JP6309439B2 - ヘモグロビン分析装置 - Google Patents
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Description
このようなプランジャ往復動型送液ポンプとして、1組のプランジャ及びポンプヘッドを備えたシングルプランジャポンプや、2組のプランジャ及びポンプヘッドを並列又は直列に配置したダブルプランジャポンプなどがある。プランジャ往復動型送液ポンプではプランジャを往復動させて吐出動作と吸引動作を繰り返して送液を行う。通常のフロー式分析装置に使用される送液ポンプの動作サイクルは、分析時間や分析周期と同期せずに、分析時間や分析周期とは無関係に独立している。
(A)以下(1)〜(3)を具備するロータ
(1)1個以上の中央配管接続ポート
(2)上記中央配管接続ポートから連通される1個以上の第1バルブ内流路
(3)上記第1バルブ内流路の回動に伴って回動する、流路の長さが回動で移動する長さ1回分以上である1個以上の弧状の第2バルブ内流路
(B)以下(4)〜(5)を具備するステータ
(4)上記ロータの第1バルブ内流路の回動により、第1バルブ内流路を介して中央配管接続ポートと個別に連通される配管接続ポートを2個以上有し、その接続位置がロータ中心軸回りの1つの円周上にある第1配管接続ポート群
(5)上記ロータの第1バルブ内流路と第1配管接続ポート群との接続位置がある上記円周に対して、径の異なる同軸円の円周上に弧状の第2バルブ内流路との接続位置を持ち、弧状の第2バルブ内流路の回動により互いに連通される配管接続ポートを2個以上有する第2配管接続ポート群
(C)以下(6)〜(7)の関係を満たすロータとステータの配置
(6)上記ロータの第1バルブ内流路と個別に連通する上記ステータの第1配管接続ポート群のうち、1個以上の配管接続ポートでは、中央配管接続ポートと当該配管接続ポートとが連通されるときに、弧状の第2バルブ内流路によって、第2配管接続ポート群の2個以上の隣接する配管接続ポートが連通される
(7)上記第1配管接続ポート群のうち、他の配管接続ポートでは、中央配管接続ポートと当該配管接続ポートとが連通されるときに、弧状の第2バルブ内流路によって、第2配管接続ポート群の上記隣接する配管接続ポートが連通されない。
尚、上記(3)に記載の弧状の第2バルブ内流路の長さについて、回動で移動する長さ1回分ちょうどの長さがあれば、上記弧状の第2バルブ内流路を介する流路を開閉可能である。さらに、上記弧状の第2バルブ内流路を介する流路を開閉可能な上限の長さ以内であれば、上記弧状の第2バルブ内流路の長さは、回動で移動する長さ1回分より長くてもよい。
上記切換バルブの第1配管接続ポート群のうち、1個以上の配管接続ポートが上記送液ポンプのシリンダ室に配管接続されることを特徴とする。
すなわち、上記切換バルブへの配管は、使用するフロー式分析装置の目的とする流路にあわせ適切に配管すればよく、その配管を限定するものではないが、送液ポンプからのエア抜きを目的とする場合には、少なくとも以下の配管を具備する。
1個以上の中央配管接続ポートは、計量ポンプと接続される。
第1バルブ内流路の回動により、第1バルブ内流路を介して中央配管接続ポートと個別に連通される第1配管接続ポート群について、1個以上の配管接続ポートが送液ポンプのシリンダ室に接続される。
上記第2配管接続ポート群のうち、他の配管接続ポートに排液流路が接続されることを特徴とする。
すなわち、エア抜き用の排液流路として、以下の配管を具備する。
弧状の第2バルブ内流路の回動により、第2バルブ内流路を介して互いに連通される第2配管接続ポート群について、1個以上の配管接続ポートは、送液ポンプの吐出側の流路から分岐して送液ポンプのエア抜きを行うときキャリア液が流れる流路に接続され、1個以上の他の配管接続ポートは、排液流路に接続される。
1個以上の中央配管接続ポートは計量ポンプと接続される。
上記の第1バルブ内流路の回動により、第1バルブ内流路を介して中央配管接続ポートと個別に連通される配管接続ポートを4個以上有する第1配管接続ポート群について、
