JP6309300B2 - 鉄道車両 - Google Patents
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Description
この場合には、制振用ダンパが減衰力を発揮する際に作動油が高温になることを利用して熱電変換素子で発電させることができる。そして、制御コントローラの状態判断回路は、加速度センサが検出した加速度に基づいて車体の振動状態を判断できる。このため、外部から電源を供給することなく車体の振動状態を判断する制振用ダンパを構成することができる。
この場合には、制振用ダンパが所謂セミアクティブダンパになっていて、外部から電源を供給することなく車体の振動状態(オンロード制御を行う状態又はアンロード制御を行う状態)を判断する新たなセミアクティブダンパを提供することができる。
この場合には、状態判断回路がアンロード制御を行う状態であると判断すると、出力回路が第1オンオフ弁又は第2オンオフ弁に通電して、アンロード制御が行われる。こうして、外部から電源を供給することなくアンロード制御に切換えるセミアクティブダンパを提供することができる。
この場合には、制振用ダンパが基本的にパッシブダンパとして機能していて、充電量が基準量より大きくなったときに、アンロード制御を適宜行うことができる。こうして、既存の鉄道車両が備えるパッシブダンパから本発明の制振用ダンパに取り換えれば、電源ケーブル等の配線を艤装する手間、及びコストをほとんどかけずに、アンロード制御を適宜行うセミアクティブダンパを備えた鉄道車両を提供することができる。
この場合には、作動油がパッシブ回路のオリフィスを流れる際に大きく発熱するため、制振用ダンパのうちパッシブ回路が最も高温になる。このため、熱電変換素子をパッシブ回路の近くに取付けることで、最も効果的に発電させることができる。
この場合には、高温熱源部が例えば軸箱、電動モータ、歯車装置等の回転収容装置である場合に、走行中に回転収容装置が高温になることを利用して熱電変換素子が発電し、発電した電力によって制御コントローラを作動させることができる。そして、走行中に回転収容装置に万一異常が生じると、回転収容装置が異常な発熱状態になる。このとき、状態判断回路が温度センサによって検出された温度に基づいて、回転収容装置に異常な発熱状態が生じていることを判断する。こうして、外部から電源を供給することなく、回転収容装置に生じる万一の異常(発熱状態)を検知することができる。
この場合には、上記した作用効果と類似していて、状態判断回路が加速度センサによって検出された加速度に基づいて、回転収容装置に異常な振動状態が生じていることを判断する。こうして、外部から電源を供給することなく、回転収容装置に生じる万一の異常(振動状態)を検知することができる。
この場合には、制御コントローラが物理値センサで検出された物理値を情報データとして収集し、この情報データをデータ送信部によって車体の制御装置に送信する。これにより、車体の制御装置が、受信した情報データを例えば車体傾斜制御に用いたり、部品の状態又は乗り心地を監視する状態監視システムに用いることができる。
本発明に係る鉄道車両の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態の鉄道車両1を模式的に示した全体構成図である。図1に示すように、鉄道車両1では、台車10の枕木方向(図1の左右方向)の両端部に空気バネ20が載置されていて、車体30が各空気バネ20を介して台車10に支持されている。台車10では、台車枠11の枕木方向の両端部が各軸バネ12を介して各軸箱13に支持されていて、各軸箱13が車軸15の両端を回転可能に支持している。車軸15の両端部には、車輪16が一体回転可能に組付けられている。
点p2との間で作動油の流れを許容又は規制するものである。この第1オンオフ弁52
は、ノーマルクローズタイプの電磁弁であり、通電されることによって作動油の流れを許容する。
リフィス51bを通過することで、伸びに対するパッシブ荷重としての減衰力が発生す
る。これにより、車体30の図1の右側の揺れが、制振用ダンパ40によって受動的に抑
