JP2010276788A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿を搬送せずに原稿枚数を数え、原稿を繰り返し搬送されることによる原稿へのダメージを無くし、迅速に原稿枚数を把握して使用者を待たせることを無くす。
【解決手段】画像形成装置は、原稿を読み取り画像データを生成する画像読取部と用紙に画像を形成する画像形成部と、複数枚の原稿が積載される原稿トレイ、原稿を送り出す原稿供給ローラ、上限位置まで原稿トレイを上昇させるリフト部、原稿トレイの下方に設けられ、原稿トレイの下面までの距離を測るための距離検出体を有し、原稿を1枚ずつ画像読取部の読取位置に搬送する原稿搬送装置と、上昇後の原稿トレイの下面までの距離を距離検出体の出力に基づき認識し、認識された距離に基づき原稿トレイ上の原稿枚数を把握する制御部を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、原稿の読み取りのため、積載された原稿を1枚ずつ原稿を自動的、連続的に搬送する原稿搬送装置を備えた複写機、複合機、FAX装置等の画像形成装置に関する。
一般に、複写機、複合機、FAX装置等の画像形成装置は、原稿の画像を読み取る画像読取部(画像読取装置)が設けられる。又、画像形成装置には複数枚の原稿が載置され、自動的、連続的に1枚ずつ原稿を画像読取部の読取位置に搬送する原稿搬送装置を備えるものがある。画像読取部は、搬送される原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する(コピー)。そして、生成された画像データに基づき、印刷が行われる。このような原稿搬送装置には、印刷物の仕分けなどの観点から、積載された原稿枚数を数えるものがあり、その例が特許文献1に記載されている。
具体的に、特許文献1には、供給された原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送手段と、原稿搬送手段で搬送された原稿枚数を計数する原稿枚数計数手段(適宜なセンサー)を備えた原稿読み取り装置が記載されている。このような構成により、従来人手で行なっていた原稿枚数の計数を自動的に行ない手間を省こうとする(特許文献1:請求項1、段落[0012]、[0030]等参照)。
特開平05−094064
一般に、載置された原稿枚数の確認のため、原稿搬送装置には、原稿搬送経路上に原稿通過を検出するセンサ(例えば、光センサ)が設けられる。そして、原稿枚数のみを知りたいと言う要望に応えるため、原稿搬送装置に、原稿読み取らずに原稿枚数を数える機能を持たせることがある。又、搭載メモリの容量に対し原稿が多すぎないかを確認する等、実際のコピー等の処理の前に、原稿を読み取らず原稿を搬送して原稿枚数を数え、ジョブの全体量を把握する場合がある。このような画像形成装置では、実際にコピーを行う際、使用者は再度原稿を載置し、原稿は再度搬送される。
しかし、複数回原稿の搬送を行えば、原稿を数える分だけ、コピー等の印刷が完了するまでに時間を要し、使用者を待たせ、利便性が悪いという問題がある。更に、原稿枚数が多いほど枚数を数えるのに時間を要する。更に、原稿搬送回数が増えるほど、ジャム(詰まり)、折れ曲がり、引っかかり等で、原稿がダメージを受ける確率は高くなるという問題もある。
ここで、特許文献1記載の原稿読み取り装置は、原稿の搬送を行って、載置された原稿枚数を数えるものであり(特許文献1:請求項1、段落[0014]、図1等参照)、上記問題には対応できない。又、「原稿読み取り装置では、・・・原稿を読み取ることなくその枚数を計数することができ・・・、この場合には、原稿搬送手段1の搬送速度を原稿読み取り時に比べ高速にすることができる」(特許文献1:段落[0014]参照)と記載されるが、原稿搬送速度を高速にすれば、確かに原稿枚数を早く数えられるが、原稿のジャム発生率は高くなり、原稿はダメージを受けやすくなる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、原稿を搬送せずに原稿枚数を数え、原稿を繰り返し搬送することによる原稿へのダメージを無くし、又、迅速に原稿枚数を把握して使用者を待たせることを無くす。更には、迅速な原稿枚数把握により、印刷開始前に使用者に有益な情報を表示して、使用者の利便性を向上させることを課題とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る画像形成装置は、印刷に関する表示を行う表示部と、印刷の設定を行うための入力部と、原稿を読み取り画像データを生成する画像読取部と、前記画像データに基づき給紙部から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、複数枚の原稿が積載される原稿トレイと、原稿を送り出す原稿供給ローラと、初期位置から前記原稿供給ローラに最上位の原稿が接する上限位置まで前記原稿トレイを上昇させるリフト部と、前記原稿トレイの下方に設けられ、前記原稿トレイの下面までの距離を測るための距離検出体を有し、前記原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ前記画像読取部の読取位置に搬送する原稿搬送装置と、前記距離検出体から上昇後の前記原稿トレイの下面までの距離を前記距離検出体の出力に基づき認識し、認識された距離に基づき前記原稿トレイ上の原稿枚数を把握する制御部を有することとした。
原稿トレイに載置される原稿枚数が多いほど、初期位置から上限位置までの原稿トレイの上昇量は少なくなり、原稿枚数が少ないほど、初期位置から上限位置までの原稿トレイの上昇量は多くなる。そして、この構成によれば、原稿枚数による上昇量の相違に基づき、原稿トレイの下方の距離検出体から原稿トレイの下面までの距離によって、原稿の搬送を行わずに、原稿トレイに載置された原稿枚数が把握される。従って、原稿の搬送を行わずに原稿枚数を数えることができる。又、原稿枚数を数えるために繰り返し原稿が搬送されることによる原稿へのダメージを無くすことができる。
又、リフト部によって、原稿トレイが上昇し、原稿の上方が原稿供給ローラに押さえつけられ、原稿のカールや、浮き、膨らみ等が解消される。従って、原稿にカール等があっても、無くても、把握される原稿枚数に差は生じず、原稿トレイに載置された原稿枚数を精度良く把握することができる。
又、請求項2に係る画像形成装置は、印刷に関する表示を行う表示部と、印刷の設定を行うための入力部と、原稿を読み取り画像データを生成する画像読取部と、前記画像データに基づき給紙部から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、複数枚の原稿が積載される原稿トレイと、積載された原稿の上面に接し原稿を送り出す原稿供給ローラと、前記原稿トレイよりも上方に設けられ、前記原稿トレイに載置された最上位の原稿上面までの距離を測るための距離検出体を有し、前記原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ前記画像読取部の読取位置に搬送する原稿搬送装置と、前記距離検出体から最上位の原稿までの距離を前記距離検出体の出力に基づき認識し、認識された距離に基づき前記原稿トレイ上の原稿枚数を把握する制御部を有することとした。
原稿トレイに載置される原稿枚数が多いほど、距離検出体から最上位の原稿までの距離は短くなり、原稿枚数が少ないほど、距離検出体から最上位の原稿までの距離は長くなる。そして、この構成によれば、原稿枚数による最上位の原稿までの距離の相違に基づき、原稿トレイの上方の距離検出体から最上位の原稿までの距離によって、原稿の搬送を行わずに、原稿トレイに載置された原稿枚数が把握できる。従って、原稿の搬送を行わずに原稿枚数を数えることができる。又、原稿枚数を数えるために繰り返し原稿が搬送されることによる原稿へのダメージを無くすことができる。
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記制御部は、把握された前記原稿トレイ上の原稿枚数と、前記入力部に入力された印刷設定及び印刷部数から、原稿を読み取って印刷完了までに要する時間を予測し、前記表示部は、予測された印刷完了までに要する前記時間を表示することとした。
この構成によれば、原稿枚数が迅速に把握されるので、把握された原稿枚数や印刷部数等に基づき、印刷(コピー)完了するまでに要する時間を迅速に予測し、表示して、使用者に印刷完了までに要する時間を伝達することができる。従って、使用者は、印刷が完了するまで待ち続けるべきか判断できる。例えば、印刷完了まで時間を要すれば、印刷完了まで他の作業を行えば良く、使用者は時間を効率的に使える。
