JP6305181B2 - 磁気センサ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気センサに関し、特に、垂直方向の磁界成分を水平方向に変換する軟磁性体を有する磁気センサに関する。
磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサは、例えば携帯電話機やスマートフォン等のモバイル機器に組み込まれて、地磁気を検出するための地磁気センサとして用いることができる。地磁気センサは、水平面内において直交するX軸方向及びY軸方向と、水平面に直交する垂直方向(Z軸方向)との磁界成分をそれぞれ検出することができるように構成されている。
磁気抵抗効果素子は、外部磁界の方向によって抵抗値が変化する磁気抵抗効果膜を有して構成され、磁気抵抗効果膜面内における磁界成分を検出することができる。しかし、磁気抵抗効果膜に対して垂直方向(Z軸方向)の磁界成分は検出することができないため、垂直方向の磁界成分を検出するために、磁気抵抗効果素子を立てた状態で垂直に配置する等の方法により磁気センサを構成する必要があった。このため、安価に製造することができず、また、製造ばらつきが生じやすく安定して垂直方向の磁界成分を検出することができないといった課題があった。
下記特許文献1には、垂直方向の磁界成分を検出することができる磁気センサについて記載されている。図15は、特許文献1に記載されている従来例の磁気センサの模式部分拡大断面図である。
図15に示すように、従来例の磁気センサ110は、磁気抵抗効果素子121〜124と、垂直方向の磁界成分を水平方向に変換する軟磁性体130とを有して構成される。軟磁性体130は、幅寸法(X1−X2方向の寸法)に対して高さ寸法(Z1−Z2方向の寸法)の方が長く形成された矩形状の断面形状となっている。そして、軟磁性体130の下面端部近傍に磁気抵抗効果素子121〜124が設けられている。
図15に示すように、軟磁性体130に進入する外部磁界の垂直方向の磁界成分151は、軟磁性体130の内部を通過して、軟磁性体130の下面端部から外方に流出する際に水平方向に変換される。水平方向に変換された磁界は、磁気抵抗効果素子121〜124に対してX1方向またはX2方向に印加され、これにより、垂直方向の磁界成分151を安定して検出することができる。
国際公開WO2011/068146号
しかしながら、軟磁性体130に効果的に磁束を集めて水平方向の磁界成分に変換するために、軟磁性体130のアスペクト比(高さ寸法/幅寸法)を1.5倍から4倍程度に大きくすることが必要であった。このため、外部から強磁界が印加された場合等、軟磁性体130の磁化方向が高さ方向(Z1−Z2方向)に向きやすくなり、また、軟磁性体130のZ1−Z2方向に残留磁化が発生する。これにより軟磁性体130のZ1−Z2方向におけるBHカーブのヒステリシスが増大し、磁気センサ110のオフセットの発生等によりセンサ感度が低下するという課題が生じる。
また、軟磁性体130に垂直方向の磁界成分151を集めるために、軟磁性体130の幅寸法、全体の体積を大きくする必要がある。このため、水平方向の磁界成分、例えばY軸方向(図15の紙面に垂直な方向)に外部磁界が印加されたときに、軟磁性体130のY方向端部においてY軸方向の磁界成分がX軸方向に曲げられて磁束が集中し、軟磁性体130の磁界分布のばらつきが増大するという課題が生じる。軟磁性体130の磁界分布のばらつきが増大すると、垂直方向の磁界成分の検出感度が低下する等、良好なセンサ感度を得ることができなくなるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決して、軟磁性体の小型化、低背化を実現するとともに、垂直方向の磁界成分を基板面内方向に変換して良好なセンサ感度を得ることができる磁気センサを提供することを目的とする。
本発明の磁気センサは、基板に形成された磁気抵抗効果素子と、前記基板の前記磁気抵抗効果素子が形成された面から離れる方向に延出する1対の軟磁性体とを有し、前記基板の前記面内において直交する方向を第1の方向と第2の方向としたときに、前記磁気抵抗効果素子は、磁化方向が固定された固定磁性層と、外部磁界により磁化方向が変化する自由磁性層とを有し、前記固定磁性層の磁化方向が前記第1の方向に向けられるとともに、1対の前記軟磁性体の下面側において、1対の前記軟磁性体の前記第1の方向の中心位置と前記磁気抵抗効果素子の前記第1の方向の中心位置とが重ならない位置に設けられており、1対の前記軟磁性体は、前記第1の方向に互いに離間して対向するとともに、1対の前記軟磁性体の下面側において接続されていることを特徴とする。
これによれば、1対の軟磁性体が設けられて、一方の軟磁性体の上面側から下面側を経由して他方の軟磁性体の上面側に至る磁路が形成される。よって、強い外部磁界が加えられた場合であっても、1対の軟磁性体の磁化方向が高さ方向に向きにくくなり、また、1対の軟磁性体の高さ方向に残留磁化が発生しにくくなることから、1対の軟磁性体のヒステリシスの増大を抑制できる。したがって、1対の軟磁性体により垂直方向の磁界成分を基板面内方向に変換するとともに、磁気センサのオフセットの発生等による感度の低下を抑制して良好なセンサ感度を得ることができる。
また、1対の軟磁性体を設けて、且つ、軟磁性体の残留磁化の発生を抑制しているため、従来例に示すような断面矩形状の軟磁性体を有する磁気センサと比較して、軟磁性体全体のアスペクト比及び体積を低減しつつ、垂直方向の磁界成分を効果的に集磁して水平方向(基板面内方向)に変換することができる。したがって、軟磁性体の小型化・低背化が可能である。さらに、1対の軟磁性体のそれぞれの体積を低減することができるため、基板面内方向の磁界成分が軟磁性体の第1の方向の端部または第2の方向の端部に集中することを抑制して、軟磁性体における磁界分布のばらつきの発生を低減できる。よって、良好なセンサ感度が得られる。
