JP6309084B2 - 堅固でかつねじれたジビニル架橋剤によるスルホニル含有ポリマー材料 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
(関連出願の相互参照)
本出願は2013年5月14日出願の米国特許仮出願第61/823155号の利益を主張するものであり、その開示の全容を本明細書に援用する。
(発明の分野)
架橋剤としてフリーラジカル重合性スピロビスインダンモノマーを使用して調製されたポリマー材料を官能化して、スルホニル含有基を作製する。イオン交換樹脂として使用できるスルホニル含有ポリマー材料、及び、このスルホニル含有ポリマー材料の製造方法が記載される。
(背景技術)
高圧クロマトグラフィーカラムに使用されるイオン交換樹脂は、典型的に、かけられる比較的高圧及び/又は高温に持ちこたえられるものであることが望まれる。多くの場合、圧力が高くなるほど分離能が向上する。通常、このようなイオン交換樹脂は、高圧及び/又は高温条件下での変形又は破砕に対し抵抗を持たせるべく架橋される。例えば、高圧分離用の市販のイオン交換樹脂の多くは、ジビニルベンゼン架橋されており、かつイオン基を提供するよう官能化されているポリスチレンベースのものである。このような物質は、例えば、Pepper,J.Appl.Chem.,1951,1,124に記載されている。
ポリマー材料は、スピロビスインダン含有化合物を使用して作製されている。例えば、反応スキームAは、5,5’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダンと2,3,5,6−テトラフルオロテレフタロニトリルとを反応させることによるポリマー材料の生成を示し、このポリマー材料は連結基として縮合ジオキシン環を有する。これらのポリマー及びそれらの合成方法は、例えば、Budd et al.,Chem.Commun.,2004,230及び米国特許第7,690,514号(McKeown et al.)において詳述される。
Figure 0006309084
重合時間が延長される傾向があるのに加え(例えば、数日に及ぶ)、ポリマー生成に使用されるモノマーは、多くの場合非常に高価である。
(概要)
スルホニル含有ポリマー材料及びこれらの材料の製造方法が提供される。より詳細には、スルホニル含有ポリマー材料は、前駆体ポリマー材料をスルホニル含有化合物で処理することにより製造される。前駆体ポリマー材料は、堅固でかつねじれたジビニル架橋剤を含有する重合性組成物から生成される。スルホニル含有ポリマー材料は、イオン交換樹脂として使用できる。これらのイオン交換樹脂は、ジビニルベンゼンなどの一般的な架橋剤を使用して調製される比較可能なポリマー材料よりもガラス転移温度が高く、及び/又は耐圧縮性が高く、及び/又は熱安定性が改良されている。
第1の態様では、a)前駆体ポリマー材料及びb)スルホニル含有化合物を含有する反応混合物の反応生成物を含有するスルホニル含有ポリマー材料が提供される。前駆物質は、i)モノマー混合物及びii)フリーラジカル開始剤を含有する重合性組成物の重合生成物を含有する。モノマー混合物は、1)式(I)で表される第1のモノマーと、
Figure 0006309084

2)第2のモノマー、すなわちスチレン、1つ以上のアルキル基で置換されたスチレン、又はそれらの組み合わせとを含有し、式(I)で表される第1のモノマーは、第2のモノマーのモル数に基づき、25モル%までの量で存在する。式(I)で表されるモノマー中、各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、アルカリール、又はアラルキルであり、少なくとも1つのRは水素である。各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、又は同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成している。各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成しているか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。各Rは、独立して、水素であるか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。スルホニル含有ポリマー材料は、少なくとも1つの式−SOの基を有し、スルホニル含有ポリマー材料中の各芳香環について、式−SOの基は最大で1つまでである。R基は−OH、−NH、又は−NR−Q−N(Rである。Q基は、単結合、アルキレン、又は式−(Q−NR−Q−の基であり、式中、各Q及びQは、独立して、アルキレンであり、式中、xは1〜4の範囲の整数である。各Rは、それぞれ独立して、水素又はアルキルである。
第2の態様では、スルホニル含有ポリマー材料の製造方法が提供される。この方法は、i)モノマー混合物及びii)フリーラジカル開始剤を含有する重合性組成物を調製することを含む。モノマー混合物は、i)式(I)で表される第1のモノマーと、ii)第2のモノマー、すなわちスチレン、1つ以上のアルキル基で置換されたスチレン、又はそれらの組み合わせとを含有する。式(I)で表される第1のモノマーは上記のものと同じであり、第2のモノマーのモル数に基づき25モル%までの量で存在する。方法は、重合性組成物を反応させることにより前駆体ポリマー材料を生成することと、次に前駆体ポリマー材料をスルホニル含有化合物で処理することによりスルホニル含有ポリマー材料を生成することと、を更に含む。スルホニル含有ポリマー材料は、少なくとも1つの式−SO基を有し、スルホニル含有ポリマー材料中の各芳香環について、式−SOの基は最大で1つまでである。R基は、上に定義されるものと同じである。
スルホニル含有ポリマー材料は、前駆体ポリマー材料をスルホニル含有化合物で処理することにより製造される。前駆体ポリマー材料は、架橋剤、すなわちフリーラジカル重合性スピロビスインダンモノマーを含有する、重合性組成物から生成される。スルホニル含有ポリマー材料は、例えば、イオン交換樹脂として使用することができる。
用語「a」、「an」及び「the」は、「少なくとも1つの」と同じ意味で用いられ、記載された要素の1つ以上を意味する。
用語「ハロゲン」は、ハロゲン原子のラジカルである一価の基を意味する。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であり得る。
用語「アルキル」は、アルカンのラジカルである1価の基を指す。アルキル基は、1〜20個までの炭素原子を有し得るものであり、直鎖状、分枝状、環式、又はこれらの組み合わせであり得る。アルキル基が直鎖状であるとき、アルキル基は、1〜20個の炭素原子を有し得る。アルキル基が分岐状又は環状であるとき、アルキル基は、3〜20個の炭素原子を有し得る。
用語「アルコキシ」は、式−ORの一価の基を指し、式中、Rは上記に定義の通りのアルキルである。
用語「アリール」は、芳香族炭素環化合物のラジカルである一価の基を指す。アリール基は、少なくとも1つの芳香族炭素環を有し、かつこの芳香族炭素環に連結した、又は縮合している1〜5個の追加の環を有し得る。追加の環は、芳香族、脂肪族、又はこれらの組み合わせであってよい。アリール基は通常、5〜20個の炭素原子を有する。
用語「アルカリール」は、少なくとも1つのアルキル基で置換されたアリールを指す。アルカリール基は、6〜40個の炭素原子を有する。アルカリール基は、多くの場合、5〜20個の炭素原子を有するアリール基と、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基とを含有する。
用語「アラルキル」は、少なくとも1つのアリール基で置換されたアルキル基を指す。アラルキル基は、6〜40個の炭素原子を有する。アラルキル基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基と、5〜20個の炭素原子を有するアリール基とを含有する。
用語「炭素環基」は、脂肪族又は芳香族炭素環構造を指す。炭素環基は、飽和、部分的に不飽和、又は不飽和であってよい。炭素環基は、多くの場合、5〜20個の炭素原子を含有する。
用語「ポリマー」は、1種のモノマーから調製したポリマー材料、例えばホモポリマー、又は2種もしくはそれ以上のモノマーから調製したポリマー材料、例えばコポリマー、ターポリマーなど、の両方を意味する。同様に、用語「重合させる」は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーなどであり得るポリマー材料の作製プロセスを指す。
第1の態様では、a)前駆体ポリマー材料及びb)スルホニル含有化合物を含有する反応混合物の反応生成物を含有する、スルホニル含有ポリマー材料が提供される。前駆物質は、モノマー混合物とフリーラジカル開始剤とを含有する重合性組成物の重合生成物を含有する。モノマー混合物は、第1のモノマー、すなわちフリーラジカル重合性基を2つ有するスピロビスインダンモノマーと、第2のモノマー、すなわちスチレン、1つ以上のアルキル基で置換されたスチレン、又はそれらの組み合わせとを含有する。第1のモノマーは、モノマー混合物中の第2のモノマーのモル数に基づき25モル%までの量で存在する。スルホニル含有ポリマー材料は、少なくとも1つのスルホニル含有基と、芳香環あたり最大で1つまでのスルホニル含有基を含有する。
フリーラジカル重合性基を2つ有するスピロビスインダンモノマーが式(I)で表される架橋剤である。2つのフリーラジカル重合性基はビニル基である。
Figure 0006309084
