JP6710229B2 - 取付部材 - Google Patents

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Description

本発明は、フロントバンパ又はフロントグリルである外装品を車体に取り付ける取付部材に関する。
特許文献1に従来の取付部材が開示されている。この取付部材は、車体と、車体に設けられるフロントフードと、フロントフードの前方で車体に設けられる外装品とを備えた車両に用いられている。特許文献1において、外装品はフロントグリルである。
取付部材は、固定体と、取付本体と、サポート部とを備えている。固定体は、車体の後方に向かって延びており、車体に固定されている。取付本体は、車体の幅方向に延びており、外装品に固定されている。サポート部は、取付本体に形成されて固定体とは反対側している。サポート部は、車体の前方に延びるように、車体の下方に向って湾曲している。サポート部は、取付本体が外装品に固定されることにより、外装品の内側、より具体的には、外装品の上面の内側に位置する。
このような車両では、例えばフロントフードを開放させてエンジンルームの整備等を行う際、整備者が外装品の上面に手をかけることにより、外装品の上面に荷重が作用する。この点、特許文献1記載の取付部材では、サポート部が外装品の上面の内側から外装品を支持する。これにより、この取付部材では、外装品の上面に荷重が作用した場合であっても、外装品にガタツキが生じ難くなっている。
特開2016−30522号公報
ところで、デザインによっては、外装品の上面がフロントフードの前方に露出する車両が存在する。このような車両が例えば、前方から物体や道路上の設置物等(以下、これらを総称して被衝突体という。)に衝突すると、被衝突体が外装品の上面に干渉し得る。このため、この際の衝撃力を吸収することによって、被衝突体を保護することが求められる。
しかし、被衝突体の更なる保護を図るためには、取付部材に改良の余地がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、車両の通常の使用時には外装品の上面に作用する荷重を支持しつつ、被衝突体が外装品の上面に衝突した際には被衝突体を好適に保護可能な取付部材を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の取付部材は、車体と、前記車体に設けられるフロントフードと、前記フロントフードの前方で前記車体に設けられ、フロントバンパ又はフロントグリルである外装品とを備えた車両に用いられ、前記外装品を前記車体に取り付ける取付部材であって、
前記外装品の上面は、前記フロントフードの前方に露出し、
前記取付部材は、前記車体の後方に向かって延び、前記車体に固定される固定体と、前記車体の幅方向に延び、前記外装品に固定される取付本体と、前記固定体と前記取付本体とを接続する接続体とを有し、
前記接続体は、前記車体の幅方向に離間して配置され、下端が前記固定体に接続して互いに対向しつつ前記車体の上方に向かって延び、前記取付本体に接続する第1立壁及び第2立壁を有し、
前記第1立壁には、前記外装品の前記上面への衝撃により、前記第1立壁上下方向に圧縮変形させ易くす第1変形部が設けられ
前記第2立壁には、前記外装品の前記上面への衝撃により、前記第2立壁を上下方向に圧縮変形させ易くする第2変形部が設けられ、
前記第1変形部は、前記第1立壁と前記第2立壁との前記車体の幅方向の間隔が前記車体の上方に向かうにつれて広くなるように、前記第1立壁を傾斜させ、
前記第2変形部は、前記第1立壁と前記第2立壁との前記車体の幅方向の間隔が前記車体の上方に向かうにつれて広くなるように、前記第2立壁を傾斜させていることを特徴とする。
本発明の取付部材では、接続体の第1立壁及び第2立壁が固定体と取付本体とを接続することで、固定体及び取付本体を補強する。このため、この取付部材では、車両の通常の使用時には、整備者が外装品の上面に手をかける等によって、外装品の上面に荷重が作用しても、外装品にガタツキが生じ難い。
一方、この取付部材では、外装品の上面への衝撃、つまり、被衝突体が外装品の上面に衝突することによって、車両の通常の使用時の荷重を超える衝撃が外装品の上面に作用することにより、第1変形部が第1立壁を上下方向に圧縮変形させ易くし、第2変形部が第2立壁を上下方向に圧縮変形させ易くする。こうして、この取付部材は、外装品の上面への衝撃によって外装品を車両の下方に移動させる。これにより、この取付部材では、被衝突体が外装品の上面に衝突した際の衝撃力を好適に吸収できる。