したがって、本発明の磁気センサによれば、軟磁性体の小型、低背化を実現するとともに、垂直方向の磁界成分を基板面内方向に変換して良好なセンサ感度を得ることができる。
1対の前記軟磁性体は、前記基板に対してそれぞれ前記第1の方向に互いに逆方向に傾斜していることが好ましい。これによれば、強い外部磁界が印加された場合に、残留磁化方向が第1の方向に分散されるため、軟磁性体の垂直方向におけるヒステリシスの増大を確実に抑制して良好なセンサ感度を得ることができる。
1対の前記軟磁性体同士の前記第1の方向における間隔が、上面側に向かうにしたがって大きくなることが好ましい。これによれば、垂直方向の磁界成分を効率良く1対の前記軟磁性体に集磁することができ、垂直方向の磁界成分を良好に検出することができる。
1対の前記軟磁性体は、それぞれ前記第2の方向に延出して形成されており、前記磁気抵抗効果素子は1対の前記軟磁性体よりも短く形成されていることが好ましい。これによれば、従来例の磁気センサの軟磁性体と比較して、1対の軟磁性体の小型化・低背化が可能であり、それぞれの軟磁性体の厚さ(第1の方向の寸法)を小さくすることができる。そのため、第2の方向に外部磁界が印加された場合であっても、1対の軟磁性体の第2の方向の端部において、外部磁界が第1の方向に曲げられて磁界が集中することを抑制できる。したがって、第2の方向における磁界分布のばらつきを低減して、軟磁性体の第2の方向における有効長さを長くすることができるため、良好なセンサ感度を得ることができる。
1対の前記軟磁性体は、1対の前記軟磁性体の前記第1の方向の中心位置を挟んで対称に形成されていることが好ましい。これによれば、外部磁界の垂直方向の磁界成分を効率良く基板面内方向に変換して、良好なセンサ感度を実現することができる。
1対の前記軟磁性体の上面側には、1対の前記軟磁性体のそれぞれから連続して前記第1の方向に延びる延出部が設けられていることが好ましい。これによれば、延出部を設けることにより、1対の軟磁性体の上面側の平面積を大きくすることができるため、1対の軟磁性体を厚く形成することなく、効果的に垂直方向の磁界成分を集磁することができる。
前記磁気抵抗効果素子は複数設けられており、複数の前記磁気抵抗効果素子は、1対の前記軟磁性体の前記第1の方向の中心位置を挟んで両側に配置されていることが好ましい。これによれば、接続された1対の軟磁性体に対して複数の磁気抵抗効果素子を配置して垂直方向の磁界成分を検出することができるため、磁気センサの小型化が可能である。
1対の前記軟磁性体の前記第1の方向の中心位置を挟んで設けられた複数の前記磁気抵抗効果素子は、前記固定磁性層の磁化方向が同じ方向に向けられており、複数の前記磁気抵抗効果素子によりブリッジ回路が構成されていることが好ましい。これによれば、水平方向の磁界成分に対しては、複数の磁気抵抗効果素子の抵抗変化が等しくなるため、外部磁界の水平成分による抵抗変化がキャンセルされブリッジ回路から出力されない。また、垂直磁界成分については、1対の軟磁性体により水平方向に変換された磁界成分が、複数の磁気抵抗効果素子のそれぞれに対して異なる方向に印加されるため、異なる抵抗値となる。したがって、垂直方向の磁界成分によりブリッジ回路から出力が得られる。
1対の前記軟磁性体が複数設けられており、1対の前記軟磁性体を構成する第1の軟磁性体と第2の軟磁性体とが、交互に前記第1の方向に連続して形成されていることが好ましい。これによれば、第1の方向の磁界成分が確実に軟磁性体に集められて、磁気抵抗効果素子に印加されないため、センサ感度を向上させることができる。
本発明の磁気センサによれば、軟磁性体の小型、低背化を実現するとともに、垂直方向の磁界成分を基板面内方向に変換して良好なセンサ感度を得ることができる。
第1の実施形態における磁気センサの斜視図である。 図1のII−II線で切断して矢印方向から見たときの磁気センサの断面図である。 本実施形態における磁気センサの平面図である。 磁気センサを構成する磁気抵抗効果素子の平面図である。 図4のV−V線で切断して矢印方向から見たときの磁気抵抗効果素子の部分拡大断面図である。 2つの磁気抵抗効果素子により構成されるハーフブリッジ回路の回路図である。 第1の実施形態の変形例における磁気センサの断面図である。 (a)第1の実施例における磁気センサの斜視図であり、(b)比較例の磁気センサの斜視図である。 第1の実施例における軟磁性体の磁界分布を示すシミュレーション結果のグラフであり、(a)軟磁性体のY軸方向位置と、X軸方向の磁界成分との関係を示すグラフ、及び(b)軟磁性体のY軸方向位置と、Y軸方向の磁界成分との関係を示すグラフである。 比較例における軟磁性体の磁界分布を示すシミュレーション結果のグラフであり、(a)軟磁性体のY軸方向位置と、X軸方向の磁界成分との関係を示すグラフ、及び(b)軟磁性体のY軸方向位置と、Y軸方向の磁界成分との関係を示すグラフである。 第2の実施形態の磁気センサを示し、磁気抵抗効果素子の平面図である。 図11のXII−XII線で切断して矢印方向から見たときの磁気センサの断面図である。 本実施形態のフルブリッジ回路の回路図である。 第2の実施例における軟磁性体の磁界分布を示すシミュレーション結果のグラフであり、(a)軟磁性体のY軸方向位置と、X軸方向の磁界成分との関係を示すグラフ、及び(b)軟磁性体のY軸方向位置と、Y軸方向の磁界成分との関係を示すグラフである。 従来例の磁気センサの模式部分拡大断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態の磁気センサについて、図面を参照しながら説明する。なお、各図面の寸法は適宜変更して示している。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における磁気センサの斜視図である。図2は、図1のII−II線で切断して矢印方向から見たときの磁気センサの断面図である。図3は、磁気センサの平面図である。図4は、磁気センサを構成する磁気抵抗効果素子の平面図である。また、図5は、図4のV−V線で切断して矢印方向から見たときの磁気抵抗効果素子の部分拡大断面図である。