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記給紙部内の用紙残量を検出するための用紙残量センサを有し、前記制御部は、把握された前記原稿トレイ上の原稿枚数と、前記入力部に入力された印刷部数と、検出された用紙残量から、用紙切れが生ずるか否かを判断し、用紙切れが生ずると判断された場合、前記表示部は、用紙切れが生ずる旨を表示することとした。
この構成によれば、原稿枚数が迅速に把握されるので、把握された原稿枚数や印刷部数等に基づき、印刷中の用紙切れの発生が予測され、表示される。これにより、印刷中の用紙切れの発生が使用者に伝達される。例えば、使用者は、用紙切れエラーによる印刷停止を避けるため、印刷開始前に予め用紙を補給しておく対処をとれる。
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、印刷された用紙が排出される排出トレイを有し、前記制御部は、把握された前記原稿トレイ上の原稿枚数と、前記入力部に入力された印刷部数から、予め定められた許容枚数を超えて前記排出トレイへの排出が行われ、オーバーフローが生ずるか否かを判断し、オーバーフローが生ずると判断された場合、前記表示部は、前記排出トレイでオーバーフローが生ずる旨を表示することとした。
この構成によれば、原稿枚数が迅速に把握されるので、把握された原稿枚数や印刷部数等に基づき、印刷中の排出トレイでのオーバーフロー(溢れ)の発生が予測され、表示される。これにより、印刷中のオーバーフローの発生が使用者に伝達される。例えば、使用者は、印刷完了までに、オーバーフローによる排出トレイでの用紙の溢れを避けるため、印刷中に排出トレイから用紙を取り出す必要があると認識できる。
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の発明において、印刷後の用紙に対し後処理を行う後処理装置が接続され、前記後処理装置は、印刷部数ごとに複数枚の用紙を用紙束とし、ステープル処理を行うステープル部を有し、前記制御部は、把握された前記原稿トレイ上の原稿枚数から、1つあたりの用紙束の厚さが、ステープル処理を行える予め定められた厚さを越えるか否かを判断し、前記予め定められた厚さを越えると判断された場合、前記表示部は、ステープル処理を行わない旨を表示することとした。
予め定められた用紙の厚さを越えた用紙束にステープルを施しても針は通らず、又は、ステープル部で針が詰まり、針を取り除く作業が必要となる。又、用紙束の一部に針が通っても、用紙束を綴じられず用紙束から針を取り除く作業が必要となる。これらのステープルミス解消の作業は煩わしいものであるところ、この構成によれば、原稿枚数が迅速に把握され、把握された原稿枚数や印刷部数等に基づき、印刷開始前に、予め定められた厚さを越えることを使用者に伝達することができる。尚、予め定められた厚さは、ステープル部で用いるステープル針の大きさで定まる。
上述したように、本発明によれば、原稿を搬送せずに原稿枚数を数えるので、原稿枚数の確認等のため、原稿の繰り返しの搬送による原稿へのダメージが無くなる。又、迅速に原稿枚数を把握し、原稿枚数把握のために、使用者を待たせることもない。更に、迅速な原稿枚数把握により、印刷開始前に迅速に使用者に有益な情報を表示することができる。
第1実施形態に係る複合機の模型的正面断面図である。 第1実施形態に係る後処理装置の一例を示す正面模型的断面図である。 第1実施形態に係る原稿搬送装置の一例を示す正面模型的断面図である。 第1実施形態に係る原稿搬送装置に原稿を載置した際の動作の一例を説明するための説明図であり、(a)は原稿載置直後、(b)は、原稿トレイの昇降部の上昇後を示す。 第1実施形態に係る複合機の操作パネルの一例を示す平面図である。 第1実施形態に係る複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る原稿枚数の把握に基づくコピー時の予測結果の表示の一例を示す図であり、(a)は印刷完了までの時間表示の一例であり、(b)は警告表示の一例であり、(c)印刷の強制中断表示の一例を示す。 第1実施形態に係る原稿搬送装置に原稿を載置した際の制御の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る原稿搬送装置に原稿を載置した際の動作の一例を説明するための説明図であり、(a)は原稿載置直後、(b)は原稿トレイが固定式の原稿搬送装置の一例を示す。 第2実施形態に係る原稿搬送装置に原稿を載置した際の制御の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜8を用いて説明する。尚、本実施形態では、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げ説明する。但し、本実施の形態に記載される構成、配置等の各要素は発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(複合機100の概略構成)
まず、図1に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の模型的正面断面図である。
本実施形態の複合機100は、最上部には原稿搬送装置1が設けられ、図1に破線で示すように、正面上方にコピー等の印刷の設定を行うための入力部として機能し、各種情報を表示する操作パネル2が設けられ(表示部、入力部に相当)、複合機100本体に、画像読取部3、給紙部4、搬送路5、画像形成部6、定着部6b等が設けられる。
画像読取部3は、原稿を読み取り画像データを生成する。そして、画像読取部3の上面にコンタクトガラス31(31aと31bの2種)が設けられ、その内部には、水平方向(図1で言えば、左右方向)で移動する移動枠(露光ランプ、ミラー等を具備)、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(いずれも不図示)が設けられる。例えば、原稿搬送装置1で連続的に搬送される原稿を読み取る場合、送り読取用コンタクトガラス31aの下方に移動枠を固定し、原稿の反射光をレンズ、イメージセンサに導く。又、載置読取用コンタクトガラス31bに載置された原稿を読み取る場合には、移動枠を水平方向に移動させて、原稿の反射光をレンズ、イメージセンサに導く。
そして、画像読取部3は、これら光学系部材を用い、原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し、画像データを生成する。そして、複合機100は読取られた画像データに基づき印刷可能である(コピー機能)。
本実施形態の複合機100では、画像形成用の用紙を収容、供給する給紙部4には、カセット41が、計2つ垂直方向に積まれる。各カセット41は、各種(例えば、普通紙、コピー用紙、再生紙等)、各サイズ(例えば、A4、A3、B4、B5、レターサイズ等)の用紙を複数(例えば、500〜1000枚程度)積載して収容する。
又、各カセット41には、用紙供給のため回転駆動する給紙ローラ42が、それぞれ設けられる。又、各カセット41内には、それぞれ、用紙を載置するための用紙載置板43が設けられる。これら各用紙載置板43は、搬送方向上流側の端部が支点となり、用紙搬送方向下流側の端部が自由端となり、自由端が上下方向に移動する。
この用紙載置板43を上昇させるために、各カセット41には、シャフト44、押し上げ部材45、押し上げモータ(不図示)等が設けられる。シャフト44は各用紙載置板43の下方に設けられ、用紙搬送方向と垂直な方向に伸びる。そしてシャフト44には、板状で、用紙載置板43の下面に接する押し上げ部材45が取り付けられる。押し上げモータは、シャフト44を回転させ、押し上げ部材45の角度を変化させ用紙載置板43を上昇させる。その結果、常時、最上位の用紙と給紙ローラ42とが接する状態となる。尚、図1では、最上位の用紙と給紙ローラ42が当接する上限位置まで用紙載置板43を上昇させた状態を示している。
そして、用紙が少なくなるほど用紙載置板43の傾斜角度が大きくなるところ、用紙載置板43の下方に、給紙部4内の用紙残量を検出するための用紙残量センサ46が設けられる。例えば、用紙残量センサ46には、用紙残量センサ46から用紙載置板43までの距離を測定する測距センサが用いられる。用紙載置板43の傾斜角度により、用紙残量センサ46から用紙載置板43までの距離が変わるので、検出された距離に応じ、用紙の残量を検出することができる。