1個の配管接続ポートは送液ポンプ1のシリンダ室に接続され、
1個の配管接続ポートは送液ポンプ2のシリンダ室に接続され、
1個の配管接続ポートは試料注入装置のニードルに接続され、
1個の配管接続ポートは希釈・洗浄液の貯留槽に接続される。
尚、上記の接続は送液ポンプ1,2がシングルプランジャポンプの場合である。送液ポンプが複数のプランジャを有する場合には、それぞれのシリンダ室に配管接続ポートを接続すればよい。
また、希釈・洗浄液の貯留槽が、それぞれ別個の貯留槽に分割されている場合には、希釈液の貯留槽と洗浄液の貯留槽とに1個ずつ配管接続ポートを接続してもよく、さらに別の試薬についても貯留槽を具備する場合には、各試薬の貯留槽ごとに配管接続ポートを接続すればよい。
さらに、エア抜き用の排液流路として、以下の配管を具備する。
上記弧状の第2バルブ内流路の回動により連通される配管接続ポートを2個以上有する第2配管接続ポート群について、
1個以上の配管接続ポートは送液ポンプの吐出側の流路から分岐して送液ポンプのエア抜きを行うときキャリア液が流れる流路に接続され、
1個以上の配管接続ポートは排液流路に接続される。
計量ポンプと送液ポンプ1または送液ポンプ2とが第1バルブ内流路を介して連通されるとき、弧状の第2バルブ内流路によって、排液流路と、送液ポンプの吐出側の流路から分岐して送液ポンプのエア抜きを行うときキャリア液が流れる流路とが連通される。
さらに、第1バルブ内流路を回動させ、計量ポンプと送液ポンプとが連通されない配管接続ポートに第1バルブ内流路が連通されるときに、弧状の第2バルブ内流路の回動により、排液流路と、送液ポンプのエア抜きを行うときキャリア液が流れる上記の流路とが連通されなくなる。上記のように流路が切換えられるため、従来はドレインバルブの開閉で確保していた排液流路を、切換バルブによる流路切換で確保することができる。
尚、上記弧状の第2バルブ内流路の長さは、上記の流路切換が可能な範囲であれば、回動で移動する長さ2回分より長くてもよい。
従って、本発明に係るヘモグロビン分析装置は、糖尿病検査におけるヘモグロビン成分(特にヘモグロビンA1c)の計測に好適に用いることができる。
図1は、本発明の第1実施形態として示す1ウェイ6ポート4ポジション切換バルブを含むフロー式分析装置のシステム図である。
図1のフロー式分析装置には、例えば溶媒、添加試薬の種類及び濃度など、互いに組成の異なる第1及び第2のキャリア液の貯留槽51、52と希釈・洗浄液の貯留槽53とが、共通の脱気装置54を介して、接続される。尚、第1及び第2のキャリア液の貯留槽51、52と希釈・洗浄液の貯留槽53は試薬キット50としてキット化されていてもよい。さらに希釈・洗浄液の貯留槽53は、それぞれ別個の貯留槽に分割されていてもよく、すなわち希釈液の貯留槽53aと洗浄液の貯留槽53bとに分割されていてもよい。
第1及び第2のキャリア液の送液ポンプ1、2は、それぞれ、シングルプランジャポンプであり、吸入口及び吐出口にそれぞれ逆止弁(一方向弁)を有している。また、送液ポンプ1、2は、プランジャストロークの変更によって吐出容量を変更することができる可変容量型のポンプであり、2つの送液ポンプ1、2の流量比を変えることができる。
ミキサー3は、送液ポンプ1からの第1のキャリア液と送液ポンプ2からの第2のキャリア液とを混合する。ミキサー3は、具体的には、円筒容器内に2種のキャリア液を接線方向に導入して混合し、混合液を軸線方向に導出させる。従って、送液ポンプ1、2の流量比の変更とミキサー3による混合とで、第1のキャリア液の濃度と第2のキャリア液の濃度との間の任意の濃度のキャリア液を得ることができる(グラジエント機能)。尚、ミキサー3には運転準備段階でエア抜き及びキャリア液充填を行うための配管19が接続されている。この配管19は通常運転中は後述する切換バルブ16にて閉じられている。
パルスダンパ4は、ミキサー3内の空間に連通するダイアフラム式のダンパであり、特に小型化のために送液ポンプ1、2としてシングルプランジャポンプを用いることにより発生する脈動を吸収する。
