JP6304204B2 - 車両の前部構造 - Google Patents
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Description
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明が適用される車両1の前部10を示す斜視図である。図中には、車両1の前後方向における「前」及び「後」の矢印、車幅方向における「左」及び「右」の矢印、並びに、車高方向における「上」及び「下」の矢印を付記している。以下の図に付している「前」「後」「上」「下」「左」「右」の矢印は、図1の方向表示に従っている。図2は、車両の前部10の正面図、図3は、本発明の実施形態に係る車両の前部10の構造を示す斜視図である。
図4は、図2のIV−IV線の概略的な断面図、図5は、図4の要部拡大断面図である。図6は、図4から左右方向に所定距離だけシフトした位置の概略的な断面図である。図7は、図2のVII−VII線の概略的な断面図である。図4〜図6は、左右方向の中央部から右方に外れた部分の断面、つまりアクセス空間ASが存在する部分の側方に位置する部分の断面を示している。一方、図7は、アクセス空間ASが存在する中央部分の断面を示している。車両1の前部10の、ボンネット11及びバンパーフェイシア12で覆われた内部には、上述のグリルブラケット3、衝撃吸収部材4及びカバー部材5が配置されている。
先ずは、図4及び図5に基づき、アクセス空間ASの側方部分の断面構造について説明する。グリルブラケット3は、シュラウド2に連結される部分を含む後方部分3Aと、後方部分3Aよりも前方の部分であってフェイシア上端板16の下方に位置する部分を含む前方部分3Bとを備える。図13には、グリルブラケット3の単体の斜視図を示している。
上記では、グリルブラケット3がバンパーフェイシア12のフェイシア上端板16と、衝撃吸収部材4を介して連結されている部分の断面構造を説明した。グリルブラケット3は、バンパーフェイシア12に直接的に連結される部分も有している。当該直接的連結部分は、フェイシア上端板16と衝撃吸収部材4との連結位置よりも下方である。この断面構造を、図6に基づいて説明する。図6は、図4及び図5の断面位置よりも車幅方向に所定距離だけシフトした位置の概略的な断面図である。
図7は、図2のVII−VII線の概略的な断面図であり、アクセス空間ASが存在する左右方向の中央部の断面図である。図13も参照して、グリルブラケット3は、左右方向の中央部に切り欠き部36を有している。この切り欠き部36によって、平面部31は左右に分断されている。切り欠き部36の前方には、平坦な中央部37が形成されている。中央部37は、平面部31よりもやや高い水平面であり、凹部32は中央部37によって左右に分断されている。中央部37の下面は、支持片7によって支持されている。
続いて、車両1の前部10の外部的構造を説明する。図8は、前部10の上面視の平面図、図9は、図8の状態からフロントグリル13を取り除いた上面図、図10は、図9の状態からグリルブラケット3、衝撃吸収部材4及びカバー部材5の組立体を取り除いた上面図である。
図11では、フランジ板35に対して6個の第2固定ネジ62が、左右方向に間隔を置いて螺合されている例を示している。これら第2固定ネジ62によって、フランジ板35と衝撃吸収部材4の前板42とが固定されている。また、フランジ板35のグリルフランジ132への取り付け部となる第2締結孔353が、左右方向に略均等間隔で6個配置されている例を示している。フランジ板35の前面からは、ピン354が前方に突出するように突設されている。ピン354は、グリルフランジ132に設けられた受け孔に嵌合し、第3固定ネジ63を締結する前にフランジ板35とグリルフランジ132の位置決めを図るためのものである。
衝撃吸収部材4は、上板41、前板42及び下板43で構成される断面コ字型形状部分が左右一対で存在し、これらコ字型形状部分の中間に中央部44が存在する形態である。上板41には、フェイシア上端板16に衝撃吸収部材4を固定するための固定孔413が、複数設けられている。前板42には、グリルブラケット3に衝撃吸収部材4を固定するための締結孔421、及びグリルフランジ132とフランジ板35とを締結する第3固定ネジ63を逃がす受け孔422が、複数設けられている。