尚、用紙残量センサ46としては、測距センサの他、押し上げ部材45、用紙載置板43の角度と連動するシャフト44の回転角度を把握するセンサ(例えば、複数の接点を有し、シャフト44の回転角度に連動して、導通する接点が切り替わる等)を用いてもよいし、複数の光センサを設け、用紙載置板43の位置を検出して、段階的に用紙残量の範囲を検出するようにしても良い。
次に、搬送路5は、装置内で用紙を搬送する通路である。そして、搬送路5には、用紙搬送時に回転駆動する複数の搬送ローラ対51(図1では、上流側から51a〜51gの計7つを図示)や、搬送される用紙を画像形成部6の手前で待機させ、トナー像形成のタイミングを合わせ送り出すレジストローラ対52等が設けられる。
画像形成部6は、画像データに基づき給紙部4から給紙された用紙に画像(トナー像)を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。尚、画像データには、画像読取部3で取得された原稿の画像データや、複合機100に接続されるユーザ端末200(図6参照)からの送信画像データが利用される。そして、画像形成部6は、図1中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム61や、その周囲に配設された帯電装置62、露光装置63、現像装置64、転写ローラ65、清掃装置66等を備える。
トナー像形成及び転写プロセスを説明すると、画像形成部6の略中心で、所定方向に回転駆動する感光体ドラム61を、図1において、感光体ドラム61の上方の帯電装置62が所定電位に帯電させる。露光装置63は、画像データに基づき、レーザ光Lを出力し、図1において、帯電装置62の右側から感光体ドラム61表面を走査露光して画像データに応じた静電潜像を形成する。
そして、図1において、感光体ドラム61の右の現像装置64は、感光体ドラム61に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。感光体ドラム61の下方の転写ローラ65は感光体ドラム61に圧接し、ニップを形成する。そして、レジストローラ対52がタイミングを図り用紙をニップに進入させる。用紙とトナー像のニップ進入時、転写ローラ65には所定の電圧が印加され、用紙に感光体ドラム61上のトナー像が転写される。清掃装置66は、転写後に感光体ドラム61に残留するトナー等を除去する。
定着部6bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態における定着部6bは、主として発熱体を内蔵する加熱ローラ67と加圧ローラ68で構成される。加熱ローラ67と加圧ローラ68は圧接しニップを形成する。そして、用紙が、このニップを通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は後処理装置7に向けて送られる。
(後処理装置7の構成)
図1で破線で示すように、本実施形態の複合機100には、印刷後の用紙に後処理を行うための後処理装置7が接続される。そこで、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る後処理装置7の一例を説明する。図2は本発明の第1の実施形態に係る後処理装置7の一例を示す正面模型的断面図である。尚、後処理装置7に変えて、印刷済用紙を受け止める排出トレイ(不図示)を設けることもできる。
後処理装置7は、複合機100に接続され、印刷後の用紙に対し後処理を行い、複合機100から排出された印刷済用紙を、後処理装置7の右側面上部に設けられた導入口71から後処理装置7内に搬入する。後処理装置7は、後処理装置7内の搬送路72の最上流付近に、穿孔処理を行うパンチ部73を有する。パンチ部73の下流には、用紙の送り先を振り分ける切替弁741、742、743が設けられる。具体的に、用紙は、後処理装置7の左側面部の主排出トレイ75(排出トレイに相当)、主排出トレイ75の上部の副排出トレイ76(排出トレイに相当)、後処理装置7に導入された用紙をスタックし、印刷部数ごとに複数枚の用紙を用紙束とし、ステープル処理を行うステープル部77等に振り分けられる。
主排出トレイ75は、ステープル部77でステープル処理され、排出される用紙束を受け止める。又、主排出トレイ75は排出された用紙束の増加に従い最上位の位置から順次下降し、多数の用紙束を受ける。そして、用紙が主排出トレイ75から取り除かれると上昇し、基準位置に戻る。尚、主排出トレイ75は、後処理装置7で特に処理を施されず排出される用紙や、パンチ処理だけが施される用紙を受けることもできる。一方、副排出トレイ76は、後処理装置7で特に処理を施されることなく排出される用紙や、パンチング処理だけが施される用紙を受ける。即ち、複合機100は、印刷された用紙が排出される排出トレイを有する。尚、用紙の排出先は、後述の操作パネル2で指定できる。
ステープル部77は、部数ごとに複数枚の用紙を貯めるスタック処理を行う。ステープル部77は、針を内蔵したステープラ770を有し、スタックされた用紙束の先端を綴じる先端綴じ、用紙束の長手方向の中央を短手方向に沿って2箇綴じる中央綴じなどの各種ステープル処理を行える。ステープル部77は、図2の下方のスタックトレイ78と、上方のカバートレイ79を含む。スタックトレイ78に、用紙載置面77aに沿って移動するストッパ77bが設けられ、ストッパ77bに用紙の下端が支えられ、用紙平面をカバートレイ79が覆い、用紙がスタックトレイ78にスタックされる。スタック処理またはステープル処理が行われると、ストッパ77bが上方に移動する。結果、用紙束は、上方に搬送され、後処理装置7から主排出トレイ75に排出される。
(原稿搬送装置1)
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置1の一例を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置1の一例を示す正面模型的断面図である。
原稿搬送装置1は、原稿トレイ11に積載された原稿を1枚ずつ画像読取部3の読取位置に搬送する。そして、原稿搬送装置1は、U字上の原稿搬送経路上流側から、複数枚の原稿が積載される原稿トレイ11、原稿を送り出す原稿供給ローラ12、複数の原稿搬送ローラ対13、原稿搬送路14、原稿排出トレイ15を備える。
原稿トレイ11には、コピー、スキャン等を行う原稿が複数載置される。そして、原稿トレイ11は中折れし、原稿トレイ11の原稿搬送方向下流側が昇降する昇降部16となる。又、昇降部16の上流側端部には、原稿搬送方向に対し垂直な方向にのびる回転軸16aが設けられ、回転軸16aは後述の正逆回転する昇降モータ16Mにより回転される。即ち、原稿搬送方向の下流側の端部が自由端として上下方向で移動可能である。尚、原稿載置時の原稿トレイ11の動作の詳細は後述する。
そして、原稿搬送路14の上流端には、最上位の原稿と接する原稿供給ローラ12が設けられる。又、原稿搬送路14に沿い、複数の原稿搬送ローラ対13が設けられ、原稿を読取位置(送り読取用コンタクトガラス31aの上方の位置)まで搬送する。原稿は、読取位置で画像読取部3によって読み取られ、その後、原稿搬送ローラ対13に搬送され、最終的に原稿排出トレイ15に排出される。尚、原稿搬送装置1は、紙面奥側に設けられた支点(不図示)により、上方に持ち上げ可能であり、例えば書籍等の原稿を画像読取部3の上面の載置読取用コンタクトガラス31bに載せることもできる。
(原稿搬送装置1の動作)
次に、図4に基づき、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置1に原稿を載置した際の動作の一例を説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置1に原稿を載置した際の動作の一例を説明するための説明図であり、(a)は原稿載置直後、(b)は、原稿トレイ11の昇降部16の上昇後を示す。
図4(a)に示すように、原稿がない状態、或いは、原稿を載置して直後では、原稿トレイ11の昇降部16は、最も下方まで下降した状態である。言い換えると、原稿トレイ11の昇降部16の基本となる位置(初期位置)は、下限まで下降した状態である。このように、原稿トレイ11の昇降部16が下降することにより、多くの原稿を原稿トレイ11に載置することができる(例えば、普通紙の原稿であれは、200〜300枚程度)。