したがって、本発明の取付部材によれば、車両の通常の使用時には外装品の上面に作用する荷重を支持しつつ、被衝突体が外装品の上面に衝突した際には被衝突体を好適に保護可能である。
第1変形部は、第1立壁と第2立壁との車体の幅方向の間隔が前記車体の上方に向かうにつれて広くなるように、第1立壁傾斜させ、第2変形部は、第1立壁と第2立壁との車体の幅方向の間隔が車体の上方に向かうにつれて広くなるように、第2立壁を傾斜させている。
また、第1立壁、固定体に接続する第1基部と、取付本体に接続する第1先端部とを有し得る。また、第2立壁は、固定体に接続する第2基部と、取付本体に接続する第2先端部とを有し得る。そして、第1変形部は、第1基部と第1先端部との間に位置して、第1立壁屈曲させる第1屈曲部を有し、第2変形部は、第2基部と第2先端部との間に位置して、第2立壁を屈曲させる第2屈曲部を有していること好ましい。
また、第1立壁、固定体に接続する第1基部と、取付本体に接続する第1先端部とを有し得る。第2立壁は、固定体に接続する第2基部と、取付本体に接続する第2先端部とを有し得る。そして、第1変形部は、第1基部と第1先端部との間に位置する第1ノッチを有し、第2変形部は、第2基部と第2先端部との間に位置する第2ノッチを有していることも好ましい。
また、第1立壁、固定体に接続する第1基部と、取付本体に接続する第1先端部とを有し得る。第2立壁は、固定体に接続する第2基部と、取付本体に接続する第2先端部とを有し得る。そして、第1変形部は、第1基部と第1先端部との間に位置し、第1基部及び第1先端部よりも薄肉に形成された第1薄肉部を有し、第2変形部は、第2基部と第2先端部との間に位置し、第2基部及び第2先端部よりも薄肉に形成された第2薄肉部を有していることも好ましい。
また、第1変形部は、第1立壁に形成された第1切欠き又は第1スリットを有し、第2変形部は、第2立壁に形成された第2切欠き又は第2スリットを有していることも好ましい。
これらの場合には、第1変形部及び第2変形部が第1立壁及び第2立壁を上下方向に好適に圧縮変形させ易くすることができる。このため、被衝突体が外装品の上面に衝突した際の衝撃力をより好適に吸収することができる。
接続体は、車体の幅方向に延び、第1立壁と第2立壁とを接続する接続壁を有し得る。そして、接続壁には、外装品の上面への衝撃により、接続壁を破断して第1立壁と第2立壁との接続を解除する破断部が設けられていることが好ましい。
この場合には、接続壁が第1立壁と第2立壁とを接続することにより、第1立壁及び第2立壁は、固定体及び取付本体をより好適に補強できる。このため、この取付部材では、車両の通常の使用時に外装品の上面に荷重が作用した際に、外装品をより好適に支持することができる。一方、外装品の上面への衝撃が作用した際には、破断部が接続壁を破断して第1立壁と第2立壁との接続を解除する。このため、接続壁は、第1立壁及び第2立壁が上下方向に圧縮変形することを阻害し難い。
破断部は、接続壁に形成された切欠き又はスリットであることが好ましい。この場合には、破断部を接続壁に容易に設けることができる。
本発明の取付部材によれば、車両の通常の使用時には外装品の上面に作用する荷重を支持しつつ、被衝突体が外装品の上面に衝突した際には被衝突体を好適に保護可能である。
図1は、実施例1の取付部材が用いられた車両の斜視図である。 図2は、図1のA−A断面を示す模式断面図である。 図3は、実施例1の取付部材の斜視図である。 図4は、実施例1の取付部材の斜視図である。 図5は、実施例1の取付部材に係り、第1立壁、第2立壁、接続壁、変形部及び破断部等を示す要部拡大斜視図である。 図6は、実施例1の取付部材に係り、第1立壁、第2立壁、接続壁、変形部及び破断部等を示す要部拡大正面図である。 図7は、実施例1の取付部材に係り、第1立壁及び第2立壁が圧縮変形した状態を示す要部拡大正面図である。 図8は、実施例2の取付部材に係り、第1立壁、第2立壁、接続壁、変形部及び破断部等を示す要部拡大正面図である。 図9は、実施例3の取付部材に係り、第1立壁、第2立壁、接続壁、変形部及び破断部等を示す要部拡大正面図である。 図10は、実施例4の取付部材に係り、第1立壁、第2立壁、接続壁、変形部及び破断部等を示す要部拡大斜視図である。 