JP3832055B2 - クロマトグラフ用流路切換えバルブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本願発明は、クロマトグラフ用流路切換えバルブに関し、更には該クロマトグラフ用流路切換えバルブに複数のカラム及び/又はクロマトグラフ用機器を接続したクロマトグラフ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クロマトグラフィでは、分離モード毎に、又は分析対象毎に異なるカラムを使用して分析を行う。また、特定条件下で分離が不十分な場合には、同種の複数カラムを直列に配置して分離の改善をはかることもある。このことは即ち、分離モードを変えるごとに、或いは分析対象が変わるたびにカラムを取り換えたり、また同種のカラムを追加するという作業が必要になることを意味する。
【0003】
またカラムは、分析対象の分離を向上させる目的及び測定の再現性を向上させる目的で、通常一定温度に保たれた恒温槽内に設置されることが多いが、前記した理由等によりカラムを取り換える場合には、必然的に恒温槽の扉を開けなければならない。この結果、恒温槽内の温度が乱れ易くなる。恒温槽内の温度が乱れると検出器の出力信号にも乱れが生じるため、その出力信号が安定するまで測定が行えず、無駄な時間を費やしてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような課題を解消するカラム選択の自動化技術として、6方2位置切換えバルブを利用した方式が提案されている。かかる方式では、図1に概略図を示したように、6方2位置切換えバルブ1のステータの配管接続口3、4にカラム14を、配管接続口6、7にカラム19を接続し、配管接続口2に試料注入手段11からの配管12を、配管接続口5に検出器17への配管16を接続することにより、カラム14又はカラム19の選択を可能としている。図1は、カラム14を選択した様子を示しているが、バルブのロータを60°時計回りに回転させることにより試料注入手段11からの配管12は配管接続口2、溝10、配管接続口7、配管20を経てカラム19に接続される。同様にカラム19からの配管18は配管接続口6、溝9、配管接続口5、配管16を経て検出器17に接続される。
【0005】
より多くのカラムからの選択を可能とする方式として、2つの7方6位置切換えバルブを組み合わせたカラム選択方式も提案されている。かかる方式では、図2に概略図を示したように、7方6位置切換えバルブ21の中央配管接続口22に試料注入手段11からの配管39を接続し、ロータを回転してロータ上の溝29を60°回転させる毎に配管接続口23、34に接続したカラム42、配管接続口24、33に接続したカラム45、配管接続口25、32に接続したカラム48、配管接続口28、35に接続したカラム51、配管接続口27、36に接続したカラム54、配管接続口26、37に接続したカラム57を選択可能とするものである。同様に、もう一方の7方6位置切換えバルブ30の中央配管接続口31は配管40を経て検出器17に接続されており、7方6位置切換えバルブ21で選択されたカラムが接続されている配管接続口にロータの溝38を合わせることでカラムからの溶出液を検出器17に導くことができる。なお、図2では、カラム51を選択した様子を示している。
【0006】
これらの方式によれば、前者(図1に示した方式)であれば2本のカラムから1本を、また後者(図2に示した方式)では6本のカラムから1本を選択することが可能である。しかし、いずれの方式においても取り付けたカラムから任意の1本が選択可能なだけであり、例えば複数本のカラムを同時に(直列に)接続する必要がある場合には適用できないという課題がある。また、特に後者の方式では、2つのバルブを使用しなければならないためにクロマトグラフを実施する際のバルブ制御操作が面倒であるという課題もある。
【0007】
従って本願発明の目的は、予め複数のカラム及び/又はクロマトグラフ用機器を装着しておき、切換えにより分析に供するカラムを任意に、かつ、複数本同時に選択できる単一の切換えバルブを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために成された本願請求項1の発明は、16個の配管接続口を備えるステータと8個の溝を有するロータとからなるクロマトグラフ用流路切換えバルブであって、ロータの4個の溝はステータの連続する8個の配管接続口の隣接する配管接続口同士を連通させるものであり、他の4個の溝は、隣接する配管接続口同士を連通させる2個の溝と、これらの溝のそれぞれで連通させられるそれぞれ隣接した2個の配管接続口の両側に位置する配管接続口を連通させる2個の溝であることを特徴とするクロマトグラフ用流路切換えバルブである。そして本願請求項2の発明は、上記クロマトグラフ用流路切換えバルブのロータの配管接続口に複数のカラム及び/又はクロマトグラフ用機器を接続したことを特徴とするクロマトグラフ装置であり、本願請求項3の発明は、かかるクロマトグラフ装置において、接続したカラム及び/又はクロマトグラフ用機器の名称を、前記ロータの回転(或いはステータの回転又はステータとロータの相対的な回転)を制御する制御手段に登録し、制御手段においてその名称を選択することで選択したカラム又はクロマトグラフ用機器へ流路を切換えることを特徴とする装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本願各請求項の発明を、図面に基づき説明する。