本実施形態の磁気センサ10は、例えば、垂直方向の磁界成分を検出するZ軸磁気センサとして用いることができ、携帯電話機やスマートフォン等のモバイル機器に搭載される地磁気センサとして構成される。
図1に示すように、本実施形態の磁気センサ10は、基板15に形成された磁気抵抗効果素子21、22と、磁界方向変換部30とを有して構成される。図1及び図2に示すように、磁界方向変換部30は第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とを有しており、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とは、いずれも基板15の磁気抵抗効果素子21、22が形成された面から離れる方向に延出して設けられている。また、基板15の面内において直交する方向をX1−X2方向(第1の方向)とY1−Y2方向(第2の方向)としたときに、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とはY1−Y2方向に延出して形成されている。
図2に示すように、基板15の面に対して垂直方向に外部磁界が印加された場合に、垂直方向の磁界成分51は、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とに集磁される。そして、垂直方向の磁界成分51は第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の内部を通過して、下面側から流出する磁界が水平方向(基板15の面内方向)に変換される。磁気抵抗効果素子21、22は磁界方向変換部30の下面側に配置されており、水平方向に変換された磁界成分が磁気抵抗効果素子21、22にそれぞれ印加される。
本実施形態において、磁気抵抗効果素子21、22としてGMR(Giant Magneto Resistance)素子が用いられる。図5に示すように、磁気抵抗効果素子21は、膜面内に印加される外部磁界を検出することができる磁気抵抗効果膜43を有して構成される。磁気抵抗効果膜43は、絶縁膜42及びシード層49を介してシリコン基板41の上面に形成されている。磁気抵抗効果膜43は、磁化方向が固定された固定磁性層45と、外部磁界により磁化方向が変化する自由磁性層47とを有し、図5に示すように、固定磁性層45、非磁性層46、及び自由磁性層47の順に積層されて、自由磁性層47の表面が保護膜48で覆われて構成されている。なお、図5では磁気抵抗効果素子21について示しているが、他の磁気抵抗効果素子においても同様の構成である。
本実施形態において、固定磁性層45は第1の固定磁性層45c/非磁性結合層45e/第2の固定磁性層45dからなる、いわゆるセルフピン型の積層構成となっている。第1の固定磁性層45cがシード層49と接しており、また、第2の固定磁性層45dが非磁性層46と接する。第1の固定磁性層45cと第2の固定磁性層45dの磁化は導電電子により間接的な交換相互作用(RKKY的相互作用)により180°異なる方向に向けられている。この場合、第2の固定磁性層45dの磁化方向が、図4に示す固定磁性層の磁化方向45aとなる。磁気抵抗効果に寄与するのは、非磁性層46を挟む自由磁性層47と第2の固定磁性層45dとの相対的な磁化方向の関係であるからである。
本実施形態において、絶縁膜42はシリコン基板41を熱酸化したシリコン酸化膜であり、スパッタ法等で成膜したアルミナ膜、酸化膜等であってもよい。固定磁性層45の第1の固定磁性層45cと第2の固定磁性層45dは、CoFe合金(コバルト鉄合金)などの軟磁性材料等で形成されている。非磁性結合層45eは導電性のRu等が用いられる。非磁性層46は、Cu(銅)等である。自由磁性層47は、保磁力が小さく透磁率が大きいNiFe合金(ニッケル鉄合金)などの軟磁性材料が用いられる。また、本実施形態において自由磁性層47を単層で示しているが、例えばNiFe層とCoFe層とを積層した構成とすることも可能である。保護膜48は、Ta(タンタル)等である。
図4に示すように、磁気抵抗効果素子21、22は、それぞれY1−Y2方向に細長く延びる平面矩形状に形成されており、X1−X2方向において互いに間隔を設けて配置されている。図4には、固定磁性層の磁化方向45aと、自由磁性層の磁化方向47aとをそれぞれ矢印で模式的に示している。磁気抵抗効果素子21、22の固定磁性層の磁化方向45aは、延出方向に対して直交する方向(X1−X2方向)において、同一方向(例えばX2方向)に向けられている。また、自由磁性層の磁化方向47aは、磁気抵抗効果素子21、22の形状異方性により延出方向(Y1−Y2方向)に向けられており、互いに同じ方向(例えばY1方向)に向けられている。固定磁性層の磁化方向45aと自由磁性層の磁化方向47aとは、それぞれ磁気抵抗効果素子21、22の面内方向に向けられており、外部磁界が印加されていない状態において互いに直交する方向に向けられている。
固定磁性層の磁化方向45aと同一方向(X2方向)に外部磁界が印加された場合には、自由磁性層の磁化方向47aが、外部磁界方向(X2方向)に変動して固定磁性層の磁化方向45aと平行に近づき、電気抵抗値が低下する。
一方、固定磁性層の磁化方向45aと反対方向(X1方向)に外部磁界が印加された場合には、自由磁性層の磁化方向47aが、外部磁界方向(X1方向)に変動して固定磁性層の磁化方向45aと反平行に近づき、電気抵抗値が増大する。