試料注入装置6はまた、試料注入部22の下方に試料吸引部(容器保持部)39を備えている。試料吸引部39では、試料吸引位置に移動させたニードル27により、試料を吸引可能である。従って、試料吸引部39にて吸引した試料を試料注入部22にてキャリア液に注入することになる。尚、吸引及び注入は、計量ポンプ11を切換バルブ16を介してニードル27への配管12に接続して行う。また、ニードル27が試料を吸引及び注入する穴は、ニードル27の先端部に下向きに開口させる他、先端部は閉塞し、先端部付近の側部に横向きに開口させてもよい。
試料注入装置6はまた、試料注入部22と試料吸引部39との間で試料注入部22のハウジングと一体に、ニードル27に対する洗浄部33を備えている。洗浄部33では、洗浄位置に移動させたニードル27に対し、洗浄液を供給して洗浄を行う。洗浄は、計量ポンプ11を切換バルブ16を介して希釈・洗浄液の貯留槽53からの配管13に接続して、洗浄液を吸引した後、切換バルブ16を介して計量ポンプ11をニードル27への配管12に接続して行う。洗浄後の洗浄液は、排液ポンプ14により回収して、排液流路15へ排出する。
カラム8は、試料注入装置6下流のキャリア液の流路7に配置されて試料中の成分を分離する。
検出器9は、カラム8の下流側に配置されて、前記分離された成分を検出し、その信号をデータ処理装置(図示せず)に送る。データ処理装置でのデータ処理結果が分析結果として出力される。
ポートaは、エア抜き及びキャリア液充填用の配管17により、送液ポンプ1のシリンダ室に接続されている。
ポートbは、エア抜き及びキャリア液充填用の配管18により、送液ポンプ2のシリンダ室に接続されている。
ポートcは、配管12により、ニードル27に接続されている。
ポートdは、配管13により、希釈・洗浄液の貯留槽53に接続されている。
ポートeは、ミキサー3からのエア抜き及びキャリア液充填用の配管19に接続され、ポートfは、排液流路20に接続されている。
言い換えれば、切換バルブ16のロータは、計量ポンプ11が接続される中央配管接続ポートと、中央配管接続ポートから連通される第1バルブ内流路16aと、第1バルブ内流路16aの回動に伴って回動する弧状の第2バルブ内流路16bとを備えている。
切換バルブ16のステータは、上記ポートa〜dを含む第1配管接続ポート群と、上記ポートe、fを含む第2配管接続ポート群とを備えている。
第1配管接続ポート群(a〜d)は、第1バルブ内流路16aの回動により、第1バルブ内流路16aを介して中央配管接続ポートと個別に連通され、第1バルブ内流路16aと各ポートa〜dとの接続位置は同一円周上にある。
第2配管接続ポート群(d、f)は、弧状の第2バルブ内流路16bの回動により、第2バルブ内流路16bを介して互いに連通可能であり、第2バルブ内流路16bと各ポートd、fとの接続位置は、ポートa〜dがある円周とは同軸であり、異なる径の円周上にある。
ここで、第1配管接続ポート群のうち、ポートa、bでは、中央配管接続ポートと当該ポートa、bとが連通されるときに、弧状の第2バルブ内流路16bによって、第2配管接続ポート群の2つのポートe、fが連通される。
第1配管接続ポート群のうち、他のポートc、dでは、中央配管接続ポートと当該ポートc、dとが連通されるときに、弧状の第2バルブ内流路16bによって、第2配管接続ポート群の2つのポートe、fが連通されない。
運転準備段階では、流路内のエア抜きを行って流路内に液を満たすため、次のような操作が自動運転で行われる。
切換バルブ16を位置aにする(図1、図2の状態)。位置aでは、計量ポンプ11がポートa(配管17)と接続されると共に、ポートeとポートfとが連通する。
この状態で、先ず計量ポンプ11を吸引動作させる。すると、貯留槽51内の第1のキャリア液が送液ポンプ1の吸入側の逆止弁を通り、送液ポンプ1のシリンダ室から配管17を通って、計量ポンプ11内に吸入される。これにより、第1のキャリア液の貯留槽51から送液ポンプ1までの流路がキャリア液で満たされる。