式(I)で表される第1のモノマーでは、各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、アルカリール、又はアラルキルであり、少なくとも1つのRは水素である。各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、又は同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成している。各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成しているか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。各Rは、独立して、水素であるか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。
式(I)中、各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、アルカリール、又はアラルキルである。Rに好適なハロゲン基としては、塩素及び臭素が挙げられるがこれらに限定されない。好適なアルキル基は、多くの場合、20個までの炭素原子、10個までの炭素原子、6個までの炭素原子、又は4個までの炭素原子を有する。例えば、アルキル基は1〜10個の炭素原子、3〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、3〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有し得る。好適なアリール基は、多くの場合、12個までの炭素原子、10個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有する。多くの実施形態では、アリール基はフェニルである。好適なアルカリール基及びアラルキル基は、多くの場合、12個までの炭素原子、10個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有するアリール基と、10個までの炭素原子、6個までの炭素原子、又は4個までの炭素原子を有するアルキル基とを有する。アルカリール基の例は、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する1つ以上のアルキル基により置換されたフェニルである。アラルキル基の例は、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有し、フェニルで置換されている、アルキル基である。
式(I)で表されるモノマー中、少なくとも1つのRは水素である。いくつかの実施形態では、式(I)に示す各芳香環上の少なくとも1つのRは水素に相当する。すなわち、式(I)で表されるモノマーにおいて、少なくとも2つのR基は水素に相当する。この部分は、多くの場合、スルホニル含有ポリマー材料の生成中に、前駆体ポリマー材料に式−SOの基を導入するスルホニル含有化合物による反応を受ける。すなわち、最終的なスルホニル含有ポリマー材料では、R基のうち1つは式(I)で表されるモノマー中の水素に等しく、相当する前駆体ポリマー材料は、式−SOのスルホニル含有基で置き換えられている。
式(I)中、各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、又は同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成している。好適なアルキル基は、多くの場合、20個までの炭素原子、10個までの炭素原子、6個までの炭素原子、又は4個までの炭素原子を有する。例えば、アルキル基は1〜10個の炭素原子、3〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、3〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有し得る。好適なアリール基は、多くの場合、12個までの炭素原子、10個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有する。多くの実施形態では、アリール基はフェニルである。好適なアルカリール基及びアラルキル基は、多くの場合、12個までの炭素原子、10個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有するアリール基と、10個までの炭素原子、6個までの炭素原子、又は4個までの炭素原子を有するアルキル基とを有する。アルカリール基の例は、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する1つ以上のアルキル基により置換されたフェニルである。アラルキル基の例は、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有し、フェニルで置換されている、アルキル基である。
とRとの結合により形成される好適な環状アルキル基は、10個までの炭素原子、8個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有し得る。多くの実施形態では、環状アルキル基は3〜8個の炭素原子又は3〜6個の炭素原子を有する。環状アルキル基は、場合により1つ以上の炭素環と縮合され得る。各炭素環は、典型的には、10個までの炭素原子、8個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有し、芳香環(すなわち、不飽和)、部分飽和、又は飽和であり得る。縮合炭素環は、多くの場合ベンゼン環である。縮合している炭素環を1つ以上有する環状アルキルの例は、フルオレニル(すなわち、フルオレンの一価のラジカル)である。
各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成するか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。好適なアルキル基は、多くの場合、20個までの炭素原子、10個までの炭素原子、6個までの炭素原子、又は4個までの炭素原子を有する。例えば、アルキル基は1〜10個の炭素原子、3〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、3〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有し得る。好適なアリール基は、多くの場合、12個までの炭素原子、10個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有する。多くの実施形態では、アリール基はフェニルである。好適なアルカリール基及びアラルキル基は、多くの場合、12個までの炭素原子、10個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有するアリール基と、10個までの炭素原子、6個までの炭素原子、又は4個までの炭素原子を有するアルキル基とを有する。アルカリール基の例は、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する1つ以上のアルキル基により置換されたフェニルである。アラルキル基の例は、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有し、フェニルで置換されている、アルキル基である。RとRとの結合により形成される好適な環状アルキル基は、10個までの炭素原子、8個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有し得る。多くの実施形態では、環状アルキル基は3〜8個の炭素原子又は3〜6個の炭素原子を有する。環状アルキル基は、場合により1つ以上の炭素環と縮合され得る。各炭素環は、典型的には、10個までの炭素原子、8個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有し、芳香環(すなわち、不飽和)、部分飽和、又は飽和であり得る。縮合炭素環は、多くの場合ベンゼン環である。縮合している炭素環を1つ以上有する環状アルキルの例は、フルオレニル(すなわち、フルオレンの一価のラジカル)である。
各Rは、独立して、水素であるか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。
式(I)で表されるモノマーのいくつかの具体的な実施形態では、Rは水素又はハロゲンであり、Rは1〜10個の炭素原子(例えば、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、又は1個の炭素原子)を有するアルキルであり、Rは1〜10個の炭素原子(例えば、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、又は1個の炭素原子)を有するアルキルであり、かつRは水素である。式(I)で表されるモノマーのその他のより具体的な実施形態では、各Rは水素であり、Rは1〜6個の炭素原子(例えば、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、又は1個の炭素原子)を有するアルキルであり、Rは1〜6個の炭素原子(例えば、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、又は1個の炭素原子)を有するアルキルであり、Rは水素である。式(I)で表されるモノマーの更により具体的な実施形態では、各Rは水素であり、Rはメチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり;このモノマーは3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−6,6’−ジビニルである。
