JP6304203B2 - 車両の前部構造 - Google Patents

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本発明は、車両前部にバンパーフェイシアとシュラウドとが備えられた車両の前部構造に関する。
自動車等の車両は、一般に車両前部にバンパーフェイシアを備える。バンパーフェイシアの上端部分(後方部分)は、ボンネットの前縁部分とパーティングラインを形成する。ここで、バンパーフェイシアの上端部分が自重乃至は外部荷重により垂下して、パーティングラインの隙間が拡がり、外観品質を低下させるという問題が生じることがある。この問題に鑑み、特許文献1には、バンパーフェイシアの上端部分を剛性の高い部材で支持させるようにした車両の前部構造が開示されている。
また、車両先端が歩行者へ衝突した場合において当該歩行者の頭部がボンネットに打ち付けられることを想定して、頭部保護のために略上下方向の衝撃を吸収することが可能な機構を車両前部に組み込むことが知られている。この吸収機構は、車両前部の車高が一般的な高さの自動車では、バンパーフェイシアよりも相当後方に組み込まれている。
特開2003−261067号公報
しかし、車両前部の車高が高い車両の場合、頭部の衝突衝撃の吸収を要する領域が、一般的な車高の車両よりも前方に位置することになる。この場合、バンパーフェイシアの上端部分が前記吸収を要する領域に含まれる。しかし、特許文献1の前部構造の如く、バンパーフェイシアの垂下問題の解消のため、その上端部分を剛性の高い部材で支持させていると、吸収効果を期待することはできない。
従って、バンパーフェイシアの垂下を抑止することと、歩行者の頭部保護のための衝撃の吸収機能とを両立させることができる車両の前部構造を構築することが求められている。また、ボンネットを開く際にユーザーが手指を差し入れるアクセス空間も、上記の吸収を要する領域に含まれることになる。このアクセス空間の周辺においては、ユーザーの手指の保護の観点も加味せねばならない。
本発明の目的は、バンパーフェイシアの垂下を抑止しつつ、歩行者の頭部保護のための吸収機構を備え、且つボンネットを開くためのアクセス空間における手指の保護を図ることができる車両の前部構造を提供することにある。
本発明の一局面に係る車両の前部構造は、車両の前部に配置され、ボンネットの前縁と対峙する上端部分を有するバンパーフェイシアと、前記バンパーフェイシアよりも後方に配置され、所定の機器へ冷却風を導くシュラウドと、前記シュラウドと前記バンパーフェイシアの前記上端部分とを連結させるための連結部材と、前記バンパーフェイシアの上端部分と前記連結部材との間に介在される衝撃吸収部材と、を備え、前記衝撃吸収部材は、車幅方向に延びる部材であって、前記バンパーフェイシアの上端部分を支持する支持部と、前記連結部材に対する固定部と含み、さらに、前記ボンネットを開く際にユーザーが手指を差し入れるアクセス空間の近傍に配置され、前記バンパーフェイシアの上端部分と前記連結部材との間に延びる立壁部と、前記立壁部の下部前方に配置され、前記固定部において当該衝撃吸収部材と前記連結部材とを固定する結合部材を収容する収容空間を形成する収容部と、を含む。
この前部構造によれば、連結部材と衝撃吸収部材との複合体を介して、バンパーフェイシアの上端部分がシュラウドによって支持される。従って、バンパーフェイシアの垂下を抑止することができる。特に、前記垂下が生じ易いアクセス空間の近傍において、前記衝撃吸収部材は立壁部を有するので、より効果的に前記垂下を抑止することができる。また、前記衝撃吸収部材によって前記バンパーフェイシアの上端部分が支持されている。このため、当該上端部分に上下方向の衝撃が加わったとしても、前記衝撃吸収部材によって前記衝撃を緩衝することができる。さらに、前記衝撃吸収部材は、連結部材に対する結合部材の収容空間を形成する収容部を備える。従って、ユーザーが前記アクセス空間に手指を差し入れたときに、前記結合部材との接触が生じないようにすることができる。
上記の前部構造において、前記立壁部が、当該立壁部の上部に形成され、機械的強度が当該立壁部の他の部分より脆弱化された脆弱部を備えることが望ましい。
この前部構造によれば、脆弱部の形成によって、立壁部の剛性が高くなりすぎないように調整することが可能となる。従って、適正な衝撃の吸収機能を、前記立壁部に施与することができる。
上記の前部構造において、前記支持部が、前記収容部の上方に位置するように前記立壁部の上端から水平方向に延出された部分からなることが望ましい。
この前部構造によれば、衝撃吸収部材の上端に位置する支持部でバンパーフェイシアの荷重を受け、これを収容部が形成された下部で前記荷重を受け止める構造となる。従って、バンパーフェイシアの垂下に対する耐性を向上させることができる。
上記の前部構造において、前記収容部が、下面に開口を有する箱形の形状を有することが望ましい。
この前部構造によれば、収容部を剛性の高い構造とすることができるので、バンパーフェイシアの垂下に対する耐性を向上させることができる。また、箱形の収容部に結合部材が覆われることから、前記アクセス空間への手指が進入した場合に、およそ結合部材には接触することがない。
上記の前部構造において、前記連結部材は、前記衝撃吸収部材が載置される前方部分と、車幅方向に延びる平面部及び前記シュラウドに連結される連結部を有する後方部分と、を含み、前記平面部は前記アクセス空間の近傍において切り欠き部を有し、前記切り欠き部の形成位置の前方の位置において、前記前方部分を下方から支持する支持片をさらに備えることが望ましい。
