以下、添付の図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の画像形成システムの全体構成図である。画像形成システム1は、画像形成装置10と後処理装置(フィニッシャ)500とを備える。画像形成装置10は、画像形成処理によりシートに画像を形成し、後段に設けられた後処理装置500に画像形成後のシートを排出する。後処理装置500は、画像形成装置10から排出されたシートに対して、パンチ処理やステイプル処理、ソート処理等の後処理を実行して排出する。
(画像形成装置の構成)
画像形成装置10は、原稿給送部100、イメージリーダ200、プリンタ350、及び操作表示部400を備える。イメージリーダ200は、原稿から画像を読み取って、当該画像を表す画像データを生成する。プリンタ350は、画像データに基づいて画像形成処理を行い、シートに画像を形成する。
原稿給送部100は、原稿トレイ101、プラテンガラス102、及び排出トレイ112を備えており、イメージリーダ200による画像の流し読み取り位置に原稿を搬送する。原稿は、読み取られる面を上向きにして原稿トレイ101上に載置される。原稿トレイ101に載置された原稿は、先頭頁から順に1枚ずつ図1において左方向へ給紙される。原稿給送部100は、原稿を、湾曲したパスを介してプラテンガラス102上を左から右へ搬送する。プラテンガラス102上には流し読み取り位置が設けられており、この位置で原稿はイメージリーダ200に画像を読み取られる。原稿給送部100は、画像が読み取られた原稿を排出トレイ112に排出する。
イメージリーダ200は、ランプ103を有するスキャナユニット104、ミラー105〜107、レンズ108、及びイメージセンサ109を備える。スキャナユニット104は、流し読み取り位置に固定される。スキャナユニット104は、原稿給送部100により読み取り位置まで搬送された原稿に対して、ランプ103により光を照射する。照射された光は、原稿で反射し、その反射光がミラー105〜107を介してレンズ108に導かれる。レンズ108を通過した光は、イメージセンサ109の撮像面に結像する。イメージセンサ109は、結像した光を電気データに変換することで画像データを生成してプリンタ350に出力する。原稿が読み取り位置上を図中左から右へ通過するために、スキャナユニット104が固定されていても原稿全面の読み取りが可能である。
このように、イメージリーダ200は、原稿が読み取り位置を左から右へ搬送されることで、原稿の搬送方向に対して直交する方向を主走査方向として原稿読み取りを行う。具体的には、イメージリーダ200は、原稿が読み取り位置を通過する際に、原稿画像を主走査方向に1ライン毎に読み取り、原稿が副走査方向に搬送されることで原稿画像全面の読み取りを行う。
なお、イメージリーダ200は、上記した原稿を搬送しながら読み取る他に、スキャナユニット104を図中左から右へ移動させながら原稿を読み取るようにしてもよい。
プリンタ350は、露光部110、感光ドラム111、及び定着部117により画像形成処理を行う。露光部110は、イメージリーダ200から入力された画像データに基づいてレーザ光を変調して出力する。このレーザ光は、ポリゴンミラー110aにより反射され感光ドラム111上を走査する。感光ドラム111には、走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。ここで、露光部110は、原稿固定読み時には、正立画像(鏡像でない画像)が形成されるようにレーザ光を出力する。この感光ドラム111上の静電潜像は、現像器113から供給される現像剤(トナー)によって現像剤像(トナー像)として可視像化される。
画像形成処理により画像が形成されるシートは、給紙カセット114、115に収納される。シートは、給紙カセット114、115からピックアップローラ127、128により1枚ずつピックアップされ、給紙ローラ129、130によりレジストローラ126、へ搬送される。シートの先端がレジストローラ126まで到達すると、レジストローラ126が駆動する。レジストローラ126は、露光部110によるレーザ光の照射開始と同期したタイミングで、シートを感光ドラム111と転写部116との間に搬送する。転写部116において、感光ドラム111に形成された現像剤像が、給紙されたシート上に転写される。
現像剤像が転写されたシートは、定着部117に搬送される。定着部117は、シートを加熱及び加圧することで現像剤像をシート上に定着させる。定着部117を通過したシートは、フラッパ121及び排出ローラ118を経由して、プリンタ350から画像形成装置10の外部に排出される。本実施形態では、シートは後処理装置500に排出される。
画像形成面が下向きになる状態(フェイスダウン)でシートを排出する場合、定着部117を通過したシートは、フラッパ121の切換動作により一旦、反転パス122内に導かれる。次いで、そのシートの後端がフラッパ121を通過した後に、シートは、スイッチバックされて排出ローラ118によりプリンタ350から排出される。このような排紙形態は「反転排紙」と称される。反転排紙は、画像形成を先頭頁から行う場合に用いられる。反転排紙では、排紙後のシート順序は正しい頁順になる。