図4に示すように、磁気抵抗効果素子21と磁気抵抗効果素子22とは、例えばCu等の非磁性材料を用いて形成された配線部25によりY1側において接続されている。また、磁気抵抗効果素子21と磁気抵抗効果素子22のY2側は、配線部25を介して外部回路等に接続される。図6は、2つの磁気抵抗効果素子により構成されるハーフブリッジ回路の回路図を示す。図6に示すように、磁気抵抗効果素子21と磁気抵抗効果素子22とは、入力端子(Vdd)とグラウンド端子(GND)との間で直列接続されてハーフブリッジ回路27を構成している。そして、磁気抵抗効果素子21と磁気抵抗効果素子22との間の中点電位(V)が、差動増幅器54により増幅されて、磁気センサ10の出力信号として外部回路(図示しない)に出力される。
本実施形態において、図2に示すように、垂直方向の磁界成分51を水平方向に変換する磁界方向変換部30は、絶縁層16を介して磁気抵抗効果素子21、22の上方に設けられている。
図2に示すように、磁界方向変換部30は1対の軟磁性体(第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36)を有しており、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36は、いずれも、基板15の磁気抵抗効果素子21、22が形成された面から離れる方向に延出して設けられている。また、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とは、X1−X2方向において互いに離間して対向するとともに、下面側において底部40により接続されている。また、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の上面側には、X1−X2方向に延出する延出部37、38が形成されている。
第1の軟磁性体35は基板15に対してX1方向に傾斜しており、第2の軟磁性体36は、第1の軟磁性体35と反対方向のX2方向に傾斜している。よって、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とは、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36との間隔が上面側に向かうにしたがって大きくなるように、断面V字状に形成されている。
本実施形態において、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36は、NiFe、CoFe、CoFeSiB、CoZrTi、CoZrNbから選ばれた少なくとも1つの材料が含まれる軟磁性材料から形成される。また、底部40及び延出部37、38は、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36と同じ材料が用いられており、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36と連続して形成される。
図2に示すように、磁気抵抗効果素子21、22は、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とのX1−X2方向の中心位置30aを挟んで両側に配置されている。さらに、磁気抵抗効果素子21、22はそれぞれ、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とのX1−X2方向の中心位置30aと磁気抵抗効果素子21、22のX1−X2方向の中心位置21a、22aとが重ならない位置に設けられている。図2に示すように、磁気抵抗効果素子21は第1の軟磁性体35と重なる位置に、磁気抵抗効果素子22は第2の軟磁性体36と重なる位置に配置されている。このように、接続された第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36に対して、2つの磁気抵抗効果素子21、22を配置しているため、磁気センサ10の小型化が可能である。
以上のように磁気センサ10を構成することより、磁界方向変換部30に集磁された垂直方向の磁界成分51は、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36を通過し、下面側から流出して水平方向(基板15の面内方向)に変換される。そして、図2に示すように、水平方向に変換された磁界は、磁気抵抗効果素子21にはX1方向に印加され、磁気抵抗効果素子22にはX2方向に印加され、互いに逆向きに作用する。
よって、図4に示す磁気抵抗効果素子21の自由磁性層の磁化方向47aは、電気抵抗値が増大する方向に向けられ、磁気抵抗効果素子22の自由磁性層の磁化方向47aは、電気抵抗値が減少する方向に向けられる。したがって、図6に示すハーフブリッジ回路27の中点電位(V)が変化し、これにより、垂直方向の磁界成分51を検出することができる。
本実施形態の磁気センサ10において、磁界方向変換部30が、1対の軟磁性体(第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36)を有して構成されているため、図2に示すように、一方の軟磁性体(例えば第1の軟磁性体35)の上面側から下面側の底部40を経由して他方の軟磁性体(例えば第2の軟磁性体36)の上面側に至る磁路が形成される。そのため、強い外部磁界が加えられた場合であっても、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の磁化方向が高さ方向に向きにくくなり、また、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の高さ方向(Z1−Z2方向)に残留磁化が発生しにくくなることから、ヒステリシスの増大を抑制できる。したがって、本実施形態の磁気センサ10によれば、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36により垂直方向の磁界成分51を水平方向に変換するとともに、オフセットの発生等による感度の低下を抑制して良好なセンサ感度を得ることができる。