【0010】
図3は、本願請求項1のクロマトグラフ用流路切換えバルブを示す図である。円形のロータには、ステータの連続する8個の配管接続口の隣接する配管接続口同士を連通させるための合計6個の溝76、77、78、79、81、83と、溝81及び83によりそれぞれ連通させられる隣接する配管接続口の両側に位置する配管接続口同士を連通する、いわば2個飛びの配管接続口を接続する合計2個の溝80及び82が配設されている。そして、該ロータと組み合わせられる概ね同径の円形ステータの、前記ロータの溝に対応する位置には、配管接続口が配設されている。配管接続口は、図からも明らかなように、ステータ上の円周上に等間隔に配設される。
【0011】
ロータとステータは、その回転中心が一致するように一体化されることにより、ステータの配管接続口同士がロータの溝により連通され、かつ、ロータの回転(或いはステータの回転又はステータとロータの相対的な回転)により、前記とは異なる配管接続口同士が連通される。
【0012】
ロータ及びステータの材質には特に制限はなく、例えばステンレス、テフロン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド等を使用すれば良い。また、ロータ及びステータの形状は製造容易性等の観点から例えば図に示したような円板状を例示できるが特に制限はなく、例えば正方形状、半球状等であっても良い。更にロータとステータの形状が同一である必要もない。
【0013】
図4〜図10は、本願請求項2のクロマトグラフ装置の一例を示す図である。前記したような本願発明の流路切換えバルブに接続する複数のカラムとしては、例えば分子排除クロマトグラフィー(GPC)用の充填剤を充填したカラム、イオン交換樹脂を充填したカラム、逆相クロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム、アフィニティークロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム、イオンクロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム、疎水クロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム等、通常の液体クロマトグラフで使用するカラムが制限無く使用できる。しかも、同種のカラムを複数接続する以外に、異なる種類のカラムを複数接続しても良い。また接続されるクロマトグラフ用機器としては、例えば通常の試料注入手段、蛍光や吸光度を検出するための検出手段(フローセルや示差屈折率検出器)、分取のためのフラクションコレクター等を例示できる。なお図4〜図10は、6本のカラム及び各1個の試料注入手段と検出器を接続した様子を例示するものである。
【0014】
図4では、流路切換えバルブに接続した1系列目のカラム86、88、2系列目のカラム91、93、3系列目のカラム96、98の合計6本のカラムを全て使用する場合の前記切換えバルブの様子を示している。試料注入手段11からの配管84は、配管接続口60、ロータの溝76、配管接続口61、配管85を経て1系列目のカラム86、配管87、カラム88に接続されている。カラム88からの流路は配管89、配管接続口62、ロータの溝77、配管接続口63、配管90を経て2系列目のカラム91、配管92、カラム93に接続されている。カラム93からの流路は配管94、配管接続口64、ロータの溝78、配管接続口65、配管95を経て3系列目のカラム96、配管97、カラム98に接続されている。カラム98からの流路は配管99、配管接続口66、ロータの溝79、配管接続口67、配管100を経て検出手段17に接続されている。
【0015】
従って切換えバルブが図4のようにされている場合、以上のような流路により試料注入手段11で注入された試料成分は、3系列6本のカラムで分離され検出器17で検出される。
【0016】