手差給紙部125からOHPシート等の硬いシートを給紙し、このシートに画像を形成する場合、シートは、反転パス122に導かれることなく、画像形成面を上向きにした状態(フェイスアップ)で排出ローラ118により排出される。
更に、シートの両面に画像形成を行う両面記録が設定されている場合、フラッパ121の切換動作により、シートは、反転パス122に導かれた後に両面搬送パス124へ搬送される。両面搬送パス124へ導かれたシートは、上記したタイミングで感光ドラム111と転写部116との間に再度給紙される。
画像形成装置10のプリンタ350から排出されたシートは、上記のように後処理装置500に送られる。後処理装置500は、シートに対して綴じ処理等の後処理を行う。
(コントローラ)
図2は、画像形成システム1の全体動作を制御するコントローラ20の構成例示図である。
コントローラ20は、画像形成システム1の各部の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)回路部900を備える。CPU回路部900には、原稿給送制御部911、イメージリーダ制御部921、画像信号制御部922、プリンタ制御部931、操作表示制御部941、フィニッシャ制御部951が接続される。CPU回路部900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903を有している。画像信号制御部922には外部インタフェース(I/F)904が接続されており、外部装置であるコンピュータ905からデータを受信することができる。
CPU901は、画像形成システム1全体の基本制御を行う。CPU901は、制御プログラムを格納するROM902及び処理の実行時に作業領域となるRAM903が、アドレスバス及びデータバスにより接続される。CPU901は、ROM902に格納されている制御プログラムをRAM903を作業領域に用いて実行することで、各部の動作を総括的に制御する。
原稿給送制御部911は、原稿給送部100をCPU回路部900からの指示に基づいて駆動制御する。イメージリーダ制御部921は、CPU回路部900からの指示に基づいて、スキャナユニット104、イメージセンサ109等の駆動制御を行う。またイメージリーダ制御部921は、イメージセンサ109から出力されたアナログ画像信号である画像データを、画像信号制御部922に転送する。
画像信号制御部922は、イメージセンサ109から転送されたアナログ画像信号である画像データをデジタル信号に変換した後に各種処理を施し、処理後のデジタル信号である画像データをプリンタ制御部931に出力する。また、コンピュータ905から外部I/F904を介して入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、このデジタル画像信号を画像データに変換してプリンタ制御部931に出力する。画像信号制御部922によるこれらの処理動作は、CPU回路部900により制御される。プリンタ制御部931は、入力された画像データに基づいて露光部110、プリンタ350を制御し、画像形成、シート搬送等の画像形成処理を行う。
操作表示制御部941は、操作表示部400とCPU回路部900との間でデータの送受信を行う。操作表示部400は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示するための表示部等を有する。各キーの操作に対応するキー信号はCPU回路部900に入力されるとともに、CPU回路部900からの信号に基づき対応する情報が操作表示部400に表示される。
図3は、操作表示部400の説明図である。図3(a)は、操作表示部400の構成例示図である。操作表示部400には、画像形成処理を開始するためのスタートキー402、画像形成処理を中断するためのストップキー403、置数設定等を行うテンキー404〜412、414が配置される。さらに、操作表示部400には、IDキー413、クリアキー(C)415、リセットキー416が配置される。また、操作表示部400の上部には表面にタッチパネルが設けられた表示部420が配置される。図3(a)の例では、表示部420に、「等倍」、「変倍」、「用紙選択」、「仕上げ」、「画面」、「応用モード」などのソフトキーが表示される。図3(b)、図3(c)には、表示部420に表示されるソフトキーの別の例が示されている。これらのソフトキーにより、操作表示部400を用いてユーザが指示を入力することができる。また、表示部420は、ユーザへの情報提示のための画像表示を行う。
本実施形態の画像形成システム1では、後処理装置500に設定される後処理の処理モードとして、ノンソート、ソート、ステイプルソート(綴じモード)、製本モード等がある。このような処理モードの設定等は、操作表示部400からの入力操作により行われる。例えば、後処理モードを設定する際には、図3(a)に示す初期画面でソフトキーの「仕上げ」を選択する。これにより、図3(b)に示すようなメニュー選択画面が表示部420に表示され、処理モードの設定(仕上げの選択)が可能になる。
ユーザが図3(b)のメニュー選択画面において、「ソート」のソフトキーを選択した場合、ソートモードが設定される。また、ユーザが図3(b)のメニュー選択画面において「ステイプル」のソフトキーを選択すると、図3(c)のステイプル設定画面が表示部420に表示される。ステイプル設定画面において、ユーザは、コーナー綴じ(「コーナー」)、2箇所綴じ(「ダブル」)等の綴じ方法や、綴じ位置(「左上」、「左下」、「右上」、「右下」など)を選択することが可能である。メニュー選択画面、ステイプル設定画面において、選択や設定が終了した場合は、ユーザは「OK」のソフトキーを押下する。また、選択や設定を取り消す場合は「設定取消」のソフトキーを押下する。
