JP6306222B1 - 乗客コンベア - Google Patents

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Abstract

【課題】建築物に生じる層間変位を無理なく吸収することができ、トラスに過大な圧縮力が作用するのを回避できる乗客コンベアを得ることにある。【解決手段】乗客コンベアは、トラスと、トラスの一端部に固定された第1のトラス支持アングルと、トラスの他端部に固定された第2のトラス支持アングルと、少なくとも第1のトラス支持アングルと第1のアングル支持台との間を相対的に回動可能に連結する連結機構と、を備えている。連結機構は、第1のアングル支持台の上に固定された受け座と、第1のトラス支持アングルと受け座との間に回動可能に架け渡された軸部材と、を含む。軸部材は、軸方向に分割された複数の軸要素と、隣り合う軸要素の間を同軸状に結合する結合部とで構成されている。結合部は、軸要素よりも機械的強度が小さい。【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、エスカレータあるいは移動歩道のような乗客コンベアに関する。
乗客コンベアの一例であるエスカレータは、建屋の下階のフロアと上階のフロアとの間に跨るトラスと、トラスに沿って無端状に走行する多数の踏段と、を主要な要素として備えている。
この種のエスカレータでは、例えば地震によって下階のフロアと上階のフロアとの間に層間変位が生じた時に、層間変位に伴う過大な圧縮力がトラスに作用するのを防ぐ耐震化が推し進められている。
具体的には、フロアを支える梁等の支持材とトラスの端部との間に十分な隙間を設けたり、トラスの端部に固定されたトラス支持アングルと支持材の上に固定されたアングル支持台との間に十分な「かかり代」を確保することが行なわれている。これにより、トラスの端部が地震発生時の層間変位に対し支承なく追従し、トラスに圧縮力が作用するのを回避できる。
特開2015−78021号公報
しかしながら、極めて稀に発生する大規模地震となると、層間変位量が中規模地震あるいは小規模地震とは比較にならない程に増大する。このため、大規模地震が発生した場合、トラスの端部が層間変位に追従しきれなくなり、トラスに予期せぬ過大な圧縮力が作用することがあり得る。
本発明の目的は、建築物に生じる層間変位を無理なく吸収することができ、トラスに過大な圧縮力が作用するのを回避できるとともに、トラスの落下を防止できる乗客コンベアを得ることにある。
実施形態によれば、乗客コンベアは、建築物が有する第1の床面と第2の床面との間に架け渡されたトラスと、前記トラスの長手方向に沿う一方の端部に固定され、前記建築物に設けられた第1のアングル支持台の上に予め決められた「かかり代」を有して載置された第1のトラス支持アングルと、前記トラスの長手方向に沿う他方の端部に固定され、前記建築物に設けられた第2のアングル支持台の上に予め決められた「かかり代」を有して載置された第2のトラス支持アングルと、少なくとも前記第1のトラス支持アングルと前記第1のアングル支持台との間を相対的に回動可能に連結する連結機構と、を備え、前記トラスの前記一方の端部と前記建築物との間、および前記トラスの前記他方の端部と前記建築物との間に夫々層間変位を吸収する隙間が設けられている。
前記連結機構は、前記第1のアングル支持台の上に固定され、前記トラスの長手方向に延びる逃げ溝が形成された上面を有する受け座と、前記第1のトラス支持アングルと前記受け座との間に回動可能に架け渡され、前記逃げ溝を貫通する軸部材と、を含む。
前記軸部材は、軸方向に分割された複数の軸要素と、隣り合う軸要素の間を同軸状に結合する結合部と、で構成され、前記結合部は、前記軸要素よりも機械的強度が小さいとともに、前記受け座の前記逃げ溝内に位置され、前記第1のトラス支持アングルと前記第1のアングル支持台との間に予め決められた値を上回る大きさの荷重が作用した状態では、前記軸部材が前記結合部の箇所で折損することで、前記第1のトラス支持アングルおよび前記第1のアングル支持台が前記トラスの長手方向に相対的に変位可能となる。
さらに、前記受け座は、前記逃げ溝の前記トラスの側の端部を閉塞する障壁部を有し、当該障壁部が前記トラスの側から前記軸部材と向かい合う。
第1の実施形態において、エスカレータの初期据え付け時の状態を示す側面図である。 第1の実施形態に係るエスカレータの半固定部の構造を示す平面図である。 第1の実施形態に係るエスカレータの半固定部の構造を示す断面図である。 図3のF4−F4線に沿う断面図である。 図4のF5の箇所を拡大して示す断面図である。 図4の矢印F6の方向から見た平面図である。 図4の矢印F7の方向から見た側面図である。 第1の実施形態において、第1のトラス支持アングルと第1のアングル支持台との間を連結する連結機構を分解して示す断面図である。 第1の実施形態で用いる受け座の平面図である。 大規模地震により第2の床面が第1の床面に近づくX方向に変位した時のトラス、第1のアングル支持台および第2のアングル支持台の相対的な位置関係を示すエスカレータの側面図である。 大規模地震により第2の床面が第1の床面から遠ざかる−X方向に変位した時のトラス、第1のアングル支持台および第2のアングル支持台の相対的な位置関係を示すエスカレータの側面図である。 大規模地震によりトラスが第2の床面に近づく−X方向に変位した時のトラス、第1のアングル支持台および第2のアングル支持台の相対的な位置関係を示すエスカレータの側面図である。 大規模地震に伴う層間変位により第1のトラス支持アングルが第1のアングル支持台から外れた状態を示すエスカレータの側面図である。 (A)は、第1の実施形態の変形例1で用いるピボット軸を一部断面で示す側面図である。(B)は、第1の実施形態の変形例1で用いるピボット軸の平面図である。 (A)は、第1の実施形態の変形例2で用いるピボット軸を一部断面で示す側面図である。(B)は、第1の実施形態の変形例2で用いるピボット軸の平面図である。 第1の実施形態の変形例3で用いる留め具の平面図である。 (A)は、第1の実施形態の変形例4で用いるピボット軸を一部断面で示す側面図である。(B)は、図17(A)のF17B−F17B線に沿う断面図である。 第2の実施形態に係る連結機構を示す断面図である。 図18のF19の箇所を拡大して示す断面図である。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図13を参照して説明する。