次に計量ポンプ11を吐出動作させる。すると、計量ポンプ11内の第1のキャリア液が配管17により送液ポンプ1に圧送され、吐出側の逆止弁を開いて、ミキサー3へ流れる。そして、カラム8側の抵抗で、キャリア液は、ミキサー3を経て配管19へ流れ、さらに配管19から切換バルブ16(ポートe、f)を介してつながっている排液流路20を通って排液として排出される。
次に切換バルブ16を時計方向に60°回動して、位置bにする(図3の状態)。位置bでは、計量ポンプ11がポートb(配管18)と接続され、ポートeとポートfとは引き続き連通する。
この状態で、先ず計量ポンプ11を吸引作動させる。すると、貯留槽52内の第2のキャリア液が送液ポンプ2の吸入側の逆止弁を通り、送液ポンプ2のシリンダ室から配管18を通って、計量ポンプ11内に吸入される。これにより、第2のキャリア液の貯留槽52から送液ポンプ2までの流路がキャリア液で満たされる。
次に計量ポンプ11を吐出動作させる。すると、計量ポンプ11内の第2のキャリア液が配管18により送液ポンプ2に圧送され、吐出側の逆止弁を開いて、ミキサー3へ流れる。そして、カラム8側の抵抗で、キャリア液は、ミキサー3を経て配管19へ流れ、さらに、配管19から切換バルブ16(ポートe、f)を介してつながっている排液流路20を通って排液として排出される。
次に切換バルブ16を位置a、位置b以外にして、送液ポンプ1、2の送給を開始し、試料注入部22を含むキャリア液の流路5、7、カラム8及び検出器9をキャリア液で満たす。
希釈工程では、ニードル27を試料吸引位置(試料吸引部39)すなわち試料が収容される容器内に位置させる。
切換バルブ16の位置は先ず位置dにする(図5の状態)。位置dでは、計量ポンプ11がポートd(配管13)と接続される。この状態で、計量ポンプ11を吸引動作させる。すると、貯留槽53内の希釈液(希釈・洗浄液)が配管13を介して計量ポンプ11内に吸引される。
切換バルブ16の位置は次に位置cにする(図4の状態)。位置cでは、計量ポンプ11がポートc(配管12)と接続される。この状態で、計量ポンプ11を吐出動作させる。すると、計量ポンプ11内の希釈液が配管12を介してニードル27に圧送される。ニードル27は試料吸引位置(試料吸引部39)すなわち容器内に位置しており、希釈液が容器内に供給される。計量ポンプ11に吸引・吐出動作を繰り返させ、容器内の試料と希釈液との混合液をニードル27によって吸ったり戻したりすることで、容器内の混合液を撹拌し、試料を均一に希釈する。
切換バルブ16の位置は位置cにする(図4)。位置cでは、計量ポンプ11がポートc(配管12)と接続される。この状態で、計量ポンプ11を吸引動作させる。すると、容器内の試料がニードル27内に吸引される。
切換バルブ16の位置は位置cにする(図4)。位置cでは、計量ポンプ11がポートc(配管12)と接続される。この状態で、計量ポンプ11を吐出動作させる。すると、ニードル27内の試料がキャリア液の流路5、7間の試料注入部22に注入される。
切換バルブ16の位置は先ず位置dにする(図5)。位置dでは、計量ポンプ11がポートd(配管13)と接続される。この状態で、計量ポンプ11を吸引動作させる。すると、貯留槽53内の洗浄液(希釈・洗浄液)が配管13を介して計量ポンプ11内に吸引される。
切換バルブ16の位置は次に位置cにする(図4)。位置cでは、計量ポンプ11がポートc(配管12)と接続される。この状態で、計量ポンプ11を吐出動作させる。すると、計量ポンプ11内の洗浄液が配管12を介してニードル27に圧送される。ニードル27は洗浄位置に位置しており、洗浄液によってニードル27が洗浄される。洗浄後の洗浄液は、排液ポンプ14により回収され、排液流路15を通って排液として排出される。このとき、排液ポンプ14の流量は計量ポンプ11の流量より大きいので、洗浄後の洗浄液はニードル27の案内孔(図示せず)より入った空気と共に、外部へ漏れることなく排液流路15より排出される。ここで、洗浄液は空気と混合してミスト状となることで、洗浄効率を上げることができ、また洗浄液消費量の減少を図り、ニードル27の洗浄を好適に行うことができる。