フィニッシャ制御部951は、CPU回路部900とデータの送受信を行うことで後処理装置500全体の駆動制御を行う。なお、フィニッシャ制御部951は、後処理装置500内に設けられる。CPU回路部900、原稿給送制御部911、イメージリーダ制御部921、画像信号制御部922、プリンタ制御部931、操作表示制御部941、及び外部I/F904は画像形成装置10内に設けられる。フィニッシャ制御部951の詳細は後述する。
(後処理装置)
図4は、後処理装置500の構成図である。図4(a)は、後処理装置500を正面(図1の正面)から見た図であり、図4(b)は、後処理装置500を上方(図1の上方)から見た図である。
後処理装置500は、画像形成装置10から排出されたシートを順に取り込み、取り込んだ複数のシートについて操作表示部400により設定された後処理の処理モードに応じた後処理を行う。後処理は、例えば、複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理、束ねたシート束の後端をステイプルで綴じるステイプル処理等である。
後処理装置500は、画像形成装置10から排出されたシートを搬送ローラ対511により内部の搬送パス520に取り込む。取り込まれたシートは、搬送ローラ対512、513によって搬送される。搬送パス520上には、搬送センサ570、571、572が設けられており、それぞれシートの通過を検出する。
搬送ローラ対512は、搬送センサ571とともにシフトユニット580に備え付けられる。シフトユニット580は、後述するシフトモータM4によって、搬送方向と直交するシート幅方向(図4の表裏方向、つまり手前側や奥側)へ移動可能である。シフトユニット580は、搬送ローラ対512がシートを挟持している状態で、シフトモータM4が駆動することで、シートを搬送しながら幅方向にオフセットできる。
ユーザが図3(b)の画面において「シフト」のソフトキーを選択することで設定されるソートモードでは、シフトユニット580は、例えば、手前シフトのシートは15[mm]手前側に、奥シフトのシートは15[mm]奥側に、それぞれオフセットする。「シフト」が選択されていない場合、シフトユニット580は、シートをオフセットせずにそのまま通過させる。
搬送センサ571からの信号入力によりシートがシフトユニット580を通過したことを検知すると、フィニッシャ制御部951は、シフトモータM4を駆動して、シフトユニット580をセンター位置へと戻す。
搬送ローラ対513と搬送ローラ対514との間にはフラッパ540が配置される。フラッパ540は、搬送ローラ対514によって反転搬送されるシートを、バッファ部として機能するバッファパス524に導く。バッファパス524には、待機するシートを再びメインの搬送路へ送り出す搬送ローラ対519が設けられる。このように、搬送ローラ対514、フラッパ540、及びバッファパス524は、シートの搬送路の途中に設けられ、1枚以上のシートを待機させ、当該シートを再び搬送路に送り出す。これにより、待機するシートと後続のシートとを重ね合わせてシート束を形成する。
搬送ローラ対514と搬送ローラ対515との間には、シートを上排紙パス522と下排紙パス523とのいずれかに搬送するための切替フラッパ541が配置される。切替フラッパ541が上排紙パス522側に切り替わると、後述するバッファモータM2により駆動される搬送ローラ対514により、シートは上排紙パス522へと導かれる。次いで、シートは、後述する排紙モータM3により駆動される搬送ローラ対515によって、積載トレイ701に排出される。上排紙パス522上には搬送センサ574が設けられており、シートの通過を検出している。
切替フラッパ541が下排紙パス523側に切り替わると、バッファモータM2により駆動される搬送ローラ対514により、シートは下排紙パス523へと導かれる。そして、排紙モータM3により駆動される搬送ローラ対516、517、518により処理トレイ630へと導かれる。下排紙パス523上には搬送センサ575、576が設けられており、シートの通過を検出している。
シートは処理トレイ630に排出され、搬送ローラ対518と同期して駆動されるローレットベルト661と、後述するパドルモータM6によって駆動されるパドル660によって、搬送方向の後端側へと引き戻される。引き戻されたシートは、ストッパ631に突き当たり、停止する。
処理トレイ630上の手前側と奥側に設けられた整合部材641は、後述する整合モータM7によってシートの搬送方向に直交する方向に移動する。処理トレイ630上に積載されたシートに対して、整合部材641による整合処理が行われ、また必要に応じてステイプラ601によりステイプル処理が行われる。処理後のシート或いはシート束は、束排紙ローラ対680により積載トレイ700へ排出される。