図1は、乗客コンベアの一例であるエスカレータ1を開示している。エスカレータ1は、例えば商業施設あるいは交通機関のターミナルのような建築物2に据え付けられている。
エスカレータ1は、基礎構造体としてのトラス3を備えている。トラス3は、建築物2の上階のフロアを構成する第1の床面4と下階のフロアを構成する第2の床面5との間に架け渡されている。トラス3は、上側主弦部6、下側主弦部7および複数の縦桟8をボルトや溶接で結合した骨組み構造体であって、上階側水平部10a、下階側水平部10bおよび傾斜部10cを備えている。
上階側水平部10aは、第1の床面4に連続するようにトラス3の長手方向に沿う一方の端部に位置されている。下階側水平部10bは、第2の床面5に連続するようにトラス3の長手方向に沿う他方の端部に位置されている。傾斜部10cは、上階側水平部10aと下階側水平部10bとの間を結んでいる。
図1に示すように、駆動装置11がトラス3の上階側水平部10aに支持されている。駆動装置11は、モータ12、駆動スプロケット13および駆動チェーン14を有している。モータ12が出力するトルクは、駆動チェーン14を介して駆動スプロケット13に伝達される。
従動スプロケット15がトラス3の下階側水平部10bに支持されている。踏段チェーン16が駆動スプロケット13と従動スプロケット15との間に巻き掛けられている。踏段チェーン16は、駆動スプロケット13がモータ12からのトルクを受けて回転した時に、トラス3の内部を無端状に走行するようになっている。
複数の踏段17が踏段チェーン16に等間隔で連結されている。踏段17は、不特定多数の乗客が乗り込む要素であって、踏段チェーン16と一緒に走行する。これにより、踏段17に乗り込んだ乗客が上階のフロアから下階のフロア又は下階のフロアから上階のフロアに向けて搬送される。
図1に示すように、トラス3の右側部および左側部には、夫々欄干18(一方のみを図示)が設けられている。欄干18は、トラス3の右側部および左側部から立ち上がるとともに、トラス3の全長に亘って延びている。
手摺りベルト19が欄干18の外周部に装着されている。手摺りベルト19は、踏段17に乗り込んだ乗客が手で掴まる要素であって、踏段17と同期して無端状に走行するようになっている。
図1に示すように、第1のトラス支持アングル21がトラス3の上階側水平部10aの先端部に固定されている。第1のトラス支持アングル21は、上階側水平部10aの先端部からトラス3の長手方向に沿って水平に突出された水平部21aを有している。水平部21aは、第1の床面4を支える梁のような支持材22の上に張り出している。支持材22の端面とトラス3の上階側水平部10aの先端部との間には、トラス3の長手方向および幅方向に沿う層間変位を吸収するための第1の隙間L1が設けられている。
第2のトラス支持アングル23がトラス3の下階側水平部10bの先端部に固定されている。第2のトラス支持アングル23は、下階側水平部10bの先端部からトラス3の長手方向に沿って水平に突出された水平部23aを有している。水平部23aは、第2の床面5を支える梁のような支持材24の上に張り出している。支持材24の端面とトラス3の下階側水平部10bの先端部との間には、層間変位を吸収するための第2の隙間L2が設けられている。
図1に示すように、第1のトラス支持アングル21は、支持材22の上に固定された第1のアングル支持台25によって支持されている。第2のトラス支持アングル23は、支持材24の上に固定された第2のアングル支持台26によって支持されている。
本実施形態では、第1のトラス支持アングル21は、第1のアングル支持台25と協働して所謂半固定部Aを構成している。半固定部Aとは、小規模地震あるいは中規模地震では、第1のトラス支持アングル21を第1のアングル支持台25に対しトラス3の長手方向に移動不能に固定し、極めて稀に発生する大規模地震では、第1のトラス支持アングル21を第1のアングル支持台25に対し自由に移動可能な状態に保持する構造を有している。
第2のトラス支持アングル23は、第2のアングル支持台26と協働して所謂非固定部Bを構成している。非固定部Bとは、地震の規模に拘らず、第2のトラス支持アングル23を第2のアングル支持台26に対しトラス3の長手方向および幅方向に自由に移動可能な状態に保持する構造を有している。
本実施形態によると、トラス3の長手方向に沿う第1のトラス支持アングル21の水平部21aの長さS1は、トラス3の長手方向に沿う第2のトラス支持アングル23の水平部23aの長さS2よりも格段に短くなっている。
さらに、第1のトラス支持アングル21の水平部21aは、トラス3の長手方向に沿う十分な「かかり代」M1を有して第1のアングル支持台25の上に載置されている。同様に、第2のトラス支持アングル23の水平部23aは、トラス3の長手方向に沿う十分な「かかり代」M2を有して第2のアングル支持台26の上に載置されている。
「かかり代」M2は、前記第1の隙間L1に前記第2の隙間L2を加えた値よりも長くすることが望ましい。このため、第2のトラス支持アングル23の水平部23aの長さS2は、第1のトラス支持アングル21の水平部21aの長さS1を上回っている。言い換えると、第1のトラス支持アングル21の水平部21aの長さS1は、第2のトラス支持アングル23の水平部23aの長さS2よりも短い。