図11は、実施例5の取付部材に係り、第1立壁、第2立壁、接続壁、変形部及び破断部等を示す要部拡大斜視図である。 図12は、実施例6の取付部材に係り、第1立壁、第2立壁、接続壁、変形部及び破断部等を示す要部拡大斜視図である。 図13は、実施例7の取付部材に係り、第1立壁、第2立壁、接続壁、変形部及び破断部等を示す要部拡大正面図である。 図14は、実施例8の取付部材に係り、第1立壁、第2立壁、接続壁、変形部及び破断部等を示す要部拡大正面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜8を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1の取付部材1は、車両100に用いられている。車両100は、車体101と、フロントフード102と、フロントバンパ103とを備えている。フロントバンパ103は、本発明の「外装品」の一例である。なお、図1では、説明を容易にするため、取付部材1の形状を簡略化して図示している。
本実施例では、図1に示す各矢印によって、車体101の上下方向、左右方向及び前後方向を規定している。そして、図2以降では、図1に対応して、上下方向、左右方向及び前後方向を規定している。なお、これらの各方向は説明の便宜上のための一例である。
図2に示すように、車体101は、バンパフレーム101a、バンパアブソーバ101b及びラジエータサポート101cの他、図示しない車体フレーム等を有している。車体101は、エンジンルールER等の車両100の基本構成を形成している。バンパフレーム101aは、車体101の左右方向、すなわち車体101の幅方向に延びている。バンパアブソーバ101bは、バンパフレーム101aに固定されている。ラジエータサポート101cは、矩形の枠状に形成されており、車体フレームに固定されている。ラジエータサポート101c内には、ラジエータ104が配置されている。また、ラジエータサポート101cにはブラケット105が固定されている。ブラケット105には第1取付孔105aが形成されている。
フロントフード102は、車体101に揺動可能に設けられており、車体101の上部に位置している。フロントフード102はエンジンルームERの開放と閉鎖とを行う。フロントフード102は、アウタパネル102aとインナパネル102bとを有している。アウタパネル102a及びインナパネル102bの前端には、フロントシールゴム102cが取り付けられている。図1に示すように、フロントシールゴム102cは、車体101の幅方向に延びており、フロントフード102の前縁を構成している。
フロントバンパ103は、フロントフード102の前方で車体101に設けられている。これにより、図2に示すように、フロントバンパ103は、バンパアブソーバ101bを車体101の前方から覆っている。
フロントバンパ103には、上面103a及び前端面103bが形成されている。上面103aは、フロントバンパ103が車体101に設けられた状態でフロントフード102よりも車体101の前方に位置しており、フロントシールゴム102cと隣接している。つまり、フロントバンパ103では、上面103aがフロントフード102の前方に露出している。前端面103bは、上面103aの下方に位置しており、上面103aよりも車体101の前方に延びている。
また、フロントバンパ103には、第1フロントグリル106と、第2フロントグリル107と、第3フロントグリル108とがそれぞれ取り付けられている。さらに、フロントバンパ103には、アンダーカバー109が取り付けられている。アンダーカバー109は、車体101の下方に位置している。
取付部材1は、フロントバンパ103とブラケット105との間に配置されている。取付部材1は樹脂製である。図3及び図4に示すように、取付部材1は、固定体13と、取付本体15と、接続体17とを有している。図3に示すように、固定体13は、取付部材1に2つ設けられており、各固定体13同士は、車体101の幅方向で所定の間隔を設けて配置されている。図5に示すように、固定体13は、車体101の後方に向かって延びている。固定体13には、第2取付孔13aが形成されている。なお、固定体13の個数は適宜設計可能である。
