JP6306715B2 - フレキソ印刷版の製造方法、および液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

フレキソ印刷版の製造方法、および液晶表示素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば液晶表示素子の液晶配向膜等を形成するために用いるフレキソ印刷版の製造方法と、かかる製造方法によって製造されたフレキソ印刷版を用いた液晶表示素子の製造方法に関するものである。
液晶表示素子を構成する基板の電極形成面上に、できるだけ厚みが均一でピンホール等がなくしかも薄いという、高い塗膜品質が要求される液晶配向膜を形成するために、良好な印刷特性を有するフレキソ印刷が利用されている。
フレキソ印刷に用いるフレキソ印刷版は、片面が印刷時にインキを保持する印刷面とされたインキ転写層を備えるのが一般的である。またインキ転写層の、印刷面と反対面には多くの場合、各種プラスチック等からなる補強シートが積層される。
フレキソ印刷版は、印圧を一定に維持し、印刷精度を向上して厚みの均一な液晶配向膜を形成するため、全面に亘って厚みの精度ができるだけ高いことが求められる。特に最近では、従来は±30μmであった厚みの精度を、±15μmに高めることが求められるようになってきている。
ところが、近年の液晶表示素子の大型化によるフレキソ印刷版の大型化に伴って、上記厚みの精度を維持するのが困難になりつつあるという問題がある。特にG6サイズ(1560mm×2065mm)〜G8サイズ(2300mm×2780mm)といった大型のフレキソ印刷版において厚みの精度の低下が顕著である。
そこで、フレキソ印刷版の少なくともインキ転写層のもとになる複数枚のシート状の分割体を作製し、それぞれの分割体の印刷面をあらかじめ所定の印刷パターンに対応させてパターン化したのち、繋ぎ合わせて大型のフレキソ印刷版を製造することが検討されている(特許文献1)。
かかる製造方法によれば、個々の分割体は厚みの精度を向上することが容易なより小型のサイズに形成できるため、フレキソ印刷版の全体での厚みの精度を向上できる。
特開2009−83112号公報
ところが、個々の分割体の印刷面に形成したパターンが各分割体間で面方向にミクロンオーダーの位置精度で配列されるように、それぞれの分割体を繋ぎ合わせるのは容易ではない。
そこで特許文献1に記載の発明では、各分割体に位置合わせ用のマークを形成するとともに位置合わせ用のシートを併用することで、繋ぎ合わせの精度、ひいてはパターンの位置精度の向上に留意している。
しかし複数枚の分割体を、それぞれ上記位置合わせ用のマークとシートを利用して位置合わせするのは決して容易ではなく、繋ぎ合わせに手間がかかる。
しかも発明者の検討によると、繋ぎ合わせた複数枚の分割体の全面に、最後に補強シートを貼り合わせる際には、当該分割体に加わる応力によって、繋ぎ合わせ部に充填した樹脂が面方向に伸ばされて、パターンの位置精度が低下する不良が頻発する。
そのため特許文献1に記載の発明では、上記のように位置合わせの作業が煩雑であることと相まって、製品の歩留まりが大幅に低下するという問題がある。
また特許文献1に記載の発明では、分割体同士を、その端面でのみ重合性の樹脂によって接合しており、かかる樹脂の重合収縮時に分割体が反るのを防止するために、特定の分割体に凹凸形状を形成している。そのため、個々の分割体の構造が複雑になり、また分割体の組み合わせが煩雑になるという問題もある。
本発明の目的は、特にG6以上といった大型であっても全体での厚みの精度に優れる上、印刷面に形成するパターンの位置精度にも優れたフレキソ印刷版を、そのもとになる分割体の構造や組み合わせをより簡略化して、高い歩留りでもって製造できる製造方法と、かかる製造方法によって製造されたフレキソ印刷版を用いた液晶表示素子の製造方法を提供することにある。