制される。パッシブ回路51を経由した作動油は、オイルタンク45に排出される。オイルタンク45に排出された作動油は、流路r0でチェック弁46を通って、負圧状態になっているヘッド側室44aに還流する。
第1実施形態の鉄道車両1によれば、走行中に制振用ダンパ40が減衰力を発揮する際に作動油が高温になることを利用して、熱電変換素子70が発電する。発電した電力は、制御コントローラ60に組み込まれた充電回路61によって充電される。そして、電流/電圧センサ62、加速度センサ63、状態判断回路64、及びストロークセンサ66は、充電回路61から供給される電力で作動する。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図9は、第2実施形態の制御コントローラ80が軸箱13に組み込まれている状態を示した図であり、図10は、第2実施形態の制御コントローラ80の構成を模式的に示した図である。第2実施形態の鉄道車両1A(図10参照)では、軸箱13に組み込まれ制御コントローラ80が軸箱13の異常な発熱状態を判断することに特徴がある。
第2実施形態の鉄道車両1Aによれば、走行中に軸箱13が高温になることを利用して熱電変換素子90が発電し、発電した電力によって制御コントローラ80を作動させることができる。そして、走行中に軸箱13に万一異常が生じると、軸箱13が異常な発熱状態になる。このとき、状態判断回路84が温度センサ83によって検出された温度に基づいて、軸箱13に異常な発熱状態が生じていることを判断する。こうして、外部からの電源を供給することなく、軸箱13に生じる万一の異常を検知することができる。そして、運転士は警報装置32によって軸箱13の異常を把握できるため、車両を停止させる等のその後の措置を速やかに行うことができる。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第2実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図11は、第3実施形態の制御コントローラ80Bの構成を模式的に示した図である。第3実施形態の鉄道車両1Bでは、軸箱13に組み込まれた制御コントローラ80Bが軸箱13の異常な振動状態を判断することに特徴がある。図11に示すように、第3実施形態の制御コントローラ80Bでは、第2実施形態の温度センサ83に換えて加速度センサ83Bが設けられ、第2実施形態の出力回路85に換えてデータ送信部85Bが設けられている。
第3実施形態の鉄道車両1Bによれば、上記した第2実施形態の作用効果と類似していて、状態判断回路84Bが加速度センサ83Bによって検出された加速度に基づいて、軸箱13に異常な振動状態が生じていることを判断する。こうして、外部からの電源を供給することなく、軸箱13に生じる万一の異常を検知することができる。更に、第3実施形態では、車体30の制御装置31が、データ送信部85Bによって加速度の情報データを受信する。これにより、車体30の制御装置31は、受信した加速度の情報データを例えば車体傾斜制御に用いたり、部品の状態又は乗り心地を監視する状態監視システムに用いることができる。
例えば、第1実施形態において、熱電変換素子70はパッシブ回路51の近くにのみ取付けたが、制振用ダンパ40のその他の部位に取付けても良く、熱電変換素子の個数及び取付位置は適宜変更可能である。
また、第1実施形態において示した油圧回路50はあくまで一例であって、油圧回路の構成は適宜変更可能である。
また、第1実施形態及び第3実施形態において物理値センサが加速度センサ63,83Bであり、第2実施形態において物理値センサが温度センサ83であったが、物理値センサはこれらに限られるものではなく、例えば速度センサ、歪みセンサ、角度センサ、角速度センサ、圧力センサ等であっても良い。
また、第1実施形態と第2実施形態と第3実施形態の各特徴をそれぞれ組み合わせて実施することも可能である。
10 台車
20 空気バネ
30 車体
31 制御装置
40 制振用ダンパ
41 ピストンロッド
42 ピストン
43 第1チェック弁
44 シリンダ
45 オイルタンク
46 第2チェック弁
50 油圧回路
51 パッシブ回路
