヒー抽出器1を用いてコーヒーポッド7からエスプレッソのような濃厚な味のコーヒーを抽出する場合について説明する。
まず、図6及び図7に基づいて、ポッド保持体2と注湯用筒体3との連結について説明する。着脱可能なポッド保持体2と注湯用筒体3とを連結する場合には、図6に示すように、回動軸部20の平行部20aを保持部15の長溝15aに対向させ、注湯用筒体3を矢印A方向に移動させて平行部20aを長溝15aに嵌合させる。そして、二点鎖線で示すように円形部20bの先端が丸溝15bに到達した後、注湯用筒体3を矢印B方向に回動させる。これにより、回動軸部20が丸溝15b内で回動するとともに回動軸部20の保持溝15cからの脱落が防止され、ポッド保持体2と注湯用筒体3とは図7に示すように回動支点5により回動可能に連結される。
なお、連結されているポッド保持体2と注湯用筒体3との連結解除は、連結するときと逆の手順で、即ち、連結されているポッド保持体2と注湯用筒体3とが図6の二点鎖線で示す位置に回動させ、注湯用筒体3を矢印A方向と逆方向へ移動させることにより行うことができる。このため、ポッド保持体2と注湯用筒体3とを洗浄する場合、ポッド保持体2と注湯用筒体3とを分離して容易に洗浄することができる。
つぎに、連結されたポッド保持体2と注湯用筒体3との間へのコーヒーポッド7のセットについて、図8及び図9に基づいて説明する。ここで、コーヒーポッド7は、不織布の間にコーヒー粉が封入されたものであり、コーヒーポッド7の外周部には不織布のみからなるひだ状の周縁部7aがリング状に設けられている。そこで、図8に示すように、コーヒーポッド7の周縁部7aを第1壁部13の上に載せるようにコーヒーポッド7を配置し、ついで、注湯用筒体3を矢印C方向に回動させる。注湯用筒体3を矢印C方向に回動させると、注湯用筒体3の下端部がポッド保持体2の第1壁部13の内側に嵌合され、コーヒーポッド7の周縁部7aが第1壁部13の内周面と注湯用筒体3の下端部外周面との間に挟まれるとともに、コーヒーポッド7がポッド載置部8の上に押し込まれる。図9は、図8に示した矢印C方向に回動させた注湯用筒体3が、コーヒーポッド7の周縁部7aを保持する保持位置に回動し、コーヒーポッド7のセットが終了した状態を示している。また、注湯用筒体3が保持位置に回動した場合、操作レバー21の係合突部22が立ち上り部16の係合凹部17に係合され、ロック機構23によりポッド保持体2と注湯用筒体3とが嵌合状態でロックされる。
ここで、図8に示すように注湯用筒体3を矢印C方向に回動させた場合、注湯用筒体3の回動軸部20側の下端側外周部に設けられている傾斜部26がコーヒーポッド7の上面に最初に当たる。傾斜部26のコーヒーポッド7の上面への当たり方は、点接触ではなく線接触になるため、注湯用筒体3からコーヒーポッド7に作用するコーヒーポッド7を回動支点5の反対側である立ち上り部16側に押す力が小さくなり、コーヒーポッド7が立ち上り部16側に位置ずれすることを抑えることができ、ポッド保持体2と注湯用筒体3との間へのコーヒーポッド7のセットを確実に行うことができる。
さらに、第2壁部14の上端部であって立ち上り部16の両側の部分には、ポッド抑え部18が設けられている。このため、注湯用筒体3を矢印C方向に回動させた場合に注湯用筒体3により押されたコーヒーポッド7が立ち上り部16側に移動しても、コーヒーポッド7の周縁部7aがポッド抑え部18に当たるとそれ以上コーヒーポッド7が立ち上り部16側へ移動することが阻止される。これにより、コーヒーポッド7をセットする場合、コーヒーポッド7が立ち上り部16側に位置ずれすることをより一層抑えることができ、コーヒーポッド7のセットをより一層確実に行うことができる。
