JP4352178B2

JP4352178B2 - 押釦スイッチの防水構造及び電子機器

Info

Publication number: JP4352178B2
Application number: JP2005170168A
Authority: JP
Inventors: 康彦川崎; 茂加藤; 徹谷川
Original assignee: 株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ
Priority date: 2005-06-09
Filing date: 2005-06-09
Publication date: 2009-10-28
Anticipated expiration: 2025-06-09
Also published as: KR100755178B1; JP2006344528A; US7355137B2; KR20060128735A; CN100468590C; CN1881498A; US20070034493A1

Description

本発明は、電子機器の筐体に設けられた押釦スイッチの防水構造及びそれを備える電子機器に関する。

携帯用電子機器の筐体には押釦が設けられ、押釦によりスイッチを押すことによって文字や数字などの入力や各種の指示入力などを行うことができるようになっている。押釦と筐体の隙間からの浸水を防止するために、様々な防水構造が提案されている。例えば、特許文献１には、タクトスイッチが設けられたフレキシブル基板を筐体の外側面に取り付け、ボタン部が設けられた防水部材によってフレキシブル基板を覆い、固定部材により防水部材を固定し、更にその固定部材の開口から突出する前記ボタン部を固定部材の上からプレストークボタンによって覆い、更に固定部材をトップカバーで固定していた。
特開２００１−２２２９２７号公報

しかしながら、従来の防水構造は複雑な構成となっていた。また、タクトスイッチ及びフレキシブル基板が筐体の外側面に取り付けられることから、フレキシブル基板の配線の一部を筐体の内側へ引き込む必要があり、組立作業の効率が悪かった。

そこで、本発明は、簡単な構成であり且つ組立の作業性の良い押釦スイッチの防水構造及び電子機器を提供することを目的とする。

この発明は、ケースに貫通孔が形成され、当該ケースの内側において当該貫通孔に相対する位置に押圧型スイッチが設けられ、カップ形状のカップ部材がその開口を前記ケースの外側とするよう前記貫通孔に嵌め込まれ、押釦から突出した軸部が前記カップ部材の開口に挿入され、当該押釦をケースの外側からケース内側に向かって押下げた際は、当該押釦の軸部を介して前記カップ部材の先端が前記押圧型スイッチを押圧することでスイッチオンさせる押釦スイッチの防水構造であって、前記カップ部材は、当該カップ部材が前記貫通孔に嵌め込まれた際に圧縮変形することで当該カップ部材の外周が前記貫通孔に対して密着される凸部が全周に亘って形成された弾性材からなる椀型のカップ部と、当該カップ部材が前記貫通孔に嵌め込まれた際に、当該カップ部材が当該貫通孔から前記ケースの内側方向に抜けないように当該貫通孔のケース外側の外周枠部で係止されるフランジが前記開口側に形成された補強材としての筒状ホルダと、が一体部品として構成され、前記押釦が挿入されるカップ部材により、前記ケース内部の押圧型スイッチに相対する位置に形成された貫通孔を塞ぐと共に、そのカップ部材の先端部で前記押圧型スイッチのスイッチイングを行えるようにしたこと、を特徴とする。

本発明によれば、貫通孔にカップ部材を嵌め込むという簡単な構成で、貫通孔における気密性・水密性を高くすることができる。カップ部材の開口に押釦の軸部を挿入するだけで、簡単に押釦を組み付けることができる。配線をケースの外側から内側に引き込むといった作業が必要なく、防水構造を効率よく組み立てることができる。

以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。

図１は、本発明の押釦スイッチの防水構造を適用した携帯型電話機１の斜視図である。

この携帯型電話機１においては、上筐体２がヒンジ４によって下筐体３に連結され、上筐体２がヒンジ４の軸を中心にして下筐体３に対して回動可能となっている。下筐体３に対して上筐体２が閉じた状態では、上筐体２の前面が下筐体３の前面に対面し、下筐体３に対して上筐体２が開いた状態では、上筐体２の前面及び下筐体３の前面のどちらも正面を向いている。

上筐体２の前面には、液晶ディスプレイパネル又はエレクトロルミネッセンスディスプレイパネルを有する表示部５が設けられている。下筐体３の前面には、複数の凸状キー４１が設けられ、下筐体３の右側面には３つの押釦スイッチ（より具体的には、押釦スイッチの一部を構成する押釦７０）が設けられている。