先ず準備工程(エア抜き・キャリア液充填工程)を実施する。これは前述のように、切換バルブ16の位置aで計量ポンプ11の吸引・吐出動作を行わせ、次いで切換バルブ16の位置bで計量ポンプ11の吸引・吐出動作を行わせ、次いで切換バルブ16を位置a、位置b以外にして送液ポンプ1、2の送給を開始することにより、試料注入部22を含むキャリア液の流路5、7、カラム8及び検出器9をキャリア液で満たす。
S1−1:切換バルブ16を計量ポンプ11と希釈・洗浄液の貯留槽53とを接続する位置dに切換え、計量ポンプ11で希釈・洗浄液(洗浄液)を計量吸引する。
S1−2:吸引後、切換バルブ16を計量ポンプ11とニードル27とを接続する位置cに切換える。
S1−3:排液ポンプ14をONにする。
S1−4:計量ポンプ11を吐出動作させ、洗浄液をニードル27に送って、洗浄部33に吐出させ、ニードル27と洗浄部33とを洗浄する。
S1−5:排液ポンプ14をOFFにする。このとき洗浄部33は、残った洗浄液で満たされる。
S2−1:切換バルブ16を計量ポンプ11と希釈・洗浄液の貯留槽53とを接続する位置dに切換え、計量ポンプ11で希釈・洗浄液(希釈液)を計量吸引する。
S2−2:吸引後、切換バルブ16を計量ポンプ11とニードル27とを接続する位置cに切換える。
S2−3:ニードル移動装置により、ニードル27を最下方へ移動させ、ニードル27が容器内に臨む位置(試料吸引位置と同じ位置)に位置させる。
S2−4:計量ポンプ11を吐出動作させ、希釈液をニードル27に送って、ニードル27を通して容器内に入れる。
S2−5:別途計量した試料(検査用血液)を手動又は自動で容器内に入れる。
尚、別途計量した試料(検査用血液)の容器内への充填は、S2−4の後での充填に限定されず、S2−4に先立ち、予め充填されていてもよい。
S2−6:ニードル移動装置(図示せず)により、ニードル27を容器内の液面から引き上げ、ニードル27を空気吸引可能な位置とする。そして、計量ポンプ11を吸引動作させて、ニードル27内に分節用空気を吸引する。この分節用空気は、ニードル27内に残っている希釈液と、これから撹拌のために吸引する希釈試料とが境界部で拡散しないようにするためのものである。
S2−7:ニードル移動装置により、ニードル27を再び最下方へ移動させる。
S2−8:計量ポンプ11に吸引・吐出動作を繰り返させ、容器内の試料と希釈液との混合液をニードル27によって吸ったり戻したりすることで、容器内の混合液を撹拌し、試料を均一に希釈及び溶血する。最後に計量ポンプ11の吐出動作によって分節用空気を吐出する。引き続く試料注入工程において分節用空気が分析ラインに入ってノイズとなるのを防止するためである。
S3−1:試料吸引位置にて、計量ポンプ11を計量吸引させ、ニードル27内に容器内の希釈及び溶血済みの試料を吸引する。
S3−2:ニードル移動装置により、ニードル27を引き上げ、ニードル27をキャリア液の流路(試料注入部22)に臨む試料注入位置に移動させる。そして、計量ポンプ11を吐出動作させて、キャリア液の流れの中に所定量の試料を注入する。
S3−3:ニードル移動装置により、ニードル27を洗浄位置まで移動させる。ニードル27の外側に付着していた試料による汚れは、洗浄部33内に満たされている洗浄液により洗浄される。
S3−4:注入された試料は、下流側のカラム8で分離し、分離された成分を検出器9で検出する。
S4−1:排液ポンプ14をONにする。
S4−2:洗浄位置にて、計量ポンプ11を吐出動作させ、ニードル27内に残った試料を捨てる。
S4−3:切換バルブ16を希釈・洗浄液の貯留槽53側(位置d)に切換え、計量ポンプ11で希釈・洗浄液(洗浄液)を計量吸引する。吸引後、切換バルブ16をニードル27側(位置c)に切換える。
S4−4:計量ポンプ11を吐出動作させ、洗浄液をニードル27に送って、ニードル27内と洗浄部33とを洗浄する。
S4−5:排液ポンプ14をOFFにする。
次の試料を分析するときは、S2〜S4を繰り返す。