式(I)のモノマーは、任意の既知の方法を使用して調製できる。例えば、モノマーは、反応スキームBに示す通りに調製でき、R及びRは水素であり、R及びRはアルキル又は水素である。
Figure 0006309084
式(II)で表されるビスフェノール化合物をメタンスルホン酸(MSA)と反応させて、式(III)で表されるスピロビスインダン−6,6’−ジオール化合物を生成する。ピリジン及び塩化メチレンなどの溶媒の存在下でスピロビスインダン−6,6’−ジオールをトリフルオロメタンスルホン酸無水物(TFMSA)と反応させて、式(IV)で表されるスピロビスインダン−6,6’−ビストリフラート化合物を生成することができる。続いて、このスピロビスインダン−6,6’−ビストリフラート化合物を、スティルカップリング反応にかけて、式(V)で表されるスピロビスインダン−6,6’−ジビニル化合物を生成することができる。すなわち、式(IV)で表される化合物を塩化リチウム、パラジウム触媒、及びジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒の存在下でビニルトリブチルスズと反応させて、重合性基を導入する。ビスフェノールAを式(II)で表される化合物として出発するモノマー3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−6,6’−ジビニルの調製のための実施例の欄に、この合成アプローチの詳細を更に記載する。
反応スキームCに示す通りに式(I)で表されるモノマーを調製でき、式中、R及びRは一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し、Rはアルキル、アリール、アルカリール、又はアラルキルである。
Figure 0006309084
このジオン(化合物(VII))の生成に関与する化学反応は、Org.Lett.,2008,10,2641に記載されている。より詳細には、ジエチル−1,3−アセトンジカルボキシレート及びメトキシベンゼンを硫酸の存在下で反応させて、化合物(VI)を生成する。この反応後に加水分解が続き、次にポリリン酸(PPA)及び三塩化アルミニウム(AlCl)により介在されるフリーデルクラフツアシル化により化合物(VII)が生成される。グリニャール反応を使用して、このジオン(化合物(VII))から式(I)で表される様々なモノマーを調製できる。グリニャール試薬としてRMgBrを使用し、この種類の反応を反応スキームCに例示する。硫酸水溶液による処理後に無水スピロビスインダン(化合物(VIII))が生成される。化合物(VIII)を三臭化ホウ素(BBr)と反応させて、メトキシ基をヒドロキシル基に変換する。次に、ピリジン及び塩化メチレンなどの溶媒の存在下でヒドロキシル基をトリフルオロメタンスルホン酸無水物(TFMSA)と反応させて、トリフラート基を有する化合物(IX)を生成する。塩化リチウム、パラジウム触媒、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒の存在下でトリフラート基をビニルトリブチルスズと反応させる。多くの場合スティルカップリング反応として参照されるこの反応が、化合物(X)に示す通りの重合性基を導入する。
重合性組成物は、第2のモノマーの総モル数に基づき、25モル%までの式(I)で表される架橋剤を含有する(すなわち、式(I)で表される架橋剤のモル%は、[式(I)で表される架橋剤のモル数÷第2のモノマーのモル数]×100に等しい)。式(I)で表される架橋剤の使用が25モル%を超えると、得られるポリマー材料は、多くの用途について架橋度が高すぎる状態になってしまう恐れがある。例えば、得られるポリマー材料は非常に脆性なものであり得る。いくつかの実施形態では、モノマー混合物は、20モル%まで、15モル%まで、10モル%まで、又は5モル%までの式(I)で表される架橋剤を含有する。多くの場合、重合性組成物は、モノマー混合物中の第2のモノマーのモル数に基づき少なくとも1モル%の式(I)で表される架橋剤を含有する。式(I)で表される架橋剤の使用が1モル%未満になると、得られるポリマー材料は、多くの用途において容易に変形し過ぎる状態になってしまう恐れがある。モノマー混合物は、多くの場合、式(I)で表される架橋剤を少なくとも2モル%、少なくとも5モル%、又は少なくとも10モル%含有する。いくつかの実施形態では、モノマー混合物は、式(I)で表される架橋剤を、1〜25モル%、1〜20モル%、1〜15モル%、1〜10モル%、2〜25モル%、2〜20モル%、2〜10モル%、5〜25モル%、5〜20モル%、5〜10モル%、10〜25モル%、又は10〜20モル%の範囲の量で含有する。
モノマー混合物中のモノマーの合計重量の観点から、重合性組成物は、多くの場合、60重量%の式(I)で表される架橋剤を含有する。例えば、重合性組成物は、50重量%まで、40重量%まで、30重量%まで、又は20重量%までの式(I)で表される架橋剤を含有し得る。重合性組成物は、典型的には、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%の式(I)で表される架橋剤を含有する。
式(I)で表される架橋剤に加えて、モノマー混合物は、エチレン不飽和基を1つ有する第2のモノマーを含有する。第2のモノマーは、通常、スチレン、1つ以上のアルキル基で置換されたスチレン、又はそれらの組み合わせである。置換基として使用することのできる好適なアルキル基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する。アルキル基で置換されたスチレンの例としては、エチルスチレン及びtert−ブチルスチレンが挙げられるがこれらに限定されない。
重合性組成物は、多くの場合、モノマー混合物中のモノマーの合計重量に基づき、1〜60重量%までの式(I)で表される架橋剤と、40〜99重量%までの第2のモノマーとを含有する。例えば、重合性組成物は、2〜60重量%の式(I)で表される架橋剤及び40〜98重量%第2のモノマー、5〜60重量%の式(I)で表される架橋剤及び40〜95重量%の第2のモノマー、5〜50重量%の式(I)で表される架橋剤及び50〜95重量%の第2のモノマー、5〜40重量%の式(I)で表される架橋剤及び60〜95重量%の第2のモノマー、5〜30重量%の式(I)で表される架橋剤及び70〜95重量%の第2のモノマー、あるいは5〜20重量%の式(I)で表される架橋剤及び80〜95重量%の第2のモノマーを含有し得る。
いくつかの実施形態では、式(I)で表されるものではない追加の架橋剤をモノマー混合物に添加できる。好適な追加の架橋剤は、複数(例えば、2〜4)のエチレン性不飽和基を有し、モノマー混合物中の式(I)で表される架橋剤及び第2のモノマーに混和性であるものである。追加の架橋剤は、多くの場合、疎水性となるよう選択される。好適な追加の架橋剤としては、ポリビニル芳香族モノマーが挙げられる。用語「ポリビニル芳香族モノマー」は、式(I)で表されるものではなく、芳香族炭素環基にそれぞれ結合している複数(例えば、2つ又は3つ)のビニル基を有するモノマーを指す。芳香族炭素環基は、少なくとも1つの芳香族炭素環を有し、かつ芳香族炭素環に連結している又は縮合している1〜5個の任意の環を有し得る。追加の環は、芳香族、脂肪族、又はこれらの組み合わせであってよい。ポリビニル芳香族モノマーの例としては、ジビニルベンゼン、1つ以上のアルキル基で置換されたジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、及び1つ以上のアルキル基で置換されたトリビニルベンゼンが挙げられるがこれらに限定されない。
重合性組成物において、式(I)で表される架橋剤と組み合わせて追加の架橋剤を使用するとき、架橋剤の総量は、25モル%までにすることができるものの、但し、式(I)で表される架橋剤は少なくとも1モル%存在する。モル%は、第2のモノマーのモル数に基づくものである。いくつかの実施形態では、重合性組成物は、1〜24モル%の式(I)で表される架橋剤と、1〜24モル%の追加の架橋剤とを含有し得る。典型的には、式(I)で表される架橋剤は、重合性組成物中の架橋剤の総モル数の少なくとも5%である。例えば、式(I)で表される架橋剤は、重合性組成物中の架橋剤の総モル数の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である。
様々なモノマーに加え、重合性組成物(すなわち、モノマー混合物に加え、その他の反応物質が、重合反応に加え、存在し得る任意の溶媒に関与し得る)は、典型的には、フリーラジカル重合反応の開始剤を含有する。任意の好適なフリーラジカル開始剤を使用できる。いくつかの実施形態では、フリーラジカル開始剤は、熱開始剤であり、通常、室温超の温度にて活性化できる。他の実施形態では、フリーラジカル開始剤はレドックス開始剤である。好適なフリーラジカル開始剤は、典型的には、重合性組成物に含有させるモノマーと混和性であるよう選択される。フリーラジカル開始剤は、典型的には、0.05〜10重量%、0.05〜5重量%、0.05〜2重量%、0.05〜1重量%、0.1〜5重量%、0.2〜5重量%、0.5〜5重量%、0.1〜2重量%、又は0.1〜1重量%の範囲の量で存在する。重量%は、重合性組成物中のモノマーの合計重量に基づくものである。熱開始剤の種類及び量の両方が重合速度に影響し得る。