本発明は、インキ転写層のもとになる複数枚のシート状の分割体を、仮固定用の粘着シートの、平面状に配設した粘着面上に、面方向に一定幅のスペーサを挟んで隣接させた状態で貼り合わせて仮固定する工程(第一工程)、
仮固定した前記複数枚の分割体上に、前記複数枚の分割体に亘る補強シートを、粘着層を介して貼り合わせたのち、前記仮固定用の粘着シートおよび前記スペーサを除去する工程(第二工程)、
前記複数枚の分割体間の、スペーサを除去した隙間に、活性光線の照射によって硬化反応する感光性樹脂組成物を充填する工程(第三工程)、および
前記隙間に充填した前記感光性樹脂組成物を、前記活性光線の照射によって硬化反応させることで、前記複数枚の分割体を、前記感光性樹脂組成物の硬化物によって一体化させて前記インキ転写層を形成する工程(第四工程)、
を含むフレキソ印刷版の製造方法である。
また本発明は、前記本発明の製造方法によって製造されたフレキソ印刷版を用いて、フレキソ印刷によって液晶配向膜を形成する工程を含む液晶表示素子の製造方法である。
本発明によれば、上記のように複数枚の分割体を、仮固定用の粘着シートの、あらかじめ平面状に配設した粘着面上に、面方向に一定幅のスペーサを挟んで隣接させた状態で仮固定するだけで、それぞれの分割体間の位置関係を決定できる。かかる作業は、従来のマークとシートを利用した位置合わせのように、ミクロンオーダーの位置精度が求められ少しのずれも許されない煩雑な作業ではなく、単にスペーサの側面に分割体の側面を当接させるだけで完了する。そのため、従来の位置合わせに比べて作業の手間を大幅に省略できる。
したがって本発明によれば、特にG6以上といった大型であっても全体での厚みの精度に優れる上、印刷面に形成するパターンの位置精度にも優れたフレキソ印刷版を、そのもとになる分割体の構造や組み合わせをより簡略化して、高い歩留りでもって製造できる。
また本発明によれば、上記製造方法によって製造されたフレキソ印刷版を用いて、大型でしかも厚みが均一な液晶配向膜を備えた液晶表示素子を製造できる。
本発明のフレキソ印刷版の製造方法の、第一実施形態の各工程のうち第一工程を説明する斜視図である。 図2A、図2Bは第二工程を説明する拡大断面図である。 図3A、図3B、図3Cは第三ないし第四工程を説明する拡大断面図である。 第四工程が終了した状態の版シートを示す斜視図である。 上記第一実施形態の各工程を経て最終的に製造されるフレキソ印刷版の一例を示す斜視図である。 本発明の製造方法の第二実施形態において、第四工程が終了した状態の版シートを示す斜視図である。 本発明の製造方法の第三実施形態で使用する分割体の、側面近傍の拡大断面図である。 上記分割体のもとになるシート状の前駆体を、当該前駆体の厚み方向に対して斜めにカットして上記分割体を作製する工程を説明する拡大断面図である。 図9Aは、上記分割体を使用した、上記第三実施形態の各工程のうち第二工程を説明する拡大断面図、図9Bは、第四工程が終了した状態を示す拡大断面図である。
《フレキソ印刷版》
図5を参照して、以下で説明する本発明の実施形態にかかる製造方法によって製造されるフレキソ印刷版1は、補強シート2上に、複数枚(図では4枚)の同寸法の矩形シート状の分割体4を面方向に隣接させて2行×2列に配列した状態で、各分割体4間を、感光性樹脂組成物の硬化物5によって一体化させて形成した矩形平板状のインキ転写層6を備えている。
硬化物5は、感光性樹脂組成物に紫外線等の活性光線を照射し、硬化反応させて形成される。
また、インキ転写層6の露出した表面である印刷面7には、図では一部を省略して記載しているがx×y個の印刷パターンに対応するパターンP11〜Pxyが、当該インキ転写層6の矩形に対応させてマトリクス状に配列されている。
また、フレキソ印刷版1の矩形の互いに平行な2辺の近傍で、かつ印刷面7の外側には、それぞれフレキソ印刷版1をフレキソ印刷機にセットする際に図示しないバイスで把持するための一定幅の把持部61が、それぞれの辺の全幅に亘って設けられている。
また把持部61と印刷面7との間には、上記把持部61と平行に一定幅の溝部62が設けられている。