次に、下筐体３について、図２〜図３を用いて具体的に説明する。図２は下筐体３の分解斜視図であり、図３は下筐体３の厚み方向に平行な面IIIの矢視断面図である。

図２に示すように、下筐体３は、中ケース３１と、中ケース３１の正面側を覆う表カバー３２と、中ケース３１の背面側を覆う裏カバー３３とから構成されている。図３に示すように、中ケース３１の前面側は収納凹部３４として凹設され、収納凹部３４の縁部全周にわたって溝３５が形成され、収納凹部３４が溝３５によって囲繞されている。収納凹部３４には回路基板等が収容され、回路基板にキーＦＰＣ（Flexible Printed Circuit）３６が接続され、キーＦＰＣ３６も回路基板を覆うように収納凹部３４に収容されている。キーＦＰＣ３６がゴム等の弾性材からなるキーシート材３７によって覆われ、キーシート材３７によって収納凹部３４が覆われている。キーシート材３７の裏面の外縁部全周にわたって凸状のリブ３８が形成され、リブ３８が溝３５に嵌め込まれている。

図２に示すように、キーシート材３７の前面には複数の凸状キー４１が形成され、キーＦＰＣ３６にはドームスイッチのような薄型のスイッチが凸状キー４１にそれぞれ対応して設けられている。表カバー３２には複数のキー孔４２が形成され、中ケース３１の前面側が表カバー３２に嵌められた状態では、凸状キー４１がキー孔４２に挿入され、キーシート材３７の外縁部が表カバー３２と中ケース３１との間に挟まれている。

次に、押釦スイッチの防水構造について説明する。
図２に示すように、中ケース３１の右側面には、矩形状の３つの凹部５１が形成され、それぞれの凹部５１の底に貫通孔５２が形成され、貫通孔５２が収納凹部３４まで貫通している。図３に示すように、収納凹部３４の底にはリブ５３が立設されている。リブ５３は収納凹部３４の右内面３４ａから所定の間隔をあけて相対向している。キーＦＰＣ３６の右側が折り曲げられた状態とされ、キーＦＰＣ３６の折り曲げられた部分３６ａがリブ５３と収納凹部３４の右内面３４ａとの間に挿入されている。キーＦＰＣ３６の折り曲げられた部分３６ａには、本体部と同一構成の薄型スイッチ、例えば、ドームスイッチ３９が貫通孔５２にそれぞれ対応して設けられ、ドームスイッチ３９が貫通孔５２に対向している。ドームスイッチ３９は、キーＦＰＣ３６にパターニングされた固定接点３９ａを可動接点となる金属板或いは金属膜３９ｂによってドーム状に覆ったものである。なお、ドームスイッチ３９の代わりにタクトスイッチやメンブレンスイッチなどの他の薄型スイッチを用いても良いし、その他の押圧型スイッチを用いても良い。

図３に示すように、貫通孔５２はパッキン材６０によって閉塞されている。パッキン材６０は、シリコンゴム等のゴム弾性材からなる椀型のカップ部材６１を、一方の開口端側にフランジ部６２ａが形成された金属製或いは硬質樹脂製の筒状ホルダ６２に被せたもので、図４及び図５の斜視図に示すように、単一部品として取り扱える一体部品として構成されている。すなわち、このパッキン材６０は、筒状ホルダ６２が金属製である場合にはインサート成形により成形することができ、また筒状ホルダ６２が硬質樹脂製である場合にはインサート成形或いは２色成形により成形することができる。
カップ部材６１の頭頂面、すなわち筒状ホルダ６２に被せる開口端部とは反対側に位置する面には、円形状の突起６１ａが形成され、カップ部材６１の中腹外周面、すなわち筒状ホルダ６２の外周面を覆っている領域の外周面には、凸部６１ｂが全周にわたって形成されている。この凸部６１ｂにおけるカップ部材６１の外径は、カップ部材６１が貫通孔５２に挿入されていない自然状態では貫通孔５２の内径よりもやや大きくなるように設定されている。

パッキン材６０は、カップ部材６１の突起６１ａを先にして中ケース３１の外側から貫通孔５２に挿入され、筒状ホルダ６２のフランジ部６２ａが貫通孔５２の周囲において凹部５１の底に係止するまで押し込まれる。この状態で、カップ部材６１の突起６１ａは、図３に示すようにドームスイッチ３９に軽く接するか近接した状態となり、また、カップ部材６１の凸部６１ｂは筒状ホルダ６２の外周面と貫通孔５２の内壁との間で圧縮変形している。これにより、パッキン材６０が貫通孔５２内で保持され、また、貫通孔５２の壁面とカップ部材６１の外周面との間からの浸水が防止されている。