図2および図3に示すように、半固定部Aを構成する第1のアングル支持台25は、ベース27および一対のガイド板28a,28bを有している。ベース27は、トラス3の幅方向に延びる細長い板状の要素であって、支持材22に上に溶接等の手段で固定されている。
一対のガイド板28a,28bは、夫々トラス3の幅方向に延びる細長い四角い形状を有している。ガイド板28a,28bは、ベース27の上にトラス3の幅方向に互いに間隔を存して配置されている。
具体的に述べると、一方のガイド板28aは、第1の床面4の側から見てベース27と第1のトラス支持アングル21の水平部21aの右端部との間に介在されている。一方のガイド板28aは、第1の床面4の側から見て水平部21aの右側方および第1の床面4に向けて張り出す外周部を有し、当該外周部の縁がベース27の上面に連続して溶接されている。
図2の中の符号W1は、一方のガイド板28aの外周部の縁に沿って形成された溶接ビードを示している。溶接ビードW1は、トラス3の長手方向および幅方向に沿うように連続して延びている。これにより、一方のガイド板28aは、トラス3の長手方向および幅方向のいずれの方向にも動かないようにベース27の上に強固に固定されている。
同様に、他方のガイド板28bは、第1の床面4の側から見てベース27と第1のトラス支持アングル21の水平部21aの左端部との間に介在されている。他方のガイド板28bは、第1の床面4の側から見て水平部21aの左側方および第1の床面4に向けて張り出す外周部を有し、当該外周部の縁がベース27の上面に連続して溶接されている。
図2の中の符号W2は、他方のガイド板28bの外周部の縁に沿って形成された溶接ビードを示している。これにより、他方のガイド板28bは、トラス3の長手方向および幅方向のいずれの方向にも動かないようにベース27の上に強固に固定されている。
各ガイド板28a,28bは、夫々ストッパ30a,30bを有している。ストッパ30aは、第1の床面4の側から見て一方のガイド板28aの右端部に位置されるとともに、ベース27の上で垂直に起立されている。ストッパ30aは、第1の床面4の側から見た時に、第1のトラス支持アングル21の水平部21aの右側縁に沿って延びている。
ストッパ30bは、第1の床面4の側から見て他方のガイド板28bの左端部に位置されるとともに、ベース27の上で垂直に起立されている。ストッパ30bは、第1の床面4の側から見た時に、第1のトラス支持アングル21の水平部21aの左側縁に沿って延びている。
第1のトラス支持アングル21を第1の床面4の側から見た状態では、ストッパ30aと第1のトラス支持アングル21の水平部21aの右側縁との間、およびストッパ30bと第1のトラス支持アングル21の水平部21aの左側縁との間に、夫々第1のトラス支持アングル21の移動を許容する間隙V1,V2が形成されている。
図2および図3に示すように、第1のトラス支持アングル21の水平部21aとガイド板28a,28bとの間に夫々高さ調整用のスペーサ32が介在されている。スペーサ32は、摺動板33および複数のシムプレート34を有している。
摺動板33は、ガイド板28a,28bの上に摺動可能に重ねられている。シムプレート34は、第1のトラス支持アングル21の水平部21aと摺動板33との間に介在されている。さらに、複数の調整ボルト35が第1のトラス支持アングル21の水平部21aおよびシムプレート34を貫通して摺動板33にねじ込まれている。水平部21aの上に突出された調整ボルト35の中間部には、水平部21aの上面に突き当たるナット36がねじ込まれている。
このねじ込みにより、摺動板33およびシムプレート34が第1のトラス支持アングル21の水平部21aとガイド板28a,28bとの間で挟持されるとともに、調整ボルト35の緩み止めがなされている。
本実施形態では、シムプレート34の枚数を増減したり、あるいは厚さが異なるシムプレート34を選択することで、ベース27に対する第1のトラス支持アングル21の高さ方向の位置を微調整することが可能となる。
図2ないし図7に示すように、連結機構40が第1のトラス支持アングル21の水平部21aと第1のアングル支持台25のベース27との間に介在されている。連結機構40は、第1のトラス支持アングル21の幅方向に沿う中央に位置するように一対のガイド板28a,28bの間に配置されている。
連結機構40は、受け座41、ピボット軸42、カラー43および蓋44を主要な要素として備えている。図4ないし図9に示すように、受け座41は、フラットな上面41aを有する四角い板で構成され、第1のトラス支持アングル21の水平部21aとベース27との間に位置されている。
受け座41は、第1の部分45aおよび第2の部分45bを有している。第1の部分45aは、第1のトラス支持アングル21の水平部21aと第1のアングル支持台25のベース27との間に介在されている。第1の部分45aでは、受け座41の上面41aが第1のトラス支持アングル21の水平部21aに摺動可能に重ね合わされている。
第2の部分45bは、第1のトラス支持アングル21の水平部21aの先端からトラス3の反対側に張り出している。第2の部分45bは、ベース27の上で起立した先端面45cを有している。
本実施形態によると、受け座41の外周縁がベース27の上面に連続して溶接されている。図2の中の符号W3は、受け座41の外周縁に沿って形成された溶接ビードを示している。溶接ビードW3は、トラス3の長手方向および幅方向に延びている。これにより、受け座41は、トラス3の長手方向および幅方向のいずれの方向にも動かないようにベース27の上に固定されている。
図4ないし図9に示すように、受け座41は、スリット状の逃げ溝46を有している。逃げ溝46は、受け座41の第1の部分45aから第2の部分45bに向けてトラス3の長手方向に真っ直ぐに延びている。さらに、逃げ溝46は、受け座41の上面41aおよび第2の部分45bの先端面45cの中央部に連続して開口されている。逃げ溝46の溝深さdは、受け座41の板厚の半分程度に設定されている。言い換えると、逃げ溝46は、受け座41を厚さ方向に貫通していない。