さらに把持部61には、その長さ方向の複数箇所(図では10箇所)に、当該把持部61をバイスで把持した状態で固定ピン(図示せず)を挿通するためのピン穴63が等間隔で形成されている。
上記フレキソ印刷版1を本発明の実施形態にかかる製造方法によって製造するには、上記分割体4を用意する。
かかる分割体4としては、例えばあらかじめパターン形成していないものを用い、当該分割体4を一体に繋ぎ合わせて形成したインキ転写層6の印刷面7に、あとからパターンを形成してもよいし、あらかじめパターンを形成した分割体4を用いてもよい。
《フレキソ印刷版の製造方法》
〈第一実施形態〉
第一実施形態では、あらかじめパターン形成していない分割体4を用いる。
図2A、図2B等を参照して、かかる分割体4としては、例えば上記印刷面7を構成する表層樹脂層8と、補強フィルム9との積層体等が挙げられる。かかる積層構造を有する分割体4は、従来の小型のフレキソ印刷版と同様にして作製できる。
すなわち、上記印刷面7を粗面等の所定の表面状態とするための平面状の賦形面(図示せず)を用意し、当該賦形面と補強フィルム9との間に、表層樹脂層8のもとになる感光性樹脂組成物を挟むとともに、上記補強フィルム9を賦形面に対して所定の間隔を隔てて平行平板状に保持した状態で活性光線を照射することで、感光性樹脂組成物を硬化反応させて表層樹脂層8を形成する。このあと、形成された表層樹脂層8を賦形面から離型すると分割体4が作製される。
かかる分割体4は、例えばG6未満といった、従来の技術で厚みの精度に優れたものが得られるサイズに作製し、それをフレキソ印刷版1の表層樹脂層8のサイズに合わせて必要な枚数(図の場合は4枚)用意する。
表層樹脂層8のもとになる感光性樹脂組成物としては、複数枚の分割体4を一体化するための、先述した硬化物5のもとになる感光性樹脂組成物と同一の、または親和性に優れた他の感光性樹脂組成物を選択して使用するのが好ましい。
上記感光性樹脂組成物としては、例えば1,2−ブタジエン構造を有するとともに末端にエチレン性不飽和二重結合を有するプレポリマ、エチレン性不飽和単量体、および光重合開始剤を含む組成物等が挙げられる。
また補強フィルム9としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の熱可塑性樹脂からなるフィルムが挙げられる。
(第一工程)
図1、図2Aを参照して、片面が粘着面10とされた仮固定用の粘着シート11を、上記粘着面10が平面状となるように配設し、その上に上記分割体4を、印刷面7となる表層樹脂層8側の片面12が粘着面10と接するように、一定幅(例えば3mm程度)の帯状のスペーサ13を挟んで互いに面方向に隣接させた状態で貼り合わせて仮固定する。
すなわち図1中に破線で示すように、分割体4の側面14をスペーサ13の側面15に全長に亘って接触させながら、片面12が粘着面10と接するように分割体4を粘着面10上に貼り付ける操作を繰り返すと、隣り合う分割体4同士が上記スペーサ13を挟んで互いに面方向に隣接された状態で、上記粘着面10上に仮固定される。
(第二工程)
図2A、図2Bを参照して、粘着面10上に仮固定した複数枚の分割体4の、補強フィルム9側の露出した面(反対面16)上に、当該複数枚の分割体4に亘る一枚の補強シート2を、粘着層17を介して貼り合わせたのち上下を逆にして、仮固定用の粘着シート11およびスペーサ13を除去する。
補強シート2としては、例えば上記粘着層17と補強フィルム18との積層体等が用いられる。
また粘着層17としては、上記感光性樹脂組成物20とともに、活性光線の照射によって硬化反応する組成物からなるものを用いるのが好ましい。
かかる粘着層17としては、例えば感光性樹脂組成物20が先述した組成を有する場合、成分中にエチレン性不飽和二重結合を有するプレポリマやエチレン性不飽和単量体等を配合したもの等が挙げられる。