カバー部材5は、衝撃吸収部材4の中央部44の左側及び右側の前記コ字型形状部分の開放部4Hを各々覆うよう、左右一対で準備される。スリットカバー53は、立壁部45のスリット47に応じて左右方向に長い形状を有し、スリット47を区画する壁面と係合するフックを備えている。カバー部材5の縦板51が開放部4Hを覆うことで、既述の通り見映えを良くすることができると共に、開放部4Hをから水や塵埃が前記コ字型形状部分の空間へ進入することを防止できる。これにより、前記衝撃吸収部材の耐久性を高めることができる。
以上説明した本実施形態に係る車両の前部構造によれば、次のような作用効果を奏する。まず、高剛性のグリルブラケット3単体ではなく、グリルブラケット3と衝撃吸収部材4との複合体によって、バンパーフェイシア12のフェイシア上端板16とシュラウドアッパメンバ22とが連結される。つまり、フェイシア上端板16が、グリルブラケット3と衝撃吸収部材4との複合体を介して、シュラウド2によって支持される。従って、バンパーフェイシア12の自重による垂下を抑止することができる。また、フェイシア上端板16とグリルブラケット3との間に衝撃吸収部材4が介在され、当該衝撃吸収部材4によってフェイシア上端板16が支持されている。このため、フェイシア上端板16に、歩行者の頭部衝撃などの上下方向の衝撃が加わったとしても、衝撃吸収部材4によって前記衝撃を緩衝することができる。従って、歩行者の頭部保護に寄与する。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、次のような変形実施形態を取ることができる。
10 前部
11 ボンネット
11F 前縁
12 バンパーフェイシア
13 フロントグリル
132 グリルフランジ(対向板)
16 フェイシア上端板(バンパーフェイシアの上端部分)
2 シュラウド
3 グリルブラケット(連結部材)
3A 後方部分3A
3B 前方部分3B
31 平面部
32 凹部
33 第1凹部
34 第2凹部
35 フランジ板
353 第2締結孔(取り付け部)
341 水抜き孔
4 衝撃吸収部材
4H 開放部
41、42、43 上板、前板、下板
411 支持部
42A、42B 上部、下部
421 締結孔(固定部)
5 カバー部材
Claims (7)
- 車両の前部に配置され、ボンネットの前縁と対峙する上端部分を有するバンパーフェイシアと、
前記バンパーフェイシアよりも後方に配置され、所定の機器へ冷却風を導くシュラウドと、
前記シュラウドと前記バンパーフェイシアの前記上端部分とを連結させるための連結部材と、
前記バンパーフェイシアの上端部分と前記連結部材との間に介在される衝撃吸収部材と、を備え、
前記連結部材は、
車幅方向に延びる平面部と、前記シュラウドに連結される連結部と、を有する後方部分と、
前記バンパーフェイシアの上端部分の下方に位置し、前記平面部よりも下方に凹没し、車幅方向に延びる凹部を有する前方部分と、を含み、
前記衝撃吸収部材は、前記凹部上に配置され、前記バンパーフェイシアの上端部分を支持する支持部と、前記連結部材に対する固定部とを含む、車両の前部構造。 - 請求項1に記載の車両の前部構造において、
前記衝撃吸収部材の前記連結部材に対する固定部は、前記平面部よりも上方に配置されている、車両の前部構造。 - 請求項2に記載の車両の前部構造において、
前記連結部材の前記前方部分は、上方に延びるフランジ板を備え、
前記衝撃吸収部材は、前記フランジ板と対向する前板を備え、
前記前板は、
前記フランジ板と前後方向に重なるように配置され、前記固定部を形成する下部と、
前記フランジ板と前後方向に重ならない上部と、を含む、車両の前部構造。 - 請求項3に記載の車両の前部構造において、
前記バンパーフェイシアは、前記連結部材のフランジ板と対向する対向板を有し、
前記フランジ板は、前記対向板に対する取り付け部を有し、
前記取り付け部は、前記衝撃吸収部材の前記固定部と略同じ高さ位置に配置されている、車両の前部構造。 - 請求項1又は2に記載の車両の前部構造において、
前記衝撃吸収部材が、車両の前後方向に沿った断面において、上板、前板及び下板を含み、後方に向けて開放したコ字型形状を有し、
前記支持部は、前記上板に配置され、
前記固定部は、前記前板又は前記下板に配置されている、車両の前部構造。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、
前記凹部は、
前記衝撃吸収部材が載置される第1凹部と、
前記第1凹部の後方に連設され、前記第1凹部よりも下方に凹没した第2凹部と、を含む、車両の前部構造。 - 請求項6に記載の車両の前部構造において、
前記第2凹部が、前記バンパーフェイシアの上端部分と前記ボンネットの前縁との隙間から進入する水の排水路の機能を有する、車両の前部構造。
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