図3及び図4に示すように、取付本体15は、フロントバンパ103の形状に沿うように形成されており、車体101の幅方向に延びている。取付本体15は、第1支持面15aと第2支持面15bとを有している。第1支持面15aは取付本体15の上方に位置している。第2支持面15bは、第1支持面15aよりも下方であって、取付本体15の前方に位置している。また、取付本体15には複数の第3取付孔15cが形成されている。なお、取付本体15は、フロントバンパ103の形状に応じて適宜設計可能である。
図5に示すように、接続体17は、第1立壁171と、第2立壁172と、接続壁173とで構成されている。第1立壁171は固定体13の左側に位置している。第1立壁171は、第1基部171aと第1先端部171bとを有している。第1基部171aは第1立壁171の下端に位置しており、固定体13と接続している。これにより、第1基部171aは固定体13と一体をなしている。第1先端部171bは第1立壁171の上端に位置しており、取付本体15と接続している。これにより、第1先端部171bは取付本体15と一体をなしている。
第2立壁172は固定体13の右側に位置している。これにより、第1立壁171と第2立壁172とは、固定体13を挟んで互いに対向している。第2立壁172は、第2基部172aと第2先端部172bとを有している。第2基部172aは第2立壁172の下端に位置しており、固定体13と接続している。これにより、第2基部172aも固定体13と一体をなしている。第2先端部172bは第2立壁172の上端に位置しており、取付本体15と接続している。これにより、第2先端部172bも取付本体15と一体をなしている。
第1立壁171は、固定体13側から車体101の上方、つまり、第1基部171aから第1先端部171bに向って延びている。ここで、図6に示すように、第1立壁171は、車体101の上方に向うにつれて、第2立壁172から車体101の左側に離れるように、角度θ1度で傾斜している。第2立壁172も、固定体13側から車体101の上方、つまり、第2基部172aから第2先端部172bに向って延びている。第2立壁172は、車体101の上方に向うにつれて、第1立壁171から車体101の右側に離れるように、角度θ1度で傾斜している。これにより、第1立壁171と第2立壁172とは、第1、2基部171a、172a側では、車体101の幅方向の間隔が長さL1となっている。そして、この車体101の幅方向の間隔は、車体101の上方に向かうにつれて広くなっており、第1、2先端部171b、172b側では、車体101の幅方向の間隔が長さL2となっている。なお、図6では、説明を容易にするため、取付部材1等の形状を簡略化して図示している。図7〜図9、図13及び図14についても同様である。
この取付部材1では、このように、第1立壁171と第2立壁172との車体101の幅方向の間隔が車体101の上方に向かうにつれて広くなるように、第1立壁171を傾斜させることにより、第1変形部19aが構成されている。また、第1立壁171と第2立壁172との車体101の幅方向の間隔が車体101の上方に向かうにつれて広くなるように、第2立壁172を傾斜させることにより、第2変形部19bが構成されている。すなわち、第1変形部19aは第1立壁171に設けられており、第2変形部19bは第2立壁172に設けられている
接続壁173は、車体101の幅方向に延びており、第1立壁171と第2立壁172とを接続している。より具体的には、接続壁173は、第1先端部171bと第2先端部172bとを接続している。これにより、接続壁173は、第1先端部171b及び第2先端部172bと一体をなしているともに、取付本体15とも一体をなしている。接続壁173には、切欠き173aが形成されている。切欠き173aは本発明の「破断部」の一例である。切欠き173aは、接続壁173の左右方向の略中央に位置しており、接続壁173の上下方向に延びている。
これらの第1立壁171、第2立壁172及び接続壁173により、固定体13と取付本体15とが接続されており、固定体13と取付本体15とが一体をなしている。