上記粘着層17を用いると、活性光線の照射により、当該粘着層17と、感光性樹脂組成物20の硬化物5とをより強固に一体化させることができ、補強シート2による面方向の補強効果を向上してフレキソ印刷版1の耐久性を向上できる。
例えば特許文献1に記載の従来例では、5000枚〜18000枚程度の印刷によって分割体間の継ぎ目で亀裂や剥離が生じるおそれがあるが、上記の機能を有する粘着層17を有する補強シート2を使用した場合には、20000枚印刷しても亀裂や剥離を生じず耐久性を向上できる。
上記粘着層17とともに補強シート2を構成する補強フィルム18としては、先述した補強フィルム9と同様の熱可塑性樹脂からなり、上記補強効果と、フレキソ印刷版1の総厚みとを考慮して厚み188μm以上、350μm以下程度のフィルム等が用いられる。
補強シート2の貼り合わせには、従来公知の汎用のラミネータ等がいずれも使用可能である。特に上下ロール共に駆動力を有する二軸駆動タイプの対ロール式のラミネータが最適である。かかるラミネータを使用すると各層の面方向のずれを極力小さくできる。
(第三工程)
図2B、図3Aを参照して、上記スペーサ13を除去した分割体4間の隙間19に感光性樹脂組成物20を充填したのち、当該感光性樹脂組成物20を、活性光線の透過性を有する例えばPE、PP等のフィルム21によってカバーする。
フィルム21は、補強シート2の片面3上に配列された複数枚の分割体4を全面に亘ってカバーしてもよいし、当該分割体4の、感光性樹脂組成物20を充填した隙間19とその近傍のみをカバーするだけでもよい。
(第四工程)
図3B、図3Cを参照して、紫外線等の活性光線を、図中に実線の矢印で示すように、上記フィルム21を通して照射して感光性樹脂組成物20を硬化反応させたのち、フィルム21を剥離する。
そうすると図3Cおよび図4に示すように、隣り合う分割体4同士が感光性樹脂組成物20の硬化物5によって一体化されたインキ転写層6が形成されて、版シート1Aが作製される。
しかも、上記のように感光性樹脂組成物20をフィルム21によってカバーした状態で硬化反応させているため、図3Cに示すように、硬化物5の印刷面7に露出した面を当該印刷面7と面一にして、その後の研磨工程等を必要とせずに、かかる印刷面7の面精度を向上できる。
またフィルム21によってカバーして感光性樹脂組成物20を硬化反応させると、当該感光性樹脂組成物20のタックを抑えることができるため、当該タックによって生じる汚れをふき取る洗浄工程を省略することもできる。
このあと、図4の版シート1Aから、インキ転写層6の外側へはみ出した補強シート2をカットして全体の平面形状を矩形に整えるとともに、互いに平行な2辺の近傍のインキ転写層6を、例えばレーザー加工等して把持部61、溝部62およびピン穴63を形成し、さらに印刷面7に所定のパターンP11〜Pxyを形成すると、図5に示すフレキソ印刷版1が完成する。
上記の工程を経て製造されるフレキソ印刷版1によれば、先に説明したように、パターン形成していない分割体4を一体に繋ぎ合わせて形成したインキ転写層6の印刷面7に、あとからパターンを形成するため、例えば特許文献1に記載の従来例では同サイズの印刷面7上でx方向の精度が±1.2mm、y方向の精度が±0.9mm程度であったものを、いずれの方向においても±100μm程度として、パターンの位置精度を大幅に向上できる。
〈第二実施形態〉
本発明の第二実施形態では、あらかじめパターン形成した分割体4を用いる。その他の工程は第一実施形態と同様である。
例えば、印刷面7を構成する表層樹脂層8と補強フィルム9との積層体である個々の分割体4の、上記印刷面7となる表層樹脂層8の表面に、図6に一部を省略して記載したように、先にx×y個の印刷パターンに対応する所定のパターンP11 xy を形成しておき、あとは第一実施形態と同様にして、図2A、図2B、図3A〜図3Cの各工程を経ることにより、上記図6に示す版シート1Bが作製される。