積載トレイ700には、紙面検知センサ720及び満載検知センサ730が設けられる。紙面検知センサ720は、積載トレイ700上に積載されたシートを検知する。紙面検知センサ720が積載トレイ700に積載されたシート束により塞がれると、積載トレイ700は、後述するトレイ昇降モータM10の駆動により下降する。シート束が紙面検知センサ720を塞がない位置まで積載トレイ700は下降する。これにより後処理装置500の排紙口と積載位置の高さを一定に保つ。積載トレイ701も同様に、紙面検知センサ721により排紙口と積載位置の高さを一定に保つように昇降が制御される。積載トレイ700が満載検知センサ730の位置まで下降した場合、画像形成装置10に満載情報が通知される。積載トレイ700上のシート束が取り除かれるまで、画像形成処理が一時中断される。
積載トレイ700及び積載トレイ701は、図4(b)に示すように後処理装置500に接続される。積載トレイ700には後述するトレイ昇降モータM10が、積載トレイ701には後述するトレイ昇降モータM11がそれぞれ内蔵される。一方、後支柱610bには不図示のラックギアが内蔵されている。ラックギアは、トレイ昇降モータM10、M11に接続されたピニオンギアと嵌合して積載トレイ700、701を支持している。これにより、積載トレイ700、701は昇降可能に構成されている。
積載トレイ700、701は、昇降時の移動方向の位置検知を行うエリア検知部600、601を備える。図5は、積載トレイ700、701へのエリア検知部600、601の実装状態の例示図である。エリア検知部600、601は、それぞれ4つのエリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4を有する。これらエリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4は、フォトインタラプタであり、図5の例ではU字の形状をしている。積載トレイ700、701の移動方向の位置は、これら4つのエリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4からの出力の組み合わせに基づいて検知される。
後支柱610b内には、図6(a)に示すように、4種類のフラグF1、F2、F3、F4が積載トレイの移動方向に配置されている。図7は、フラグF1、F2、F3、F4の配置の説明図である。これらのフラグF1、F2、F3、F4は、後支柱610bを上から見た状態を示した図7(a)のように、横方向(シートの排出方向)に所定の間隔で配置されている。図7(b)は、フラグF1、F2、F3、F4と、エリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4との状態を示す。フラグF1、F2、F3、F4は、各先端部がエリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4の中央の空隙部に位置するように配置される。
積載トレイ700、701が昇降することで、フエリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4は、フラグF1、F2、F3、F4の有無を検知される。エリア検知部600、601は、エリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4の4つの検知結果の組み合わせによって、図6(b)に示すように、積載トレイ700、701の移動範囲を移動方向で9箇所のエリアに区分して検知する。これら9つのエリアを、図8にエリア1〜エリア9として示す。
(フィニッシャ制御部)
図9は、フィニッシャ制御部951の説明図である。フィニッシャ制御部951は、CPU952、ROM953、及びRAM954を備える。CPU952は、画像形成装置10本体側に設けられたCPU回路部900と通信を行い、CPU回路部900からの指示に基づいて、ROM953に格納されている各種プログラムを実行してフィニッシャ50の駆動制御を行う。RAM954は、プログラム実行時の作業領域となる。
フィニッシャ制御部951には、後処理装置500内に設けられる各種センサによる検知結果が入力され、また後処理装置500内に設けられる各種モータやソレノイド等を駆動制御する。入口モータM1は搬送ローラ対511、512、513を駆動する。バッファモータM2は搬送ローラ対514、519を駆動する。排紙モータM3は搬送ローラ対515、516、517、518を駆動する。シフトモータM4はシフトユニット580を駆動する。
束排紙モータM5は束排紙ローラ対680を駆動する。パドルモータM6はパドル660を駆動する。整合モータM7は整合部材641を駆動する。ステイプルモータM8は、シート束に綴じ処理を行うステイプラ601を駆動する。ステイプラ移動モータM9は、ステイプラ601を処理トレイ630の外周に沿って搬送方向に直交する方向に移動させる。このステイプラ移動モータM9により、ステイプルの綴じ位置が変更される。CPU952は、シートの通過を検知する搬送センサ570〜576等から検知結果を入力信号として受け取る。
トレイ昇降モータM10、M11は、積載トレイ700、701を昇降させる。この他にフィニッシャ制御部951には、紙面検知センサ720、721、満載検知センサ730、731、トレイ紙有無検知センサ740、741、トレイ駆動検知センサ750、751等が接続される。