そして、昇降部16の上面に設けられる原稿検出センサ17で、原稿トレイ11に原稿が載せられたことを検出した場合、或いは、操作パネル2(詳細は後述)でコピー等の各種設定がなされ、スタートキー24が押され、コピーの開始が指示された場合などに、昇降モータ16M(図6参照)が駆動し、回転軸16aが回転し、昇降部16が上昇を開始する。即ち、原稿搬送装置1は、初期位置から原稿供給ローラ12に最上位の原稿が接する上限位置まで原稿トレイ11を上昇させ、回転軸16aや昇降モータ16Mで構成されるリフト部を有する。尚、原稿検出センサ17には、例えば、透過型や反射型の光センサを用いることができるが、原稿が原稿トレイ11に載置されたことを検出できればよい。
ここで、原稿を一枚ずつ原稿搬送路14に送り込む原稿供給ローラ12は、上下方向に移動可能であり、原稿が原稿トレイ11に無い状態(昇降部16が下限位置まで下降している状態)では、自重で垂れ下がった状態となる(図4(a)参照)。そして、昇降部16が上昇すると、最上位の原稿と原稿供給ローラ12は接し、更に、昇降部16は、原稿とともに原稿供給ローラ12も持ち上げる。
原稿供給ローラ12の上方には、突起12aが設けられ、原稿供給ローラ12が上限位置まで持ち上げられた際、突起12aが上限検出センサ18の凹みに嵌る。上限検出センサ18は、原稿供給ローラ12と原稿が当接し、昇降部16が上限まで上昇したことを検出するセンサである。例えば、上限検出センサ18には、凹みの内面に発光部と受光部が設けられた透過型光センサを用い、突起12aが発光部から受光部への光路を妨げることによる受光部の出力変化により、昇降部16が上限まで上昇したこと検出するが、昇降部16が上限まで上昇したことを検出できれば、透過型光センサに限られない。
昇降部16が上限まで上昇すれば、原稿の搬送が可能な状態となる。そして、原稿トレイ11(昇降部16)の下方に、原稿トレイ11(昇降部16)の下面までの距離を測るための距離検出センサ19(距離検出体に相当)が設けられる。距離検出センサ19は、距離検出センサ19から昇降部16(原稿トレイ11)の下面までの距離(図4(b)に矢印で図示)を検出するためのものであり、例えば、発光部と、照射対象からの反射光の入射位置を検出する位置検出素子を有し、照射対象までの距離に応じ反射光の入射位置が異なることを利用した三角測量の原理を応用した測距センサを用いることができる。尚、距離検出センサ19は、三角測量型の測距センサに限らず、例えば、超音波式のものでもよく、昇降部16(原稿トレイ11)の下面までの距離を検出できれば良い。
尚、距離検出センサ19は、原稿搬送終了後、昇降モータ16Mを回転させて、昇降部16を下限位置まで下降させる際にも用いることができる。例えば、距離検出センサ19と昇降部16の下面との距離が、所定値以下になったことを距離検出センサ19が検出した際、原稿トレイ11(昇降部16)は下限位置まで降下したとして、昇降モータ16Mを停止させる(図4(a)の状態)。
(操作パネル2)
次に、図5に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の操作パネル2の一例を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の操作パネル2の一例を示す平面図である。
操作パネル2は、図1に破線で示したように、複合機100の正面上方に設けられる。そして、操作パネル2は、タッチパネル式の液晶表示部21(表示部に相当)の他、テンキー部22や、機能選択キー群23や、スタートキー24等の複数のキーを含む。
液晶表示部21は、印刷に関する表示を行い、複合機100での印刷やエラー等の状態の表示を行う他、例えば、印刷に用いる用紙サイズや、拡大縮小、濃度設定等の複合機100での機能設定用のキー、ボタンを表示する。そして、タッチパネルによる押下位置座標の検出で、液晶表示部21に表示されたキーやボタンを使用者が押下したことが、操作パネル2で認識される。これにより、使用者は、複合機100の各種機能について設定することができる。又、複合機100に後処理装置7が接続される場合、ステープル処理の実行の有無や、印刷済み用紙の排出先(主排出トレイ75か副排出トレイ76か)の選択等、後処理装置7に関する設定も行うことができる。
機能選択キー群23は、コピー等、複合機100で利用するキーを選択するためのキーである。使用者は、使用する、或いは、設定する機能を示すキーを押下する。テンキー部22は、0〜9、※、♯の数字、記号のキーを組み合わせて構成される。そして、テンキー部22は、例えば、コピー機能を利用する際の印刷部数の入力や、FAX送信を行う際のFAX番号入力など、数字入力を行う際に使用される。スタートキー24は、液晶表示部21やテンキー部22等で設定完了後、動作開始を指示する際に押下される。例えば、使用者は、コピーを行う際、原稿搬送装置1に原稿を載置し、テンキー部22等によって、印刷部数の入力や印刷に用いる用紙を選択入力等、各種設定完了後、スタートキー24が押下されれば、設定通りに複合機100が原稿読取と印刷を開始する。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図6に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
まず、複合機100本体内に、複合機100の動作の制御を司る部分として、制御部8が設けられる。制御部8は、1又は複数のCPU81を有する。CPU81は、記憶部82に記憶されるプログラムやデータに基づき、演算処理の実行や制御信号の発信、受信を行って、複合機100の制御を行う。記憶部82は、複合機100の制御用のプログラムやデータの他、画像データ等を記憶できる。例えば、記憶部82は、RAM、ROM、HDD、フラッシュROM等の揮発性と不揮発性の記憶装置を組み合わせてなる。
そして、制御部8は、複合機100本体の画像読取部3、給紙部4、搬送路5、画像形成部6、定着部6bと接続され、各部の制御を行う。又、制御部8は、操作パネル2と通信可能に接続され、操作パネル2への使用者の入力内容が制御部8に伝達され、制御部8は、使用者の入力した指示を認識する。更に、制御部8は、ユーザ端末200(例えば、パーソナルコンピュータ)や相手方FAX装置300とネットワークやケーブルや通信網により通信を行うためのインターフェイスであるI/F部83と接続される。これにより、複合機100は、ユーザ端末200から画像データ等を受け取って印刷することや(プリンタ機能)、画像読取部3で読み取られた画像データを記憶部82に蓄積し、ユーザ端末200に送信することや(スキャナ機能)、外部のFAX装置300と画像データの送受信を行うことができる(FAX機能)。
又、制御部8は、後処理装置7内に設けられ後処理装置7の制御を行う後処理制御部70や、原稿搬送装置1内に設けられ原稿搬送装置1の制御を行う原稿搬送制御部9と通信可能に接続される。そして、コピー等の実行時、制御部8は、後処理制御部70や原稿搬送制御部9に指示を与え、指示をどおりに後処理制御部70は後処理装置7を制御し、原稿搬送制御部9は、原稿搬送装置1を制御する。
そして、後処理制御部70には、例えば、後処理装置7の中央演算処理装置としてCPU701が設けられ、後処理装置7の制御用のプログラムやデータをメモリ702が記憶する。後処理制御部70は、プログラムやデータに基づき、印刷済用紙の搬送や、切替弁741、742、743で印刷済み用紙の排出先、搬送先を制御する。又、操作パネル2で穿孔処理やステープル処理が指示されていれば、パンチ部73やステープル部77を制御して動作させる。
又、原稿搬送制御部9に、例えば、原稿搬送装置1の中央演算処理装置としてCPU91が設けられ、原稿搬送装置1の制御用のプログラムやデータをメモリ92が記憶する。原稿搬送制御部9は、プログラムやデータに基づき、原稿搬送ローラ対13や原稿供給ローラ12を回転させる原稿搬送モータ12Mや、昇降部16を昇降させる昇降モータ16MのON/OFF制御や昇降モータ16Mの正逆の回転方向の制御を行う。
又、原稿搬送制御部9は、原稿検出センサ17の出力電圧が入力され、原稿トレイ11に原稿が載置されたことを検出、認識する。又、原稿搬送制御部9は、上限検出センサ18の出力電圧が入力され、原稿トレイ11の昇降部16が上限まで上昇したことを検出、認識する。又、原稿搬送制御部9は、距離検出センサ19の出力電圧が入力され、原稿トレイ11の昇降部16下面までの距離を検出、認識する。
(原稿枚数の把握)
次に、図4、図6を用いて、本発明の第1の実施形態に係る複合機100での原稿枚数の把握の一例を説明する。本実施形態の原稿搬送装置1では、距離検出センサ19が設けられ、この距離検出センサ19の出力電圧を受ける原稿搬送制御部9は、昇降部16下面までの距離を検出、認識できる。
ここで、昇降部16を上限位置まで上昇させた際、距離検出センサ19と昇降部16下面との距離は、原稿枚数が多いほど短く、少ないほど長くなる。従って、原稿トレイ11に積載される原稿枚数と距離検出センサ19が検出する距離には相関関係がある。