このあと上記版シート1Bから、インキ転写層6の外側へはみ出した補強シート2をカットして全体の平面形状を矩形に整えるとともに、互いに平行な2辺の近傍のインキ転写層6を、例えばレーザー加工等して把持部61、溝部62およびピン穴63を形成すると、図5に示すフレキソ印刷版1が完成する。
かかる第二実施形態では、例えば分割体の面方向の寸法精度、ならびにスペーサの厚みの精度を高めることにより、フレキソ印刷版の全体での位置精度を、第一実施形態と同等程度の高いレベルに維持することができる。
〈第三実施形態〉
図7を参照して、本発明の第三実施形態では、隣接する分割体(図示せず)に臨む側面14が傾斜面とされた分割体4を用いる。
分割体4自体は、第一実施形態で使用したのと同様の、表層樹脂層8と補強フィルム9との積層体とし、その側面14を、表層樹脂層8側の片面12よりも補強フィルム9側の反対面16が面方向外方に突出するように、所定の傾斜角度θで傾斜された傾斜面とする。
分割体4は、そのもとになるシート状の前駆体を、当該前駆体の厚み方向に対して斜めにカットして形成される。
例えば図8を参照して、載置面22、23が同一平面とされた台盤24、25を用意し、このうち一方の台盤24の載置面22上に、厚みTが一定のスペーサ26を介して、前駆体27の、分割体4となる本体部28を、補強フィルム9側が接するように載置して、図示しない固定手段によって固定する。
それとともに台盤25の載置面23上には、上記前駆体27のカットする外縁部29を載置して、やはり図示しない固定手段によって固定し、それによって前駆体27の本体部28の外縁部の近傍を、上記載置面22、23に対して所定の傾斜角度θで傾斜された状態とする。
この状態で、前駆体27の、傾斜された本体部28の外縁部を、図中に破線で示す所定のカット位置で、載置面22、23に対して直交方向にカットすると、図7に示すように、カットされた側面14が前記傾斜角度θで傾斜された傾斜面とされる。
傾斜角度θは、スペーサ26の厚みTを違えることによって調整できる。すなわち、厚みTの大きいスペーサ26を使用するほど、傾斜角度θを大きくできる。
前駆体27をカットする方法としては、シートをカットするための種々のカット法がいずれも採用可能である。
ただしロータリーカット法、ギロチンカット法が好適に採用される。
これらのカット法はカット面(側面14)の仕上がりがよいため、当該仕上がりを良くするためのオイル等を、カットに使用する刃に塗布する必要がない。
そのため、カット面にオイルが残って分割体4と感光性樹脂組成物20の硬化物5との間の良好な接着が妨げられるおそれがない上、上記オイルをアセトンやエタノール等の溶剤で洗浄して除去する工程を省略できるという利点がある。
図9Aを参照して、上記分割体4を必要な枚数用意し、それを第一実施形態と同様の第一工程を経て、補強シート2上に、それぞれの側面14を、間に隙間19を挟んで向かい合わせた状態で、粘着層17を介して貼り合わせて固定する。
そうすると隙間19は、印刷面7側の開口の幅が粘着層17側の底面の幅よりも広い逆台形状の断面形状とされる。
なお第一工程において、隣り合う分割体4間の位置合わせをするためには、例えば側面15が上記側面14に対応する傾斜面とされ、断面形状が台形状であるスペーサ13等を使用すればよい。
図9Bを参照して、上記隙間19に感光性樹脂組成物20を充填して、前述した第二〜第四工程を経ることにより、隣り合う分割体4同士が感光性樹脂組成物20の硬化物5によって一体化されたインキ転写層6が形成される。
なお印刷面7となる表層樹脂層8の表面には、第一実施形態と同様に、あらかじめパターン形成していなくてもよいし、第二実施形態と同様に、あらかじめパターン形成していてもよい。
前者の場合は、パターン形成していない分割体4を一体に繋ぎ合わせて形成したインキ転写層6の印刷面7に、あとからパターンを形成するため、フレキソ印刷版の全体での位置精度を、第一実施例と同等程度の高いレベルに維持することができる。