図5は、カラム91、カラム93、カラム96及びカラム98の4本のカラムを使用する場合の前記切換えバルブの様子を示している。試料注入手段11からの配管84は、配管接続口72、ロータの溝82、配管接続口75、配管90を経て2系列目のカラム91、配管92、カラム93に接続されている。カラム93からの流路は配管94、配管接続口60、ロータの溝76、配管接続口61、配管95を経て3系列目のカラム96、配管97、カラム98に接続されている。カラム98からの流路は配管99、配管接続口62、ロータの溝77、配管接続口63、配管100を経て検出器17に接続されている。
【0017】
従って切換えバルブが図5のように切換えられた場合、以上のような流路により試料注入手段11で注入された試料成分は、2系列4本のカラムで分離され検出器17で検出される。
【0018】
図6は、カラム86及びカラム88の2本のカラムを使用する場合の前記切換えバルブの様子を示している。試料注入手段11からの配管84は、配管接続口73、ロータの溝83、配管接続口74、配管85を経て1系列目のカラム86、配管87、カラム88に接続されている。カラム88からの流路は配管89、配管接続口75、ロータの溝82、配管接続口72、配管101、配管接続口65、ロータの溝78、配管接続口64、配管100を経て検出器17に接続されている。
【0019】
従って切換えバルブが図6のように切換えられた場合、以上のような流路により試料注入手段11で注入された試料成分は、1系列2本のカラムで分離され検出器17で検出される。
【0020】
図7は、カラム86、カラム88、カラム96及びカラム98の4本のカラムを使用する場合の前記切換えバルブの様子を示している。試料注入手段11からの配管84は、配管接続口70、ロータの溝81、配管接続口69、配管101、配管接続口62、ロータの溝77、配管接続口63、配管102、配管接続口68、ロータの溝80、配管接続口71、配管85を経て1系列目のカラム86、配管87、カラム88に接続されている。カラム88からの流路は、配管89、配管接続口72、ロータの溝82、配管接続口75、配管95を経て3系列目のカラム96、配管97、カラム98に接続されている。カラム98からの流路は、配管99、配管接続口60、ロータの溝76、配管接続口61、配管100を経て検出器17に接続されている。
【0021】
従って切換えバルブが図7のように切換えられた場合、以上のような流路により試料注入手段11で注入された試料成分は、2系列4本のカラムで分離され検出器17で検出される。
【0022】
図8は、カラム91及びカラム93の2本のカラムを使用する場合の切換えバルブの様子を示している。試料注入手段11からの配管84は、配管接続口68、ロータの溝80、配管接続口71、配管90を経て2系列目のカラム91、配管92、カラム93に接続されている。カラム93からの流路は配管94、配管接続口72、ロータの溝82、配管接続口75、配管100を経て検出器17に接続されている。
【0023】
従って切換えバルブが図8のように切換えられた場合、以上のような流路により試料注入手段11で注入された試料成分は、1系列2本のカラムで分離され検出器17で検出される。
【0024】
図9は、カラム86、カラム88、カラム91及びカラム93の4本のカラムを使用する場合の切換えバルブの様子を示している。試料注入手段11からの配管84は、配管接続口64、ロータの溝78、配管接続口65、配管85を経て1系列目のカラム86、配管87、カラム88に接続されている。カラム88からの流路は配管89、配管接続口66、ロータの溝79、配管接続口67、配管90を経て2系列目のカラム91、配管92、カラム93に接続されている。カラム93からの流路は配管94、配管接続口68、ロータの溝80、配管接続口71、配管100を経て検出器17に接続されている。
【0025】
従って切換えバルブが図9のように切換えられた場合、以上のような流路により試料注出される。
【0026】
図10は、カラム96及びカラム98の2本のカラムを使用する場合の切換えバルブの様子を示している。試料注入手段11からの配管84は、配管接続口63、ロータの溝77、配管接続口62、配管101、配管接続口71、ロータの溝80、配管接続口68、配管95を経て3系列目のカラム96、配管97、カラム98に接続されている。カラム98からの流路は配管99、配管接続口69、ロータの溝81、配管接続口70、配管100を経て検出器17に接続されている。
【0027】
従って切換えバルブが図10のように切換えられた場合、以上のような流路により試料注入手段11で注入された試料成分は1系列2本のカラムで分離され検出器17で検出される。
【0028】
図4〜10に例示したように、本願発明の切換えバルブに3系列6本のカラムと各1個ずつの試料注入手段と検出器を接続した場合には、試料注入手段と検出器の間に介在するカラムの系列を任意に選択することが可能となる。
【0029】