トレイ駆動検知センサ750、751は、それぞれ、積載トレイ700、701が所定量昇降するごとに出力のオン/オフが切り替わるようになっており、積載トレイ700、701の昇降検知を行う。図10は、トレイ駆動検知センサ750により積載トレイ700の昇降動作を検出する構成を示す。トレイ昇降モータM10が駆動すると、図示しないプーリーを介してエンコーダ760が図10において時計回りあるいは反時計回りに回転する。トレイ駆動検知センサ750はフォトインタラプタであり、エンコーダ760の回転により、遮光、非遮光を繰り返す。図10(a)はトレイ駆動検知センサ750がエンコーダ760により遮光されてオンとなった状態を、図10(b)はトレイ駆動検知センサ750がエンコーダ760により遮光されない(非遮光)でオフとなった状態を、それぞれ表す。このようにトレイ駆動検知センサ750は、オン/オフが切り替わる。トレイ駆動検知センサ751も同様である。
ソレノイドSL1は、切り換えフラッパ540を駆動する。ソレノイドSL2は、切替フラッパ541を駆動する。エリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4は上述の通りであり、その検知結果により積載トレイ700、701の位置を把握することができる。
(積載トレイに干渉する異物の検知)
積載トレイ700の下に荷物等の異物が置かれる場合、異物が積載トレイ700に干渉して、積載トレイ700の昇降動作に支障を来すことがある。図11、図12により、積載トレイ700の下の異物を検知する処置について説明する。図11は異物検知の処理を表すフローチャート、図12は異物検出時に表示部420に表示するメッセージの例示図である。この処理は、積載トレイ700にシートが所定枚数積載されたときに開始される。
フィニッシャ制御部951のCPU952は、紙面検知センサ720がオンで、かつ異物を検知したか否かを表す異物検知フラグ(ObjDetFlg)がオフか否かを判断する(S1001)。紙面検知センサ720がオンで、かつ異物検知フラグがオフの場合(S1001:Y)、CPU952は、トレイ昇降モータM10を駆動して積載トレイ700を下降させる(S1002)。紙面検知センサ720がオフであれば、積載トレイ700にシートが積載されていないために積載トレイ700を下降させる必要がない。異物検知フラグは、異物が検知されているか否かを表しており、フィニッシャ制御部951のRAM954に記憶されている。異物が検知されている場合、図11の処理を行う必要がない。そのために、紙面検知センサ720がオフ、或いは異物検知フラグがオンの場合(S1001:N)、フィニッシャ制御部951は処理を終了する。
フィニッシャ制御部951のCPU952は、トレイ昇降モータM10が駆動中か否かを表す駆動フラグ(moveFlg)をオンにして、RAM954に記憶する(S1003)。 CPU952は、積載トレイ700の昇降動作に異常が発生しているか否かを表すエラーフラグ(errFlg)をオフにして、RAM954に記憶する(S1004)。なお、エラーフラグは、別途実行される積載トレイ700の昇降動作の異常を検知する処理フローにおいて、積載トレイ700の昇降動作に異常が発生したと判断された場合にオンとなる。
エラーフラグがオフか否かを確認する。エラーフラグがオフの場合(S1005:Y)、フィニッシャ制御部951のCPU952は、CPU952は満載検知センサ730がオフか否かを判断する(S1006)。満載検知センサ730がオフの場合(S1006:Y)、CPU952は、紙面検知センサ720がオフか否かを判断する(S1007)。紙面検知センサ720がオフの場合(S1007:Y)、CPU952は、トレイ昇降モータM10を停止して積載トレイ700の下降を停止させる(S1008)。なお、CPU952は、紙面検知センサ720がオンの場合(S1007:N)、ステップS1005の処理に戻り、エラーフラグがオフか否かを確認する。
積載トレイ700の下降を停止した後にCPU952は、駆動フラグをオフにして、RAM954に記憶する(S1009)。駆動フラグをオフにすることで異物の検知処理が終了する。
満載検知センサ730がオンの場合(S1006:N)、フィニッシャ制御部951のCPU952は、積載トレイ700がシートを満載したときの位置に達したと判断する。そしてCPU952は、積載トレイ700が満載位置まで下降したか否かを表す満載フラグ(stkOverFlg)がオフか否かを判断する。満載フラグがオンの場合(S1010:N)、CPU952は、積載トレイ700の下降動作を継続する。満載フラグがオフの場合(S1010:Y)、CPU952は、満載フラグをオンにしてRAM954に記憶する。その後、CPU952は、満載検知情報をCPU回路部900に通知し(S1012)、ステップS1007の処理へ進み、積載トレイ700の下降動作を継続する。満載検知情報を受信したCPU回路部900は、画像形成処理を中断し、操作表示部400の表示部420に、図12(a)に例示する、積載トレイ700上のシートを取り除くことをユーザに促す内容を含んだ画面を表示する。
