JP6306390B2 - 電子機器 - Google Patents

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本発明は、指等で操作するキートップと、該キートップが押圧されたときに内部のキースイッチを押圧する押し子とを有する、特に携帯電話機などの小型の電子機器に関するものである。
従来より、開口部が形成された筐体と、この筐体の開口部から露出し且つ押下可能な押下面と、この押下面から立ち上がる側面と、この側面に形成され且つ周辺部品の有する凸部が挿入される凹部と、押し子とを有するキーと、この押し子が当接することで動作するスイッチとを備えることは知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−247655号公報
このような電子機器では、従来から主として以下の構造が取られている。まず、図12に示すように、この電子機器201では、キートップ214に抜け止め用のフランジ214aが設けられている場合には、キートップ214を筐体203の外側から取り付けることができないので、筐体203の分割面にキートップ214を設ける必要がある。その場合、見映えが悪くなると共に、図12のように断面の外形ラインが湾曲した形状を有していると、フランジ214aを収容するスペースを確保するために電子機器201の厚さを薄くできない。
図13の電子機器301のように筐体303は分割せずに筐体303の内部からキートップ314を嵌め込む場合、キートップ314の抜け止めをするには押し子314b側に抜け止め用のフランジ314aが必要となる。すると、貫通孔311の大きさを大きく保つことができず、キートップ314を小さくせざるを得なくなって操作性が悪化する。
図14の電子機器401のように、キートップ414を外側から嵌め込んだ後に別部品415で外側から筐体403側に押し付けるようにすれば、筐体403と別部品415との間に分割面416ができて見映えが悪くなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、キートップ及び押し子側のフランジを無くしてキートップをできるだけ大きくしながら、その安定した操作性を確保することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、筐体側に設けた抜け防止用部材で、キートップ及び押し子の抜け止めを行うようにした。
具体的には、本発明では、筐体のキー用貫通孔の内部に設けたキースイッチと、該キー用貫通孔に挿通され、該キースイッチを押圧する押し子と、該押し子をキースイッチ側へ押圧するキートップとを有する電子機器において、
上記キートップ及び押し子は、一体成形又は連結されており、上記筐体の外側から取り付けられた状態で、上記キートップ又は押し子に設けた係合孔に、上記キー用貫通孔の内面から延びる抜け防止用部材が挿入されている。
上記の構成によると、キートップ及び押し子にフランジを設けないので、キートップを大きくしながら、筐体を分割する必要が無く、見映えがよい上に、キートップの配置自由度が増え、筐体の大きさが抑えられる。また、キートップ及び押し子の抜けを防止しながらキートップのガタツキが防止される。
以上説明したように、本発明によれば、一体成形又は連結したキートップ及び押し子を筐体の外側から取り付けた状態で、押し子に設けた係合孔にキー用貫通孔の内面から延びる抜け防止用部材を挿入するようにしたので、キートップ及び押し子側のフランジを無くしてキートップをできるだけ大きくしながら、その安定した操作性を確保することができる。
実施形態1に係る携帯電話機における図2(b)のI−I線拡大断面図である。 本発明の実施形態1及び2に係る携帯電話機を示し、(a)が正面図で、(b)が背面図である。 本発明の実施形態1及び2に係る携帯電話機を示す分解斜視図である。 実施形態1に係るキー用貫通孔及びその周辺を拡大して示す斜視図である。 実施形態1に係るキートップを拡大して示し、(a)が正面側から見た斜視図で、(b)が背面側から見た斜視図である。 実施形態1に係る防水パッキンを拡大して示し、(a)が正面側から見た斜視図で、(b)が背面側から見た斜視図である。 (a)及び(b)は、抜け防止用部材を拡大して別々の方向から見た斜視図である。 実施形態2に係るキー用貫通孔及びその周辺を拡大して示す斜視図である。 実施形態2に係る携帯電話機における図2(b)のIX−IX線拡大断面図である。 実施形態2に係る携帯電話機における図2(b)のX−X線拡大断面図である。 実施形態2に係るキートップを拡大して示し、(a)が正面側から見た斜視図で、(b)が背面側から見た斜視図である。 従来技術を示す図1相当図である。 別の従来技術を示す図1相当図である。 さらに別の従来技術を示す図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図2及び図3は本発明の実施形態1の電子機器としての携帯電話機1を示し、この携帯電話機1は、正面側に例えばタッチパネルを含む液晶表示部2を収容する筐体3を有する。この筐体3は、正面側キャビネットと背面側キャビネットとが厚さ方向で分割されるような構造ではなく、1つの樹脂成形品よりなる。その筐体3の背面側は、矩形板状の背面カバー4で覆われている。背面カバー4と筐体3との間には、例えばメイン基板5と充電池6とが収容されている。