逃げ溝46は、第1のトラス支持アングル21の水平部21aにより上方から覆われている。逃げ溝46は、第1のトラス支持アングル21の水平部21aと協働してトラス3の長手方向に延びる細長い空間47を規定している。
逃げ溝46のトラス3の側の端部は、受け座41が有する障壁部48で閉塞されている。さらに、逃げ溝46の底に円形の嵌合孔49が形成されている。嵌合孔49は、逃げ溝46の長手方向に沿う中間部よりも障壁部48の側に大きく片寄った位置に開口されているとともに、その開口下端がベース27によって閉じられている。嵌合孔49の直径D1は、逃げ溝46の溝幅Rよりも小さい。
ピボット軸42は、軸部材の一例であって、例えば鉄のような金属材料で構成されている。ピボット軸42は、第1のトラス支持アングル21の水平部21aと受け座41との間に跨るように垂直に起立されている。ピボット軸42の上端部は、水平部21aの中央部に開けた貫通孔50に挿入されている。貫通孔50の直径D2は、ピボット軸42の上端部の外径D3よりも大きい。
一方、ピボット軸42の下端部は、受け座41の嵌合孔49に軸回り方向に回動可能に嵌合されている。ピボット軸42が逃げ溝46を貫通する部分では、ピボット軸42の外周面が逃げ溝46の側面から離れている。
さらに、ピボット軸42の下端面は、ベース27の上面に摺動可能に突き当たっている。すなわち、ベース27は、ピボット軸42を下方から支えることで、ピボット軸42が受け座41から脱落するのを防いでいる。
図4および図5に示すように、本実施形態のピボット軸42は、軸方向に分割された一対の軸要素51a,51bと、軸要素51a,51bの間を同軸状に連結する結合部52と、で構成されている。軸要素51a,51bは、夫々円柱状であるとともに、軸方向から突き合わされるフラットな端面51c,51dを有している。一方の軸要素51aは、ピボット軸42の上半分を形成する構造物であり、他方の軸要素51bは、ピボット軸42の下半分を形成する構造物である。
結合部52は、例えば一方の軸要素51aの端面51cと、他方の軸要素51bの端面51dとの間に充填された接着剤層によって構成されている。接着剤層は、硬化した状態において端面51c,51dの間から食み出した外周部52aを有している。外周部52aは、軸要素51a,51bの外周面よりも軸要素51a,51bの径方向に沿う外側に向けて張り出している。
そのため、ピボット軸42の最大外径は、結合部52の外周部52aの直径によって規定されている。ピボット軸42の最大外径は、貫通孔50の直径D2および逃げ溝46の溝幅Rよりも小さい。
この結果、結合部52の外周部52aが軸要素51a,51bの外周面から外側に張り出していても、ピボット軸42を貫通孔50を通じて第1のトラス支持アングル21の水平部21aと受け座41との間に架け渡すことができる。
加えて、接着剤層で構成された結合部52は、金属製の軸要素51a,51bに比べて破壊強度のような機械的強度が遥かに小さい。このため、結合部52は、ピボット軸42の軸方向に沿う中間部に折損予定部57を規定している。折損予定部57は、第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25との間の境界付近に位置されている。
図4、図5および図7に示すように、ピボット軸42を第1のトラス支持アングル21の水平部21aと受け座41との間に架け渡した状態では、結合部52が逃げ溝46に入り込んでいる。ピボット軸42の結合部52は、逃げ溝46の深さ方向に沿う中間に位置するように空間47に収容されている。このため、一方の軸要素51aの下端部および他方の軸要素51bの上端部は、夫々空間47に露出されている。
カラー43は、筒体の一例である。カラー43は、ピボット軸42を第1のトラス支持アングル21の水平部21aと受け座41との間に架け渡した状態において、貫通孔50の内側に挿入されている。カラー43は、貫通孔50の内周面とピボット軸42を構成する一方の軸要素51aの外周面との間の隙間を埋めている。このため、ピボット軸42は、カラー43を介して第1のトラス支持アングル21の貫通孔50の内側に同軸状に保持されている。
蓋44は、貫通孔50よりも径が大きい円盤状の要素である。蓋44は、貫通孔50を塞ぐように第1のトラス支持アングル21の水平部21aの上面に重ねられているとともに、蓋44の外周部が複数のボルト56で水平部21aの上面に固定されている。
この結果、第1のトラス支持アングル21の水平部21aと受け座41との間に架け渡されたピボット軸42は、蓋44とベース27の上面との間で挟持されている。
本実施形態において、例えば地震により第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25との間にトラス3の長手方向に沿う相対的な移動が生じると、ピボット軸42にせん断荷重が作用する。せん断荷重がピボット軸42の結合部52の機械的強度を上回ると、ピボット軸42が結合部52の箇所で折れる。
この結果、ピボット軸42の軸要素51a,51bが互いに分離され、ピボット軸42による第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25との連結が解除される。
以上のような構成を有するエスカレータ1において、例えば地震により建築物2の第1の床面4と第2の床面5との間にトラス3の幅方向に沿う層間変位が生じた場合、起立したピボット軸42を中心として、トラス3の上階側水平部10aに固定された第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25とが相対的に回動する。
この回動により、トラス3の幅方向に沿う層間変位量を吸収することができ、トラス3に過大な外力が作用するのを回避できる。