例えば、コピー用紙やOA用紙と呼ばれ、一般に良く用いられる普通紙や、メーカー指定の標準紙(一般紙、坪量70〜100g/m2程度)に関し、予め実験等により、原稿トレイ11に載置した枚数と、距離検出センサ19によって検出される昇降部16下面までの距離の関係を把握する。そして得られた実験データから、距離と原稿枚数の関係を示すデータテーブルや、距離から原稿枚数を導く関数を導出する。そして、データテーブルや関数に基づき、実際に検出、認識された距離から、原稿トレイ11に載置された原稿枚数を求めることができる。この方法によれば、厳密な原稿枚数を把握することは困難であるが、原稿の搬送を行わずに原稿枚数を確認でき、迅速、瞬間的に目安としての原稿枚数を把握することができる。
ここで、データテーブルや関数は、原稿搬送制御部9のメモリ92に記憶させておき、CPU91が演算により、載置された原稿を把握しても良い。そして、把握された原稿枚数を示すデータを原稿搬送制御部9から制御部8に送信し、制御部8が原稿枚数を把握しても良い。又、例えば、制御部8の記憶部82に関数やデータテーブルを記憶しておき、原稿搬送制御部9から制御部8に、距離検出センサ19から原稿トレイ11の昇降部16の下面までの距離を示すデータを送信し、制御部8が、距離を示すデータに基づき、演算により載置された原稿枚数を把握しても良い。言い換えると、原稿枚数の把握は、原稿搬送制御部9で行われても良いし、制御部8で行われても良い。
(原稿枚数の把握に基づく予測と予測結果の表示)
次に、図7を用いて、本発明の第1の実施形態に係る原稿枚数の把握に基づくコピー時の予測と予測結果の表示の一例を説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る原稿枚数の把握に基づくコピー時の予測結果の表示の一例を示す図であり、(a)は印刷完了までの時間表示の一例であり、(b)は警告表示の一例であり、(c)印刷の強制中断表示の一例を示す。
ここで、図7に示す各表示は、原稿トレイ11に載置された原稿枚数の把握に基づくものであるが、本実施形態では、原稿枚数の把握が迅速に行われるので、図7に示す各表示は、印刷実行前に行うことができる。
この点に付き、従来、印刷開始前に予測に基づく使用者な有益な情報を提示するには、一旦、原稿枚数を数える必要があるため、原稿を読み取らずに原稿枚数を数えることがあった。しかし、原稿を搬送して枚数を数え、その後、原稿読み取りのため再度原稿を搬送すれば、原稿枚数が多いほど、印刷(コピー)完了までに時間を要する。従って、印刷開始前に予測に基づく有益な情報を提示しようとしても、使用者の待ち時間は長くなり、更には、使用者の待ち時間との兼ね合いから、印刷開始前の予測に基づく有益な情報提示機能は、搭載されなかった。
しかし、本実施形態では、原稿枚数が搬送開始前に迅速に把握されるところ、載置された原稿枚数を把握できれば、コピーによる印刷に要する時間を予測することができる。例えば、制御部8は、テンキー部22等に入力された印刷部数と把握された原稿枚数を乗じて、1ジョブにおける総印刷枚数を求められる。例えば、図7(a)に示すように、把握された原稿枚数が60枚であり、A4用紙への印刷部数が5部である場合、このジョブでは、制御部8は、総印刷枚数は、5部×60枚=300枚と認識できる。そして、複合機100での各サイズの用紙に対する印刷速度は仕様上定まっており、本実施形態の複合機100はA4用紙を1分間に60枚(1秒につき1枚)印刷可能とすると、制御部8は、コピーでの印刷に要する時間は、約5分と予測できる。即ち、制御部8は、1ジョブでの総印刷枚数を、用紙サイズごとに複合機100の仕様上定まる1枚当たりの印刷に要する時間で除せば、印刷に要する時間を予測できる。
図7(a)に示すように、予測結果をもとに、例えば、制御部8は、操作パネル2の液晶表示部21に「このジョブの印刷に要する時間 ○分○秒」といった予測結果の表示を行わせる。又、使用者がコピーを行おうとした際、他の印刷ジョブが実行中である場合や、予約されている場合もある。そのため、制御部8は、液晶表示部21に、例えば、「先のジョブが完了するまで ○分○秒」と、先の印刷ジョブが終了するまでの予測時間も表示させる。又、制御部8は、先のジョブが完了するまでの時間と、載置した原稿のコピーの印刷完了までに要する時間を総計すれば、自己のジョブが完了し、最終的に印刷物を得られるまでの時間が分かる。そこで、制御部8は、液晶表示部21に、例えば、「印刷完了するまで ○分○秒」と印刷完了の予測時間を表示させる。このような表示により、使用者は、コピーが終了するまで待つか否か判断できる。
又、本実施形態の給紙部4には用紙残量センサ46が設けられ、給紙部4と制御部8は通信可能に接続される。従って、制御部8は、各カセット41の用紙の残量を把握する。一方、原稿コピーの際、制御部8は、1ジョブにおける総印刷枚数がわかる、従って、実行するコピーの総印刷枚数に対し、印刷に用いる用紙を収容するカセット41の用紙残量の方が少なければ、制御部8は、印刷開始前に途中で用紙切れが発生すると判断できる。
又、各排出トレイでは、印刷済用紙が溜まりすぎると、溢れや、用紙が排出できなくなりジャム(詰まり)が発生する。そこで、主排出トレイ75や副排出トレイ76では、予め印刷済用紙を積載できる枚数が定められる。一方で、原稿のコピーの際、制御部8は、1ジョブにおける総印刷枚数がわかる。従って、従って、実行しようとするコピーの総印刷枚数が、予め定められた枚数よりも多ければ、制御部8は、印刷開始前に主排出トレイ75や副排出トレイ76でオーバーフローが生ずると判断できる。
図7(b)に示すように、これらの用紙切れ発生の判断結果や、オーバーフロー発生の判断結果をもと、例えば、制御部8は、液晶表示部21に警告ウィンドウ25を表示させる。そして、制御部8は、警告ウィンドウ25内に、例えば、「用紙切れが発生します」や「オーバーフローが発生します」といった、判断結果の表示を行わせる。このような表示により、印刷開始前に、使用者は、用紙補給の必要性や、オーバーフローが発生しないように、印刷中に1度は排出トレイから印刷済用紙を取り出す必要性を認識できる。
そして、例えば、警告ウィンドウ25内には、原稿の読み取りや印刷を中止させる中止キー26や、例えば、用紙補給後やオーバーフローの発生の警告確認後、使用者に押下され、コピー開始を指示する続行キー27が配される。
又、後処理装置7では、ステープル処理が実行可能であるが、ステープル処理できる枚数(厚さ)は、ステープル処理に用いられるステープル針の大きさで決まる。ステープル処理しようとする枚数に対し針が短かければ、針は通らず、或いは、ステープル部77で針が詰まる。従って、ステープル部77がステープル処理可能な用紙の厚さは、予め決まっており、予め定められた厚さを越えたステープル処理の実行は避けるべきである。そして、使用者が操作パネル2への入力でステープル処理を行う設定をしている場合、把握された原稿枚数から、制御部8は、ステープル処理しようとする印刷済の用紙束の厚さが、予め定められた厚さを越えるか否かで、ステープル処理が可能か否かを判断できる。
尚、上限位置の原稿供給ローラ12の下面と距離検出センサ19間の距離と、昇降部16の上下方向の厚みは設計上定まった値なので、例えば、制御部8が、原稿供給ローラ12の下面と距離検出センサ19間の距離から距離検出センサ19によって検出された距離と、昇降部16の厚みを引く演算を行えば、載置された原稿の厚みそのものを求めることができる。そこで、把握された原稿枚数からではなく、載置された原稿の厚みと、予め定められた厚みを比較して、ステープル処理が可能か否か判断されても良い。
図7(c)に示すように、ステープル処理を施こそうとする用紙束の厚みが、予め定められた厚みを越えると判断された場合、例えば、制御部8は、原稿読取と印刷を実行せず、液晶表示部21に強制中断ウィンドウ28を表示させる。そして、制御部8は、強制中断ウィンドウ28内に、例えば、「ステープル処理できません。印刷を中断します」といった、判断結果と、印刷を中断する旨の表示を行わせる。このような表示や印刷中断により、ステープルミスを解消する作業を行う必要が無くなる。
更に、使用者の便宜を考え、図7(c)の強制中断ウィンドウ28中に示すように、ステープル処理を行わないで印刷を行うか確認を行ってもよい。例えば、印刷を中断する旨の表示に加え、「ステープル処理を実行せずに印刷しますか?」と表示を行う。そして、強制中断ウィンドウ28内に、ステープル処理を行わないで印刷を行うことの使用者の意思を確認するための確認キー29aを設ける。例えば、確認キー29a内には「ステープルせずに印刷」すると表示される。単に原稿読取と印刷を中止すれば、使用者がステープル処理無しで印刷しようとする場合、印刷に関し再設定を行わなくてはならないが、これにより、再設定を行わずに済み、利便性が高い。