ここで、ポッド保持体2と注湯用筒体3とは回動支点5により回動可能に連結されているため、ポッド保持体2と注湯用筒体3との間にコーヒーポッド7をセットする場合、コーヒーポッド7を第1壁部13の上に載せて注湯用筒体3を回動支点5の回りに回動させるだけでよく、ポッド保持体2の中心と注湯用筒体3の中心とを位置合わせする必要がなく、コーヒーポッド7のセットを手間をかけず容易に行うことができる。
図10に基づいて、コーヒー抽出器1にセットしたコーヒーポッド7からエスプレッソのような濃厚な味のコーヒーを抽出する場合の操作について説明する。嵌合されるとともにロック機構23によりロックされてコーヒーポッド7がセットされたポッド保持体2と注湯用筒体3とを、飲料カップ6の開口縁部に載置する。その後、底部にコーヒーポッド7が位置する注湯用筒体3の内部領域に必要量のお湯を注湯し、注湯後に注湯用筒体3の上端側に蓋体4を取付ける。
ついで、蓋体4の空気孔29を指で塞ぐとともに蓋体4の頂部側を押圧し、蓋体4を頂部側がへこむ向きに撓ませる。この操作により、注湯用筒体3内の圧力が上昇し、注湯用筒体3内のお湯がコーヒーポッド7を通過して押し出され、エスプレッソのような濃厚な味のコーヒーの抽出が行われる。蓋体4を頂部側がへこむ向きに撓ませた後、空気孔29を開放することにより空気孔29から注湯用筒体3内に空気が流入し、注湯用筒体3内の圧力が素早く大気圧に戻されるとともに蓋体4が押圧前の形状に戻る。蓋体4が押圧前の形状に戻った後、必要な場合には空気孔29を閉止して蓋体4の頂部側を再度押圧することにより、再度濃厚な味のコーヒーの抽出を行える。なお、へこむ向きに撓んだ蓋体4が押圧前の形状に戻る場合、空気孔29から空気が流入して注湯用筒体3内の圧力が素早く大気圧に戻るので、コーヒーポッド7に作用する注湯用筒体3内の負圧は僅かとなるため、この負圧の作用によるコーヒーポッド7の破損が防止される。
また、嵌合された注湯用筒体3とポッド保持体2とはロック機構23によりロックされているため、蓋体4の頂部側を押圧した場合に注湯用筒体3とポッド保持体2との嵌合が外れることを防止でき、嵌合が外れたために注湯用筒体3内のお湯がこぼれることやコーヒーポッド7が飛び出して周囲を汚すことを防止できる。
また、ポッド保持体2の下端側に底面部10が設けられ、この底面部10は中央部に設けられた孔11に向けて下向きに傾斜し、底面部10の上面にはコーヒーポッド7の下面に接触する複数のリブ12が設けられている。このため、ポッド載置部8に載置されたコーヒーポッド7の下面が底面部10に接触することがなく、コーヒーポッド7から抽出された濃厚な味のコーヒーは、リブ12の表面を伝わって底面部10の上に流れ落ち、底面部10に沿って流れた後に孔11から飲料カップ6に流れ落ちるので、コーヒーの抽出をスムーズに行うことができる。しかも、リブ12は頂点がコーヒーポッド7の下面と線接触する楔形状に形成されているため、リブ12の表面を伝わるコーヒーの流れ落ちをより一層スムーズに行わせることができる。さらに、コーヒーポッド7の下面に複数のリブ12が接触していることにより、蓋体4の頂部側を押圧した場合にコーヒーポッド7に下向きの圧力が作用しても、その圧力によりコーヒーポッド7が破損することが防止される。
濃厚な味のコーヒーの抽出が終了してコーヒーポッド7を取出す場合には、まず、ロック機構23のロック状態を解除する。このロック解除は、操作レバー21を注湯用筒体3側に押圧して撓ませ、係合凹部17と係合突部22との係合を解除することにより、簡単な操作で容易に行うことができる。
注湯用筒体3の外周部には、操作レバー21の上方を覆う凸状カバー24が設けられているので、操作レバー21をロック解除方向と逆方向である注湯用筒体3から離反する側に誤操作することを規制することができる。これにより、操作レバー21をロック解除方向と逆方向に誤操作したために、操作レバー21を損壊させるということを防止することができる。