また、本実施形態によれば、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36を設けて、且つ、軟磁性体の残留磁化の発生を抑制しているため、図15に示す従来の磁気センサ110の軟磁性体130と比較して、磁界方向変換部30全体のアスペクト比及び体積を低減しつつ、外部磁界の垂直方向の磁界成分51を効果的に集磁して水平方向(基板面内方向)に変換することができる。したがって、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36全体の小型化・低背化が可能である。
以上のように、本実施形態の磁気センサに10よれば、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36全体の小型、低背化を実現するとともに、垂直方向の磁界成分51を水平方向に変換して良好なセンサ感度を得ることができる。
図2に示すように、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とが、X1−X2方向に傾斜して形成され、上面に向かうにしたがって互いの間隔が大きくなっているため、磁界方向変換部30の磁路が、垂直方向(Z1−Z2方向)ではなく水平方向(X1−X2方向)に向けられるように形成される。よって、強い外部磁界が印加された場合に、残留磁化方向が水平方向(X1−X2方向)に分散されるため、磁界方向変換部30のヒステリシスの増大を確実に抑制して良好なセンサ感度が得られる。
また、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36との間隔が、上面に向かって拡がって形成されていることにより、外部磁界の垂直方向の磁界成分51を効率良く第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36に集磁することができ、外部磁界の垂直方向の磁界成分51を良好に検出することができる。
図2に示すように、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とは、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とのX1−X2方向の中心位置30aを挟んで対称に形成されている。これにより、外部磁界の垂直方向の磁界成分51を効果的に水平方向に変換することができ、磁気抵抗効果素子21と磁気抵抗効果素子22とに印加される水平成分の磁界強度のばらつきが低減されるため、センサ感度を向上させることができる。
図3に示すように、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とはY1−Y2方向に延出して形成されており、磁気抵抗効果素子21、22は第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36よりも短く形成されている。
本実施形態によれば、上述のように、従来の磁気センサ110の軟磁性体30と比較して、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36全体の小型化・低背化が可能であり、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36のそれぞれの厚さを薄くすることができる。よって、図3に示すようにY1−Y2方向に水平方向の磁界成分52が印加された場合において、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の磁束が飽和しやすくなる。そのため、水平方向(Y1−Y2方向)の磁界成分52が、X1−X2方向に曲げられて各軟磁性体35、36のY1−Y2方向の端部に集中することが抑制される。
したがって、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36のY1ーY2方向における磁界分布の局所的な集中を抑制して、磁界分布のばらつきの発生を低減できる。よって、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36のY1−Y2方向における有効長さ(均一な磁界分布が得られる長さ)を長くすることができ、良好なセンサ感度を得ることができる
なお、図1及び図2に示すように、第1の軟磁性体35の上面側には、第1の軟磁性体35から連続してX1方向に延びる延出部37が設けられており、同様に、第2の軟磁性体36の上面側には、第2の軟磁性体36から連続してX2方向に延びる延出部38が設けられている。このように、延出部37、38を設けることにより、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の上面側の平面積を、延出部37、38を設けた分だけ大きくすることができ、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36を厚く形成することなく、効果的に垂直方向の磁界成分51を集磁することができる。
本実施形態において1対の軟磁性体(第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36)について2つの磁気抵抗効果素子21、22を設けてハーフブリッジ回路27を構成しているが、これに限定されず適宜変更することができる。第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36について1つの磁気抵抗効果素子を設けても良い。また、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36を複数設けて、複数のハーフブリッジ回路27によりフルブリッジ回路を構成しても良い。