例えば、1系列目のカラム86及びカラム88に市販のサイズ排除クロマトグラフィー(GPC)用カラム(例えばTSKgel GMHXL、排除限界分子量が4×108 の有機溶媒用カラム、東ソー(株)製)、2系列目のカラム91に市販のGPC用カラム(例えばTSKgel G40000HXL、排除限界分子量が4×105 の有機溶媒用カラム、東ソー(株)製)、カラム93に市販のGPC用カラム(例えばTSKgel G3000HXL、排除限界分子量が6×104 の有機溶媒用カラム、東ソー(株)製)、3系列目のカラム96及びカラム98に市販のGPC用カラム(例えばTSKgel G2000HXL、排除限界分子量が1×104 の有機溶媒用カラム、東ソー(株)製)を接続する等、同種のGPC用カラムを接続して使用すれば、試料成分の内容によって適宜分離に適した排除限界分子量を有するカラムを選択して当該試料成分の分離に適したカラムを用いて分離を行ったり、試料成分の分離状況に応じて、任意に分離に使用するカラムの本数(直列に接続されたカラムの本数)を変更して理論段数を向上又は減少させ、カラムにおける試料成分の分離能力を変化させることもできる。また更には、比較的大量の試料から目的成分を分離する場合にも、これらカラム群により単一カラムを用いる場合に比べて分離能力を高めることができる。
【0030】
即ち、切換えバルブを図4に示したように切換えれば、前記した3系列6本の全てのカラムを用いて試料成分の分離を行うことができる。また、図5のように切換えバルブを切換えれば、2系列4本のカラム(G4000HXL+G3000HXL+G2000HXL+G2000HXL)を用いて試料成分の分離を行うことができる。図6のように切換えバルブを切換えれば、1系列2本のカラム(GMHXL+GMHXL)を用いて試料成分の分離を行うことができる。図7のように切換えバルブを切換えれば、2系列4本のカラム(GMHXL+GMHXL+G2000HXL+G2000HXL)を用いて試料成分の分離を行うことができる。図8のように切換えバルブを切換えれば、1系列2本のカラム(G4000HXL+G3000HXL)を用いて試料成分の分離を行うことができる。図9のように切換えバルブを切換えれば、2系列4本のカラム(GMHXL+GMHXL+G4000HXL+G3000HXL)を用いて試料成分の分離を行うことができる。そして図10のように切換えバルブを切換えれば、1系列2本のカラム(G2000HXL+G2000HXL)を用いて試料成分の分離を行うことが出来る。
【0031】
切換えバルブを操作して直列に接続されるカラムの数を任意に変更し、カラムの理論段数を変化させる場合には、前記した例に代えて、例えばカラム86、カラム88、カラム91、カラム93及びカラム96のそれぞれにGPC用の同一カラム(例えばTSKgel Multipore HXL−M、排除限界分子量2×106 の有機溶媒用カラム、東ソー(株)製)を装着し、カラム98と配管99を取り除いて配管97を直接配管接続口74に接続することにより、図4のように切換えバルブを切換えた場合には5本、図9のように切換えバルブを切換えた場合には4本、図5のように切換えバルブを切換えた場合には3本、図6のように切換えバルブを切換えた場合には2本、図10のように切換えバルブを切換えた場合には1本のカラムを用いて試料成分を分離することが可能になる。従って、試料成分の分離状況に応じて、任意に分離に使用するカラムの本数(直列に接続されたカラムの本数)を1〜5本の間で変更して理論段数を向上又は減少させ、カラムにおける試料成分の分離能力を変化させることもできる。
【0032】
以上の説明においては、本願発明の切換えバルブに接続される各系列のカラム本数として1本の場合と2本の場合をそれぞれ説明したが、場合によっては3本以上のカラムを1つの系列として接続することも可能である。また、カラムの分離能力を示す理論段数は、GPC用のカラムに限らず例えばイオン交換樹脂を充填したカラム、逆相クロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム、アフィニティークロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム、イオンクロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム、疎水クロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム等、通常の液体クロマトグラフで使用するカラムの全てにおいて共通するため、これらの中から選択される同種かつ同一の複数カラムを切換えバルブに接続するすれば、直列に接続されるカラムの数を任意に変更して当該カラムの理論段数を向上又は減少させ、カラム(カラム群)における分離能力を変化させられることはいうまでもない。またこの場合、同種のカラムであっても試料成分の分離能力において差違を有するカラム、例えばイオン交換基が異なるイオン交換樹脂をそれぞれ充填したカラム群や異なるアフィニティーを有する充填剤をそれぞれ充填したカラム群等を接続しておき、状況に応じてこれらを任意に選択し直列に接続することで、単一カラムを用いた場合には分離することが困難な試料成分をも容易に分離可能とできる可能性がある。