トラス3の幅方向に沿う層間変位に伴い、第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25との間の相対的な回動範囲が上限を上回ると、ガイド板28a,28bのストッパ30a,30bのいずれか一方が第1のトラス支持アングル21の水平部21aに突き当たる。これにより、第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25との相対的な回動が制限され、第1のトラス支持アングル21が建築物2に衝突するのを回避できる。
一方、建築物2の第1の床面4と第2の床面5との間にトラス3の長手方向に沿う層間変位が生じた場合、小規模地震又は中規模地震では、非固定部Bを構成する第2のトラス支持アングル23と第2のアングル支持台26とがトラス3の長手方向に沿って相対的に移動する。この移動により、トラス3の長手方向に沿う層間変位量を吸収することができ、トラス3に過大な圧縮力が作用するのを回避できる。
これに対し、極めて稀に発生する大規模地震にあっては、層間変位量が小規模地震又は中規模地震とは比較にならない程に増大する。このため、半固定部Aと非固定部Bとの間の距離が大きく縮まるのを避けられず、非固定部Bだけでは層間変位量を吸収することが困難となる。
本実施形態によると、半固定部Aと非固定部Bとの間の距離が大きく縮まることで、トラス3の第1のトラス支持アングル21が第1の床面4に近づく方向に強く押圧された場合、当該押圧力がピボット軸42に伝わる。
ピボット軸42は、第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25との間に跨るように起立されているとともに、折損予定部57としての結合部52が第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25との境界付近に位置されている。
このため、ピボット軸42が第1の床面4の方向に強く押されると、軸要素51a,51bおよび当該軸要素51a,51bよりも機械的強度が小さい結合部52にせん断荷重が作用する。せん断荷重が結合部52の機械的強度を上回ると、ピボット軸42が結合部52の箇所で折れる。
これにより、第1のトラス支持アングル21に固定された一方の軸要素51aと、受け座41に嵌合された他方の軸要素51bとが互いに分離され、一方の軸要素51aが逃げ溝46に沿うように受け座41の障壁部48から遠ざかる方向に移動する。
この結果、第1のトラス支持アングル21が第1の隙間L1に相当する分だけ一方の軸要素51aと一緒に第1の床面4に近づく方向に移動し、トラス3の長手方向に沿う層間変位量を吸収する。
したがって、大規模地震発生時においても、トラス3に過大な圧縮力が作用するのを回避でき、トラス3の座屈あるいは第1のトラス支持アングル21および第1のアングル支持台25の破損を防止することができる。
次に、大規模地震が発生した時のトラス3、第1のアングル支持台25および第2のアングル支持台26の相対的な位置関係について、図10ないし図13を加えて説明する。
エスカレータ1の初期据え付け時にあっては、図1に示すように、第1の床面4を支える支持材22の端面とトラス3の上階側水平部10aの先端部との間に第1の隙間L1が設けられている。同様に、第2の床面5を支える支持材24の端面とトラス3の下階側水平部10bの先端部との間に第2の隙間L2が設けられている。
さらに、第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25とで構成される半固定部Aにおいては、ピボット軸42が第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25の上の受け座41との間に架け渡されている。したがって、トラス3の非固定部Bでは、トラス3の長手方向に沿う第2のトラス支持アングル23の変位が拘束されていないのに対し、半固定部Aでは、トラス3の長手方向に沿う第1のトラス支持アングル21の変位がピボット軸42によって拘束された状態にある。
図10は、例えば大規模地震により第2の床面5が第1の床面4に近づくX方向に第1の隙間L1および第2の隙間L2の分だけ相対的に変位した状態を示している。すなわち、第2の床面5のX方向への変位量は、L1+L2となる。
大規模地震が発生すると、トラス3の非固定部Bでは、第2のトラス支持アングル23と第2のアングル支持台26とがトラス3の長手方向に相対的に移動することで、トラス3の長手方向に沿う層間変位量を吸収する。
一方、トラス3の半固定部Aでは、既に述べたように第1のトラス支持アングル21がピボット軸42と一緒に第1の床面4に近づく方向に押圧される。これにより、ピボット軸42にせん断荷重が加わり、ピボット軸42が折損予定部57としての結合部52で折れる。
この結果、第1のアングル支持台25に対する第1のトラス支持アングル21の固定が解除され、第1のトラス支持アングル21が第1の隙間L1を吸収するように移動する。よって、トラス3に圧縮力が作用するのを回避できる。
図11は、図10の状態から第2の床面5が第1の床面4から遠ざかる−X方向に変位し、トラス3が第1の床面4と第2の床面5との間で第1の床面4の側に大きく片寄った状態を示している。
この状態では、第2のトラス支持アングル23と第2のアングル支持台26とがトラス3の長手方向に相対的に移動することで、トラス3の長手方向に沿う層間変位量を吸収する。さらに、トラス3が第1の床面4の側に大きく片寄っていても、第2のトラス支持アングル23は、第2のアングル支持台26の上に引っ掛かった状態を維持している。
図12は、トラス3が図11の状態から第2の床面5の方向に変位した状態を示している。図12に示すように、第1のトラス支持アングル21は、トラス3の動きに追従して第1の床面4から遠ざかる方向に移動する。このため、第1のトラス支持アングル21の水平部21aに固定された一方の軸要素51aにしても、トラス3の動きに追従して逃げ溝46内を第1の床面4から遠ざかる方向に移動する。