この前部構造によれば、例えばボンネットの係合支持部材などを配置するために、前記連結部材に切り欠き部を設けねばならない場合でも、支持片によって衝撃吸収部材が載置される前方部分が支持されるので、支持剛性を確保することができる。
上記の前部構造において、前記支持片は、前記立壁部の車幅方向の長さに応じて定められる所定幅を有する板状部材からなり、前記衝撃吸収部材は、前記支持片の幅員内の上方に、上下方向に延びる補強片を備えることが望ましい。
この前部構造によれば、補強片によって衝撃吸収部材自身においても支持剛性が高められるので、バンパーフェイシアの垂下に対する耐性を一層向上させることができる。
本発明によれば、バンパーフェイシアの垂下を抑止する機能と、歩行者の頭部保護のための衝撃の吸収機能とを両立させ、且つ、ボンネットを開くためのアクセス空間における手指の保護を図ることができる車両の前部構造を提供することができる。
本発明が適用される車両の前部の一例を示す斜視図である。 前記車両の前部の正面図である。 本発明の実施形態に係る車両の前部構造を示す斜視図である。 図2のIV−IV線の概略的な断面図である。 図4の要部拡大断面図である。 図4から車幅方向に所定距離だけシフトした位置の概略的な断面図である。 図2のVII−VII線の概略的な断面図である。 図7の要部拡大断面図である。 前記車両の前部構造の上面図である。 図9の状態からフロントグリルを取り除いた上面図である。 図10の状態からグリルブラケットを取り除いた上面図である。 図11に示す前部構造の斜視図である。 グリルブラケット、衝撃吸収部材及びカバー部材の組立体の斜視図である。 前記組立体の分解斜視図である。 グリルブラケット単体の斜視図である。 斜め前方から見た衝撃吸収部材単体の斜視図である。 図16Aの要部拡大斜視図である。 斜め後方から見た衝撃吸収部材単体の斜視図である。 図17Aの要部拡大斜視図である。
[車両前部の概略説明]
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明が適用される車両1の前部10を示す斜視図である。図中には、車両1の前後方向における「前」及び「後」の矢印、車幅方向における「左」及び「右」の矢印、並びに、車高方向における「上」及び「下」の矢印を付記している。以下の図に付している「前」「後」「上」「下」「左」「右」の矢印は、図1の方向表示に従っている。図2は、車両の前部10の正面図、図3は、本発明の実施形態に係る車両の前部10の構造を示す斜視図である。
車両1の前部10には、車両1の外装構造体として、ボンネット11と、バンパーフェイシア12とが配置されている。バンパーフェイシア12は、車両1の前端部分を覆うフェイシア本体12Aと、このフェイシア本体12Aの左右方向の中央上部に配置されたフロントグリル13と、フロントグリル13の下方に配置されたバンパーグリル14とを含む。フロントグリル13の左右側端には、ヘッドライト開口15が設けられている。また、フロントグリル13の上面には、ボンネット11の前縁11Fと対峙する部分となるフェイシア上端板16(バンパーフェイシアの上端部分)が取り付けられている。
図3を参照して、フェイシア上端板16は、左右方向に長い板状部材であり、ボンネット11の傾斜に沿って、前下がりに傾斜している。フェイシア上端板16の後端には、ボンネット11の前縁11Fに向かい合う上端縁161と、上端縁161から後方へ延びる上部ブラケット162とを含む。上端縁161と前縁11Fとは隙間を介して対峙しており、図1に示すように、両者間には左右方向に延びるパーティングラインPが形成されている。上部ブラケット162は、上端縁161よりも低い高さ位置にあり、略水平な方向に延びている。上部ブラケット162の左右方向中央には、左右方向に長い矩形の切り欠き部163が設けられている。切り欠き部163は、ユーザーがボンネット11を開く際に手指を差し入れるアクセス空間ASを形成するための開口である。
バンパーフェイシア12の後方には、シュラウド2が配置されている。シュラウド2は、図略のラジエータ(所定の機器)を保持すると共に、前記ラジエータへフロントグリル13を通して導入された冷却風を導くための、高剛性のフレーム構造体である。シュラウド2は、矩形の枠フレームを形成しているシュラウドパネル21と、シュラウドパネル21の上面に取り付けられたシュラウドアッパメンバ22とを含む。
本実施形態では、シュラウド2を利用してバンパーフェイシア12を支持するよう、両者間にグリルブラケット3(連結部材)が架け渡される。具体的には、グリルブラケット3によって、シュラウドアッパメンバ22とフェイシア上端板16とが連結される。これは、バンパーフェイシア12の自重による垂下を防止するため、換言するとフェイシア上端板16が下降してパーティングラインPの隙間が拡がり外観品質が悪化することを防止するためである。
グリルブラケット3は、ガラスファイバー入りの樹脂部材や板金等の高い剛性を持つ部材からなる。このようなグリルブラケット3でフェイシア上端板16を支持する高剛性の支持構造とすると、当該部分において衝撃吸収機能を具備させることが出来ない。この場合、本実施形態の車両1のように前部10の車高が高いと、歩行者の頭部保護の観点からは好ましくない状態となる。本実施形態では、この点に鑑み、バンパーフェイシア12の垂下を抑止する機能と、歩行者の頭部保護のための衝撃の吸収機能とを両立させた、車両1の前部構造を提供する。
[車両前部の断面構造]