【0033】
また、例えば1つの系列に試料成分の濃縮用カラムを接続しておき、他の系列にイオン交換樹脂を充填したカラム、逆相クロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム、アフィニティークロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム、イオンクロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム、疎水クロマトグラフィー用充填剤を充填したカラム等通常の液体クロマトグラフで使用するカラムを接続する等、異なる種類のカラム群を接続しておき、状況に応じてこれらを任意に選択し直列に接続することによっても、単一カラムを用いた場合には分離することが困難な試料成分を容易に分離可能とできる可能性がある。
【0034】
本願発明の流路切換えバブルでは、ロータ等の回転を制御してステータとロータの相対的な位置関係を検出することにより、接続したカラム及び/又はクロマトグラフ用機器中、現実にクロマトグラフ流路の一部に組み込まれている、言い換えれば現実に試料成分等が流通している、カラム及び/又はクロマトグラフ用機器を容易に特定することができる。従って、例えばロータの回転角度と該角度において流路に組み込まれるカラム等の名称をロータ等の回転を制御する制御手段に登録しておき、該制御手段においてその名称を選択することでロータ等を回転させて名称が選択されたカラム又はクロマトグラフ用機器へ流路を切換えるようにすることも容易である。
【0035】
実施例 1
前記したカラム86、88として市販のGPC用充填剤を充填したカラム(TSKgel GMHXL−H;排除限界分子量4×108 )を、カラム91として市販のGPC用充填剤を充填したカラム(TSKgel G4000HXL;排除限界分子量4×105 )を、カラム93として市販のGPC用充填剤を充填したカラム(TSKgel G3000HXL;排除限界分子量6×104 )を、カラム96、98として市販のGPC用充填剤を充填したカラム(TSKgel G2000HXL;排除限界分子量1×104 )を使用した。
【0036】
以上の合計4種類6本のカラムを用いて図4〜図10に示したように流路を切り換え、分子量既知の標準ポリスチレンを分析した場合の溶出時間と分子量の関係を示す図(校正曲線)を図11に示す。なお、測定は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、流速1.0ml/分で行った。
【0037】
実施例 2
前記したカラム86、88、91、93、96としてそれぞれ市販のGPC用充填剤を充填したカラム(TSKgel Multipore HXL−M;排除限界分子量2×106 )を使用し、カラム96の出口を配管99に直接接続した。即ち、図4に示した接続では5本のカラムが、図6に示した接続では3本のカラムが、図8に示した接続では2本のカラムが、図9に示した接続では4本のカラムが、そして図10に示した接続では1本のカラムが分析に供されることになる。
【0038】
実施例1と同様の条件で、図4、6、8、9又は10に示したように流路を切り換え、標準ポリスチレンを分析した場合の校正曲線を図12に示す。
【0039】
実施例 3
実施例2において図9に示したように流路を切り換えた状態でフェノール樹脂の分析を行った結果を図13に示す。
【0040】
【発明の効果】
本願発明の流路切換えバルブによれば、例えばあらかじめ装着した3つの系列のカラム群から任意の1系列又は任意の2系列のカラム群の組合せ、或いは3系列全てのカラム群を適宜選択して直列に接続したうえで試料成分の分離を実施することができる。しかもその切換えはロータ等を回転させてロータとステータの相対的な位置関係を変更するのみで可能である。従って、分離されるべき試料成分の量や質が変化に対応して理論段数の向上又は減少のために直列に接続される同種のカラム本数の増減が必要な場合や、異なる種類のカラムを直列に接続する必要が生じた場合等においても、不要のカラムを取り外して必要なカラムを取り付ける、等という手間が不要となるばかりでなく、このような取り外し、取り付けのためにカラムが設置された恒温槽扉を開閉する必要もない。これにより、従来はカラムの種類や本数を変更する際に生じていた恒温槽の温度変化を無くすことができるため、比較的短時間で検出器出力信号を安定化し、操作の中断を極力短時間化できるという利点も有している。
【0041】