一方の軸要素51aの下端部は、逃げ溝46内に入り込んでいるので、当該軸要素51aが第1の床面4から遠ざかる方向に移動すると、一方の軸要素51aの下端部が受け座41の障壁部48に突き当たる。すなわち、受け座41の障壁部48が一方の軸要素51aの動きを拘束する。
一方、図13は、第1のトラス支持アングル21がトラス3の動きに追従して第1の床面4から遠ざかる方向に自由に移動可能な比較例を示している。比較例によると、エスカレータ1のトラス3が図12の状態から第2の床面5の側に変位すると、トラス3の動きに追従して第1のトラス支持アングル21が第1の床面4から遠ざかる方向に移動する。
しかしながら、比較例では、第1の床面4から遠ざかる方向への第1のトラス支持アングル21の動きを拘束することができない。このため、第1の床面4と第2の床面5との間の層間変位量が増大すると、第1のトラス支持アングル21の水平部21aが第1のアングル支持台25から外れる。この結果、図13に矢印で示すように、エスカレータ1が落下する。
これに対し、本実施形態の連結機構40によると、ピボット軸42が折れた状態では、トラス3が第1の床面4に近づく方向への軸要素51aの移動を許容し、トラス3が初期の据え付け位置を超えて第2の床面5に近づく方向への軸要素51aの移動を拘束するように構成されている。
具体的には、エスカレータ1の初期据え付け時においては、第1のアングル支持台25に溶接された受け座41の障壁部48がトラス3の側からピボット軸42の外周面と向かい合っている。
このため、図12に示すように、第2の床面5が第1の床面4から遠ざかる−X方向に層間変位した状態において、トラス3が第1の床面4の側から第2の床面5に向けて変位しようとしても、受け座41の障壁部48が第1のトラス支持アングル21に追従する軸要素51aの動きを拘束する。
この結果、エスカレータ1の耐震化が強化され、エスカレータ1の落下を未然に防止することができる。
さらに、受け座41の障壁部48が軸要素51aの動きを拘束するので、第1のアングル支持台25に対する第1のトラス支持アングル21の「かかり代」を短くできる。したがって、第1のトラス支持アングル21の水平部21aの長さS1を短縮することができ、第1のトラス支持アングル21の小形化および軽量化が可能となる。
ピボット軸42の結合部52は、接着剤層に特定されるものではなく、例えば、ろう付け、拡散接合、固相拡散接合、液相拡散接合、あるいは抵抗溶接、圧接接合、鍛接および摩擦圧接のような圧接接合により形成してもよい。
[第1の実施形態の変形例1]
図14は、ピボット軸42の変形例1を開示している。変形例1によると、一方の軸要素51aの端面51cと他方の軸要素51bの端面51dとが互いに密着するように同軸状に突き合わされている。
軸要素51a,51bは、端面51c,51dの外周縁を溶接することで一体的に結合されている。変形例1では、軸要素51a,51bの突き合わせ部分の外周面に、軸要素51a,51bの間に跨る複数の溶接ビード61が形成されている。溶接ビード61は、スポット的な形状を有するとともに、ピボット軸42の周方向に間隔を存して並んでいる。このため、変形例1では、複数の溶接ビード61が軸要素51a,51bの間を結合する結合部62を規定している。
スポット的な溶接ビード61で規定された結合部62は、軸要素51a,51bに比べて機械的強度が小さい。このため、結合部62は、軸要素51a,51bの突き合わせ部分に折損予定部63を規定している。折損予定部63は、ピボット軸42の軸方向に沿う中間部に位置されている。
さらに、溶接ビード61は、軸要素51a,51bの外周面から張り出している。このため、ピボット軸42を第1のトラス支持アングル21と受け座41との間に架け渡した状態では、前記第1の実施形態と同様に、溶接ビード61が受け座41の逃げ溝46内に入り込むようになっている。
変形例1によると、ピボット軸42に作用するせん断荷重が溶接ビード61の機械的強度を上回った時に、溶接ビード61が破損し、ピボット軸42が折損予定部63の箇所で折れる。これにより、軸要素51a,51bが互いに分離される。
[第1の実施形態の変形例2]
図15は、ピボット軸42の変形例2を開示している。変形例2によると、一方の軸要素51aの端面51cと他方の軸要素51bの端面51dとが互いに密着するように同軸状に突き合わされている。
ピボット軸42は、一対の軸要素51a,51bの他に、金属製の留め具71を備えている。留め具71は、ピボット軸42の軸方向に延びる円環状の要素であって、軸要素51a,51bの突き合わせ部分を同軸状に取り囲むように軸要素51a,51bの外周面に嵌合されている。留め具71は、例えば接着、溶接あるいはろう付け等の手段により軸要素51a,51bに固定されている。このため、変形例2では、留め具71が軸要素51a,51bの間を結合する結合部72を規定している。
円環状の留め具71は、軸要素51a,51bに比べて機械的強度が小さい。このため、結合部72は、軸要素51a,51bの突き合わせ部分に折損予定部73を規定している。折損予定部73は、ピボット軸42の軸方向に沿う中間部に位置されている。
さらに、留め具71は、軸要素51a,51bの外周面から張り出している。このため、ピボット軸42を第1のトラス支持アングル21と受け座41との間に架け渡した状態では、前記第1の実施形態と同様に、留め具71が受け座41の逃げ溝46内に入り込むようになっている。
変形例2によると、ピボット軸42に作用するせん断荷重が留め具71の機械的強度を上回った時に、留め具71が歪むように変形する。変形した留め具71は、やがて破断し、ピボット軸42が折損予定部73の箇所で折れる。これにより、軸要素51a,51bが互いに分離される。
[第1の実施形態の変形例3]