図4は、図2のIV−IV線の概略的な断面図、図5は、図4の要部拡大断面図である。図6は、図4から左右方向に所定距離だけシフトした位置の概略的な断面図である。図7は、図2のVII−VII線の概略的な断面図、図8は、図7の要部拡大断面図である。図4〜図6は、左右方向の中央部から右方に外れた部分の断面、つまりアクセス空間ASが存在する部分の側方に位置する部分の断面を示している。一方、図7及び図8は、アクセス空間ASが存在する中央部分の断面を示している。車両1の前部10の、ボンネット11及びバンパーフェイシア12で覆われた内部には、上述のグリルブラケット3、衝撃吸収部材4及びカバー部材5が配置されている。
<アクセス空間の側方部分の断面構造>
先ずは、図4及び図5に基づき、アクセス空間ASの側方部分の断面構造について説明する。グリルブラケット3は、シュラウド2に連結される部分を含む後方部分3Aと、後方部分3Aよりも前方の部分であってフェイシア上端板16の下方に位置する部分を含む前方部分3Bとを備える。図15には、グリルブラケット3の単体の斜視図を示している。
後方部分3Aには、車幅方向である左右方向に延びる平面部31と、シュラウド2に連結される部分となる後端部311(連結部)と、前方部分3Bとの境界部分となる折り曲げ部312とを含む。後端部311は、シュラウドアッパメンバ22の上面に積重されている。後端部311の後縁31Eと、シュラウドアッパメンバ22の後縁とは略同じ前後方向位置にある。後端部311には、ネジ孔313(図15)が穿孔されており、シュラウドアッパメンバ22にもネジ孔313に対応したネジ孔が穿孔されている。ネジ孔313にはスクリューネジからなる第1固定ネジ61が螺合され、これにより後端部311はシュラウドアッパメンバ22に固定的に連結される。折り曲げ部312は、平面部31の前端を下方に折り曲げた部分である。
前方部分3Bには、平面部31よりも下方に凹没し左右方向に延びる凹部32と、上方に延びるフランジ板35とが備えられている。凹部32の後端壁は、折り曲げ部312に連なる立壁であり、凹部32の前端壁はフランジ板35である。このような凹部32が前方部分3Bに形成されることで、グリルブラケット3の左右方向における剛性を高めることができる。凹部32は、前方に位置する第1凹部33と、第1凹部33に連設され、第1凹部33よりも下方に凹没した第2凹部34とからなる。つまり、第2凹部34の底板は、第1凹部33の底板よりも高い位置に存在する。このように、凹部32に凹没高さの異なる2つの凹部33、34を設けることで、グリルブラケット3の左右方向の剛性をより高めることができる。
第1凹部33は、フェイシア上端板16の上部ブラケット162の下方に位置し、衝撃吸収部材4が載置される部分である。第2凹部34は、上述の剛性を高める機能の他、フェイシア上端板16とボンネット11の前縁11Fとの隙間(パーティングラインP)から進入する水の排水路の機能も果たす。このため、第2凹部34の底板には、水抜き孔341(図15参照)が穿孔されている。前記底板は、図4、図5に示す通り前下がりに傾斜しており、水抜き孔341は当該底板の最も低い部分に配置されている。パーティングラインPを通して雨水等が凹部32に進入した場合、より深い第2凹部34に水が流れ込むことになる。この水は、水抜き孔341を通して外部に排出されるので、水が凹部32に滞留しないようにすることができる。
フランジ板35は、前方部分3Bの前端縁から鉛直上方向に立ち上がった部分である。フランジ板35の立ち上がり高さは、後述の衝撃吸収部材4の上下方向の高さの半分程度である。フランジ板35の上縁351に近い位置には、グリルブラケット3と衝撃吸収部材4を連結する第2固定ネジ62が挿通される第1締結孔352が穿孔されている。なお、フランジ板35は必ずしも前方部分3Bの前端縁から立ち上がる態様でなくとも良く、当該前端縁から後退した位置からフランジ板35を立ち上がらせる態様でも良い。
衝撃吸収部材4は、フェイシア上端板16とグリルブラケット3との間に介在される部材である。より詳しくは、衝撃吸収部材4は、フェイシア上端板16の上部ブラケット162と、凹部32の第1凹部33との間に介在されている。衝撃吸収部材4の主な機能は、バンパーフェイシア12の自重による垂下が発生しないよう当該バンパーフェイシア12を支持する機能、及び、フェイシア上端板16に対して上下方向の衝撃(例えば歩行者の頭部が衝突する衝撃)が加わった時に、当該衝撃を緩衝(吸収)する機能である。
衝撃吸収部材4は、前記支持する機能を達成できるよう所定の剛性を有する一方で、前記衝撃を緩衝する機能を為し得るよう所定の弾性を有する部材によって形成される。例えば、ポリプロピレン等の樹脂部材は、衝撃吸収部材4として好適である。衝撃吸収部材4は、上板41、前板42及び下板43を有し、図4、図5に示す通り、車両1の前後方向に沿った断面において、後方に向けて開放した開放部4Hを有するコ字型の断面形状を有している。上板41及び下板43の前後幅と、前板42の上下幅とは、概ね同一長さである。なお、図16A及び図17Aに、衝撃吸収部材4単体の斜視図を示している。
上板41は、前後方向に水平に延び、上部ブラケット162の下面と対向しており、フェイシア上端板16を支持する支持部411を有している。支持部411は、上板41の後方部分であり、上部ブラケット162の一段下がった平板部分を支持している。支持部411には、図16A及び図17Aに示す通り、上下方向に貫通する固定孔413が穿孔されている。上部ブラケット162と上板41とが、後述のカバー部材5を間に挟んだ状態で、固定孔413を通した図略のネジ固定によって、一体的に連結される。