フィニッシャ制御部951のCPU952は、エラーフラグがオンの場合(S1005:N)、エリアセンサPI1、PI2、PI3、PI4からの信号の組み合わせにより、積載トレイ700の位置を検知する。CPU952は、検知の結果、積載トレイ700の位置が図8で示すエリア5よりも下の位置の場合(S1013:Y)、積載トレイ700が荷物等の異物と干渉していることが異常発生の原因であると判断する。この場合、CPU952は、異物検知フラグをオンにしてRAM954に記憶する(S1014)。その後、CPU952は、異物検知情報をCPU回路部900に通知して(S1015)、ステップS1008の処理へ進む。異物検知情報を受信したCPU回路部900は、実行中の画像形成処理を終了した後に動作を中断し、操作表示部400の表示部420に、図12(b)に例示する、積載トレイ700の下の異物の確認をユーザに促す内容を含んだ画面を表示する。
CPU952は、積載トレイ700の位置が図8で示すエリア5よりも下の位置ではない場合(S1013:N)、トレイ昇降モータM10に故障が発生している(モータ異常)と判断する。この場合、CPU952は、モータ異常情報をCPU回路部900に通知して(S1016)、ステップS1008の処理に進む。モータ異常情報を受信したCPU回路部900は、実行中の画像形成処理を継続することなく即座に停止する。また、操作表示部400の表示部420にモータ異常が発生したことを表示してもよい。図13は、後処理装置500の積載トレイ700と異物FMとの干渉の態様の例示図である。
このように、モータ異常が発生した場合には、画像形成装置10の動作を即座に停止する。モータ異常ではなく異物を検知した場合には、画像形成装置10の動作を即座に停止させず、新たなシートの給送を行わず、給送中のシートへの画像形成処理及び排出処理を継続する。
積載トレイ700は、その上に所定の枚数のシートが積載された場合、トレイ昇降モータM10を駆動することで下降するように設定されている。トレイ昇降モータM10に故障等のモータ異常がある場合、積載トレイ700は下降移動しない。そのため、上記のように、積載トレイ700の昇降動作に異常が発生(エラーフラグがオン)した場合における異常発生の原因の判別を、その時の積載トレイ700の位置(異常発生の場所がエリア5より下であるか否か)で概ね行うことができる。この判別法を採ることで、モータ異常を直ちに判断できる。なお、ステップS1013ではエリア5を異物検知とモータ異常との判断の基準としているが、これは一例であり、他の高さであってもよい。
なお、上記において異物FMの干渉と判断される場合であっても、モータ異常が原因である可能性を含んでいる。このため、異物干渉と判断した場合には、モータ異常の有無を確認するための処理が行われる。この処理については後述する。
(積載トレイ昇降の異常検知)
図14は、積載トレイ700の昇降動作の異常を検知する異常検知動作を表すフローチャートである。異常検知動作は、所定時間が経過するごとに周期的に行われる。
異常検知動作を開始すると、フィニッシャ制御部951のCPU952は、トレイ昇降モータM10が駆動中か否かを表す駆動フラグ(moveFlg)がオンか否かを判断する(S2001)。駆動フラグがオフの場合(S2001:N)、CPU952は、異常検知動作を終了する。
駆動フラグがオンの場合(S2001:Y)、フィニッシャ制御部951のCPU952は、トレイ駆動検知センサ750がオンか否かを判断する(S2002)。トレイ駆動検知センサ750がオンの場合(S2002:Y)、CPU952はトレイ駆動検知センサ750がオフか否かを判断する(S2003)。
ステップS2002でトレイ駆動検知センサ750がオンであることを確認した直後にステップS2003の処理を行うと、当然、トレイ駆動検知センサ750はオフではない(S2003:N)。この場合、フィニッシャ制御部951のCPU952は、ステップS2002でトレイ駆動検知センサ750がオンであることを確認してから所定時間経過したか否かを確認する(S2004)。つまり、CPU952は、所定時間経過する間に積載トレイ700が昇降動作を行い、トレイ駆動検知センサ750がオフになるか否かをステップS2003、S2004で判断することになる。所定時間内にトレイ駆動検知センサ750がオフにならなければ(S2004:Y)、CPU952は、積載トレイ700の昇降動作に異常が発生したと判断する。そのためにCPU952は、積載トレイ700の昇降動作に異常が発生しているか否かを表すエラーフラグ(errFlg)をオンにしてRAM954に記憶し、異常検知動作を終了する(S2005)。
所定時間内にトレイ駆動検知センサ750がオフになると(S2003:Y)、フィニッシャ制御部951のCPU952は、積載トレイ700が正常に昇降動作を行っていると判断する。そのためにCPU952は、エラーフラグをオフにしてRAM954に記憶し、異常検知動作を終了する。
ステップS2002でトレイ駆動検知センサ750がオフの場合(S2002:N)、フィニッシャ制御部951のCPU952は、駆動フラグがオンであることを確認してから所定時間経過したかを確認する(S2007)。つまり、CPU952は、トレイ昇降モータM10が駆動を開始して所定時間内に積載トレイ700が昇降動作を行ったか否かを、ステップS2002、S2007で判断することになる。所定時間内にトレイ駆動検知センサ750がオンにならなければ(S2007:Y)、CPU952は、積載トレイ700の昇降動作に異常が発生したと判断する。そのためにCPU952は、エラーフラグをオンにしてRAM954に記憶し、異常検知動作を終了する(S2005)。
(ジョブの再開動作1)