特に、高分子物質の分子量測定に多用されるGPCでは、試料成分の分子量やその分布の程度で異なった孔径を有する充填剤を充填したカラムを複数本直列に接続して測定することが多いため、本願発明の流路切換えバルブを特に好適に適用することができる。
【0042】
以上のように本発明によれば、事前に設置した3系列のカラムから自由にカラム選択を行え、異なる試料成分について分離を行ったり同一の試料成分ではあっても諸々の物理的性質を知るために異なるカラムを用いて分離を行う場合等に、カラムを取り替える手間が省け、更には検出器信号の安定化に要する時間を大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は6方2位置切換えバルブを利用したカラム選択流路の例である。
【図2】図2は2つの7方6位置切換えバルブを利用したカラム選択流路の例である。
【図3】図3は本発明による流路切換えバルブ部ロータシール溝の詳細を説明する図である。
【図4】図4は1系列、2系列、3系列の6本のカラムを分析に供する場合のポジションを示している。
【図5】図5は2系列、3系列の4本のカラムを分析に供する場合のポジションを示している。
【図6】図6は1系列の2本のカラムを分析に供する場合のポジションを示している。
【図7】図7は1系列、3系列の4本のカラムを分析に供する場合のポジションを示している。
【図8】図8は2系列の2本のカラムを分析に供する場合のポジションを示している。
【図9】図9は1系列、2系列の4本のカラムを分析に供する場合のポジションを示している。
【図10】図10は3系列の2本のカラムを分析に供する場合のポジションを示している。
【図11】図11は、本願発明の実施例1の結果を示すものであり、縦軸は検出器からの出力(LogMW)を示し、横軸は溶出時間を示す。図中、丸(○)は図4に示したように流路を切り換えた場合の、黒丸(●)は図5に示したように流路を切り換えた場合の、四角(□)は図6に示したように流路を切り換えた場合の、黒四角(■)は図7に示したように流路を切り換えた場合の、三角(△)は図8に示したように流路を切り換えた場合の、黒三角(▲)は図9に示したように流路を切り換えた場合の、そしてバツ(×)は図10に示したように流路を切り換えた場合の結果をそれぞれ示す。
【図12】図12は、本願発明の実施例2の結果を示すものであり、縦軸は検出器からの出力(LogMW)を示し、横軸は溶出時間を示す。図中、丸(○)は図4に示したように流路を切り換えた場合の、黒丸(●)は図6に示したように流路を切り換えた場合の、四角(□)は図8に示したように流路を切り換えた場合の、黒四角(■)は図9に示したように流路を切り換えた場合の、三角(△)は図10に示したように流路を切り換えた場合の結果をそれぞれ示す。
【図13】図13は、本願発明の実施例3の結果を示すものであり、縦軸は検出器からの出力(LogMW)を示し、横軸は溶出時間を示す。
【符号の説明】
1 6方2位置切換えバルブのロータ
2〜7 6方2位置切換えバルブの配管接続口
8〜10 6方2位置切換えバルブロータの溝
11 試料注入手段
12、13、15、16、18、20 配管
14、19 カラム
17 検出手段
21、30 7方6位置切換えバルブのロータ
22〜28、31〜37 7方6位置切換えバルブの配管接続口
29、38 7方6位置切換えバルブロータの溝
39〜41、43、44、46、47、49、50、52、53、55、56、58 配管
42、45、48、51、54、57 カラム
59 16方流路切換えバルブのロータ
60〜75 16方流路切換えバルブ配管接続口
76〜83 16方流路切換えバルブロータの溝
84、85、87、89、90、92、94、95、97、99〜102 配管
86、88、91、93、96、98 カラム

Claims (3)

  1. 16個の配管接続口を備えるステータと8個の溝を有するロータとからなるクロマトグラフ用流路切換えバルブであって、ロータの4個の溝はステータの連続する8個の配管接続口の隣接する配管接続口同士を連通させるものであり、他の4個の溝は、隣接する配管接続口同士を連通させる2個の溝と、これらの溝のそれぞれで連通させられるそれぞれ隣接した2個の配管接続口の両側に位置する配管接続口を連通させる2個の溝であることを特徴とするクロマトグラフ用流路切換えバルブ。
  2. 複数のカラム及び/又はクロマトグラフ用機器を請求項1に記載の流路切換えバルブのロータの配管接続口に接続したことを特徴とするクロマトグラフ装置。
  3. 接続したカラム及び/又はクロマトグラフ用機器の名称を、前記ロータの回転(或いはステータの回転又はステータとロータの相対的な回転)を制御する制御手段に登録し、制御手段においてその名称を選択することで選択したカラム又はクロマトグラフ用機器へ流路を切換えることを特徴とする請求項2のクロマトグラフ装置。
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