前板42は、上板41及び下板43の前縁同士を繋ぐように上下に延びている。前板42の配置位置は、パーティングラインPの近傍且つ後方の位置である。前板42は、概ね上半分を占める上部42Aと、下半分を占める下部42Bとを備える。この下部42Bがフランジ板35と前後方向に重なって接するよう、衝撃吸収部材4は第1凹部33に組み付けられる。一方、上部42Aはフランジ板35と前後方向に重ならず、フランジ板35によって拘束されない状態とされる。
前板42の下部42Bには、前板42を前後方向に貫通する締結孔421(固定部)が穿孔されている。この締結孔421の位置において、衝撃吸収部材4は第1凹部33(フランジ板35)に固定される。つまり、衝撃吸収部材4のグリルブラケット3に対する固定部は、フェイシア上端板16を支持する支持部411よりも下方に配置されている。この固定部は、図5に示しているように、グリルブラケット3の平面部31よりも距離d1だけ上方に配置されている。
締結孔421と、フランジ板35の第1締結孔352とが位置合わせされた状態で、これらの孔に第2固定ネジ62が前後方向に挿通されている。第2固定ネジ62は、ネジ頭621がフランジ板35の前面に当接し、先端622が衝撃吸収部材4のコ字型の空間内に入り込んだ状態で、フランジ板35と前板42の下部42Bとを締結している。
下板43は、前板42の下端から後方に延びている。下板43は、第1凹部33の底板と平行に後方に延び、該底板とほぼ同じ前後方向長さを有している。第2固定ネジ62によってフランジ板35に衝撃吸収部材4が固定された状態で、下板43と第1凹部33の底板との間には僅かな隙間が存在している。
カバー部材5は、断面コ字型の衝撃吸収部材4の、後方に開放した開放部4Hを覆う部材である。図14には、カバー部材5単体の斜視図が示されている。カバー部材5は、ゴム又は樹脂で形成される部材であり、上下方向に延びる縦板51と、縦板51の上端から前方へ水平方向に延びる横板52とを含む、断面L字型の部材である。縦板51は、開放部4Hの上下幅よりもやや短い上下長さを有している。このため、縦板51の下端縁と第1凹部33の底板との間には短いギャップが形成されている。横板52は、衝撃吸収部材4の上板41(支持部411)とフェイシア上端板16の上部ブラケット162との間に挟み込まれることによって、固定されている。縦板51が開放部4Hを覆い隠すことにより、第2固定ネジ62の先端622が露呈せず、見映えを良くすることができる。
<グリルブラケットとバンパーフェイシアの直接連結部分の断面構造>
上記では、グリルブラケット3がバンパーフェイシア12のフェイシア上端板16と、衝撃吸収部材4を介して連結されている部分の断面構造を説明した。グリルブラケット3は、バンパーフェイシア12に直接的に連結される部分も有している。当該直接的連結部分は、フェイシア上端板16と衝撃吸収部材4との連結位置よりも下方である。この断面構造を、図6に基づいて説明する。図6は、図4及び図5の断面位置よりも車幅方向に所定距離だけシフトした位置の概略的な断面図である。
フロントグリル13は、その上端から後方へ水平方向に延びるグリル上端板131を有している。フェイシア上端板16の前端下部に形成された下部ブラケット164は、グリル上端板131の前端に設けられた凹部で固定支持されている。すなわち、フロントグリル13とフェイシア上端板16とは一体的な部材である。グリル上端板131の後端には、鉛直上方に立ち上がったグリルフランジ132が備えられている。グリルフランジ132は、グリルブラケット30のフランジ板35と対向している。
フランジ板35は、前後方向にフランジ板35を貫通する第2締結孔353を有している。第2締結孔353は、グリルフランジ132に対する取り付け部となるネジ孔である。この第2締結孔353に対応する位置に、グリルフランジ132はネジ孔133を有している。これらの孔353、133に、第3固定ネジ63が前後方向に挿通されている。第3固定ネジ63は、ネジ頭631がグリルフランジ132の前面に当接し、先端632が衝撃吸収部材4のコ字型の空間内に入り込んだ状態で、グリルフランジ132とフランジ板35とを締結している。なお、衝撃吸収部材4には、第3固定ネジ63の先端632側を逃がす受け孔422が設けられている。
フランジ板35がグリルフランジ132に取り付けられる取り付け部は、図6に示すように、グリルブラケット3の平面部31よりも距離d2だけ上方に配置されている。また、平面部31の一部である後端部311において、グリルブラケット3はシュラウドアッパメンバ22に連結されているので、この連結部よりも前記取り付け部は距離d2だけ上方に位置することになる。さらに、距離d2と、図5に示した距離d1とは略同じ長さである。すなわち、前記取り付け部(第2締結孔353)と、衝撃吸収部材4がフランジ板35に固定される固定部(締結孔421)とが、略同じ高さ位置に配置されている。
<アクセス空間の断面構造>
図7は、図2のVII−VII線の概略的な断面図であり、アクセス空間ASが存在する左右方向の中央部の断面図である。図7の要部拡大図の図8、図15も参照して、グリルブラケット3は、左右方向の中央部に切り欠き部36を有している。この切り欠き部36によって、平面部31は左右に分断されている。切り欠き部36の前方には、平坦な中央部37が形成されている。中央部37は、平面部31よりもやや高い水平面であり、凹部32は中央部37によって左右に分断されている。中央部37の下面は、支持片7によって支持されている。切り欠き部36の配置位置は、図3に示されている通り、アクセス空間ASの近傍である。