好適な熱開始剤としては、有機過酸化物及びアゾ化合物が挙げられる。アゾ化合物の例としては、E.I.du Pont de Nemours社(Wilmington,DE)から商標名VAZOで市販されている、VAZO 64[2,2’−アゾビス(イソブチロニトリルニトリル)、多くの場合、AIBNとして参照される]及びVAZO 52[2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)]が挙げられるがこれらに限定されない。その他のアゾ化合物は、米国和光純薬株式会社(Richmond,VA)から、V−601(ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオナート))、V−65(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))、及びV−59(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))などとして市販されている。有機過酸化物としては、ビス(1−オキソアリール)ペルオキシド、例えば、ベンゾイルペルオキシド(BPO)、ビス(1−オキソアルキル)ペルオキシド、例えば、ラウロイルペルオキシド、及びジアルキルペルオキシド、例えば、ジクミルペルオキシド、又はジ−tert−ブチルペルオキシド、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。開始剤を活性化させるのに必要とされる温度は、多くの場合、25℃〜160℃、30℃〜160℃、又は40℃〜160℃の範囲である。
好適なレドックス開始剤としては、アリールスルフィネート塩、トリアリールスルホニウム塩、又はN,N−ジアルキルアニリン(例えば、N,N−ジメチルアニリン)と、酸化物状態、過酸化物、又は過硫酸塩の金属との組み合わせが挙げられる。具体的なアリールスルフィネート塩としては、テトラアルキルアンモニウムアリールスルフィネート、例えば、テトラブチルアンモニウム4−エトキシカルボニルベンゼンスルフィネート、テトラブチルアンモニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルフィネート、及びテトラブチルアンモニウム3−トリフルオロメチルベンゼンスルフィネートが挙げられる。具体的なトリアリールスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムカチオンと、PF 、AsF 、及びSbF から選択されるアニオンとを備えるものが挙げられる。好適な金属イオンとしては、例えば、第三族金属、遷移金属、及びランタニド金属のイオンが挙げられる。具体的な金属イオンとしては、Fe(III)、Co(III)、Ag(I)、Ag(II)、Cu(II)、Ce(III)、Al(III)、Mo(VI)、及びZn(II)が挙げられるがこれらに限定されない。好適なペルオキシドとしては、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等が挙げられる。好適な過硫酸塩としては、例えば、アンモニウムペルサルフェート、テトラアルキルアンモニウムペルサルフェート(例えば、テトラブチルアンモニウムペルサルフェート)等が挙げられる。
更に別の態様では、架橋されたポリマー材料の製造方法が提供される。この方法は、モノマー混合物、フリーラジカル開始剤、及び任意選択的に有機溶媒を含有する重合性組成物を作製することを含む。この方法は、重合性組成物をフリーラジカル重合にかけて、前駆体ポリマー材料を生成することを含む。重合は、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、又はエマルジョン重合法などの、任意の公知の重合プロセスを使用して進行させることができる。続いて、この前駆体ポリマー材料をスルホニル含有化合物で処理して、スルホニル含有ポリマー材料を生成する。
バルク重合法に関しては、前駆体ポリマー材料の生成に使用する重合性組成物に含有される有機溶媒は少量であるか、又は有機溶媒は全く含有されない。溶液重合法に関し、モノマー混合物中の様々なモノマーは、混和性の有機溶媒に溶解される。好適な有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸アミル(酢酸n−ペンチル)、トルエン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、及びメチルエチルケトンが挙げられるがこれらに限定されない。重合性組成物には、任意の好適な固体分(%)を使用することができる。しかしながら、固体分(%)をあまりに低くすると、重合生成物から除去すべき溶媒量が増えてしまうことになる。更には、低固体分(%)は、重合速度に悪影響を及ぼす恐れもある。一方、固体分(%)をあまりに高くすると、重合性組成物の粘度は許容できなくなるほど高くなる恐れがある。固体分(%)は、多くの場合、重合性組成物の合計重量に基づき、0.5〜80重量%、1〜80重量%、10〜80重量%、20〜80重量%、1〜60重量%、10〜60重量%、20〜60重量%、1〜40重量%、10〜40重量%、20〜40重量%、1〜20重量%、10〜20重量%、又は1〜10重量%の範囲である。
重合性組成物の固体分(%)に加え、重合速度は、重合温度、開始剤、及び開始剤の量により制御され得る。重合速度は、典型的には、温度を増加させることで、及び/又は多量の開始剤を添加することで増大する。
バルク重合法又は溶液重合法を使用して調製した前駆体ポリマー材料は、多くの場合、洗浄のため容易に粉砕して残存モノマーを除去することのできるモノリスである。洗浄した生成物を乾燥させて粉末を生成できる。ポリマー材料を高温で二次硬化させることもできる。高温下での二次硬化は、反応混合物における重合性基の変換率を増加させるよう働き得る。高温下での二次硬化により、ポリマー材料のガラス転移温度を上昇させることができ、高温下でのポリマー材料の耐変形性を増加させることができ、又はこれらの両方を増加させることができる。二次硬化温度は、100℃超、130℃超、又は150℃超とすることができる。二次硬化温度は、前駆体ポリマー材料の分解温度未満である。
あるいは、懸濁重合法を使用して、架橋された前駆体ポリマー材料を生成することができる。この種類の重合法では、モノマー混合物及びフリーラジカル開始剤を含有する有機相が調製される。モノマーと混和性である任意選択的な有機溶媒も、有機相の一部分とすることができる。有機相は、水及び懸濁剤を含有する水性相に懸濁する。すなわち、重合性組成物は、有機相及び別個の水性相の両方を含有する。重合性組成物は、典型的には、水性相内に有機相の液滴が形成されるよう、十分に撹拌される。重合が進行するにつれ、懸濁された液滴の内部にポリマーネットワークが成長し、結果としてポリマービーズが形成される。
懸濁重合法では、有機相組成物は、通常、バルク重合法及び溶液重合法について上記したものと同じ成分を含有する。上記の架橋剤モノマーと同じモル%が有機相に好適である。重合性組成物における使用について上記されるのと同じ量のフリーラジカル開始剤が有機相に好適である。
上記のバルク重合法と同様、懸濁重合法のための有機相は、多くの場合、有機溶媒を全く含まない。フリーラジカル開始剤及び架橋剤は、典型的には、第2のモノマーに直接的に溶解される。有機溶媒が存在する場合、有機相の固体分(%)は、多くの場合、有機相の合計重量に基づき、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも98重量%である。
有機相は、水性相に懸濁される。有機相に対する水性相の体積比は、典型的には1:1超である。すなわち、水性相の体積は有機相の体積を超過する。水性相:有機相の体積比は、多くの場合、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、又は少なくとも5:1である。有機相液滴を懸濁するための不活性な媒質として機能する他、水性相は、重合反応中に発生する熱を散らすようにも機能する。
懸濁重合法のための水性相は、有機相液滴の形成を促進する懸濁剤を含有する。懸濁剤は、水性相と有機相との間の界面張力を改変する。更に、懸濁剤は、有機相液滴の立体安定化をもたらす。この立体安定化が、重合プロセス中の粒子の凝集塊の形成を最低限に抑えるか、あるいは予防するよう機能する。
懸濁剤は、多くの場合、セルロースポリマーなどの非イオン性界面活性剤(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシブチルメチルセルロース)、ゼラチン、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解ポリ(ビニルアルコール)、(メタ)アクリレートポリマー(例えば、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)ナトリウム、及びエチレン無水マレイン酸コポリマーである。その他の好適な懸濁剤としては、ポリ(スチレンスルホネート)(例えば、ポリ(スチレンスルホネート)ナトリウム)、タルク、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、カオリン、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、及び水酸化アルミニウムが挙げられる。
水性相中の懸濁剤量は、多くの場合、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、又は少なくとも0.5重量%である。懸濁剤の量は、ポリマービーズの大きさに影響し得る(すなわち、懸濁剤を多量に使用すると、多くの場合、結果として生成されるポリマービーズの寸法は小さくなる)。いくつかの実施形態では、水性相は、0.05〜10重量%の懸濁剤を含有する。例えば、水性相は、0.05〜5重量%の範囲、0.1〜10重量%の範囲、0.1〜5重量%の範囲、0.1〜3重量%の範囲、又は0.5〜5重量%の範囲の量で懸濁剤を含有し得る。重量%は、水性相の合計重量に基づくものである。