52 第1オンオフ弁
53 第2オンオフ弁
60,80,80B 制御コントローラ
61,81 充電回路
62,82 電流/電圧センサ
63,83B 加速度センサ
64,84,84B 状態判断回路
65,85 出力回路
70,90 熱電変換素子
83 温度センサ
85B データ送信部
r1,r2,r3 第1流路,第2流路,第3流路
Claims (6)
- 鉄道車両に作用している物理値を検出可能な物理値センサと、
車両の状態を判断する制御コントローラとを備える鉄道車両において、
走行に伴って高温になる高温熱源部に、温度差によって発電する熱電変換素子が取付けられていて、
前記制御コントローラは、
前記熱電変換素子が発電した電力を充電可能な充電回路と、
前記充電回路から供給される電力で作動する前記物理値センサと、
前記充電回路から供給される電力で作動し且つ前記物理値センサで検出された物理値に基づいて車両の状態を判断する状態判断回路とを組み込んでいること、
前記高温熱源部は、車体の振動を抑制する油圧用の制振用ダンパであり、
前記制振用ダンパは、前記制御コントローラを組み込んでいて、
前記物理値センサは、車体の振動を加速度として検出する加速度センサであること、
を特徴とする鉄道車両。 - 請求項1に記載された鉄道車両において、
前記制振用ダンパは、
ピストンロッドに一体的に設けられたピストンと、
前記ピストンに形成された流路で作動油を前記ピストンロッド側にのみ流す第1チェック弁と、
前記ピストンによってヘッド側室とロッド側室とに区画されたシリンダと、
前記ヘッド側室に接続されるオイルタンクと、
前記ヘッド側室と前記オイルタンクとの間の流路で作動油を前記ヘッド側室にのみ流す第2チェック弁と、
前記制振用ダンパの伸縮に伴って流れる作動油の制御荷重を大きくするオンロード制御と前記作動油の制御荷重を略零にするアンロード制御との切換えが可能な油圧回路とを有し、
前記油圧回路では、
前記ロッド側室と前記ヘッド側室との間で作動油が流れる第1流路と、
前記第1流路の第1分岐点から前記オイルタンクへ分岐する第2流路と、
前記第1流路のうち前記第1分岐点より下流側の第2分岐点から前記オイルタンクへ分岐する第3流路と、
前記第2流路に作動油が流れる際に減衰力を発生させるパッシブ回路と、
前記第1流路のうち前記第1分岐点と前記第2分岐点との間で作動油の流れを許容又は規制する第1電磁弁と、
前記第3流路で作動油の流れを許容又は規制する第2電磁弁とが設けられていることを特徴とする鉄道車両。 - 請求項2に記載された鉄道車両において、
前記第1電磁弁と前記第2電磁弁は、通電によって開閉を切換える第1オンオフ弁と第2オンオフ弁であり、
前記制御コントローラは、前記状態判断回路が前記アンロード制御を行う状態であると判断したときに、前記充電回路から供給される電力で作動し且つ前記第1オンオフ弁と前記第2オンオフ弁とに通電可能な出力回路を組み込んでいることを特徴とする鉄道車両。 - 請求項3に記載された鉄道車両において、
前記制御コントローラは、前記充電回路が充電した充電量を検出する検出用センサを組み込んでいて、
前記状態判断回路は、前記充電量が予め設定された基準量より大きいか否かを判断し、
前記出力回路は、
前記充電量が前記基準量より大きく且つ伸び側の前記アンロード制御を行う状態であると判断されたときに、前記第1オンオフ弁が開くように通電し、
前記充電量が前記基準量より大きく且つ縮み側の前記アンロード制御を行う状態であると判断されたときに、前記第2オンオフ弁が開くように通電することを特徴とする鉄道車両。 - 請求項2乃至請求項4の何れかに記載された鉄道車両において、
前記熱電変換素子は、前記パッシブ回路を流れる作動油の熱で発電するように前記パッシブ回路の近くに取付けられていることを特徴とする鉄道車両。 - 請求項1乃至請求項5の何れかに記載された鉄道車両において、
前記制御コントローラは、前記充電回路から供給される電力で作動し且つ前記物理値センサで検出された物理値を車体の制御装置に送信するデータ送信部を組み込んでいることを特徴とする鉄道車両。
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