図2に示すように、ブラケット105の第1取付孔105a及び固定体13の第2取付孔13aには、ボルト21aが挿通されている。ボルト21aは、ブラケット105側でナット21bに締結されている。これにより、固定体13はブラケット105を通じてラジエータサポート101cに固定されている。また、取付本体15は、図3及び図4に示す各第3取付孔15cに挿通された取付ネジ(図示略)等によって、フロントバンパ103の内側に固定されている。こうして、取付部材1により、フロントバンパ103が車体101に取り付けられている。また、取付部材1では、取付本体15の第1支持面15aがフロントバンパ103の上面103aの内側に位置して、上面103aを支持する。そして、取付本体15の第2支持面15bがフロントバンパ103の前端面103bの内側に位置して、前端面103bを支持する。なお、固定体13はラジエータサポート101cに直接固定されても良い。また、固定体13は、取付ピン等によって、ブラケット105やラジエータサポート101cに固定されても良い。
以上のように構成された取付部材1では、接続体17、すなわち、第1立壁171、第2立壁172及び接続壁173が固定体13と取付本体15とを接続することで、固定体13及び取付本体15を補強する。このため、車両100の通常の使用時には、エンジンルームERの整備を行う整備者がフロントバンパ103の上面103aに手をかける等によって、フロントバンパ103の上面103aに荷重が作用しても、この取付部材1では、フロントバンパ103を好適に支持することができる。このため、フロントバンパ103にガタツキが生じ難くなっている。
一方、被衝突体(図示略)がフロントバンパ103の上面103aに衝突することによって、図7の矢印で示すように、車両100の通常の使用時における荷重を超える衝撃がフロントバンパ103の上面103aに作用する。これにより、この取付部材1では、第1変形部19a、第2変形部19b及び切欠き173aが第1立壁171及び第2立壁172を上下方向に圧縮変形させ易くする。具体的には、フロントバンパ103の上面103aへの衝撃によって、接続壁173が切欠き173aの部分で破断することにより、接続壁173は、第1立壁171と第2立壁172との接続を解除する。そして、第1変形部19aは、第2立壁172から離れるように第1立壁171を屈曲させることで、第1立壁171を上下方向に圧縮変形させ易くする。同様に、第2変形部19bは、第1立壁171から離れるように第2立壁172を屈曲させることで、第2立壁172を上下方向に圧縮変形させ易くする。ここで、上面103aへの衝撃の大きさによっては、第1立壁171及び第2立壁172は、上下方向に圧縮変形しつつ破断し得る。こうして、取付部材1は、フロントバンパ103の上面103aへの衝撃によって、車体101の下方に押し潰れることにより、フロントバンパ103を車体101の下方に移動させる。これにより、この取付部材1では、被衝突体が上面103aに衝突した際の衝撃力を好適に吸収することが可能となっている。
したがって、実施例1の取付部材1によれば、車両100の通常の使用時にはフロントバンパ103の上面103aに作用する荷重を支持しつつ、被衝突体がフロントバンパ103の上面103aに衝突した際には被衝突体を好適に保護可能である。
特に、この取付部材1では、第1立壁171と第2立壁172との車体101の幅方向の間隔が車体101の上方に向かうにつれて広くなるように第1立壁171を傾斜させることで第1変形部19aが構成されている。同様に、第2立壁172を傾斜させることにより、第2変形部19bが構成されている。これらにより、第1、2変形部19a、19bが第1、2立壁171、172を上下方向に好適に圧縮変形させることが可能となっている。
また、この取付部材1では、接続壁173が第1立壁171と第2立壁172とを接続することにより、第1立壁171及び第2立壁172が固定体13及び取付本体15を好適に補強することが可能となっている。ここで、上面103aへの衝撃によって、接続壁173が切欠き173aの部分で破断するため、第1立壁171及び第2立壁172が上下方向に圧縮変形するに当たって、接続壁173がそれを妨げ難くなっている。また、切欠き173aを破断部とすることにより、接続壁173に破断部を容易に設けることが可能となっている。
(実施例2)
図8に示すように、実施例2の取付部材2では、第1立壁171が車体101の上方に向うにつれて、第2立壁172から車体101の左側に離れるように、固定部13に対して角度θ1度で傾斜している。一方、第2立壁172は、車体101の上方に向うにつれて、第1立壁171から車体101の右側に離れるように、固定部13に対して角度θ2度で傾斜している。角度θ2度は角度θ1度よりも小さい。このように、実施例2の取付部材2では、第1立壁171と第2立壁172とが異なる角度で傾斜している。