図6は、本発明の第2実施形態として示す1ウェイ4ポート2ポジション切換バルブを含むフロー式分析装置のシステム図である。
図6のフロー式分析装置には、第1のキャリア液の貯留槽51が、脱気装置54を介して、接続される。
第1のキャリア液の送液ポンプ1は、シングルプランジャポンプであり、吸入口及び吐出口にそれぞれ逆止弁(一方向弁)を有している。また、送液ポンプ1は、プランジャストロークの変更によって吐出容量を変更することができる可変容量型のポンプであってもよい。尚、送液ポンプ1からのキャリア液の流路5には運転準備段階でエア抜き及び液充填を行うための配管19が接続されている。この配管19は通常運転中(試料吸引工程、及び試料注入工程)は後述する切換バルブ16にて閉じられている。
パルスダンパ4はダイアフラム式のダンパであり、送液ポンプ1としてシングルプランジャポンプを用いることにより発生する脈動を吸収する。
試料注入装置6はまた、試料注入部22の下方に試料吸引部(容器保持部)39を備えている。試料吸引部39では、試料吸引位置に移動させたニードル27により、試料を吸引可能である。従って、試料吸引部39にて吸引した試料を試料注入部22にてキャリア液に注入することになる。尚、吸引及び注入は、計量ポンプ11を切換バルブ16を介してニードル27への配管12に接続して行う。
カラム8は、試料注入装置6下流のキャリア液の流路7に配置されて試料中の成分を分離する。
検出器9は、カラム8の下流側に配置されて、前記分離された成分を検出し、その信号をデータ処理装置(図示せず)に送る。データ処理装置でのデータ処理結果が分析結果として出力される。
ポートaは、エア抜き及びキャリア液充填用の配管17により、送液ポンプ1のシリンダ室に接続されている。
ポートbは、配管12により、ニードル27に接続されている。
ポートcは、パルスダンパ4からのエア抜き及びキャリア液充填用の配管19に接続されている。
ポートdは、排液流路20に接続されている。
ここでは、ポートa、bが第1配管接続ポート群に相当し、ポートc、dが第2配管接続ポート群に相当する。
運転準備段階では、流路内のエア抜きを行って流路内に液を満たすため、次のような操作が自動的に行われる。
切換バルブ16の位置を位置aにする(図6、図7の状態)。位置aでは、計量ポンプ11がポートa(配管17)と接続されると共に、ポートcとポートdとが連通する。
この状態で、先ず計量ポンプ11を吸引動作させる。すると、貯留槽51内の第1のキャリア液が送液ポンプ1の吸入側の逆止弁を通り、送液ポンプ1のシリンダ室から配管17を通って、計量ポンプ11内に吸入される。これにより、第1のキャリア液の貯留槽51から送液ポンプ1までの流路がキャリア液で満たされる。
次に計量ポンプ11を吐出動作させる。すると、計量ポンプ11内の第1のキャリア液が配管17により送液ポンプ1に圧送され、吐出側の逆止弁を開いて、パルスダンパ4へ流れる。そして、カラム8側の抵抗で、キャリア液はパルスダンパ4を経て、配管19へ流れ、配管19は切換バルブ16(ポートc、d)を介して排液流路20とつながっているので、排液流路20より排液として排出される。
切換バルブ16の位置は位置bにする(図8)。位置bでは、計量ポンプ11がポートb(配管12)と接続される。この状態で、計量ポンプ11を吸引動作させる。すると、容器内の試料がニードル27内に吸引される。
切換バルブ16の位置は位置bにする(図8)。位置bでは、計量ポンプ11がポートb(配管12)と接続される。この状態で、計量ポンプ11を吐出動作させる。すると、ニードル27内の試料がキャリア液の流路5、7間の試料注入部22に注入される。
2 第2の送液ポンプ(シングルプランジャポンプ)
3 ミキサー
4 パルスダンパ
5 キャリア液の流路
6 試料注入装置(本体)
7 キャリア液の流路
8 カラム
9 検出器
10 排液流路
11 計量ポンプ
12 配管
13 配管
14 排液ポンプ
15 排液流路
16 切換バルブ
16a 第1バルブ内流路
16b 第2バルブ内流路
17 配管
18 配管