ポリマービーズの寸法は、有機相液滴の寸法を元に大まかに測定する。液滴寸法は、撹拌速度、温度、懸濁剤の選択、及び懸濁剤の量などの変数により影響を受け得る。撹拌速度、懸濁剤の種類、及び懸濁剤の量は、多くの場合、凝集、すなわち得られる粒子の凝集を制御するために変更することができる。凝集が生じないことが概して好ましい。いくつかの実施形態では、水性相の密度は、有機相のものとおよそ等しくなるように選択できる。これらの密度をだいたい一致させることで、より球状の粒子、並びにより均一な大きさの粒子が生成される傾向がある。
懸濁重合法を使用して調製した粒子(例えば、ビーズ)は、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、又は少なくとも500マイクロメートルの平均直径を有する。例えば、平均直径は、多くの場合、50〜5000マイクロメートルの範囲、100〜3000マイクロメートルの範囲、100〜2000マイクロメートルの範囲、200〜2000マイクロメートルの範囲、500〜2000マイクロメートル、又は300〜1000マイクロメートルの範囲である。
式(I)で表される架橋剤を使用して調製された、架橋された前駆体ポリマー材料は、多くの場合、同じ量のジビニルベンゼン(すなわち、第2のモノマーに対する架橋剤のモル比が同じである)を使用して調製された、架橋されたポリマー材料よりもガラス転移温度が高い。ガラス転移温度は、多くの場合、モノマー混合物に含有させた架橋剤の量に応じ約1℃〜約25℃超の範囲である。
更に、式(I)で表される架橋剤を使用して調製された、架橋された前駆体ポリマー材料は、典型的には、同じ量のジビニルベンゼン(すなわち、第2のモノマーに対する架橋剤のモル比が同じである)を使用して調製された、架橋されたポリマー材料よりも熱安定性が高い。熱重量分析を使用して分析したときの、大幅な重量低下を生じる温度の差は、モノマー混合物に含有させる架橋剤の量とは無関係に、多くの場合、約40℃〜約50℃超の範囲である。
式(I)で表される架橋剤を使用して調製された、架橋された前駆体ポリマー材料は、多くの場合、同じ量のジビニルベンゼン(すなわち、第2のモノマーに対する架橋剤のモル比が同じである)を使用して調製された、架橋されたポリマー材料よりも、特定の温度範囲内(例えば、ポリマー材料のガラス転移温度付近の温度)で与えられる力に対し示す圧縮が少ない。すなわち、式(I)で表される架橋剤を使用して調製された、架橋された前駆体ポリマー材料は、高圧縮抵抗性を有する材料であることが有利である用途に良好に適するものである。特に、前駆体ポリマー材料は、スルホニル含有化合物により処理して、高圧分離に使用されるようなイオン交換樹脂を調製するのに良好に適するものである。スルホニル含有ポリマー材料は、高圧クロマトグラフィーカラムに典型的にかけられる圧力に耐性であることが見込まれる。
前駆体ポリマー材料は、続いてスルホニル含有化合物により処理される。この反応により、結果として、式−SOのスルホニル含有基が前駆体ポリマー材料に付加され、スルホニル含有ポリマー材料が生成される。スルホニル含有基は、典型的には、前駆ポリマーの芳香環の一部分である炭素原子に結合している水素原子を置き換える。例えば、スルホニル含有基は、多くの場合、前駆ポリマーにおいて水素に相当するR基を置き換える。あるいは、更に、スルホニル含有基は、前駆体ポリマー材料中の、いずれかのアリール基中、いずれかのアラルキル基のアリール部分中、又はいずれかのアルカリール基のアリール部分中の、炭素原子に結合している水素原子を置き換え得る。更に、スルホニル含有基は、R基及びR基が一緒になって炭素−炭素二重結合を形成する前駆体ポリマー材料中の二重結合に結合させることができる。スルホニル含有ポリマー材料中の少なくとも1つの芳香環は、スルホニル含有基を含有する。典型的には、スルホニル含有ポリマー材料は、最大数のスルホニル含有基を含有し、これは芳香環の合計数と等しい。通常、スルホニル含有基は、スルホニル含有ポリマー材料中の各芳香環当たり1個以下である。
スルホニル含有基は式−SOのものであり、式中、R基は−OH、−NH、又は−NR−Q−N(Rである。これらのRのいずれかは、pH条件に応じ塩形態であってよい。塩に好適なカチオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン、又はテトラアルキルアンモニウムイオンが挙げられるがこれらに限定されない。塩に好適なアニオンとしては、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、及びカルボン酸塩(例えば、酢酸塩)が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、スルホニル含有基は式−SOOHのものであるか、又は共役塩基(アニオンは−SO −1である)で表される塩である。他の実施形態では、スルホニル含有基は、式−SONHのものであるか、又は共役酸(カチオンは−SONH +1である)で表される塩である。更に他の実施形態では、スルホニル含有基は、式−SONR−Q−N(Rのものであるか、又は共役酸の塩である。各R基は、独立して、水素又はアルキルである。好適なRアルキル基は、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を有する。多くの例では、Rアルキル基はメチル又はエチルである。Q基は、単結合、アルキレン、又は式−(Q−NR−Q−の基であり、式中、各Q及びQは、独立して、アルキレンであり、xは、1〜4の範囲の整数である。Q、Q、及びQに好適なアルキレン基は、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を有する。Qが単結合である場合、スルホニル基は、ヒドラジニル基(すなわち、−NR−N(Rであり、多くの場合、−NH−NH)である。式−(Q−NR−Q−の可変要素xは、通常、1〜4、1〜3、又は1〜2の範囲の整数である。
任意の既知の方法を使用して、スルホニル含有基を前駆体ポリマー材料に導入することができる。すなわち、前駆体を何らかの既知のスルホニル含有化合物と反応させることができる。具体的な−SO基の生成法は、多くの場合、前駆体をスルホニル含有化合物と反応させることと、次に別の化合物、例えば水、アンモニア、水酸化アンモニウム、ポリアミン、又はヒドラジンなどとの中間体ポリマー材料と更に反応させることを含む。用語「ポリアミン」は、式−N(Rのアミノ基を少なくとも2つ有する化合物であり、式中、Rは上記のものと同じである。ポリアミンは、多くの場合、式NH(R)−Q−N(R)で表されるものである。
いくつかの実施形態では、前駆体ポリマー材料と、スルホニル含有化合物としてスルホン酸ハロゲン化物(例えば、クロロスルホン酸)とを反応させる。前駆体ポリマー材料を、適切な有機溶媒に溶解させたスルホン酸ハロゲン化物溶液と混合させる。好適な有機溶媒としては、例えば、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、及びクロロホルムなどの様々なハロゲン化溶媒が挙げられる。スルホン酸ハロゲン化物溶液は、多くの場合、室温未満の温度、例えば、約0℃などで前駆体ポリマー材料に添加される。初期反応は非常に発熱的であるため、適切な対処が取られない場合、添加中に溶媒が沸騰してしまう恐れがある。反応物を合わせた後、温度は、多くの場合、室温から、還流条件に関連する温度までなどの、任意の所望の温度に上昇する。反応時間は、数分から24時間までの範囲であり得る。反応時間及び反応温度を変更することで、異なる量のスルホニル含有基を含有するポリマー材料を生成することができる。この反応後、スルホニル含有ポリマー材料には−SOX基(式中、Xは塩素などのハロゲンである)が付加される。典型的には、これらの基を更に反応させて式−SOの基を提供する。
−SOOHの基を生成するため、−SOX基が結合している中間体ポリマー材料を水中に配置する。−SOX基の−SOOH基への変換は、多くの場合、室温で30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、8時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、60時間以内、又は72時間以内に発生し得る。
他の実施形態では、前駆体ポリマー材料は、濃硫酸と反応させるか、又は硫酸銀などの触媒の存在下で濃硫酸と反応させる。触媒が存在する場合、反応は、典型的には迅速に進行する。触媒存在下又は触媒非存在下で、反応温度は、多くの場合、室温(例えば、20〜25℃)〜150℃の範囲、室温〜125℃の範囲、又は室温〜100℃の範囲である。反応時間は、数分(例えば、5分、10分、又は30分)〜24時間以上まで変更することができる。スルホン酸ハロゲン化物と同様、反応時間及び反応温度を変更して、異なる量のスルホニル含有基を有するポリマー材料を生成することができる。この反応後、スルホニル含有ポリマー材料には、−SOOH基が取り付けられる。
典型的には、可能な限り多くのスルホニル含有基を前駆体ポリマー材料に導入することが望ましい。過剰量のスルホニル含有化合物が使用される。すなわち、スルホニル含有化合物のモル数は、前駆体ポリマー材料中の芳香環のモル数の10倍までとすることができる。より少量のスルホニル含有基を有することが望まれる場合、スルホニル含有化合物のモル数を減らすことができるか、反応時間を短縮させることができるか、あるいは反応温度を下げることができる。例えば、いくつかの実施形態では、各芳香環上にはスルホニル基は存在せず、スルホニル含有化合物の芳香環に対するモル比は1未満である。