これにより、この取付部材2において、第1立壁171と第2立壁172とは、第1、2基部171a、172a側では、実施例1の取付部材1と同様、車体101の幅方向の間隔が長さL1となっている。これに対し、第1、2先端部171b、172b側では、車体101の幅方向の間隔が長さL3となっている。長さL3は、図6に示す長さL2よりも長い。なお、第1立壁171と第2立壁172とが異なる角度で傾斜していれば、第1立壁171は、角度θ1度以外の角度で傾斜していても良い。また、第2立壁172は、第1立壁171よりも大きい角度で傾斜していても良い。この取付部材2における他の構成は実施例1の取付部材1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
この取付部材2でも実施例1の取付部材1と同様の作用を奏することができる。
(実施例3)
図9に示すように、実施例3の取付部材3では、第1立壁171を傾斜させるとともに、第1屈曲部190によって、第1変形部19aが構成されている。また、第2立壁172を傾斜させるとともに、第2屈曲部191によって、第2変形部19bが構成されている。
第1屈曲部190は、第1立壁171に設けられており、第1基部171aと第1先端部171bとの間に位置している。第1屈曲部190は、第1先端部171bが第2先端部172bから車体101の左側に離れるように第1立壁171を屈曲させている。第2屈曲部191は、第2立壁172に設けられており、第2基部172aと第2先端部172bとの間に位置している。第2先端部172bが第1先端部171bから車体101の右側に離れるように第2立壁172を屈曲させている。なお、第1、2屈曲部190、191が第1、2立壁171、172を屈曲させる角度は、適宜設計可能である。この取付部材3における他の構成は実施例1の取付部材1と同様である。
この取付部材3でも、第1、2変形部19a、19bが第1、2立壁171、172をそれぞれ上下方向に圧縮変形させ易くする。この際、第1、2屈曲部190、191がそれぞれ起点となることにより、実施例1の取付部材1と異なり、第1立壁171は第2立壁172に近づくように屈曲する。また、第2立壁172は第1立壁171に近づくように屈曲する。こうして、この取付部材3でも実施例1の取付部材1と同様の作用を奏することができる。
(実施例4)
図10に示すように、実施例4の取付部材4では、第1立壁171を傾斜させるとともに、複数の第1ノッチ192によって、第1変形部19aが構成されている。また、第2立壁172を傾斜させるとともに、複数の第2ノッチ193によって、第2変形部19bが構成されている。
各第1ノッチ192は、第1立壁171に設けられており、第1基部171aと第1先端部171bとの間に位置している。各第1ノッチ192は、第2立壁172側に向って凹設されている。つまり、各第1ノッチ192は、第1立壁171を貫通していない。各第2ノッチ193は、第2立壁172に設けられており、第2基部172aと第2先端部172bとの間に位置している。各第2ノッチ193は、第1立壁171側に向って凹設されている。つまり、各第2ノッチ193も、第2立壁172を貫通していない。なお、第1、2ノッチ192、193の個数や形状は適宜設計可能である。この取付部材4における他の構成は実施例1の取付部材1と同様である。
この取付部材4でも、第1、2変形部19a、19bが第1、2立壁171、172をそれぞれ上下方向に圧縮変形させ易くする。この際、各第1、2ノッチ192、193には応力が集中し易くなるため、第1、2立壁171、172が屈曲し易くなっている。こうして、この取付部材4でも実施例1の取付部材1と同様の作用を奏することができる。
(実施例5)
図11に示すように、実施例5の取付部材5では、第1立壁171を傾斜させるとともに、第1薄肉部194によって、第1変形部19aが構成されている。また、第2立壁172を傾斜させるとともに、第2薄肉部195によって、第2変形部19bが構成されている。
第1薄肉部194は、第1立壁171に設けられており、第1基部171aと第1先端部171bとの間に位置している。第1薄肉部194は、第1立壁171の前後方向に延びている。第2薄肉部195は、第2立壁172に設けられており、第2基部172aと第2先端部172bとの間に位置している。第2薄肉部195は、第2立壁172の前後方向に延びている。これらの第1、2薄肉部194、195は、第1、2基部171a、172aや第1、2先端部171b、172bに比べて薄肉に形成されている。なお、第1、2薄肉部194、195の形状は適宜設計可能である。この取付部材5における他の構成は実施例1の取付部材1と同様である。