また、磁界方向変換部30の構成も適宜変更することができる。図7は、第1の実施形態の変形例における磁気センサの断面図である。図7に示す変形例の磁気センサ11は、磁界方向変換部31の構造が異なっており、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とが傾斜して設けられておらず、いずれも基板15の磁気抵抗効果素子21、22が形成された面から垂直方向(Z1方向)に延出している。また、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の上面側において延出部37、38が設けられていない。
このような態様であっても、一方の軟磁性体(例えば第1の軟磁性体35)から底部40を経由して他方の軟磁性体(例えば第2の軟磁性体36)へと向かう磁路が形成される。よって、強い外部磁界が加えられた場合であっても、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の高さ方向に残留磁化が発生しにくくなり、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36のヒステリシスの増大を抑制できる。したがって、磁気センサ11のオフセットの発生や、感度の低下を抑制して良好なセンサ感度を得ることができる。
また、図15に示す従来の磁気センサ110の軟磁性体130と比較して、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36全体のアスペクト比及び体積を低減しつつ、垂直方向の磁界成分51を効果的に集磁して水平方向(基板面内方向)に変換することができる。したがって、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36全体の小型化・低背化が可能である。
<第1の実施例>
図8(a)は、第1の実施例における磁気センサの斜視図であり、図8(b)は比較例の磁気センサの斜視図である。図8(a)に示す第1の実施例の磁気センサ12の構成は、図1から図5に示す第1の実施形態と同様である。また、図8(b)に示す比較例の磁気センサ110は、図15に示す従来例の磁気センサ110と同様の構成であり、断面矩形状の直方体の軟磁性体130を有する。なお、第1の実施例の磁気センサ12及び比較例の磁気センサ110において、磁気抵抗効果素子21、121はそれぞれ1つのみ示している。
下記の表1には、第1の実施例の磁気センサ12について、構成を変えたサンプルNo1〜サンプルNo5において検出磁界をシミュレーションした結果を示している。サンプルNo1〜サンプルNo5は、それぞれ、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の厚さ(t)、高さ(H)、角度(θ)、底部40の幅(W(Bottom))、磁界方向変換部30の全体の幅(W(Top))、Y1−Y2方向の長さ(L)を変化させた。また、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とのX軸方向の中心位置30aと、磁気抵抗効果素子21のX軸方向の中心位置21aとの距離をオフセットとして示しており、オフセットの大きさはそれぞれ1.25μm〜2.25μmの範囲で最適化した値としている。また、厚さ(t)は、第1の軟磁性体35、第2の軟磁性体36、各延出部37、38、底部40のいずれも1μmで固定している。表1は、外部磁界をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向にそれぞれ2.4mT印加したときの、磁気センサ12で検出されるX軸方向の磁界成分とY軸方向の磁界成分とを示している。
磁界方向変換部30に対してZ1方向からZ2方向に印加された外部磁界は、X1方向に変換され磁気抵抗効果素子21に印加される。表1に示すように、高さ(H)を3μm〜5μm、角度(θ)を95deg〜110degとした各サンプルNo1〜5において、2.4mTの外部磁界に対して1.9mT以上のX軸方向の磁界成分が検出されており、良好なセンサ感度を得られることが示された。特にサンプルNo2では、2.4mTのZ軸方向の外部磁界に対して2.4mTの磁界が検出されており、優れたセンサ感度を実現できる。
従来例の磁気センサ110で、同様のセンサ感度を得るためには、例えば、図8(b)に示す幅(W)を5μm、高さ(H)を11μm以上にして、アスペクト比、体積を大きくする必要がある。表1に示すように、本実施例の磁気センサ12は、従来に比べ高さ(H)を1/3〜1/2に低背化し、また、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の厚さを1μmと薄く形成しても良好なセンサ感度が得られる。よって、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の全体の低背化・小型化を実現するとともに、良好なセンサ感度を得られることが示された。
図9各図は、第1の実施例における軟磁性体の磁界分布を示すグラフである。図9(a)は、軟磁性体のY軸方向位置と、X軸方向の磁界成分との関係を示すシミュレーション結果のグラフであり、図9(b)軟磁性体のY軸方向位置と、Y軸方向の磁界成分との関係を示すシミュレーション結果のグラフである。図9に示す磁気センサ12は、表1に示すサンプルNo2の構成とした。