積載トレイ700の下に異物を検知した後のジョブの再開動作について説明する。図15は、ジョブの再開動作を表すフローチャートである。
ジョブの再開動作は、上記異物の検知が終了したときに異物検知フラグ(ObjDetFlg)がオンの場合に行われる。具体的には、図12(b)に示した画面の指示に従ってユーザが積載トレイ700の下に異物が置かれていないかを確認し(置かれている場合はその異物を取り除き)、積載トレイ700上のシートを取り除いた場合に実行される。なお、この再開動作は、満載フラグ(stkOverFlg)がオンの場合、例えば、図12(a)に示した画面の指示に従ってユーザが積載トレイ700上のシートを取り除いた場合も実行される。
フィニッシャ制御部951のCPU952は、積載トレイ700のトレイ紙有無検知センサ740がオフか否かを判断する(S3001)。トレイ紙有無検知センサ740がオフの場合(S3001:Y)、つまり積載トレイ700上のシートが取り除かれた場合、CPU952は、トレイ昇降モータM10を駆動して、積載トレイ700を上昇させる(S3002)。次いで、CPU952は、トレイ昇降モータM10が駆動中か否かを表す駆動フラグ(moveFlg)をオンにしてRAM954に記憶する(S3003)。また、CPU952は、積載トレイ700の昇降動作に異常が発生しているか否かを表すエラーフラグ(errFlg)をオフにしてRAM954に記憶する(S3004)。
フィニッシャ制御部951のCPU952は、エラーフラグがオフか否かを判断する(S3005)。ステップS3004でエラーフラグをオフにした直後は、当然、エラーフラグはオフである(S3005:Y)。この場合、CPU952は、紙面検知センサ720がオンであるか否かを確認する(S3006)。紙面検知センサ720が積載トレイ700上にシートを検知してオンになる前に、積載トレイ700の上昇動作時に異常が発生して、図14で説明した処理によりエラーフラグがオンになる場合がある。つまりCPU952は、ステップS3005、S3006により、積載トレイ700が正常の動作を再開したか否かを判断することになる。
紙面検知センサ720がオンになると(S3006:Y)、フィニッシャ制御部951のCPU952は、積載トレイ700が正常に上昇したためトレイ昇降モータM10に異常がないと判断する。この場合、CPU952は、ジョブ再開可能情報をCPU回路部900に通知する(S3007)。ジョブ再開可能情報を受信したCPU回路部900は、画像形成処理を再開する。
フィニッシャ制御部951のCPU952は、異物を検知したか否かを表す異物検知フラグをオフにしてRAM954に記憶する(S3008)。また、CPU952は、積載トレイ700が満載位置まで下降したか否かを表す満載フラグをオフにしてRAM954に記憶する(S3009)。その後、CPU952は、トレイ昇降モータM10を停止し積載トレイ700の上昇を停止する(S3010)。CPU952は、駆動フラグをオフにしてRAM954に記憶し、ジョブ再開動作を終了する(S3011)。
ステップS3005でエラーフラグがオンになると(S3005:N)、フィニッシャ制御部951のCPU952は、積載トレイ700の上昇動作時に異常が発生して、トレイ昇降モータM10に異常が発生したと判断する。この場合、CPU952は、モータ異常情報をCPU回路部900に通知して(S3012)、ステップS3010の処理へ進む。モータ異常情報を受信したCPU回路部900は、操作表示部400の表示部420に、図16に例示する、画像形成システム1の再起動をユーザに促す内容を含んだ画面を表示する。
以上のように、画像形成システム1は、積載トレイ700の下降時に動作異常を検知した場合に一旦ジョブを中断し、積載トレイ700が上昇可能となった場合に、トレイ昇降モータM10に異常はないと判断してジョブを再開する。
(ジョブの再開動作2)
「ジョブの再開動作1」とは別の再開動作を、図17のジョブの再開動作を表すフローチャートにより説明する。この処理は、画像形成処理が中断したときにCPU回路部900からフィニッシャ制御部951にジョブ中断コマンドを送信する場合に適用され、異物の検知動作が終了したときに異物検知フラグ(ObjDetFlg)がオンの場合に開始される。
フィニッシャ制御部951のCPU952は、CPU回路部900からジョブ中断コマンドを受信したか否かを判断する(S4001)。ジョブ中断コマンドを受信した場合(S4001:Y)、CPU952は、トレイ昇降モータM10を駆動して積載トレイ700を上昇させる制御を実行する。次いで、CPU952は、トレイ昇降モータM10が駆動中か否かを表す駆動フラグ(moveFlg)をオンにしてRAM954に記憶する(S4003)。また、CPU952は、積載トレイ700の昇降動作に異常が発生しているか否かを表すエラーフラグ(errFlg)をオフにしてRAM954に記憶する(S4004)。
フィニッシャ制御部951のCPU952は、エラーフラグがオフか否かを判断する(S4005)。ステップS4004でエラーフラグをオフにした直後は、当然、エラーフラグはオフである(S4005:Y)。この場合、CPU952は、積載トレイ700が所定量上昇したか否かを判断する(S4006)。積載トレイ700が所定量上昇する前に、積載トレイ700に異常が発生して、図14で説明した処理によりエラーフラグがオンになる場合がある。つまりCPU952は、ステップS4005、S4006により、積載トレイ700が正常の動作を再開したか否かを判断することになる。