この取付部材5でも、第1、2変形部19a、19bが第1、2立壁171、172をそれぞれ上下方向に圧縮変形させ易くする。ここで、第1、2立壁171、172において、第1、2薄肉部194、195が形成された箇所は、第1、2立壁171、172の他の箇所に比べて板厚が薄くなっている。このため、第1、2立壁171、172は、第1、2薄肉部194、195の部分で屈曲し易くなっている。こうして、この取付部材5でも実施例1の取付部材1と同様の作用を奏することができる。
(実施例6)
図12に示すように、実施例6の取付部材6では、第1立壁171を傾斜させるとともに、第1スリット196によって、第1変形部19aが構成されている。また、第2立壁172を傾斜させるとともに、第2スリット197によって、第2変形部19bが構成されている。
第1スリット196は、第1立壁171に設けられており、第1立壁171の上下方向に延びている。第2スリット197は、第2立壁172に設けられており、第2立壁172の上下方向に延びている。なお、第1、2スリット196、197は複数であっても良い。この取付部材6における他の構成は実施例1の取付部材1と同様である。
この取付部材6でも、第1、2変形部19a、19bが第1、2立壁171、172をそれぞれ上下方向に圧縮変形させ易くする。この際、第1、2スリット196、197により、第1、2立壁171、172が屈曲し易くなっている。こうして、この取付部材6でも実施例1の取付部材1と同様の作用を奏することができる。
(実施例7)
図13に示すように、実施例7の取付部材7では、第1立壁171を傾斜させるとともに、第1切欠き198によって、第1変形部19aが構成されている。また、第2立壁172を傾斜させるとともに、第2切欠き199によって、第2変形部19bが構成されている。
第1切欠き198は、第1立壁171に設けられており、第1立壁171の前後方向に延びている。第2切欠き199は、第2立壁172に設けられており、第2立壁172の前後方向に延びている。なお、第1、2切欠き198、199は複数であっても良い。この取付部材7における他の構成は実施例1の取付部材1と同様である。
この取付部材7でも、第1、2変形部19a、19bが第1、2立壁171、172をそれぞれ上下方向に圧縮変形させ易くする。この際、第1切欠き198が起点となることにより、第1立壁171が屈曲し易くなっており、また、第2切欠き199が起点となることにより、第2立壁172が屈曲し易くなっている。こうして、この取付部材7でも実施例1の取付部材1と同様の作用を奏することができる。
(実施例8)
図14に示すように、実施例8の取付部材8では、接続壁173にスリット173bが形成されている。スリット173bも本発明の「破断部」の一例である。なお、スリット173bは複数であっても良い。この取付部材7における他の構成は実施例1の取付部材1と同様である。
この取付部材8では、フロントバンパ103の上面103aへの衝撃によって、接続壁173がスリット173bの部分で破断する。これにより、接続壁173は、第1立壁171と第2立壁172との接続を解除する。こうして、この取付部材8でも実施例1の取付部材1と同様の作用を奏することができる。
以上において、本発明を実施例1〜8に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜8に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1〜8の取付部材1〜8によって、フロントグリルを車体101に取り付けても良い。
また、実施例1〜8の取付部材1〜8の各構成を適宜組み合わせることによって、取付部材を形成しても良い。
本発明は乗用自動車の他、産業車両等に利用可能である。
1〜8…取付部材
13…固定体
15…取付本体
17…接続体
19a…第1変形
19b…第2変形
101…車体
102…フロントフード
103…フロントバンパ(外装品)
103a…上面
171…第1立壁
171a…第1基部
171b…第1先端部
172…第2立壁
172a…第2基部
172b…第2先端部
173…接続壁