図16は、円環状の留め具71の他の形態を開示している。留め具71は、一対の分断予定部81a,81bを有している。分断予定部81a,81bは、例えば留め具71の外周面を鋭角に切り欠いた形状を有している。分断予定部81a,81bは、留め具71の径方向に互いに向かい合うとともに、留め具71の全長に亘って延びている。
変形例3によると、留め具71の分断予定部81a,81bでは、その他の部位に比べて肉厚が減じられているので、留め具71のその他の部位よりも機械的強度がより一層低くなっている。このため、ピボット軸42に作用するせん断荷重が留め具71の機械的強度を上回ると、留め具71が分断予定部81a,81bの箇所で断ち切られ、留め具71そのものが破断し易くなる。
[第1の実施形態の変形例4]
図17は、ピボット軸42の変形例4を開示している。変形例4では、一方の軸要素51aの端面51c側の端部に、半周に亘って切り欠かれた第1の係合部91が形成されている。第1の係合部91は、軸要素51aの軸方向に延びた第1の平面91aと、第1の平面91aと直交する方向に延びた第2の平面91bと、を有している。第2の平面91bは、一方の軸要素51aの軸方向に沿う中間部に位置されている。
さらに、他方の軸要素51bの端面51d側の端部に、半周に亘って切り欠かれた第2の係合部92が形成されている。第2の係合部92は、軸要素51bの軸方向に延びた第3の平面92aと、第3の平面92aと直交する方向に延びた第4の平面92bと、を有している。第4の平面92bは、他方の軸要素51bの軸方向に沿う中間部に位置されている。
そのため、一方の軸要素51aの第1の係合部91と、他方の軸要素51bの第2の係合部92とは、線対称となる形状を有し、ピボット軸42の径方向から互いに噛み合うようなっている。
第1の係合部91と第2の係合部92とを噛み合わせた状態では、第1の平面91aと第3の平面92aとが密着する。さらに、一方の軸要素51aの端面51cが第2の係合部92の第4の平面92bに密着し、他方の軸要素51bの端面51dが第1の係合部91の第2の平面91bに密着する。これにより、一対の軸要素51a,51bが同軸状に位置合わせされる。
図17に示すように、円環状の留め具71は、互いに噛み合う第1の係合部91および第2の係合部92を取り囲んだ状態で軸要素51a,51bの外周面に嵌合されている。留め具71は、例えば接着、溶接あるいはろう付け等の手段により軸要素51a,51bに固定されている。
このため、変形例4においても、前記変形例2と同様に留め具71が軸要素51a,51bの間を結合する結合部72を構成している。結合部72は、第1の係合部91と第2の係合部92との噛み合い部分に折損予定部93を規定している。折損予定部93は、ピボット軸42の軸方向に沿う中間部に位置されている。
変形例4によると、留め具71は、互いに噛み合う第1の係合部91および第2の係合部92を取り囲んでいるので、留め具71の半周部分が一方の軸要素51aの外周面に接触し、残りの半周部分が他方の軸要素51bの外周面に接している。
このため、軸要素51a,51bから留め具71にせん断荷重が作用した状態では、留め具71の全体に亘って均一な引っ張り応力が作用する。よって、留め具71に加わるせん断荷重が留め具71の機械的強度を上回ると、留め具71が破断し、ピボット軸42が折損予定部93の箇所で折れる。これにより、軸要素51a,51bが互いに分離される。
[第2の実施形態]
図18および図19は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、連結機構40に関する事項が第1の実施形態と相違している。それ以外の構成は、第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図18に示すように、連結機構40の受け座41は、前記第1の実施形態の逃げ溝46に相当する要素を有しておらず、当該受け座41の上面41aに嵌合孔49が開口されている。さらに、ピボット軸42を構成する一方の軸要素51aは、他方の軸要素51bよりも全長が短い。具体的には、一方の軸要素51aは、第1のトラス支持アングル21の貫通孔50の内側に収まるような全長を有している。
これに伴い、貫通孔50と一方の軸要素51aとの間の隙間を埋めるカラー43にしても、その全長が貫通孔50の長さよりも短く設定されている。そのため、図19に示すように、カラー43の下端面は、受け座41の上面41aから離れており、これらカラー43の下端面と受け座41の上面41aとの間に逃げ空間100が確保されている。
ピボット軸42の結合部52は、前記逃げ空間100に収まっている。したがって、軸要素51a,51bよりも機械的強度が小さい結合部52は、丁度第1のトラス支持アングル21の水平部21aと受け座41との境界に位置されている。
第2の実施形態において、例えば地震により第1のトラス支持アングル21と第1のアングル支持台25に固定された受け座41との間にトラス3の長手方向に沿う相対的な移動が生じると、ピボット軸42にせん断荷重が作用する。せん断荷重が結合部52の機械的強度を上回ると、ピボット軸42が結合部52の箇所で折れる。
これにより、第1のトラス支持アングル21に固定された一方の軸要素51aと、受け座41に嵌合された他方の軸要素51bとが互いに分離され、前記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
第2の実施形態では、ピボット軸42が第1のトラス支持アングル21の水平部21aと受け座41との境界で折れる。このため、ピボット軸42が折れた状態では、第1の床面4から遠ざかる方向への第1のトラス支持アングル21の自由な動きを拘束することができない。