積載トレイ700が所定量上昇すると(S4006:Y)、フィニッシャ制御部951のCPU952は、積載トレイ700が正常に上昇したためトレイ昇降モータM10に異常がないと判断する。この場合、CPU952は、モータ正常情報をCPU回路部900に通知する(S4007)。モータ正常情報を受信したCPU回路部900は、操作表示部400の表示部420に、図18に例示するに、ジョブの再開をユーザに促す内容を含む画面を表示する。ユーザが再開キーを押下すると、CPU回路部900はジョブを再開する。
フィニッシャ制御部951のCPU952は、異物を検知したか否かを表す異物検知フラグをオフにしてRAM954に記憶する(S4008)。その後、CPU952は、トレイ昇降モータM10を停止し積載トレイ700の上昇を停止する(S4009)。CPU952は、駆動フラグをオフにしてRAM954に記憶し、ジョブ再開動作を終了する(S4010)。
ステップS4005でエラーフラグがオンになると(S4005:N)、フィニッシャ制御部951のCPU952は、積載トレイ700の上昇動作時に異常が発生して、トレイ昇降モータM10に異常が発生したと判断する。この場合、CPU952は、モータ異常情報をCPU回路部900に通知して(S4011)、ステップS4009の処理へ進む。モータ異常情報を受信したCPU回路部900は、操作表示部400の表示部420に、図16に例示する、画像形成システム1の再起動をユーザに促す内容を含んだ画面を表示する。
以上のように、画像形成システム1は、積載トレイ700の下降時に動作異常を検知した場合に一旦ジョブを中断し、積載トレイ700が上昇可能となった場合に、トレイ昇降モータM10に異常はないと判断してジョブを再開する。
以上のように本実施形態では、フィニッシャ制御部951が、積載トレイ700が下降するタイミングにおいて積載トレイ700の下降動作を検知できない場合に、積載トレイ700の昇降動作を停止する。フィニッシャ制御部951は、下降動作を検知できないときの積載トレイ700の位置に基づいて、積載トレイ700の停止原因を表す停止原因識別情報(異物検知情報、モータ異常情報)を出力する。例えば、下降動作を検知できないときに積載トレイ700の位置がシート排紙口の近傍、具体的には排紙口から下方向の所定位置までの第1の領域(エリア5に相当)である場合、フィニッシャ制御部951は、停止原因識別情報としてモータ異常情報を出力する。また、モータ異常情報が出力された場合、CPU回路部900は画像形成処理(印刷ジョブ)を停止する。この場合、モータ異常情報が出力された段階で実行中の画像形成処理があった場合でも、当該印刷処理を終了することなく、直ちに印刷ジョブが停止される。印刷ジョブ停止後に画像形成装置は再起動される。
下降動作を検知できないときの積載トレイ700の位置が第1の領域より下の第2の領域(エリア5よりも下の位置)である場合、フィニッシャ制御部951は、停止原因識別情報として異物検知情報を出力する。また、異物検知情報が出力された場合、CPU回路部900は画像形成処理(印刷ジョブ)を一時的に中断する。ここで、実行中の画像形成処理がある場合、CPU回路部900は、当該処理を実行した後に画像形成装置を停止する。停止後は、所定の再開動作が行われる。
このように積載トレイ700の位置に基づき、停止原因識別情報としての異物検知情報或いはモータ異常情報を出力するために、積載トレイ700の下降中に積載トレイ700を下降できなくなった場合でも、その原因を直ちに特定できる。即ち、下降できない原因が積載トレイ700の下に荷物等の異物があることによるものか、モータ異常によるものかを判別できる。積載トレイ700の下に異物がある場合は画像形成処理等のジョブの継続が可能でなる。そのため、積載トレイ700が下降できない場合には全て再起動を行う従来の構成の場合と比べて、不要なダウンタイムを無くすことができる。
再開動作においても、モータ異常の有無を確認する処理が行われる。具体的には、積載トレイ700を上昇させ、積載トレイ700が上昇しない場合にはモータ異常と判断する。この場合、モータ異常情報がCPU回路部900に通知され、上記と同様のモータ異常の場合の処理が行われる。積載トレイ700が上昇する場合は、モータ異常はないと判断してジョブを再開する。この処理により、異物検知と判断された場合でも、モータ異常が発生しているか否かを判別することができる。
さらに、画像形成処理の再開は、例えば、異物を検知したことをユーザに通知し、この通知に応じてユーザが所定の処理を行うことで行われる。具体的には、ユーザが積載トレイ700上のシートを取り除くことを契機として開始される(例えば図15)。或いはユーザが画像形成装置10の操作表示部400の表示部420に表示した再開キーを押下したタイミングで開始される(例えば図17)。その他に、画像形成処理の再開を、ユーザが後処理装置500のドアを開閉することで行うようにしてもよい。
なお、以上の説明では、後処理装置500の制御をフィニッシャ制御部951(第1の制御部)により行い、画像形成装置10の制御はCPU回路部900(第2の制御部)で行う構成としている。これに代えて、後処理装置500及び画像形成装置10の制御を1つの制御部、例えばCPU回路部900が行う構成としてもよい。