19 配管
20 排液流路
22 試料注入部
27 ニードル
33 洗浄部
39 試料吸引部(容器保持部)
50 試薬キット
51 第1のキャリア液の貯留槽
52 第2のキャリア液の貯留槽
53 希釈・洗浄液の貯留槽
54 脱気装置
Claims (5)
- 貯留槽からキャリア液を送給する送液ポンプと、送液ポンプからのキャリア液の流路に試料として血液を注入する試料注入装置と、キャリア液の流路の試料注入装置下流に配置されて血液中のヘモグロビン成分を分離して検出する分離検出装置と、を備えるヘモグロビン分析装置であって、
下記(A)〜(C)を具備する切換バルブを有し、
上記切換バルブの中央配管接続ポートが、吸引及び吐出動作可能な計量ポンプに配管接続され、
上記切換バルブの第1配管接続ポート群のうち、1個以上の配管接続ポートが上記送液ポンプのシリンダ室に配管接続されることを特徴とする、ヘモグロビン分析装置。
(A)以下(1)〜(3)を具備するロータ
(1)1個以上の中央配管接続ポート
(2)上記中央配管接続ポートから連通される1個以上の第1バルブ内流路
(3)上記第1バルブ内流路の回動に伴って回動する、流路の長さが回動で移動する長さ1回分以上である1個以上の弧状の第2バルブ内流路
(B)以下(4)〜(5)を具備するステータ
(4)上記ロータの第1バルブ内流路の回動により、第1バルブ内流路を介して中央配管接続ポートと個別に連通される配管接続ポートを2個以上有し、その接続位置がロータ中心軸回りの1つの円周上にある第1配管接続ポート群
(5)上記ロータの第1バルブ内流路と第1配管接続ポート群との接続位置がある上記円周に対して、径の異なる同軸円の円周上に弧状の第2バルブ内流路との接続位置を持ち、弧状の第2バルブ内流路の回動により互いに連通される配管接続ポートを2個以上有する第2配管接続ポート群
(C)以下(6)〜(7)の関係を満たすロータとステータの配置
(6)上記ロータの第1バルブ内流路と個別に連通する上記ステータの第1配管接続ポート群のうち、1個以上の配管接続ポートでは、中央配管接続ポートと当該配管接続ポートとが連通されるときに、弧状の第2バルブ内流路によって、第2配管接続ポート群の2個以上の隣接する配管接続ポートが連通される。
(7)上記第1配管接続ポート群のうち、他の配管接続ポートでは、中央配管接続ポートと当該配管接続ポートとが連通されるときに、弧状の第2バルブ内流路によって、第2配管接続ポート群の上記隣接する配管接続ポートが連通されない。 - 上記切換バルブの第2配管接続ポート群のうち、1個以上の配管接続ポートに、上記送液ポンプの吐出側の流路から分岐して送液ポンプのエア抜きを行うときにキャリア液が流れる流路が接続され、
上記第2配管接続ポート群のうち、他の配管接続ポートに排液流路が接続されることを特徴とする、請求項1記載のヘモグロビン分析装置。 - 上記ロータの弧状の第2バルブ内流路は、その流路の長さが回動で移動する長さ1回分よりも長いことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のヘモグロビン分析装置。
- 上記切換バルブは、1ウェイ以上、6ポート以上、4ポジション以上の切換バルブであって、
上記ロータの弧状の第2バルブ内流路は、その流路の長さが回動で移動する長さ2回分以上であり、
上記ステータの第1配管接続ポート群は、上記ロータの第1バルブ内流路を介して中央配管接続ポートと個別に連通される配管接続ポートを4個以上有し、
上記ステータの第2配管接続ポート群は、上記ロータの弧状の第2バルブ内流路を介して互いに連通される配管接続ポートを2個以上有することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のヘモグロビン分析装置。 - 上記ロータの弧状の第2バルブ内流路は、その流路の長さが回動で移動する長さ2回分よりも長いことを特徴とする、請求項4記載のヘモグロビン分析装置。
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