本実施形態の第1サイドキー10は、図2(b)に示すように、背面から見て右側に設けられている。第1サイドキー10は、例えばボリュームキーよりなり、図5に示すように、上側にプラスの文字10aが、下側にマイナスの文字10bがそれぞれ施されている。第1サイドキー10は、音量を増やすときにはプラス側を、減らすときはマイナス側を押すようになったシーソー式スイッチよりなる。
図1及び図4に示すように、筐体3には、一対の第1キー用貫通孔11が設けられている。この一対の第1キー用貫通孔11は、筐体3の側面に設けた長円形状の第1キートップ用凹部3aに間隔を空けてそれぞれ貫通形成されている。
図3に示すように、一対の第1キー用貫通孔11の内部には、それぞれに対応する押圧式の一対のキースイッチ12が配置されている。これら一対のキースイッチ12の信号は、第1フレキシブル基板13を介してメイン基板5に伝達されるようになっている。
図5に示すように、第1キートップ14では、表面の文字14aの反対側(奥側)に押し子14bがそれぞれ一体に形成されている。この押し子14bは、第1キー用貫通孔11に挿通されるが、押し子14bの先端とキースイッチ12との間には、防水パッキン18が嵌め込まれている。これにより、第1キー用貫通孔11の外部から内部へ液体等が入り込まないようになっている。防水パッキン18は、図6に示すように、中心に押圧部18aが膨出している。押し子14bと防水パッキン18とが第1キー用貫通孔11に挿通された状態で、第1キートップ14を押圧することで、押圧部18aが対応するキースイッチ12を押圧するようになっている。本実施形態では、第1キートップ14及び押し子14bは一体成形されているが、別々に成形して接着、嵌め込み等により連結されていてもよい。本実施形態では、この押し子14bの部分に携帯電話機1の厚さ方向に貫通した係合孔15が形成されている。
一方、図1に示すように、筐体3の正面側(ガラスカバー2aの裏側)には、抜け防止用部材16を挿入するための挿入孔17が形成されている。図7に示すように、抜け防止用部材16は、例えば、金属製のプレス成形品よりなり、先端に延びる差込部16aと反対側の膨出部16bとを備え、挿入孔17に差込部16a側から差し込んで、膨出部16bを圧入するようにして固定されるようになっている。
すなわち、第1キートップ14を筐体3の外側から第1キートップ用凹部3aに押さえ付けた状態で、各押し子14b及び防水パッキン18が第1キー用貫通孔11に挿通され、正面側からその係合孔15に抜け防止用部材16の差込部16aがそれぞれ挿入される。
このように、第1キートップ14及び押し子14bにはフランジを設けないので、第1キートップ14を大きくしながら、筐体3を分割する必要が無く、見映えがよい上に、第1キートップ14の配置自由度が増え、筐体3の大きさが抑えられる。そして、第1キートップ14及び押し子14bの抜けを防止しながら第1キートップ14のガタツキが防止される。
図1に示すように、係合孔15の内周と抜け防止用部材16との間で第1キートップ14の最大ストロークよりも大きな隙間xが設けられている。このため、押し子14bがキースイッチ12を押圧するためのストロークを稼ぎながら、第1キートップ14の抜け止め及びガタツキを効果的に達成することができる。
本実施形態では、抜け防止用部材16は板金よりなり、その板金の膨出部16bが第1キー用貫通孔11の内面の挿入孔17に嵌合されると共に、差込部16aが係合孔15に挿入されているが、この抜け防止用部材16は、板金製のため、薄くても剛性を確保できるので、筐体3が大型化しない。
本実施形態では、第1キートップ14は、一対の押し子14bが連結されたシーソー型の第1キートップ14であり、一対の押し子14bの係合孔15にそれぞれ抜け防止用部材16の差込部16aが挿入されている。このため、狭いスペースでそれぞれのキースイッチ12の操作性を確保することができる。
本実施形態では、キースイッチ12と押し子14bとの間の第1キー用貫通孔11に防水パッキン18を挟持するようにしているが、この防水パッキン18も筐体3の外側から挿入可能としている。このため、図13のように押し子14b側にもフランジを設ける必要が無いので、防水パッキン18も筐体3の外側から嵌め込むことができ、極めて組立性がよい。
したがって、本実施形態に係る携帯電話機1によると、第1キートップ14及び押し子14b側のフランジを無くして第1キートップ14をできるだけ大きくしながら、その安定した操作性を確保することができる。
(実施形態2)