図16A〜図17Bも参照して、衝撃吸収部材4の左右方向の中央部44、すなわち、衝撃吸収部材4におけるアクセス空間ASの近傍には、立壁部45及び収容部46が備えられている。立壁部45は、フェイシア上端板16の上部ブラケット162と、グリルブラケットの中央部37との間に延びる傾斜壁であり、中央部44においてフェイシア上端板16の荷重を受け止める部材である。立壁部45は、斜板451と、斜板451の上端から前方に延びる上水平板452(支持部)と、斜板451の下端から前後に延びる下水平板453とを含む。
斜板451は、上端部分が前方に、下端部分が後方に各々位置する、後ろ下がりの傾斜を有している。フェイシア上端板16及びボンネット11が作る直線的な断面ラインに対し、斜板451は概ね直交するように下方へ延びている。ユーザーがアクセス空間ASに手指を差し入れる際、この斜板451の傾斜に沿って手指がガイドされる。
上水平板452は、中央部44において上部ブラケット162を支持する部分である。実際に上部ブラケット162の下面に当接するのは、上水平板452から上方に突出するように前後方向に延びるリブ454(図16B、図17B)である。なお、中央部44以外の箇所では、既述の通り上板41の支持部411が上部ブラケット162を支持する。上水平板452の前後幅は、上部ブラケット162の前後幅に応じて定められる。本実施形態では、上部ブラケット162の前後幅が左右方向中央付近で幅狭となっていることから、上水平板452の前後幅も上板41よりも短くなっている。
下水平板453は、中央部44における底板を形成する部材であり、グリルブラケット3の中央部37に当接している。下水平板453の前後幅は、下板43の前後幅と同一である。また、下水平板453の高さ位置は、後述の受け凹部441の形成のために、下板43の高さよりもやや高い位置にある。
収容部46は、立壁部45の下部前方に、立壁部45に一体的に膨設された部分である。収容部46は、中央部44において衝撃吸収部材4とフランジ板35とを固定する第2固定ネジ62(結合部材)を収容する収容空間46Hを形成する部分である。図16Bに示す通り、収容部46は箱形の形状を有し、左右一対で下水平板453上に立設されている。収容部46の後壁は、斜板451の下方部分で構成されている。収容部46の下面は開口である。つまり、下水平板453は、収容部46の下面には存在しない。前記開口は、グリルブラケット3の中央部37の前方部37Fによって塞がれている。
収容部46の前壁には、第2固定ネジ62が螺合される挿通孔461(固定部)が設けられている。中央部44においては、この挿通孔461が衝撃吸収部材4のグリルブラケット3に対する固定部となる。第2固定ネジ62は、ネジ頭621がフランジ板35に接し、本体が挿通孔461を貫通し、先端622の部分が収容空間46Hに入り込んでいる。このような収容部46を設けることで、ボンネット11を開放しようとするユーザーがアクセス空間ASに手指を差し入れたときに、第2固定ネジ62との接触が生じないようにすることができる。
収容部46の上方には上水平板452が位置している。つまり、上水平板452は、収容部46の上方に位置するように、斜板451の上端縁から水平方向に延出されている。これにより、中央部44は、上水平板452でフェイシア上端板16の荷重を受け、これを収容部46が形成された下水平板453で前記荷重を受け止める構造体となる。
斜板451の上端付近には、左右方向に長いスリット47が左右一対で形成されている。これらスリット47の形成部分は、斜板451(立壁部45)の他の部分より機械的強度が脆弱化された部分となる。スリット47は、立壁部45の剛性が高くなりすぎないように調整するために設けられる。この中央部44においては、衝撃吸収部材4は先述のコ字型断面形状を備えておらず、立壁部45だけが立設されている構造である。このため、フェイシア上端板16の自重垂下に対しては問題無いが、衝撃吸収の面では不十分といえる。そこで、スリット47の形成によって立壁部45の機械的強度を脆弱化することで、適正な衝撃の吸収機能を当該立壁部45に施与することができる。スリット47には、衝撃吸収部材4よりも低弾性の部材からなるスリットカバー53が嵌め込まれている。
[車両前部の外部的構造]
続いて、車両1の前部10の外部的構造を説明する。図9は、前部10の上面視の平面図、図10は、図9の状態からフロントグリル13を取り除いた上面図、図11は、図10の状態からグリルブラケット3、衝撃吸収部材4及びカバー部材5の組立体を取り除いた上面図、図12は、図11に示す前部構造の斜視図である。
グリルブラケット3は、車両1の車幅に概ね相当する左右幅を有し、その後方部分3Aは、シュラウドアッパメンバ22の上に重なり、前方部分3Bはフロントグリル13に隣接している。既述の通り、グリルブラケット3の左右方向中央部には、平面部31の一部を切り欠いてなる切り欠き部36が設けられている。切り欠き部36は、ボンネット11の前縁11Fに対する係合支持構造を形成するラッチユニット19を収容する空間を形成するために設けられている。なお、切り欠き部36に対応する位置に、シュラウドアッパメンバ22にも開口が設けられている。
図11、図12に示すように、支持片7は、左右方向に所定幅を有する高剛性の板状部材からなり、左右方向の中央に配置されている。支持片7は、垂直板部70と、垂直板部70の上端に連設され前方に湾曲した上端部71と、垂直板部70の下端から延出された下端ブラケット72とを含む。支持片7の左右幅は、立壁部45の左右幅などに応じて定められる。