そのため、例えば大規模地震発生時において、第1のトラス支持アングル21の水平部21aが第1のアングル支持台25から外れるのを防止するためには、第1のトラス支持アングル21の水平部21の長さS1および「かかり代」M1を第2のトラス支持アングル23の水平部23aの長さS2および「かかり代」M2と同等に設定することが望ましい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
第1の実施形態によると、第2のトラス支持アングルは、第2のアングル支持台と協働して非固定部を構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、第2のトラス支持アングルと第2のアングル支持台との間に連結機構を介在させ、大規模地震発生時に第2のトラス支持アングルを第2のアングル支持台に対し移動可能な状態に保持する半固定部を構成するようにしてもよい。
すなわち、半固定部は、トラスの長手方向に沿う一方の端部および他方の端部の少なくともいずれか一方に設ければよく、トラスに対する半固定部の位置に特に制約はない。
加えて、軸部材としてのピボット軸は、軸方向に二分割することに限らず、例えば軸方向に三分割してもよい。
さらに、実施形態に係る乗客コンベアは、エスカレータに特定されるものではなく、水平又は傾斜して配置された移動歩道であっても同様に実施可能である。
2…建築物、3…トラス、4…第1の床面、5…第2の床面、21…第1のトラス支持アングル、23…第2のトラス支持アングル、25…第1のアングル支持台、26…第2のアングル支持台、40…連結機構、41…受け座、41a…上面、42…軸部材(ピボット軸)、46…逃げ溝、48…障壁部、51a,51b…軸要素、52,62,72…結合部。

Claims (9)

  1. 建築物が有する第1の床面と第2の床面との間に架け渡されたトラスと、
    前記トラスの長手方向に沿う一方の端部に固定され、前記建築物に設けられた第1のアングル支持台の上に予め決められた「かかり代」を有して載置された第1のトラス支持アングルと、
    前記トラスの長手方向に沿う他方の端部に固定され、前記建築物に設けられた第2のアングル支持台の上に予め決められた「かかり代」を有して載置された第2のトラス支持アングルと、
    少なくとも前記第1のトラス支持アングルと前記第1のアングル支持台との間を相対的に回動可能に連結する連結機構と、を具備し、
    前記トラスの前記一方の端部と前記建築物との間、および前記トラスの前記他方の端部と前記建築物との間に夫々層間変位を吸収する隙間が設けられた乗客コンベアであって、
    前記連結機構は、
    前記第1のアングル支持台の上に固定され、前記トラスの長手方向に延びる逃げ溝が形成された上面を有する受け座と、
    前記第1のトラス支持アングルと前記受け座との間に回動可能に架け渡され、前記逃げ溝を貫通する軸部材と、を含み、
    前記軸部材は、軸方向に分割された複数の軸要素と、隣り合う軸要素の間を同軸状に結合する結合部と、で構成され、前記結合部は、前記軸要素よりも機械的強度が小さいとともに、前記受け座の前記逃げ溝内に位置され、前記第1のトラス支持アングルと前記第1のアングル支持台との間に予め決められた値を上回る大きさの荷重が作用した状態では、前記軸部材が前記結合部の箇所で折損することで、前記第1のトラス支持アングルおよび前記第1のアングル支持台が前記トラスの長手方向に相対的に変位可能となり、
    前記受け座は、前記逃げ溝の前記トラスの側の端部を閉塞する障壁部を有し、当該障壁部が前記トラスの側から前記軸部材と向かい合う乗客コンベア。
  2. 前記軸部材の前記結合部は、前記軸要素の外周面よりも前記軸要素の径方向に沿う外側に向けて張り出している請求項1に記載の乗客コンベア。
  3. 前記第1のトラス支持アングルは、前記軸部材が貫通する貫通孔を有し、当該貫通孔の内径は前記軸部材の前記結合部の外径よりも大きいとともに、前記軸部材が前記第1のトラス支持アングルと前記受け座との間に架け渡された状態では、前記貫通孔の内側に前記軸要素の外周面と前記貫通孔の内面との間の隙間を埋める筒体が挿入された請求項2に記載の乗客コンベア。
  4. 前記貫通孔を覆うように前記第1のトラス支持アングルの上に固定された蓋をさらに備え、当該蓋により前記軸部材が前記貫通孔に保持された請求項3に記載の乗客コンベア。
  5. 前記結合部は、隣り合う前記軸要素の端面の間に形成された接着層又は接合層である請求項1に記載の乗客コンベア。
  6. 前記結合部では、隣り合う前記軸要素の端面が互いに突き合わされているとともに、隣り合う前記軸要素の外周面の間に跨る溶接ビードが形成され、前記第1のトラス支持アングルと前記第1のアングル支持台との間に予め決められた値を上回る大きさの荷重が作用した状態では、前記溶接ビードが破損することで隣り合う前記軸要素が分離される請求項1に記載の乗客コンベア。
  7. 前記結合部では、隣り合う前記軸要素の端面が互いに突き合わされているとともに、前記軸要素の突き合わせ部分を取り囲む環状の留め具が隣り合う前記軸要素の外周面の間に跨って固定され、前記第1のトラス支持アングルと前記第1のアングル支持台との間に予め決められた値を上回る大きさの荷重が作用した状態では、前記留め具が破損することで隣り合う前記軸要素が分離される請求項1に記載の乗客コンベア。
  8. 前記留め具の少なくとも一箇所に他の部位よりも機械的強度が小さい分断予定部が設けられた請求項7に記載の乗客コンベア。
  9. 前記結合部では、隣り合う前記軸要素の端部に互いに径方向から噛み合うように切り欠かれた係合部が形成されているとともに、前記軸要素の前記係合部を取り囲む環状の留め具が隣り合う前記軸要素の間に跨って固定され、前記第1のトラス支持アングルと前記第1のアングル支持台との間に予め決められた値を上回る大きさの荷重が作用した状態では、前記留め具が破損することで隣り合う前記軸要素が分離される請求項1に記載の乗客コンベア。
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