173a…切欠き(破断部)
173b…スリット(破断部)
190…第1屈曲
191…第2屈曲
192…第1ノッ
193…第2ノッ
194…第1薄肉
195…第2薄肉
196…第1スリッ
197…第2スリッ
198…第1切欠
199…第2切欠

Claims (8)

  1. 車体と、前記車体に設けられるフロントフードと、前記フロントフードの前方で前記車体に設けられ、フロントバンパ又はフロントグリルである外装品とを備えた車両に用いられ、前記外装品を前記車体に取り付ける取付部材であって、
    前記外装品の上面は、前記フロントフードの前方に露出し、
    前記取付部材は、前記車体の後方に向かって延び、前記車体に固定される固定体と、前記車体の幅方向に延び、前記外装品に固定される取付本体と、前記固定体と前記取付本体とを接続する接続体とを有し、
    前記接続体は、前記車体の幅方向に離間して配置され、下端が前記固定体に接続して互いに対向しつつ前記車体の上方に向かって延び、前記取付本体に接続する第1立壁及び第2立壁を有し、
    前記第1立壁には、前記外装品の前記上面への衝撃により、前記第1立壁上下方向に圧縮変形させ易くす第1変形部が設けられ
    前記第2立壁には、前記外装品の前記上面への衝撃により、前記第2立壁を上下方向に圧縮変形させ易くする第2変形部が設けられ、
    前記第1変形部は、前記第1立壁と前記第2立壁との前記車体の幅方向の間隔が前記車体の上方に向かうにつれて広くなるように、前記第1立壁を傾斜させ、
    前記第2変形部は、前記第1立壁と前記第2立壁との前記車体の幅方向の間隔が前記車体の上方に向かうにつれて広くなるように、前記第2立壁を傾斜させていることを特徴とする取付部材。
  2. 前記第1立壁、前記固定体に接続する第1基部と、前記取付本体に接続する第1先端部とを有し、
    前記第2立壁は、前記固定体に接続する第2基部と、前記取付本体に接続する第2先端部とを有し、
    前記第1変形部は、前記第1基部と前記第1先端部との間に位置して、前記第1立壁屈曲させる第1屈曲部を有し、
    前記第2変形部は、前記第2基部と前記第2先端部との間に位置して、前記第2立壁を屈曲させる第2屈曲部を有している請求項記載の取付部材。
  3. 前記第1立壁、前記固定体に接続する第1基部と、前記取付本体に接続する第1先端部とを有し、
    前記第2立壁は、前記固定体に接続する第2基部と、前記取付本体に接続する第2先端部とを有し、
    前記第1変形部は、前記第1基部と前記第1先端部との間に位置する第1ノッチを有し、
    前記第2変形部は、前記第2基部と前記第2先端部との間に位置する第2ノッチを有している請求項1又は2記載の取付部材。
  4. 前記第1立壁、前記固定体に接続する第1基部と、前記取付本体に接続する第1先端部とを有し、
    前記第2立壁は、前記固定体に接続する第2基部と、前記取付本体に接続する第2先端部とを有し、
    前記第1変形部は、前記第1基部と前記第1先端部との間に位置し、前記第1基部及び前記第1先端部よりも薄肉に形成された第1薄肉部を有し、
    前記第2変形部は、前記第2基部と前記第2先端部との間に位置し、前記第2基部及び前記第2先端部よりも薄肉に形成された第2薄肉部を有している請求項1乃至のいずれか1項記載の取付部材。
  5. 前記第1変形部は、前記第1立壁に形成された第1切欠き又は第1スリットを有し、
    前記第2変形部は、前記第2立壁に形成された第2切欠き又は第2スリットを有している請求項1乃至のいずれか1項記載の取付部材。
  6. 前記接続体は、前記車体の幅方向に延び、前記第1立壁と前記第2立壁とを接続する接続壁を有し、
    前記接続壁には、前記外装品の前記上面への衝撃により、前記接続壁を破断して前記第1立壁と前記第2立壁との接続を解除する破断部が設けられている請求項1乃至のいずれか1項記載の取付部材。
  7. 前記破断部は、前記接続壁に形成された切欠き又はスリットである請求項記載の取付部材。
  8. 前記第1変形部は、前記固定部に対して前記第1立壁を第1角度で傾斜させ、
    前記第2変形部は、前記固定部に対して前記第2立壁を前記第1角度よりも小さい第2角度で傾斜させている請求項1乃至7のいずれか1項記載の取付部材。
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