又、ステープル処理ができなければ、使用者は印刷を中止したい場合もあるので、印刷中止キー29bも設ける。そして、確認キー29aが押下されれば、原稿読取が行われ、ステープル処理をしないで印刷済用紙が、例えば、主排出トレイ75に排出される。一方、印刷中止キー29bが押下されれば、原稿読取も印刷も実行されない。
(原稿載置時の制御の流れ)
次に、図8に基づき、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置1に原稿を載置した際の制御の流れの一例を説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置1に原稿を載置した際の制御の流れの一例を示すフローチャートである。尚、本説明では原稿を原稿搬送装置1に載置し、複合機100でコピーを行う場合を説明する。
まず、スタートは、原稿が原稿トレイ11に載置されておらず、待機状態である。この時、原稿トレイ11の昇降部16は、下限まで下降した位置(初期位置)である。原稿搬送制御部9は、待機状態において、原稿検出センサ17の出力電圧を確認し、原稿が載置されたかを確認し続ける(ステップ♯1)。
原稿搬送制御部9は、原稿載置を検出すれば(ステップ♯1のYes)、原稿が載置されてから一定時間が経過したか、或いは、制御部8と通信を行い、スタートキー24が押下されたかを確認を続ける(ステップ♯2)。これは、原稿トレイ11の昇降部16を上昇させるタイミングを計るためである。尚、一定時間とは、使用者が原稿の整合を含め、原稿のセットを完了したであろうと推測できる時間であり、例えば、原稿が載置されたことを検出してから数秒〜十数秒(例えば、5秒程度)の範囲で適宜設定される。
もし、原稿が載置されてから、一定時間経過、或いは、スタートキー24が押下された場合(ステップ♯2のYes)、原稿搬送制御部9は昇降モータ16Mを駆動させ、上限検出センサ18の出力を確認し、原稿を原稿供給ローラ12に当接させ、昇降部16が上限位置に到達するまで昇降部16を上昇させる(ステップ♯3)。
そして、制御部8は、距離検出センサ19を用い、昇降部16下面までの距離を検出、認識する(ステップ♯4)。この時、制御部8は原稿搬送制御部9から距離検出センサ19の出力データを得て、制御部8が距離を検出、認識してもよいし、制御部8は原稿搬送制御部9が検出、把握した距離を示すデータを原稿搬送制御部9から受け取ってもよい。
そして、制御部8は、距離検出センサ19から昇降部16の下面までの距離に基づき、原稿トレイ11に載置された原稿枚数を把握する(ステップ♯5)。即ち、制御部8は、距離検出センサ19から上昇後の原稿トレイ11の下面までの距離を距離検出センサ19の出力に基づき認識し、認識された距離に基づき原稿トレイ11上の原稿枚数を把握する。そして、原稿搬送や印刷を開始して良いか確認するため、制御部8は操作パネル2でスタートキー24が押下されているか確認する(ステップ♯6)。もし、押下されていなければ(ステップ♯6のNo)、スタートキー24が押されたかの確認を続ける。
一方、スタートキー24が押下されていれば(ステップ♯6のYes)、制御部8は、スタートキー24が押下されるまでに操作パネル2に入力されたコピーの設定内容(例えば、印刷部数や印刷用紙サイズ)を確認する(ステップ♯7)。そして、制御部8は、把握された原稿枚数と、印刷部数から総印刷枚数を求め、印刷に用いる用紙サイズの1枚の印刷に要する時間から、印刷(コピー)が完了するまでの時間を予測し、液晶表示部21に予測結果を表示させる(ステップ♯8)。即ち、制御部8は、把握された原稿トレイ11上の原稿枚数と、操作パネル2に入力された印刷設定及び印刷部数から、原稿を読み取って印刷完了までに要する時間を予測し、液晶表示部21は、予測された印刷完了までに要する時間を表示する。
更に、制御部8は、このジョブにおける総印刷枚数から、オーバーフローが発生するかの予測と用紙切れが発生するかの予測を行い、警告表示の必要性を確認する(ステップ♯9)。警告表示が必要であれば(ステップ♯9のYes)、制御部8は、液晶表示部21に警告ウィンドウ25を表示させ、用紙切れやオーバーフローが発生する旨の警告表示を行わせる(ステップ♯10)。即ち、制御部8は、把握された原稿トレイ11上の原稿枚数と、操作パネル2に入力された印刷部数と、検出された用紙残量から、用紙切れが生ずるか否かを判断し、用紙切れが生ずると判断された場合、液晶表示部21は、用紙切れが生ずる旨を表示する。又、制御部8は、把握された原稿トレイ11上の原稿枚数と、操作パネル2に入力された印刷部数から、予め定められた許容枚数を超えて排出トレイへの排出が行われ、オーバーフローが生ずるか否かを判断し、オーバーフローが生ずると判断された場合、液晶表示部21は、排出トレイでオーバーフローが生ずる旨を表示する。一方、警告表示が必要でなければ(ステップ♯9のNo)、ステップ♯12に移行する。
警告表示後、例えば、警告ウィンドウ25内の続行キー27の押下等、制御部8は、使用者による印刷(コピー)続行を指示する入力が操作パネル2に行われたかを確認する(ステップ♯11)。印刷を続行する場合(ステップ♯11のYes)、制御部8は、ステープル処理しようとする1部あたりの厚さが予め定められた厚さを越えるか否かを確認して、印刷(コピー)の強制中断の表示の必要性を確認する(ステップ♯12)。即ち、制御部8は、把握された原稿トレイ11上の原稿枚数から、1つあたりの用紙束の厚さが、ステープル処理を行える予め定められた厚さを越えるか否かを判断し、予め定められた厚さを越えると判断された場合、液晶表示部21は、ステープル処理を行わない旨を表示する。もし、強制中断表示の必要が無ければ(ステップ♯12のNo)、原稿読取や印刷を実行する(ステップ♯13)。原稿読取や印刷完了後、制御部8からの指示で、原稿搬送制御部9は、原稿トレイ11の昇降部16を下降させ(ステップ♯14)、コピーにおける原稿読取と印刷における制御の流れは終了する(エンド)。
一方、警告表示後、印刷キャンセルを指示する入力が操作パネル2に行われた場合や、警告ウィンドウ25を表示したまま状態が所定時間(例えば、数十秒〜数分)続いた場合など、印刷(コピー)続行が認められない場合(ステップ♯11のNo)、原稿読取や印刷を行うことなく、原稿搬送制御部9は、昇降部16を下降させる(ステップ♯14)。
又、強制中断表示の必要があれば(ステップ♯12のYes)、強制中断ウィンドウ28の表示等、印刷(コピー)を強制中断した旨の表示を行う(ステップ♯15)。更に、制御部8は、操作パネル2への入力により、確認キー29aが押されたかを確認する(ステップ♯16)。もし、確認キー29aが押されれば(ステップ♯16のYes)、たとえ、ステープル処理を行う設定がなされていても、原稿読取とステープル処理を行わないで印刷が行われる(ステープル処理なしに主排出トレイ75等に排出)。その後、ステップ♯14に移行する。
一方、強制中断ウィンドウ28内の印刷中止キー29bが押下され、確認キー29aが押下されなかった場合(ステップ♯16のNo)、原稿読取や印刷は行われず、原稿搬送制御部9は、昇降部16を下降させる(ステップ♯14)。
このようにして、第1の実施形態に示す発明によれば、原稿トレイ11(昇降部16)に載置される原稿枚数が多いほど、初期位置から上限位置までの原稿トレイ11の上昇量は少なくなり、原稿枚数が少ないほど、初期位置から上限位置までの原稿トレイ11の上昇量は多くなる。そして、この構成によれば、原稿枚数による上昇量の相違に基づき、原稿トレイ11の下方の距離検出体(距離検出センサ19)から原稿トレイ11の下面までの距離によって、原稿の搬送を行わずに、原稿トレイ11に載置された原稿枚数が把握される。従って、原稿の搬送を行わずに原稿枚数を数えることができる。又、原稿枚数を数えるために繰り返し原稿を搬送することによる原稿へのダメージを無くすことができる。
又、リフト部(昇降モータ16M等)によって、原稿トレイ11が上昇し、原稿の上方が原稿供給ローラ12に押さえつけられ、原稿のカールや、浮き、膨らみ等が解消される。従って、原稿にカール等があっても、無くても、把握される原稿枚数に差は生じず、原稿トレイ11に載置された原稿枚数を精度良く把握することができる。