また、図10各図は、比較例における軟磁性体の磁界分布を示すグラフである。図10(a)は、軟磁性体のY軸方向位置と、X軸方向の磁界成分との関係を示すシミュレーション結果のグラフであり、図10(b)は、軟磁性体のY軸方向位置と、Y軸方向の磁界成分との関係を示すシミュレーション結果のグラフである。
比較例の磁気センサ110では、軟磁性体130の体積が大きいため、Y軸方向の磁界成分を印加した場合に、Y軸方向の磁界成分がX軸方向に曲げられて軟磁性体130に集中する。そのため、図10(a)に示すように、Y軸方向の磁界を印加したときに軟磁性体130においてX軸方向の磁界成分が発生し、また、軟磁性体130のY方向の両端部に向かうにしたがってX軸方向の磁界成分が増大する傾向を示しており、X軸方向の磁界成分のばらつきが大きくなっている。さらに、図10(b)に示すように、Y軸方向の外部磁界を印加したときの、Y軸方向の磁界成分も軟磁性体130のY方向位置において一定にならず、磁界成分が不均一となっている。
これに対し、実施例の磁気センサ12では、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の厚さを1μmと薄く形成しているため、Y軸方向の磁界成分がX軸方向に曲げられて第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36に集中することが抑制される。よって、図9(a)に示すように、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36のY方向位置が−100μmから+100μmの範囲において、X軸方向の磁界成分がほぼ0となり、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36における磁界分布が均一化されている。また、図9(b)に示すように、Y軸方向の磁界成分についても同様に、Y方向位置が−100μmから+100μmの範囲において、ほぼ一定のY軸方向の磁界成分となっている。よって、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36のY軸方向の有効長さを長くすることができる。
以上のように、本実施例の磁気センサ12は、水平方向に磁界が印加された場合においても、第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36の磁界成分のばらつきが低減されているため、オフセットの発生等による感度の低下を抑制して良好なセンサ感度を得ることができる。
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態の磁気センサを示し、磁気センサを構成する磁気抵抗効果素子の平面図である。図12は、図11のXII−XII線で切断して矢印方向から見たときの磁気センサの断面図である。また、図13は、4つの磁気抵抗効果素子により構成されるフルブリッジ回路の回路図である。
本実施形態の磁気センサ13は、1対の軟磁性体(第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36)が複数設けられている点が異なっている。図12に示すように、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とが交互にX1−X2方向に連続して形成されている。隣り合う第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36とは、下面側において底部40により接続されて、また、上面側において延出部39により接続されており、底部40と延出部39とは、X1−X2方向において交互に設けられている。複数の第1の軟磁性体35と複数の第2の軟磁性体36とがX1−X2方向に繋がって形成されて1つの磁界方向変換部32を構成している。
図12に示すように、複数の第1の軟磁性体35及び複数の第2の軟磁性体36の下面側にそれぞれ磁気抵抗効果素子21〜24が配置されている。図11に示すように、各磁気抵抗効果素子21〜24の固定磁性層の磁化方向45aはいずれも同一方向にX2方向に向けられている。また、外部磁界が印加されていない状態において、自由磁性層の磁化方向47aは、形状異方性により磁気抵抗効果素子21〜24の延出方向であるY1方向に向けられている。
本実施形態において、図13に示すように、磁気抵抗効果素子21〜24によりフルブリッジ回路29が構成されている。磁気抵抗効果素子21と磁気抵抗効果素子22とが直列接続されたハーフブリッジ回路27から中点電位(V)が出力され、磁気抵抗効果素子23と磁気抵抗効果素子24とが直列接続されたハーフブリッジ回路28から中点電位(V)が出力される。入力端子(Vdd)とグラウンド端子(GND)との間で、ハーフブリッジ回路27とハーフブリッジ回路28とが並列接続されてフルブリッジ回路29を構成する。図13に示すように、中点電位(V)と中点電位(V)との差分が差動増幅器54により増幅されてセンサ出力(Vout)として出力される。なお、本実施形態では、フルブリッジ回路29は4つの磁気抵抗効果素子21〜24から構成されているが、これに限定されず、出力を大きくするためにより多数の磁気抵抗効果素子を用いることもできる。
このように、フルブリッジ回路29を構成することにより、水平方向の磁界成分に起因する各磁気抵抗効果素子21〜24の抵抗変化が同じになるため、フルブリッジ回路29からセンサ出力として出力されず、垂直方向の磁界成分による抵抗変化のみが出力される。
また、図12に示すように複数の複数の第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36を連続して設けた場合であっても、Z軸方向における残留磁化の発生を抑制することができ、センサ出力のオフセット等によるセンサ感度の低下を抑制することができる。