３つの押釦７０は、図４及び図５の斜視図に示すように、ゴムシート７５によって一体とされている。ここで、押釦７０の底面から突出した軸部７１がゴムシート７５を貫通し、押釦７０の底面がゴムシート７５に接着している。また、ゴムシート７５は押釦７０の外周よりもフランジ状に突出している。このフランジ状に突出している領域には、中ケース３１の右側面に形成された凹部５１の近傍に形成されている小さな突起５４，５４が差し込まれる穴７２，７２が形成されており、下筐体３を組み立てる際に、押釦７０を中ケース３１に仮止め出来るようになっている。
３つの押釦７０は、ゴムシート７５が３つのパッキン材６０のフランジ部６２ａを覆った状態で、軸部７１がパッキン材６０の開口６２ｂに挿入され、図３に示すように、軸部７１の先端がカップ部材６１の底面に接するようになっている。

図２に示すように、表カバー３２の右側面縁部には３つの切欠き３２ａが形成され、裏カバー３３の右側面縁部にも３つの切欠き３３ａが形成されている。切欠き３２ａ及び切欠き３３ａは凹部５１に対応する位置に形成され、表カバー３２と裏カバー３３が中ケース３１を挟んだ状態で重ね合わされると、切欠き３２ａ及び切欠き３３ａからなる開口が表カバー３２と裏カバー３３の継ぎ目に形成される。切欠き３２ａ及び切欠き３３ａからなる開口が凹部５１に相対するように形成され、切欠き３２ａ及び切欠き３３ａからなる開口において押釦７０が露出している。また、ゴムシート７５は中ケース３１の右側面と表カバー３２及び裏カバー３３の右側面との間に挟まれた状態とされ、押釦７０が切欠き３２ａ及び切欠き３３ａから抜けないようになっている。なお、ネジ８１が裏カバー３３から中ケース３１を貫通して表カバー３２に螺合することによって、これらのケース３１〜３３が固定されている。

下筐体３の組立手順は次のようになる。中ケース３１の収納凹部３４に回路基板及びキーＦＰＣ３６を順に収納し、キーＦＰＣ３６の折り曲げられた部分３６ａをリブ５３と収納凹部３４の右内面３４ａとの間に挿入し、収納凹部３４をキーシート材３７によって覆う。パッキン材６０をカップ部材６１の突起６１ａを先にして中ケース３１の外側から貫通孔５２に嵌め込み、パッキン材６０のフランジ部６２ａを凹部５１に嵌合させる。押釦７０の軸部７１をパッキン材６０の開口６２ｂに挿入し、パッキン材６０をゴムシート７５によって覆い、ゴムシート７５に形成されている穴７２，７２に、中ケース３１の側面の凹部５１の近傍に形成されている突起５４，５４が差し込まれるようにする。これにより、押釦７０を中ケース３１の側面に仮止めすることができる。表カバー３２と裏カバー３３によって中ケース３１を挟んで表カバー３２と裏カバー３３を重ね合わせ、切欠き３２ａ及び切欠き３３ａにおいて押釦７０を表カバー３２の縁と裏カバー３３の縁の間に上下に挟む。

以上の防水構造においては、ユーザが指で押釦７０を押すとゴムシート７５が弾性変形し、軸部７１によってカップ部材６１の底が押され、カップ部材６１の弾性変形によってドームスイッチ３９が押されるが、パッキン材６０のホルダ６２のフランジ部６２ａが凹部５１の底に係止しているのでパッキン材６０が貫通孔５２から抜けない。一方、ユーザが指を押釦７０から離すと、カップ部材６１及びゴムシート７５の弾性力によって押釦７０が元の位置に戻る。

本実施形態によれば、筒状ホルダ６２に筒状ホルダ６２の一方の開口端及び外周面を覆うようにカップ部材６１を取り付けてなるパッキン材６０を、貫通孔５２に嵌め込むという簡単な構成によって、貫通孔５２における気密性・水密性を高めることができる。更に、カップ部材６１がゴム弾性材であり、カップ部材６１の外周面に凸部６１ｂが形成されているから、防水性が非常に良い。

また、押釦７０は、３つの押釦７０を連結するゴムシート７５に形成されている穴７２，７２と中ケース３１の側面の凹部５１の近傍に形成されている突起５４，５４とによって仮止めされるので、押釦７０を簡単に組み付けることができる。また、ドームスイッチ３９が中ケース３１の内側に設けられているので、配線をケースの外側から内側に引き込むといった従来の作業が必要なく、組立の作業性が良い。