又、原稿枚数が迅速に把握されるので、把握された原稿枚数や印刷部数等に基づき、印刷(コピー)完了するまでに要する時間を迅速に予測し、表示して、使用者に印刷完了までに要する時間を伝達することができる。従って、使用者は、印刷が完了するまで待ち続けるべきか判断できる。例えば、印刷完了まで時間を要すれば、印刷完了まで他の作業を行えば良く、使用者は時間を効率的に使える。又、原稿枚数が迅速に把握されるので、把握された原稿枚数や印刷部数等に基づき、印刷中の用紙切れの発生が予測され、表示される。これにより、印刷中の用紙切れの発生が使用者に伝達される。例えば、使用者は、用紙切れエラーによる印刷停止を避けるため、印刷開始前に予め用紙を補給しておく対処をとれる。
又、原稿枚数が迅速に把握されるので、把握された原稿枚数や印刷部数等に基づき、印刷中の各排出トレイでのオーバーフロー(溢れ)の発生が予測され、表示される。これにより、印刷中のオーバーフローの発生が使用者に伝達される。例えば、使用者は、印刷完了までに、オーバーフローによる各排出トレイでの用紙の溢れを避けるため、印刷中に各排出トレイから用紙を取り出す必要があると認識できる。又、予め定められた用紙の厚さを越えた用紙束にステープルを施しても針は通らず、又は、ステープル部77で針が詰まり、針を取り除く作業が必要となる。又、用紙束の一部に針が通っても、用紙束を綴じられず用紙束から針を取り除く作業が必要となる。これらのステープルミス解消の作業は煩わしいものであるところ、原稿枚数が迅速に把握され、把握された原稿枚数や印刷部数等に基づき、印刷開始前に、予め定められた厚さを越えることを使用者に伝達し、制御部8は、印刷(コピー)を中断することができる。
(第2の実施形態)
次に、図9、図10を用いて、本発明の第2の実施形態に係る原稿搬送装置1に原稿を載置した際の動作の一例と、原稿を載置した際の制御の流れの一例を説明する。尚、図9は、本発明の第2の実施形態に係る原稿搬送装置1に原稿を載置した際の動作の一例を説明するための説明図であり、(a)は原稿載置直後、(b)は原稿トレイ11が固定式の原稿搬送装置1の一例を示す。又、図10は、本発明の第2の実施形態に係る原稿搬送装置1に原稿を載置した際の制御の流れの一例を示すフローチャートである。
尚、本実施形態の複合機100は、第1の実施形態とは、距離検出センサ19の設置位置と、距離検出センサ19の設置位置の相違による原稿枚数の把握の内容や制御の流れの点で異なり、他の点では、共通するものであってよい。そこで、以下では、距離検出センサ19の設置位置の相違による原稿搬送装置1の動作や、原稿枚数把握や、原稿載置時の制御の流れの相違等について述べ、第1と第2の実施形態で共通する部分は、特に説明する場合を除き、第1の実施形態に記載した内容を準用するものとして説明を省略する。
(原稿搬送装置1の動作)
まず、図9(a)に基づき、本発明の第2の実施形態に係る原稿搬送装置1に原稿を載置した際の動作の一例を説明する。
本実施形態でも、図9(a)に示すように、原稿を載置していない状態、或いは、原稿を載置して直後では、原稿トレイ11の昇降部16は最も下方まで下降した状態である。言い換えると、原稿トレイ11の昇降部16の基本となる位置(初期位置)は、下限まで下降した状態である。このように、原稿トレイ11の昇降部16が下降することにより、多くの原稿を原稿トレイ11に載置することができる(例えば、普通紙の原稿であれは、200〜300枚程度)。
そして、例えば、昇降部16の上面に設けられる原稿検出センサ17により、原稿トレイ11に原稿が載せられたことを検出した場合、或いは、操作パネル2(詳細は後述)でコピー等の各種設定がなされ、スタートキー24が押され、コピーの開始が指示された場合、昇降部16の回転軸16aを回転させる昇降モータ16Mが駆動し、昇降部16が上昇を開始する。尚、原稿検出センサ17には、例えば、透過型や反射型の光センサを用いることができるが、原稿が原稿トレイ11に載置されたことを検出できればよい。
ここで、原稿を一枚ずつ原稿搬送路14に送り込む原稿供給ローラ12は、上下方向に移動可能であり、原稿が原稿トレイ11に無い状態(昇降部16が下限位置まで下降している状態)では、自重で垂れ下がった状態となる。そして、昇降部16が上昇すると、最上位の原稿と原稿供給ローラ12は接し、更に、昇降部16は、原稿とともに原稿供給ローラ12も持ち上げる。
そして、原稿供給ローラ12の上方には、突起12aが設けられ、原稿供給ローラ12が上限位置まで昇降部16と原稿に持ち上げられた際、突起12aが上限検出センサ18の凹みに嵌る。上限検出センサ18は、昇降部16が原稿供給ローラ12と原稿が当接し上限まで上昇したことを検出するセンサである。例えば、上限検出センサ18には、凹みの内面に発光部と受光部が設けられた透過型光センサを用い、突起12aが発光部から受光部への光路を妨げることによる受光部の出力変化により、昇降部16が上限まで上昇したこと検出するが、昇降部16が上限まで上昇したことを検出できれば、透過型光センサに限られない。昇降部16が上限まで上昇すれば、原稿の搬送が可能な状態となる。
そして、距離検出センサ19は、原稿トレイ11(昇降部16)よりも上方に設けられ、原稿供給ローラ12に近接し、原稿載置直後で、昇降部16が上昇していない状態で、原稿トレイ11に載置された最上位の原稿上面までの距離(図9(a)に矢印で図示)を測る。距離検出センサ19は、例えば、発光部と、照射対象からの反射光の入射位置を検出する位置検出素子を有し、照射対象までの距離に応じ反射光の入射位置が異なることを利用した三角測量の原理を応用した測距センサを用いることができる。尚、距離検出センサ19は、三角測量型の測距センサに限らず、例えば、超音波式のものでもよく、最上位の原稿までの距離を検出できれば良い。
尚、距離検出センサ19は、原稿搬送終了後、昇降モータ16Mを回転させて、昇降部16を下限位置まで下降させる際にも用いることができる。例えば、距離検出センサ19と昇降部16の上面との距離が、所定値以上になったことを距離検出センサ19が検出した際、原稿トレイ11(昇降部16)は下限位置まで降下したとして、昇降モータ16Mを停止させる。
ここで、図9(a)に示すように、第1の実施形態と同様、昇降部16を上昇させて、原稿供給ローラ12と最上位の原稿を当接させる原稿搬送装置1の例を説明したが、本実施形態の距離検出センサ19は、昇降部16を上昇させる前の原稿の最上位までの距離を、検出して原稿枚数を把握する。言い換えると、昇降部16が上昇しなくても原稿枚数を把握できる。
そのため、本実施形態では、図9(b)に示すように、昇降モータ16Mや、上限検知センサが無く、原稿トレイ11は、可動せず、原稿トレイ11が固定式であり、原稿供給ローラ12が下降して、原稿の上面を迎えに行く形式の原稿搬送装置1にも適用でき、固定式の原稿トレイ11に載置された原稿枚数を把握できる。
(原稿枚数の把握)
次に、図9を用いて、本発明の第2の実施形態に係る複合機100での原稿枚数の把握の一例を説明する。本実施形態の原稿搬送装置1では、距離検出センサ19が設けられ、この距離検出センサ19の出力電圧を受ける原稿搬送制御部9は、原稿トレイ11の昇降部16までの距離を検出、認識することができる。
ここで、原稿トレイ11に原稿を載置した時、昇降部16の上昇前では、距離検出センサ19と原稿の最上位との距離は、原稿トレイ11に載置されている原稿枚数が多いほど短くなり、少ないほど長くなる。従って、原稿トレイ11に積載される原稿枚数と距離検出センサ19が検出する距離には相関関係がある。
例えば、コピー用紙やOA用紙と呼ばれ、一般に良く用いられる普通紙や、メーカー指定の標準紙(一般紙、坪量70〜100g/m2程度)に関し、予め実験等により、原稿トレイ11に載置した枚数と、距離検出センサ19によって検出される最上位の原稿までの距離の関係を把握する。そして得られた実験データから、距離と原稿枚数の関係を示すデータテーブルや、距離から原稿枚数を導く関数を導出する。そして、データテーブルや関数に基づき、実際に検出、認識された距離から、原稿トレイ11に載置された原稿枚数を求めることができる。
この方法では、厳密な原稿枚数を把握することは困難であるが、原稿の搬送を行わずに原稿枚数を確認でき、迅速、瞬間的に目安としての原稿枚数を把握することができる。更に、第1の実施形態とは異なり、昇降部16を上昇させる必要はなく、原稿トレイ11に原稿が載置されれば、瞬時に原稿枚数を把握することができる。
ここで、データテーブルや関数は、原稿搬送制御部9のメモリ92に記憶させておき、CPU91が演算により、載置された原稿枚数を把握しても良い。そして、把握された原稿枚数を示すデータを原稿搬送制御部9から制御部8に送信し、制御部8が原稿枚数を把握しても良い。又、例えば、制御部8の記憶部82に関数やデータテーブルを記憶しておき、原稿搬送制御部9から制御部8に、距離検出センサ19から原稿の最上位までの距離を示すデータを送信し、制御部8が、距離を示すデータに基づき、演算により載置された原稿枚数を把握しても良い。言い換えると、原稿枚数の把握は、原稿搬送制御部9で行われても良いし、制御部8で行われても良い。