支持片7の下方には、フロントサイドフレーム17で左右端部が保持されたバンパーレイン18が存在する。下端ブラケット72は、バンパーレイン18の左右方向中央に取り付けられている。上端部71は、グリルブラケット3の中央部37の下面に当接し、固定されている。これにより、中央部37は、支持片7を介してバンパーレイン18によって支持されている。グリルブラケット3において、切り欠き部36が設けられる部分は機械的に脆弱な部分となる。しかし、切り欠き部36の前方に位置する中央部37が支持片7で支持される構造とすることで、バンパーフェイシア12の支持剛性を確保することができる。
図9、図10に示すように、グリルブラケット30のフランジ板35及び凹部32は、前部10の湾曲形状に沿って、左右方向に緩く湾曲している。中央部37は、凹部32を左右方向の中央で分断している。凹部32のうち、第2凹部34だけが上方に露呈している。第1凹部33は、凹部32の湾曲形状に応じて湾曲している衝撃吸収部材4及びカバー部材5が載置されることによって、完全に覆われている。
図13は、グリルブラケット3、衝撃吸収部材4及びカバー部材5の組立体の斜視図、図14は、前記組立体の分解斜視図である。図15は、図14とは斜視方向を反転させた、グリルブラケット3単体の斜視図である。図16Aは、斜め前方から見た衝撃吸収部材4単体の斜視図、図16Bは、図16Aの要部拡大斜視図である。図17Aは、斜め後方から見た衝撃吸収部材4単体の斜視図、図17Bは、図17Aの要部拡大斜視図である。
<グリルブラケット>
図13では、フランジ板35に対して6個の第2固定ネジ62が、左右方向に間隔を置いて螺合されている例を示している。これら第2固定ネジ62によって、フランジ板35と衝撃吸収部材4の前板42とが固定されている。また、フランジ板35のグリルフランジ132への取り付け部となる第2締結孔353が、左右方向に略均等間隔で6個配置されている例を示している。フランジ板35の前面からは、ピン354が前方に突出するように突設されている。ピン354は、グリルフランジ132に設けられた受け孔に嵌合し、第3固定ネジ63を締結する前にフランジ板35とグリルフランジ132の位置決めを図るためのものである。
シュラウドアッパメンバ22への連結部となるネジ孔313は、切り欠き部36を挟むように、後端部311に2個設けられている例を示している。なお、平面部31の側端部38付近には、シュラウド2の保持フレームとグリルブラケット3との固定を図るためのネジ孔314が設けられている。
凹部32の左右幅は、グリルブラケット30の左右幅よりもやや短い。このため、前方部分3Bの左右両端には、凹部32の窪みが存在しない側端部38が備えられている。これに伴い、衝撃吸収部材4及びカバー部材5は、凹部32の第1凹部33に載置される部材であるので、これらの左右幅も、グリルブラケット30の左右幅よりも短いサイズに設定されている。
図15を参照して、第1凹部33は、前後方向の幅が概ね均一であり、また、その底板の高さは中央部37よりもやや窪んだ程度である。一方、第2凹部34は、前後方向の幅が、左右端部付近において広幅とされている。また、第2凹部34の底板の高さは、中央部37に対して相当の段差を形成する程度に窪んでいる。水抜き孔341は、左右の広幅部分の近くに配置されている。
<衝撃吸収部材>
衝撃吸収部材4は、上板41、前板42及び下板43で構成される断面コ字型形状部分が左右一対で存在し、これらコ字型形状部分の中間に中央部44が存在する形態である。上板41には、フェイシア上端板16に衝撃吸収部材4を固定するための固定孔413が、複数設けられている。前板42には、グリルブラケット3に衝撃吸収部材4を固定するための締結孔421、及びグリルフランジ132とフランジ板35とを締結する第3固定ネジ63を逃がす受け孔422が、複数設けられている。
下板43は、中央部44が存在する箇所において、受け凹部441を備えている。受け凹部441は、下水平板453が存在する領域であり、下板43よりも上方に突出している。受け凹部441には、グリルブラケット30の中央部37が嵌合される。すなわち、中央部37は、第1凹部33の底板よりもやや上方に突出した部分であり(図15)、その突出部分に嵌り込むように上方へ凹没した受け凹部441が、下板43に設けられている。従って、この受け凹部441の部分が、中央部37を介して支持片7で支持される部分となる。受け凹部441、中央部37及び支持片7の左右方向の幅は、概ね同じである。
受け凹部441の上側において、立壁部45の左右両端には、一対の仕切板412(補強片)が配置されている。仕切板412は前板42と直交し且つ上下方向に延びる板材であり、その上端は上板41及び上水平板452に、下端は下板43及び下水平板453に、前端は前板42に各々繋がっている。つまり一対の仕切板412は、立壁部45を左右方向において挟み込み、また、中央部37と前記コ字型形状部分とを区画している。支持片7との関係では、一対の仕切板412の配置位置は、支持片7の左右方向の幅員内であって、支持片7の左右方向端部の上方に対応する位置の近傍である。
仕切板412は、中央部44において衝撃吸収部材4の機械的強度を補強する役目を果たす。既述の通り、グリルブラケット3においては切り欠き部36の形成によって中央部37が機械的に脆弱となることから、支持片7で中央部37が支持される。この中央部37の上に、一対の仕切板412が立設された受け凹部441を存在させることで、衝撃吸収部材4自身におけるバンパーフェイシア12の支持剛性が高められる。また、立壁部45にはスリット47が設けられ、積極的に脆弱化されているが、これによる中央部44の支持剛性の低下を、一対の仕切板412が補強している。