また後者の場合は、例えば分割体の面方向の寸法精度、ならびにスペーサの厚みの精度を高めることにより、フレキソ印刷版の全体での位置精度を、やはり第一実施形態と同等程度の高いレベルに維持することができる。
上記のように分割体4の側面14を傾斜面とし、それによって隙間19を、印刷面7側の開口の幅が広い逆台形状とすると、当該隙間19中に、感光性樹脂組成物20を、粘着層17側の底面から順に順序良く注入して気泡の噛み込みを抑制することができ、硬化物5中に、破断の起点となる気泡が残留するのを極力防止できる。
また気泡の噛み込みが発生しても、活性光線を照射して感光性樹脂組成物20を硬化反応させる前に除去する際の作業性を向上できる。
さらに気泡の噛み込みを抑制したり除去したりすることで、その外観も向上できる。
そのため側面14を傾斜面として、分割体4と、隣り合う分割体4間の隙間19に充填された感光性樹脂組成物20の硬化物5との接触面積を増加できることと相まって、硬化物5を介した隣り合う分割体4同士の一体化の強度を高めて、フレキソ印刷版1の耐久性を向上できる。
例えば側面14を傾斜面としない場合でも、前述したように20000枚印刷しても亀裂や剥離を生じず、従来例に比べて耐久性を向上できるが、傾斜面とした場合には40000枚位印刷しても亀裂や剥離を生じず耐久性をさらに大幅に向上できる。
側面14の傾斜角度θは任意に設定できるものの、10°以上、特に20°以上であるのが好ましく、60°以下、特に45°以下であるのが好ましい。
傾斜角度θが上記の範囲未満では、側面14を傾斜面とすることによる上述した効果が十分に得られないおそれがある。
一方、傾斜の角度が上記の範囲を超える場合には、カットに使用する刃と前駆体27とのなす角が小さくなりすぎて、カットの作業性が低下するおそれがある。
またそのため、たとえ先述したロータリーカット法、ギロチンカット法等を採用したとしても、カット面に部分的破断を生じたり、当該カット面の平滑性が低下したりして仕上がりが低下するおそれもある。
《液晶表示素子の製造方法》
本発明は、上記本発明の製造法で製造されたフレキソ印刷版を用いて、フレキソ印刷によって、液晶配向膜を形成する工程を含む液晶表示素子の製造方法である。
本発明によれば、フレキソ印刷版の印刷面を、基板の表面の凹凸の微細化に対応して当該凹凸に良好に追従させることができるため、厚みが均一でピンホールのない液晶配向膜を備えた液晶表示素子を製造できる。
本発明の製造方法のその他の工程は、従来同様に実施できる。
すなわち、ガラス基板等の透明基板の表面に、所定のマトリクスパターン等に対応した透明電極層を形成した上に、上記フレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷によって液晶配向膜を形成し、さらに液晶配向膜の表面を必要に応じてラビング等によって配向処理して基板を作製する。
次いでこの基板を2枚用意し、それぞれの透明電極層を位置合わせした状態で、間に液晶材料を挟みこんで互いに固定して積層体を形成するとともに、さらに必要に応じてこの積層体の両外側に偏光板を配設して液晶表示素子が製造される。
本発明の構成は、以上で説明した図の例には限定されない。
例えばインキ転写層6を構成する分割体4は、2枚または3枚であってもよいし、5枚以上であってもよい。各分割体4は同じ形状および大きさでなく、インキ転写層6のどの位置を形成するかによって違う形状と大きさに形成してもよい。ただし組み合わせの手間等を省くことを考慮すると、同形状同寸法の分割体4を2枚以上組み合わせて使用するのが好ましい。
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことができる。
〈実施例1〉
(分割体4のモデルの作製)
表層樹脂層8のもとになる感光性樹脂組成物としては、1,2−ブタジエン構造を有するとともに、末端にエチレン性不飽和二重結合を有するウレタンプレポリマ、エチレン性不飽和単量体、および光重合開始剤を含む組成物〔住友ゴム工業(株)製のNK樹脂〕を用意した。