図8〜図11は本発明の実施形態2を示し、キートップの形状及びキースイッチ12の個数が異なる点で上記実施形態1と異なる。なお、本実施形態では、図1〜図7と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態の第2サイドキー110は、図2(b)に示すように筐体3の背面から見て左側に設けられている。図11に示すように、第2サイドキー110の第2キートップ114は、例えば電源キーよりなり、上下中央に突条114aが施され、この突条114aを指で押すようになっている。本実施形態では、図8に示すように、筐体3の第2キートップ用凹部103aには、1つの第2キー用貫通孔111と2つの凹陥部103bが形成されている。
本実施形態では、図9にも示すように、凹陥部103bの内側には、キースイッチ12は配置されておらず、係合孔15は、押し子の役割を果たさない突起114c(図11参照)に設けられている。そして、図10に示すように、上下中央に設けた押し子114b側には、抜け防止用部材16が挿入されていない。
このように押し子114bの係合孔ではなく、第2キートップ114の突起114cに設けた係合孔15に抜け防止用部材16の差込部16aを差し込んでも、上記実施形態1と同様に第2キートップ114の押圧時のストロークは確保しながらもガタツキは防止される。
したがって、本実施形態に係る第2サイドキー110においても、第2キートップ114及び押し子114b側のフランジを無くして第2キートップ114をできるだけ大きくしながら、その安定した操作性を確保することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、電子機器は、携帯電話機1としたが、タブレット端末、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(PersonalDigital Assistant)、パソコン、モバイルツール、電子辞書、電卓、ゲーム機等であってもよく、特に小型の液晶ディスプレイ、液晶テレビ、ブルーレイ(DVD)レコーダ等であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、各実施形態に記載された技術的特徴は、互いに組合せ可能であり、組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 携帯電話機(電子機器)
2 液晶表示部
3 筐体
3a 第1キートップ用凹部
4 背面カバー
5 メイン基板
6 充電池
10 第1サイドキー
10a 文字
10b 文字
11 第1キー用貫通孔
12 キースイッチ
13 第1フレキシブル基板
14 第1キートップ
14a 文字
14b 押し子
15 係合孔
16 抜け防止用部材
16a 差込部
16b 膨出部
17 挿入孔
18 防水パッキン
18a 押圧部
103a 第2キートップ用凹部
103b 凹陥部
110 第2サイドキー
111 第2キー用貫通孔
114 第2キートップ
114a 突条
114b 押し子
114c 突起

Claims (5)

  1. 筐体のキー用貫通孔の内部に設けたキースイッチと、該キー用貫通孔に挿通され、該キースイッチを押圧する押し子と、該押し子をキースイッチ側へ押圧するキートップとを有する電子機器において、
    上記キートップ及び押し子は、一体成形又は連結されており、上記筐体の外側から取り付けられた状態で、上記キートップ又は押し子に設けた係合孔に、上記キー用貫通孔の内面から延びる抜け防止用部材が挿入されている
    ことを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器において、
    上記係合孔の内周と上記抜け防止用部材との間で上記キートップの最大ストロークよりも大きな隙間が設けられている
    ことを特徴とする電子機器。
  3. 請求項1又は2に記載の電子機器において、
    上記抜け防止用部材は、板金よりなり、板金の一端側の膨出部が上記キー用貫通孔の内面に嵌合され、先細となった他端が上記係合孔に挿入されている
    ことを特徴とする電子機器。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の電子機器において、
    上記キースイッチと上記押し子との間の上記キー用貫通孔には、防水パッキンが挟持され、
    上記防水パッキンも上記筐体の外側から挿入可能である
    ことを特徴とする電子機器。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の電子機器において、
    上記キートップは、一対の押し子が連結されたシーソー型のキートップであり、
    上記一対の押し子の係合孔にそれぞれ上記抜け防止用部材の差込部が挿入されている
    ことを特徴とする電子機器。
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