図17A及び図17Bに示す通り、衝撃吸収部材4は、前記コ字型形状部分の内側に、複数枚の補強リブ48を備えている。補強リブ48は、前板42と上板41とを繋ぐ三角形の板材であり、前板42と直交する方向に配置されている。一方、補強リブ48の下端481は、下板43に対して所定距離だけ離間した位置に配置されている。
補強リブ48によって、前記コ字型形状部分の強度が補強され、衝撃吸収部材4によるバンパーフェイシアの支持剛性を高めることができる。一方で、仕切板412のように上板41と下板43とを繋ぐようなリブを前記コ字型形状部分の内側に複数配置すると、強度が高められ過ぎて衝撃吸収部材4による上下方向の衝撃吸収能力を減失させる。従って、補強リブ48の下端481を下板43に対して離間させることで、衝撃吸収能力が大きく低下しないようにしているものである。
<カバー部材>
カバー部材5は、衝撃吸収部材4の中央部44の左側及び右側の前記コ字型形状部分の開放部4Hを各々覆うよう、左右一対で準備される。スリットカバー53は、立壁部45のスリット47に応じて左右方向に長い形状を有し、スリット47を区画する壁面と係合するフックを備えている。カバー部材5の縦板51が開放部4Hを覆うことで、既述の通り見映えを良くすることができると共に、開放部4Hをから水や塵埃が前記コ字型形状部分の空間へ進入することを防止できる。これにより、前記衝撃吸収部材の耐久性を高めることができる。
なお、グリルブラケット3、衝撃吸収部材4及びカバー部材5間の剛性の高低関係では、グリルブラケット3より衝撃吸収部材4が低剛性の特性を持ち、カバー部材5が衝撃吸収部材4より低剛性の特性を持つ。カバー部材5が最も低剛性とされるのは、衝撃吸収部材4の変形動作を阻害しないようにするためである。
[作用効果]
以上説明した本実施形態に係る車両の前部構造によれば、次のような作用効果を奏する。まず、高剛性のグリルブラケット3単体ではなく、グリルブラケット3と衝撃吸収部材4との複合体によって、バンパーフェイシア12のフェイシア上端板16とシュラウドアッパメンバ22とが連結される。つまり、フェイシア上端板16が、グリルブラケット3と衝撃吸収部材4との複合体を介して、シュラウド2によって支持される。従って、バンパーフェイシア12の自重による垂下を抑止することができる。また、フェイシア上端板16とグリルブラケット3との間に衝撃吸収部材4が介在され、当該衝撃吸収部材4によってフェイシア上端板16が支持されている。このため、フェイシア上端板16に、歩行者の頭部衝撃などの上下方向の衝撃が加わったとしても、衝撃吸収部材4によって前記衝撃を緩衝することができる。従って、歩行者の頭部保護に寄与する。
さらに、衝撃吸収部材4は、中央部44に立壁部45と、該立壁部45に一定的に設けられた、グリルブラケット3に対する結合部材である第2固定ネジ62の収容空間46Hを形成する収容部46とを備える。すなわち、フランジ板35と収容部46の前壁とを前後方向に貫通して、衝撃吸収部材4とグリルブラケット3とを連結する第2固定ネジ62の先端622の部分が、収容部46によって覆い隠されている。従って、ボンネット11を開けようとするユーザーがアクセス空間ASに手指を差し入れたときに、第2固定ネジ62との接触が生じないようにすることができる。
立壁部45の斜板451の上部には、機械的強度を当該立壁部45の他の部分より脆弱化させるためのスリット47が設けられている。スリット47の形成によって、立壁部45の剛性が高くなりすぎないように調整することができ、適正な衝撃の吸収機能を当該立壁部45に施与することができる。
また、立壁部45において、フェイシア上端板16を支持する上水平板452が、収容部46の上方に位置するように、斜板451の上端縁から水平方向前側に延出されている。このような構造とすることで、中央部44において、上水平板452でフェイシア上端板16の荷重を受け、これを収容部46が形成された下水平板453で前記荷重を受け止める構造体を形成することができる。従って、中央部44において、バンパーフェイシア12の垂下に対する耐性を向上させることができる。
上記実施形態では、収容部46は、下面に開口を有する箱形の形状を有する。従って、収容部46の剛性が高くなり、中央部44において、下水平板453での前記荷重の受け止めに一層適した構造体を構築することができる。また、箱形の収容部46に第2固定ネジ62が覆われることから、アクセス空間ASへの手指が進入した場合に、およそ第2固定ネジ62には接触することがない。
グリルブラケット3の平面部31は、アクセス空間ASの近傍において切り欠き部36を有し、この切り欠き部36の前方の中央部37が、支持片7で支持されている。このため、ボンネット11の係合のためのラッチユニット19を収容するためにグリルブラケット3に切り欠き部36を設けねばならない場合でも、支持片7によって衝撃吸収部材4の中央部44が載置される中央部37が支持されるので、所望の支持剛性を確保することができる。
さらに、衝撃吸収部材4は、支持片7の左右方向の幅員内の上方に、上下方向に延びる仕切板412を備える。仕切板412によって衝撃吸収部材4自身の支持剛性が高められるので、バンパーフェイシア12の垂下に対する耐性を一層向上させることができる。