当該感光性樹脂組成物を、型面とPET製の補強フィルム9との間に挟むとともに波長365nmの紫外線を15分間照射し、感光性樹脂組成物を硬化反応させて表層樹脂層8を形成したのち、当該表層樹脂層8と補強フィルム9との積層体である前駆体27を切り出して分割体4のモデルとした。表層樹脂層8の厚みは2.4mmであった。
また切り出しの際に、分割体4のモデルの、隣接する分割体に臨む側面14を傾斜面としなかったもの(傾斜角度0°、実施例1−1)と、図8に記載の方法で傾斜角度10°(実施例1−2)、30°(実施例1−3)、45°(実施例1−4)および60°(実施例1−5)の傾斜面としたものとを用意した。
また上記切り出しの際のカットの作業性の良否を、下記の基準で評価した。
Bad(B):前駆体27を切り出す作業性は悪く、カット面には部分的破断や平滑性の低下が見られた。
Normal(N):前駆体を切り出す作業性は、上記「Bad」よりは良く、かつ下記「Good」よりは悪かった。またカット面には、部分的破断や平滑性の低下が僅かに見られたが実用レベルであった。
Good(G):前駆体27を切り出す作業性は、上記「Normal」よりは良く、かつ下記「Excellent」よりは悪かった。またカット面には、部分的破断や平滑性の低下はなく、仕上がりは良好であった。
Excellent(E):前駆体27をきわめて作業性良く切り出すことができた。またカット面には、部分的破断や平滑性の低下はなく、仕上がりは良好であった。
(フレキソ印刷版1のモデルの製造)
図1ないし図3に示した前述した手順に従って、2枚の分割体4を接合して、フレキソ印刷版1のモデルを製造した。
なお分割体としては、側面の傾斜角度θが同じもの同士を2枚ずつ組み合わせた。
分割体4の接合用の感光性樹脂組成物20としては、上記組成物〔住友ゴム工業(株)製のNK樹脂〕を用いた。また補強シート2としては、PET製の補強フィルムの片面に粘着層17を積層したものを用いた。
そして、上記感光性樹脂組成物20を隙間19に充填し、PP製のフィルム21によってカバーした状態で、波長365nmの紫外線を15分間照射して硬化反応させて分割体4を上記感光性樹脂組成物20の硬化物5で接合した。
〈気泡の噛み込み〉
製造したフレキソ印刷版のモデルの、2枚の分割体4間をつなぐ感光性樹脂組成物20の硬化物5中に、気泡の噛み込みがあるかないかを観察した。
〈引張特性試験〉
製造したフレキソ印刷版のモデルを室温で18時間養生させ、次いでハムスライサを用いて補強フィルムを剥がしたのち、日本工業規格JIS K6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に規定されたダンベル状3号形試験片の形状で、なおかつその平行部分を横断するように分割体4間の継ぎ目が位置するように打ち抜いて試験片とした。
そして室温環境下、上記規格に所載の測定方法に則って切断するまで引っ張った時に記録される最大の引張力(N)を求めた。
なお実施例1−1は気泡が確認されたため、別に感光性樹脂組成物20を充填後に気泡を除去したモデルを(気泡なし)として作製して引張試験をした。
〈総合判定〉
実施例1−1の気泡なしを標準(C)として、下記の基準で総合評価をした。
Bad(B):引張力が標準の0.8倍未満、またはカットの作業性がBであった。
Normal(N):引張力が標準の0.8倍以上、1倍未満で、カットの作業性がGまたはEであった。
Good(G):引張力が標準の1倍以上、1.1倍未満で、かつカットの作業性がGまたはEであった。または引張力が標準の1.1倍以上で、かつカットの作業性がNであった。
Excellent(E):引張力が標準の1.1倍以上で、かつカットの作業性がGまたはEであった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006306715
表1の実施例1−1の結果より、側面14を傾斜面としない場合は気泡が残留しやすいものの、気泡を除去することで引張特性を向上できることが判った。