−SONH基を作製するため、−SOX基(上記の通りのスルホン酸ハロゲン化物を使用して作製)を含有するスルホニル含有中間体ポリマー材料をアンモニアガス又は水酸化アンモニウムにより処理することができる。−SOX基の−SONH基への変換を最大化するため、アンモニア又は水酸化アンモニウムのモル数は、多くの場合、−SOX基の10倍程度である。この反応は、典型的には、多くの場合、室温で30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、8時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、60時間以内、又は72時間以内に発生し得る。反応温度は、多くの場合、室温から還流条件に関連する温度の範囲内のものである。
−SONH−NH基を作製するため、−SOX基(上記の通りのスルホン酸ハロゲン化物を使用して調製)を有するスルホニル含有中間体ポリマー材料をヒドラジンで処理できる。ヒドラジン一水和物又は無水ヒドラジンのいずれかを有機溶媒に溶解させることができる。−SOX基の−SONH−NH基への変換を最大化するため、ヒドラジンのモル数は、多くの場合、−SOX基の10倍程度である。この反応は、典型的には、多くの場合、室温で30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、8時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、60時間以内、又は72時間以内に発生し得る。反応温度は、多くの場合、室温から還流条件に関連する温度の範囲内のものである。無水条件又は有機溶媒は、多くの場合、−SOOH基の作成を最小限に抑えるため、水の代わりとして選択される。
式中、Qが式−(Q−NR−Q−の基である−SONR−Q−N(Rを作製するため、−SOX基(上記の通りのスルホン酸ハロゲン化物を使用して作製)を有するスルホニル含有中間体ポリマー材料を、式(R)HN−Q−N(Rのアミノ含有化合物(例えば、(R)HN−(Q−NR−Q−N(R)により処理することができる。これらの化合物の好適な例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等が挙げられるがこれらに限定されない。−SOX基の−SONR−Q−N(R基への変換を最大化するため、反応性アミノ含有基のモル数は、多くの場合、−SOX基の10倍程度である。この反応は、典型的には、多くの場合、室温で30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、8時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、60時間以内、又は72時間以内に発生し得る。反応温度は、多くの場合、室温から還流条件に関連する温度の範囲内のものである。無水条件又は有機溶媒は、多くの場合、−SOOH基の作成を最小限に抑えるため、水の代わりとして選択される。
スルホニル含有ポリマー材料は、典型的には、1g当たり少なくとも0.2ミリ当量の−SOを含有する。いくつかの実施形態では、−SOの量は、スルホニル含有ポリマー材料1g当たり0.2〜5ミリ当量の範囲、1g当たり0.2〜4.5ミリ当量の範囲、1g当たり0.5〜4.1ミリ当量の範囲、1g当たり1〜4ミリ当量の範囲、1g当たり2〜4ミリ当量の範囲、又は1g当たり3〜4ミリ当量の範囲である。任意の好適な方法を使用して、1g当たりのミリ当量を測定することができる。1つの好ましい方法では、スルホニル含有ポリマー材料の総硫黄含量は、元素分析により測定される。
いくつかの実施形態では、スルホニル含有ポリマー材料は−SOOH基又はそれらの塩を有し、正に帯電している材料又はイオンの分離又は濃縮のためのイオン交換樹脂として使用できる。すなわち、スルホニル含有ポリマー材料は、カチオン交換樹脂として機能する。正に帯電している材料は、中性の材料又は負に帯電している材料もしくはイオンよりも長期間にわたってスルホニル含有ポリマー材料により保持される傾向がある。更に、有する正電荷が高い正に帯電している材料又はイオン(例えば、カルシウムイオン)ほど、有する正電荷が低い正に帯電している材料又はイオン(例えば、ナトリウムイオン)よりも長期にわたってスルホニル含有ポリマー材料により保持される傾向がある。いくつかの実施形態では、分離中のpH条件は、スルホニル含有ポリマー材料が負に帯電するよう選択される。
他の実施形態では、スルホニル含有ポリマー材料は、−SONH、もしくは−SONR−Q−N(R基、又はそれらの塩を有し、かつ、負に帯電している材料又はイオンの分離又は濃縮のためのイオン交換樹脂として使用できる。すなわち、スルホニル含有ポリマー材料は、アニオン交換樹脂として機能する。負に帯電している材料は、中性の材料又は正に帯電している材料もしくはイオンよりも長期間にわたってスルホニル含有ポリマー材料により保持される傾向がある。更に、有する負電荷が高い負に帯電している材料又はイオン(例えば、リン酸イオン)ほど、有する負電荷が低い負に帯電している材料又はイオン(例えば、硝酸イオン)よりも長期にわたってスルホニル含有ポリマー材料により保持される傾向がある。いくつかの実施形態では、分離中のpH条件は、スルホニル含有ポリマー材料が正に帯電するよう選択される。
イオン交換樹脂は、クロマトグラフィーカラム内に配置することができる。あるいは、イオン交換樹脂は、多孔質基材の表面上に分配されるか、多孔質基材中に分配されるか、又はこれらの両方に分配され得る。多孔質基材は、例えば、ろ過媒体又は任意のその他の多孔質マトリックスとすることができる。
様々な実施形態で、スルホニル含有ポリマー材料及びこのスルホニル含有ポリマー材料の製造方法が提供される。
実施形態1では、a)前駆体ポリマー材料及びb)スルホニル含有化合物を含有する反応混合物の反応生成物を含有するスルホニル含有ポリマー材料が提供される。前駆物質は、i)モノマー混合物とii)フリーラジカル開始剤とを含有する重合性組成物の重合生成物を含有する。モノマー混合物は、1)式(I)で表される第1のモノマーと、
Figure 0006309084

2)第2のモノマー、すなわちスチレン、1つ以上のアルキル基で置換されたスチレン、又はそれらの組み合わせとを含有し、式(I)で表される第1のモノマーは、第2のモノマーのモル数に基づき、25モル%までの量で存在する。式(I)で表されるモノマー中、各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、アルカリール、又はアラルキルであり、少なくとも1つのRは水素である。各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、又は同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成している。各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成しているか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。各Rは、独立して、水素であるか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。スルホニル含有ポリマー材料は、少なくとも1つの式−SOの基を有し、スルホニル含有ポリマー材料中の各芳香環について、式−SOの基は最大で1つまでである。R基は−OH、−NH、又は−NR−Q−N(Rである。Q基は、単結合、アルキレン、又は式−(Q−NR−Q−の基であり、式中、各Q及びQは、独立して、アルキレンであり、xは1〜4の範囲の整数である。各Rは、それぞれ独立して、水素又はアルキルである。
実施形態2は、実施形態1に記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、式中、第1のモノマーの各Rは水素又はハロゲンである。
実施形態3は、実施形態1又は2に記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、式中、第1のモノマーの各R及び各Rはアルキルである。
実施形態4は、実施形態1〜3のいずれか1つに記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、式中、第1のモノマーのRは水素である。
実施形態5は、実施形態1〜4のいずれか1つに記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、式中、第1のモノマーは、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−6,6’−ジビニルである。
実施形態6は、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、モノマー混合物は、式(I)で表される第1のモノマーを1〜25モル%含む。
実施形態7は、実施形態1〜6のいずれか1つに記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、モノマー混合物は、式(I)で表されるものではないポリビニル芳香族モノマーを更に含む。
実施形態8は、実施形態1〜7のいずれか1つに記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、スルホニル含有ポリマーは粒子又はビーズの形態である。
実施形態9は、実施形態1〜8のいずれか1つに記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、スルホニル含有基は−SOOH又はそれらの塩である。