(原稿載置時の制御の流れ)
次に、図10に基づき、本発明の第2の実施形態に係る原稿搬送装置1に原稿を載置した際の制御の流れの一例を説明する。尚、本説明では、原稿を原稿搬送装置1に載置し、複合機100でコピーを行う場合を例に挙げて説明する。又、原稿トレイ11の昇降部16が昇降する形式の原稿搬送装置1を例に挙げて説明する。
まず、スタートは、原稿が原稿トレイ11に載置されておらず、待機状態である。この時、原稿トレイ11の昇降部16は、下限まで下降した状態となっている。原稿搬送制御部9は、待機状態において、原稿検出センサ17の出力電圧を確認し、原稿が載置されたかを確認し続ける(ステップ♯21)。
原稿搬送制御部9が原稿載置を検出すれば(ステップ♯21のYes)、制御部8は、距離検出センサ19から最上位の原稿までの距離を検出、認識する(ステップ♯22)。そして、制御部8は、距離検出センサ19から最上位の原稿までの距離に基づき、原稿トレイ11に載置された原稿枚数を把握する(ステップ♯23)。即ち、制御部8は、距離検出センサ19から最上位の原稿までの距離を距離検出センサ19の出力に基づき認識し、認識された距離に基づき原稿トレイ11上の原稿枚数を把握する。
その後、原稿が載置されてから一定時間が経過したか、或いは、スタートキー24が押下されたかを確認を続ける(ステップ♯24)。これは、原稿トレイ11の昇降部16を上昇させるタイミングを計るためである。尚、一定時間とは、使用者が原稿の整合を含め、原稿のセットを完了したであろうと推測できる時間であり、例えば、原稿が載置されたことを検出してから数秒〜十数秒(例えば、5秒程度)の範囲で適宜設定される。
もし、原稿が載置されてから、一定時間経過、或いは、スタートキー24が押下された場合(ステップ♯24のYes)、原稿搬送制御部9は、昇降モータ16Mを駆動させつつ、上限検出センサ18の出力を確認して、原稿を原稿供給ローラ12に当接させ、原稿供給ローラ12を持ち上げて、昇降部16が上限位置に到達するまで昇降部16を上昇させる(ステップ♯25)。
そして、原稿の搬送や印刷を開始して良いか確認するため、制御部8は、操作パネル2でスタートキー24が押下されているか確認する(ステップ♯26)。もし、スタートキー24が押下されていなければ(ステップ♯26のNo)、スタートキー24が押されたかの確認を続ける。尚、原稿トレイ11が昇降しないタイプの原稿搬送装置1であれば、ステップ♯24〜ステップ♯25は省略される。
以後、ステップ♯27〜ステップ♯37は、第1の実施形態におけるステップ♯7〜ステップ♯17と共通するので、ステップ♯27〜ステップ♯37については、第1の実施形態の記載を準用し、説明を省略する。
このようにして、第2の実施形態に示す発明によれば、第1の実施形態と同様の作用、効果を得ることができ、原稿トレイ11に載置される原稿枚数が多いほど、距離検出体(距離検出センサ19)から最上位の原稿までの距離は短くなり、原稿枚数が少ないほど、距離検出体(距離検出センサ19)から最上位の原稿までの距離は長くなる。そして、この構成によれば、原稿枚数による最上位の原稿までの距離の相違に基づき、原稿トレイ11の上方の距離検出体から最上位の原稿での距離によって、原稿の搬送を行わずに、原稿トレイ11に載置された原稿枚数が把握される。従って、原稿の搬送を行わずに原稿枚数を数えることができる。又、原稿枚数を数えるために繰り返し原稿が搬送されることによる原稿へのダメージを無くすことができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、原稿搬送装置を備える画像形成装置に利用可能である。
1 原稿搬送装置 11 原稿トレイ
12 原稿供給ローラ 16M 昇降モータ(リフト部の一部)
16a 回転軸(リフト部の一部) 19 距離検出センサ(距離検出体)
2 操作パネル(入力部) 21 液晶表示部(表示部)
3 画像読取部 4 給紙部
46 用紙残量センサ 6 画像形成部
8 制御部 7 後処理装置
75 主排出トレイ(排出トレイ) 76 副排出トレイ(排出トレイ)
77 ステープル部 100 複合機(画像形成装置)

Claims (6)

  1. 印刷に関する表示を行う表示部と、
    印刷の設定を行うための入力部と、
    原稿を読み取り画像データを生成する画像読取部と、
    前記画像データに基づき給紙部から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、
    複数枚の原稿が積載される原稿トレイと、原稿を送り出す原稿供給ローラと、初期位置から前記原稿供給ローラに最上位の原稿が接する上限位置まで前記原稿トレイを上昇させるリフト部と、前記原稿トレイの下方に設けられ、前記原稿トレイの下面までの距離を測るための距離検出体を有し、前記原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ前記画像読取部の読取位置に搬送する原稿搬送装置と、
    前記距離検出体から上昇後の前記原稿トレイの下面までの距離を前記距離検出体の出力に基づき認識し、認識された距離に基づき前記原稿トレイ上の原稿枚数を把握する制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 印刷に関する表示を行う表示部と、
    印刷の設定を行うための入力部と、
    原稿を読み取り画像データを生成する画像読取部と、
    前記画像データに基づき給紙部から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、
    複数枚の原稿が積載される原稿トレイと、積載された原稿の上面に接し原稿を送り出す原稿供給ローラと、前記原稿トレイよりも上方に設けられ、前記原稿トレイに載置された最上位の原稿上面までの距離を測るための距離検出体を有し、前記原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ前記画像読取部の読取位置に搬送する原稿搬送装置と、
    前記距離検出体から最上位の原稿までの距離を前記距離検出体の出力に基づき認識し、認識された距離に基づき前記原稿トレイ上の原稿枚数を把握する制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記制御部は、把握された前記原稿トレイ上の原稿枚数と、前記入力部に入力された印刷設定及び印刷部数から、原稿を読み取って印刷完了までに要する時間を予測し、
    前記表示部は、予測された印刷完了までに要する前記時間を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記給紙部内の用紙残量を検出するための用紙残量センサを有し、
    前記制御部は、把握された前記原稿トレイ上の原稿枚数と、前記入力部に入力された印刷部数と、検出された用紙残量から、用紙切れが生ずるか否かを判断し、
    用紙切れが生ずると判断された場合、前記表示部は、用紙切れが生ずる旨を表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 印刷された用紙が排出される排出トレイを有し、
    前記制御部は、把握された前記原稿トレイ上の原稿枚数と、前記入力部に入力された印刷部数から、予め定められた許容枚数を超えて前記排出トレイへの排出が行われ、オーバーフローが生ずるか否かを判断し、
    オーバーフローが生ずると判断された場合、前記表示部は、前記排出トレイでオーバーフローが生ずる旨を表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 印刷後の用紙に対し後処理を行う後処理装置が接続され、
    前記後処理装置は、印刷部数ごとに複数枚の用紙を用紙束とし、ステープル処理を行うステープル部を有し、
    前記制御部は、把握された前記原稿トレイ上の原稿枚数から、1つあたりの用紙束の厚さが、ステープル処理を行える予め定められた厚さを越えるか否かを判断し、
    前記予め定められた厚さを越えると判断された場合、前記表示部は、ステープル処理を行わない旨を表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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