衝撃吸収部材4の中央部44を除く領域は、上板41、前板42及び下板43を含み、後方に向けて開放したコ字型形状を有する。上板41でフェイシア上端板16の上部ブラケット162を支持し、前板42においてグリルブラケット3の前方部分3B(フランジ板35)と固定されている。このように、後方に立壁を具備しない構造体とすることで、上板41が下方に変形し易くなり、衝撃吸収部材4は易変形性となる。また、上板41でフェイシア上端板16からの荷重を受け、且つ、前板42をグリルブラケット3に固定しているので、衝撃吸収部材4を、上から下に向けて加えられる衝撃を吸収し易い。
図6に示した通り、バンパーフェイシア12はグリルフランジ132を有し、フランジ板35の第2締結孔353を用いて、グリルフランジ132が第3固定ネジ63で取り付けられている。このように、グリルブラケット3が、衝撃吸収部材4を介さずにバンパーフェイシア12へ直接的に取り付けられる部分をさらに具備させることで、バンパーフェイシア12の支持状態を安定させることができる。
[変形実施形態の説明]
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、次のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、グリルブラケット3の後端部311がシュラウドアッパメンバ22に固定される例を示した。これに代えて、後端部311をシュラウドパネル21に取り付けるようにしても良い。
(2)上記実施形態では、立壁部45に設けられる脆弱部として、斜板451にスリット47が形成され、該スリット47にスリットカバー53が嵌合される態様を例示した。立壁部45を部分的に脆弱化して変形ストロークを付与できる限りにおいて、脆弱部の態様に限定はない。例えば、スリット47代えて、斜板451の一部を薄肉部とする態様としても良い。
(3)上記実施形態では、収容部46が、下面に開口を有する箱形の形状を有する態様を示した。収容部46は、少なくとも上水平板452と第2固定ネジ62との間に壁部が存在する態様であれば良い。例えば、斜板451の上下方向の中央付近から前方に延びる平板部と、該平板部から下方に垂下する垂直部とを有する断面L字型の収容部としても良い。
1 車両
10 前部
11 ボンネット
11F 前縁
12 バンパーフェイシア
16 フェイシア上端板(バンパーフェイシアの上端部分)
2 シュラウド
3 グリルブラケット(連結部材)
3A 後方部分3A
3B 前方部分3B
31 平面部
35 フランジ板
4 衝撃吸収部材
41、42、43 上板、前板、下板
411 支持部
412 仕切板412(補強片)
421 締結孔(固定部)
44 中央部
45 立壁部
451 斜板
452 上水平板(支持部)
453 下水平板
46 収容部
46H 収容空間
461 挿通孔(固定部)
47 スリット(脆弱部)
5 カバー部材
62 第2固定ネジ(結合部材)
7 支持片
AS アクセス空間AS

Claims (6)

  1. 車両の前部に配置され、ボンネットの前縁と対峙する上端部分を有するバンパーフェイシアと、
    前記バンパーフェイシアよりも後方に配置され、所定の機器へ冷却風を導くシュラウドと、
    前記シュラウドと前記バンパーフェイシアの前記上端部分とを連結させるための連結部材と、
    前記バンパーフェイシアの上端部分と前記連結部材との間に介在される衝撃吸収部材と、を備え、
    前記衝撃吸収部材は、
    車幅方向に延びる部材であって、前記バンパーフェイシアの上端部分を支持する支持部と、前記連結部材に対する固定部と含み、さらに、
    前記ボンネットを開く際にユーザーが手指を差し入れるアクセス空間の近傍に配置され、前記バンパーフェイシアの上端部分と前記連結部材との間に延びる立壁部と、
    前記立壁部の下部前方に配置され、前記固定部において当該衝撃吸収部材と前記連結部材とを固定する結合部材を収容する収容空間を形成する収容部と、
    を含む車両の前部構造。
  2. 請求項1に記載の車両の前部構造において、
    前記立壁部が、当該立壁部の上部に形成され、機械的強度が当該立壁部の他の部分より脆弱化された脆弱部を備える、車両の前部構造。
  3. 請求項1又は2に記載の車両の前部構造において、
    前記支持部が、前記収容部の上方に位置するように前記立壁部の上端から水平方向に延出された部分からなる、車両の前部構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、
    前記収容部が、下面に開口を有する箱形の形状を有する、車両の前部構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の前部構造において、
    前記連結部材は、前記衝撃吸収部材が載置される前方部分と、車幅方向に延びる平面部及び前記シュラウドに連結される連結部を有する後方部分と、を含み、前記平面部は前記アクセス空間の近傍において切り欠き部を有し、
    前記切り欠き部の形成位置の前方の位置において、前記前方部分を下方から支持する支持片をさらに備える、車両の前部構造。
  6. 請求項5に記載の車両の前部構造において、
    前記支持片は、前記立壁部の車幅方向の長さに応じて定められる所定幅を有する板状部材からなり、
    前記衝撃吸収部材は、前記支持片の幅員内の上方に、上下方向に延びる補強片を備える、車両の前部構造。
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