実施形態10は、実施形態9に記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、スルホニル含有ポリマー材料はカチオン交換樹脂である。
実施形態11は、実施形態1〜8のいずれか1つに記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、スルホニル含有基は、−SONH、−SONR−Q−N(R、又はそれらの塩である。
実施形態12は、実施形態11に記載のスルホニル含有ポリマー材料であり、スルホニル含有ポリマー材料はアニオン交換樹脂である。
実施形態13は、スルホニル含有ポリマー材料の製造方法である。この方法は、i)モノマー混合物及びii)フリーラジカル開始剤を含有する重合性組成物を調製することを含む。モノマー混合物は、i)式(I)で表される第1のモノマーと、ii)第2のモノマー、すなわちスチレン、1つ以上のアルキル基で置換されたスチレン、又はそれらの組み合わせとを含有する。式(I)で表される第1のモノマーは上記のものと同じであり、第2のモノマーのモル数に基づき25モル%までの量で存在する。方法は、重合性組成物を反応させることにより前駆体ポリマー材料を生成することと、次に前駆体ポリマー材料をスルホニル含有化合物で処理することによりスルホニル含有ポリマー材料を生成することと、を更に含む。スルホニル含有ポリマー材料は、少なくとも1つの式−SOの基を有し、スルホニル含有ポリマー材料中の各芳香環について、式−SOの基は最大で1つまでである。R基は、上に定義されるものと同じである。
実施形態14は、実施形態11に記載の方法であり、重合性組成物は、(1)モノマー混合物及びフリーラジカル開始剤を含む有機相と、(2)水及び懸濁剤を含む水性相とを含み、有機相は液滴として水性相に懸濁され、スルホニル含有ポリマー材料は粒子又はビーズの形態である。
実施形態15は、実施形態13又は14に記載の方法であり、第1のモノマーの各Rは水素又はハロゲンである。
実施形態16は、実施形態13〜15のいずれか1つに記載の方法であり、第1のモノマーの各R及び各Rはアルキルである。
実施形態17は、実施形態13〜16のいずれか1つに記載の方法であり、第1のモノマーのRは水素である。
実施形態18は、実施形態13〜17のいずれか1つに記載の方法であり、第1のモノマーは、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−6,6’−ジビニルである。
実施形態19は、実施形態13〜18のいずれか1つに記載の方法であり、モノマー混合物は、式(I)で表される第1のモノマーを1〜25モル%含む。
実施形態20は、実施形態13〜19のいずれか1つに記載の方法であり、モノマー混合物は、式(I)で表されるものではないポリビニル芳香族モノマーを更に含む。
実施形態21は、実施形態13〜20のいずれか1つに記載の方法であり、スルホニル含有基は−SOOH又はそれらの塩である。
実施形態22は、実施形態21に記載の方法であり、スルホニル含有ポリマー材料はカチオン交換樹脂である。
実施形態23は、実施形態13〜20のいずれか1つに記載の方法であり、スルホニル含有基は、−SONH、−SONR−Q−N(R、又はそれらの塩である。
実施形態24は、実施形態23に記載の方法であり、スルホニル含有ポリマー材料はアニオン交換樹脂である。
実施形態25は、実施形態1に記載のスルホニル含有ポリマー材料を含むイオン交換樹脂である。
実施形態26は、実施形態25に記載のイオン交換樹脂であり、イオン交換樹脂はビーズ又は粒子の形態である。
実施形態27は、実施形態25又は26に記載のイオン交換樹脂であり、スルホニル含有基は−SOOH又はそれらの塩である。
実施形態28は、実施形態25又は26に記載のイオン交換樹脂であり、スルホニル含有基は、−SONH、−SONR−Q−N(R、又はそれらの塩である。
実施形態29は、クロマトグラフィーカラムと、このクロマトグラフィーカラム内に配置された実施形態25〜28のいずれか1つに記載のイオン交換樹脂とを含む物品である。
実施形態30は、多孔質基材と、多孔質基材表面上に配置されたか、多孔質基材中に分配されたか、あるいは多孔質基材表面上及び多孔質基材中に配置された又は分配された実施形態25〜29のいずれか1つに記載のイオン交換樹脂と、を含む物品。
Figure 0006309084
3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−6,6’−ジオール(SBI−ジオール)の合成:
5.0Lの丸底フラスコで、1000.69g(4.38モル)の4,4’−イソプロピリデンジフェノール(BPA)を溶解させた。BPAがすべて溶解したら、50.51g(0.526モル)のメタンスルホン酸をゆっくりと加えた。反応混合物の温度を135〜150℃に維持しながら、窒素雰囲気下で反応混合物を3時間撹拌した。3時間後、熱い状態のまま、溶解反応混合物を2.0Lの脱イオン水に注ぎ入れた。茶色い沈殿物が生じた。得られた沈殿物を減圧ろ過によって分離し、1.5Lの脱イオン水で洗浄した。次に、分離した固形物を5.0Lの丸底フラスコに戻し、1.5Lの塩化メチレン(CHCl)を加えた。この固形物を、還流下、CHCl中で1時間撹拌した。次に、フラスコを室温に放冷し、このフラスコを冷蔵庫(約0℃)で一晩放置した。次に、この固形物を減圧ろ過によって分離し、最少量(約500mL)の冷却したCHClで洗浄した。次に、この固形物を4.0Lの三角フラスコに入れ、900mLのメタノール(MeOH)に溶解させた。この溶液に190mLのCHClを加えた。この溶液は透明のままであった。この溶液を攪拌し、1.1Lの脱イオン水を分割添加で加えた。白色沈殿物が形成されたところで、混合物を冷蔵庫(約0℃)で一晩放置した。この固形物を減圧ろ過によって分離し、最少量(約300mL)の冷却したCHClで洗浄した。MeOH/CHCl/HO沈殿を1回以上繰り返した。2度目の沈殿から得た固形分を85℃に設定した真空オーブンで一晩乾燥させ、収量214.77g(収率48%)でSBI−ジオールを得た。H NMR(500MHz,アセトン−d)δ7.85(s,2H),7.02(d,J=8.1Hz,2H),6.68(dd,J=8.1,2.4Hz,2H),6.19(d,J=2.4Hz,2H),2.32(d,J=13.0Hz,2H),2.19(d,J=13.0Hz,2H),1.35(s,6H),1.29(s,6H)
ペルフルオロメタン−1−スルホン酸6’−(ペルフルオロメタン−1−スルホニルオキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−6−イルエステル(SBI−ビストリフラート)の合成:
250mLの丸底フラスコで、5.0025g(16.2ミリモル)のSBI−ジオールと、4.755mL(47.1ミリモル)のピリジンを、150mLのCHClに溶解させた。このフラスコをアイス/ウォーターバスに配置した。この溶液に、7.930mL(58.8ミリモル)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(TFMSA)を滴下した。添加の完了後、フラスコをアイス/ウォーターバスから取り外した。反応混合物を、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。10mLの塩酸水溶液(HCl)(10重量%)を添加して反応を停止させた。得られた混合物を、CHClと重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(NaHCO)との間で分画した。有機層を単離し、無水硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、室温にて高真空下で3時間乾燥させて、任意の残留ピリジンを除去した。得られた褐色固体(SBI−ビストリフラート)の重量は8.51gであった(収率92%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.17(d,J=8.3Hz,2H),7.08(dd,J=8.3,2.3Hz,2H),6.55(d,J=2.3Hz,2H),2.26(ABq,J=13.2Hz,4H),1.34(s,6H),1.29(s,6H)19F NMR(470.5MHz,CDCl)δ−73.0
3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダン−6,6’−ジビニル(SBI−DV)の合成:
250mLの丸底フラスコで、5.0025g(8.74ミリモル)のSBI−ビストリフラート)を75mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた。この溶液に、6.125mL(21.0ミリモル)のビニルトリブチルスズと、22.2225g(52.4ミリモル)の塩化リチウム(LiCl)とを加えた。反応混合物を、窒素雰囲気下で5分間、室温で撹拌した後、0.6140g(875マイクロモル)のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリドを添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下で、室温で一晩撹拌した。室温で24時間撹拌後、反応混合物を150mLの脱イオン水に注ぎ入れ、反応を停止させた。沈殿が形成された。水性層及び沈殿物をジエチルエーテル(EtO)で抽出した(3×200mL)。有機層を合わせた。次に、有機層と、等量のフッ化カリウム(KF)水溶液(10g/100mL)とを室温で1時間激しく撹拌した。灰白色の沈殿物が形成されたところで、混合物を真空ろ過した。次に、ろ液を分液漏斗に戻し、有機層を単離した。次に、有機層を無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して白色固体を得た。この固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより更に精製した。材料をシリカゲルカラムに充填し(8×25cm)、カラムを5%酢酸エチル(EtOAc)/95%石油エーテル(PE)(体積/体積)で溶出した。純粋なSBI−DVを含有している画分を合わせて、減圧下で濃縮し、室温で、高真空下で乾燥させて、白色固体として2.3822gのSBI−DVを得た(収率83%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.34(dd,J=7.9,1.6Hz,2H),7.17(d,J=7.9Hz,2H),6.85(d,J=1.6Hz,2H),6.64(dd,J=17.6,10.9Hz,2H),5.62(dd,J=17.6,1.0Hz,2H),5.12(dd,J=10.9,1.0Hz,2H),2.32(ABq,J=13.1Hz,4H),1.42(s,6H),1.36(s,6H)
(実施例1)
8mLのバイアル瓶で、0.791g(7.59ミリモル)のスチレンと0.250g(761マイクロモル)のSBI−DVとを0.789gのEtOAcに溶解させた。この溶液に16.0mg(66.1マイクロモル)の過酸化ベンゾイル(BPO)を添加した。したがって、重合性混合物は、固形分57%及びBPO1.5重量%で、スチレン:SBI−DVのモル比が10.0:1のEtOAc溶液から構成された。重合混合物を、窒素で10分間バブリングした。バイアル瓶に蓋をし、90℃に設定したサンドバスに配置した。この温度で18時間加熱し重合した。透明な固体が生成されたところでこれを真空ろ過により単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、このバイアル瓶に10mLのEtOAcを加えた。物質をEtOAc中で30分間放置した。この固体を再度真空ろ過により単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、このバイアル瓶に10mLのEtOAcを加えた。物質をEtOAc中で30分間放置した。この固体を再度真空ろ過により単離し、EtOAcで洗浄した。次にこの固体を100℃にて高真空下で一晩乾燥させた。
得られたSBI−DV架橋されたポリスチレンをスルホン化した。6mLの濃硫酸に溶解させた8.0mgの硫酸銀を入れた20mLのバイアル瓶に、0.400gのSBI−DV架橋されたポリスチレンを入れ官能化を実施した。バイアル瓶に蓋をし、90℃に設定したサンドバスに配置した。反応混合物をこの温度で18時間加熱した。反応混合物を、6M硫酸水溶液50mLに注ぎ入れた。真空ろ過により固体を単離し、得られた固体を300mLの脱イオン水で洗浄した。次に固体分を100℃にて高真空下で一晩乾燥させた。
滴定により、スルホン酸化したSBI−DV架橋されたポリスチレンの陽イオン交換容量を測定したところ、3.73ミリモル/gであった。この材料を、硫黄含量(重量%)に基づく元素分析により分析したところ、この材料の陽イオン交換容量は3.83ミリモル/gであることが示された。
滴定による陽イオン交換容量の測定手順:
スルホニル含有ポリマー材料(約0.200g)を20mLの脱イオン水に懸濁した。この懸濁液に1重量%のフェノールフタレイン水溶液を1滴添加した。持続的にピンク色が提示されるようになるまで(フェノールフタレインの終点)、この懸濁液を0.1M NaOH水溶液により滴定した。滴定の終点に達するまでに必要とされたNaOH量を元に陽イオン交換容量を算出した。
元素分析:
LECO TruSpec Micro CHNS元素分析器(LECO Corp,St.Joseph,MI)を使用し、燃焼によりサンプルの炭素、水素、窒素、及び硫黄の重量%について分析した。サンプルは、3つ組以上にして分析した。結果を反復測定の平均として報告した。分析から周囲の水を排除する目的で、各サンプルのアリコートを窒素下で2時間、スチームプレートで乾燥させた後、計量前に、窒素パージした乾燥ボックス中で30分間冷却させた。サンプルを銀カプセル中に配置し、けん縮させ(crimped)、周囲条件下のオートサンプラーに配置した。
CHNS検出器が安定化するまで、周囲大気により装置の初期状態を設定して、LECO TruSpec Micro CHNS装置を補正した。次に、3〜4個の空のるつぼを測定し、器具ブランクとして設定した。最終的に、スルファメタジンを標準として校正曲線を作成した。この手順によると、各元素の標準偏差は、炭素が+/−0.5重量%未満、水素が+/−0.3重量%未満、窒素が+/−0.3重量%未満、及び硫黄が+/−0.3重量%未満であった。

Claims (2)

  1. a)前駆体ポリマー材料及びb)スルホニル含有化合物を含む反応混合物の反応生成物を含む、スルホニル含有ポリマー材料であって、
    a)前駆体ポリマー材料が、
    i)1)式(I)で表されるモノマー及び2)スチレン、1つ以上のアルキル基で置換されたスチレン、又はその組み合わせである第2のモノマーを含むモノマー混合物と、
    ii)フリーラジカル開始剤と、を含む重合性組成物の重合生成物を含み、
    前記式(I)で表される第1のモノマーは、前記第2のモノマーのモル数に基づき25モル%までの量で存在しており、
    Figure 0006309084
    [式中、
    各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、アルカリール、又はアラルキルであり、少なくとも1つのRは水素であり;
    各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、又は同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成しており;
    各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成しているか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成しており;
    各Rは、独立して、水素であるか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。]
    前記スルホニル含有ポリマー材料は、少なくとも1つの式−SOの基のスルホニル含有基を有し、前記スルホニル含有ポリマー材料中の各芳香環について、式−SOの基は最大で1つまでであり、
    は−OH、−NH、又は−NR−Q−N(Rであり、
    各Rは、独立して、水素又はアルキルであり、
    Qは、単結合、アルキレン、又は式−(Q−NR−Q−の基であり、
    各Qはアルキレンであり、
    はアルキレンであり、
    xは、1〜4の範囲の整数である、スルホニル含有ポリマー材料。
  2. a)モノマー混合物及びb)フリーラジカル開始剤を含む重合性組成物を調製することと、
    記重合性組成物を反応させることにより前駆体ポリマー材料を生成することと、
    前記前駆体ポリマー材料をスルホニル含有化合物で処理することによりスルホニル含有ポリマー材料を生成することと、を含む、前記スルホニル含有ポリマー材料を調製する方法であって、
    a)モノマー混合物が、i)式(I)で表される第1のモノマー及びii)スチレン、1つ以上のアルキル基で置換されたスチレン、又はその組み合わせである第2のモノマーを含み、前記式(I)で表される第1のモノマーは、前記第2のモノマーのモル数に基づき25モル%までの量で存在しており、
    Figure 0006309084
    [式中、
    各Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、アルカリール、又はアラルキルであり、少なくとも1つのRは水素であり;
    各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、又は同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成しており;
    各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであるか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に環状アルキルを形成しているか、同じ炭素原子に結合しているRと一緒に1つ以上の炭素環と縮合している環状アルキルを形成しているか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成しており;
    各Rは、独立して、水素であるか、又は隣接する炭素原子に結合しているRと一緒に炭素−炭素結合を形成している。]
    前記スルホニル含有ポリマー材料は、少なくとも1つの式−SOの基のスルホニル含有基を有し、スルホニル含有ポリマー材料中の各芳香環について、式−SOの基は最大で1つまでであり、
    は−OH、−NH、又は−NR−Q−N(Rであり、
    各Rは、独立して、水素又はアルキルであり、
    Qは、単結合、アルキレン、又は式−(Q−NR−Q−の基であり、
    各Qはアルキレンであり、
    はアルキレンであり、
    xは、1〜4の範囲の整数である、方法。
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