また実施例1−2〜1−5の結果より、側面14を傾斜面とすることで気泡を残留しにくくできる上、引張特性をさらに向上できることが判った。
さらに実施例1−2〜1−5の結果より、側面14の傾斜角度θは、引張特性をより一層向上することを考慮すると10°以上、特に20°以上であるのが好ましいものの、カットの作業性を向上することを考慮すると60°以下、特に45°以下であるのが好ましいことが判った。
1 フレキソ印刷版
1A、1B 版シート
2 補強シート
3 片面
4 分割体
5 硬化物
6 インキ転写層
7 印刷面
8 表層樹脂層
9 補強フィルム
10 粘着面
11 粘着シート
12 片面
13 スペーサ
14 側面
15 側面
16 反対面
17 粘着層
18 補強フィルム
19 隙間
20 感光性樹脂組成物
21 フィルム
22、23 載置面
24、25 台盤
26 スペーサ
27 前駆体
28 本体部
29 外縁部
61 把持部
62 溝部
63 ピン穴
11〜Pxy パターン
θ 傾斜角度

Claims (8)

  1. インキ転写層のもとになる複数枚のシート状の分割体を、仮固定用の粘着シートの、平面状に配設した粘着面上に、面方向に一定幅のスペーサを挟んで隣接させた状態で貼り合わせて仮固定する工程、
    仮固定した前記複数枚の分割体上に、前記複数枚の分割体に亘る補強シートを、粘着層を介して貼り合わせたのち、前記仮固定用の粘着シートおよび前記スペーサを除去する工程、
    前記複数枚の分割体間の、スペーサを除去した隙間に、活性光線の照射によって硬化反応する感光性樹脂組成物を充填する工程、および
    前記隙間に充填した前記感光性樹脂組成物を、前記活性光線の照射によって硬化反応させることで、前記複数枚の分割体を、前記感光性樹脂組成物の硬化物によって一体化させて前記インキ転写層を形成する工程、
    を含むフレキソ印刷版の製造方法。
  2. 前記粘着層は、前記感光性樹脂組成物とともに、前記活性光線の照射によって硬化反応する組成物からなる請求項1に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  3. 前記分割体は、隣接する分割体に臨む側面が、厚み方向に対して傾斜させた傾斜面とされている請求項1または2に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  4. 前記傾斜面は、前記分割体のもとになるシート状の前駆体を、ロータリーカット法、またはギロチンカット法により、前記前駆体の厚み方向に対して斜めにカットして形成されている請求項3に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  5. 前記隙間に充填した前記感光性樹脂組成物を、前記活性光線の透過性を有するフィルムによってカバーした状態で、前記フィルムを通して前記活性光線を照射して前記感光性樹脂組成物を硬化反応させたのち、前記フィルムを剥離する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  6. 形成したフレキソ印刷版の印刷面を、所定の印刷パターンに対応させてパターン化する工程をも含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  7. あらかじめ所定の印刷パターンに対応させてパターン化した分割体を用いる請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版の製造方法。
  8. 前記請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたフレキソ印刷版を用いて、フレキソ印刷によって液晶配向膜を形成する工程を含む液晶表示素子の製造方法。
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