ロック機構23によるロックを解除した後、注湯用筒体3を回動支点5の回りにポッド保持体2との嵌合を解除するとともにコーヒーポッド7の周縁部7aの保持を解除する保持解除位置に回動させ、ポッド保持体2からコーヒーポッド7を取外す。注湯用筒体3を保持解除位置に回動させる場合、立ち上り部16に設けられている滑り止め溝16aに指をかけて回動させることにより、この回動操作を容易に行える。
また、本実施形態では、飲料抽出器の一例としてコーヒーを抽出するコーヒー抽出器1を例に挙げて説明したが、本発明の飲料抽出器には、紅茶を抽出する紅茶抽出器や緑茶を抽出する緑茶抽出器が含まれる。さらに、その飲料抽出器で使用する飲料ポッドとしては、コーヒーポッド7に限らず、飲料材料である紅茶葉や緑茶葉を不織布等に封入した紅茶ポッドや緑茶ポッドが含まれる。
1 コーヒー抽出器(飲料抽出器)
2 ポッド保持体
3 注湯用筒体
4 蓋体
5 回動支点
6 飲料カップ
7 コーヒーポッド(飲料ポッド)
7a 周縁部
8 ポッド載置部
9 フランジ
10 底面部
11 孔
12 リブ
13 第1壁部
14 第2壁部
15 保持部
15a 長溝
15b 丸溝
15c 保持溝
16 立ち上り部
16a 滑り止め溝
17 係合凹部(第1係合部)
18 ポッド抑え部
19 ブラケット
20 回動軸部
20a 円形部分
20b カット部分
21 操作レバー
22 係合突部(第2係合部)
23 ロック機構
24 凸状カバー
26 傾斜部
27 嵌合部
28 肉厚部
29 空気孔
30 押圧用突部

Claims (2)

  1. 両端が開口された筒状に形成され、内周部に飲料ポッドを載置可能なポッド載置部が設けられ、外周部に外側に向けて張り出して飲料カップの開口縁部に載置可能なフランジが設けられたポッド保持体と、
    両端が開口された筒状に形成され、下端側の一部が前記ポッド保持体の上端側の一部に回動支点により回動可能に連結され、前記ポッド保持体の上端側に嵌合されるとともに前記ポッド載置部に載置された前記飲料ポッドの周縁部を保持する保持位置と、前記ポッド保持体の上端側への嵌合を解除されるとともに前記飲料ポッドの周縁部の保持を解除する保持解除位置とに回動可能であって、保持位置に位置する場合に底部に前記飲料ポッドが位置する内部領域にお湯を注湯可能な注湯用筒体と、
    前記注湯用筒体を前記保持位置に回動させた場合に、その保持位置で前記注湯用筒体と前記ポッド保持体とをロックするロック機構と、
    開閉可能な空気孔を有して前記注湯用筒体の上端側に着脱可能に取付けられ、前記空気孔を閉止した状態で押圧されることによりへこむ向きに撓んで前記注湯用筒体内に注湯されたお湯が前記飲料ポッドを通過するように前記注湯用筒体内の圧力を上昇させるとともに、前記空気孔が開放されることによりこの空気孔から流入する空気により前記注湯用筒体内の圧力が大気圧に戻るとともに押圧前の形状に戻る蓋体と、
    を有する飲料抽出器であって、
    前記ロック機構は、前記ポッド保持体の外周側に設けられた立ち上り部と、この立ち上り部の前記注湯用筒体に対向する側に設けられた第1係合部と、前記注湯用筒体の外周部に設けられて上方向きに立ち上った可撓性を有する操作レバーと、この操作レバーに設けられて前記注湯用筒体を保持位置に回動させた場合に前記第1係合部に係合される第2係合部とを有し、前記第1・第2係合部が係合されている場合に前記操作レバーを前記注湯用筒体側に押圧して撓ませることにより前記第1・第2係合部の係合が解除されることを特徴とする飲料抽出器。
  2. 前記注湯用筒体の外周部に、前記操作レバーの上方を覆う凸状カバーが設けられていることを特徴とする請求項1記載の飲料抽出器。
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