また、貫通孔５２の防水は、カップ部材６１の凸部６１ｂが筒状ホルダ６２の外周面と貫通孔５２内壁との間で圧縮変形して達成される構成であるので、下筐体３の右側側面の厚みを薄くすることができる。

なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態では、筒状ホルダ６２にフランジ部６２を設ける構成であったが、筒状ホルダ６２に代えてカップ部材６１に設ける構成であっても良いし、フランジ部を全く設けない構成であっても良い。また、貫通孔５２の防水は、カップ部材６１が筒状ホルダ６２の外周面と貫通孔５２内壁との間で圧縮変形する構成であれば可能であるので、カップ部材６１において筒状ホルダ６２の外周面に位置する領域の肉厚が十分圧縮変形し得る肉厚であれば、凸部６１ｂをなくすようにしても良い。要は、カップ部材６１の内部に筒状ホルダが入っていれば良い。
また、上記実施形態では電子機器として携帯型電話機１を例に挙げて説明を行ったが、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、腕時計、ＰＤＡ（Personal Digital Assistance）、電子手帳、携帯型無線機、その他の電子機器の側面などに押釦を設ける場合にも本発明を適用しても良い。

携帯型電話機１の斜視図である。下筐体３の分解斜視図である。下筐体３の厚み方向に平行な面IIIに沿った矢視断面図である。押釦７０、ゴムシート７５及びパッキン材６０の斜視図である。押釦７０、ゴムシート７５及びパッキン材６０について図４の反対側を示した斜視図である。

符号の説明

１携帯型電話機１
３下筐体
３１中ケース
３２表カバー
３３裏カバー
３９ドームスイッチ
５１凹部
５２貫通孔
６１カップ部材
６２筒状ホルダ
７０押釦
７１軸部
７５ゴムシート

Claims

ケースに貫通孔が形成され、当該ケースの内側において当該貫通孔に相対する位置に押圧型スイッチが設けられ、カップ形状のカップ部材がその開口を前記ケースの外側とするよう前記貫通孔に嵌め込まれ、押釦から突出した軸部が前記カップ部材の開口に挿入され、
当該押釦をケースの外側からケース内側に向かって押下げた際は、当該押釦の軸部を介して前記カップ部材の先端が前記押圧型スイッチを押圧することでスイッチオンさせる押釦スイッチの防水構造であって、
前記カップ部材は、
当該カップ部材が前記貫通孔に嵌め込まれた際に圧縮変形することで当該カップ部材の外周が前記貫通孔に対して密着される凸部が全周に亘って形成された弾性材からなる椀型のカップ部と、
当該カップ部材が前記貫通孔に嵌め込まれた際に、当該カップ部材が当該貫通孔から前記ケースの内側方向に抜けないように当該貫通孔のケース外側の外周枠部で係止されるフランジが前記開口側に形成された補強材としての筒状ホルダと、が一体部品として構成され、
前記押釦が挿入されるカップ部材により、前記ケース内部の押圧型スイッチに相対する位置に形成された貫通孔を塞ぐと共に、そのカップ部材の先端部で前記押圧型スイッチのスイッチイングを行えるようにしたこと、
を特徴とする押釦スイッチの防水構造。
前記筒状ホルダは、金属製であり、
前記カップ部材は、前記カップ部を前記筒状ホルダに被せることで、インサート成形により一体部品として成型されていること、
を特徴とする請求項１に記載の押釦スイッチの防水構造。
前記筒状ホルダは、硬質樹脂製であり、
前記カップ部材は、前記カップ部を前記筒状ホルダに被せることで、インサート成形あるいは２色成型により一体部品として成型されていること、
を特徴とする請求項１に記載の押釦スイッチの防水構造。
前記貫通孔のケース外側の外周枠部には凹部が形成され、当該凹部に前記フランジが嵌め込まれて前記凹部の底に前記フランジが係止されること、
を特徴とする請求項１に記載の押釦スイッチの防水構造。
前記押釦の外周にはフランジ状に突出した弾性シートが設けられ、前記ケースがカバーによって覆われ、前記カバーに形成された開口に前記押釦が露出し、前記ケースと前記カバーとの間に弾性シートが挟まれていること、
を特徴とする請求項１に記載の押釦スイッチの防水構造。
前記請求項１の押釦スイッチの防水構造を備えること、
を特徴とする電子機器。