また、本実施形態において、複数の第1の軟磁性体35及び複数の第2の軟磁性体36を連続して設けていることから、水平方向の磁界成分(X1−X2方向の磁界成分及びY1−Y2方向の磁界成分)が、連続する第1の軟磁性体35及び第2の軟磁性体36に効果的に集められる。したがって、水平方向の磁界成分が各磁気抵抗効果素子21〜24に印加されることを抑制して、垂直方向の磁界成分51を確実に検出することができるため、センサ感度を向上させることができる。
<第2の実施例>
図14は、第2の実施例における軟磁性体の磁界分布を示すシミュレーション結果のグラフであり、図14(a)は、軟磁性体のY軸方向位置と、X軸方向の磁界成分との関係を示すグラフ、図14(b)は、軟磁性体のY軸方向位置と、Y軸方向の磁界成分との関係を示すグラフである。
本実施例の磁気センサは、図11及び図12に示す第2の実施形態の磁気センサ13と同様の構成である。隣り合う第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36は、表1に示すサンプルNo2と同様の構成とし、この1対の第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36をX1−X2方向に連続して形成している。
図14(a)に示すように、Z軸方向の外部磁界(2.4mT)が印加された場合に、X軸方向の磁界成分は約2.0mTであり、本実施例においても、複数の第1の軟磁性体35と複数の第2の軟磁性体36により垂直方向の磁界成分51を水平方向に変換して、磁気抵抗効果素子21〜24により検出可能であることが示されている。
また、X軸方向の外部磁界(2.4mT)が印加されたときのX軸方向の磁界成分がほぼ0mTとなっており、X軸方向の磁界成分が磁気抵抗効果素子21〜24に印加されることを抑制して、センサ感度をより向上させることができる。さらに、Y軸方向の外部磁界(2.4mT)が印加された場合においても、図9(a)に示す第1の実施例と比較して、X軸方向の磁界成分がより低減されており、第1の軟磁性体35と第2の軟磁性体36における磁界分布がより均一化されていることが示された。
10〜13 磁気センサ
15 基板
16 絶縁層
21〜24 磁気抵抗効果素子
21a〜24a 磁気抵抗効果素子のX軸方向の中心位置
25 配線部
27 ハーフブリッジ回路
29 フルブリッジ回路
30、31、32 磁界方向変換部
30a 第1の軟磁性体と第2の軟磁性体とのX軸方向の中心位置
35 第1の軟磁性体
36 第2の軟磁性体
37〜39 延出部
40 底部
41 シリコン基板
43 磁気抵抗効果膜
45 固定磁性層
45a 固定磁性層の磁化方向
47 自由磁性層
47a 自由磁性層の磁化方向
51 垂直方向(Z軸方向)の磁界成分
52 水平方向(Y軸方向)の磁界成分

Claims (7)

  1. 基板に形成された磁気抵抗効果素子と、
    前記基板の前記磁気抵抗効果素子が形成された面から離れる方向に延出する1対の軟磁性体とを有し、
    前記基板の前記面内において直交する方向を第1の方向と第2の方向としたときに、
    前記磁気抵抗効果素子は、磁化方向が固定された固定磁性層と、外部磁界により磁化方向が変化する自由磁性層とを有し、前記固定磁性層の磁化方向が前記第1の方向に向けられるとともに、1対の前記軟磁性体の下面側において、1対の前記軟磁性体の前記第1の方向の中心位置と前記磁気抵抗効果素子の前記第1の方向の中心位置とが重ならない位置に設けられており、
    1対の前記軟磁性体は、前記第1の方向に互いに離間して対向するとともに、1対の前記軟磁性体の下面側において接続され
    前記磁気抵抗効果素子は複数設けられており、
    複数の前記磁気抵抗効果素子の1つは1対の前記軟磁性体の一方である第1の軟磁性体に対応し、複数の前記磁気抵抗効果素子の別の1つは1対の前記軟磁性体の他方である第2の軟磁性体に対応し、
    1対の前記軟磁性体は、前記基板に対してそれぞれ前記第1の方向に互いに逆方向に傾斜しており、
    1対の前記軟磁性体同士の前記第1の方向における間隔が、上面側に向かうにしたがって大きくなることを特徴とする磁気センサ。
  2. 1対の前記軟磁性体は、それぞれ前記第2の方向に延出して形成されており、前記磁気抵抗効果素子は1対の前記軟磁性体よりも短く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 1対の前記軟磁性体は、1対の前記軟磁性体の前記第1の方向の中心位置を挟んで対称に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気センサ。
  4. 1対の前記軟磁性体の上面側には、1対の前記軟磁性体のそれぞれから連続して前記第1の方向に延びる延出部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  5. 前記複数の前記磁気抵抗効果素子は、1対の前記軟磁性体の前記第1の方向の中心位置を挟んで両側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  6. 1対の前記軟磁性体の前記第1の方向の中心位置を挟んで設けられた複数の前記磁気抵抗効果素子は、前記固定磁性層の磁化方向が同じ方向に向けられており、複数の前記磁気抵抗効果素子によりブリッジ回路が構成されていることを特徴とする請求項5に記載の磁気センサ。
  7. 1対の前記軟磁性体が複数設けられており、1対の前記軟磁性体を構成する第1の軟磁性体と第2の軟磁性体とが、交互に前記第1の方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の入力装置。
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